JP4256673B2 - シス、シス−デカヒドロ−2−ナフトールの製造方法 - Google Patents

シス、シス−デカヒドロ−2−ナフトールの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はシス、シス−デカヒドロ−2−ナフトールを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
本発明の目的物であるシス、シス−デカヒドロ−2−ナフトールは電子材料などの機能性高分子のモノマーとして用途が期待される化合物である。しかも、本目的物は白色の結晶であり、レンズやガラスなどの透明性が重視される高分子分野での用途も期待される。
デカヒドロ−2−ナフトールには3つの不斉炭素があり、下式の通りシス、シス体以外にもシス、トランス体やトランス、シス体やトランス、トランス体の4種の異性体が存在する。
【0003】
Figure 0004256673
【0004】
シス、シス−デカヒドロ−2−ナフトールの製造法に関し、例えば、非特許文献1では2−ナフトールをNi触媒下、135〜140℃で接触還元する方法が記載されているが、得られるデカヒドロ−2−ナフトールはテトラヒドロ−2−ナフトール、ヘキサヒドロ−2−ナフトール、オクタヒドロ−2−ナフトールとの混合物となり、それら多数の不純物の中からシス、シス−デカヒドロ−2−ナフトールを単離することは非常に困難が予想される。
また、非特許文献2では2−ナフトールをNi/Al23触媒下、75〜80気圧、120〜150℃で接触還元した後、リグロインで2回再結晶することによりシス体のデカヒドロ−2−ナフトールを収率23.7%で得ているが、反応条件が高圧で厳しい上に,2回の再結晶を要するため操作的に非常に煩雑となる。また生成したのがシス、シス体なのかシス、トランス体なのかは定かでない。
非特許文献3ではルテニウムオキサイドを触媒に80気圧で還元する方法が、非特許文献4では(7:3)ロジウム−プラチナオキサイドを触媒に140気圧で還元する方法がそれぞれ報告されているが、高価な触媒を使用するということで経済的負担が大きい。
このように、従来の方法では、高価な触媒を使用したり、過酷な還元条件を必要とするなどの問題があり、低い反応圧で、しかも貴金属触媒の中でも安価なラネーニッケル触媒(以下、R−Ni触媒という)を使用して高純度のシス、シス−デカヒドロ−2−ナフトールを製造する効率的な方法はなかった。
【0005】
【非特許文献1】
Isamu Nishimatsu,Sakujiro Kimura「Centralblatt」1928年 I巻 2369ページ
【非特許文献2】
R.Ja.Lewina,S.G.Kulikow「Centralblatt」1941年 I巻 2938ページ
【非特許文献3】
O.R.RODIG,L.C.ELLIS「Journal of Organic Chemistry」1961年 26巻 2197〜2202ページ
【非特許文献4】
Shigeo Nishimura,Hisaaki Taguchi「Bulletin of the Chemical Society of Japan」1963年 36巻 353〜355ページ
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは鋭意検討した結果、2−ナフトールをイソプロパノール溶媒中、R−Ni触媒存在下で反応温度110〜160℃、反応水素圧力490〜2940kPa(Gauge)(5〜30kg/cm2-G)(以下の記載において、特に明示のない限り水素圧は何れもゲージ圧である)で接触還元(接触水素添加)を行い、反応終了後、触媒を除去、溶媒を留去し、シス、シス−デカヒドロ−2−ナフトールの結晶を析出させ、析出した結晶を採取し、乾燥することによって、高純度のシス、シス−デカヒドロ−2−ナフトールを得ることを見出し、シス、シス−デカヒドロ−2−ナフトールを緩和な反応条件下且つ高純度で効率的に製造し得ることを見出し、特に反応液からシス、シス−デカヒドロ−2−ナフトールを選択的に析出させる溶媒としてイソプロパノールが好適であるという知見を得た。
このように、本発明はシス、シス−デカヒドロ−2−ナフトールを高純度で効率的に製造することを可能にする極めて優れた方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の問題を解決するためになされた本発明の要旨は、
(1)2−ナフトールを、イソプロパノール溶媒中、R−Ni触媒存在下で接触還元を行い、反応終了後、触媒を除去、溶媒を留去し、シス、シス−デカヒドロ−2−ナフトールの結晶を析出させ、析出した結晶を採取し、乾燥することによって、高純度のシス、シス−デカヒドロ−2−ナフトールを得ることを特徴とするシス、シス−デカヒドロ−2−ナフトールの製造方法;
(2)イソプロパノールの使用量が350〜1000ml/モル(原料2−ナフトール 1モルに対して)であることを特徴とする上記(1)記載のシス、シス−デカヒドロ−2−ナフトールの製造方法;
(3)R−Ni触媒の使用量が2−ナフトールに対して40〜110重量%であることを特徴とする上記(1)又は(2)記載の方法;
(4)水素の吹き込み圧力が490〜2940kPa(5〜30kg/cm2-G)であることを特徴とする上記(1)〜(3)の何れかに記載の方法;
(5)反応温度が110〜160℃であることを特徴とする上記(1)〜(4)の何れかに記載の方法;
(6)イソプロパノールの濃縮を反応溶液におけるデカヒドロ−2−ナフトールの濃度が55〜85重量%になるまで行うことを特徴とする上記(1)〜(5)の何れかに記載の方法;
(7)結晶化(晶析)の温度が−10〜30℃であることを特徴とする上記(1)〜(6)の何れかに記載の方法;
である。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明のシス、シス−デカヒドロ−2−ナフトールの製造方法は、2−ナフトールを、イソプロパノール溶媒中、R−Ni触媒下で接触還元を行い、反応終了後、触媒を除去、溶媒を留去し、シス、シス−デカヒドロ−2−ナフトールの結晶を析出させ、析出した結晶を採取し、乾燥することによって、高純度のシス、シス−デカヒドロ−2−ナフトールを得る方法である。
【0009】
本発明において、使用する溶媒はイソプロパノールで、その使用量については350〜1000ml/モル(原料2−ナフトール 1モルに対して)、好ましくは400〜650ml/モルの範囲で用いられる。
使用量が350ml/モルより少ない場合はデカヒドロ−2−ナフトールの生成率が著しく低下し、また1000ml/モルより多い場合は生成率の低下は無いが、経済的、環境的な面で好ましくない。
【0010】
触媒にはR−Ni触媒を使用する。R−Ni触媒は、常法に準じて、市販のラネーニッケル合金を水酸化アルカリ水溶液で展開することにより調製することができる。ラネーニッケル合金中のニッケル含有量は通常30〜50重量%程度である。
R−Ni触媒の使用量としては、2−ナフトールに対して40〜110重量%、好ましくは50〜70重量%の範囲で用いられる。
使用量が40重量%より少ない場合は、デカヒドロ−2−ナフトールの生成率が低下し、1,2,3,4−テトラヒドロ−2−ナフトールや5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフトールが副生する。また、110重量%より多く使用した場合、経済的な負担が大きくなるばかりでなく、2位の水酸基が脱離する副反応が起きるおそれがあるため好ましくない。
【0011】
水素の吹き込みについては490〜2940kPa(5〜30kg/cm2-G)、好ましくは686〜1470kPa(7〜15kg/cm2-G)の圧力範囲で行われる。
圧力が490kPa(5kg/cm2-G)より低い場合は、未反応の2−ナフトールが多く残存し、1,2,3,4−テトラヒドロ−2−ナフトールや5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフトールの副生も多くなり、デカヒドロ−2−ナフトールの生成率は著しく低下する。また、2940kPa(30kg/cm2-G)より高い場合は、2位の水酸基の脱離が起こるおそれがある。
【0012】
反応温度については110〜160℃で、好ましくは115〜140℃の範囲で反応を行う。
110℃より低い場合は、1,2,3,4−テトラヒドロ−2−ナフトールや5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフトールの副生が起こり、160℃より高い場合は2位の水酸基の脱離が起きるおそれがある。
【0013】
接触還元後は濾過によりR−Ni触媒を除去する。この時の反応溶液中におけるデカヒドロ−2−ナフトールの濃度は13〜32重量%である。
常圧もしくは減圧濃縮によってイソプロパノールを留去し、濃縮液を得る。濃縮液におけるデカヒドロ−2−ナフトールの濃度は55〜85重量%で、好ましくは60〜70重量%である。
濃度が60重量%より低い場合は、シス、シス−デカヒドロ−2−ナフトールの結晶の析出が不十分で母液への廃率が高くなり、その結果シス、シス−デカヒドロ−2−ナフトールの得量が低下する。また、濃度が85重量%よりも高い場合は、他の立体異性体が不純物として混入する可能性が高まり、更に排出が困難となり操作性の面で不都合が生じる。
【0014】
また場合によっては濃縮後、他の溶媒を加えることによって結晶を析出させることもできる。加える溶媒としては、例えば、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、イソオクタン、n−デカンなどの脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、アミルベンゼンなどの芳香族炭化水素類、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、ブロムクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジ(n−ブチル)エーテル、ジ(n−ヘキシル)エーテル、テトラヒドロフラン、1,2−プロピレンオキシドなどのエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、ギ酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステル類が挙げられる。
【0015】
濃縮後の結晶化(晶析)の温度については−10〜30℃で、好ましくは0〜10℃の範囲で行う。また析出結晶の採取についても同温度範囲で行うのが好ましい。
結晶化温度が、−10℃より低い場合は低温にするための設備が必要となり、コストに対する効果を考慮した場合、必ずしも−10℃より低い温度が必要ではない。一方30℃より高い場合は母液への廃率が高くなり、得量が低下する。
析出した結晶の採取は常法に準じて行うことができ、例えば、濾過、遠心分離などの方法を用いることができる。
【0016】
得られたシス、シス−デカヒドロ−2−ナフトールはそのまま乾燥させても良いが、不純物除去をより確実に行うため、例えば、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、イソオクタン、n−デカンなどの脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、アミルベンゼンなどの芳香族炭化水素類、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、ブロムクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジ(n−ブチル)エーテル、ジ(n−ヘキシル)エーテル、テトラヒドロフラン、1,2−プロピレンオキシドなどのエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、ギ酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステル類から選ばれる溶媒で洗浄して、乾燥させることによって、白色結晶の高純度シス、シス−デカヒドロ−2−ナフトールを得ることができる。
当該結晶の乾燥は常法に準じて減圧乾燥などの方法で行うことができる。
また、結晶を採取した後の母液については、蒸留によりシス、シス体、シス、トランス体、トランス、シス体、トランス、トランス体の混合デカヒドロ−2−ナフトールを得ることができる。
【0017】
【発明の効果】
2−ナフトールを接触還元すれば、通常、目的物のデカヒドロ−2−ナフトール以外に1,2,3,4−テトラヒドロ−2−ナフトールや5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフトールなどの中途で還元が止まった副生物が生成するが、本発明の方法によれば、2−ナフトールをイソプロパノール溶媒中、R−Ni触媒を触媒に用いて接触還元を行うことによって、副生物の生成を抑制しデカヒドロ−2−ナフトールを主生成物とし得ることができる。
更に、デカヒドロ−2−ナフトールには多数の立体異性体があり、その中からシス、シス−デカヒドロ−2−ナフトールのみを単離する方法は今まで無かったが、本発明によれば、溶媒を留去し、析出する結晶を採取することによって、多数生成する立体異性体の中から高純度のシス、シス−デカヒドロ−2−ナフトールのみを白色結晶として得ることができる。
従って、本発明によれば、シス、シス−デカヒドロ−2−ナフトールを簡便にして且つ高純度で得ることができるという格別の効果を奏する。
【0018】
【実施例】
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
【0019】
実施例1
300mLのオートクレーブにイソプロパノール150ml、2−ナフトール43.3g(0.30モル)、R−Ni触媒(Ni含量45%)30.3gをそれぞれ仕込み、オートクレーブを密封する。水素ガスを980kPa(10kg/cm2-G)まで吹き込み、125℃まで昇温する。昇温後、更に1470kPa(15kg/cm2-G)まで加圧し、8時間同温度で反応させる。30℃まで冷却した後、オートクレーブを開封し、触媒を除去し、反応液155.9g(デカヒドロ−2−ナフトール濃度24.4重量%)を得る。70℃、減圧下(約4kPa)でイソプロパノールを留去させ、濃縮液69.0g(デカヒドロ−2−ナフトール濃度55.0重量%)を得る。5℃まで冷却し、同温度で濾過後、20mlのテトラヒドロフランで洗浄し、乾燥することによって10.67gのシス、シス−デカヒドロ−2−ナフトールを白色結晶で得る。(純度:99.8%、収率:23.0%)
13C−NMR(75MHz、CDCl3);ppm 21.02、25.83、26.65、29.96、30.48、31.70、34.66、34.87、35.50、71.65、76.57、77.00、77.42
融点;104.6℃
【0020】
実施例2
300mLのオートクレーブにイソプロパノール160ml、2−ナフトール35.8g(0.248モル)、R−Ni触媒14.3gをそれぞれ仕込み、オートクレーブを密封する。水素ガスを490kPa(5kg/cm2-G)まで吹き込み、140℃まで昇温する。昇温後、8時間同温度で反応させる。30℃まで冷却した後、オートクレーブを開封し、触媒を除去し、反応液153.7g(デカヒドロ−2−ナフトール濃度18.2重量%)を得る。70℃、減圧下(約4kPa)でイソプロパノールを留去させ、濃縮液41.0g(デカヒドロ−2−ナフトール濃度68.1重量%)を得る。一旦50℃まで冷却したところで、25mlの酢酸エチルを徐々に加え、更に15℃まで冷却し結晶を析出させる。同温度で濾過後、20mlの酢酸エチルで洗浄し、乾燥することによって9.40gのシス、シス−デカヒドロ−2−ナフトールを白色結晶で得る。(純度:99.3%、収率:24.4%)
【0021】
実施例3
500mLのオートクレーブにイソプロパノール224ml、2−ナフトール40.38g(0.28モル)、R−Ni触媒16.2gをそれぞれ仕込み、オートクレーブを密封する。水素ガスを1176kPa(12kg/cm2-G)まで吹き込み、110℃まで昇温する。昇温後、10時間同温度で反応させる。30℃まで冷却した後、オートクレーブを開封し、触媒を除去し、反応液212g(デカヒドロ−2−ナフトール濃度16.9重量%)を得る。70℃、減圧下(約4kPa)でイソプロパノールを留去させ、濃縮液56.7g(デカヒドロ−2−ナフトール濃度63.2重量%)を得る。20℃まで冷却し、15mlのn−ヘプタンを徐々に加え、結晶を析出させる。同温度で濾過後、15mlのn−ヘプタンで洗浄し、乾燥することによって10.88gのシス、シス−デカヒドロ−2−ナフトールを白色結晶で得る。(純度:99.7%、収率:25.1%)
【0022】
実施例4
100mLのオートクレーブにイソプロパノール65ml、2−ナフトール21.2g(0.147モル)、R−Ni触媒10.6gをそれぞれ仕込み、オートクレーブを密封する。水素ガスを490kPa(5kg/cm2-G)まで吹き込み、120℃まで昇温する。昇温後、更に784kPa(8kg/cm2-G)まで加圧し、9時間同温度で反応させる。30℃まで冷却した後、オートクレーブを開封し、触媒を除去し、反応液88.0g(デカヒドロ−2−ナフトール濃度20.6重量%)を得る。70℃、減圧下(約4kPa)でイソプロパノールを留去させ、濃縮液22.5g(デカヒドロ−2−ナフトール濃度80.7重量%)を得る。20℃まで冷却し、同温度で濾過後、10mlのn−ヘプタンで洗浄し、乾燥することによって6.10gのシス、シス−デカヒドロ−2−ナフトールを白色結晶で得る。(純度:99.5%、収率:26.7%)
【0023】
実施例5
500mLのオートクレーブにイソプロパノール255ml、2−ナフトール43.26g(0.30モル)、R−Ni触媒21.6gをそれぞれ仕込み、オートクレーブを密封する。水素ガスを1470kPa(15kg/cm2-G)まで吹き込み、160℃まで昇温する。昇温後、更に2450kPa(25kg/cm2-G)まで加圧し、6時間同温度で反応させる。30℃まで冷却した後、オートクレーブを開封し、触媒を除去し、反応液233.2g(デカヒドロ−2−ナフトール濃度14.1重量%)を得る。70℃、減圧下(約4kPa)でイソプロパノールを留去させ、濃縮液45.2g(デカヒドロ−2−ナフトール濃度72.6重量%)を得る。−10℃まで冷却し、同温度で濾過後、10mlのn−ヘプタンで洗浄し、乾燥することによって8.31gのシス、シス−デカヒドロ−2−ナフトールを白色結晶で得る。(純度:99.2%、収率:17.8%)

Claims (7)

  1. 2−ナフトールを、イソプロパノール溶媒中、ラネーニッケル触媒存在下で接触還元を行い、反応終了後、触媒を除去、溶媒を留去し、シス、シス−デカヒドロ−2−ナフトールの結晶を析出させ、析出した結晶を採取し、乾燥することによって、高純度のシス、シス−デカヒドロ−2−ナフトールを得ることを特徴とするシス、シス−デカヒドロ−2−ナフトールの製造方法。
  2. イソプロパノールの使用量が350〜1000ml/モル(原料2−ナフトール 1モルに対して)であることを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. ラネーニッケル触媒の使用量が2−ナフトールに対して40〜110重量%であることを特徴とする請求項1又は2記載の方法。
  4. 水素の吹き込み圧力が490〜2940kPa(Gauge)であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の方法。
  5. 反応温度が110〜160℃であることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の方法。
  6. イソプロパノールの濃縮を反応溶液におけるデカヒドロ−2−ナフトールの濃度が55〜85重量%になるまで行うことを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の方法。
  7. 結晶化の温度が−10〜30℃であることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の方法。
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