JP4256754B2 - ポリエステル樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明はポリエステル樹脂組成物に関し、詳しくは、層状珪酸塩を高度に分散してなる、強度や耐熱性及びバリア性等に優れたポリエステル樹脂組成物に関する。
ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリブチレンテレフタレート(PBT)或いはポリエチレンナフタレート(PEN)に代表される熱可塑性ポリエステル樹脂は、その優れた力学的強度や耐熱性、成型加工性などを有しているため、成型品やフィルム、繊維など広汎な用途に用いられている。
力学的強度(機械的特性)や耐熱性の更なる向上を図る観点から、この熱可塑性ポリエステル樹脂にガラス繊維や炭素繊維などの繊維状強化材や、炭酸カルシウム、粘土鉱物、雲母などの無機充填材を加えて混練し強化した樹脂組成物も種々知られている。しかし、無機質材料の場合、単に混合し混練するのみでは微細粒子となり難く均一に分散できないため、力学的強度や耐熱性を充分に向上し得ない問題があった。例えば、PET−PEN共重合体樹脂にカオリンやタルク等を分散してなる樹脂組成物も開示されているが(例えば、特許文献1参照。)、この場合においても同様の問題がある。殊に、耐熱分解性が充分でない場合には、高温加工時にポリエステル自身が加水分解してしまい、実質的に外観や物性の良好な成型品やフィルムを得ることができない。また、力学的強度や耐熱性を更に高めるために、無機質材料を多量に添加しようとすると、比重の増加や加工性の低下を招来してしまう。
近年、上記の問題を解消する技術として、ポリエステル樹脂中に層状珪酸塩を分子レベルで分散させることによって、少量の無機質材料で耐熱性や機械的特性を向上させた複合材料が種々提案されている。例えば、ポリアミド中に層状粘土鉱物を均一に分散させ、強度や剛性、耐熱性に優れた複合材料が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。確かに、少量の層状粘土鉱物でも機械的強度や耐熱性を顕著に向上できるが、ポリエステル樹脂の場合には、同公報記載の方法によって、ポリアミドと同様に層状粘土鉱物が均一に分散された複合体を得ることはできない。これに鑑み、相溶化剤の添加により層状粘土鉱物の分散性を改良する技術も開示されているが、機械的強度や耐熱性の向上効果は小さく、強靭性の低下が大きい成型品しか得られない(例えば、特許文献3参照。)。
また、非反応性の化合物を層間に有する層状珪酸塩をポリマー中に分散させた樹脂組成物が開示されている(例えば、特許文献4参照。)。しかし、マトリクス樹脂にポリエステルを用いた場合には、成型加工時の温度が高いために加水分解し易く、外観や物性の良好な成型品及びフィルムなどを得ることはできない。
また、ホスホニウム塩で有機化した層状珪酸塩を含むポリエステル複合材料が開示され、機械的強度や耐熱性を良化できると記載されている(例えば、特許文献5参照。)。確かに、有機化剤そのものの熱分解による着色等を防止して色調を良好とすると共に強度や耐熱性をある程度向上させ得るものの、有機化剤の有機カチオンの存在によって高熱時(成型加工時)のポリエステル樹脂の加水分解が促進されるため、複合材料の機械的強度や耐熱性が低下して、結果的に実用に耐え得る成型品やフィルムを得ることはできない。
また、有機ホスホニウムイオンを層間にイオン結合させることで層状珪酸塩をポリエステル樹脂中に高分散させることができ、強度や剛性、耐熱性等に優れた成型品とし得る旨が記載されているが、上記と同様に高熱時の加水分解を抑止することはできない(例えば、特許文献6参照。)。また、組成物や樹脂フィルムにおいても、高熱時の耐加水分解性の点で問題があった(例えば、特許文献7及び8参照。)。
また更に、ポリエステル樹脂組成物の機械的特性や熱時の熱安定性を向上させ、物性バランスを良化する技術が提案されている(例えば、特許文献9、10、11、12参照。)。しかしながら、いずれにおいても工程が煩雑であったり、層状化合物をポリエーテル化合物で表面処理する工程を要する等で、生産性に劣る問題があった。
また、スルホン酸金属塩基を置換基に持つ芳香族ジカルボン酸残基を、ジカルボン酸残基の0.01〜10モル%共重合し、層状珪酸塩を含むポリエステル樹脂組成物が開示され、層状珪酸塩が高度に分散され透明性を損なうことなく、ガスバリア性や機械的強度が向上すると記載されている(例えば、特許文献13参照。)。しかしながら該公報では、ポリエステル共重合としては、5モル%以下のスルホン酸金属塩基を置換基に持つ芳香族ジカルボン酸モノマーが共重合したものに限られ、また酸化防止剤の必要性については何も言及されていない。
また、酸成分としてスルホン酸基をもつ芳香族ジカルボン酸を10モル%以下含むポリエステル共重合体を介在させて、熱可塑性芳香族ポリエステル中に膨潤性層状珪酸塩を分子レベルで均一分散させたポリエステル複合材料が開示されている(例えば、特許文献14参照。)。しかしながら該公報でも、酸化防止剤のことについては何も言及されておらず、また、ポリエステル複合材料中の全ポリエステルにおけるスルホン酸基をもつ芳香族ジカルボン酸成分の必要なモル比率について記載がない。
特開平6−56975号公報 特開昭62−74957号公報 特開平3−62846号公報 特開平8−53572号公報 特開平11−130951号公報 特開平11−1605号公報 特開2000−53847号公報 特開2000−327805号公報 特開2001−323143号公報 特開2001−323144号公報 特開2001−323145号公報 特開2001−329150号公報 特開2000−86232号公報 特開2002−82236号公報
以上に述べたように、ポリエステル樹脂のマトリックス中に層状珪酸塩を高度に均一分散させてなり、外観等が良好でバリア性が高く、特に力学的に高強度で且つ高温成型時であっても加水分解を起こすことのない耐熱性を備えたポリエステル樹脂組成物は、未だ提供されていないのが現状である。
本発明は、上記に鑑みて成されたものであり、ナノオーダーの層状珪酸塩フィラーが高度に均一に分散されて構成され、特に高強度で成型加工時に加水分解を伴わない耐熱性を備え、更に低ヘイズで高透明性、寸度安定性、酸素バリア性をも兼備するポリエステル樹脂組成物を提供することを目的とする。
上記課題を解決する為の本発明の手段は、以下の通りである。
<1> (1)熱可塑性ポリエステル樹脂、(2)アミノ基、イミノ基、アミド基、スルホン酸基の少なくとも1つを官能基として有するモノマーを共重合したポリエステル共重合体、(3)層状珪酸塩、及び(4)酸化防止剤、を含有するポリエステル樹脂組成物であって、上記ポリエステル共重合体におけるアミノ基、イミノ基、アミド基、スルホン酸基の少なくとも1つを官能基として有するモノマーの比率が5〜15モル%であり、上記ポリエステル樹脂組成物中の全ポリエステルにおけるアミノ基、イミノ基、アミド基、スルホン酸基の少なくとも1つを官能基として有するモノマーの比率が1〜5モル%であり、且つ上記ポリエステル樹脂組成物における酸化防止剤の含有率が0.01〜1.0質量%の範囲であることを特徴とするポリエステル樹脂組成物。
<2> 前記(2)のポリエステル共重合体が、ポリエチレンテレフタレート及び/又はポリエチレンナフタレートを共重合したポリエステル共重合体である上記<1>に記載のポリエステル樹脂組成物。
<3> 前記(2)のポリエステル共重合体を構成するモノマーの少なくとも1種が、前記(1)の熱可塑性ポリエステル樹脂を構成するモノマーと同一である上記<1>又は<2>に記載のポリエステル樹脂組成物。
<4> 前記(2)のポリエステル共重合体の層状珪酸塩に対する配合比率が、50〜500質量%である上記<1>〜<3>のいずれかに記載のポリエステル樹脂組成物。
<5> 前記層状珪酸塩の含有率が、0.5〜30質量%である上記<1>〜<4>のいずれかに記載のポリエステル樹脂組成物。
<6> 前記層状珪酸塩が、有機化剤によって有機化された膨潤性層状珪酸塩である上記<1>〜<5>のいずれかに記載のポリエステル樹脂組成物。
本発明によれば、ナノオーダーの層状珪酸塩が高度に均一に分散されてなり、特に成型加工時における加水分解を伴わない耐熱性を備え、更に低ヘイズで高い透明性や高強度、寸度安定性、酸素バリア性をも有するポリエステル樹脂組成物を提供することができる。
本発明のポリエステル樹脂組成物は、(1)熱可塑性ポリエステル樹脂、(2)アミノ基、イミノ基、アミド基、スルホン酸基の少なくとも1つを官能基として有するモノマーを共重合したポリエステル共重合体、(3)層状珪酸塩、(4)酸化防止剤、を含有するポリエステル樹脂組成物であって、上記ポリエステル共重合体におけるアミノ基、イミノ基、アミド基、スルホン酸基の少なくとも1つを官能基として有するモノマーの比率が5〜15モル%以上であり、上記ポリエステル樹脂組成物中の全ポリエステルにおけるアミノ基、イミノ基、アミド基、スルホン酸基の少なくとも1つを官能基として有するモノマーの比率が1〜5モル%であり、且つ上記ポリエステル樹脂組成物における酸化防止剤の含有率が0.01〜1.0質量%の範囲であることを特徴とする。
層状珪酸塩、特に有機化した膨潤性層状珪酸塩(後述)を熱可塑性ポリエステル樹脂に混練りして分散させるに際して、本発明においては、酸化防止剤と共に相溶化剤或いは分散促進剤として、アミノ基、イミノ基、アミド基、スルホン酸基の少なくとも1つを官能基として有するモノマーを共重合したポリエステル共重合体を用いる。これにより、混練りを容易化し分散を促進して、成型加工時におけるポリエステル樹脂等の熱分解ないし加水分解を効果的に抑止することができ、高度に均一に分散したポリエステル樹脂組成物を得ることができる。
以下、本発明のポリエステル樹脂組成物の主要構成物について詳述する。
(熱可塑性ポリエステル樹脂)
本発明に用いる熱可塑性ポリエステル樹脂は、熱時流動性を有する線状ないし分岐ポリエステル化合物であり、通常は、2価のカルボン酸化合物と2価アルコール類の重縮合により得られる。
上記2価カルボン酸成分としては、芳香族ジカルボン酸でも脂肪族及びその他ジカルボン酸でもよく、具体的には、例えば、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、ダイマー酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェノキシエタン−4,4−ジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、グリコール酸、p−オキシ安息香酸、p−オキシエトキシ安息香酸等の2官能性カルボン酸の1種若しくは2種以上を挙げることができる。
尚、実際の縮合重合においては、上記の2価カルボン酸をメチルアルコール等でエステル化して脱アルコールにより重縮合を行なう、又は2価カルボン酸の無水物を用いて重縮合物を得る方法を採用することもある。この場合は、2価カルボン酸成分としては、上記のジカルボン酸のエステル物或いは酸無水物である。
また、上記2価アルコール成分としては、芳香族ジアルコールでも脂肪族及びその他ジアルコールでもよく、具体的には、例えば、エチレングリコール、HO(CH2)nOH(該nは3〜10の整数を示す。)で表されるポリエチレングリコール、イソブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジオール、2,2−ビス−4−ヒドロキシフェニルプロパン、ヒドロキノン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン等の2官能性アルコールの1種若しくは2種以上を挙げることができる。
(ポリエステル共重合体)
本発明に用いるアミノ基、イミノ基、アミド基、スルホン酸基の少なくとも1つを官能基として有するモノマーを共重合したポリエステル共重合体は、アミノ基(−NH2)、イミノ基(>NH)、アミド基(−CO−N<)、及びスルホン酸基(−SO2OH)の少なくとも1つの官能基を有し、カルボキシル基(−COOH)又は水酸基(−OH)と重縮合ができる2官能性のモノマー化合物を、共重合の構成単位として重縮合したポリエステル共重合体である。ここで、該共重合の際の他の構成単位としては、上述の熱可塑性ポリエステル樹脂の重縮合に用いられる2価カルボン酸化合物及び2価アルコール類の全てが使用できるが、中でも、ポリエチレンテレフタレート及び/又はポリエチレンナフタレートのモノマーと共重合したポリエステル共重合体が好ましい。
また、本発明の上記ポリエステル共重合体を構成するモノマーの少なくとも1種が、本発明で用いる熱可塑性ポリエステル樹脂を構成するモノマーと同一であるのも好ましい。
尚、本発明のポリエステル樹脂組成物においては、上記ポリエステル共重合体の(後述する)層状珪酸塩に対する配合比率は、50〜500質量%であることが好ましい。更に該配合比率は、70〜400質量%がより好ましく、100〜300質量%が特に好ましい。
本発明の上記ポリエステル共重合体におけるアミノ基、イミノ基、アミド基、スルホン酸基の少なくとも1つを官能基として有するモノマーの比率は5〜15モル%の範囲にある必要がある。該共重合モル比率が5モル%未満であると、層状珪酸塩等のフィラーの混練りを促進しマトリックス樹脂(ポリエステル)の熱分解を抑制する効果が不十分で高度に均一な分散性が得られない。一方、該共重合モル比率が15モル%を越えると、得られるポリエステル樹脂組成物の機械的強度や耐熱性及びバリヤ性等の性能が不十分となる。
尚、上記ポリエステル共重合体におけるアミノ基、イミノ基、アミド基、スルホン酸基の少なくとも1つを官能基として有するモノマーの比率は、5.5〜12モル%の範囲が好ましく、6〜9モル%の範囲がより好ましい。
上記のアミノ基、イミノ基、アミド基、スルホン酸基の少なくとも1つを官能基として有するモノマーの具体例としては、例えば、5−ナトリウムスルホイソフタル酸(又はそのジメチルエステル)、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)ピペラジン、ビス(アミノシクロヘキシル)メタン、2−アミノエチルピペラジン、2−アミノプロピルピペラジン、ラウリン酸ジエタノールアミド、o−アミノベンジルアルコール、m−キシレンジアミン、p−アミノフェノール、m−アミノフェノール、各種アミノフェノール類、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、各種フェニレンジアミン類、4−アミノ−1−ナフトール、4−アミノ−4’−ヒドロキシジフェニル、4−アミノ−4’−ヒドロキシジフェニルメタン、4−アミノ−4’−ヒドロキシジフェニルエタン、4−アミノ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン、4−アミノ−4’−ヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノフェニルスルフォン、或いはこれらのハロゲン置換体、メチル基やフェニル基等のアルキル置換体やアリール置換体等が挙げられる。これらの共重合モノマーは単独で用いても2種以上を併用してもよい。
本発明で用いる上記アミノ基、イミノ基、アミド基、スルホン酸基の少なくとも1つを官能基として有するモノマーは、金属塩を形成していてもよい。金属塩基を置換基に持つモノマーの金属イオンの種類としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウムなどのアルカリ金属、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウムなどのアルカリ土類金属やアルミニウム、亜鉛などが挙げられ、中でも、リチウム、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属が好ましく、ナトリウムがより好ましい。
また、本発明のポリエステル樹脂組成物中の全ポリエステルにおけるアミノ基、イミノ基、アミド基、スルホン酸基の少なくとも1つを官能基として有するモノマーの比率は、1〜5モル%の範囲である。この全ポリエステルにおけるアミノ基、イミノ基、アミド基、スルホン酸基の少なくとも1つを官能基として有するモノマーの比率が1モル%未満であると、混練りが難しく分散性が不十分となる。また、全ポリエステル中の上記モノマーの比率が5モル%を越えると、ポリエステル樹脂組成物の機械的強度や耐熱性及びバリヤ性等が不足する。
尚、上記全ポリエステルにおけるアミノ基、イミノ基、アミド基、スルホン酸基の少なくとも1つを官能基として有するモノマーの比率は、1.3〜4.5モル%の範囲が好ましく、1.5〜4.0モル%の範囲が更に好ましい。
(層状珪酸塩)
本発明のポリエステル樹脂組成物は、ポリエステル樹脂マトリックスに無機フィラーとして層状珪酸塩が充填される。この層状珪酸塩、特に後述する有機化膨潤性層状珪酸塩を充填することにより、該ポリエステル樹脂組成物からなる成型品やフィルム等の機械的強度や耐熱性及び酸素バリア性等を向上させることができる。
本発明に用いる上記層状珪酸塩としては、特に膨潤性層状珪酸塩が好適である。膨潤性層状珪酸塩はいずれのものでもよく、公知の物の中から適宜選択することができる。該膨潤性層状珪酸塩としては、例えば、天然若しくは合成のヘクトライト、サポナイト、スチブンサイト、ハイデライト、モンモリロナイト、ノントライト、ベントナイト等のスメクタイト属粘土鉱物や、Na型テトラシリシックフッ素雲母、Li型テトラシリシックフッ素雲母、Na型フッ素テニオライト、Li型フッ素テニオライト等の膨潤性雲母属粘土鉱物、又はバーミキュライト、或いはこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
また、上記層状珪酸塩としては、市販品として、ラポナイトXLG(英国ラポート社製、合成ヘクトライト類似物)、ラポナイトRD(英国ラポート社製、合成ヘクトライト類似物)、サーマビス(独国ヘンケル社製、合成ヘクトライト類似物)、スメクトンSA−1(クニミネ工業(株)製、サポナイト類似物)、ベンゲル(豊順洋行(株)製、天然モンモリロナイト)、クニピアF(クニミネ工業(株)製、天然モンモリロナイト)、ビーガム(米国バンダービルト社製、天然ヘクトライト)、ダイモナイト(トピー工業(株)製、合成膨潤性雲母)、ソマシフ(コープケミカル(株)製、合成膨潤性雲母)、SWN(コープケミカル(株)製、合成スメクタイト)、SWF(コープケミカル(株)製、合成スメクタイト)、等が挙げられる。
上記した「膨潤性」とは、層状珪酸塩の結晶層間に水やアルコール、エーテル等の溶媒が侵入したときに膨潤する性質をいう。
本発明においては、上記膨潤性層状珪酸塩を有機化剤によって有機化した状態で含有することが好ましい。無機成分である層状珪酸塩の層間無機イオンを有機イオンで置換することによって、マトリックスを構成する樹脂成分、特に前述のアミノ基、イミノ基、アミド基、スルホン酸基の少なくとも1つを官能基として有するモノマーを共重合したポリエステル共重合体との相溶性を高めることができる。
上記有機化剤としては、有機オニウムイオンが挙げられ、該有機オニウムイオンとしては、アンモニウムイオン、ホスホニウムイオン、スルホニウムイオンが好適に挙げられる。これらの中でも、アンモニウムイオン、ホスホニウムイオンが好ましく、特に耐熱性の向上の点で、ホスホニウムイオンが好ましい。
上記ホスホニウムイオンとしては、下記式(1)で表されるイオン化合物が好ましい。
Figure 0004256754
上記式(1)において、R1、R2、R3、及びR4はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、又はカルボキシル基、ヒドロキシル基、フェニル基、エポキシ基を含む炭化水素基からなる群より選択される基を表す。ここで該アルキル基及びフェニル基は、各々の水素原子の一部がハロゲン原子、ヒドロキシ基、カルボキシル基、−COOR(該Rは炭素数1〜5のアルキル基を示す。)からなる群より選択される基によって置換されていてもよい。
上記式(1)で表されるホスホニウムイオンの具体例としては、例えば、テトラエチルホスホニウム、トリエチルベンジルホスホニウム、テトラブチルホスホニウム、テトラオクチルホスホニウム、トリメチルデシルホスホニウム、トリメチルドデシルホスホニウム、トリメチルヘキサデシルホスホニウム、トリメチルオクタデシルホスホニウム、トリブチルメチルホスホニウム、トリブチルドデシルホスホニウム、トリブチルヘキサドデシルホスホニウム、トリブチルオクタデシルホスホニウム、テトラキス(ヒドロキシメチル)ホスホニウム、メチルトリフェニルホスホニウム、エチルトリフェニルホスホニウム、2−ヒドロキシエチルトリフェニルホスホニウム、ジフェニルジオクチルホスホニウム、トリフェニルオクタデシルホスホニウム、テトラフェニルホスホニウム等のイオンが挙げられる。これらの中でも、テトラエチルホスホニウム、テトラブチルホスホニウム、テトラキス(ヒドロキシメチル)ホスホニウム、エチルトリフェニルホスホニウム、2−ヒドロキシエチルトリフェニルホスホニウム等のイオンが特に好ましい。
本発明において、前記膨潤性層状珪酸塩を有機化する方法としては、膨潤性層状珪酸塩を溶媒中に分散した後、これに前記式(1)で表されるホスホニウムイオンを混合し、珪酸塩の結晶層間に存在するカチオン(Na、Li等)の一部又は全部とホスホニウムイオンとのイオン交換により有機化する方法が挙げられ、その製法については特に限定されるものではない。この場合、上記溶媒としては、水、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、エチレングリコール、1,4−ブタンジオールなどが用いられる。
本発明の層状珪酸塩(特に、有機化された膨潤性層状珪酸塩)の含有量としては、ポリエステル樹脂組成物の全質量に対して、0.5〜30質量%が好ましく、3〜20質量%がより好ましい。該配合量が0.5質量%未満であると、層状珪酸塩の充填による補強効果が充分に得られないことがあり、一方、該配合量が30質量%を超えると、層状珪酸塩等の無機フィラーの分散性及び透明性の低下を招来したり、ポリエステル樹脂組成物を用いて作製された成型品やフィルム等の力学強度が不足して脆くなることがある。
(酸化防止剤)
本発明のポリエステル樹脂組成物には、成型加工時の高温による熱分解ないし加水分解等を抑制する為に酸化防止剤が配合される。本発明に用いられる酸化防止剤としては特に限定されないが、フェノール系酸化防止剤、チオエーテル系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、その他公知の酸化防止剤ないし耐熱分解抑制剤等から選ばれる1種又は2種以上が使用される。
上記酸化防止剤として具体的には、例えば、6−エトキシ−1−フェニル−2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン、6−エトキシ−1−オクチル−2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン、6−エトキシ−1−フェニル−2,2,4−トリメチル−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン、6−エトキシ−1−オクチル−2,2,4−トリメチル−1,2,3,4,−テトラヒドロキノリン、シクロヘキサン酸ニッケル、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−エチルヘキサン、2−メチル−4−メトキシ−ジフェニルアミン、1−メチル−2−フェニルインドール等が挙げられる。
また、下記に記載の酸化防止剤も使用することができる。即ち、ヨーロッパ公開特許第223739号公報、同309401号公報、同309402号公報、同310551号公報、同第310552号公報、同第459416号公報、ドイツ公開特許第3435443号公報、特開昭54−48535号公報、同60−107384号公報、同60−107383号公報、同60−125470号公報、同60−125471号公報、同60−125472号公報、同60−287485号公報、同60−287486号公報、同60−287487号公報、同60−287488号公報、同61−160287号公報、同61−185483号公報、同61−211079号公報、同62−146678号公報、同62−146680号公報、同62−146679号公報、同62−282885号公報、同62−262047号公報、同63−051174号公報、同63−89877号公報、同63−88380号公報、同66−88381号公報、同63−113536号公報;
同63−163351号公報、同63−203372号公報、同63−224989号公報、同63−251282号公報、同63−267594号公報、同63−182484号公報、特開平1−239282号公報、特開平2−262654号公報、同2−71262号公報、同3−121449号公報、同4−291685号公報、同4−291684号公報、同5−61166号公報、同5−119449号公報、同5−188687号公報、同5−188686号公報、同5−110490号公報、同5−1108437号公報、同5−170361号公報、特公昭48−43295号公報、同48−33212号公報、米国特許第4814262号、同第4980275号公報等に記載のものが挙げられる。
また、市販されている酸化防止剤、例えば、住友化学(株)製の「スミライザーBHT」(2,6−ジ−t−ブチルー4−メチルフェノール)、チバ・ガイギー社製の「Irganox1010」(テトラキス−[メチレン−3−(3',5'−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン)、住友化学(株)製の「スミライザーTDP」(ペンタエリストールテトラキス(3−ラウリルチオプロミオネート))、チバ・ガイギー社製の「Irgafos168」(トリス(2,4−ジーt−ブチルフェニル)ホスファイト)等も好適に使用できる。
本発明のポリエステル樹脂組成物においては、上記酸化防止剤のポリエステル樹脂組成物における含有率は、0.01〜1.0質量%の範囲である。該含有率が0.01質量%未満では、成型加工時の熱分解抑制の効果が十分でなく、また該含有率が1.0質量%を越えるのは不要でもあり、過剰の酸化防止剤によりポリエステル樹脂が分解される、或いは機械強度や耐熱性が低下する等の不都合が発生するので避けなければならない。上記酸化防止剤のポリエステル樹脂組成物における含有率は、0.05〜0.9質量%の範囲が好ましく、0.1〜0.8質量%の範囲がより好ましい。
(混練り及び分散)
本発明のポリエステル樹脂組成物は、各材料を溶融状態で混練することにより容易に製造することが可能であり、その混練の手順及び使用する手段等は特に制限されないが、ポリエステル共重合体と層状珪酸塩を先に予め混練した後、熱可塑性ポリエステル樹脂を加えて更に混練する方法が好ましい。該溶融混練に使用される混合混練機としては特に制限はなく、例えば、二軸スクリュー式押出機、二軸ローター型連続混練機、回転円盤と固定円盤との間で混練を行う石臼型連続混練機(KCK)、バンバリーミキサー、ニーダー、ロールミル等が挙げられる。
本発明のポリエステル樹脂組成物は、各種の成型品や光学材料用フィルム、磁気材料用支持体、及び画像形成層用支持体等の用途に広汎に使用することができる。
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。本実施例中の「部」数は、特に断わりのない限り「質量部」を表す。
[実施例1]
(有機化膨潤性層状珪酸塩の作製)
膨潤性層状珪酸塩として、コープケミカル(株)製の「SWN」(合成スメクタイト)5kgを用意し、これを水-メタノール混合溶媒50Lに加えて分散した後、トリメチルヘキサデシルホスホニウム5kgを混合して攪拌し、トリメチルヘキサデシルホスホニウムイオンで有機化処理が施された有機化膨潤性層状珪酸塩を得た。
(ポリエステル共重合体の合成)
ジカルボル酸成分としてテレフタル酸を45モル%、及びジオール成分としてエチレングリコールを45モル%使用し、官能基としてアミノ基を有するモノマーとしてo−アミノベンジルアルコールを5モル%、及び官能基としてスルホン酸基を有するモノマーとして5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチルを5モル%使用して、この共重合比率で縮合重合を行ない、アミノ基を有するモノマーとスルホン酸基を有するモノマーを計10モル%の比率で共重合させたポリエステル共重合体を得た。得られたポリエステル共重合体の極限粘度は0.61であった。
(ポリエステル樹脂組成物の作製)
熱可塑性ポリエステル樹脂として極限粘度0.65のポリエチレンテレフタレート(PET)を使用し、該ポリエステル樹脂50部に、上記ポリエステル共重合体39.5部、上記有機化層状珪酸塩10部、及び酸化防止剤としてチバ・ガイギー社製の「Irgafos 168」と「Irganox 1010」の各0.25部を配合して、東芝機械(株)製の二軸スクリュー式押出機「TEM−37」に投入して溶融混練し、本発明に従うポリエステル樹脂組成物を得た。ここで上記の溶融混練は、温度280℃でスクリュー回転数500rpmで行なった。
[実施例2]
実施例1において、ポリエステル共重合体として、スルホン酸基を有するモノマー(5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチル)を使用せずに重縮合したポリエステル共重合体を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてポリエステル樹脂組成物を得た。
[実施例3]
実施例1において、ポリエステル共重合体として、アミノ基を有するモノマー(o−アミノベンジルアルコール)を使用せずに重縮合したポリエステル共重合体を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてポリエステル樹脂組成物を得た。
[比較例1]
実施例2において、熱可塑性ポリエステル樹脂の配合部数を50部から80部に増加し、ポリエステル共重合体の配合部数を39.5部から9.5部に減少したこと以外は、実施例2と同様にしてポリエステル樹脂組成物を得た。
[比較例2]
実施例2において、酸化防止剤(「Irgafos168」と「Irganox1010」)の配合部数を各0.25部から各0.004部に減少したこと以外は、実施例2と同様にしてポリエステル樹脂組成物を得た。
(「非強化樹脂」組成物の作製)
実施例1において、有機化層状珪酸塩と酸化防止剤を配合しなかったもの、即ち、ポリエステル樹脂50部にポリエステル共重合体39.5部だけを配合して、実施例1と同様に溶融混練し、実施例1の評価試験用の「非強化樹脂」組成物を作製した。
同様に、実施例2〜3及び比較例1〜2についても、有機化層状珪酸塩と酸化防止剤を配合しないで、実施例2〜3及び比較例1〜2の評価試験用の「非強化樹脂」組成物を作製した。
(評価試験)
上記より得られた本発明及び比較のポリエステル樹脂組成物について、下記の評価試験を行なった。その結果を下記の表1に示す。
(1)分散状態の評価
広角X線回折による層状珪酸塩の(001)面の回折ピークを測定すると共に、更に透過型電子顕微鏡を用いて目視によりその分散状態を観察した。これらの測定及び観察結果を基に、下記の基準に基づいて評価した。
◎………回折ピークはなく、凝集粒子も認められなかった。
○………回折ピークはなく、認められた凝集粒子は5%以下であった。
△………回折ピークはなく、認められた凝集粒子は30%未満であった。
×………回折ピークがあり、認められた凝集粒子は30%以上であった。
(2)引張り弾性率
各ポリエステル樹脂組成物から、厚み1mm×幅10mmの試験片を作製し、引張り試験機(東洋精機製作所(株)製)を用いて引張り試験を行ない、その結果を基に各々の弾性率を求め、各「非強化樹脂」組成物よりなる試験片の弾性率に対する各弾性率の向上割合(%)を評価の指標とした。評価基準は下記の通りである。
◎………非強化樹脂片に対する向上割合が50%以上であった。
○………非強化樹脂片に対する向上割合が20%以上50%未満であった。
△………非強化樹脂片に対する向上割合が5%以上20%未満であった。
×………非強化樹脂片に対する向上割合が5%未満、若しくは向上せず低下してしまった。
(3)酸素バリア性
酸素透過度をMocon社製の測定装置「OX−TRAN10/50A」により測定し、各「非強化樹脂」組成物よりなる試験片の酸素透過度に対する各酸素透過度の向上割合(%)を評価の指標とした。評価基準は下記の通りである。
◎………非強化樹脂に対し、1/10以下であった。
○………非強化樹脂に対し、1/10を超えるが1/5以下であった。
△………非強化樹脂に対し、1/5を超えるが1/2以下であった。
×………非強化樹脂に対し、1/2を超えていた。
(4)平均分子量
実施例及び比較例で得られた各ポリエステル樹脂組成物から有機化層状珪酸塩を分離除去し、該ポリエステル樹脂分の分子量分布をGPCを用いて測定して数平均分子量を求め、各「非強化樹脂」組成物よりなる試験片の数平均分子量に対する各数平均分子量の分子量比(%)を評価の指標とした。評価基準は下記の通りである。
◎………非強化樹脂に対し、95%以上であった。
○………非強化樹脂に対し、95%未満90%以上であった。
△………非強化樹脂に対し、90%未満70%以上であった。
×………非強化樹脂に対し、70%未満であった。
(5)透明性
各ポリエステル樹脂組成物から厚み0.5mmのシートを作製し、光透過率を日本電色工業(株)製の濁度計「NDH−1001DP」を用いて測定し、各「非強化樹脂」組成物よりなる試験片の光透過率に対する各光透過率の比(%)を評価の指標とした。評価基準は下記の通りである。
◎………非強化樹脂シートに対し、95%以上であった。
○………非強化樹脂シートに対し、95%未満90%以上であった。
△………非強化樹脂シートに対し、90%未満70%以上であった。
×………非強化樹脂シートに対し、70%未満であった。
Figure 0004256754
上記表1に示すように、本発明に従うポリエステル樹脂組成物(実施例1〜3)では、層状珪酸塩の分散性に優れており、引張り弾性(機械的強度)が向上し、数平均分子量の結果から熱(加水)分解も抑えられおり、耐熱性も同時に向上させることができた。また、酸素バリア性にも優れ、透明性の点でも良好であった。
一方、比較例1及び2のポリエステル樹脂組成物では、相溶性が悪く層状珪酸塩の分散性に劣っており、機械的強度や耐熱性を初めとする諸性能も劣っていた。特に、酸化防止剤の少ない比較例2では、数平均分子量が低下しており、熱(加水)分解が起きていることを実証している。

Claims (6)

  1. (1)熱可塑性ポリエステル樹脂、(2)アミノ基、イミノ基、アミド基、スルホン酸基の少なくとも1つを官能基として有するモノマーを共重合したポリエステル共重合体、(3)層状珪酸塩、及び(4)酸化防止剤、を含有するポリエステル樹脂組成物であって、上記ポリエステル共重合体におけるアミノ基、イミノ基、アミド基、スルホン酸基の少なくとも1つを官能基として有するモノマーの比率が5〜15モル%であり、上記ポリエステル樹脂組成物中の全ポリエステルにおけるアミノ基、イミノ基、アミド基、スルホン酸基の少なくとも1つを官能基として有するモノマーの比率が1〜5モル%であり、且つ上記ポリエステル樹脂組成物における酸化防止剤の含有率が0.01〜1.0質量%の範囲であることを特徴とするポリエステル樹脂組成物。
  2. 前記(2)のポリエステル共重合体が、ポリエチレンテレフタレート及び/又はポリエチレンナフタレートを共重合したポリエステル共重合体である請求項1に記載のポリエステル樹脂組成物。
  3. 前記(2)のポリエステル共重合体を構成するモノマーの少なくとも1種が、前記(1)の熱可塑性ポリエステル樹脂を構成するモノマーと同一である請求項1又は2に記載のポリエステル樹脂組成物。
  4. 前記(2)のポリエステル共重合体の層状珪酸塩に対する配合比率が、50〜500質量%である請求項1〜3のいずれかに記載のポリエステル樹脂組成物。
  5. 前記層状珪酸塩の含有率が、0.5〜30質量%である請求項1〜4のいずれかに記載のポリエステル樹脂組成物。
  6. 前記層状珪酸塩が、有機化剤によって有機化された膨潤性層状珪酸塩である請求項1〜5のいずれかに記載のポリエステル樹脂組成物。
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