JP4254687B2 - 車両懸架装置 - Google Patents

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Description

本発明は、一般に車両懸架装置に関し、特に電磁サスペンションと流体バネ装置の両方を備えた車両懸架装置に関する。
路面を走行する車輪から車体に伝達される衝撃を緩和する様々なタイプの車両懸架装置が従来から数多く開発されている。なかでも、アブソーバの機能を電磁アクチュエータに置き換えた電磁サスペンションが知られており、例えば、特許文献1には、電磁サスペンションとエアバネとを組み合わせた車両用電気動力付能動懸架装置が開示されている。また、スプリングとダンパからなるサスペンション装置に車高調整装置を付加することも知られている(例えば、特許文献2および3を参照)。
特開平2−120113号公報 特開平11−108100号公報 特開平06−346941号公報
上記特許文献2のようなモータ駆動式の車高調整装置では、車体の重量を保持するために常にモータに駆動電流を供給する必要があるため、消費電力が大きいという問題がある。これに対し、空気バネ式の車高調整装置では、一旦空気を供給した後は電力消費がないが、車高調整時の応答性が低いという問題がある。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、電磁サスペンションと流体バネ装置をともに備える車両懸架装置において、車高の調整を迅速に達成できる技術を提供することにある。
本発明のある態様は、車両懸架装置に関する。この装置は、車両のバネ上とバネ下の間に介装され流体を供給または排出することにより容積を増減させて車高を調整可能に構成された流体バネと、電動アクチュエータと、前記流体バネと並列的に配置され前記電動アクチュエータによって伸縮制御される伸縮部材と、を有し、車両のバネ上とバネ下の間に減衰力を発生させる電動減衰手段と、前記流体バネと前記電動減衰手段とを協働させて車高を調整する車高調整手段と、を備える。
ここで、「流体バネ」とは、エアバネや油圧バネのように、密閉空間に流体を満たすことにより弾性力を発揮させるものをいう。「電動アクチュエータ」とは、回転モータ、リニアモータ、ソレノイドなどを含む。この態様によれば、車高の調整時に流体バネと電動減衰手段とを同時に作動させるようにしたので、流体バネまたは電動減衰手段の一方のみを作動させる従来の車高調整装置よりも、目標車高に迅速に到達することができる。
車高調整手段は、流体バネによる車高の調整の際に、車高の調整方向へ伸縮部材を伸縮させるように電動アクチュエータを駆動するようにしてもよい。これによれば、応答性に劣る流体バネの車高調整方向、つまり、車体の上昇方向または下降方向に向けて、応答性の高い電動アクチュエータにより伸縮部材を変位させるので、車高調整を迅速に実行することができる。
車高調整手段は、流体バネによる車高の調整の際に、流体バネの分担可能な重量が増加するのに応じて電動アクチュエータの駆動力を減少させるようにしてもよい。このようにすれば、車高の調整が終了した後に、電動アクチュエータの発揮する車体保持のための駆動力を低減できるので、電動アクチュエータにおける消費電力を低減することができる。
車高の調整中、電動アクチュエータへの電力供給回路を切断する切断手段をさらに備えてもよい。こうすれば、電動アクチュエータの回生電力による抵抗がなくなるので、流体バネによる車高調整を妨げることがなく、円滑に車高を調整することができる。例えば、バッテリの電圧低下などのために電動アクチュエータを駆動することが好ましくないときなどに、上記のような切断手段を備えれば有利である。
車高の調整終了後に、前記電動アクチュエータの電力供給路を短絡させる短絡手段をさらに備えてもよい。こうすれば、電磁サスペンションの伸縮が制限されるので、例えば、乗降時の車体の揺れを軽減することができる。
本発明による車両懸架装置によれば、車高の調整時に、流体バネと電動減衰手段とを同時に作動させるようにしたので、目標車高に迅速に到達することができる。
図1は、本実施形態に係る車両懸架装置を備えた四輪の車両10の模式図である。なお、図1では、説明を簡単にするために車両懸架装置を平面的に表しているが、実際の車両においては、車両懸架装置の機能を発揮するために適切な空間配置で、例えばナックル、タイロッド、アッパーアーム、ロアアームなどの他の部品と既知の方法で組み合わせて構成される。
車両10の車体12と各車輪14の間には、エアバネ16と電磁サスペンション18を組み合わせて構成される車両懸架装置が装着されている。エアバネ16は、電磁サスペンション18の駆動源であるモータを取り囲むように形成されたエアチャンバに圧縮空気を充填することで実現される。エアチャンバ内の圧縮空気がバネとして作用し、車輪14を弾性支持することによって、車輪14の衝撃が車体12に直接的に伝達されることを防止する。また、エアバネ16のエアチャンバの容積を変化させることで、車輪14毎に車高を調整することができる。電磁サスペンション18は、駆動源であるモータとこのモータにより伸縮される伸縮部材を直列に配置して構成される。電磁サスペンション18は、モータの力制御により車両のバネ上とバネ下の間に減衰力を発生させる。なお、本明細書において、エアバネ16により支えられる部材の位置を「バネ上」と呼び、エアバネ16により支えられていない部材の位置を「バネ下」と呼ぶ。すなわち、バネ上は車体12側であり、バネ下は車輪14側である。
エアバネ16と電磁サスペンション18とは、一体的に構成されることが省スペースの観点から好ましいが、別々に設けられていてもよい。このエアバネ16と電磁サスペンション18の詳細な構成については、図2を参照して後述する。
各車輪14の近傍には、車輪位置での車高を検出する車高センサ104がそれぞれ配置されている。この車高センサ104は、例えば、車軸と車体とを連結したリンクの変位を測定することで、車体12と車輪14との相対距離を検出するタイプのものである。車高センサ104の検出信号は、車体12に備えられる電子制御装置100(以下「ECU100」と表記する)に送られる。
車体12には、エアバネ16のエアチャンバ内の空気圧を検出するための空気圧センサ106が車輪毎に設けられている。この空気圧センサ106は、例えば、エアチャンバに連通した通路内に設けた薄膜の変位を電気的に検出して空気圧を測定するタイプのものである。空気圧センサ106の検出信号は、ECU100に送られる。
エアバネ16のエアチャンバは、空気供給ライン190と連通している。空気供給ライン190の途中には、各車輪14に対応してそれぞれ空気圧制御バルブ140が設けられている。この空気圧制御バルブ140は、ECU100と電気的に接続されており、ECU100からの信号に応じて開弁状態と閉弁状態とに切り換えることができる。これによって、空気供給ライン190を介してエアバネ16のエアチャンバ内部に空気を供給し、また内部から空気を排出することができる。
車体12には、空気供給ライン190に圧縮空気を供給するためのコンプレッサ160が備えられている。モータ162は、コンプレッサ160に動力を供給する。モータ162が回転すると、空気吸入口164を介して外部から空気が取り込まれ、コンプレッサ160により圧縮される。圧縮された空気は、ドライヤ174に流入する。ドライヤ174は、シリカゲル等の乾燥剤を収容しており、流入した空気を乾燥して空気供給ライン190に供給する。
車体12には、コンプレッサ160から供給される圧縮空気を蓄えることのできる高圧タンク166と、高圧タンクへの空気の流出入を制御する高圧タンクバルブ168が設けられていてもよい。高圧タンク166は、コンプレッサ160から圧縮空気を送り込むことで、例えば700〜800kPaに維持されている。高圧タンク166とコンプレッサ160の両方から圧縮空気を空気供給ライン190に供給することで、エアバネの増圧時の応答性を向上させることができる。したがって、コンプレッサ160の能力が十分であれば、高圧タンク166を車体12に備えていなくてもよい。
ドライヤ174から供給された空気は、逆止弁178を経由して、エアチャンバに連通する空気供給ライン190に流入する。逆止弁178は、コンプレッサ160側から空気が供給されると開放して、空気供給ライン190に空気を流すが、空気供給ライン190側から空気が流れると閉弁する。この逆止弁178をバイパスするように、絞り176が設けられている。空気供給ライン190からの空気は、絞り176に流入して、流速を低下させられてからドライヤ174に流入する。こうすることによって、ドライヤ174のシリカゲルに吸収された水分を還元することができる。ドライヤ174を通過した空気は、排気バルブ170を介してサイレンサ172から車外に放出される。
車体12の車室内には、運転者のスイッチ操作により予め定義されている車高のなかからひとつの車高を選択できる車高選択装置(図示せず)が備えられていてもよい。これによって、運転者の嗜好に合った走行を実現することができる。この車高選択装置のスイッチ情報もECU100に入力される。
車体12には、車両の運動状態や各種装置の動作状態を検出するためのセンサ102が設置されている。このセンサ102は集合的に表されており、具体的には、車両の上下加速度、前後加速度、横加速度等の加速度を検出する加速度センサ、バッテリの残量を知るための電圧センサ、車両10の車速を検出する車速センサ、車両10の舵角を検出する舵角センサ、イグニッションキーのオン/オフを検出するイグニッションセンサが含まれる。
ECU100は、各車輪の電磁サスペンション18およびエアバネ16の制御を実行する。ECU100は、電磁サスペンション18のモータに電力を供給する図示しないアンプと通信可能に接続されており、各種センサからの情報に基づいて、車体を安定させるべく適切な減衰力を発揮するように電磁サスペンション18を制御する。
ECU100は、空気圧制御バルブ140、排気バルブ170、高圧タンクバルブ168、コンプレッサ160を駆動するモータ162と電気的に接続されている。ECU100は、上述した各種センサおよびスイッチからの信号に基づいて、上記制御バルブおよびモータ162に適宜制御信号を出力して、適切な弾性力を発揮するようにエアバネ16を制御する。
図2は、電磁サスペンション18とエアバネ16の構造をより詳細に示す図である。本実施形態では、電磁サスペンション18とエアバネ16とは一体的に構成されている。電磁サスペンションの駆動源であるモータ22の出力軸36は、ボールネジ44と一体的に構成されている。出力軸36とボールネジ44とは、カップリングを介して同軸に結合されていてもよい。出力軸36は、ロッド42内部においてベアリング40によって回動可能に支持されている。
ボールネジ44、ロッド42、アウターシェル50およびピストン78は、同軸に配置されている。ボールネジ44は、ボール通路を内部に形成してなるボールネジナット46と、このボール通路内を循環する複数個のボール48を挟んでボールネジ機構を形成している。ボール48がボールネジ44およびボールネジナット46の間で転動接触することにより、直動運動と回転運動が相互に高効率で変換される。
ボールネジナット46は、ピストン78の上部と接続固定されており、ピストン78はアウターシェル50と同軸に接続されている。アウターシェル50は、ベアリング56および58によってロッド42の外周に対して摺動可能に支持されている。
モータ22が、図示しないバッテリから供給される電力によって出力軸36を回転させると、ボールネジ44がボールネジナット46に対して相対回転する。すると、ボールネジナット46にピストン78を介して接続されているアウターシェル50が、ロッド42に対して下方に押し下げられ、又は上方に引き上げられる。これによって、アウターシェル50はロッド42に対して伸縮移動可能となり、モータ22により制御される伸縮部材として機能する。
アウターシェル50は、ロッド42との間に配置されたダストシール76を有している。ダストシール76は、アウターシェル50とロッド42の間をシールして、アウターシェル50内へのゴミなどの異物の侵入を防止している。
アウターシェル50の下部には第2取り付け部60が設けられる。第2取り付け部60は、車輪14から延びる図示しないロアアームに取り付けられる箇所であり、車両懸架装置と車輪14とを連結する役割を果たす。
なお、本実施形態では、ボールネジ44が車両のバネ上に、ボールネジナット46が車両のバネ下に設けられる例について説明するが、逆に、ボールネジ44が車両のバネ下に、ボールネジナット46が車両のバネ上に設けられてもよい。
電磁サスペンション18は、以下のように作動する。モータ22に駆動電流が与えられると、アウターシェル50は能動的に伸縮作動して減衰力を発生させる。路面の凹凸などの外部入力によって車輪が上下動する場合、ロッド42とアウターシェル50との相対運動によりエアバネ16が伸縮する。これによって、ボールネジ44がボールネジナット46に対して相対回転すると、出力軸36が回転してモータ22は発電機として作用する。このときにモータ22に生じる抵抗力によっても減衰力を発生させることもできる。また、ECU100は、車体の上下方向の加速度に応じてモータ22に印加する電流を設定し、減衰力を調整する。このようにして、電磁サスペンション18は、所望の減衰力を発生させ、エアバネ16による車体12の上下振動を減衰させる。
また、外部入力のないときでも、ボールネジ44を回転させて、ロッド42に対するアウターシェル50の位置を変えることで、車体を上下方向に変位させることができるので、電磁サスペンション18は、車高調整にも利用することができる。
エアバネ16は、電磁サスペンション18に対して並列に配置されており、車両10のバネ上の重量を支持するとともに、その弾性力によって路面からの振動や衝撃が車輪14を通して車体12に伝わるのを抑制する。
エアバネ16は、主に、第1取り付け部66と、ダイヤフラム64と、カバー62から構成される。第1取り付け部66は、車体12に取り付けられる部分であり、エアバネ16および電磁サスペンション18と車体12を連結する。ダイヤフラム64は、図2に示すように「J」字型の断面形状をしており、モータ22、ロッド42およびアウターシェル50を環状に取り囲むように取り付けられる。ダイヤフラム64の一端は、アウターシェル50の外周に固定された円錐状のカバー62に取り付けられ、他端は、第1取り付け部66の下端に取り付けられる。ダイヤフラム64、カバー62、アウターシェル50および第1取り付け部66によって、電磁サスペンション18の周囲に空気が充填される空間であるエアチャンバ72を形成している。
第1取り付け部66には、空気供給ライン190とエアチャンバ72の間を連通する空気孔70が空けられており、この空気孔70を通して空気が供給または排出される。
第1取り付け部66の下面と、電磁サスペンション18のモータ22の上面とは、緩衝材68を介して接続されている。電磁サスペンション18のボールネジ機構は、摩擦力が十分に低くなるように作られているため、第1取り付け部66とともにモータ22が上下動すると、これに追従して、ロッド42に対するアウターシェル50の相対位置が変化するようになっている。
ここで、エアバネ16の車高調整時の動作について説明する。空気孔70からエアチャンバ72内に圧縮空気が供給されエアチャンバ72の空気圧が上昇すると、第1取り付け部66のエアチャンバ72に面する下面が押し上げられる。これによって車体12の車高が上昇する。逆に、空気孔70からエアチャンバ72内の空気が排出されエアチャンバ72の空気圧が低下すると、車体12の重量により第1取り付け部66が低下させられて、これによって車体12の車高が減少する。
図3は、ECU100のうち、車高調整に関与する部分の構成を示す機能ブロック図である。ここに示す各ブロックは、ハードウェア的には、コンピュータのCPUやメモリをはじめとする素子や回路で実現でき、ソフトウェア的にはコンピュータプログラム等によって実現されるが、ここでは、それらの連携によって実現される機能ブロックとして描いている。したがって、これらの機能ブロックはハードウェア、ソフトウェアの組合せによっていろいろなかたちで実現できることは、当業者には理解されるところである。なお、ECU100は、他の車両制御を実行するECUと一体に構成されていてもよいし、別々の装置として設けられていてもよい。
車高設定部110は、車両10の走行状態、路面状況、運転者の嗜好に合わせて、車両の車高を設定する。具体的には、上述の車高調整装置により運転者が車高を選択した場合には、その車高に設定する。車高が選択されていない場合は、路面状況や車速に応じて車高を決定する。例えば、路面の凹凸が大きく車両の振動が大きい場合には、路面と車体下面との接触を防止すべく車高を高く設定する。高速走行中には、車両の走行安定性を確保すべく車高を低く設定する。
分担判定部112は、車高設定部110で決定された車高にするために、エアバネ16と電磁サスペンション18の両方とも使用するか、またはエアバネ16のみを使用するかを決定する。分担判定部112には、車高センサ104からの情報も入力され、所望の車高になったときに車高の調整を停止させる。
モータ制御部114は、分担判定部112からの指令にしたがって、電磁サスペンション18のモータを駆動する。一例では、車高調整を迅速に達成するために、モータ22の最大駆動力を出すようにモータ22を制御する。
空気圧制御部116は、エアバネ16のエアチャンバ72の空気圧を制御する。増圧時には、コンプレッサ160のモータ162を駆動し、空気圧制御バルブ140と168を開弁して、コンプレッサ160と高圧タンク166からの高圧空気を、ドライヤ174、逆止弁178、空気供給ライン190を介してエアチャンバ72に導く。減圧時には、空気圧制御バルブ140と170を開弁して、エアチャンバ72の空気を空気供給ライン190、絞り176、ドライヤ174およびサイレンサ172を介して車体の外に排出する。
設定された車高に到達すると、分担判定部112は、エアチャンバ72の空気圧に基づいて、エアバネ16の分担可能な重量を計算する。モータ制御部114は、計算された重量の分だけ、モータ22の駆動力を減少させるように制御する。空気圧センサ106の情報から、エアバネ16のエアチャンバ72が所望の空気圧になったことが分かると、分担判定部112は、空気圧制御部116に対しエアチャンバの増圧を停止するよう指令し、空気圧制御部116は、各空気圧制御バルブ140を閉弁する信号を出す。
図4は、電磁サスペンション18のモータ22の駆動力の時間応答を示す図であり、図5は、エアバネ16の空気圧の時間応答を示す図である。図4、5に示すように、一般にエアバネの応答速度は電磁サスペンションの応答速度よりも遅い。そこで、本実施形態では、分担判定部112は、電磁サスペンション18とエアバネ16の両方を駆動して車高調整を実行する。
図6は、車高変化の時間応答を示す図である。図6において、実線「A」はエアバネと電磁サスペンションをともに使用して車高を上昇させたとき、実線「B」はエアバネのみを使用して車高を上昇させたときの車高変化を示す。図6から分かるように、エアバネと電磁サスペンションをともに使用することによって、車高調整を従来より高速で実施することができる。
分担判定部112は、車高低下時には、車高低下方向に電磁サスペンションを駆動させるとともに、エアチャンバから空気を排出させるように指令する。これにより、車高低下も高速で実施できる可能性がある。ただし、空気の排出は、供給よりも高速で実施可能であるから、この場合、電磁サスペンションの駆動による寄与分は低下する。
電磁サスペンションには、モータへの電力供給路を遮断したり、短絡させたりするための図示しないスイッチ回路が設けられていてもよい。このスイッチ回路は、モータ制御部114からの信号に応じて、図示しないバッテリとの通電、モータの短絡、モータの電気回路からの切断を切り換えることができるように構成されている。この場合、車高調整時、特に車高の低下時に、電磁サスペンションへの通電を切断するようにすれば、逆起電力による抵抗がなくなり、車高低下を迅速に実施することができる。これは、例えば、バッテリの電圧低下などのために電磁サスペンションを駆動することが好ましくない場合などに実行するとよい。
また、車両からの乗降時に、モータ制御部114からの信号に応じて、スイッチ回路をモータの短絡に切り換えるようにしてもよい。こうすれば、電磁サスペンションの伸縮が制限されるので、乗降時の車体の揺れを軽減することができる。
次に、車高調整の際の実際の手順について、フローチャートを参照して説明する。図7は、本実施形態の車両懸架装置による車高上昇のフローチャートである。まず、車高設定部110が、目標車高を設定する(S10)。続いて、車高センサ104により、現在の車高を取得する(S12)。分担判定部112は、目標車高と現在車高とを受け取り、電磁サスペンション18とエアバネ16の両方を使用するか、またはエアバネ16のみを使用するかを決定する(S14)。これに応じて、モータ制御部114は、電磁サスペンション18のモータ22への指令値を演算し、空気圧制御部116は、エアバネ16の目標空気圧を決定する(S16)。モータの駆動とエアチャンバへの空気供給が開始され(S18)、目標車高に到達するまで継続される(S20のN)。目標車高に到達すると(S20のY)、分担判定部112は、エアバネ16の分担できる重量を計算し、モータ制御部114は、その分だけモータの駆動力を低下させる(S22)。エアバネ16の空気圧が目標空気圧に到達したら、空気の供給を停止する(S24)。
これによって、車高調整を従来より高速で実施でき、また、車高が目標車高に達した後は、電磁サスペンションの駆動力を低下させるので、電磁サスペンションにおける消費電力も低減することができる。
図8は、本実施形態の車両懸架装置による、乗降時の車高下降のフローチャートである。運転者によるイグニッションキーがオフされると、その情報がECU100に入力される(S30)。モータ制御部114は、図示しないスイッチ回路に対し、モータ22を回路から切断するように指令する(S32)。空気圧制御部116は、エアチャンバの空気圧の低下を開始する(S34)。目標車高に到達するまで空気を排出し(S36のN)、車高センサからの信号により目標車高に到達すると(S36のY)、空気の排出を停止する(S38)。そして、モータ制御部114は、スイッチ回路に対し、モータを短絡するように指令する(S40)。これによって、電磁サスペンションはモータの逆起電力により回転が制限されるようになるので、乗降時の振動を軽減することができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、車高の調整時にエアバネと電磁サスペンションとを同時に作動させるようにしたので、従来の車高調整装置よりも目標車高に迅速に到達することができる。
以上、実施の形態をもとに本発明を説明した。これらの実施形態は例示であり、各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。以下、そのような変形例について述べる。
実施の形態では、エアバネと電磁サスペンションを並列させた車両懸架装置を説明したが、油圧バネと電磁サスペンションを並列させた車両懸架装置についても、本発明を適用することができる。
図示しないバッテリの電圧を検出する電圧検出手段をさらに備え、所定の電圧以下であるときは、分担判定部112は、電力の消費量を低減するために電磁サスペンションによる車高調整を実行せず、常にエアバネのみで車高調整するようにしてもよい。
車両懸架装置を備えた四輪の車両の模式図である。 エアバネと電磁サスペンションの構造を示す図である。 ECUのうち、車高の調整に関与する部分の構成を示す機能ブロック図である。 電磁サスペンションの駆動力の時間応答を示す図である。 エアバネの空気圧の時間応答を示す図である。 車高変化の時間応答を示す図である。 本実施形態の車両懸架装置による車高上昇のフローチャートである。 本実施形態の車両懸架装置による車高下降のフローチャートである。
符号の説明
10 車両、 12 車体、 14 車輪、 16 エアバネ、 18 電磁サスペンション、 22 モータ、 42 ロッド、 44 ボールネジ、 46 ボールネジナット、 48 ボール、 50 アウターシェル、 64 ダイヤフラム、 70 空気孔、 72 エアチャンバ、 78 ピストン、 100 ECU、 104 車高センサ、 106 空気圧センサ、 110 車高設定部、 112 分担判定部、 114 モータ制御部、 116 空気圧制御部。

Claims (1)

  1. 車両のバネ上とバネ下の間に介装され流体を供給または排出することにより容積を増減させて車高を調整可能に構成された流体バネと、
    電動アクチュエータと、前記流体バネと並列的に配置され前記電動アクチュエータによって伸縮制御される伸縮部材と、を有し、車両のバネ上とバネ下の間に減衰力を発生させる電動減衰手段と、
    前記流体バネ内の圧力を測定する圧力センサと、
    前記流体バネ内の圧力に基づき該流体バネが分担可能な重量を算出し、該重量に基づき前記流体バネと前記電動減衰手段とを協働させるか否かを判定する分担判定手段と、
    前記分担判定手段により協働させると判定されたとき、前記流体バネと前記電動減衰手段とを協働させて車高を調整する車高調整手段と、
    を備え、
    前記車高調整手段は、前記流体バネを用いた車高の調整の際に、車高の調整方向へ前記伸縮部材を伸縮させるように前記電動アクチュエータを駆動し、車高が目標車高に達した後、前記分担判定手段により算出される前記流体バネの分担可能な重量が増加するのに応じて前記電動アクチュエータの駆動力を減少させることを特徴とする車両懸架装置。
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