JP4257108B2 - 内視鏡装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、管腔内に挿入される挿入部の先端に流体圧アクチュエータで構成した湾曲部を備えた、工業用、医療用の内視鏡装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、工業用、医療用に適用可能な内視鏡には、管腔内に挿入される長尺の挿入部が設けられている。また、このタイプの内視鏡には、挿入部の先端部側に湾曲部が配設されており、この湾曲部を湾曲操作することによって内視鏡の観察方向を任意の方向に向けられるようになっている。
【0003】
例えば、工業用の内視鏡装置においては内視鏡の湾曲部を湾曲ワイヤで牽引操作して湾曲動作させるタイプと、湾曲部に設けた流体圧アクチュエータに空気等の流体を供給して湾曲動作させるタイプ等がある。
【0004】
前記流体圧アクチュエータを備えた構成の内視鏡としては例えば、特開平4−135570号公報や特開平5−305053号公報などが開示されており、この内視鏡では挿入部の先端部側に、周方向に沿って複数の加圧室を設けた弾性管状体を配設している。したがって、複数の加圧室内に選択的に空気を供給して加圧することによって、加圧された加圧室と反対方向に弾性管状体が湾曲する。
【0005】
また、携帯性を高めた内視鏡システムとして、湾曲部に流体圧アクチュエータを備えた内視鏡においても同様に考慮されており、特開2001−258819号公報には空気圧源としてボンベを用いることによって、内視鏡システム全体の小型化を図った内視鏡装置が示されている。
【0006】
この内視鏡装置ではボンベを、キャリングケースの一側部に設けた収容室に配置してある。そして、このボンベに、ドラムの横からドラム外に延出された流体チューブの一端部を連結し、この流体チューブの他端部をドラム内に設けた流体供給チューブが連結された電磁弁ユニットに連結していた。
【0007】
【特許文献1】
特開平4−135570号公報(頁2、3、図2−図5)◎
【0008】
【特許文献2】
特開平5−305053号公報(頁2、3、図1−5)◎
【0009】
【特許文献3】
特開2001−258819号公報(頁3−5、図1、図2、図7、8)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記特開2001−258819号公報の内視鏡装置では挿入部を構成する可撓管部の手元側端部はドラムに接続されている。そして、この可撓管部の内部を通ったCCDの信号線と、4本の流体供給チューブとはドラムの内部で固定されている。このため、可撓管部をドラムに対して瞬時に取り外すことは困難であり、挿入部の長さ寸法や径寸法を使用用途によって異なるタイプのものに交換することは困難であった。
【0011】
また、湾曲部を湾曲ワイヤで牽引操作して湾曲動作させるタイプの内視鏡では、湾曲ワイヤの交換をスムーズに行うことが難しいため、挿入部の長さ寸法や径寸法を使用用途によって異なるタイプのものに交換することは困難であった。
【0012】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、挿入部の長さ寸法や径寸法を使用目的に最適なものに交換して作業を行える使い勝手に優れた内視鏡装置を提供することを目的にしている。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の内視鏡装置は、柔軟性を有する可撓管部の先端側に流体圧アクチュエータで構成した湾曲部、及び前記湾曲部の先端側に観察手段を内蔵した先端部、を有する細長な挿入部を有し、前記挿入部の基端部に流体用及び電気用の着脱機構部を備える内視鏡本体と、前記内視鏡本体の着脱機構部に着脱自在な着脱機構部を備え、当該挿入部の流体圧アクチュエータに流体を供給する流体圧供給源、前記流体圧供給源から前記流体圧アクチュエータに供給する流体の制御を行う流体供給量制御部、及び電源部を有する、前記内視鏡本体を巻き取るドラム部と、前記内視鏡本体の着脱機構部に着脱自在な着脱機構部を備え、当該挿入部の流体圧アクチュエータに流体を供給する流体圧供給源、前記流体圧供給源から前記流体圧アクチュエータに供給する流体の制御を行う流体供給量制御部、及び電源部を有する、把持部を備えた操作部材と具備している。
そして、前記内視鏡本体は、前記挿入部の長さ寸法、或いは径寸法が異なっている。
【0014】
これらの構成によれば、長さ寸法や径寸法の異なる複数種類の挿入部の中から適宜選択した内視鏡をドラム部又は操作部材に装着して種々の内視鏡装置が構成される。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1ないし図10は本発明の一実施形態に係り、図1は内視鏡装置の構成を説明する図、図2は内視鏡本体が着脱自在に接続されるドラム部の構成を説明する図、図3は内視鏡本体とドラム部との構成を具体的に説明する図、図4は内視鏡本体が着脱自在に接続される操作部材本体の構成を説明する図、図5は着脱機構部の構成を説明する図、図6はバルブユニットを説明する図、図7はジョイスティックの操作とバルブユニットの動作との関係を説明する図、図8は他のバルブユニットを説明する図、図9は他のバルブユニットのジョイスティックの操作とバルブユニットの動作との関係を説明する図、図10は湾曲部と可撓管部との着脱構成を説明する図である。
【0016】
なお、図7(a)はジョイスティックを上方向に操作したときの電磁弁の動作を説明する図、図7(b)はジョイスティックを上方向位置からニュートラル位置に戻したときの電磁弁の動作を説明する図、図7(c)はジョイスティックを下方向に操作したときの電磁弁の動作を説明する図、図8(d)はジョイスティックを下方向位置からニュートラル位置に戻したときの電磁弁の動作を説明する図、図8(a)はバルブユニットの他の構成を説明する図、図8(b)はバルブユニットの別の構成を説明する図、図8(c)はバルブユニットのまた他の構成を説明する図、図9(a)はジョイスティックの操作と図8(a)のバルブユニットの動作との関係を説明する図、図9(b)はジョイスティックの操作と図8(b)のバルブユニットの動作との関係を説明する図、図9(c)はジョイスティックの操作と図8(c)のバルブユニットの動作との関係を説明する図、図10(a)は湾曲部の構成を具体的に説明する図、図10(b)は湾曲部と可撓管部との着脱機構部を説明する図、図10(c)は着脱機構部を有する湾曲部と可撓管部とを示す図である。
【0017】
図1に示すように本実施形態の内視鏡装置1は、細長な挿入部2aに後述する流体圧アクチュエータを備えた長さ寸法や径寸法の異なる複数の内視鏡本体2A、2B、2C、…と、この内視鏡本体2A、2Bが巻回される装置本体の1つであるドラム部4と、このドラム部4を回動自在に保持する支持体であるフレーム部5と、前記ドラム部4に着脱自在で前記内視鏡本体2A、2B、2C、…に湾曲操作指示を行うジョイスティック6a等を備えた操作指示手段であるリモートコントローラ(以下、リモコンと略記する)6と、前記内視鏡本体2A、2B、2C、…が着脱自在に取り付けられる装置本体の1つである操作部材7とで主に構成されている。
【0018】
前記内視鏡本体2A、2B、2C、…の挿入部2aの基端部には着脱機構部として口金3a、3bが設けられている。
一方、前記ドラム部4には着脱機構部としてドラム側接続部4a、4bが設けられている。したがって、前記内視鏡本体2A、2B、2C、…と前記ドラム部4とは前記口金3a、3bと前記ドラム側接続部4a、4bとによって着脱自在な構成になっている。
【0019】
また、前記操作部材7には着脱機構部として操作部材側接続部7a、7bを有している。このことによって、前記内視鏡本体2A、2B、2C、…と前記操作部材7とは前記口金3a、3bと前記操作部材側接続部7a、7bとによって着脱自在な構成になっている。そして、前記操作部材7には前記内視鏡本体2A、2B、2C、…に湾曲操作指示を行うジョイスティック7c等が備えられている。
【0020】
前記挿入部2aは、先端部2b、湾曲部2c、可撓管部2dを連接して構成されている。前記先端部2bの先端面には観察窓8a及び複数のLED照明8b,…,8bが備えられており、この先端部2b内には観察手段として例えば図示しないCCDが内蔵されている。
【0021】
なお、符号6bは前記ドラム部4の背面部側に設けられたコントローラー接続部(図2の符号11c)に着脱自在に接続されるリモコン口金である。また、符号9は高圧ガスが充満された流体圧供給源となるボンベであり、このボンベ9には例えば二酸化炭素、フロン、窒素、ヘリウム、アルゴン、窒素等の可燃性のないガスが充填され、本実施形態では窒素を充填したものを使用する。さらに、本実施形態の内視鏡装置1には図示は省略するが、前記内視鏡本体2でとらえた内視鏡像を表示するモニタ、ACアダプタ、バルブ制御部の制御データ等の変更を行うパーソナルコンピュータ(以下PCと略記する)等が設けられている。
【0022】
図2に示すように前記ドラム部4は、略ボビン形状のドラム本体10と、このドラム本体10の側部に着脱自在に配設される蓋体11とで主に構成され、前記蓋体11には前記ボンベ9が配設されるボンベ用コネクタ9aが設けられており、このボンベ用コネクタ9aからは流体を供給する流体チューブ及び継ぎ手で構成された流体管路11aが延出している。
【0023】
前記ドラム本体10の中央軸部には空間部10aが形成されており、この空間部10a内には電源部12、カメラコントロールユニット(以下、CCUと記載)13及び流体制御装置14が収納されるようになっている。この流体制御装置14は、前記流体圧アクチュエータに供給する流体の制御を行う流体供給量制御部である。符号10bはこのドラム本体10を回転させる際に使用する回転操作用ハンドルである。
【0024】
図3に示すように前記挿入部2aの先端部2bに連接する湾曲部2cにはこの湾曲部2cの湾曲方向である例えば上下方向及び左右方向にそれぞれ対応する4つの流体室41a、41b、41c、41dを有する流体圧アクチュエータ40が備えられている。これら4つの流体室41a、41b、41c、41dには例えばテフロン(登録商標)製の挿入部側流体供給チューブ(以下、挿入部側チューブと略記する)42a、42b、42c、42dが後述する接続パイプを介して連結されている。
【0025】
前記可撓管部2dは、前記湾曲部2cに連接する柔軟で長尺な可撓性部材で構成されており、基端側部で湾曲用チューブ体2eと観察用チューブ体2fとに分岐している。この湾曲用チューブ体2eの基端部には前記挿入部側チューブ42a、42b、42c、42dにそれぞれ連通した透孔を有する流体用口金3aが設けられ、前記観察用チューブ体2fの基端部には前記LED照明8b,…,8b及びCCDから延出する信号線がそれぞれ電気的に接続された端子を備えた電気用口金3bが設けられている。
【0026】
一方、前記内視鏡本体2が着脱自在なドラム部4には前記ボンベ9から流体管路11aを介して供給される圧縮空気の圧力を制御する流体制御装置14が設けてある。この流体制御装置14は、複数の制御基板15a(図2参照)で形成されたバルブ制御部15と、前記流体室41a、41b、41c、41dに対応するように複数の後述する電磁弁を組み合わせて構成した4つの電磁弁ユニット16a、16b、16c、16dを備えたバルブユニット16とで主に構成されている。
【0027】
なお、符号4aは前記流体用口金3aが着脱自在な流体口金接続部であり、符号4bは前記電気用口金3bが着脱自在な電気的接続部である。また、前記バルブ制御部15とバルブユニット16とは電気的に接続されている。さらに、符号11bはACアダプタが接続される接続部であり、この接続部11bと電気的に接続された電源部12から、前記CCDや、このCCDの駆動制御及び画像信号の処理等を行う前記CCU13、前記LED照明8b,…,8b及び前記流体制御装置14等に電力を供給する。又、符号11cは前記リモコン6のリモコン口金6bが着脱自在に接続されるコントローラー接続部である。このコントローラ接続部11cと前記流体制御装置14とが電気的に接続されている。
【0028】
図4に示すように前記操作部材7に設けられている操作部材側接続部7a、7bは、前記内視鏡本体2の流体用口金3aが着脱自在に接続される流体口金接続部7aと、前記電気用口金3bが着脱自在に接続される電気的接続部7bである。
【0029】
前記操作部材7内には、前記ドラム部4と同様に電源部となるバッテリ21、CCU22を構成する基板22a、22b、及び前記ボンベ9から供給される圧縮空気の圧力を制御する流体制御装置23が設けられている。
【0030】
前記流体制御装置23は、制御基板24aを有するバルブ制御部24と、前記流体室41a、41b、41c、41dに対応するように複数の電磁弁を組み合わせて構成した4つの電磁弁ユニット25a、25b、25c、25dを備えたバルブユニット25とで主に構成されている。
【0031】
前記操作部材7の例えば下部には前記ボンベ9が着脱自在なボンベ用コネクタ9bが設けられている。このボンベ用コネクタ9bからは流体を供給する流体チューブ及び継ぎ手で構成された流体供給路9cが前記4つの電磁弁ユニット25a、25b、25c、25dに向かって延出している。
【0032】
なお、符号7dは、図示しないモニタに映像信号を伝送するビデオケーブル26が接続されるビデオ用コネクタである。
【0033】
ここで、着脱機構部の構成を具体的に説明する。
まず、電気用口金3bと電気的接続部4b、7bとの着脱機構部の構成を説明する。前記電気用口金3b及び電気的接続部4b、7bは、それぞれに電気接点を備えた、一般的に工業用内視鏡或いは医療用内視鏡装置で使用されている電気コネクタを用いて構成されている。
【0034】
次に、図5を参照して流体用口金3aと流体口金接続部4a、7aとの着脱機構部の構成を説明する。
図に示すように前記流体用口金3aは、口金本体30と、この口金本体30に摺動自在且つ回動自在に配置され内周面に雌ねじ部31aを設けた連結固定具31とで構成されている。前記口金本体30には中途部にOリング32を配置した貫通孔33が4つ形成されており、この貫通孔33の基端側部にはチューブ連結用口金部材(以下、口金部材と略記する)34が配置されている。これら口金部材34には前記湾曲用チューブ体2e内を挿通する挿入部側チューブ42a、42b、42c、42dの基端部が外嵌固定されている。
【0035】
一方、前記流体口金接続部4a、7aを構成する接続部本体35の凹部35aには、前記貫通孔33に挿入配置される連結用パイプ36が立設している。これら連結用パイプ36の基端部には前記電磁弁ユニット16a、16b、16c、16dから延出する流体チューブ17又は電磁弁ユニット25a、25b、25c、25dから延出する流体供給チューブ28が外嵌固定されている。なお、前記接続部本体35の先端側外周には前記雌ねじ部31aが噛合する雄ねじ部35bが設けられている。
【0036】
したがって、流体用口金3aの連結固定具31を湾曲用チューブ体2e側に移動配置させた状態にして、この流体用口金3aの貫通孔33を前記Oリング32の弾性力に抗して流体口金接続部4a(又は7a)に設けた連結用パイプ36を挿入配置し、その後、前記流体用口金3aの雌ねじ部31aを前記雄ねじ部35bに螺合すると、流体用口金3aと流体口金接続部4a(又は7a)とが一体になる。このことによって、前記挿入部側チューブ42と前記流体チューブ17とが連通状態になって、ボンベ9内の流体を流体圧アクチュエータ40に供給することが可能な状態になる。
【0037】
この状態で、前記リモコン6又は前記操作部材7に設けられているジョイスティック6a、7cを適宜操作することによって、前記ボンベ9内の窒素ガスを電磁弁ユニット16a(25a)、16b(25b)、16c(25c)、16d(25d)、流体口金接続部4a、流体用口金3a及び挿入部側チューブ42a、42b、42c、42d等を介して前記流体室41a、41b、41c、41d内に送り込んで、湾曲部2cを所望の方向に湾曲動作させられる。
【0038】
前記バルブユニット16の構成を説明する。なお、説明は、簡単のため、上下方向湾曲について説明して、同様の構成である左右方向湾曲及びバルブユニット25の構成についての説明を省略する。
本実施形態においては、図6に示すように前記ボンベ9内の気体を供給する流体供給路9cを構成する1つのチューブ9dの端部がチューブ継手50に連結されている。そして、このチューブ継手50から延出するコントロール側チューブ50a、50bは、バルブユニット16(25)を構成するそれぞれ上下方向湾曲に対応した電磁弁ユニット16a、16bを構成する上方向、下方向それぞれの電磁弁ユニット16a、16bを構成する第1上下用電磁弁51U、51DのPポートに連結している。
【0039】
そして、前記第1上下用電磁弁51U、51Dに設けられているAポートは、上方向、下方向それぞれの電磁弁ユニット16a、16bを構成する第2上下用電磁弁52U、52DのAポートにそれぞれ連結されている。また、それぞれの第2上下用電磁弁52U、52Dに設けられているPポートは、流体チューブ27を介して前記流体口金接続部7aの連結用パイプ36に連結されている。さらに、前記第1上用電磁弁51Uに設けられているEポートは、上下方向排気用電磁弁(以下、排気弁と略記する)53に設けられているEポートに連結している。この排気弁53に設けられているPポートは前記第1下用電磁弁51Dに設けられているEポートに連結している。つまり、上下用の電磁弁ユニット16a、16bを5つの3ポートの電磁弁で構成している。
【0040】
前記ジョイスティックの操作と電磁弁の動作との関係を説明する。
したがって、図7(a)に示すように前記湾曲部2cを上方向に湾曲させるために、ジョイスティック6aをニュートラル位置から上方向に傾倒操作すると、このジョイスティック6aからバルブ制御部15に湾曲指示信号が出力される。すると、バルブ制御部15では第1上用電磁弁51U及び第2上用電磁弁52Uと、排気弁53の電源を例えば所定パルス(Δt1)で断続的にオンにする制御を行う。
【0041】
このことによって、ボンベ9内の窒素は、第1上用電磁弁51U、第2上用電磁弁52Uを通過して流体圧アクチュエータ40の上方向の湾曲に対応する流体室41aに断続的に送り込まれて、湾曲部2cが上方向に湾曲する。このとき、第1上用電磁弁51U、第2上用電磁弁52Uの開時間を断続的にしたことによって、この電磁弁51U、52UのON時間の長さを調整することで湾曲スピードの調整を行えるとともに、湾曲部2cの湾曲状態が所定状態になったとき速やかに湾曲操作を停止させられる。また、湾曲動作がスムーズになる。
【0042】
次に、上方向に湾曲した状態の湾曲部2cの湾曲状態を元に戻すために、図7(b)に示すように前記ジョイスティック6aを上方向指示位置から再びニュートラル位置に戻す操作を行うと、このジョイスティック6aからバルブ制御部15に指示信号が出力されて、バルブ制御部15では第1上用電磁弁51Uの電源をオフにする一方、排気弁53の電源を断続的にオフにし、第2上用電磁弁52Uを前記排気弁53の電源がオフ状態のとき、電源を断続的にオン状態にする制御を行う。
【0043】
なお、排気を行うときの前記第2上用電磁弁52Uの電源オン時間(Δt2)は、前記図7(a)で示した吸気を行うときの第2上用電磁弁52Uの電源オン時間(Δt1)よりも短く設定してある。
【0044】
このことによって、流体圧アクチュエータ40の流体室41aへの窒素の供給が停止される一方で、前記流体室41a内の窒素が第2上用電磁弁52U、第1上用電磁弁51Uを通って、排気弁53に設けられているAポートから外部に効率良く排気されて、上方向に湾曲していた湾曲部2cの湾曲状態が元の直線状態にスムーズに戻る。
【0045】
一方、図7(c)に示すように前記ジョイスティック6aを、ニュートラル位置から下方向に傾倒操作したときには、このジョイスティック6aからバルブ制御部15に指示信号が出力されて、バルブ制御部15では第1下用電磁弁51D及び第2下用電磁弁52Dの電源を所定パルス(Δt1)で断続的にオンにする制御を行う。
【0046】
このことによって、ボンベ9内の窒素は、第1下用電磁弁51D、第2下用電磁弁52Dを通過して流体圧アクチュエータ40の下方向の湾曲に対応する流体室41bに断続的に送り込まれて、湾曲部2cが下方向に湾曲する。このとき、第1下用電磁弁51D、第2下用電磁弁52Dの開時間を断続的にしたことによって、この電磁弁51D、52DのON時間の長さを調整することで湾曲スピードの調整を行えるとともに、湾曲部2cの湾曲状態が所定状態になったとき速やかに湾曲操作を停止させられる。また、湾曲動作がスムーズになる。
【0047】
次に、下方向に湾曲した状態の湾曲部2cの湾曲状態を元に戻すために、図7(d)に示すように前記ジョイスティック6aを下方向指示位置から再びニュートラル位置に戻す操作を行うと、このジョイスティック6aからバルブ制御部15に指示信号が出力されて、バルブ制御部15では第1下用電磁弁51Dの電源をオフにする一方、第2下用電磁弁52Dの電源及び排気弁53の電源を断続的にオン状態にする制御を行う。
【0048】
このことによって、流体圧アクチュエータ40の流体室41bへの窒素の供給が停止される一方で、前記流体室41b内の窒素が第2下用電磁弁52D、第1下用電磁弁51Dを通って、排気弁53に設けられているAポートから外部に効率良く排気されて、下方向に湾曲していた湾曲部2cの湾曲状態が元の直線状態にスムーズに戻る。
【0049】
なお、右方向及び左方向へのジョイスティック6aの操作と左右の電磁弁ユニット16c、16dを構成するそれぞれの電磁弁の動作との関係は、右用、左用のそれぞれの電磁弁を、上述した上方向及び下方向の場合と同様に動作させて行えるので説明を省略する。
また、前記バルブユニットの構成は、上下用の電磁弁ユニットを5つの電磁弁で構成する形態に限定されるものではなく、図8(a)ないし図8(c)に示すような構成であってもよい。
【0050】
図8(a)では上下用の電磁弁ユニットを3つの3ポートの電磁弁である上用電磁弁54U、下用電磁弁54D、排気弁55で構成し、図9(a)に示すようにジョイスティックの操作によって各電磁弁54U、54D、55を動作させる。つまり、ジョイスティックを上方向に操作したときには上用電磁弁54Uだけをオン状態にしてAポートとPポートを連通させて流体を上用の流体室に供給する。そして、このジョイスティックを湾曲状態から再びニュートラル位置に戻す操作を行ったときには排気弁55だけをオン状態にしてAポートとPポートを連通させて流体の供給を停止した状態で上用の流体室内の流体の排出を行う。
【0051】
一方、ジョイスティックを下方向に操作したときには下用電磁弁54Uをオン状態にしてAポートとPポートを連通させるとともに、排気弁55をオン状態にしてAポートとPポートを連通させて流体を下用の流体室に供給する。そして、このジョイスティックを湾曲状態から再びニュートラル位置に戻す操作を行ったときには下用電磁弁54U及び排気弁55をオン状態にして排気弁55のAポートとEポートを連通させて流体の供給を停止した状態で下用の流体室内の流体の排気を行う。このことによって、湾曲部2cを所望の方向に湾曲動作させられる。
なお、図に示すように上用電磁弁54U及び下用電磁弁54DのEポートを封止している。
【0052】
図8(b)では上下用の電磁弁ユニットを1つの3ポートの電磁弁である第1上下用電磁弁56と1つの4ポートの電磁弁である第2上下用電磁弁57とで構成し、図9(b)に示すようにジョイスティックの操作によって電磁弁56、57を動作させる。つまり、ジョイスティックを上方向に操作したときには第1上下用電磁弁56及び第2上下用電磁弁57をオン状態にして流体を上用の流体室に供給する。そして、このジョイスティックを湾曲状態から再びニュートラル位置に戻す操作を行ったときには、第1上下用電磁弁56及び第2上下用電磁弁57をオフ状態にする。このことよって、前記第2上下用電磁弁57のAポートとRポートとが連通状態になって流体の供給を停止した状態で上用の流体室の流体の排出が行われる。
【0053】
一方、ジョイスティックを下方向に操作したときには第1上下用電磁弁56をオン状態にして第2上下用電磁弁57をオフ状態にして流体を下用の流体室に供給する。そして、このジョイスティックを湾曲状態から再びニュートラル位置に戻す操作を行ったときには第2上下用電磁弁57をオン状態にして第1上下用電磁弁56をオフ状態にして流体の供給を停止した状態で下用の流体室の流体の排気を行う。このことによって、湾曲部2cを所望の方向に湾曲動作させられる。
なお、図に示すように上下用電磁弁56のEポートを封止している。
【0054】
図8(c)では上下用の電磁弁ユニットを1つの5ポートの電磁弁である上下排気用電磁弁58で構成し、図9(c)に示すようにジョイスティックの操作によってこの電磁弁58を動作させる。つまり、ジョイスティックを上方向に操作したときには前記電磁弁58は図中実線のON1に示す連通状態になって上用の流体室に流体が供給される一方、下用の流体室に供給されていた流体が排気される。また、ジョイスティックを下方向に操作したときには前記電磁弁58は図中実線のON2に示す連通状態になって下用の流体室に流体が供給される一方、上用の流体室に供給されていた流体が排気される。このことによって、湾曲部2cを所望の方向に湾曲動作させられる。
【0055】
図10(a)ないし図10(c)を参照して湾曲部と可撓管部との着脱構造を説明する。
図に示すように本実施形態の内視鏡本体においてはこの挿入部2aを構成する湾曲部2cと可撓管部2dとが着脱自在である。
【0056】
具体的には図10(a)に示すように湾曲部2cを、前記流体室41a、41b、41c、41dを構成する貫通孔及び中央貫通孔を有するマルチルーメンチューブ41と、このマルチルーメンチューブ41の内側に挿通される内チューブ、内コイルと外側に被せられる外チューブ、外コイルと、このマルチルーメンチューブ41の先端側に外嵌配設される管状の前口金61と、前記マルチルーメンチューブ41の基端側に外嵌配設される管状の保持リング62a及び締結リング62bとからなる後口金62と、前記マルチルーメンチューブ41の各流体室41a、41b、41c、41dに配置される接続パイプ63と、前記後口金62内に配置されて、前記接続パイプ63をそれぞれ保持する第1透孔64a及び先端部2bのCCDやLED照明8b,…,8bから延出する信号線等が挿通する第2透孔64bを有する支持リング64とで構成している。
【0057】
そして、図10(b)、(c)に示すように湾曲部2cを構成するマルチルーメンチューブ41の基端部に第1透孔64に配置された接続パイプ63を所定量突出させる一方、可撓管部2dの先端部に前記接続パイプ63に連通する貫通孔65aを有する先端部接続部材65を設けている。この貫通孔65a内にはOリング66が配置されるとともに、チューブ連結用口金部材67が配置されており、この口金部材67の基端部には前記挿入部側チューブ42a、42b、42c、42dの先端部が外嵌固定されている。
【0058】
したがって、前記可撓管部2dを構成する貫通孔65aを、湾曲部2cを構成する締結リング62bの凹部開口内で立設する接続パイプ63に対向させた状態にして、前記先端部接続部材65を前記後口金62の凹部内に係入配置することによって、前記接続パイプ63が貫通孔65a内に挿入配置されて、各流体室41a、41b、41c、41dと挿入部側チューブ42a、42b、42c、42dとが連通状態になる。
【0059】
そして、前記保持リング62aに回動自在に配置されている締結リング62bを回動させて内周面に形成されている雌ねじ部を、前記先端部接続部材65の外周に形成した雄ねじ部に螺合することによって、湾曲部2cと可撓管部2dとが前述した流体用口金と流体口金接続部との連結のように螺合によって一体的に固定される。
【0060】
なお、前記観察手段はCCDに限定されるものではなく、C−MOSやイメージガイドファイバ等であってもよく、照明光学系もLED照明に限定されるものではなくライトガイドファイバ等であってもよい。
【0061】
上述のように構成した内視鏡装置1の作用を説明する。
本実施形態の内視鏡装置1は、保管時あるいは輸送時等の使用以外の状態のとき、内視鏡本体2Aの挿入部2aがドラム部4に巻回された状態であり、このドラム部4とともに内視鏡本体2B、2C及び操作部材7が保管されている。そのため、使用時には、まず、内視鏡本体2A、2B、2Cの中からどれか1つを選択するとともに、装置本体としてドラム部4又は操作部材7のどちらか一方を選択する。ここでは、ドラム部4に巻回された状態の内視鏡本体Aを選択したとする。また、湾曲部においても、着脱可能な場合は、使用される環境に応じて、例えばパイプサイズ等に応じて、適当な長さのものを選択する。
【0062】
この場合、まず、図示しないコンセントの接続、リモコン6の準備を行い、その後、挿入部2aをゆっくりと引っ張り出していく。すると、このときの引っ張り力によってドラム部4が回転されて、挿入部2aが引き出されて準備完了状態になる。このとき、前記内視鏡本体2Aの基端部に設けられている流体用口金3aはドラム部4の流体口金接続部4aに接続された状態であり、内視鏡本体2の電気用口金3bはドラム部4の電気的接続部4bに接続された状態になっている。
【0063】
次に、操作者は、リモコン6の図示しない電源スイッチを操作して動作可能な状態にする。そして、このリモコン6に設けられているジョイスティック6aを操作して湾曲部2cを湾曲動作させながら挿入部2aを目的部位に向けて押し進め、管腔内の傷の有無等の観察を行う。
【0064】
一方、内視鏡本体2Aを選択して装置本体として操作部材7を選択した場合には、まず、挿入部2aをゆっくりと引っ張り出し、前記内視鏡本体2Aの基端部に設けられている流体用口金3a及び電気用口金3bを、ドラム部4の流体口金接続部4a及び電気的接続部4bから取り外す。その後、この流体用口金3aを操作部材7の流体口金接続部7aに接続する一方、前記電気用口金3bを操作部材7の電気的接続部7bに接続する。
【0065】
次に、操作者は、操作部材7の図示しない電源スイッチを操作して動作状態にする。そして、この操作部材7に設けられているジョイスティック7cを操作して湾曲部2cを湾曲動作させながら挿入部2aを目的部位に向けて押し進めて、管腔内の傷の有無等の観察を行う。
【0066】
また、内視鏡本体2B又は内視鏡本体2Cを選択して装置本体としてドラム部4を選択した場合には、まず、内視鏡本体2Aの挿入部2aをゆっくりと引っ張り出し、前記内視鏡本体2Aの基端部に設けられている流体用口金3a及び電気用口金3bを、ドラム部4の流体口金接続部4a及び電気的接続部4bから取り外す。その後、前記内視鏡本体2B又は内視鏡本体2Cの流体用口金3aをドラム部4の流体口金接続部4aに接続する一方、前記電気用口金3bをドラム部4の電気的接続部4bに接続して、上述したようにリモコン6に設けられているジョイスティック6aを操作して作業を行う。
【0067】
さらに、内視鏡本体2B又は内視鏡本体2Cを選択して装置本体として操作部材7を選択した場合には、この内視鏡本体2B又は内視鏡本体2Cの流体用口金3aを操作部材7の流体口金接続部7aに接続する一方、前記電気用口金3bを操作部材7の電気的接続部7bに接続して、上述したようにこの操作部材7のジョイスティック7cを操作して作業を行う。
【0068】
このように、内視鏡装置を構成する挿入部を構成する湾曲部に流体圧アクチュエータを有する内視鏡本体の基端部に電気用口金及び流体圧アクチュエータに連通する流体用口金を設ける一方、この流体用口金及び電気用口金が着脱自在な流体口金接続部及び電気的接続部を内視鏡装置を構成する電源部、CCU及び流体制御装置とを設けたドラム部又は操作部材に設けることによって、内視鏡本体をドラム部又は操作部材に組み合わせて内視鏡装置を構成することができる。
【0069】
また、前記挿入部の長さ寸法や径寸法の異なる内視鏡本体を用意し、この内視鏡本体をドラム部又は操作部材に組み合わせて内視鏡装置を構成することによって、各種用途に応じた観察を所望の形態で行うことができる。
さらに、湾曲部と可撓管部とを着脱自在な構成にしたことによって、流体圧アクチュエータに不具合が発生したとき、容易に交換を行うことができるとともに、使用環境に応じて、湾曲部を交換することで正確な検査を行うことができる。
【0070】
なお、流体用口金側に突出した連結用パイプを設け、流体口金接続部側に前記連結用パイプが挿入配置される貫通孔を設ける構成にしてもよい。
また、内視鏡装置の構成は上述した実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下の図11ないし図16に示すように内視鏡装置を構成するようにしてもよい。
【0071】
まず、操作部材の構成に特徴のある内視鏡装置について説明する。
図11は操作部材の構成の異なる内視鏡装置の一構成例を説明する図である。
図に示すように本実施形態の操作部材7Aではボンベ9を前記操作部材7Aに対して別体に設けている。そして、このボンベ9と操作部材7Aとを基端部にボンベ用コネクタ28aを備えた流体供給チューブ28を介して連結して、前記ボンベ9内の窒素ガスを操作部材7Aに設けられているバルブユニット25を介して流体圧アクチュエータ40に供給する形態にしている。
【0072】
このことによって、操作部材7Aの軽量化を図って使用者の負担を軽減することができるとともに、ボンベ9の容量を適宜変更して長時間の使用等に対応させることができる。
【0073】
図12は操作部材の構成の異なる内視鏡装置の他の構成例を説明する図である。
図に示すように本実施形態の操作部材7Bではボンベ9及びバッテリ21を前記操作部材7Bに対して別体にして、そのボンベ9及びバッテリ21を例えば作業者が装着するベルト71に設けたケース体72に交換自在に配置する構成にしている。そして、前記ケース体72から流体供給チューブ73a及び電源供給ケーブル73bを延出させる一方、前記操作部材7Bに前記流体供給チューブ73aと接続される流体供給用コネクタ7e及び電源供給ケーブル73bと接続される電源用コネクタ7fとを設けている。
【0074】
このことによって、操作部材7Bのさらなる軽量化を図って使用者の負担を軽減することができるとともに、バッテリの交換を容易にして携帯作業性の向上を図ることができる。
【0075】
次に、ドラム部4の構成に特徴のある内視鏡装置について説明する。
図13はドラム部の構成の異なる内視鏡装置の構成例を説明する図である。
図に示す本実施形態の内視鏡装置1Aは、ドラム部4Aと、操作部材7と、この操作部材7と前記ドラム部4Aとを接続する細長な中継用ケーブル部材79とで構成されている。
【0076】
前記ドラム部4Aは、前記電源部12、CCU13及び流体制御装置14をドラム本体10の空間部10aに収納しないタイプのものである。つまり、前記ドラム部4Aは前記内視鏡本体2A等を巻回するためのものであり、ドラム本体10の所定位置には前記流体口金接続部4a及び電気的接続部4bが設けられるとともに、前記蓋体11であった一方側フランジ部11Aに前記流体口金接続部4aに連通された中継用流体接続部75及び前記電気的接続部4bと電気的に接続された中継用電気接続部76を設けている。
【0077】
前記中継用ケーブル部材79の一端部には前記中継用流体接続部75に接続される第1流体接続部77a及び前記中継用電気接続部76に接続される第1電気接続部78aが設けられ、他端部には前記操作部材7の流体口金接続部7aに接続される第2流体接続部77b及び前記電気的接続部7bに電気的に接続される第2電気接続部78bが設けられている。
【0078】
本実施形態における使用形態を説明する。
例えば、前記内視鏡本体2Aの基端部に設けられている流体用口金3a及び電気用口金3bを、前記操作部材7の流体口金接続部7a及び電気的接続部7bに接続することによって、上述したように操作部材7に設けられているジョイスティック7cを操作して湾曲部2cを湾曲動作させながら挿入部2aを目的部位に向けて押し進めて、管腔内の傷の有無等の観察を行える。
【0079】
一方、前記内視鏡本体2Aの基端部に設けられている流体用口金3a及び電気用口金3bを、前記ドラム部4の流体口金接続部4a及び電気的接続部4bに接続したままの状態で使用する場合には、前記中継用ケーブル部材79の一端部に設けられている第1流体接続部77aを前記中継用流体接続部75に接続するとともに、第1電気接続部78aを前記中継用電気接続部76に接続する。また、この中継用ケーブル部材79の他端部に設けられている第2流体接続部77bを前記操作部材7の流体口金接続部7aに接続するとともに、第2電気接続部78bを前記電気的接続部7bに接続して、この操作部材7と前記ドラム部4Aとを中継用ケーブル部材79を介して接続する。
【0080】
このことによって、操作部材7に設けられているジョイスティック7cを操作して湾曲部2cを湾曲動作させながら挿入部2aを目的部位に向けて押し進めて、管腔内の傷の有無等の観察を行える。その他の作用及び効果は上述した実施形態と同様である。
したがって、ドラム部の構成を簡素化して軽量で安価な内視鏡装置を構成することができる。
【0081】
図14ないし図16はドラム部及び接続部材の構成の異なる内視鏡装置の構成例を説明する図であり、図14はドラム部及び接続部材を説明する図、図15は内視鏡装置の作用を説明する図、図16は内視鏡装置の応用例を説明する図である。
図14に示すように本実施形態の内視鏡装置1Bは、ドラム部4Bと、操作部材7Cと、ジョイスティック6aを有するリモコン6とで主に構成されている。
【0082】
前記操作部材7Cの底部には操作制御用コネクタ部81が設けられ、前記流体口金接続部7aの例えば下部所定位置にはストッパ受け82が設けられいてる。一方、前記ドラム部4Bは、前記ドラム部4Aと同様に電源部12、CCU13及び流体制御装置14をドラム本体10の空間部10aに収納しないタイプである。
【0083】
このドラム本体10の所定位置には前記操作部材7Cに設けられている操作制御用コネクタ部81と電気的に接続される操作制御用接続部83及び前記ストッパ受け82に係入配置されるストッパ部材84とが設けられている。また、ドラム部4Bの他方側フランジ部11B側には前記操作制御用接続部83と電気的に接続されて、前記リモコン6のリモコン口金6bが着脱自在なコントローラ接続部11dが設けられている。
なお、その他の構成は上述した実施形態と同様であり、同部材には同符号を附して説明を省略する。
【0084】
本実施形態における使用形態を図15を参照して説明する。
まず、本実施形態においては前記内視鏡本体2Aの基端部に設けられている流体用口金3a及び電気用口金3bを、前記操作部材7Cの流体口金接続部7a及び電気的接続部7bに接続することによって、上述したように操作部材7Cに設けられているジョイスティック(不図示)を操作して湾曲部2cを湾曲動作させながら挿入部2aを目的部位に向けて押し進めて、管腔内の傷の有無等の観察を行える。
【0085】
次に、前記内視鏡本体2Aの基端部に設けられている流体用口金3a及び電気用口金3bを、前記操作部材7Cの流体口金接続部7a及び電気的接続部7bに接続した状態にして、この操作部材7Cのストッパ受け82に前記ドラム本体10に設けられているストッパ部材84を係入配置させるとともに、前記操作制御用コネクタ部81を操作制御用接続部83に電気的に接続し、加えて前記リモコン6のリモコン口金6bをコントローラ接続部11dに接続する。すると、ドラム部4Bに一体に配設された操作部材7Cのジョイスティック7cを操作することなく、リモコン6のジョイスティック6aを操作して湾曲部2cを湾曲動作させながら挿入部2aを目的部位に向けて押し進めて、管腔内の傷の有無等の観察を行える。
そして、前記ドラム部4Bに操作部材7Cを配設した状態で、内視鏡本体2A等の挿入部2aをドラム部4Bに巻回して収容することもできる。その他の作用及び効果は図13に示した内視鏡装置1Aと同様である。
【0086】
なお、図16に示すように前記リモコン6のリモコン口金6bを他方側フランジ部11B側にコントローラ接続部11dを設ける代わりに、このコントローラ接続部11dを操作部材7Cの例えば基端部に設けるようにしてもよい。このことによって、図14に示した構成と略同様の作用及び効果を得られる一方、前記操作部材7Cから操作制御用コネクタ部81をなくすことができるとともに、前記ドラム部4Bから操作制御用接続部83をなくして構成の簡素化を図ることができる。符号85は操作部材の底部に例えば突設させた位置決め凸部であり、符号86はドラム部4Bの所定位置に設けた前記位置決め凸部85が配置される位置決め凹部である。
【0087】
ところで、上述したように挿入部の湾曲部に流体圧アクチュエータを備えた内視鏡本体と、装置本体とで内視鏡装置を構成するとき、この内視鏡本体及び装置本体に着脱機構部を設けることによって、ボビン形状のドラム部を有する内視鏡装置の他に、図17ないし図22に示すような内視鏡装置を構成することが可能になる。
図17は内視鏡装置の他の構成例を説明する図である。
【0088】
図に示す内視鏡装置1Cは、例えば内視鏡本体2Aと、ケース体91に電源部、CCU及び流体制御装置を収容した装置本体90Aとで構成したものである。この装置本体90Aとなるケース体91の上面には前記内視鏡本体2Aの流体用口金3a、電気用口金3bが接続される流体口金接続部92及び電気的接続部93、ボンベ9が収容配置されるボンベ搭載部94、前記内視鏡本体2A等を収容する内視鏡収容部95aやリモコン6を収容するリモコン収容部95b等が設けられている。
このことによって、内視鏡収容部に所望の内視鏡本体を単数或いは複数予め収容しておくことによって、ケース体を持ち運んで所望の検査を行える。
【0089】
図18は内視鏡装置の別の構成例を説明する図であり、図18(a)は内視鏡装置の構成を説明する図、図18(b)はドラム部を説明する図である。
図18(a)に示す本実施形態の内視鏡装置1Dは、例えば内視鏡本体2Aと、ドラム部100とケース体110とで構成されている。
【0090】
図18(b)に示すように前記ドラム部100の内部空間100a内には電源部101、CCU102及び流体制御装置103が収容配置される。このドラム部100には内視鏡本体2Aの流体用口金3a、電気用口金3bが接続される図示しない流体口金接続部及び電気的接続部が設けられるとともに、リモコン6が着脱自在に接続されるコントローラ接続部104、例えば表示装置である液晶モニタ109が着脱自在に接続されるビデオ用コネクタ105、ACアダプタ108が着脱自在に接続される電源コネクタ106等が設けられている。なお、前記内部空間100aの開口を塞ぐ蓋体107にはボンベ9が配置されるようになっている。
【0091】
また、前記ケース体110には前記ドラム部100が収容されるドラム収容部111、前記リモコン6が収容されるリモコン収容部112、交換用ボンベが収容されるボンベ収容部113等が設けられている。
【0092】
このことによって、ドラム部に予め所望の内視鏡本体を巻き付けておくことによって、ケース体を持ち運んで前記図17に示した内視鏡装置と同様の作用及び効果を得ることができる。
なお、前記ドラム部100は前記ケース体110に対して回動自在な構成ではなく、内視鏡本体が巻き付けるタイプのものである。
【0093】
図19は内視鏡装置のまた他の構成例を説明する図であり、図19(a)は内視鏡装置の構成を説明する図、図19(b)はドラム部を説明する図である。
図19(a)に示す本実施形態の内視鏡装置1Eは、例えば内視鏡本体2Aをフレーム129に配置した状態で回動自在なドラム部120の内周面側に収容する構成になっており、このドラム部120のドラム部中央柱部121の側部には前記内視鏡本体2Aの流体用口金3a、電気用口金3bが接続される流体口金接続部122及び電気的接続部123が設けられている。なお、前記ドラム部中央柱部121の凸部平面にはボンベ9が設けられており、このドラム部中央柱部121の内部には図示しない電源部、CCU及び流体制御装置等が設けられいてる。
【0094】
図19(b)に示すように前記ドラム部120の凹部124内には、前記流体口金接続部122及び電気的接続部123から前記流体用口金3a及び電気用口金3bを取り外した状態で内視鏡本体2A等が収容可能であるとともに、前記流体口金接続部7a及び電気的接続部7bを有する操作部材7も収容可能になっている。そして、前記ドラム部120の反凹部側にはリモコン6との接続部となるコントローラ接続部や、図示しないモニタが接続されるビデオ用コネクタ、ACアダプタ(不図示)が着脱自在に接続される電源コネクタが設けられている。
【0095】
このことによって、ドラム部の凹部内に予め所望の内視鏡本体を単数或いは複数収容するとともに、操作部材を収容しておくことによって、ケース体を持ち運んで所望の検査を行える。
【0096】
なお、回動自在なドラム部に対してビデオ用コネクタを設ける場合、ドラム部の回転を考慮してビデオ用コネクタとCCUとの間にスリップリングを配置してその回転に対処させなければならなかった。しかし、スリップリングを配置する構成をとることによって、装置が大型化する等の不具合が発生する。
【0097】
そのため、図20に示すように回動自在なドラム部131の外部及び内部にボンベ132やCCU133及び流体制御装置134等を設ける場合、前記CCU133に無線送信部135を設ける一方、ドラム部131を支持する支持部材136側に前記無線送信部135から出力されるビデオ信号を受信する無線受信部137を設ける。
このことによって、装置の小型化を実現して、確実なビデオ信号の送受を行って、ビデオ用コネクタから表示装置であるモニタ138に向けて良好な映像信号が出力される。
【0098】
図21は内視鏡装置のまた別の構成例を説明する図であり、図21(a)は携帯ケースの構成を説明する図、図21(b)は内視鏡装置の使用状態を説明する図である。
図21(a)に示す本実施形態の内視鏡装置1Fは、例えば内視鏡本体2Aと、作業者が着用するベルト140に配設される携帯ケース141とで構成されている。
【0099】
前記携帯ケース141内にはバッテリ142、CCU143及び流体制御装置144等が内蔵されている。また、この携帯ケース141の一側部には流体口金接続部145、電気的接続部146、コントローラ接続部147が設けられ、他側部にはボンベ9が着脱自在に取付け可能になっている。
【0100】
このことによって、図21(b)に示すように使用者が身体に装着したベルト140に配置されている携帯ケース141の流体口金接続部145及び電気的接続部146に内視鏡本体2Aの流体用口金3a及び電気用口金3bを接続するとともに、コントローラ接続部147にリモコン6のリモコン口金6bを接続することによって、リモコン6に設けられているジョイスティック6aを操作して湾曲部2cを湾曲動作させながら挿入部2aを目的部位に向けて押し進めて、管腔内の傷の有無等の観察を行える。
【0101】
また、前記携帯ケース141の流体口金接続部145及び電気的接続部146に挿入部の長さ寸法や径寸法の異なる他の内視鏡本体の流体用口金及び電気用口金を接続することによって、各種用途に応じた観察を所望の形態で行うことができる。
【0102】
図22は内視鏡装置の又他の構成例を説明する図である。
図に示すように本実施形態の内視鏡装置1Gは、例えば内視鏡本体2Aと、作業者が把持可能な略円柱形状の操作部材である把持部兼用ケース151とで構成されている。
【0103】
前記把持部兼用ケース151内にはCCU152及び流体制御装置153等が内蔵されている。また、この把持部兼用ケース151の外周側には湾曲操作ボタン154や、ACアダプタ161が接続される電源接続部155、ビデオ出力端子156が設けられている。そして、ケース先端部には前記内視鏡本体2Aの流体用口金3aが着脱自在に接続される流体口金接続部157が設けられ、先端部側部には電気用口金3bが着脱自在に接続される電気的接続部158が設けられいてる。さらに、ケース基端部にはボンベ9が着脱自在に接続されるようになっている。
【0104】
このことによって、把持部兼用ケース151の流体口金接続部157及び電気的接続部158に前記内視鏡本体2Aの流体用口金3a及び電気用口金3bを接続するとともに、電源接続部155にACアダプタ161を接続し、ビデオ出力端子156にビデオケーブル162を接続することによって、湾曲操作ボタン154を操作して湾曲部2cを湾曲動作させながら挿入部2aを目的部位に向けて押し進めて、管腔内の傷の有無等の観察を行える。
【0105】
また、前記把持部兼用ケース151の流体口金接続部157及び電気的接続部158に挿入部の長さ寸法や径寸法の異なる他の内視鏡本体の流体用口金及び電気用口金を接続することによって、各種用途に応じた観察を所望の形態で行うことができる。
【0106】
なお、本発明は、以上述べた実施形態のみに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能である。
【0107】
[付記]
以上詳述したような本発明の前記実施形態によれば、以下の如き構成を得ることができる。
【0108】
(1)柔軟性を有する可撓管部の先端側に流体圧アクチュエータで構成した湾曲部及びこの湾曲部の先端側に撮像素子を内蔵した先端部を有する細長な挿入部を有する内視鏡と、この挿入部の流体圧アクチュエータに流体を供給する流体圧供給源、この流体圧供給源から前記流体圧アクチュエータに供給する流体の制御を行う流体供給量制御部、及び電源部を有する装置本体とを具備する内視鏡装置において、
前記内視鏡の挿入部及び装置本体に、この装置本体と挿入部とを着脱自在に構成する着脱機構部を設けた内視鏡装置。
【0109】
(2)前記装置本体は前記挿入部を巻き取るドラム部である付記1記載の内視鏡装置。
【0110】
(3)前記装置本体は把持部を備えた操作部材である付記1記載の内視鏡装置。
【0111】
(4)前記操作部材に流体圧供給源又は電源部の少なくとも一方を着脱自在に設けた付記3記載の内視鏡装置。
【0112】
(5)前記電源部は、ACアダプタ又はバッテリである付記1又は付記4記載の内視鏡装置。
【0113】
(6)前記装置本体は無線送信部を有する付記1記載の内視鏡装置。
【0114】
(7)前記挿入部を構成する可撓管部及び湾曲部に、この湾曲部と可撓管部とを着脱自在に構成する着脱機構部を設けた付記1記載の内視鏡装置。
【0115】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、挿入部の長さ寸法や径寸法を使用目的に最適なものに交換して作業を行える使い勝手に優れた内視鏡装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1ないし図10は本発明の一実施形態に係り、図1は内視鏡装置の構成を説明する図
【図2】内視鏡本体が着脱自在に接続されるドラム部の構成を説明する図
【図3】内視鏡本体とドラム部との構成を具体的に説明する図
【図4】内視鏡本体が着脱自在に接続される操作部材本体の構成を説明する図
【図5】着脱機構部の構成を説明する図
【図6】バルブユニットを説明する図
【図7】ジョイスティックの操作とバルブユニットの動作との関係を説明する図
【図8】他のバルブユニットを説明する図
【図9】他のバルブユニットのジョイスティックの操作とバルブユニットの動作との関係を説明する図
【図10】湾曲部と可撓管部との着脱構成を説明する図
【図11】操作部材の構成の異なる内視鏡装置の一構成例を説明する図
【図12】操作部材の構成の異なる内視鏡装置の他の構成例を説明する図
【図13】ドラム部の構成の異なる内視鏡装置の構成例を説明する図
【図14】図14ないし図16はドラム部及び接続部材の構成の異なる内視鏡装置の構成例を説明する図であり、図14はドラム部及び接続部材を説明する図
【図15】内視鏡装置の作用を説明する図
【図16】内視鏡装置の応用例を説明する図
【図17】内視鏡装置の他の構成例を説明する図
【図18】内視鏡装置の別の構成例を説明する図
【図19】内視鏡装置のまた他の構成例を説明する図
【図20】ビデオ信号を送受信する回動自在なドラム部の構成を説明する図
【図21】内視鏡装置のまた別の構成例を説明する図
【図22】内視鏡装置の又他の構成例を説明する図
【符号の説明】
1…内視鏡装置
2…内視鏡本体
3a…流体用口金
3b…電気用口金
4…ドラム部
4a…流体口金接続部
4b…電気的接続部
6…リモートコントロラ
7…操作部材
7a…流体口金接続部
7b…電気的接続部
40…流体圧アクチュエータ
41…流体室
Claims (5)
- 柔軟性を有する可撓管部の先端側に流体圧アクチュエータで構成した湾曲部、及び前記湾曲部の先端側に観察手段を内蔵した先端部、を有する細長な挿入部を有し、前記挿入部の基端部に流体用及び電気用の着脱機構部を備える内視鏡本体と、
前記内視鏡本体の着脱機構部に着脱自在な着脱機構部を備え、当該挿入部の流体圧アクチュエータに流体を供給する流体圧供給源、前記流体圧供給源から前記流体圧アクチュエータに供給する流体の制御を行う流体供給量制御部、及び電源部を有する、前記内視鏡本体を巻き取るドラム部と、
前記内視鏡本体の着脱機構部に着脱自在な着脱機構部を備え、当該挿入部の流体圧アクチュエータに流体を供給する流体圧供給源、前記流体圧供給源から前記流体圧アクチュエータに供給する流体の制御を行う流体供給量制御部、及び電源部を有する、把持部を備えた操作部材と、
を具備することを特徴とする内視鏡装置。 - 前記内視鏡本体は、前記挿入部の長さ寸法、或いは径寸法が異なることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡装置。
- 前記操作部材は、前記内視鏡本体の挿入部を構成する湾曲部を湾曲操作指示するジョイスティックを備え、このジョイスティックを備える前記操作部材の下部となる一面に前記流体圧供給源であるボンベが着脱自在なボンベ用コネクタを設けたことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡装置。
- 前記ジョイスティックを備える操作部材は、前記ボンベが着脱自在なボンベ用コネクタを基端部に備えた流体供給チューブを有することを特徴とする請求項3に記載の内視鏡装置。
- 前記ボンベは、作業者が装着可能なベルトに設けられるケース体に配置可能であることを特徴とする請求項4に記載の内視鏡装置。
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