JP4259799B2 - 駆動車輪用軸受装置 - Google Patents

駆動車輪用軸受装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4259799B2
JP4259799B2 JP2002004478A JP2002004478A JP4259799B2 JP 4259799 B2 JP4259799 B2 JP 4259799B2 JP 2002004478 A JP2002004478 A JP 2002004478A JP 2002004478 A JP2002004478 A JP 2002004478A JP 4259799 B2 JP4259799 B2 JP 4259799B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
joint member
diameter
peripheral surface
guide groove
constant velocity
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2002004478A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003206948A (ja
Inventor
光 梅木田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NTN Corp
Original Assignee
NTN Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NTN Corp filed Critical NTN Corp
Priority to JP2002004478A priority Critical patent/JP4259799B2/ja
Publication of JP2003206948A publication Critical patent/JP2003206948A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4259799B2 publication Critical patent/JP4259799B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Rolling Contact Bearings (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車等の駆動車輪を支持する駆動車輪用軸受装置に関するもので、特に、ハブ輪と等速自在継手と複列の転がり軸受とをユニット化した駆動車輪用軸受装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
FR車の後輪、FF車の前輪、あるいは4WD車の全輪といった自動車の駆動輪は、駆動車輪用軸受装置により懸架装置に支持する。近年、駆動車輪用軸受装置は軽量・コンパクト化を狙って、ハブ輪と等速自在継手と軸受部とをユニット化する傾向にある。
【0003】
図5は駆動車輪用軸受装置を示す縦断面図で、ハブ輪50と、軸受部60と、等速自在継手70とをユニット化して構成している。ハブ輪50は車輪(図示せず)を取り付けるための車輪取付フランジ51を一体に有し、この車輪取付フランジ51の円周等配位置には車輪を固定するためのハブボルト52を植設している。
【0004】
軸受部60は外方部材61と内方部材62と複列の転動体63、63とを有し、外方部材61は外周に車体(図示せず)に取り付けるための車体取付フランジ64を一体に有し、内周には複列の外側転走面61a、61aを形成している。一方、内方部材62は、前記した外方部材61の外側転走面61a、61aに対向する複列の内側転走面50a、71aを形成している。この一方の内側転走面50aはハブ輪50の外周に一体形成し、他方の内側転走面71aは等速自在継手70の外側継手部材71の外周に一体形成している。複列の転動体63、63をこれら外内側転走面61a、50aと61a、71a間にそれぞれ収容し、保持器65、65で転動自在に保持している。この場合、内方部材62はハブ輪50と外側継手部材71を指す。軸受部60の端部にはシール66、67を装着し、軸受内部に封入した潤滑グリースの漏洩と、外部からの雨水やダスト等の侵入を防止している。
【0005】
等速自在継手70は外側継手部材71と内側継手部材73、ケージ74、およびトルク伝達ボール75とを備えている。外側継手部材71はカップ状のマウス部72と、このマウス部72の底部をなす肩部76と、この肩部76から軸方向に延びる軸部77を有し、マウス部72の内周には軸方向に延びる曲線状の案内溝72aを形成している。
【0006】
中空に形成した外側継手部材71の軸部77をハブ輪50に内嵌すると共に、ハブ輪50の内周面に硬化させた凹凸部53と、端部に円筒状の小径段部54を形成し、この小径段部54を軸部77の小径段部77aにインロウ嵌合すると共に、軸部77の嵌合部77bを拡径してこの凹凸部53に食い込ませ、その嵌合部77bを加締めてハブ輪50と外側継手部材71とを塑性結合させている(特開2001−18605号公報参照)。
【0007】
一方、前述の駆動車輪用軸受装置は、ハブ輪50と複列の転がり軸受60、および等速自在継手70の外側継手部材71の組立後、すなわち、サブアッシーを組立後、等速自在継手70を組立てるが、この等速自在継手70の組立は、外側継手部材71に内側継手部材73とケージ74を内挿し、案内溝72aと継手内輪73の案内溝73aとを対向させ、内側継手部材73を傾動させながらケージ74のポケット(図示せず)を開口させ、トルク伝達ボール75をこのケージ74のポケット内に装着して行なう。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従来の駆動車輪用軸受装置の組立において、等速自在継手70を組立後、ハブ輪50と軸受部60をユニット化するためには、拡径用の加締治具(マンドレル)Mが通過可能な内径を有する等速自在継手、すなわち、従来の1〜2サイズアップの等速自在継手70を選定する必要があった。これでは、装置の軽量・コンパクト化を阻害することになる。したがって、従来、こうしたサブアッシー後に等速自在継手70を組立てるという手順を採っていた(図6参照)。しかしながら、等速自在継手70の組立は、単体の組立に比べ作業性が悪くなるだけでなく、軸受部60に衝撃がかかり、軸受転走面に圧痕が発生する恐れがあるため、相当な注意を払う必要があり、一層の作業性低下を余儀なくしていた。
【0009】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、安定して嵌合部の拡径ができ、かつ、一層の軽量・コンパクト化が図れる駆動車輪用軸受装置を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
係る目的を達成すべく、本発明のうち請求項1記載の発明は、複列の転がり軸受と、車輪取付フランジを一端部外周に一体に有し、内周面に硬化させた凹凸部を形成し、前記複列の転がり軸受における内側転走面のうち少なくも一方の内側転走面と、この内側転走面から軸方向に延びる円筒状の小径段部を有するハブ輪と、カップ状マウス部とこのマウス部の底部をなす肩部と、この肩部から軸方向に延びる軸部とを有する中空の外側継手部材と内側継手部材とトルク伝達ボールおよびケージを備える等速自在継手とをユニット化した駆動車輪用軸受装置において、前記等速自在継手の内側継手部材の内径を前記外側継手部材の嵌合部の内径よりも大径に形成し、前記ハブ輪と前記外側継手部材とを嵌合させ、この嵌合部にこの内径よりも大径に形成した拡径治具を前記内側継手部材側から前記内側継手部材の内径および前記外側継手部材の内径を通過させることにより拡径し、前記ハブ輪の凹凸部に食い込ませて前記ハブ輪と前記外側継手部材とを一体に塑性結合した。
【0011】
このように、ハブ輪と外側継手部材とをユニット化した駆動車輪用軸受装置において、等速自在継手の内側継手部材の内径を外側継手部材の嵌合部の内径よりも大径に形成し、ハブ輪と外側継手部材とを嵌合させ、この嵌合部にこの内径よりも大径に形成した拡径治具を内側継手部材側から内側継手部材の内径および外側継手部材の内径を通過させることにより拡径し、ハブ輪の凹凸部に食い込ませてハブ輪と外側継手部材とを一体に塑性結合したことにより、等速自在継手単体の組立後にハブ輪と外側継手部材とを一体に塑性結合することができ、従来に比べ作業性が改善されるだけでなく、組立時、軸受部に衝撃がかかり、軸受転走面に圧痕が発生するということがなくなり、品質面の向上を図ることができる。
【0012】
また、請求項2に記載の発明は、前記等速自在継手が、球面状の内周面に軸方向に延びる8本の案内溝を形成した外側継手部材と、球面状の外周面に軸方向に延びる8本の案内溝を形成し、内周面に軸部と歯型嵌合する嵌合部を形成した内側継手部材と、前記外側継手部材の案内溝とこれに対向する内側継手部材の案内溝とが協働して形成する8本のボールトラックにそれぞれ配した8個のトルク伝達ボールと、このトルク伝達ボールを保持するケージとを備え、前記ボールトラックが軸方向の一方に向って楔状に開き、前記内側継手部材の軸方向幅(W)と、前記内側継手部材の案内溝の中心と前記トルク伝達ボールの中心とを結ぶ線分の長さ(PCR)との比Rw(=W/PCR)が0.69≦Rw≦0.90である構成を提供する。
【0013】
このように、内側継手部材の軸方向幅(W)の最適範囲を示す基準を見出すことにより、装置の組立作業性を向上させると共に、等速自在継手の軽量・コンパクト化を達成することができる。
【0014】
また、請求項3に記載の発明は、前記等速自在継手が、球面状の内周面に軸方向に延びる8本の案内溝を形成した外側継手部材と、球面状の外周面に軸方向に延びる8本の案内溝を形成し、内周面に軸部と歯型嵌合する嵌合部を形成した内側継手部材と、前記外側継手部材の案内溝とこれに対向する内側継手部材の案内溝とが協働して形成する8本のボールトラックにそれぞれ配した8個のトルク伝達ボールと、このトルク伝達ボールを保持するケージとを備え、前記ボールトラックが軸方向の一方に向って楔状に開き、かつ、前記外側継手部材および内側継手部材の各案内溝にそれぞれ直線状の溝底を有するストレート部を設け、前記内側継手部材の軸方向幅(W)と、前記内側継手部材の案内溝の中心と前記トルク伝達ボールの中心とを結ぶ線分の長さ(PCR)との比Rw(=W/PCR)が0.80≦Rw≦0.93である構成を提供する。
【0015】
このように、最大許容作動角が大きいアンダーカットフリー構造においても、前述した等速自在継手と同様、内側継手部材の軸方向幅(W)の最適範囲を示す基準を見出して軽量・コンパクト化を達成することができる。
【0016】
好ましくは、請求項4に記載の発明のように、前記トルク伝達ボールのピッチ円径(PCD)と直径(Db)との比r1(=PCD/Db)が3.3≦r1≦5.0とすることにより、継手のサイズアップをすることなく、外側継手部材等の強度、等速自在継手の負荷容量および耐久性を、従来の等速自在継手と同等以上に確保することができる。
【0017】
好ましくは、請求項5に記載の発明のように、前記複列の転がり軸受の一方の内側転走面を前記ハブ輪の外周面に直接形成し、前記他方の内側転走面を前記外側継手部材の外周面に直接形成した、所謂4世代構造を採用すれば、一層の軽量・コンパクト化を達成することができると共に、装置の組立作業性を向上させることができ、量産性に優れている。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明に係る駆動車輪用軸受装置を示す縦断面図である。この駆動車輪用軸受装置は、ハブ輪1と複列の転がり軸受2と、予め組立てた等速自在継手3とをユニット化して構成している。なお、以下の説明では、車両に組み付けた状態で、車両の外側寄りとなる側をアウトボード側(図面左側)、中央寄り側をインボード側(図面右側)という。
【0019】
ハブ輪1は車輪(図示せず)を取り付けるための車輪取付フランジ4を一体に有し、この車輪取付フランジ4の円周等配位置には車輪を固定するためのハブボルト6を植設している。
【0020】
複列の転がり軸受2は外方部材7と内方部材8と複列の転動体9、9とを備え、外方部材7は外周に車体(図示せず)に取り付けるための車体取付フランジ7aを一体に有し、内周には複列の外側転走面7b、7bを形成している。一方、内方部材8は、前記した外方部材7の外側転走面7b、7bに対向する複列の内側転走面1a、14aを形成している。この一方の内側転走面1aはハブ輪1の外周に一体形成し、他方の内側転走面14aは等速自在継手3の外側継手部材14の外周に一体形成している。複列の転動体9、9をこれら外内側転走面7b、1aと7b、14a間にそれぞれ収容し、保持器10、11で転動自在に保持している。この場合、内方部材8はハブ輪1と外側継手部材14を指す。複列の転がり軸受2の端部にはシール12、13を装着し、軸受内部に封入した潤滑グリースの漏洩と、外部からの雨水やダスト等の侵入を防止している。
【0021】
等速自在継手3は外側継手部材14と内側継手部材18、トルク伝達ボール19、およびケージ20とを備えている。外側継手部材14はカップ状のマウス部15と、このマウス部15の底部をなす肩部16と、この肩部16から軸方向に延びる軸部17を有している。
【0022】
この速等速自在継手3は、図2に示すように、外側継手部材14は、球面状の内周面15aに8本の曲線状の案内溝15bを軸方向に形成したマウス部15を有する。内側継手部材18は、球面状の外周面18aに8本の曲線状の案内溝18bを軸方向に形成し、内周面に歯型(セレーションまたはスプライン)を有する係合部18cを形成している。また、トルク伝達ボール19をケージ20で保持し、外側継手部材14の案内溝15bとこれに対応する内側継手部材18の案内溝18bとが協働して形成する8本のボールトラックにそれぞれ8個配している。内側継手部材18の係合部18cにはドライブシャフト21の軸端部が歯型嵌合している。
【0023】
マウス部15の案内溝15bの曲率中心O1は内周面15aの球面中心に対して、また内側継手部材18の案内溝18bの曲率中心O2は外周面18aの球面中心に対して、それぞれ軸方向に等距離Fだけ反対側にオフセットしている。そのため、案内溝15bと案内溝18bとが協働して形成するボールトラックは、軸方向の一方に向って楔状に開いた形状になる。
【0024】
ケージ20の外周面20aの球面中心、およびこの外周面20aの案内面となるマウス部15の内周面15aの球面中心O1は、いずれも、トルク伝達ボール19の中心O3を含む継手中心面O内にある。したがって、案内溝15bの中心O1のオフセット量Fは、中心O1と継手中心面Oとの間の軸方向距離、案内溝18bの中心O2のオフセット量Fは、中心O2と継手中心面Oとの間の軸方向距離になり、両者は等しい。外側継手部材14と内側継手部材18とが角度変位すると、ケージ20に案内されたトルク伝達ボール19は常にどの作動角においてもその二等分面内に維持し、等速自在継手3の等速性が確保される。
【0025】
まず、図3に示すように、ボールトラックの本数およびトルク伝達ボール19の配置数を8個とした場合、内側継手部材18の外周面18aの周方向幅Lは、従来の6個ボールに比べて相対的に小さくなる。さらに、外周面18aの周方向幅Lの最小値は、内側継手部材18の軸方向幅Wと関係し、このWが大きい程Lの最小値は小さくなる。一方、内側継手部材18を鍛造によって予備成形する場合、外周面18aの周方向幅Lの最小値が小さ過ぎると、成形型内で素材が充分に流動し得ないために、案内溝18bおよび外周面18aが精度良く仕上がらなく、金型の寿命も短くなる。本出願人の実験では、良好な成形精度や金型寿命が得られる外周面18aの周方向幅Lの最小値δが存在することを確認している。したがって、内側継手部材18の軸方向幅Wは、この最小値δを確保できる寸法以下にする必要がある。
【0026】
すなわち、幾何学的な関係から、内側継手部材18の外周面18aと案内溝18bとの境界部(肩部)の座標から外周面18aの周方向幅Lを求め、両端部でL=δの条件を満たす軸方向幅W1を求める。前述した理由から、内側継手部材18の鍛造性を向上させるためには、軸方向幅WはW≦W1の条件を満たす必要がある。一方、内側継手部材18の軸方向幅Wを決定するに当り、角度変位時におけるトルク伝達ボール19の案内溝18bに対する軸方向相対移動を考慮する必要がある。すなわち、内側継手部材18の軸方向幅WはW≦W1を満たす範囲で可及的に小さくするのが望ましいが、軸方向幅Wを必要以上に小さくし過ぎると、角度変位時にトルク伝達ボール19の接触によって案内溝18bに生じる接触楕円が案内溝18bを乗り上げてしまい、局部的に応力が集中することにより、案内溝18bの肩部の偏摩耗や欠け等が発生する恐れがある。そこで、内側継手部材18の強度や耐久性を確保するために、継手が最大作動角をとった場合でも、接触楕円が案内溝18bを乗り上げない軸方向幅Wの限界値W0を求め、W≧W0の条件を満たすように軸方向幅Wを設定する。
【0027】
こうして内側継手部材18の軸方向幅Wの最適範囲はW0≦W≦W1となる。ここで、最大作動角を47°に設定し、種々のサイズごとにW0、W1を求め、案内溝18bの中心とトルク伝達ボール19の中心とを結ぶ線分の長さPCRとの比Rw(=W/PCR)を求めた。その結果、0.69≦W≦0.90の条件が得られ、これが内側継手部材18の軸方向幅Wの最適範囲を示す基準となることを見出した。
【0028】
また、さらに高角化を達成する観点から、各案内溝15b、18bにそれぞれ直線状の溝底を有するストレート部を設けた、所謂アンダーカットフリー構造においては、最大作動角を50°に設定し、前述同様の基準で求めた結果、0.80≦W≦0.93の条件が得られ、これが内側継手部材18の軸方向幅Wの最適範囲を示す基準となることを見出した。
【0029】
以上の構成において、トルク伝達ボール19のピッチ円径PCDと直径Dbとの比r1(=PCD/Db)は、3.3≦r1≦5.0の範囲内の値とすることができる。3.3≦r1≦5.0とした理由は、外側継手部材14等の強度や等速自在継手3の負荷容量、および耐久性を従来の6個ボールと同等以上に確保するためである。すなわち、等速自在継手3においては、外径を同等とし、限られたスペース内で、トルク伝達ボール19のピッチ円径PCDを大幅に変更することは困難である。そのため、r1はトルク伝達ボール19の直径Dbに依存することになる。r1<3.3であると、外側継手部材14や内側継手部材18等、他の部品の肉厚が薄くなり、強度の面で懸念が生じる。逆にr1>5.0であると負荷容量が小さくなり好ましくない。したがって3.3≦r1≦5.0とすることにより、外側継手部材14の等の強度、等速自在継手の負荷容量を従来と同等以上に確保することができる。
【0030】
本発明に係る実施形態の等速自在継手3は、トルク伝達ボール19の個数が8個であり、従来の6個の等速自在継手に比べ、継手の全負荷容量に占めるトルク伝達ボール1個当りの負荷割合が少なくなるため、同じ型番の継手において、トルク伝達ボール19のサイズDbを小さくし、外側継手部材14や内側継手部材18の最小肉厚を従来と同程度に確保することができる。すなわち、等速自在継手3の外径を従来と同等として、内側継手部材18の内径を大きくすることができる。
【0031】
次に、前述した等速自在継手3とハブ輪1と複列の転がり軸受2を塑性結合して組立てる方法を、図4を用いて説明する。
▲1▼まず、ハブ輪1を受け台Bに載置し、ハブ輪1の端部に形成した円筒状の小径段部1bを外側継手部材14の肩部16に突き合せ状態にし、軸部17をハブ輪1に内嵌する。
▲2▼上方からマンドレルMを下降させて等速自在継手3の内側継手部材18の内径を通過させ、さらに、マンドレルMの大径部M1が嵌合部17bを貫通するまで下降させて嵌合部17bを拡径する。
▲3▼この拡径により、ハブ輪1の内周面に硬化させて形成した凹凸部5に嵌合部17bを食い込ませ、ハブ輪1と外側継手部材14とを塑性結合する。
ここで、マンドレルMの上端を固定し、受け台Bを所定のストールだけ上昇させ、大径部M1を嵌合部17bに貫通させるようにしても良い。
【0032】
ここで、本発明に係る実施形態では、等速自在継手3を、小径のトルク伝達ボール19を使用し、従来の継手の6個ボールから8個ボールにして従来と同等以上の負荷容量を確保し、かつ、継手外径を同等としながらも外側継手部材14と内側継手部材18の肉厚を薄くしたため、内側継手部材18の内径φdを、マンドレルMの大径部M1の外径φDよりも大径に形成することができた。したがって、等速自在継手3の組立後にハブ輪1と複列の転がり軸受2、および外側継手部材14を一体に塑性結合することができ、従来に比べ作業性が改善されるだけでなく、組立時、軸受部に衝撃がかかり、軸受転走面に圧痕が発生するということがなくなり、品質面の向上を図ることができる。
【0033】
以上、本発明の実施の形態、すなわち、複列の転がり軸受における内側転走面のうち一方をハブ輪に、他方を外側継手部材にそれぞれ形成した、所謂第4世代構造について説明を行ったが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、あくまで例示であって、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。例えば、複列の転がり軸受における内側転走面のうち一方の内側転走面をハブ輪に、他方の内側転走面を別体の内輪に形成し、この内輪をハブ輪の小径段部に圧入した、所謂第3世代構造であっても良い。
【0034】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明に係る駆動車輪用軸受装置は、ハブ輪と外側継手部材とをユニット化した駆動車輪用軸受装置において、等速自在継手の内側継手部材の内径を外側継手部材の嵌合部の内径よりも大径に形成し、ハブ輪と外側継手部材とを嵌合させ、この嵌合部にこの内径よりも大径に形成した拡径治具を内側継手部材側から内側継手部材の内径および外側継手部材の内径を通過させることにより拡径し、前記ハブ輪の凹凸部に食い込ませて前記ハブ輪と前記外側継手部材とを一体に塑性結合したことにより、等速自在継手単体の組立後にハブ輪と外側継手部材とを一体に塑性結合することができ、従来に比べ作業性が改善されるだけでなく、組立時、軸受部に衝撃がかかり、軸受転走面に圧痕が発生するということがなくなり、品質面の向上を図ることができる。
【0035】
また、等速自在継手を、小径のトルク伝達ボールを使用し、従来の継手の6個ボールから8個ボールにして各部品の最適範囲を示す基準を見出すことにより、従来と同等以上の負荷容量を確保し、装置の軽量・コンパクト化を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る駆動車輪用軸受装置を示す縦断面図である。
【図2】本発明に係る駆動車輪用軸受装置における等速自在継手を示す縦断面図である。
【図3】(a)は本発明に係る等速自在継手の内側継手部材の正面図である。
(b)は(a)の縦断面図である。
【図4】本発明に係る駆動車輪用軸受装置の組立方法を示す工程図である。
【図5】従来の駆動車輪用軸受装置を示す縦断面図である。
【図6】従来の駆動車輪用軸受装置の組立方法を示す工程図である。
【符号の説明】
1・・・・・・・・・・・・ハブ輪
1a、14a・・・・・・・内側転走面
1b、17a・・・・・・・小径段部
2・・・・・・・・・・・・複列の転がり軸受
3・・・・・・・・・・・・等速自在継手
4・・・・・・・・・・・・車輪取付フランジ
5・・・・・・・・・・・・凹凸部
6・・・・・・・・・・・・ハブボルト
7・・・・・・・・・・・・外方部材
7a・・・・・・・・・・・車体取付フランジ
7b・・・・・・・・・・・外側転走面
8・・・・・・・・・・・・内方部材
9・・・・・・・・・・・・転動体
10、11・・・・・・・・保持器
12、13・・・・・・・・シール
14・・・・・・・・・・・外側継手部材
15・・・・・・・・・・・マウス部
15a、20b・・・・・・内周面
15b、18b・・・・・・案内溝
16・・・・・・・・・・・肩部
17・・・・・・・・・・・軸部
17b・・・・・・・・・・嵌合部
18・・・・・・・・・・・内側継手部材
18a、20a・・・・・・外周面
18c・・・・・・・・・・係合部
19・・・・・・・・・・・トルク伝達ボール
20・・・・・・・・・・・ケージ
21・・・・・・・・・・・ドライブシャフト
50・・・・・・・・・・・ハブ輪
50a、71a・・・・・・内側転走面
51・・・・・・・・・・・車輪取付フランジ
52・・・・・・・・・・・ハブボルト
53・・・・・・・・・・・凹凸部
54、77a・・・・・・・小径段部
60・・・・・・・・・・・複列の転がり軸受
61・・・・・・・・・・・外方部材
61a・・・・・・・・・・外側転走面
62・・・・・・・・・・・内方部材
63・・・・・・・・・・・転動体
64・・・・・・・・・・・車体取付フランジ
65・・・・・・・・・・・保持器
66、67・・・・・・・・シール
70・・・・・・・・・・・等速自在継手
71・・・・・・・・・・・外側継手部材
72・・・・・・・・・・・マウス部
72a、73a・・・・・・案内溝
73・・・・・・・・・・・内側継手部材
74・・・・・・・・・・・ケージ
75・・・・・・・・・・・トルク伝達ボール
76・・・・・・・・・・・肩部
77・・・・・・・・・・・軸部
77b・・・・・・・・・・嵌合部
B・・・・・・・・・・・・受け台
d・・・・・・・・・・・・内側継手部材の内径
D・・・・・・・・・・・・大径部の外径
Db・・・・・・・・・・・トルク伝達ボールの直径
M・・・・・・・・・・・・マンドレル
M1・・・・・・・・・・・大径部
O・・・・・・・・・・・・継手中心面
O1・・・・・・・・・・・マウス部の案内溝の曲率中心
O2・・・・・・・・・・・内側継手部材の案内溝の曲率中心
O3・・・・・・・・・・・トルク伝達ボールの中心
PCD・・・・・・・・・・トルク伝達ボールのピッチ円径
PCR・・・・・・・・・・トルク伝達ボールの中心と内側継手部材の案内溝の中心とを結ぶ線分
Rw・・・・・・・・・・・内側継手部材の軸方向幅とPCRの比
r1・・・・・・・・・・・PCDとDbの比
W・・・・・・・・・・・・内側継手部材の軸方向幅
W0・・・・・・・・・・・内側継手部材の軸方向幅の最小値
W1・・・・・・・・・・・内側継手部材の軸方向幅の最大値
δ・・・・・・・・・・・・内側継手部材の周方向幅の最小値

Claims (5)

  1. 複列の転がり軸受と、車輪取付フランジを一端部外周に一体に有し、内周面に硬化させた凹凸部を形成し、前記複列の転がり軸受における内側転走面のうち少なくも一方の内側転走面と、この内側転走面から軸方向に延びる円筒状の小径段部を有するハブ輪と、カップ状マウス部とこのマウス部の底部をなす肩部と、この肩部から軸方向に延びる軸部とを有する中空の外側継手部材と内側継手部材とトルク伝達ボールおよびケージを備える等速自在継手とをユニット化した駆動車輪用軸受装置において、
    前記等速自在継手の内側継手部材の内径を前記外側継手部材の嵌合部の内径よりも大径に形成し、前記ハブ輪と前記外側継手部材とを嵌合させ、この嵌合部にこの内径よりも大径に形成した拡径治具を前記内側継手部材側から前記内側継手部材の内径および前記外側継手部材の内径を通過させることにより拡径し、前記ハブ輪の凹凸部に食い込ませて前記ハブ輪と前記外側継手部材とを一体に塑性結合したことを特徴とする駆動車輪用軸受装置。
  2. 前記等速自在継手が、球面状の内周面に軸方向に延びる8本の案内溝を形成した外側継手部材と、球面状の外周面に軸方向に延びる8本の案内溝を形成し、内周面に軸部と歯型嵌合する嵌合部を形成した内側継手部材と、前記外側継手部材の案内溝とこれに対向する内側継手部材の案内溝とが協働して形成する8本のボールトラックにそれぞれ配した8個のトルク伝達ボールと、このトルク伝達ボールを保持するケージとを備え、前記ボールトラックが軸方向の一方に向って楔状に開き、前記内側継手部材の軸方向幅(W)と、前記内側継手部材の案内溝の中心と前記トルク伝達ボールの中心とを結ぶ線分の長さ(PCR)との比Rw(=W/PCR)が0.69≦Rw≦0.90である請求項1に記載の駆動車輪用軸受装置。
  3. 前記等速自在継手が、球面状の内周面に軸方向に延びる8本の案内溝を形成した外側継手部材と、球面状の外周面に軸方向に延びる8本の案内溝を形成し、内周面に軸部と歯型嵌合する嵌合部を形成した内側継手部材と、前記外側継手部材の案内溝とこれに対向する内側継手部材の案内溝とが協働して形成する8本のボールトラックにそれぞれ配した8個のトルク伝達ボールと、このトルク伝達ボールを保持するケージとを備え、前記ボールトラックが軸方向の一方に向って楔状に開き、かつ、前記外側継手部材および内側継手部材の各案内溝にそれぞれ直線状の溝底を有するストレート部を設け、前記内側継手部材の軸方向幅(W)と、前記内側継手部材の案内溝の中心と前記トルク伝達ボールの中心とを結ぶ線分の長さ(PCR)との比Rw(=W/PCR)が0.80≦Rw≦0.93である請求項1に記載の駆動車輪用軸受装置。
  4. 前記トルク伝達ボールのピッチ円径(PCD)と直径(Db)との比r1(=PCD/Db)が3.3≦r1≦5.0である請求項1乃至3いずれかに記載の駆動車輪用軸受装置。
  5. 前記複列の転がり軸受の一方の内側転走面を前記ハブ輪の外周面に直接形成し、前記他方の内側転走面を前記外側継手部材の外周面に直接形成した請求項1乃至4いずれかに記載の駆動車輪用軸受装置。
JP2002004478A 2002-01-11 2002-01-11 駆動車輪用軸受装置 Expired - Fee Related JP4259799B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002004478A JP4259799B2 (ja) 2002-01-11 2002-01-11 駆動車輪用軸受装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002004478A JP4259799B2 (ja) 2002-01-11 2002-01-11 駆動車輪用軸受装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003206948A JP2003206948A (ja) 2003-07-25
JP4259799B2 true JP4259799B2 (ja) 2009-04-30

Family

ID=27643796

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002004478A Expired - Fee Related JP4259799B2 (ja) 2002-01-11 2002-01-11 駆動車輪用軸受装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4259799B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104015158A (zh) * 2014-06-09 2014-09-03 河南万向系统制动器有限公司 一种汽车轮毂压装螺栓用辅助装置

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3875432B2 (ja) * 1999-07-06 2007-01-31 Ntn株式会社 駆動車輪用軸受装置
JP2001130209A (ja) * 1999-11-05 2001-05-15 Ntn Corp 駆動車輪用軸受装置
JP3880786B2 (ja) * 2000-04-12 2007-02-14 Ntn株式会社 駆動車輪用軸受装置
JP2001330051A (ja) * 2000-05-19 2001-11-30 Ntn Corp 等速自在継手

Also Published As

Publication number Publication date
JP2003206948A (ja) 2003-07-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5261023B2 (ja) 車輪用軸受装置の加工方法
US8499457B2 (en) Fixed constant velocity universal joint, method of manufacturing fixed constant velocity universal joint, and bearing device adapted for use in driving wheel and using fixed constant velocity universal joint
US8057314B2 (en) Joint assembly, a wheel bearing apparatus, and the assemblies included in an axle module
JP2008174208A (ja) 車輪用軸受装置のハブ輪およびその製造方法
WO2007034819A1 (ja) 車輪用軸受装置
JP2008518166A (ja) 高角度等速ジョイント
WO2007052807A1 (ja) 車輪用軸受装置
JP4361402B2 (ja) ユニットカバー・継手アッセンブリーおよびこれを備えた駆動車輪用軸受装置総アッセンブリー
JP4338095B2 (ja) 駆動車輪用軸受ユニット
JP5153128B2 (ja) 継手アッセンブリー
JP4530291B2 (ja) 駆動車輪用軸受装置の製造方法
JP4157323B2 (ja) 駆動車輪用軸受装置
JP6468694B2 (ja) 車輪用軸受装置
JP4259799B2 (ja) 駆動車輪用軸受装置
JP3880786B2 (ja) 駆動車輪用軸受装置
JP2007069704A (ja) 駆動車輪用軸受装置
JP2007261577A5 (ja)
JP2007076465A (ja) 駆動車輪用軸受装置
JP5097479B2 (ja) 車輪用軸受およびこれを備えた車輪用軸受装置
JP2002029209A (ja) 車輪駆動用車軸ユニット
JP2004090732A (ja) 駆動車輪用軸受装置
JP4071965B2 (ja) 駆動車輪用軸受装置
JP2009149141A (ja) 駆動車輪用軸受装置
JP2008155692A (ja) 車輪用軸受装置
JP6429441B2 (ja) 車輪用軸受装置と中間体およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041124

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070511

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070522

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070723

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20071113

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080111

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20080123

A912 Removal of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20080328

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090203

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120220

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees