JP4260267B2 - ユニフォーミティ試験及び動釣合試験における補正方法 - Google Patents

ユニフォーミティ試験及び動釣合試験における補正方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、タイヤのユニフォーミティ試験と動釣合試験に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、回転しているタイヤが発生する力のばらつきを測定するユニフォーミティ試験が知られている。ユニフォーミティ試験に用いられるユニフォーミティ試験装置は、タイヤの外周面に回転ドラムを押し当てた状態でタイヤを回転させ、回転ドラムがタイヤから受ける反力の変動を測定するものである。
【0003】
一方、従来より、タイヤの偏心を測定する動釣合試験も知られている。動釣合試験で用いられる動釣合試験装置は、タイヤを回転させた時の振動状態の変化からタイヤの偏心を検出するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ユニフォーミティ試験装置や動釣合試験装置において、タイヤを回転支持する回転部(リムやスピンドル等)に偏心やゆがみ等があると、タイヤそのもののユニフォーミティや偏心を正確に測定することができない。また、試験装置の回転部の偏心やゆがみを極小に抑えようとうすると、部品の加工コストが増大する。そのため、測定結果から試験装置の回転部の偏心やゆがみの影響を除去して、タイヤそのもののユニフォーミティや偏心を求めることができる補正方法の開発が望まれている。
【0005】
上述した事情に鑑み、本発明は、試験装置の回転部の偏心やゆがみの影響を除去して、タイヤそのもののユニフォーミティや偏心を求めるための補正方法を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を解決するため、請求項1に係るユニフォーミティ試験における補正方法は、タイヤを回転部に取り付けて回転させ、タイヤに回転ドラムを押し当てると共に、ドラムがタイヤから受ける反力を測定する試験装置を用い、上記測定を、タイヤの回転部に対する(回転方向の)取付角度を変えながら複数回行い、複数回の測定により得られたデータを記憶し、当該記憶データを合成することによって、(測定結果から回転部の偏心とゆがみの影響を除去するための)補正データを得ること、を特徴とするものである。
【0007】
あるタイヤのユニフォーミティ試験を行う際には、測定値から上記補正データを差し引きば、測定データから試験装置の回転部の偏心とゆがみの影響を除去して、タイヤそのもののユニフォーミティを求めることができる。
【0008】
請求項6に係る動釣合試験における補正方法は、タイヤを回転部に取り付けて回転させ、タイヤの回転に伴う回転部の振動を測定する試験装置を用い、上記測定を、タイヤの回転部に対する(回転方向の)取付角度を変えながら複数回行い、複数回の測定により得られたデータを記憶し、当該記憶データを合成することによって、(測定結果から回転部の偏心とゆがみの影響を除去するための)補正データを得ること、を特徴とするものである。
【0009】
あるタイヤの動釣合試験を行う際には、測定値から上記補正データを差し引けば、測定データから試験装置の回転部の偏心とゆがみの影響を除去して、タイヤそのものの偏心を求めることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。まず、ユニフォーミティ試験と動釣合試験を行うための装置(以下、試験装置1とする)について説明する。
【0011】
図1は、試験装置1の基本構成を示す側面図である。試験装置1の装置フレームは、ベース50と、ベース50から鉛直上方に延びる支柱52と、支柱52に支えられた天板54とから成っている。ベース50には、タイヤTを保持して回転するスピンドル100が取り付けられている。
【0012】
スピンドル100の側方には、ユニフォーミティ試験で使用される回転ドラム30が設けられている。ユニフォーミティ試験時には、回転ドラム30をタイヤTに押し当てた状態でスピンドル100を回転させ、回転ドラム30がタイヤTから受ける反力(半径方向及びスラスト方向)をロードセル33により検出する。
【0013】
図2は、スピンドル100を示す側断面図である。スピンドル100は、中空のスピンドル軸120とブラケット150及び中空シャフト170を直列に組み合わせて構成されたものである。スピンドル軸120は、スピンドルハウジング110に(ベアリング112を介して)回転可能に支持されている。スピンドルハウジング110は、装置ベース50にサスペンション500(図4)を介して取り付けられている。
【0014】
スピンドル100の中空シャフト170の上端部には、下リム10が取り付けられている。また、スピンドル100に挿入されるロックシャフト300の上端部には、上リム20が取り付けられている。そして、ロックシャフト300をスピンドル100(の中空シャフト170とブラケット150)に挿入すると、下リム10と上リム20との間でタイヤTが挟み込まれて保持される。
【0015】
スピンドル軸120の下端には、スピンドル軸120を回転駆動するためのプーリ140が取り付けられている。プーリ140には無端ベルト142が掛け渡されており、ベース50に固定されたサーボモータ130(図1)により無端ベルト142を介して回転駆動される。
【0016】
スピンドル軸120は中空の軸部材であり、その中空部分はエア供給のための二重管となっている。二重管の外側部分115は、タイヤにインフレートされるエアを通すためのエア通路であり、内側部分119は後述のロック用シリンダ165を駆動するためのエアを通すエア通路である。これら二重管の外側部分115と内側部分119には、スピンドル軸120の下端に設けられたロータリージョイント145を経由して、エア供給装置703(図5)からのエアが供給される。尚、エア通路の詳細については説明を省略する。
【0017】
ロックシャフト300の下部の外周には15段のロック溝302が縦に配列されている。ブラケット150にはロックシャフト300の外周面に対向するロック部材160が設けられている。ロック部材160は縦に配列された6段のロック爪162を有しており、このロック爪162がロックシャフト300のロック溝302に係合する。
【0018】
ロック部材160を駆動するロック用シリンダ165は、ブラケット150の外周部分に取り付けられている。ロック用シリンダ165はオンの時にはロック部材160がロックシャフト300に係合し、ロック用シリンダ165はオフの時にはロック部材160がロックシャフト300から離間してこれを解放する。
【0019】
以上のように構成されているため、ロックシャフト300をスピンドル100のブラケット150に挿入してロック用シリンダ165をオンすることによって、下リム10と上リム20の間でタイヤTを挟んで保持することができる。さらに、サーボモータ130を駆動すると、スピンドル100が回転し、下リム10と上リム20の間で保持されたタイヤTも回転する。
【0020】
次に、ロックシャフト300を昇降駆動するための構成について説明する。図2に示すように、ロックシャフト300の頂部310には、後述のチャック爪222に内側から係合される固定リング320が設けられている。ロックシャフト300を上下に駆動してスピンドル100に挿入する(あるいは引き抜く)インサータユニット200は、図1に示す天板54のさらに上方に配置された昇降ハウジング60に取り付けられている。昇降ハウジング60は、リニアガイド61とキャリッジ62によって昇降可能に支持されており、一対の昇降シリンダ65によって昇降駆動される。
【0021】
図3は、インサータユニット200の構造を示す断面図である。インサータユニット200は、スピンドル100に追従して回転できるよう回転可能に支持された中間シャフト240を有している。中間シャフト240は、昇降ハウジング60に(ベアリング255を介して)回転可能に支持されている回転シャフト250の下端に取り付けられている。
【0022】
中間シャフト240の下端にはロックシャフト300の固定リング320に内側から係合するチャック爪222が設けられている。チャック爪222はバネ部材224によって内側に向けて付勢されている。中間シャフト240には、円錐状の先端部を持つチャック駆動部材230が上下に移動可能に保持されており、その円錐状の先端部がチャック爪222のテーパ面に上方から当接している。
【0023】
チャック駆動部材230はエア圧により上下に駆動される。即ち、中間シャフト240の内部にはキャビティ242が形成されており、このキャビティ242は(チャック駆動部材230の上端に固定された)仕切板235によって上下に分けられている。また、キャビティ242には、回転シャフト250と中間シャフト240を貫通するエアパイプ262と、回転シャフト250の上端に設けられたロータリージョイント260を経由そて。チャック用エア供給装置704(図5)からのエアが送り込まれる。
【0024】
従って、チャック用エア供給装置704(図5)からエアを供給してキャビティ242の上側の内圧を上げると、チャック駆動部材230が下降する。これにより、チャック爪222が外側に(バネ部材224の弾性力に抗して)移動して、固定リング320に係合する。一方、ロータリージョイント260からエアを排出してキャビティ242の上側の内圧を下げると、チャック駆動部材230が上昇する。これにより。チャック爪222がバネ部材224の弾性力によって内側に移動し、チャック爪222による固定リング32のロックが解除される。なお、図3では、チャック爪222が固定リング32をロックした状態(一点鎖線の左側)とロックが解除された状態(一点鎖線の右側)の両方を示す。
【0025】
かくして、ロータリージョイント260からエアを供給することにより、チャック爪222が(スピンドル100に挿入された)ロックシャフト300の固定リング320をチャックする。この状態でスピンドル100を回転させると、回転シャフト250と中間シャフト240も従動回転する。
【0026】
図1に示すように、天板54上には、ロックシャフト300の上下方向の位置調節のための階段状(9段)の調節部材70が設けられている。調節部材70は天板54上に配設されたガイドレール71の上をスライド可能に構成されている。昇降ハウジング60には、調節部材70の階段部分に上方から当接する昇降ストッパ(図示せず)が設けられている。
【0027】
タイヤTを着脱する際には、まずロック用シリンダ165をオフして、ロックシャフト300のロックを解除する。そして、チャック爪222を駆動してロックシャフト300をチャックし、次いで昇降モータ65を駆動してロックシャフト300をスピンドル100から引き抜く。作業者が下リム10にタイヤTをセットした後、昇降モータ65を駆動して、ロックシャフト300をスピンドル100に挿入する。そして、ロック用シリンダ165をオンして、ロックシャフト300を再びロックする。
【0028】
尚、ロック部材160のロック爪162をロックシャフト300のどのロック溝302に係合させるかによって、複数幅のタイヤに対応することができるが、ここでは説明を省略する。
【0029】
図4は、図1のA−A’断面図である。試験装置1は動釣合試験にも対応しているため、スピンドルハウジング110は、サスペンション機構500により図中X方向に振動できるよう支持されている。即ち、スピンドルハウジング110は、水平に延びる棒バネ102を介してベース50に取り付けられ、且つベース50から鉛直に吊り下げられた懸架バー104によって懸架支持されている。某バネ102は図中Wで示す撓み方向に弾性変形可能である。
【0030】
動釣合試験時のX方向の振動を検出するため、スピンドルハウジング110にはX方向とスピンドル軸方向の両方に直交する方向に延びる取付バー180が取り付けられている。また、取付バー180に対向して、ベース50からも取付バー182が延びている。2つの取付バー180,182の間には、X方向にかかる負荷を検出するロードセル185が挟まれている。
【0031】
スピンドル軸120に大きな荷重がかかるユニフォーミティ測定時には、スピンドルハウジング110が振動しないよう押さえる必要がある。そこで、ベース50には円錐状の先端を持つ押圧部材192が設けられ、スピンドルハウジング110にはテーパのついた一対の凹部194が形成されている。ユニフォーミティ試験時には、振動規制シリンダ190を駆動して押圧部材112を凹部192に押し当ててスピンドルハウジング110を振動しないよう押さえる。一方、動釣合試験時には、振動規制シリンダ190をオフして押圧部材112を凹部192から離し、スピンドルハウジング110がX方向に振動できるようにする。
【0032】
また、ユニフォーミティ試験時には、インサータユニット200(図3)のチャック爪222がロックシャフト300をチャックする。即ち、タイヤを上下(スピンドル100側とインサータユニット200側)でホールドし、回転ドラム30を押し当てる際の荷重に耐えられるようタイヤを強固に支持する。一方、動釣合試験時には、チャック爪222によるチャックを解除してスピンドルハウジング110がX方向に振動できるようにする。
【0033】
図1に示すように、回転ドラム30は、水平に延びるレール31の上をスライド可能な稼働ハウジング32に搭載され、ドラム移動用モータ702(図5)により駆動されるラックピニオン機構35(ピニオン36・ラック38)によってタイヤTに対して近接/離間方向に移動する。また、回転ドラム30の回転軸には、回転ドラム30がタイヤTから受ける反力(半径方向及びスラスト方向)を検出するロードセル33が取り付けられている。
【0034】
次に、この試験装置1の制御系について説明する。制御部700は、ユニフォーミティ試験用のロードセル33と、動釣合試験用のロードセル185の値を読み込み、データをメモリ710に記憶することができる。また、サーボモータ130の内蔵エンコーダからは、スピンドル100(即ち下リム10)の回転位置情報が入力される。さらに、制御部700には、上リム20に設けられた所定のマーキングを検知するための上リム位置センサ(近接センサ)701から、上リム701が回転原点位置にあるか否かを示す情報が入力される。
【0035】
また、制御部700は、スピンドル100を回転させるサーボモータ130と、ロックシャフト300を昇降させる昇降モータ65と、回転ドラム30をスライドさせるドラム移動用モータ702と、スピンドル100に挿入されたロックシャフト300をロックするためのロック用シリンダ165と、ユニフォーミティ試験時にスピンドル100が振動しないようにするための振動規制シリンダ190とを駆動制御する。また、制御部700は、タイヤにエアをインフレートするインフレート用エア供給装置703と、ロックシャフト300の上端をチャックするためのチャック用エア供給装置704とを駆動制御する。
【0036】
次に、ユニフォーミティ試験について説明する。
試験装置1の回転部(上下リム20,10やスピンドル100)に偏心やゆがみがあると、タイヤそのもののユニフォーミティを正確に測定することができない。そこで、以下に説明する方法で、試験装置1の回転部の偏心とゆがみの影響を測定結果から除去して、タイヤそのもののユニフォーミティを求める。
【0037】
図6は、試験装置1の回転部の偏心とゆがみの影響を除去する補正方法を示す流れ図である。まず、作業者が下リム10上にタイヤを装着する(S10)。前述のとおり、この状態では、上下リム20,10は共に回転原点位置にある。タイヤを装着すると、作業者は操作パネル705(図5)に設けられた、図示しない「測定」スイッチを押す。
【0038】
「測定」スイッチが押されると、制御部700は、図7に示す「測定プロセス」を実行する(S12)。この測定プロセスでは、昇降モータ65を駆動してロックシャフト300をスピンドル100を挿入し(図7のS100)、ロック用シリンダ165を駆動してロックシャフト300をロックする(S102)。そして、タイヤT内にエアをインフレートし(S104)、ドラム30をスライドさせてタイヤTに押し当てる(S106)。そして、サーボモータ130を駆動してスピンドル100を360度回転させつつ、スピンドル100の所定回転角度毎にロードセル33の値を読み込み、メモリに記憶する(S108)。スピンドル100が360度回転し終えると、ロックシャフト300のロックを解除し(S110)、ロックシャフト300をスピンドル100から引き抜く(S112)。
【0039】
この測定プロセスにより、図8(A)に示すようなデータがメモリ710に記憶される。図8において、横軸はスピンドル100の回転角度(即ちタイヤTの回転角度)であり、縦軸はロードセル33の値、即ちタイヤTからドラム30の受ける反力の大きさである。
【0040】
測定プロセスが完了すると(この状態で上下リム20,10は共に回転原点位置にある)、作業者は一旦タイヤTを取りはずす。そして、タイヤTを上下リム20,10に対して45度だけ回転させて再び装着する(S14)。タイヤTの装着後、制御部700は前述の測定プロセスを実行する(S16)。この時に得られるデータの一例を、図8(B)に示す。
【0041】
そして、測定プロセスが終わると、作業者は再びタイヤTを取りはずし、タイヤTを上下リム20,10に対してさらに45度だけ回転させて装着する(S18)。即ち、タイヤTは、ステップS10の状態から90度回転した位置に装着されることになる。タイヤTの装着後、制御部は前述の測定プロセスを実行する(S20)。この時に得られるデータの一例を図8(C)に示す。
【0042】
このようなタイヤの装着と測定プロセスをさらに5回繰り返す(S22〜S40)。タイヤの取付角度は、ステップS10の状態を基準(0度)とすると、夫々135度、180度、225度、270度、315度となる。この時に得られるデータの例を図8(D)〜(H)に示す。
【0043】
図8(A)〜(H)の8つの波形を足し合わせれば、タイヤの偏心やゆがみは相殺される。従って、もしリム20,10やスピンドル100に偏心やゆがみが無ければ、8つの波形を足し合わせたものは振幅0の直線となるはずである。しかしながら、実際に図8(A)〜(H)の8つ波形を足し合わせると、図8(I)に示すような波形が得られる。
【0044】
この図8(I)の波形は、リムやスピンドルの偏心やゆがみを8回足し合わせたものに相当する。従って、図8(I)の振幅(縦軸)を1/8にしたものが、試験装置1の回転部(上下リム20,10やスピンドル100)の偏心やゆがみを表すデータとなる。制御部700は、このデータを補正用データとしてメモリ710に記憶する(S42)。
【0045】
図9は、タイヤのユニフォーミティ試験方法の流れ図である。まず、作業者が、下リム10上にタイヤを装着する(S150)。このステップS30においては、上下リム20,10が共に回転原点位置にある。そして、作業者が前述の「測定」スイッチを押す。制御部が、前述の測定プロセスを実行する(S152)。ここで得られたデータを図10に示す。制御部は、図10の波形から前述の補正データを差し引きする処理を行う(S154)。かくして、試験装置1の回転部(上下リム20,10やスピンドル100)の偏心やゆがみ分が除去された、タイヤそのもののユニフォーミティが求められる。
【0046】
尚、一度上記の補正データを取ってしまえば、同じサイズのタイヤにそのまま使うことができる。補正データを違うサイズのタイヤに使用する場合には、換算が必要になるが、これについては説明を省略する。
【0047】
以上のように、この実施形態の補正方法によれば、リムやスピンドルの偏心とゆがみ分が除去された正味のタイヤのユニフォーミティが求められ、測定精度が向上する。また、特別に精度の良いリムやスピンドルを用いる必要がないので、コストがかからない。
【0048】
上記の偏心補正では、1回転を8分割しタイヤの取付角度を45度おきに変えて測定したが、他の分割数でも良い。例えば、1回転を16分割しタイヤの取付角度を22.5度ずつ変えて測定しても良い。また、1回転を2分割してタイヤの取付角度0度と180度で測定しても良い。
【0049】
なお、図8(A)〜(H)に示す波形を時間の関数として表すと、RFVn(t)=An・sin(wt+θn)となる。但し、n=1〜8で、夫々図8(A)〜(H)に対応している。ここで、wはスピンドル100の回転角速度、tは時間、Anは振幅、θは初期位相である。この関数を用いれば、リムやスピンドルの偏心とゆがみ量HRFV(t)は、以下の(1)式のように表すことできる。
HRFV(t)=1/8×ΣAnsin(wt+θn)
【0050】
上記の補正方法は、動釣合試験にも適用することができる。動釣合試験時には、振動規制シリンダ190をオフして押圧部材112を凹部192から離し、スピンドルハウジング110がX方向に振動できるようにする。また、図3のチャック爪222によるロックシャフト300のチャックを解除する。
【0051】
動釣合試験における補正方法は、ユニフォーミティ試験(図6)の場合と同様に行われる。但し、測定プロセスでは、スピンドル100を回転させ、スピンドル100の所定回転角度毎に(サスペンション500に取り付けられた)ロードセル190の値を読み込み、メモリ710に記憶する。その他のプロセスは、図6と同様である。
【0052】
最後に、この発明の特徴的構成と実施形態との関係について説明する。この発明のユニフォーミティ試験における補正方法は、タイヤを回転部に取り付けて回転させ、タイヤに回転ドラムを押し当てると共に、ドラムがタイヤから受ける反力を測定する試験装置を用い、上記の測定を、タイヤの回転部に対する(回転方向の)取付角度を変えながら複数回行い、複数回の測定により得られたデータを記憶し、これを合成することによって、(測定結果から回転部の偏心とゆがみの影響を除去するための)補正データを得るものである。従って、あるタイヤのユニフォーミティを測定する際には、測定値から上記補正データを差し引けば、測定データから試験装置の回転部の偏心とゆがみの影響を除去して、タイヤそのもののユニフォーミティを求めることができる。ここで、上記の「回転部」は、実施形態中の上下リム20,10とスピンドル100及びロックシャフト300に対応している。
【0053】
また、この発明の動釣合試験における補正方法は、タイヤを回転部に取り付けて回転させ、タイヤの回転に伴う回転部の振動を測定する試験装置を用い、上記測定を、タイヤの回転部に対する(回転方向の)取付角度を変えながら複数回行い、複数回の測定により得られたデータを記憶し、これを合成することによって、(測定結果から回転部の偏心とゆがみの影響を除去するための)補正データを得るものである。従って、あるタイヤの動釣合試験を行う際には、測定値から上記補正データを差し引けば、測定データから試験装置の回転部の偏心とゆがみの影響を除去して、タイヤそのものの偏心を求めることができる。
【0054】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明のユニフォーミティ試験及び動釣合試験における補正方法によれば、測定結果から試験装置の回転部の偏心とゆがみの影響を除去して、タイヤそのもののユニフォーミティ/偏心を求めることができる。従って、ユニフォーミティ試験及び動釣合試験における測定精度が向上する。また、特別に精度のよいリムやスピンドルを用いる必要がないので、コストもかからない。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の試験装置を示す側面図である。
【図2】図1の試験装置のスピンドルを示す側断面図である。
【図3】図1の試験装置のインサータユニットを示す側断面図である。
【図4】スピンドルハウジングの支持構造を示す断面図である。
【図5】試験装置の制御系を示すブロック図である。
【図6】試験装置の回転部の偏心とゆがみの影響を除去する補正方法を示す流れ図である。
【図7】測定プロセスを示す流れ図である。
【図8】図6の補正方法により得られる測定データの例を示す図である。
【図9】ユニフォーミティ測定方法を示す流れ図である。
【図10】図8のユニフォーミティ測定方法で得られるデータの例を示す図である。
【符号の説明】
1 試験装置
10 下リム
20 上リム
30 回転ドラム
50 ベース
100 スピンドル
110 スピンドルハウジング
160 ロック部材
200 インサータユニット
300 ロックシャフト
700 制御部

Claims (8)

  1. タイヤを回転部に取り付けて回転させ、
    前記タイヤに回転ドラムを押し当てると共に、前記ドラムが前記タイヤから受ける反力を測定する試験装置を用い、
    前記タイヤの前記回転部に対する回転方向の取付角度を、測定ごとに360℃を所定回数で割った角度ずつ変えながら、前記測定を該所定回数行い、
    複数回の測定により得られた、前記回転部の回転角度に対する反力の変動を示す波形データを記憶し、前記複数回の測定により得られた波形データを、前記回転部の回転角度を揃えて合成し、次いでこれを該所定回数で割ることによって、
    測定結果から前記回転部の偏心とゆがみの影響を除去するための補正データを得ること、を特徴とするユニフォーミティ試験における補正方法。
  2. あるタイヤのユニフォーミティ試験を行う際には、測定結果から前記補正データを差し引くこと、を特徴とする請求項1に記載のユニフォーミティ試験における補正方法。
  3. 前記回転部は、前記タイヤを挟み込む一対のリムと、前記一対のリムと一体になって回転するスピンドルとを含むこと、を特徴とする請求項1又は2に記載のユニフォーミティ試験における補正方法。
  4. 前記試験装置は、前記一対のリムの夫々の回転原点位置を検出する手段を有すること、を特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のユニフォーミティ試験及び動釣合試験における補正方法。
  5. 前記所定回数は、2,8及び16のいずれかであること、を特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のユニフォーミティ試験における補正方法。
  6. タイヤを回転部に取り付けて回転させ、前記タイヤの回転に伴う前記回転部の振動を測定する試験装置を用い、
    前記タイヤの前記回転部に対する回転方向の取付角度を、測定ごとに360℃を所定回数で割った角度ずつ変えながら、前記測定を複数回行い、
    複数回の測定により得られた、前記回転部の回転角度に対する反力の変動を示す波形データを記憶し、前記複数回の測定により得られた波形データを、前記回転部の回転角度を揃えて合成し、次いでこれを該測定の回数で割ることによって、
    測定結果から前記回転部の偏心とゆがみの影響を除去するための補正データを得ること、
    を特徴とする動釣合試験における補正方法。
  7. あるタイヤの動釣合試験を行う際には、測定結果から前記補正データを差し引くこと、を特徴とする請求項6に記載の動釣合試験における補正方法。
  8. 前記回転部は、前記タイヤを挟み込む一対のリムと、前記一対のリムと一体になって回転するスピンドルとを含むこと、を特徴とする請求項6又は7のいずれかに記載の動釣合試験における補正方法。
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