JP4259121B2 - 電池用セパレータ及び電池 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電池用セパレータ及び電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ノート型コンピューター、小型携帯機器、自動車等に用いられるクリーンなエネルギー源として高性能二次電池の開発が盛んである。ここで用いられる二次電池には、小型軽量でありながら大容量・高出力であること、すなわち高エネルギー密度・高出力密度であることが求められている。また、高エネルギーを貯蔵することから安全性の確保が重要である。高エネルギー密度・高出力密度を達成できる二次電池としては、リチウム二次電池等の非水電解質二次電池が有力視されている。
【0003】
一般的にリチウム二次電池は、リチウムイオンを放出できる正極と、正極と対向し正極から放出されたリチウムイオンを吸蔵および放出できる負極と、正極及び負極の間に介在する多孔質膜である電池用セパレータと、正極と負極との間でリチウムイオンを移動させる電解液とを備えている。電池用セパレータとしてはポリエチレン製電池用セパレータが汎用されている。
【0004】
ここで非水電解質二次電池では水分の混入により電池特性が低下する。従来の非水電解質二次電池の製造方法では、製造工程において電極を乾燥する工程及びその後の多くの工程において水分量の管理が重要となり、高価なドライルーム施設を用いていた。
【0005】
従来技術では、正極、負極及びそれらに狭持した電池用セパレータを重ね合わせて電極体を形成した後に電極体を乾燥する工程を設けることで、高価なドライルーム施設を省略すること及び乾燥工程を簡略化することを提案している(特許文献1)。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−319641号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、特許文献1に開示された電池の製造方法では、水分の除去のために100℃以上に加熱する乾燥工程をもつことが好ましいとされている。100℃以上の高温での加熱を行うと、従来用いられているポリエチレン製電池用セパレータでは熱収縮により正負極間の絶縁が保持できなくなるので、高温での耐久性に優れた電池用セパレータが望まれる。また、安全性の向上の目的でも高温耐久性に優れた電池用セパレータが望まれている。
【0008】
そこで本発明では熱収縮が起こり難く、高温での乾燥工程に耐えうる電池用セパレータ及びその電池用セパレータを用いた電池を提供することを解決すべき課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する目的で本発明者等は鋭意研究を行った結果、ポリメチルペンテンからなり、空隙率が25%以下且つ最大孔径が16μm以下である多孔質膜であることを特徴とする電池用セパレータを発明した(請求項1)。
【0010】
電池用セパレータとしては確実に正極及び負極の間を電気的に絶縁すると共にイオン透過性を有する素材であって且つ電解液を保持できることが必要である。この電池用セパレータについて高温での安定性に優れており且つ耐酸化還元性に優れた素材として脂肪族高分子の一種であるポリメチルペンテンに着目した。ポリメチルペンテンは融点が260℃程度と高く、且つ飽和炭化水素であるので耐酸化還元性も高い。ポリメチルペンテンについて検討を行った結果、空隙率と最大孔径とを所定範囲に規定することで高性能な電池が得られることが判明し、その知見に基づいて本発明を完成したのである。
【0011】
さらに電池の出力向上の観点から、空隙率が22%以下且つ最大孔径が8μm以下であることが好ましい(請求項2)。具体的には繊維径2.7μm以下の繊維から構成される不織布であることが望ましい(請求項3)。
【0012】
また、電池用セパレータと電解液との濡れ性が向上できるので電池出力の向上が達成できると共に、電池用セパレータの強度の向上を図ることが可能となるので、電池用セパレータの表面がシランカップリング剤の重合物でコートされていることが好ましい(請求項4)。
【0013】
さらに上記課題を解決する本発明の電池は正極と負極とその正極及び負極に狭持された電池用セパレータとを有する電池であって、前記電池用セパレータに前述した電池用セパレータを採用した電池である(請求項5)。
【0014】
【発明の実施の形態】
(電池用セパレータ)
本発明の電池用セパレータは、ポリメチルペンテン(以下「PMP」と略称する)からなり、空隙率が25%以下且つ最大孔径が16μm以下である多孔質膜である。本電池用セパレータの厚みは特に限定されず、一般的な25〜35μm程度とできる。
【0015】
本電池用セパレータを多孔質膜化する方法としては多数の繊維を絡み合わせて不織布を形成する方法、延伸により孔を生成する方法、PMPを適正な良溶媒に溶解させて製膜した後に貧溶媒に浸漬する方法等が挙げられる。これらのうち不織布として製造することが残留応力を制御できるので好ましい。
【0016】
本電池用セパレータの空隙率は25%以下であるが、好ましくは22%以下とする。空隙率を制御する方法としては不織布を製造する繊維の径を変化させたり、カレンダリング(加熱プレス)の程度を変化させることで可能である。不織布を製造する繊維の径としては2.7μm以下が好ましい。ここで、繊維径とは平均径である。空隙率の算出方法はPMPの比重、本電池用セパレータの見かけ体積(電池用セパレータの厚み×面積)及び質量から算出した値である。すなわち(空隙率)=(1−(本電池用セパレータの質量)/((PMP比重)×(本電池用セパレータの体積)))×100(%)で表される。
【0017】
最大孔径としては16μm以下であり、好ましくは8μm以下とする。最大孔径の算出はバブル・ポイント法により行う。バブル・ポイント法は、測定液体としてのエタノール中に測定対象である電池用セパレータを浸漬した後、電池用セパレータを通して気泡が出はじめる最低圧力を測定する方法である。測定値から、(最大孔径)=4γ/P、(γ:測定液体の表面張力、P:最低圧力)として算出できる。
【0018】
PMPの分子量は特に限定されないが、電池用セパレータ強度及び成形性の観点から50万〜300万程度が好ましい。
【0019】
本電池用セパレータの表面はシランカップリング剤の重合物でコートされていることが好ましい。シランカップリング剤としてはテトライソシアネートシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、トリメトキシシラン誘導体、トリエトキシシラン誘導体、その他シロキサンが例示できる。
【0020】
(電池)
以下に、本発明の電池についてリチウム電池に基づき各構成要素等について説明する。本電池は、正極、負極並びに正極及び負極に狭持された電池用セパレータ並びに必要に応じてその他の構成要素を有する電池である。本電池の電池用セパレータは前述した本発明の電池用セパレータがそのまま適用できるのでここでの説明は省略する。
【0021】
本実施形態のリチウム二次電池は、その形状には特に制限を受けず、コイン型、円筒型、角型等、種々の形状の電池として使用できる。本実施形態では、円筒型のリチウム二次電池に基づいて説明を行う。
【0022】
本実施形態のリチウム二次電池は、図1に示すように、正極1および負極2をシート形状として両者を電池用セパレータ4を介して積層し渦巻き型に多数回巻回した巻回体を空隙を満たす電解液とともに所定の円筒状のケース7内に収納したものである。正極1と正極端子部5とが、そして負極2と負極端子部6とが、それぞれ電気的に接合されている。
【0023】
正極は、リチウムイオンを充電時には放出し且つ放電時には吸蔵することができる正極活物質をもつ。正極活物質としては、層状構造またはスピネル構造のリチウム−金属複合酸化物のうちの1種以上であるリチウム−金属複合酸化物含有活物質が例示できる。
【0024】
リチウム−金属複合酸化物含有活物質としては、たとえば、Li(1-X)NiO2、Li(1-X)MnO2、Li(1-X)Mn24、Li(1-X)CoO2、Li(1-X)FeO2等や、各々にLi、Al、そしてCr等の遷移金属を添加または置換した材料等である。この例示におけるXは0〜1の数を示す。なお、これらのリチウム−金属複合酸化物を正極活物質として用いる場合には単独で用いるばかりでなくこれらを複数種類混合して用いることもできる。このなかでもリチウム−金属複合酸化物含有活物質としては、層状構造またはスピネル構造のリチウムマンガン含有複合酸化物、リチウムニッケル含有複合酸化物およびリチウムコバルト含有複合酸化物のうちの1種以上であることが好ましい。コスト低減の観点からはリチウム−金属複合酸化物含有活物質は、層状構造またはスピネル構造のリチウムマンガン含有複合酸化物およびリチウムニッケル含有複合酸化物のうちの1種以上であることがさらに好ましい。
【0025】
正極1は前述の正極活物質を結着材、導電材等の公知の添加材と混合した後に金属箔等からなる集電体上に塗布され正極合材層が形成される。
【0026】
負極2は、リチウムイオンを充電時には吸蔵し、かつ放電時には放出する負極活物質を用いることができれば、その材料構成で特に限定されるものではなく、公知の材料・構成のものを用いることができる。たとえば、リチウム金属、グラファイト又は非晶質炭素等の炭素材料等である。そのなかでも特に炭素材料を用いることが好ましい。炭素材料は比表面積が比較的大きくでき、リチウムの吸蔵、放出速度が速いため大電流での充放電特性、出力・回生密度に対して良好となる。特に、出力・回生密度のバランスを考慮すると、充放電に伴ない電圧変化の比較的大きい炭素材料を使用することが好ましい。また、このような炭素材料を負極活物質に用いることで、より高い充放電効率と良好なサイクル特性とが得られる。
【0027】
このように負極活物質として炭素材料を用いた場合には、これに必要に応じて導電材および結着材を混合して得られた負極合材が集電体に塗布されてなるものを用いることが好ましい。
【0028】
非水電解液は、有機溶媒に支持塩を溶解させたものである。
【0029】
有機溶媒は、通常リチウム二次電池の電解液の用いられる有機溶媒であれば特に限定されるものではなく、例えば、カーボネート類、ハロゲン化炭化水素、エーテル類、ケトン類、ニトリル類、ラクトン類、オキソラン化合物等を用いることができる。特に、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート等及びそれらの混合溶媒が適当である。
【0030】
例に挙げたこれらの有機溶媒のうち、特に、カーボネート類、エーテル類からなる群より選ばれた一種以上の非水溶媒を用いることにより、支持塩の溶解性、誘電率および粘度において優れ、電池の充放電効率も高いので、好ましい。
【0031】
支持塩は、その種類が特に限定されるものではないが、LiPF6、LiBF4、LiClO4およびLiAsF6から選ばれる無機塩、該無機塩の誘導体、LiSO3CF3、LiC(SO3CF32、LiN(SO3CF32、LiN(SO2252およびLiN(SO2CF3)(SO249)から選ばれる有機塩、並びにその有機塩の誘導体の少なくとも1種であることが好ましい。
【0032】
これらの支持塩の使用により、電池性能をさらに優れたものとすることができ、かつその電池性能を室温以外の温度域においてもさらに高く維持することができる。支持塩の濃度についても特に限定されるものではなく、用途に応じ、支持塩および有機溶媒の種類を考慮して適切に選択することが好ましい。
【0033】
ケース7は、特に限定されるものではなく、公知の材料、形態で作成することができる。
【0034】
ガスケットは、ケースと正負の両端子部の間の電気的な絶縁と、ケース内の密閉性とを担保するものである。たとえば、電解液にたいして、化学的、電気的に安定であるポリプロピレンのような高分子等から構成できる。
【0035】
本リチウム電池は特開2001−319641号公報に開示された電池の製造方法で製造できる。つまり本リチウム電池は、電極体形成工程と、電極体挿入工程と、非水電解液注入工程と、その電極体形成工程とその非水電解液注入工程との間の電極体乾燥工程とを有する製造方法により製造されることが好適である。
【0036】
電極体形成工程は正極と負極と電池用セパレータとを重ね合わせて電極体を形成する工程である。具体的には、正極、負極および電池用セパレータの端部を巻回芯に取り付け、その巻回芯に正極等を巻き付けていくことにより電極体は形成される。
【0037】
また、形成された電極体の正極側と負極側からはそれぞれ正極端子部および負極端子部に接続する必要があるがその接続は電極体形成工程の前後を問わずに行える。たとえば、電極体を形成する前の正極1および負極に端子部と接続するリードを接続してもよいし、電極体を形成中もしくは形成後に接続してもよい。
【0038】
電極体挿入工程は、電極体をケース内に挿入する工程である。
【0039】
電極体乾燥工程は、電極体をリチウムイオン二次電池内において使用できる程度まで乾燥させる工程である。リチウムイオン二次電池においては、水分が残留していることにより電解質と反応し劣化される。本工程は、電極体形成工程と非水電解液注入工程との間に行われる。より好ましくは、電極体挿入工程の後に、ケース内に電極体を挿入した状態で非水電解液注入工程の直前に本工程を行うことが好ましい。乾燥状態で保持する時間が短くなり従来のドライルーム等の特別な装置を用いなくとも水分の混入を防止できるからである。
【0040】
電極体乾燥工程の後は、乾燥雰囲気下で製造操作を継続するか、またはその後の操作を速やかに行って水分が混入しないようにする必要がある。ここで電極体を乾燥させる方法としては、水の沸点以上、つまり、100℃以上に加熱して行うことができる。本電池用セパレータはこの電極体乾燥工程では熱収縮しないので生産性に優れる。
【0041】
【実施例】
以下、実施例に基づいて本発明をさらに説明する。
【0042】
〈実施例1〉
(電池の作製方法)
図1に示すリチウムイオン二次電池を以下のようにして作製した。
【0043】
正極1は活物質としてニッケル酸リチウムを85質量部と、導電材としてアセチレンブラックを10質量部と、結着剤としてポリフッ化ビニリデンを5質量部とを混練してペースト状にした合材を、厚さ15μmのアルミニウム箔の集電体の両面に塗布、圧着したものである。また、負極2は活物質としてカーボンを92.5質量部と、結着剤としてポリフッ化ビニリデンを7.5質量部とを混練してペースト状にした合材を、厚さ10μmの銅箔の集電体の両面に塗布、圧着したものである。これら、正極1および負極2にはそれぞれ前記合材が塗布されていない未塗布部が設けてあり、正極の集電体11の未塗布部111の表面には複数のアルミニウム製のリード13を、また負極の集電体21の未塗布部211の表面には複数の銅製のリード23をそれぞれ電極板から正極端子部5、負極端子部6への電流取り出し用として超音波溶接法により接合した。
【0044】
次に、正極1と負極2の間に、正極1および負極2が直接接しないよう幅広に裁断されたセパレ−タ4を介在して、渦巻き状に巻回し、巻回電極体を作製した。このとき、セパレ−タ4としてPMPから作成された不織布を用いた。この不織布は繊維径3.5μmの繊維を用い、膜厚32μm、目付量20g/m2、空隙率25%、最大孔径15.6μmであった。この電池用セパレータ(幅50mm)について長軸方向の引っ張り強度を測定した結果1.96N/50mm(0.20kgf/50mm)であった。
【0045】
続いて正極1および負極2に取り付けられたリード13、23を収束処理し、それぞれ正極端子部5、負極端子部6に超音波溶接法により接合した後、電池缶7に収納し、正極端子部5と蓋板71および負極端子部6と電池缶7との間にそれぞれガスケット72を介在させた状態でナット8により締結し、蓋板71と電池缶7とをレーザ溶接法により気密・液密性が保たれる溶接条件にて接合した。
【0046】
このようにして作製した電池缶内に電極体を収納した電池を、乾燥炉内に収容し133Paまで減圧し更に120℃まで加温した状態で8時間保管した。その後、蓋71に予め設置してある電解液の注入用開口部711をEPDM製のシール用部品で仮封止した状態で電解液注入装置まで運搬し、シール用部品を取り外した後、蓋71の電解液注入用開口部711から非水電解液を注入した。非水電解液は、エチレンカーボネートとジエチレンカーボネートとを3:7の質量比で混合した溶媒中に六フッ化リン酸リチウムを溶解させたものを用いた。所定量の電解液を注入後、注入用開口部711を封止栓9で気密・液密的に封止した。これを実施例1の試験電池として試験に供した。なお、電極体の乾燥後に電極体の正負極が短絡した電池の割合は20%以下であった。
【0047】
〈実施例2〉
また、電池用セパレータ4としてPMP製の不織布(繊維径2.7μm、膜厚23μm、目付量15g/m2、空隙率22%、最大孔径7.8μm)を用いる以外は実施例1と全く同様の方法で電池を作製し、実施例2の試験電池として試験に供した。この電池用セパレータの長軸方法の引っ張り強度は1.77N/50mm(0.18kgf/50mm)であった。なお、電極体の乾燥後に電極体の正負極が短絡した電池の割合は20%以下であった。
【0048】
〈実施例3〉
また、電池用セパレータ4としてPMP製の不織布の表面にテトライソシアネートシラン(松本交商製、SI400)を塗布し、3時間Ar雰囲気下、150℃で加熱することで表面にシランカップリング剤の重合物をコートした以外は実施例2と全く同様の方法で電池を作製し、実施例3の試験電池として試験に供した。表面にシランカップリング剤の重合物をコートした結果、この電池用セパレータは、膜厚23μm、目付量15g/m2、空隙率22%、最大孔径8μmであった。この電池用セパレータの長軸方法の引っ張り強度は2.45N/50mm(0.25kgf/50mm)であった。なお、電極体の乾燥後に電極体の正負極が短絡した電池の割合は5%以下であった。
【0049】
〈比較例1〉
また、電池用セパレータ4としてポリエチレン製微多孔質膜(空隙率38%、最大孔径0.5μm)を用い、乾燥時の温度を60℃に変え、乾燥時間を72時間と長くした以外は実施例1と全く同様の方法で電池を作製し、比較例1の試験電池として試験に供した。なお、電極体の乾燥後に電極体の正負極が短絡した電池の割合は5%以下であった。
【0050】
〈比較例2〉
また、電池用セパレータ4としてポリエチレン製微多孔質膜(空隙率38%、最大孔径0.5μm)を用いる以外は実施例1と全く同様の方法で電池を作製し、比較例2の試験電池として試験に供した。なお、本比較例の電池はほぼすべて、電極体の乾燥後に電池用セパレータが熱収縮し電極体の正負極間が短絡した。
【0051】
〈比較例3〉
また、電池用セパレータ4としてPMP製の不織布(繊維径3.5μm、膜厚32μm、目付量15g/m2、空隙率44%、最大孔径30μm以上)を用いる以外は実施例1と全く同様の方法で電池を作製し、比較例3の試験電池として試験に供した。この電池用セパレータの長軸方法の引っ張り強度は1.37N/50mm(0.14kgf/50mm)であった。なお、本比較例の電池はほぼすべて、電極体の正負極間が短絡した。ここで本比較例の電池用セパレータは熱収縮は起こさなかった。
【0052】
〈初期容量〉
各試験電池について、初回は充電電流0.25(mA/cm2)で4.1(V)までCC−CV充電を行い、その後、放電電流0.33(mA/cm2)で3.0(V)までCC放電を行った。次に充電電流1.1(mA/cm2)で4.1(V)までCC−CV充電を行い、その後、放電電流1.1(mA/cm2)で、3.0(V)までCC放電を行うサイクルを4サイクル行った。その後、充電電流1.1(mA/cm2)で4.1(V)までCC−CV充電を行い、その後、放電電流0.33(mA/cm2)で3.0(V)までCC放電を行った。この時の放電容量を初期容量とした。なお、以上の操作は20℃の雰囲気で行った。
【0053】
〈低温出力〉
初期容量測定後、雰囲気温度を25℃に保ち、充電電流1000mAで、3.6V(SOC40%)までCC−CV充電した。
【0054】
その後、雰囲気温度を低温(−30℃)に調整して以下の試験を行った。300mA、900mA、2.7A、8.1Aの順にそれぞれ10秒間放電、10秒間充電を繰り返し、それぞれの点の電流値、開回路電池電圧を直線近似し、その直線が3.0Vと交差する点の電流値を読み取り、その電流値に3Vを乗ずることにより出力を求めた。
【0055】
〈常温出力〉
初期容量測定後、雰囲気温度を25℃に保ち、充電電流1000mAで、3.750V(SOC60%)までCC−CV充電した。
【0056】
その後、雰囲気温度を常温(25℃)に調整して以下の試験を行った。300mA、900mA、2.7A、8.1Aの順にそれぞれ10秒間放電、10秒間充電を繰り返し、それぞれの点の電流値、開回路電池電圧を直線近似し、その直線が3.0Vと交差する点の電流値を読み取り、その電流値に3Vを乗ずることにより出力を求めた。
【0057】
(結果)
【0058】
【表1】
Figure 0004259121
【0059】
各実施例と比較例2、3との比較から、PMPからなる電池用セパレータを採用しないと120℃の乾燥温度には耐えることができず熱収縮することが分かった。乾燥時の温度を高くできないと電極体の水分低減には長時間の乾燥が必要となり電池の生産性が低下する。
【0060】
各実施例と比較例3との比較から、電池用セパレータについて空隙率が25%以下、最大孔径が16μm以下とすることで、電池に組み付けた場合に正負極間の短絡が生じないことが分かった。また、実施例1及び2間の比較から空隙率及び最大孔径は低い方が好ましいことが分かった。
【0061】
実施例2と、表面にシランカップリング剤の重合物をコートした電池用セパレータを用いた実施例3との比較から、シランカップリング剤の重合物のコートにより、電解液の濡れ性が向上して特に低温での出力が向上すると共に、電池用セパレータの引っ張り強度も向上して電池製造の歩留まりが向上できることが分かった。
【0062】
また、結果は示さないが特開2001−319641号公報に示されるように、電極体の温度を高温に加熱することが可能となることで、電解液を電極体内に速やかに浸透させることが可能となり、生産性が向上できた。
【0063】
【発明の効果】
本発明の電池用セパレータは、PMPを用い、空隙率及び最大孔径を制御することで電池製造時の生産性を向上することができる。また、耐熱性の高い電池用セパレータを採用したことで電池の安全性も向上する。
【0064】
本発明の電池は上述した好ましい電池用セパレータを採用することで電池製造時の生産性及び電池の安全性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】円筒型リチウムイオン二次電池の全体構成を示す部分切開図である。
【符号の説明】
1:正極
11:正極集電体 111:未塗布部 12:正極合材層 13:正極リード
2:負極
21:負極集電体 211:未塗布部 22:負極合材層 23:負極リード
3:非水電解液
4:電池用セパレータ
5:正極端子部
6:負極端子部
7:ケース

Claims (5)

  1. ポリメチルペンテンからなり、空隙率が25%以下且つ最大孔径が16μm以下である多孔質膜であることを特徴とする電池用セパレータ。
  2. 空隙率が22%以下且つ最大孔径が8μm以下である請求項1に記載の電池用セパレータ。
  3. 繊維径2.7μm以下の繊維から構成される不織布である請求項2に記載の電池用セパレータ。
  4. 表面がシランカップリング剤の重合物でコートされている請求項1〜3のいずれかに記載の電池用セパレータ。
  5. 正極と負極と該正極及び該負極に狭持された電池用セパレータとを有する電池であって、
    前記電池用セパレータは前記請求項1〜4のいずれかに記載の電池用セパレータであることを特徴とする電池。
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