JP4260832B2 - 排ガス処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリ塩化ビフェニルが含有される被処理ガスからのポリ塩化ビフェニル除去に用いられる排ガス処理装置に関し、より詳しくは、ポリ塩化ビフェニルが含有される被処理ガスが活性炭に接触されて被処理ガスからポリ塩化ビフェニルが除去される排ガス処理装置に関する。
従来、ポリ塩化ビフェニル(以下「PCB」ともいう)は、優れた電気絶縁性を有することからコンデンサやトランスなどの電気機器用絶縁油などに、過去においては、多く用いられている。
近年、その有害性が認められるようになりその使用は禁止され、PCBが使用された電気機器は回収され、これら電気機器からPCBが除去され、除去されたPCBが分解処理されるなどしている。
この電気機器からのPCBの除去においては、例えば、電気機器を解体し、解体された解体物を洗浄した後に、さらに真空加熱処理を実施する方法などが一般に採用されている。このPCB除去作業は、PCBの周囲への飛散を防止すべく閉鎖された室内で実施され、しかも、この室内をわずかに負圧状態に維持して行われたりしている。
このPCB除去作業が行われる室内からの排気や、真空加熱処理における排気、さらには、解体物の洗浄を行う洗浄装置の排気などによるPCBを含む排ガスについては、例えば、オイルスクラバーを通過させた後に、さらに、活性炭フィルターを通過させるなどして、排ガスが定められた基準値以下のPCB濃度となるまでオイルや活性炭でPCBが除去されて大気放出されたりしている。
このようなPCBを含有する排ガス(被処理ガス)からPCBを除去する排ガス処理装置においては、PCB除去性能に優れたものが求められている。
特許文献1には、排ガス処理装置に用いられる活性炭について、ダイオキシンなどの有機ハロゲン化物に対する吸着性能に優れた活性炭が記載されている。
しかし、従来、PCB除去のための活性炭については殆ど検討されていない。
また、PCBを含んだ被処理ガスから活性炭を用いてPCBを除去する場合においては、含まれるPCBの量が同等の被処理ガスであっても、活性炭に接触させた後の処理済ガスに含有されるPCB量が異なる場合がある。
すなわち、従来の排ガス処理装置は、被処理ガスによってはPCB除去性能が低下する場合があり、このPCB除去性能の低下によって処理済ガスのPCB濃度が基準値を上回ってしまい、大気中に放出できなくなるおそれを有している。
特開2006−143494号公報
本発明は、ポリ塩化ビフェニル除去性能の低下が発生することを防止し得る排ガス処理装置を提供することを課題としている。
本発明者らは、ポリ塩化ビフェニルが含有される被処理ガスが活性炭に接触されて被処理ガスからポリ塩化ビフェニルが除去される排ガス処理装置のポリ塩化ビフェニル除去性能の低下とその抑制方法について鋭意検討を行った結果、従来の排ガス処理装置における活性炭は、塩素数5以上のビフェニル成分を被処理ガスから除去する性能が低いこと、ならびに、そのためにポリ塩化ビフェニルに塩素数5以上のビフェニル成分が多く含まれているほどポリ塩化ビフェニル除去性能を低下させるおそれがあることを見出した。
また、所定の細孔容積を有する活性炭がこの塩素数5以上のビフェニル成分を被処理ガス中から除去する性能において優れていることを見出し、本発明の完成に到ったのである。
すなわち、本発明は、前記課題を解決すべく、活性炭が用いられており、ポリ塩化ビフェニルが含有される被処理ガスが前記活性炭に接触されて前記被処理ガスからポリ塩化ビフェニルが除去される排ガス処理装置であって、前記ポリ塩化ビフェニルに塩素数5以上のビフェニル成分が塩素数4以下のビフェニル成分とともに含有されている被処理ガスからのポリ塩化ビフェニル除去に用いられ、前記活性炭として細孔容積が0.55ml/g以上の活性炭と、細孔直径の分布曲線のピーク値が10〜20Åにあり且つ細孔容積が0.54ml/g以下である活性炭との2種類の活性炭が用いられており、被処理ガスが細孔容積が0.55ml/g以上の活性炭に接触された後に、細孔直径の分布曲線のピーク値が10〜20Åにあり且つ細孔容積が0.54ml/g以下である活性炭に接触されることにより、細孔容積が0.55ml/g以上の活性炭でポリ塩化ビフェニルが除去された後の被処理ガス中に残留するポリ塩化ビフェニルをさらに細孔直径の分布曲線のピーク値が10〜20Åにあり且つ細孔容積が0.54ml/g以下である活性炭により除去させるべく、前記2種類の活性炭が配置されていることを特徴とする排ガス処理装置。
本発明においては、ポリ塩化ビフェニルが含有される被処理ガスが接触される活性炭が排ガス処理装置に用いられており、しかも、細孔容積が0.55ml/g以上の活性炭がこの排ガス処理装置に用いられている。
この細孔容積が0.55ml/g以上の活性炭は、従来の排ガス処理装置に用いられている活性炭に比べて塩素数5以上のビフェニル成分を除去する性能に優れている。
したがって、本発明によれば、被処理ガスに塩素数5以上のビフェニル成分がより多く含まれる場合においてもポリ塩化ビフェニルの除去性能が低下することを抑制させ得る。
すなわち、本発明によれば、排ガス処理装置においてポリ塩化ビフェニル除去性能の低下が発生することを防止させ得る。
以下に、本発明の好ましい実施の形態について、PCBにより汚染された汚染物が真空加熱装置により真空雰囲気下で加熱状態にされて前記汚染物から揮発除去されたポリ塩化ビフェニルを含む被処理ガスの処理に用いられる排ガス処理装置を例に説明する。
図1は、真空加熱装置で揮発除去されたポリ塩化ビフェニルを含む被処理ガスの処理のフローを示すブロック図であり、1は、真空加熱装置、2は、排ガス処理装置を表している。
まず、PCBにより汚染された汚染物からPCBが揮発除去される真空加熱装置1について説明する。
この真空加熱装置1は、PCB汚染物を収容する真空加熱炉3と、該真空加熱炉3からの脱気を行う真空ポンプ5とを備えている。
この真空加熱炉3は、内部に被処理物を収容するスペースが形成されており、しかも、真空ポンプ5により脱気された場合に、この収容スペースを真空状態に維持させ得るシール性能が備えられている。また、この真空加熱炉3には、内部に収容されている収容物を加熱するための加熱手段が備えられている。
この真空加熱装置1には、この真空加熱炉3内のPCB汚染物から揮発除去されたPCBが真空ポンプ5の真空ポンプオイルに溶解されてしまうことを防止すべく、オイルスクラバー4がさらに備えられており、真空ポンプ5が、このオイルスクラバー4を介して真空加熱炉3内を脱気すべく形成されている。
次いで、本実施形態の排ガス処理装置2について説明する。
本実施形態の排ガス処理装置2は、前記真空加熱装置1の真空ポンプ5から排出される排ガス(被処理ガス)を冷却する冷却コンデンサー6と冷却後の排ガスから凝縮液を除去させるミストセパレータ7と、該ミストセパレータ7通過後の排ガスを通過させるオイルスクラバー8と、該オイルスクラバー8通過後の排ガスを通過させるミストエリミネータ9とを有している。
さらに本実施形態の排ガス処理装置2には、このミストエリミネータ9通過後の排ガスを通過させるべく、活性炭が装填された第一カートリッジ10と、同じく活性炭が装填された第二カートリッジ11との2個の活性炭カートリッジが用いられている。
この2個の活性炭カートリッジは、排ガスを2個のカートリッジの内の第一カートリッジ10にまず通過させて、第一カートリッジ10中の活性炭に排ガスを接触させて排ガス中に含まれているポリ塩化ビフェニルを第一カートリッジ10中の活性炭に吸着させて除去させた後に、この第一カートリッジ10通過後の排ガスを、さらに、第二カートリッジ11を通過させて、この第二カートリッジ11中の活性炭に第一カートリッジ10通過後の排ガスに残留しているポリ塩化ビフェニルを吸着させてさらに除去させるべく、第一カートリッジ10と第二カートリッジ11とが、排ガスの流通流路の上流側と下流側とに直列に配置されている。
そして、この上流側の第一カートリッジ10には、細孔容積が0.55ml/g以上の活性炭が装填されており、下流側の第二カートリッジ11には、細孔直径の分布曲線のピーク値が10〜20Åにあり且つ細孔容積が0.54ml/g以下の活性炭が装填されている。
なお、活性炭の細孔直径や細孔容積については、細孔分布測定装置である(株)島津製作所製ASAP2400(N2吸着法)を用い、比表面積と細孔分布を測定し、比表面積をBET法により計算し、細孔分布をCI法により計算することで求めることができる。
上記の上流側の第一カートリッジ10に装填される活性炭としては、上記細孔容積を有するものであれば特に限定されるものではなく、例えば、椰子ガラ活性炭破砕物や、炭素質材料を微粉砕し、バインダーを用いて造粒した造粒炭を用いることもできる。
この造粒炭としては、例えば、炭素質材料を適度な粒度に微粉砕し、コールタール、コールタールピッチなどの石炭又は石油系、澱粉、カルボキシメチルセルロース、糖類などのセルロース系有機物、フェノール樹脂などのバインダーを添加して混練、成型し、乾留、賦活を行うことによって造粒した造粒炭を使用することができる。
また、第二カートリッジ11に装填される活性炭としても、例えば、椰子ガラ活性炭破砕物や、炭素質材料を微粉砕し、バインダーを用いて造粒した造粒炭を用いることができる。
また、第一カートリッジ10において説明したものと同様に、この造粒炭としては、例えば、炭素質材料を適度な粒度に微粉砕し、コールタール、コールタールピッチなどの石炭又は石油系、澱粉、カルボキシメチルセルロース、糖類などのセルロース系有機物、フェノール樹脂などのバインダーを添加して混練、成型し、乾留、賦活を行うことによって造粒した造粒炭を使用することができる。
この造粒炭の製造方法については、特に限定されるものではないが、成型工程において、Z型二軸方式のニーダーなどで微粉砕した原料とバインダーを十分混練し、180kg/cm2以上の圧力で成型することにより成型物をむらなく得ることができる。
また、成型装置としては、ロールプレス式、ディスク型ペレッター式、リング型ペレッター式、押し出し式などの成型装置が使用可能である。活性炭(造粒炭)の形状は、特に限定されるものではなく、円柱状、円筒状、球状、円盤状など目的に応じて適宜決めればよい。実用的には粒径1〜20mmの粒状で使用するのが好ましいが、直径2〜11mmの円柱状で使用するのが取扱いの点で望ましい。円柱状で使用する場合高さ/直径=1〜3が好ましい。
また、第一、第二の各カートリッジには、上記のような活性炭が400〜500kg/m3の嵩密度となるように装填されていることが好ましい。
次いで、PCB含有絶縁油が用いられたトランスが解体された解体物がノルマルパラフィンなどの洗浄液を用いた洗浄装置に導入されて洗浄された後の解体物に残留するPCBを真空加熱装置1で揮発除去した場合に発生する排ガスを上記のような排ガス処理装置2で処理する方法について説明する。
まず、トランス解体物から真空加熱装置1を用いてPCBを揮発除去する真空加熱処理方法について説明する。
この真空加熱装置1の真空加熱炉3にトランス解体物を導入し、真空加熱炉3内を窒素ガスなどの不燃性のガスによりパージする。
その後、真空加熱炉3の加熱手段によりによりトランス解体物を加熱するとともに、真空ポンプ5により真空加熱炉3内の窒素ガスを脱気して真空加熱炉3内を真空雰囲気とさせる。
このとき、通常、炉内を150〜230℃の温度、1000Pa以下とすることができ、作業の安全性、PCBの除去効率などの点からは、例えば、170〜200℃、200Pa以下の条件とさせることが好ましい。なお、上記温度は炉内の解体物が上記温度となるように制御することが更に好ましい。
なお、トランスには、特に他の機器に比べ、「カネクロール(KC−500):鐘淵化学工業製」などと呼ばれる塩素数が5のビフェニル(5塩化ビフェニル)を主成分とするPCBや「カネクロール(KC−600):鐘淵化学工業製」などと呼ばれる塩素数が6のビフェニル(6塩化ビフェニル)または7のビフェニル(7塩化ビフェニル)を主成分とするPCB、または「カネクロール(KC−1000):鐘淵化学工業製」と呼ばれるKC−500とトリクロロベンゼンとが混合されたものが多く用いられており、トランス解体物にも塩素数5および塩素数5を超えるビフェニル成分が多く含有されている。
また、解体物の洗浄には、洗浄液としてノルマルパラフィンなどが用いられることから、この真空加熱処理によって生じる真空ポンプ5からの排ガスには、塩素数5以上のビフェニル成分とノルマルパラフィン、さらには、オイルスクラバー4のオイルや真空ポンプオイルなどが含有されることとなる。
次いで、この塩素数5以上のビフェニル成分とノルマルパラフィンなどが含有された排ガス(被処理ガス)を排ガス処理装置2で処理する方法について説明する。
まず、この真空ポンプ5から排出された排ガスは、ミストセパレータ7によりPCB、ノルマルパラフィン、オイルスクラバー4のオイルならびに真空ポンプ5オイルなどのミスト分を除去する。なお、このミストセパレータ7では、通常、オイルスクラバー4のオイルを主として除去させる。
このミストセパレータ7通過後の排ガスをさらにオイルスクラバー8に通過させて排ガス中のPCBをオイルに吸着させて排ガスからPCBを除去させる。
このオイルスクラバー8通過後の排ガスには、オイルスクラバー8で使用されたオイルミストが含有されることから、さらに、ミストエリミネータ9を通過させてこのオイルミストを除去させる。
さらに、このミストエリミネータ9通過後の排ガスを第一カートリッジ10に通過させて、第一カートリッジ10内に装填されている活性炭に排ガス中に残留しているPCBを吸着させ、さらに、第二カートリッジ11に第一カートリッジ10通過後の排ガスを導入して第二カートリッジ11内の活性炭にPCBを吸着させて排ガスからPCBを除去させて排ガス中のPCB含有量を所定量以下、例えば100μg/m3以下のPCB濃度として気中に放出させる。
上記に例示の真空加熱処理においては、上流側に細孔容積が0.55ml/g以上の活性炭を装填させた第一カートリッジ10が配されているために、PCBに塩素数5以上のビフェニル成分が多く含まれている場合であっても、この活性炭でPCBを吸着除去させることができる。
また、本実施形態においては、特に、塩素数5以上のビフェニル成分よりも塩素数5未満のビフェニル成分に対して優れた吸着性能を発揮する、細孔直径の分布曲線のピーク値が10〜20Åにあり且つ細孔容積が0.54ml/g以下の活性炭が、下流側の第二カートリッジ11に装填されていることから、この第一カートリッジ10と第二カートリッジ11とを連続的に被処理ガスが通過した後のPCB濃度をよりいっそう低減させることができる。
なお、本実施形態においては、塩素数5〜7の塩化ビフェニルを主成分とするPCBが多く用いられているトランスの解体物を170〜200℃、200Pa以下で処理を実施させていることから、真空加熱処理作業を安全でしかもPCBの除去効率に優れたものとさせることができる反面、真空ポンプ5からの排ガス、すなわち、被処理ガス中に、例えば、100μg/m3以上の高濃度にPCBを含有させることとなる。
このPCBを高濃度に含有する被処理ガスは、活性炭カートリッジに導入される際には、通常、常温、常圧となっており、しかも、上記に示したように、塩素数5以上のビフェニル成分が多く含まれることから、凝集体を形成させやすい状態になっている。
したがって、本実施形態に例示したように、第一カートリッジ10が第二カートリッジ11よりも上流側に配されていることにより、第二カートリッジ11を第一カートリッジ10よりも上流側に配した場合に比べて、活性炭の使用期間を長期化させ得る。
すなわち、第二カートリッジ11を第一カートリッジ10よりも上流側に配した場合においては、PCBの凝集体によって第二カートリッジ11に装填されている活性炭が早期に吸着性能を低下させやすくなるが、本実施形態の排ガス処理装置2においては、0.55ml/g以上の大きな細孔容積を有する活性炭が上流側に配されていることから、例えPCBが凝集体を形成している場合でも吸着性能を低下させにくい。
したがって、本実施形態に例示したように、細孔容積が0.55ml/g以上の活性炭が装填されているカートリッジを上流側に配し、細孔直径の分布曲線のピーク値が10〜20Åにあり且つ細孔容積が0.54ml/g以下の活性炭が装填されているカートリッジを下流側に配することにより、真空加熱処理の効率を高め得るとともに活性炭カートリッジの長寿命化を図ることができる。
なお、本実施形態においては、上記のような排ガス処理装置2を上記のごとく用いる場合を例に説明したが、本発明においては、上記のような排ガス処理装置2ならびに排ガス処理方法に限定するものではない。
次に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(活性炭カートリッジの作製)
細孔容積が0.65ml/gの活性炭である北炭化成工業社製、商品名「G−AC」をガラス管内に400mmの区間、嵩密度が459kg/m3となるように充填して活性炭カートリッジ1とした。
同様に、細孔直径の分布曲線のピーク値が10〜20Åであり、しかも、細孔容積が0.53ml/gの活性炭である日本エンバイロケミカルズ、商品名「粒状白鷺 PRAC−1」を活性炭カートリッジ試料1において用いたものと同じガラス管内に400mmの区間、嵩密度が436kg/m3となるように充填して活性炭カートリッジ2とした。
(被処理ガスの調整)
5塩化ビフェニル成分を主成分とするPCB含有絶縁油「KC−500」が含浸された木片に空気を接触させて、該木片との接触後の空気を被処理ガスとして用いた。
この、ガラス管からの被処理ガスを吸着管(SPELCO製「ORBO−60」)を利用してサンプリングをおこなった。具体的には吸着管内にはグラスウールとフロリジル及びウレタンからなる吸着部が設けられ、この吸着管にガラスウール側からフロリジル側への流通方向となるように上記の被処理ガスを流通させて、このガラスウールにPCBの凝集体を吸着させ後段のフロリジル及びウレタンに残りのPCBのほとんどを吸着させたものをガスクロマトグラフ−質量分析計(GC−MS)にて塩素数2〜6のビフェニル成分に分けて分析したところ、ガラスウールに吸着されたPCBとフロリジル及びウレタンに吸着されたPCBとは、表1に示す分布を示した。
Figure 0004260832
(活性炭カートリッジによるPCB除去率の測定)
上記活性炭カートリッジ1及び2に上記被処理ガスを0.35〜0.40m/sの流速となるように通過させて、約360時間後にこの活性炭カートリッジ通過後の気中のPCB濃度を先の吸着管とガスクロマトグラフ−質量分析計とを用いて測定した。
得られたPCB濃度をX(μg/m3)とし、先の表1に示されている初期値をX0(μg/m3)として下記式にて各模擬カートリッジによるPCB除去率を求めた。
PCB除去率(%)={(X0−X)/X0}×100(%)
結果を、表2に示す。
Figure 0004260832
上記表2に示されるように、細孔容積が0.55ml/g以上の活性炭である「G−AC」を用いた活性炭カートリッジ1の方が、活性炭カートリッジ2に比べて塩素数5以上のビフェニル成分に対して充分な吸着能を有していることが分かる。
なお、表2からは、塩素数が2、3のビフェニル成分の内、ガラスウールに対して吸着されない成分の除去率が活性炭カートリッジ1では劣っているようにも見受けられるが、これは、初期時点から塩素数2、3のビフェニルに対する吸着性能が低いことを示しているものではなく、初期時点に於いては活性炭カートリッジ1も充分な吸着性能を有するが、時間の経過と共に、塩素数2、3のビフェニルに対する吸着能が飽和したためであると思われる。
(実施例1〜4、比較例1)
(活性炭カートリッジの配置)
上記活性炭カートリッジ1、または、活性炭カートリッジ1および2を用いて、表3に示す配置1〜配置3で排ガス処理装置に3個の活性炭カートリッジを直列に配列して実施例1〜3とした。
また、活性炭カートリッジ2のみを3個直列に配列して比較例1とした。
Figure 0004260832
(シミュレート1)
このように配置された活性炭カートリッジに対して、表1の割合で各塩素数の塩化ビフェニル成分を含む被処理ガスを0.35〜0.40m/sの流速で通過させた場合の活性炭カートリッジ通過後の気中のPCB濃度を表2に示すPCB除去率を元にシミュレートした。
結果を、表4に示す。
Figure 0004260832
上記のように、実施例1〜3では、比較例1と同等、または、それ以上に活性炭カートリッジ通過後の気中のPCB濃度が低減されていることがわかる。
しかも、上記表4においては、活性炭の吸着能力として初期性能を利用せずに、表2の結果に基づいてシミュレートされており、活性炭カートリッジ1は塩素数が2、3のビフェニル成分のうち、フロリジル吸着成分に対する吸着能が非常に低い状態を勘案して計算しているため、実施例1〜3の結果は、上記飽和前においては、上記表4以上に優れたものであると推察される。
(実施例4〜6、比較例2)
次いで、実際PCB汚染物からのPCB除去に使用されている真空加熱装置の排ガスからのPCB除去について検討を行った。
(真空加熱装置からの排ガスの測定)
5塩化ビフェニル成分を主成分とする高濃度のPCB含有絶縁油「KC−1000」(KC−500とトリクロロベンゼンの混合油)に汚染されたコンデンサを処理することにより、真空加熱炉内が汚染された真空加熱装置から排出される排ガス中のビフェニル成分を先述の吸着管とガスクロマトグラフ−質量分析計とを用いて分析したところ表5の通りであった。
Figure 0004260832
表よりKC−1000に汚染されたコンデンサを処理する設備からの排ガスにおいては、塩素数5以上のビフェニル成分が、塩素数2、3などビフェニル成分に比べて多量に含まれていることが分かる。
(活性炭カートリッジの配置)
表3に示す配置1〜配置3で排ガス処理装置に3個の活性炭カートリッジを直列に配列して上記表5に示す真空加熱装置から排出される排ガスを処理する場合を実施例4〜6とした。
また、活性炭カートリッジ2のみを3個直列に配列して上記表5に示す真空加熱装置から排出される排ガスを処理する場合を比較例2とした。
(シミュレート2)
真空加熱装置から排出される排ガスを0.35〜0.40m/sの流速で通過させた場合の活性炭カートリッジ通過後の気中のPCB濃度を表2に示すPCB除去率を元にシミュレートした。
結果を、表6に示す。
Figure 0004260832
上記のように、コンデンサを処理する設備からの実際の排ガスに対して、実施例4〜6では、比較例2と同等、または、それ以上に活性炭カートリッジ通過後の気中のPCB濃度が低減されていることがわかる。
しかも、細孔容積が0.55ml/g以上の活性炭が用いられた活性炭カートリッジ1の後段側に、細孔直径の分布曲線のピーク値が10〜20Åにあり且つ細孔容積が0.54ml/g以下の活性炭が用いられた活性炭カートリッジ2が配されている実施例5、6では、特にポリ塩化ビフェニル除去性能に優れたものとなっていることがわかる。
このように、本発明によれば、KC−500、KC−600、KC−1000のように塩素数5以上のビフェニル成分を多く含むポリ塩化ビフェニルを処理した際に発生する排ガス中のPCB成分についても、10μg/m3を充分に下回る排ガス処理装置を提供し得ることがわかる。
また、処理対象として高濃度のPCB油含有電気機器を処理する際に発生する高濃度のPCB含有排ガスに対しても、本発明によれば、ポリ塩化ビフェニルの除去性能の低下が抑制された排ガス処理装置を提供し得ることがわかる。
被処理ガスの処理のフローを示すブロック図。
符号の説明
1:真空加熱装置、2:排ガス処理装置、10:第一カートリッジ、11:第二カートリッジ

Claims (2)

  1. 活性炭が用いられており、ポリ塩化ビフェニルが含有される被処理ガスが前記活性炭に接触されて前記被処理ガスからポリ塩化ビフェニルが除去される排ガス処理装置であって、
    前記ポリ塩化ビフェニルに塩素数5以上のビフェニル成分が、塩素数4以下のビフェニル成分とともに含有されている被処理ガスからのポリ塩化ビフェニル除去に用いられ、前記活性炭として細孔容積が0.55ml/g以上の活性炭と、細孔直径の分布曲線のピーク値が10〜20Åにあり且つ細孔容積が0.54ml/g以下である活性炭との2種類の活性炭が用いられており、被処理ガスが細孔容積が0.55ml/g以上の活性炭に接触された後に、細孔直径の分布曲線のピーク値が10〜20Åにあり且つ細孔容積が0.54ml/g以下である活性炭に接触されることにより、細孔容積が0.55ml/g以上の活性炭でポリ塩化ビフェニルが除去された後の被処理ガス中に残留するポリ塩化ビフェニルをさらに細孔直径の分布曲線のピーク値が10〜20Åにあり且つ細孔容積が0.54ml/g以下である活性炭により除去させるべく、前記2種類の活性炭が配置されていることを特徴とする排ガス処理装置。
  2. 前記被処理ガスが、ポリ塩化ビフェニルにより汚染された汚染物が真空雰囲気下で加熱状態にされて前記汚染物から揮発除去されたポリ塩化ビフェニルを含んでいる請求項1記載の排ガス処理装置。
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