JP4256971B2 - フィルム - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、エチレン系樹脂フィルムに関する。詳しくは、抗菌剤・抗かび剤などの薬剤を効率よく透過・拡散させ、かつ、内容物への異臭の移行が少なく、フィルム物性、例えば、衝撃強度、引張強度、透明性、ヒートシール性などに優れたエチレン系樹脂フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、市場の衛生指向の高まりから、広範囲の製品・包装体などに、抗菌・抗かび作用が付与されるようになってきた。従来から、抗菌・抗かび性ニーズはあったものの、それらは食品や医療関係、一部の工業製品製造過程などに限られていた。しかし、前述のような衛生指向の高まりや、あるいは、近年、O−157による被害などの社会的な事件が起こったことなどにより、爆発的に抗菌・抗かび性付与製品に対する、市場ニーズが高まってきた。
【0003】
特に、各種食品包装用フィルム分野は、従来分野に加え、近年の、スーパー・コンビニなどでの弁当・惣菜類などの品種・販売数量増加などの影響もあって、この抗菌・抗かび性付与製品のニーズが高い。
各種食品包装用フィルムへの、抗菌・抗かび性付与の手法としては、抗菌・抗かび作用を持つ物質を、目的とする製品材料に練り込むなどの方法で添加し、直接目的生物と接触させる、あるいは目的雰囲気中に揮発・拡散させたり、あるいは成形品表面に抗菌・抗かび剤をコーティングする、などの手法が知られている。
【0004】
ところで後者の、揮発性の抗菌・抗かび剤を使用する場合、内容物中への抗菌・抗かび剤の均一な拡散性や、内容物に対する安全性などが求められるため、抗菌・抗かび剤を、積層化した製品の中間層に存在させたり、接着・粘着性を付与して、他の包装体に貼り付けたりするなどの手法が取られることがある。この場合,フィルム構成に、揮発した抗菌・抗かび剤を効率よく透過させ得る性能を持つフィルム(層)を備える必要がある。この分野には従来、エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)や線状低密度ポリエチレン(LLDPE)フィルムが使用されることが多かった。しかしこのEVAは、薬剤の透過性は悪くないものの、食品などの包装内容物への臭い移りが起こりやすかったり、またフィルム強度が弱い、などの欠点がある。LLDPEは、EVAと比較すると、ヒートシール強度や衝撃強度に優れるものの、肝心の薬剤透過性が劣り、またEVA同様、内容物への臭い移りが起こりやすいなど、全てに満足出来るフィルムは未だ得られていなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、抗菌剤・抗かび剤などの薬剤を効率よく透過・拡散させ、かつ内容物への異臭の移行が少なく、フィルム物性、例えば、衝撃強度、引張強度、透明性、ヒートシール性などに優れたフィルムを得ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、前記目的を達成するために鋭意検討した結果、メタロセン系触媒で製造された特定の物性を有するエチレン・α−オレフィン共重合体からなるフィルムは、抗菌剤または抗かび剤を効率よく透過させ、内容物への異臭の移行がなく、優れた強度を有することを見い出し、本発明を完成した。
【0007】
すなわち、本発明は、以下の(1)〜(4)の性状を持つ、メタロセン系触媒で製造されたエチレン・α−オレフィン共重合体からなる最も外側の層と、少なくとも1層の、ヒノキ抽出成分、わさび抽出成分又はカラシ抽出成分から選ばれる抗菌剤または抗かび剤の少なくとも1種以上を含有する物質からなる層を備えることを特徴とする積層フィルムである。
(1)MFRが0.1〜50g/10分
(2)密度が0.88〜0.92g/cm3
(3)温度上昇溶離分別(TREF)によって得られる微分溶出曲線のピーク温度が90℃以下であり、該溶出曲線のピーク高さHと該ピークの1/2高さの幅Wから求められるH/Wが1.5×10−3℃−1以上であり、また90℃におけるTREF積分溶出量が90%以上
(4)DSCにより求められる融解終了温度(Tm)と、密度から求めた、平均非結晶部厚み(la)が120Å以下
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のフィルムの構成について詳しく説明する。
I.エチレン系樹脂フィルム層
1.エチレン・α−オレフィン共重合体
本発明のフィルムを構成するエチレン・α−オレフィン共重合体は、以下の(1)〜(4)、さらに必要に応じて(5)の性状を有するものである。
(1)メルトフローレート(MFR)
本発明のエチレン・α−オレフィン共重合体のMFRは、0.1〜50g/10分、好ましくは1〜30g/10分、特に好ましくは1〜20g/10分である。MFRの値が0.1g/10分未満であると、押出機において押出が困難となり好ましくない。
【0010】
(2)密度
本発明のエチレン・α−オレフィン共重合体の密度は、0.88〜0.92g/cm3、好ましくは0.885〜0.915g/cm3、特に好ましくは0.89〜0.91g/cm3である。密度が0.92g/cm3を超えると、衝撃強度や透明性が劣り、好ましくない。密度が0.88g/cm3未満であると、成形体表面がべたつき、好ましくない。
【0011】
(3)温度上昇溶離分別(Temperature Rising Fractionation:TREF)溶出曲線
本発明のエチレン・α−オレフィン共重合体の、TREFによって得られる微分溶出曲線のピーク温度が90℃以下、好ましくは80℃以下、特に好ましくは70℃以下である。
該微分溶出曲線のピーク高さHと、該ピークの1/2高さの幅Wから求められるH/Wが1.5×10−3℃−1以上、好ましくは2.3×10−3℃−1以上、特に好ましくは3.5×10−3℃−1以上である。
また、該TREF測定で求められる90℃における積分溶出量が90%以上、好ましくは90℃で95%以上、特に好ましくは90℃で97%以上である。これらの範囲を外れると、透過性が低下するので好ましくない。
さらに、本発明のエチレン・α−オレフィン共重合体は、好ましくは、このTREFによって得られる微分溶出量曲線のピークが1つである。このピーク1つとは、TREF微分溶出曲線において、頂点を原点として下降するラインをベースとし、再上昇する場合の上昇角度が、溶出温度3℃の範囲内で、90度を超えないものを、ピーク1つと定義する。
【0012】
ここでTREFによる測定は、「Journal of Applied Polymer Science.Vol.26,4217−4231(1981)」および「高分子討論会予稿集 2P1C09(1985)」に記載されている原理に基づき、以下のようにして行われる。
【0013】
まず、測定の対象とするポリマーを溶媒中で完全に溶解する。その後冷却し、不活性担体表面に薄いポリマー層を形成させる。かかるポリマー層は結晶し易いものが内側(不活性担体表面に近い側)に、結晶しにくいものが外側に形成されてなるものである。
次に、温度を連続または階段状に上昇させると、低温度階段では対象のポリマー組成中の非晶部分、すなわちポリマーの持つ短鎖分岐の分岐度の多いものから溶出し、温度が上昇すると共に徐々に分岐度の少ないものが溶出し、最終的に分岐の無い直鎖状の部分が溶出し測定は終了するものである。
かかる各温度での溶出成分の濃度を検出し、その溶出量と溶出温度によって描かれるグラフによってポリマーの組成分布を見ることが出来るものである。
【0014】
(4)平均非結晶部厚み
本発明のエチレン・α−オレフィン共重合体の、DSCにより求められる融解終了温度(Tm)と密度から求めた、平均非結晶部厚み(la)は、120Å以下、好ましくは100Å以下、特に好ましくは90Å以下である。(la)がこの範囲を満たさないと、透明性などが劣り、好ましくない。
【0015】
この平均非結晶部厚み(la)は、以下の計算により求められる。
la(Å)=lc×{(100−Xc)/Xc}
Xc:結晶化度(%)
Xc={{(DaDc/D)−Dc}/(Da−Dc)}×100
Da:溶融時の密度 0.856(g/cm3)
Dc:完全結晶の密度1(g/cm3)
D:サンプルの密度(g/cm3)
lc:平均結晶部厚み(Å)
lc=(2δe/ΔHf)×{1/(1−(Tm/Tm0))}
δe:完全結晶の表面エネルギー 50(erg/cm2)
ΔHf:完全結晶を溶解させるのに必要なエネルギー 70(cal/g)
Tm:DSCによって得られるサンプルの溶解終了温度(℃)
Tm0:完全結晶の融点 141.4(℃)
【0016】
(5)Q値
本発明のエチレン・α−オレフィン共重合体は、好ましくは、GPCで得られる重量平均分子量/数平均分子量(Q値)が3以下、特に好ましくは2.5以下である。Q値が大きすぎると衝撃強度などが劣り、好ましくない。
【0017】
2.エチレン・α−オレフィン共重合体の製造
(1)触媒
本発明のエチレン−α・オレフィン共重合体は、メタロセン系触媒を用いて製造される。メタロセン系触媒とは、特開昭58−19309号、同59−95292号、同60−35005号、同60−35006号、同60−35007号、同60−35008号、同60−35009号、同61−130314号、特開平3−163088号の各公報、ヨーロッパ特許出願公開第420436号明細書、米国特許第5055438号明細書および國際公開公報WO91/04257号明細書等に記載されている触媒系、例えばメタロセン化合物とアルモキサンからなる触媒、または例えば、国際公開公報WO92/01723号等に開示されているようなメタロセン化合物とメタロセン化合物と反応して安定なイオンとなる化合物からなる触媒、または特開平7−188317号、同7−188336号の各公報に記載されているような無機化合物担持型メタロセン系触媒などを使用して、主成分のエチレンと従成分の炭素数3〜40のα−オレフィンとを共重合させるものである。中でも好ましくは、メタロセン化合物とアルモキサンからなる触媒、またはメタロセン化合物とメタロセン化合物と反応して安定なイオンとなる化合物からなる触媒である。
【0018】
(2)重合法
重合方法としては、気相法、スラリー法、溶液法、高圧イオン重合法等を挙げることが出来る。特に好ましくは、溶液法または高圧イオン重合法である。
この高圧イオン重合法とは、特開昭56−18607号、同58−225106号の各公報などに記載されている、圧力が100kg/cm2以上、好ましくは300〜2000kg/cm2、温度が125℃以上、好ましくは130〜250℃、特に好ましくは150〜200℃の反応条件下で行われる、エチレン系重合体の製造方法である。
【0019】
(3)α−オレフィン
本発明で用いるエチレン−α・オレフィン共重合体の製造に用いるα−オレフィンとしては、炭素数3〜40のα−オレフィン、好ましくは炭素数4〜12のα−オレフィン、特に好ましくは炭素数6〜10のα−オレフィンで、1種または2種以上のα−オレフィンを用いることができ、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ヘプテン、4−メチルペンテン−1、4−メチルヘキセン−1、4,4−ジメチルペンテン−1、ヘキサデセン等が挙げられる。共重合体におけるα−オレフィンの量は、エチレン50〜99.5重量%に対し0.5〜50重量%、好ましくはエチレン70〜99重量%に対し1〜30重量%、特に好ましくはエチレン80〜99重量%に対し1〜20重量%である。
【0020】
3.添加成分
本発明で用いるエチレン・α−オレフィン共重合体には、発明の効果を損なわない範囲で、一般に樹脂添加成分として用いられる補助添加成分を配合することが出来る。例えば、酸化防止剤、中和剤、分散剤、光安定剤、滑剤、防曇剤、帯電防止剤、核剤、顔料、着色剤、難燃剤、アンチブロッキング剤、各種有機無機化合物などや、また、他の熱可塑性樹脂、例えば、高圧法低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンなどのエチレン系樹脂、プロピレン単独重合体、プロピレンとエチレンまたは炭素数4〜18のα−オレフィンとのランダムあるいはブロック共重合体などのプロピレン系樹脂、オレフィン系エラストマーなどである。添加される樹脂、特に高圧法低密度ポリエチレンを、5〜30重量%程度混合すると、成形性改良に効果があり好ましい。
【0021】
4.フィルムの製造
本発明のエチレン・α−オレフィン共重合体は、従来公知の成形方法にて、フィルムとする。例えば、空冷または水冷のインフレーション成形法、Tダイ成形法、押出ラミネート法などにより、延伸または無延伸のフィルムとすることが出来る。
【0022】
II.抗菌剤または抗かび剤を含有する物質層
本発明のフィルムを構成する、抗菌剤または抗かび剤を含有する物質とは、具体的には、抗菌剤あるいは抗かび剤の1種または2種以上を、そのまま、あるいは各種基材に練り込むかあるいは含浸させたりして含有させたものをいう。
【0023】
1.基材
上記の基材としては、具体的には、糊、例えば大和糊や、でんぷん、糖質類などや、接着剤、例えば各種熱硬化性樹脂系接着剤、各種熱可塑性樹脂系接着剤、天然樹脂系接着剤、天然あるいは合成ゴム系接着剤などや、ホットメルト材、各種熱可塑性樹脂、例えば高圧法低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸エステル共重合体などのエチレン系重合体、プロピレン重合体、プロピレン・α−オレフィン共重合体などのプロピレン系重合体、ポリオレフィン系エラストマー、ポリエステル、ポリアミド、ポリスチレン、アイオノマーなど、各種ゴム、例えば天然ゴム、などが挙げられる。これらには、粘着付与剤を加えることも出来る。これらの中で好ましくは、熱可塑性樹脂系接着剤、ホットメルト材、ポリオレフィン系樹脂であり、更に好ましくは熱可塑性樹脂系接着剤、またはポリオレフィン系樹脂である。
【0024】
2.抗菌剤または抗かび剤
本発明に使用される抗菌剤または抗かび剤は、具体的には以下のようなものである。例えば、塩化ベンザルコニウムなどの陽イオン界面活性剤、塩酸アルキルジ(アミノエチル)グリシンなどの両性界面活性剤、脂肪酸グリセリドなどの非イオン系界面活性剤、グルコン酸クロルヘキシンなどのビグアナイド、エタノール、プロノポールなどのアルコール類、ビオゾールなどのフェノール類、トリクロロカルバニリドなどのアニリド類、3−ヨード−2−プロパギブルカーバメートなどのヨウ素含有化合物、チアペンタゾールなどのイミダゾール類、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オンなどのイソチアゾロン類、ヘキサヒドロ−1,3,5−トリス(2−ヒドロキシエチル)−S−トリアジンなどのトリアジン類、テトラクロロイソフタロニトリルなどのニトリル類、ジクロフルアニドなどのフッ素系化合物、アミノグリコシドST−7などの抗生物質、ヒノキ抽出成分であるヒノキチオール、わさび抽出成分、カラシ抽出成分などの天然物等が挙げられる。これら抗菌剤または抗かび剤は、市販品の中から、適宜選択して用いることが出来、1種で用いても良いし、2種以上を併用して用いても良い。これらの中で好ましくは、ヒノキ抽出成分、わさび抽出成分、カラシ抽出成分などである。これらの抗菌剤または抗かび剤の配合量は、特に制限されるものではなく、必要に応じて適宜選択することが出来る。
【0025】
III.フィルムの構成
フィルムの構成としては、薬剤効果を発揮させたい側の最も外側に、エチレン・α−オレフィン共重合体層を備え、次に抗菌剤または抗かび剤を含有する物質からなる層を備えることを基本とし、互いの層は接触していてもよいし、接触していなくてもよい。更に必要に応じて、各種熱可塑性樹脂、例えば高圧法低密度ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレンなどのエチレン系重合体、ポリプロピレン、プロピレン・α−オレフィン共重合体などのプロピレン系重合体、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ビニルアルコール系重合体、また本発明のエチレン・α−オレフィン共重合体などからなる層、またアルミなどの金属、紙、織布或いは不織布などからなる層を、適宜組み合わせて、共押出法、押出ラミネート法、ドライラミネート法など、従来公知の方法にて積層することができる。
【0026】
好ましいフィルム構成としては、例えばエチレン・α−オレフィン共重合体層/抗菌剤または抗かび剤を含有する物質からなる層/エチレン・α−オレフィン共重合体層、エチレン・α−オレフィン共重合体層/抗菌剤または抗かび剤を含有する物質からなる層/エチレン系重合体層、エチレン・α−オレフィン共重合体層/抗菌剤または抗かび剤を含有する物質からなる層/プロピレン系重合体層、またはエチレン・α−オレフィン共重合体層/抗菌剤または抗かび剤を含有する物質からなる層/延伸されたプロピレン系重合体層などであり、また上記組合せを基本とする層構成である。またこれら成形体には、印刷処理、塗装処理、コロナ放電処理、延伸処理、液剤塗布処理、蒸着加工処理などの各種加工処理を施すこともできる。
【0027】
VI.用途
本発明のフィルムの用途は、例えば、パン、弁当、おにぎり、菓子、魚・肉類、野菜、などをはじめとする各種食品用包装体、また、濡れティッシュ、歯ブラシ、化粧パフなどの各種日用品・サニタリー用品等用包装体、などが挙げられるが、本発明のフィルムの用途は、上記のみに制限されるものではなく、効果を発揮できる分野に、適宜用いることができる。
【0028】
【実施例】
以下に実施例により本発明を具体的に説明する。
実施例及び比較例に用いられる測定方法は次の通りである。
[1]物性の測定方法と評価方法
(1)物性の測定
(a)MFR:JIS K7210に準拠して測定した。
(b)密度:JIS K7112に準拠して測定した。
(c)融解終了温度:JIS K7121に準拠して測定した。
【0029】
(d)Q値:サイズ排除クロマトグラフィー(Size Exclusion Chromatography;SEC)を用いて、以下に示す測定条件下で測定し、重量平均分子量/数平均分子量よりQ値を求めた、単分散ポリスチレンで、ユニバーサルな検量線を作成し、直鎖のポリエチレンの分子量として計算した。
機種:Waters Model 150C GPC
溶媒:o−ジクロロベンゼン
流速:1ml/分
温度:140℃
測定濃度:2mg/ml
注入量:200μl
カラム:昭和電工社製 AD80M/S 3本
【0030】
(e)溶出曲線の測定:本発明における温度上昇溶離分別(TREF)による溶出曲線は、一度高温でポリマーを完全に溶解させた後、冷却し、不活性担体表面に薄いポリマー層を生成させて、ついで、温度を連続または段階的に昇温して、溶出した成分を回収し、その濃度を連続的に検出して、その溶出量と溶出温度によって描かれるグラフのピークで、ポリマーの組成分布を測定するものである。
【0031】
該溶出曲線の測定は、以下のようにして行った。
測定装置としてクロス分別装置(三菱化学(株)製 CFC T150A)を使用し、付属の操作マニュアルの測定法に従って行った。
このクロス分別装置は、試料を溶解温度の差を利用して分別する温度上昇溶離分別(TREF)機構と、分別された区分を更に分子サイズで分別するサイズ排除クロマトグラフ(SEC)をオンラインで接続した装置である。
まず、測定すべきサンプルを溶媒(o−ジクロロベンゼン)を用い、濃度が4mg/mlとなるように、140℃で溶解し、これを測定装置内のサンプルループ内に注入する。以下の測定は測定条件に従って自動的に行われる。
【0032】
サンプルループ内に保持された試料溶液は、溶解温度の差を利用して分別するTREFカラム(不活性担体であるガラスビーズが充填された内径4mm、長さ150mmの装置付属のステンレス製カラム)に0.4ml注入される。次に、該サンプルを1℃/分の速度で140℃から0℃の温度まで冷却し、上記不活性担体にコーティングさせる。このとき、高結晶性成分(結晶し易いもの)から低結晶性成分(結晶しにくいもの)の順で不活性担体表面にポリマー層が形成される。TREFカラムが0℃で30分間保持された後、0℃の温度で溶解している成分2mlが、1ml/分の流速でTREFカラムからSECカラム(昭和電工社製 AD80M/S 3本)へ注入される。
【0033】
SECで分子サイズの分別が行われている間に、TREFカラムでは次の溶出温度(5℃)に昇温され、その温度に約30分間保持される。SECでの各溶出区分の測定は39分間隔で行われた。溶出温度は以下の温度で段階的に昇温される。
0、5、10、15、20、25、30、35、40、45、49、52、55、58、61、64、67、70、73、76、79、82、85、88、91、94、97、100、102、120、140
【0034】
該SECカラムで分子サイズによって分別された溶液は、装置付属の赤外分光光度計でポリマーの濃度に比例する吸光度が測定され(波長3.42nm、メチレンの伸縮振動で検出)、各溶出温度区分のクロマトグラムが得られる。
内蔵のデータ処理ソフトを用い、上記測定で得られた各溶出温度区分のクロマトグラムのベースラインを引き、演算処理される。各クロマトグラムの面積が積分され、積分溶出曲線が計算される。この積分溶出曲線を温度で微分して、微分溶出曲線が計算される。計算結果の作図は、横軸に溶出温度を100℃当たり89.3mm、縦軸に微分量(全積分溶出量を1.0に規格し、1℃の変化量を微分量とした)0.1当たり76.5mmで行った。
【0035】
(2)評価方法
(a)引張強伸度:JIS Z1702に準拠して測定した。
(b)300gヒートシール温度:東洋精機製熱盤式ヒートシーラーにて、85℃より5℃間隔で、シール圧力2kg/cm2、シール時間0.5秒でヒートシールし、引張試験機にてヒートシール強度を測定し、ヒートシール強度300gが得られる温度を、300gヒートシール温度とした。
(c)パンクチャー衝撃強度:JIS P8134に準拠して測定した。サンプルは、フィルムより幅10cm、長さ130cmの大きさで切り取ったものを使用し、該1枚のサンプルを使用して12点測定を行った。次式によりパンクチャー衝撃強度を求め、平均値を取った。
パンクチャー衝撃強度(kg・cm/cm)=エネルギー測定(kg・cm)/フィルム厚み(cm)
【0036】
(d)HAZE:JIS K7105に準拠して測定した。
(e)薬剤透過性:サンプルフィルム2枚を使って、10×10cmの大きさに3方シールし、中に秤量した薬剤を入れ、シールして密封する。これを適宜、温度、時間条件を選択し、恒温乾燥機中で保存した後、開封して薬剤の重量を測定する。測定前と測定後の薬剤量から、薬剤の減少量を求め、以下の式から、薬剤透過性を求める。
薬剤透過性(g/m2)=((測定前の薬剤量―測定後の薬剤量)/フィルム表面積)
使用した薬剤:東京化成社製ヒノキチオール(ヒノキ抽出成分)
カレックス(株)社製ワサオーロパウダー(カラシ抽出成分)
【0037】
(f)におい試験:適当な大きさにカットしたフィルムサンプル20gを、清潔な500ml三角フラスコに入れ、恒温オーブン中で、40℃1時間保持した後、オーブンから取り出し冷却したものについて、官能試験を行った。パネラー8人の試験結果を平均し、強く臭いを感じる:×、少し臭いを感じる:△、ほとんど臭いを感じない:○、として表した。
(g)ヒートシール強度:上記ヒートシール温度の測定において、得られたヒートシール強度の最高値を、サンプルもヒートシール強度とした。
(h)抗菌性:ハローテスト(AATCC Test Method 90)。阻止帯の有無を観察し、抗菌作用を示したものを○、示さなかったものを×として評価した。抗菌性の評価には、大腸菌及び黄色ブドウ球菌を用いた。
【0038】
実施例1(参考例)
(1)エチレン・α−オレフィン共重合体(i)の製造
触媒の調製は、特開昭61−130314号公報に記載された方法で実施した。すなわち、錯体エチレンビス(4、5、6、7−テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロライド 2.0mmolに、アルベマール社製メチルアルモキサンを上記錯体に対して1000mol倍加え、トルエンで20Lに希釈して触媒溶液を調製して以下の方法で重合を行った。
内容量1.5Lの攪拌式オートクレーブ型連続反応器に、エチレンと1−ヘキセンとの混合物を、1−ヘキセンの組成が78重量%となるように供給し、反応器内の圧力を1000kg/cm2に保ち、140℃で反応を行った。
反応終了後、MFRが2g/10分、密度が0.903g/cm3、1−ヘキセン含量が18重量%、TREFで得られた微分溶出曲線のピークが1つであり、該ピーク温度が60℃、H/Wが4.7×10−3℃−1、90℃における積分溶出量が100%、(la)が65Å、Q値が2のエチレン・1−ヘキセン共重合体が得られた。
【0039】
(2)フィルムの製造
得られたエチレン・α−オレフィン共重合体▲1▼を使用して、以下の条件でフィルム成形を行い、フィルムサンプルを得た。このサンプルに付き、評価を行った。結果を表1に示す。
(フィルム成形条件)
機種:トミー機械工業社製40mmφインフレ成形機
温度:180℃
引取速度:17m/分
スクリュー回転数:50rpm
フィルム厚み:30μm
【0040】
実施例2(参考例)
(1)エチレン・α−オレフィン共重合体(ii)の製造
触媒の調製は、特開昭61−130314号公報に記載された方法で実施した。すなわち、錯体エチレンビス(4、5、6、7−テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロライド 2.0mmolに、アルベマール社製メチルアルモキサンを上記錯体に対して1000mol倍加え、トルエンで20Lに希釈して触媒溶液を調製して以下の方法で重合を行った。
内容量1.5Lの攪拌式オートクレーブ型連続反応器に、エチレンと1−ヘキセンとの混合物を、1−ヘキセンの組成が82重量%となるように供給し、反応器内の圧力を1300kg/cm2に保ち、170℃で反応を行った。
反応終了後、MFRが4g/10分、密度が0.882g/cm3、1−ヘキセン含量が25重量%、TREFで得られた微分溶出曲線のピークが1つであり、該ピーク温度が31℃、H/Wが2.9×10−3℃−1、90℃における積分溶出量が100%、(la)が110Å、Q値が2のエチレン・1−ヘキセン共重合体が得られた。
【0041】
(2)フィルムの製造
実施例1のエチレン・α−オレフィン共重合体▲1▼に代えて、エチレン・α−オレフィン共重合体▲2▼を使用した以外は、実施例1と同様にフィルム成形し、評価を行った。結果を表1に示す。
【0042】
比較例1
実施例1のエチレン・α−オレフィン共重合体▲1▼に代えて、市販のエチレン・酢酸ビニル共重合体(日本ポリケム社製 ノバテックEVA LV240 MFR=2g/10分、酢酸ビニル含量=5重量%)を使用した以外は、実施例1と同様にフィルム成形し、評価を行った。結果を表1に示す。
【0043】
比較例2
実施例1のエチレン・α−オレフィン共重合体▲1▼に代えて、市販の線状低密度ポリエチレン(日本ポリケム社製 ノバテックLL UF240 MFR=2g/10分、密度=0.920g/cm3)を使用した以外は、実施例1と同様に成形し、評価を行った。結果を表1に示す。
【0044】
【表1】
【0045】
実施例3
(1)抗菌剤含有樹脂組成物の製造
基材として日本ポリケム社製のエチレン・酢酸ビニル共重合体LV670(MFR=15g/10、酢酸ビニル含量=28%)を使用し、抗菌剤としてヒノキチオール、ワサオーロパウダーを使用し、1軸押出機にて、ヒノキチオール又はワサオーロパウダー含量が10重量%となるよう、抗菌剤含有樹脂組成物を作製した。
【0046】
(2)積層フィルムの成形
実施例2のエチレン・α−オレフィン共重合体▲2▼と、上記抗菌剤含有組成物とを、市販のポリプロピレン延伸フィルム(二村化学社製、太閤FO FOR20)に共押出ラミネートし、積層体とした。これにつき、評価を行った。結果を表2に示す。
【0047】
【表2】
【0048】
【発明の効果】
本発明のフィルムは、抗菌剤・抗かび剤などの薬剤を効率よく透過・拡散させ、かつ内容物への異臭の移行が少なく、フィルム物性、例えば、衝撃強度、引張強度、透明性、ヒートシール性などに優れるので、例えば、パン、弁当、おにぎり、菓子、魚・肉類、野菜などをはじめとする各種食品用包装体、また、濡れティッシュ、歯ブラシ、化粧パフなどの各種日用品・サニタリー用品等包装体などの各種包装用フィルム用途に好適に用いることが出来、工業上有用である。
Claims (1)
- 以下の(1)〜(4)の性状を持つ、メタロセン系触媒で製造されたエチレン・α−オレフィン共重合体からなる最も外側の層と、少なくとも1層の、ヒノキ抽出成分、わさび抽出成分又はカラシ抽出成分から選ばれる抗菌剤または抗かび剤の少なくとも1種以上を含有する物質からなる層を備えることを特徴とする積層フィルム。
(1)MFRが0.1〜50g/10分
(2)密度が0.88〜0.92g/cm3
(3)温度上昇溶離分別(TREF)によって得られる微分溶出曲線のピーク温度が90℃以下であり、該溶出曲線のピーク高さHと該ピークの1/2高さの幅Wから求められるH/Wが1.5×10−3℃−1以上であり、また90℃におけるTREF積分溶出量が90%以上
(4)DSCにより求められる融解終了温度(Tm)と密度から求めた、平均非結晶部厚み(la)が120Å以下
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