JP4255459B2 - 基板洗浄装置および基板洗浄方法 - Google Patents
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Description
そこで、本発明の目的は、上述の技術的課題を解決し、基板表面の微細なパーティクルを十分に除去し、基板表面の洗浄力を向上させることが可能な基板洗浄装置および基板洗浄方法を提供することにある。
請求項3に係る発明は、請求項1に記載の基板洗浄装置において、上記ノズルの先端部は、振動面の外部領域に設けられていることを特徴とする基板洗浄装置である。
請求項4に係る発明は、請求項3に記載の基板洗浄装置において、ノズルの先端部から基板の回転軸までの距離は、振動面の少なくとも一部から基板の回転軸までの距離よりも小さいことを特徴とする基板洗浄装置である。
請求項8に係る発明は、請求項7に記載の基板洗浄装置において、上記移動手段は、少なくとも、上記基板対向面が基板の回転軸と交差する位置と、上記基板対向面が基板の外周と交差する位置との間で、上記超音波洗浄部材を移動させるものであることを特徴とする基板洗浄装置である。
請求項10に係る発明は、基板に垂直な回転軸を中心として基板を回転させる基板回転工程と、この基板回転工程で回転させられている基板表面とこの基板表面に対向する基板対向面との間に、基板対向面内に先端部を有するノズルが洗浄液を供給する洗浄液供給工程と、この洗浄液供給工程で供給された洗浄液に対して、基板対向面内に設けられた振動面が超音波振動を付与することで、基板表面を超音波洗浄する超音波洗浄工程と、上記基板対向面、ノズルおよび振動面を有する超音波洗浄部材に対して基板表面に向かう力を付与手段から付与する一方で、上記ノズルから供給される洗浄液の流量または圧力を洗浄液調整手段によって調整することにより、上記基板対向面と基板表面との間隔を所定の間隔に設定する間隔設定工程と、を備えることを特徴とする基板洗浄方法である。
ここで、この間隙空間内に満たされた洗浄液は、大気に曝されることがなく、気泡等の空気の混入されることがない。したがって、このように間隙空間に満たされた状態にある洗浄液は、超音波振動が付与されると効率良く超音波振動エネルギーを伝達されるので、基板表面の微細なパーティクルを十分に除去し、基板表面の洗浄力を向上させることができる。
さらに、ここでいう「基板対向面」とは、基板表面に対向するような面であればよく、基板表面に平行な面であっても平行でない面であってもよい。また、基板対向面は、平面に限らず、曲面であってもよく、凸部や凹部を有する面であってもよい。
また、この発明では、間隔設定手段によって、基板対向間隔を適切な間隔に設定すれば、間隙空間に洗浄液を満たすことができる。たとえば、この間隔設定手段は、基板表面を洗浄する時には、超音波洗浄部材の基板対向面を基板表面に近接させ、基板表面を洗浄しない時、たとえば、基板搬送時などには、超音波洗浄部材の基板対向面を基板表面から離間させるものであってもよい。また、たとえば、基板対向間隔を微調整するようなものであってもよい。
さらに、この発明においては、間隔設定手段は、超音波洗浄部材に対して基板表面に向かう力を付与しつつ、ノズルから供給される洗浄液の流量または圧力を調整することによって、基板対向間隔を設定するものである。すなわち、超音波洗浄部材を基板表面に向けて押しつけようとする力と、間隙空間への洗浄液の供給流量または圧力による反発力との均衡をとることで、基板対向間隔を調整する。
この場合、洗浄液の供給流量または圧力を調整するだけで基板対向間隔を容易かつ精密に調整できる。さらには、基板対向間隔が大きくなって、間隙空間の洗浄液に空気の層あるいは気泡が入り込もうとすると、付与手段からの力が作用して、自動的に基板対向間隔が小さくなる方向に戻り、また、基板対向間隔が小さくなって、超音波洗浄部材の基板対向面が基板表面に接触しようとすると、洗浄液調整手段によって調整された洗浄液の流量や圧力が作用して、自動的に基板対向間隔が大きくなる方向に戻る。したがって、いずれの場合であっても、基板対向間隔を自動的に最適間隔に調整できる。
なお、付与手段とは、たとえば、超音波洗浄部材を基板表面に向かう方向に弾性力を加えるための、弾性を有するバネ、ベローズおよびゴムなどの弾性体であってもよいし、所定の空気圧で加圧されたシリンダー室を有するシリンダーであってもよい。また、洗浄液調整手段とは、たとえば、洗浄液を供給するノズルに接続された配管に介装された流量調整弁または圧力調整弁であってもよい。
請求項2に係る発明の基板洗浄装置によると、ノズルの先端部は、振動面の内部領域に設けられている。すなわち、基板対向面内において、ノズルの先端部は振動面に取り囲まれた状態となっている。ここで、基板表面と基板対向面との間隔(以下、基板対向間隔という)、洗浄液の流量または圧力、および基板の回転速度などの関係が適切である場合は、間隙空間内に洗浄液が満たされた状態となる。しかしながら、そうでない場合は、ノズルの先端部から供給された洗浄液は、基板の回転にともなう遠心力および回転力を受けて、基板の回転軸から離れる方向、および基板の回転方向の下流側に向かって流れようとするため、間隙空間の一部が洗浄液に満たされない場合も考えられる。
請求項3に係る発明の基板洗浄装置によると、ノズルの先端部は、振動面の外部領域に設けられている。すなわち、基板対向面内において、ノズルの先端部は振動面から外れた位置にある。この場合、請求項2のように、ノズルの先端部が振動面に取り囲まれた状態となっている場合に比べ、振動面の構造を簡単にできる。
また、上記移動手段が基板の回転軸から離れる方向に超音波洗浄部材を移動させる場合には、上記間隔設定手段は基板対向面と基板表面との間隔を第1の間隔に設定し、逆に、上記移動手段が基板の回転軸に近づく方向に超音波洗浄部材を移動させる場合には、上記間隔設定手段は基板対向面と基板表面との間隔を上記第1の間隔よりも大きい第2の間隔に設定するようにしてもよい。この場合、超音波洗浄部材が基板の回転軸から離れるように移動している場合は、基板対向間隔を小さくして基板表面を超音波洗浄し、超音波洗浄部材が基板の回転軸に近づくように移動している場合は、基板対向間隔を大きくして基板表面の洗浄を行わないようにできる。すなわち、超音波洗浄部材の移動は、常に基板の内方から外方に向かう方向、すなわち、ほぼ基板表面の洗浄液にかかる遠心力の方向で行われることになる。このため、洗浄液の流れが円滑になるので洗浄液の滞留も少なく、また、基板表面のパーティクルを効率的に基板外方に掃き出すことができ、洗浄液の置換効率を向上させるので、基板表面の洗浄力をさらに向上させることができる。
また、間隔設定手段によって、基板対向間隔を適切な間隔に設定すれば、間隙空間に洗浄液を満たすことができるという効果を奏する。さらにまた、洗浄液の供給流量または圧力を調整するだけで基板対向間隔を容易かつ精密に調整でき、さらには、基板対向間隔を自動的に最適間隔に調整できるという効果を奏する。
請求項3に係る発明の基板洗浄装置によると、ノズルの先端部が振動面に取り囲まれた状態となっている場合に比べ、振動面の構造を簡単にできるという効果を奏する。
請求項5に係る発明の基板洗浄装置によると、ノズルの先端部から供給された洗浄液は、基板の回転による回転力によって、下流側の振動面のある方向に導かれるため、確実に洗浄液に超音波振動を付与でき、したがって、基板表面の洗浄力を確実に向上させることができるという効果を奏する。
請求項9に係る発明の基板洗浄装置によると、基板の回転軸近傍に洗浄液を供給し、その部分の乾燥を防止するので、ゴミやスラリーなどのパーティクルが基板表面に固着してしまうことを防止できるという効果を奏する。
図1は、本発明の一実施形態に係る基板洗浄装置の主要部の構成を簡略的に示す斜視図である。なお、この基板洗浄装置は、CMP処理後のウエハの両面をスクラブ洗浄して、比較的大きなパーティクルを除去した後に、ウエハWの上面Wa(薄膜形成面)を再度スクラブ洗浄し超音波洗浄して比較的微細なパーティクルを除去する装置である。また、この基板洗浄装置に対するウエハの搬出または搬入は、ウエハWの下面Wb(薄膜形成面とは反対側の面)を吸着保持するハンド(図1に2点鎖線で示すH)を有するウエハ搬送ロボット等によって適宜行われている。
次に、昇降駆動源25によって経路A4に沿って揺動アーム22が下降されて、超音波洗浄ヘッド21がウエハの中心O付近のウエハ上面Waに近接される。その後、上述のように経路A1,A2,A3,A4の順に超音波洗浄ヘッド21が移動および昇降する動作が複数回繰り返されて、超音波洗浄が行われる(超音波洗浄工程)。なお、この超音波洗浄工程と同時に、あるいは超音波洗浄工程に前後して、ブラシ洗浄機構20によるスクラブ洗浄が行われる。
そして、第1の間隔D1は、十分に間隙空間Kが洗浄液で満たされる間隔であればよく、通常3mm以下、好ましくは1〜2mm程度に設定される。なお、この一実施形態においては、この基板対向間隔Dの設定は、昇降駆動源25によって行われており、上述の図1の説明で示したように、昇降駆動源25によって、基板対向間隔Dは第1の間隔D1と第2の間隔D2との2つの間隔に設定される。
弾性力付与機構50は、下端に超音波洗浄ヘッド21がボルト等によって固定されて揺動アーム22を挿通する円柱状の軸51と、揺動アーム22の内部に設けられて軸51を上下方向にのみ移動可能に保持する一対の軸受け52,52と、揺動アーム22と超音波洗浄ヘッド21との間の軸51の周囲に設けられて弾性を有する樹脂、たとえば、4ふっ化テフロン(poly tetra fluoro ethylene)などのフッ素樹脂からなるベローズ53とからなっている。
また、上述した一実施形態において、基板対向面WFは、ウエハ上面Waとほぼ平行に対向する平面であるが、これに限らず、ウエハ上面Waに対して傾斜して対向する平面であってもよいし、ウエハ上面Waに対して突出したり凹んだりした曲面であってもよい。また、基板対向面WFの表面に、凸部や凹部があってもよい。
また、上述した一実施形態において、超音波洗浄ヘッド21の本体部211やベローズ53などの材質はフッ素樹脂としているが、洗浄液に対する耐液性を有し、機械的強度が十分であるものであれば何でもよい。たとえば、洗浄液が純水である場合には、塩化ビニルやアクリルなどの樹脂、またはステンレスやアルミニウムなどの金属等の材質としてもよい。また、洗浄液が薬液である場合には、その薬液の種類によって異なるが、主に、フッ素樹脂や塩化ビニル等の樹脂が適用される。
あるいは、ウエハ回転機構10は、ウエハWの周縁部の端面に当接しつつウエハの回転軸Rに平行な軸を中心に回転する少なくとも3つのローラピンのようなものであってもよい。このローラピンを用いたウエハ回転機構10は、特に、ウエハWの両面を超音波洗浄する場合に有効であり、超音波洗浄ヘッド21をウエハWを挟む位置に配置すれば、ウエハ両面(WaおよびWb)の全域を良好に超音波洗浄できる。なお、この場合、ウエハ下面Wbを洗浄する超音波洗浄ヘッド21は、その基板対向面WFが上方に向いてしまうが、このような場合には、たとえば、基板対向面WFの外周を、基板対向面WFから突出する堰部材で取り囲むようにすれば、基板対向面WF上の堰部材の内部に、洗浄液が所定量だけ一時的に保持される。このため、間隙空間K内に洗浄液を容易に満たすことができ、洗浄液に対して十分な超音波振動を付与することができる。
さらに、上述した一実施形態においては、半導体ウエハWを洗浄する場合について説明しているが、本発明は、液晶表示装置用ガラス基板、PDP(プラズマ・ディスプレイ・パネル)基板、あるいは、磁気ディスク用のガラス基板やセラミック基板などのような他の各種の基板の洗浄に対して広く適用することができる。また、その基板の形状についても、上述した一実施形態の円形基板の他、正方形や長方形の角型基板に対しても、本発明を適用することができる。
11 スピン軸
12 スピンチャック
20 超音波洗浄機構
21 超音波洗浄ヘッド(超音波洗浄部材)
211 本体部
212 振動板
213 振動子
214 超音波発振器
22 揺動アーム
23 アーム軸
24 揺動駆動源(移動手段の一部)
24t 揺動伝達機構(移動手段の一部)
25 昇降駆動源(間隔設定手段の一部)
25t 昇降伝達機構(間隔設定手段の一部)
30 ブラシ洗浄機構
40 補助液供給機構(補助洗浄液供給手段)
41 補助液供給ノズル
42 補助液配管
43 洗浄液供給源
44 バルブ
50 弾性力付与機構(付与手段、間隔設定手段の一部)
51 軸
51a 抜け止め部
52 軸受け
53 ベローズ
60 洗浄液調整機構(洗浄液調整手段、間隔設定手段の一部)
61 流量調整弁
62 圧力調整弁
A1,A2,A3,A4 基板対向面の経路
D 基板対向間隔
D1 第1の間隔
D2 第2の間隔
F ウエハの回転方向(基板の回転方向)
K 間隙空間
N ノズル
NS ノズルの先端部
NH ノズル配管
NV バルブ
O ウエハの中心
R ウエハの回転軸(基板の回転軸)
VF 振動面
VFa 振動面のうちのウエハの外周部に最も近い部分(振動面の少なくとも一部)
VFb 振動面のうちのウエハの回転方向に関して最も下流側の部分(振動面の少なくとも一部)
W ウエハ(基板)
Wa ウエハ上面
Wb ウエハ下面
WF 基板対向面
WF1 基板対向面がウエハの回転軸と交差する位置(基板対向面が基板の回転軸と交差する位置)
WF2 ウエハの外方位置
WF3 基板対向面がウエハの外周と交差する位置(基板対向面が基板の外周と交差する位置)
Claims (10)
- 基板に垂直な回転軸を中心として所定の回転方向に基板を回転させる基板回転手段と、
この基板回転手段によって回転される基板表面に対向可能に設けられた基板対向面、この基板対向面内に先端部が配置されて基板と基板対向面との間に洗浄液を供給するノズル、および、基板対向面内に設けられてノズルから基板と基板対向面との間に供給された洗浄液に超音波振動を付与する振動面を有する超音波洗浄部材と、
上記基板対向面と基板表面との間隔を所定の間隔に設定可能な間隔設定手段と、
を備え、
上記間隔設定手段は、超音波洗浄部材に対して基板表面に向かう力を付与する付与手段と、上記ノズルから供給される洗浄液の流量または圧力を調整する洗浄液調整手段と、を含む
ことを特徴とする基板洗浄装置。 - 上記ノズルの先端部は、振動面の内部領域に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の基板洗浄装置。
- 上記ノズルの先端部は、振動面の外部領域に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の基板洗浄装置。
- ノズルの先端部から基板の回転軸までの距離は、振動面の少なくとも一部から基板の回転軸までの距離よりも小さいことを特徴とする請求項3に記載の基板洗浄装置。
- ノズルの先端部は、基板の回転方向に関して、振動面の少なくとも一部よりも上流側に配置されていることを特徴とする請求項3または4に記載の基板洗浄装置。
- 上記間隔設定手段は、基板と基板対向面とが最も近接している部分の間隔を3mm以下に設定可能であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の基板洗浄装置。
- 上記基板回転手段によって回転される基板表面に沿って上記超音波洗浄部材を移動させる移動手段をさらに備えることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の基板洗浄装置。
- 上記移動手段は、少なくとも、上記基板対向面が基板の回転軸と交差する位置と、上記基板対向面が基板の外周と交差する位置との間で、上記超音波洗浄部材を移動させるものであることを特徴とする請求項7に記載の基板洗浄装置。
- 上記超音波洗浄部材とは別に備えられ、基板表面の回転軸近傍部に向けて洗浄液を供給する補助洗浄液供給手段をさらに備えることを特徴とする請求項7または8に記載の基板洗浄装置。
- 基板に垂直な回転軸を中心として基板を回転させる基板回転工程と、
この基板回転工程で回転させられている基板表面とこの基板表面に対向する基板対向面との間に、基板対向面内に先端部を有するノズルが洗浄液を供給する洗浄液供給工程と、
この洗浄液供給工程で供給された洗浄液に対して、基板対向面内に設けられた振動面が超音波振動を付与することで、基板表面を超音波洗浄する超音波洗浄工程と、
上記基板対向面、ノズルおよび振動面を有する超音波洗浄部材に対して基板表面に向かう力を付与手段から付与する一方で、上記ノズルから供給される洗浄液の流量または圧力を洗浄液調整手段によって調整することにより、上記基板対向面と基板表面との間隔を所定の間隔に設定する間隔設定工程と、
を備えることを特徴とする基板洗浄方法。
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