JP4254551B2 - 耐hic特性に優れたラインパイプ用高強度鋼板およびその製造方法 - Google Patents

耐hic特性に優れたラインパイプ用高強度鋼板およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、鋼管等の製造に好適なAPI規格X65グレード以上の強度を有する高強度鋼板に関し、特に耐水素誘起割れ性(耐HIC性)に優れたラインパイプ用高強度鋼板とその製造方法に関する。
硫化水素を含む原油や天然ガスの輸送に用いられるラインパイプは、強度、靭性、溶接性の他に、耐水素誘起割れ性(耐HIC性)や耐応力腐食割れ性(耐SCC性)などのいわゆる耐サワー性が必要とされる。鋼材の水素誘起割れ(HIC)は、腐食反応による水素イオンが鋼材表面に吸着し、原子状の水素として鋼内部に侵入、鋼中のMnSなどの非金属介在物や硬い第2相組織のまわりに拡散・集積し、その内圧により割れを生ずるものとされている。
このような水素誘起割れを防ぐために、CaやCeをS量に対して適量添加することにより、針状のMnSの生成を抑制し、応力集中の小さい微細に分散した球状の介在物に形態を変えて割れの発生・伝播を抑制する、耐HIC性の優れたラインパイプ用鋼の製造方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。また、偏析傾向の高い元素(C、Mn、P等)の低減や、スラブ加熱段階での均熱処理、冷却時の変態途中での加速冷却により、中心偏析部での割れの起点となる島状マルテンサイト、割れの伝播経路となるマルテンサイトやベイナイトなどの硬化組織の生成を抑制した、耐HIC性に優れた鋼が知られている(例えば、特許文献2、特許文献3参照。)。また、耐HIC性の優れたX80グレードの高強度鋼板に関して、低SでCa添加により介在物の形態制御を行いつつ、低C、低Mnとして中央偏析を抑制し、それに伴う強度低下をCr、Mn、Niなどの添加と加速冷却により補う方法が知られている(例えば、特許文献4、特許文献5、特許文献6参照。)。
しかし、上記の耐HIC性を改善する方法はいずれも中心偏析部が対象である。API X80グレード等のX65グレードを超える高強度鋼板は加速冷却または直接焼入れによって製造される場合が多いため、冷却速度の速い鋼板表面部が内部に比べ硬化し、表面近傍から水素誘起割れが発生する。また、加速冷却によって得られるこれらの高強度鋼板のミクロ組織は、表面のみならず内部までベイナイトまたはアシキュラーフェライトの比較的割れ感受性の高い組織であり、中心偏析部のHICへの対策を施した場合でも、API X80グレード程度の高強度鋼では硫化物系または酸化物系介在物を起点としたHICをなくすことは困難である。従ってこれらの高強度鋼板の耐HIC性を問題にする場合は、鋼板の表面部のHICまたは、硫化物系や酸化物系介在物を起点としたHICの対策が必要である。
一方、ミクロ組織が割れ感受性の高いブロック状ベイナイトやマルテンサイトを含まない耐HIC性に優れた高強度鋼として、フェライト−ベイナイト2相組織である、API X80グレードの耐HIC性に優れた高強度鋼材が知られている(例えば、特許文献7参照。)。また、ミクロ組織をフェライト単相組織とすることで耐SCC(SSCC)性や耐HIC性を改善し、MoまたはTiの多量添加によって得られる炭化物の析出強化を利用した高強度鋼が知られている(例えば、特許文献8、特許文献9参照。)。
特開昭54−110119号公報 特開昭61−60866号公報 特開昭61−165207号公報 特開平5−9575号公報 特開平5−271766号公報 特開平7−173536号公報 特開平7−216500号公報 特開昭61−227129号公報 特開平7−70697号公報
しかし、特許文献7等に記載の高強度鋼のベイナイト組織は、ブロック状ベイナイトやマルテンサイト程ではないが比較的割れ感受性の高い組織であり、SおよびMn量を厳しく制限して、Ca処理を必須として耐HIC性を向上させる必要があるため、製造コストが高い。また、特許文献7等に記載の圧延・冷却方法を用いてフェライト−ベイナイト2相組織を安定的に得ることは難しい。一方、特許文献8、特許文献9等に記載のフェライト相は延性に富んだ組織であり、割れ感受性が極めて低いため、ベイナイト組織またはアシキュラーフェライト組織の鋼に比べ耐HIC性が大幅に改善される。しかし、フェライト単相では強度が低いため、特許文献8に記載の鋼はC及びMoを多量に添加した鋼を用いて、炭化物を多量に析出させることによって高強度化し、特許文献9の鋼帯ではTi添加鋼を特定の温度で鋼帯に巻き取り、TiCの析出強化を利用して高強度化している。ところが、特許文献8に記載のMo炭化物が分散したフェライト組織を得るためには、焼入れ焼戻しの後に冷間加工を行い、さらに再度焼戻しを行う必要があり、製造コストが上昇するだけでなく、Mo炭化物の粒径が約0.1ミクロンと大きく、強度上昇効果が低いため、C及びMoの含有量を高め、炭化物の量をふやすことによって所定の強度を得る必要がある。また、特許文献9に記載の高強度鋼で利用しているTiCはMo炭化物に比べ微細であり、析出強化に有効な炭化物であるが、析出時の温度の影響を受けて粗大化しやすいにもかかわらず、析出物粗大化に対する対策がなされていない。そのため析出強化が十分ではなく、多量のTi添加が必要となっている。
したがって本発明の目的は、このような従来技術の課題を解決し、API X65グレード以上のラインパイプ用高強度鋼板であって、中央偏析部のHIC及び表面近傍や介在物から発生するHICに対して、優れた耐HIC特性を有するラインパイプ用高強度鋼板を多量の合金元素を添加することなく低コストで提供することにある。
このような課題を解決するための本発明の特徴は以下の通りである。
(1)、質量%で、C:0.02%以上、0.06%未満、Si:0.01〜0.5%、Mn:0.5〜2%、P:0.01%以下、S:0.002%以下、Mo:0.05〜0.5%、Al:0.07%以下を含有し、Ti:0.005〜0.04%、Nb:0.005〜0.07%、V:0.005〜0.1%の1種又は2種以上を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなり、原子%でのC量とMo、Ti、Nb、Vの合計量の比である[C]/([Mo]+[Ti]+[Nb]+[V])が0.5〜3であり、金属組織が体積分率90%以上のベイナイト相であり、Ti、Nb、Vの1種又は2種以上とMoとを含む炭化物が分散析出していることを特徴とする、耐HIC特性に優れたラインパイプ用高強度鋼板。
(2)、さらに、質量%で、Cu:0.5%以下、Ni:0.5%以下、Cr:0.5%以下、Ca:0.0005〜0.005%の中から選ばれる1種又は2種以上を含有することを特徴とする(1)に記載の耐HIC特性に優れたラインパイプ用高強度鋼板。
(3)、(1)または(2)に記載の成分組成を有する鋼を、1000〜1300℃の温度に加熱し、Ar3温度以上の圧延終了温度で熱間圧延した後、10℃/s以上の冷却速度で300℃未満の温度まで加速冷却を行い、その後、1℃/s以上の昇温速度で550〜700℃まで再加熱を行うことを特徴とする、耐HIC特性に優れたラインパイプ用高強度鋼板の製造方法。
(4)、鋼の熱間圧延を行うための圧延機および加速冷却を行うための冷却装置と同一の製造ライン上にソレノイド型誘導加熱装置を設置し、該ソレノイド型誘導加熱装置により鋼板の再加熱を行うことを特徴とする、(3)に記載の耐HIC特性に優れたラインパイプ用高強度鋼板の製造方法。
(5)、(3)または(4)に記載の製造方法を用いて製造された鋼板であって、再加熱により新たに析出した炭化物(ただし、セメンタイトを除く)を構成する炭素の合計量の鋼板中の濃度が、10〜300ppmであることを特徴とする溶接熱影響部靭性に優れた高強度鋼板。
本発明によれば、API X65グレード以上の高強度を有し、かつ耐HIC性の優れた鋼板を、多量の合金元素を添加することなく低コストで製造することができる。このため優れた特性を有する電縫鋼管、スパイラル鋼管、UOE鋼管等の鋼管を製造することができる。
本発明者らは耐HIC特性向上と高強度の両立のために、鋼材のミクロ組織と鋼板の製造方法を鋭意検討した結果、以下の(a)〜(c)の知見を得た。
(a)耐HIC特性を高めるには、下部ベイナイトや島状マルテンサイト(MA)、または粗大炭化物等のない、均一なベイナイト組織で、かつ、加速冷却等によって導入される転位密度を少なくする必要がある。
(b)そのような組織は、C含有量の低い鋼を急冷し、その後、一定速度以上の昇温速度での再加熱によって得られる。
(c)そして、炭化物形成元素であるTi、Nb、Vの1種又は2種以上と、Moとを一定の範囲で含有させることによって、再加熱時にTi、Nb、Vの1種又は2種以上とMoとを含む微細な複合炭化物として析出し、析出強化による強度上昇が可能となる。
本発明は上記のような、加速冷却後の急速加熱によって、微細な析出物が分散析出したベイナイト組織とすることによって、耐HIC性と高強度を両立させた高強度鋼板の製造方法に関するものである。
以下、本発明の高強度鋼板について詳しく説明する。まず、本発明の高強度鋼板の組織について説明する。
本発明の鋼板の金属組織は実質的にベイナイト単相とする。ベイナイト相にフェライトやマルテンサイト、またはパーライト等の異なる金属組織が1種または2種以上混在する場合は、異相界面での水素の集積や応力集中によってHICを生じやすくなるため、ベイナイト相以外の組織分率は少ないほどよい。しかし、ベイナイト以外の組織の体積分率が低い場合は影響が無視できるため、トータルの体積分率で10%以下、好ましくは5%以下の他の金属組織を、すなわちフェライト、マルテンサイト、パーライト、セメンタイトを、1種または2種以上含有してもよい。
次に、本発明において鋼板内に分散析出する析出物について説明する。本発明における鋼板はベイナイト相中にTi、Nb、Vの1種又は2種以上とMoとを含む炭化物が分散析出しているものである。この析出物は極めて微細であるので耐HIC特性に対して何ら影響を与えない。Mo及びTiは鋼中で炭化物を形成する元素であり、MoC、TiCの析出により鋼を強化することは従来より行われているが、本発明ではMoと、Ti、Nb、Vの1種又は2種以上とを複合添加して、Ti、Nb、Vの1種又は2種以上とMoとを含有する複合炭化物を鋼中に微細析出させることにより、MoCおよび/またはTiCの析出強化の場合に比べて、より大きな強度向上効果が得られることが特徴である。この従来にない大きな強度向上効果は、Ti、Nb、Vの1種又は2種以上とMoとを含有する複合炭化物が安定でかつ成長速度が遅いので、粒径が10nm未満の極めて微細な析出物が得られることによるものである。
本発明において鋼板内に分散析出する析出物である、Ti、Nb、Vの1種又は2種以上とMoとを含有する複合炭化物は、以下に述べる本発明の成分の鋼材と製造方法とを用いて鋼板を製造することにより、ベイナイト相中に分散させて得ることができる。本発明の高強度鋼板がTi、Nb、Vの1種又は2種以上とMoとを含有する複合炭化物以外の析出物を含有する場合は、Ti、Nb、Vの1種又は2種以上とMoとを含有する複合炭化物による高強度化の効果を損なわず、耐HIC特性を劣化させない程度とするが、10nm未満の析出物の個数は、TINを除いた全析出物の個数の95%以上であることが好ましい。
次に、本発明の高強度鋼板の化学成分について説明する。以下の説明において%で示す単位は全て質量%である。
C:0.02%以上、0.06%未満とする。Cは炭化物として析出強化に寄与する元素であるが、0.02%未満では十分な強度が確保できず、0.06%以上では靭性や耐HIC性を劣化させるため、C含有量を0.02%以上、0.06%未満に規定する。
Si:0.01〜0.5%とする。Siは脱酸のため添加するが、0.01%未満では脱酸効果が十分でなく、0.5%を超えると靭性や溶接性を劣化させるため、Si含有量を0.01〜0.5%に規定する。
Mn:0.5〜2%とする。Mnは強度、靭性のため添加するが、0.5%未満ではその効果が十分でなく、2%を超えると溶接性と耐HIC性が劣化するため、Mn含有量を0.5〜2%に規定する。好ましくは、0.5〜1.5%である。
P:0.01%以下とする。Pは溶接性と耐HIC性を劣化させる不可避不純物元素であるため、P含有量の上限を0.01%に規定する。
S:0.002%以下とする。Sは一般的には鋼中においてはMnS介在物となり耐HIC特性を劣化させるため少ないほどよい。しかし、0.002%以下であれば問題ないため、S含有量の上限を0.002%に規定する。
Mo:0.05〜0.5%とする。Moは本発明において重要な元素であり、0.05%以上含有させることで、熱間圧延後冷却時のパーライト変態を抑制しつつ、Nb,TiあるいはVとの微細な複合析出物を形成し、強度上昇に大きく寄与する。しかし、0.5%を超えるとマルテンサイトなどの硬化相を形成し耐HIC特性が劣化するため、Mo含有量を0.05〜0.5%に規定する。好ましくは、0.05〜0.3%未満である。
Al:0.08%以下とする。Alは脱酸剤として添加されるが、0.08%を超えると鋼の清浄度が低下し、靱性が劣化するため、Al含有量は0.08%以下に規定する。好ましくは、0.01〜0.08%とする。
本発明は上記化学成分に加え、Ti、Nb、Vのうち1種又は2種以上を含有する。
Ti:0.005〜0.04%とする。0.005%以上添加することで、Moと複合析出物を形成し、強度上昇に大きく寄与する。しかし、0.04%を超える添加は溶接熱影響部靭性の劣化を招くため、Ti含有量は0.005〜0.04%に規定する。さらに、0.02%未満にするとより優れた靭性を示す。このため、Nbおよび/またはVを添加する場合は、Ti含有量を0.005〜0.02%未満とすることが好ましい。
Nb:0.005〜0.07%とする。Nbは組織の微細粒化により靭性を向上させるが、Moと、さらにTi、Vと共に複合析出物を形成し、強度上昇に寄与する。しかし、0.005%未満では効果がなく、0.07%を超えると溶接熱影響部の靭性が劣化するため、Nb含有量は0.005〜0.07%に規定する。
V:0.005〜0.1%とする。VもNb、Tiと同様Moと共に複合析出物を形成し、強度上昇に寄与する。しかし、0.005%未満では効果がなく、0.1%を超えると溶接熱影響部の靭性が劣化するため、V含有量は0.005〜0.1%に規定する。
本発明では析出強化を最大限に活用するため、原子%でのC量と、Mo、Ti、Nb、Vとの合計量の比である、C/(Mo+Ti+Nb+V)を0.5〜3とする。本発明による高強度化はTi、Nb、Vの1種又は2種以上とMoとを含む複合析出物(主に炭化物)となる。このとき各元素の原子%の含有量で表される、C/(Mo+Ti+Nb+V)の値が0.5〜3の場合は、非常に微細で安定な析出物となるため、大きな強度上昇が得られる。しかし、C/(Mo+Ti+Nb+V)の値が0.5未満または3を越える場合はいずれかの元素量が過剰であり、析出物が熱的に不安定となり、容易に粗大化しやすくなる。さらに、過剰な元素によって溶接熱影響部に島状マルテンサイトなどの硬化組織が形成し溶接熱影響部靭性の劣化を招く。よって、C/(Mo+Ti+Nb+V)の値を0.5〜3とするのが好ましい。C/(Mo+Ti+Nb+V)の値を0.7〜2とすると、粒径5nm以下のより微細な析出物が得られるためより好ましい。C/(Mo+Ti+Nb+V)の各元素記号は原子%の各元素の含有量であり、質量%の含有量を用いる場合には(C/12.01)/(Mo/95.9+TI/47.9+Nb/92.91+V/50.94)で表される。
本発明では鋼板の強度や耐HIC特性をさらに改善する目的で、以下に示すCu、Ni、Cr、Caの1種または2種以上を含有してもよい。
Cu:0.5%以下とする。Cuは靭性の改善と強度の上昇に有効な元素であるが、多く添加すると溶接性が劣化するため、添加する場合は0.5%を上限とする。
Ni:0.5%以下とする。Niは靭性の改善と強度の上昇に有効な元素であるが、多く添加すると耐HIC特性が低下するため、添加する場合は0.5%を上限とする。
Cr:0.5%以下とする。CrはMnと同様に低Cでも十分な強度を得るために有効な元素であるが、多く添加すると溶接性を劣化するため、添加する場合は0.5%を上限とする。
Ca:0.0005〜0.005%とする。Caは硫化物系介在物の形態制御による耐HIC特性向上に有効な元素であるが、0.0005%未満ではその効果が十分でなく、0.005%を超えて添加しても効果が飽和し、むしろ、鋼の清浄度の低下により耐HIC性を劣化させるので、添加する場合はCa含有量を0.0005〜0.005%に規定する。
上記以外の残部は実質的にFeからなる。残部が実質的にFeからなるとは、本発明の作用効果を無くさない限り、不可避不純物をはじめ、他の微量元素を含有するものが本発明の範囲に含まれ得ることを意味する。
次に、本発明の高強度鋼板の製造方法について説明する。
本発明は、加速冷却時のベイナイト変態による変態強化と、加速冷却後の再加熱時に析出する微細炭化物による析出強化を複合して活用することにより、合金元素を多量に添加することなく高強度化が可能な技術である。
本発明の高強度鋼板は上記の成分組成を有する鋼を用い、加熱温度:1000〜1300℃、圧延終了温度:Ar3温度以上で熱間圧延を行い、その後10℃/s以上の冷却速度で300℃未満の温度まで加速冷却を行い、その後1℃/s以上の昇温速度で550〜700℃の温度まで再加熱を行うことで、Ti、Nb、Vの1種又は2種以上とMoとを含む複合炭化物を分散析出することができる。ここで、温度は鋼板の平均温度とする。以下、各製造条件について詳しく説明する。
加熱温度:1000〜1300℃とする。加熱温度が1000℃未満では炭化物の固溶が不十分で必要な強度が得られず、1300℃を超えると靭性が劣化するため、1000〜1300℃とする。
圧延終了温度:Ar3温度以上とする。Ar3温度とは、冷却中におけるフェライト変態開始温度を意味し、以下の(1)式で求めることができる。但し、(1)式の元素記号は各含有元素の質量%を示す。
Ar3=910-310C-80Mn-20Cu-15Cr-55Ni-80Mo・・・(1)
圧延終了温度がAr3温度以下になると、その後のフェライト変態速度が低下するため、再加熱によるフェライト変態時に十分な微細析出物の分散析出が得られず、強度が低下するため、圧延終了温度をAr3温度以上とする。
圧延終了後、直ちに10℃/s以上の冷却速度で冷却する。冷却速度が10℃/s未満では冷却時にフェライトを生成するため、ベイナイトによる強化が得られないだけでなく、冷却中に析出を生じその析出物が容易に粗大化するため、十分な強度が得られない。よって、圧延終了後の冷却速度を10℃/s以上に規定する。このときの冷却方法については製造プロセスによって任意の冷却設備を用いることが可能である。
冷却停止温度:300℃未満とする。本発明では圧延終了後加速冷却によりCが過飽和に固溶したベイナイト単相とすることによって、その後の再加熱処理時に微細析出物による析出強化が得られる。しかし、冷却停止温度が300℃以上では、ベイナイト変態が完了せずに、冷却停止後の空冷時にパーライトが析出し加速冷却後に十分な強度が得られない場合があるだけでなく、固溶C量が不足し微細炭化物の析出量が不十分となり、再加熱後の強度が得られない。よって、加速冷却停止温度を300℃未満に規定する。
加速冷却後1℃/s以上の昇温速度で550〜700℃の温度まで再加熱を行う。このプロセスは本発明における重要な製造条件である。
昇温速度:1℃/s以上とする。Cが過飽和に固溶した状態から急速に加熱することによって、セメンタイトやMo2C等の粗大な炭化物の析出を抑制しつつ、非常に微細なTi、Nb、Vの1種又は2種以上とMoとを含む複合炭化物を析出させることが可能となる。しかし、昇温速度が1℃/s未満では、目的の再加熱温度に達するまでに長時間を要するためセメンタイトやMo2C等の粗大な炭化物を析出し、耐HIC性が劣化するだけでなく微細析出物による強化が得られない。
再加熱温度:550〜700℃とする。本発明で用いる微細炭化物は、550〜700℃の温度範囲でもっとも安定に生成することが可能である。再加熱温度が550℃未満では拡散が遅いため、十分な析出量が得られず、700℃を超えると析出物が粗大化し十分な強度が得られないため、再加熱の温度域を550〜700℃に規定する。
また、再加熱温度において、特に温度保持時間を設定する必要はない。本発明の製造方法を用いれば再加熱後直ちに冷却しても、十分な析出量が得られるため高強度化が可能である。しかし、確実に微細炭化物の析出を終了させるために、30分以内の温度保持を行うことができる。30分を超えて温度保持を行うと、析出物の粗大化を生じ強度低下を招く場合がある。また、再加熱後の冷却過程でも析出が進行するので、再加熱後の冷却速度は基本的には空冷とする。しかし、析出を阻害しない程度の早い冷却速度で冷却を行うこともできる。
図1に、上記の製造方法を用いて製造した本発明の鋼板(0.05C−0.22Si−1.4Mn−0.2Mo−0.03Ti)を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察した写真を示す。図1によれば、非常に微細な析出物がランダムに析出している様子が確認でき、析出物のサイズは10nm以下と非常に微細である。また、析出物はMoとTiを含有する炭化物であり、このことはエネルギー分散型X線分光法(EDX)等を用いて分析して確認した。
早い昇温速度とともに高い製造効率を得るために、圧延機及び冷却装置と同一の製造ライン上に設置された誘導加熱装置により再加熱を行うと効果的である。板厚が薄い場合は再加熱をガス燃焼炉を用いて行う場合にも早い昇温速度が得られるが、板厚が厚い場合や、より早い昇温速度を得るためには誘導加熱装置を用いることが好ましい。ソレノイド型誘導加熱装置は均熱炉等に比べて温度制御が容易でありコストも比較的低く、冷却後の鋼板を迅速に加熱できるので特に好ましい。また複数の誘導加熱装置を直列に連続して配置することにより、ライン速度や鋼板の種類・寸法が異なる場合にも、通電する誘導加熱装置の数や供給電力を任意に設定するだけで、昇温速度、再加熱温度を自在に操作することが可能である。
本発明の製造方法を実施するための設備の一例を図2に示す。図2に示すように、圧延ライン1には上流から下流側に向かって熱間圧延機3、加速冷却装置4、インライン型誘導加熱装置5、ホットレベラー6が配置されている。インライン型誘導加熱装置5あるいは他の熱処理装置を、圧延設備である熱間圧延機3およびそれに引き続く冷却設備である加速冷却装置4と同一ライン上に設置する事によって、圧延、冷却終了後迅速に再加熱処理が行えるので、圧延冷却後の鋼板温度を過度に低下させることなく加熱することができる。
以上のように、本発明では再加熱処理を行うことによって、Ti、Nb、Vの1種又は2種以上とMoとを含む微細な複合炭化物を析出させて鋼板の高強度化を達成する。十分に高強度化するためには、再加熱時の析出量が一定以上であることが好ましく、本発明の鋼板は、再加熱により新たに析出した炭化物を構成する炭素の合計量の鋼板中濃度が、10〜300ppmであることが好ましい。ただし、鉄の炭化物であるセメンタイトは、再加熱により新たに析出した炭化物には含まれないものとする。
圧延、冷却後の再加熱時に析出する炭化物の量は、材料の強度上昇のために非常に重要である。この値が10ppm未満であると、再加熱時に析出する炭化物の量が少なすぎるために強度が低くなる。また、300ppmを超えると炭化物の量が増加しすぎて、靱性が低下する。
再加熱時に新たに析出する、Ti、Nb、Vの中から選ばれる1種以上と、Moとを含有する炭化物を構成する炭素量は、例えば、以下の(A)、(B)の方法で求めることができる。
(A)、再加熱後のTi、Nb、V、Moの析出量と、冷却後のTi、Nb、V、Moの析出量とを測定することで、再加熱により新たに析出したこれらの金属元素(Ti、Nb、V、Mo)と炭化物を構成する炭素の合計濃度を求める方法。
鋼板の冷却後、および再加熱後の炭化物の炭素量は、各段階での析出物に含まれるNb、Ti、V、Moの量を分析すれば計算により求められる。Nbと結合している再加熱時に新たに析出したC量をΔ[CasNbC]、Moと結合している再加熱時に新たに析出したC量をΔ[CasMoC]、Tiと結合している再加熱時に新たに析出したC量をΔ[CasTiC]、Vと結合している再加熱時に新たに析出したC量をΔ[CasVC]とすると、Δ[CasNbC]+Δ[CasMoC]+Δ[CasTiC]+Δ[CasVC]が再加熱時に新たに析出する、Nb、Ti、V、Moの中から選ばれる1種以上を含有する炭化物を構成する炭素量であり、Δ[CasNbC]、Δ[CasMoC]、Δ[CasTiC]、Δ[CasVC]は以下の(2)〜(5)式で求められる。
Δ[CasNbC] = 12/93×((再加熱後のNb析出量)−(冷却後のNb析出量))・・・(2)
Δ[CasMoC] = 12/96×((再加熱後のMo析出量)−(冷却後のMo析出量))・・・(3)
Δ[CasTiC] = 12/48×((再加熱後のTi析出量)−(冷却後のTi析出量))・・・(4)
Δ[CasVC] = 12/51×((再加熱後のV析出量)−(冷却後のV析出量))・・・(5)
各金属元素の析出量は、冷却後および再加熱後の鋼板の一部を試料として、例えば10%アセチル−アセトン電解抽出によって得られた残さを、ICP発光分析により測定した値(ppm換算値)を用いればよい。
(B)、再加熱後に析出物中のTi、Nb、V、Moの量を測定することで、再加熱により新たに析出した炭化物を構成する炭素の合計濃度を求める方法(P値を求めることにより再加熱により新たに析出した炭化物を構成する炭素の合計濃度を求める方法)。
鋼板の冷却後と再加熱後の炭化物の炭素量を、それぞれの製造段階で分析することは手間がかかり、操業上は望ましくない。そこで本発明では、製造後の鋼板のみを分析して、再加熱後の炭化物の炭素量を求める方法について検討し、再加熱後に析出物中のTi、Nb、V、Moの量を測定することで、再加熱により新たに析出した炭化物を構成する炭素の合計濃度を推定することが可能であることを見出した。
本発明の製造方法では、鋼板をAr3温度以上の圧延終了温度で熱間圧延した後、10℃/s以上の冷却速度で300℃未満の温度まで加速冷却を行う、高温から急速に析出が生じない低温まで冷却する製造条件であるために、鋼板の成分から冷却後の炭化物の析出量が計算可能である。以下、各炭化物形成元素についての計算原理を説明する。
Nbについては、急速冷却の場合にも添加量の5分の1が冷却の初期段階から析出してしまい強度上昇に寄与しないため、添加量の5分の4が再加熱により新たに析出した炭化物を構成する元素となる。
VおよびMoについては、加速冷却時に析出物として析出する量は少なく、添加量の100分の1程度である。したがって、添加量の100分の99が再加熱により新たに析出した炭化物を構成する元素となる。
Tiについては、製鋼段階で既にTiNとして一定量析出しており、TiNとして析出しなかった残りのTiのうち4分の1が冷却時に析出して強度上昇に寄与しない。したがって、TiNとして析出しなかった残りのTiのうち4分の3が再加熱により新たに析出した炭化物を構成する元素となる。
以上をまとめると、下記(6)式で示されるP値が再加熱により新たに析出した炭化物の合計量となる。ただし、[M]pptは製造された鋼板(再加熱後に相当)中で炭化物を形成する金属元素Mの量のppm換算値であり、[M]matは金属元素Mの添加量(鋼板の成分組成)のppm換算値である。また、[TiasTiN]は鋼板中でTiNを形成するTi量のppm換算値である。
P=12/93×([Nb]ppt−[Nb]mat/5)+12/51×([V]ppt−[V]mat/100)+12/96×([Mo]ppt−[Mo]mat/100)+12/48×([Ti]ppt−([Ti]mat−[TiasTiN])/4−[TiasTiN])・・・(6)
したがって、(6)式で示されるP値が10〜300であれば、再加熱により新たに析出した炭化物を構成する炭素の合計濃度が、10〜300ppmである鋼板が得られたことが分かり、製造後の鋼板のみを分析して析出物中のTi、Nb、V、Moの量を測定することで、再加熱により新たに析出した炭化物を構成する炭素の合計濃度を求めることが可能である。
[M]pptは、上記と同様に、鋼板の一部を試料として、例えば10%アセチル−アセトン電解抽出によって炭化物として得られた残さを、ICP発光分析により測定した値(ppm換算値)を用いればよい。[M]matは、通常の鋼の成分分析方法を用いて求めることができる。[TiasTiN]量は、鋼板の窒素濃度である[N]matの3.4倍とするか、臭素−メタノール抽出等により定量された窒化物を形成する窒素量として求めることができる。
したがって、本発明の再加熱により新たに析出した炭化物を構成する炭素の合計量の鋼板中濃度が10〜300ppmである鋼板は、上記のP値が10〜300である鋼板であり、上記(A)、(B)等の方法で再加熱により新たに析出した炭化物を構成する炭素の合計濃度を求めて、製造条件にフィードバックさせつつ製造条件を調整することで、より効率的に鋼板を高強度化させることが可能となる。
表1に示す化学成分の鋼(鋼種A〜I)を連続鋳造法によりスラブとし、これを用いて板厚15〜26mmの厚鋼板(No.1〜15)を製造した。
Figure 0004254551
加熱したスラブを熱間圧延により圧延した後、直ちに水冷型の加速冷却設備を用いて冷却を行い、その後、鋼板温度が200℃以下となった後に、誘導加熱炉またはガス燃焼炉を用いて再加熱を行った。誘導加熱炉は加速冷却設備と同一ライン上に設置した。各鋼板の製造条件を表2に示す。
以上のようにして製造した鋼板のミクロ組織を、透過型電子顕微鏡(TEM)により観察した。析出物の成分はエネルギー分散型X線分光法(EDX)により分析した。また各鋼板の引張特性を測定した。測定結果を表2に併せて示す。引張特性は、圧延垂直方向の全厚試験片を引張試験片として引張試験を行い、引張強度を測定した。引張強度580MPa以上を本発明に必要な強度とした。耐HIC特性はNACE Standard TM−02−84に準じた浸漬時間96時間のHIC試験を行い、割れが認められない場合を耐HIC性良好と判断して○で、割れが発生した場合を×で示した。
析出物の析出量の測定をNo.1、2、3、8、13の鋼板について行った。再加熱後の鋼板から10%アセチル−アセトンを用いて炭化物を抽出し、炭化物を形成する金属元素(Mo、Ti、V、Nb)を定量測定して評価した。また、窒化物を形成するTi量は、臭素−メタノール電解液を用いて抽出した残さから窒化物を形成する窒素量[NasNitride]から、AlNを形成する窒素量[NasAlN]の差を、TiNを形成する窒素量とし、TiおよびNの質量数の比である48/14をかけて[TiasTiN]とした。また、No.1、2、3、8、13の鋼板については、冷却停止温度から引き続き室温まで冷却を行った材料を冷却後試料として作製し、析出物の析出量を測定した。測定結果から、冷却後の炭化物の炭素量(冷却後のTi、Mo、V、Nb炭化物析出量のppm炭素換算量)と、再加熱後の炭化物の炭素量(再加熱後のTi、Mo、V、Nb炭化物析出量のppm炭素換算量)とを計算し、再加熱後の鋼板のMo、Ti、V、Nbを構成する炭素量と、冷却後の鋼板のMo、Ti、V、Nbを構成する炭素量との差を、再加熱過程で形成される、再加熱中に析出したMo、Ti、V、Nbを構成する炭化物量として表2に併せて示す。また、最終段階で得られるMo、Ti、V、Nbを構成する炭素量(再加熱後の炭化物の炭素量)と鋼成分から求めたP値も表2に併せて示す(No.8については、冷却速度が10℃/s未満であるために、P値が適用出来ない場合である。)。
Figure 0004254551
表2において、本発明例であるNo.1〜7はいずれも、化学成分および製造方法が本発明の範囲内であり、引張強度580MPa以上の高強度であり、優れた耐HIC特性を示した。鋼板の組織は、Ti、Nb、Vの1種又は2種以上とMoとを含む粒径が微細な炭化物の析出物が分散析出していた。
No.8〜11は、化学成分は本発明の範囲内であるが、製造方法が本発明の範囲外であるため、微細炭化物による析出強化が十分でないため、強度不足であった。No.12〜15は化学成分が本発明の範囲外であるので、十分な強度が得られないか、耐HIC性が劣っていた。
表2において、再加熱中に析出したTi、Mo、V、Nb炭化物析出量とP値とは、非常に近い値を示し、P値が再加熱中に析出したTi、Mo、V、Nbの炭化物析出量を示すことが確認できた。No.1、2、3については、P値が10以上であり、十分な強度が得られた。No.13については、P値が10未満であり、再加熱時の炭化物析出量が少ないために十分な強度が得られなかった。一方で、No.8については、製造方法が本発明の範囲外であり、冷却後の炭化物の析出量が少なく、十分な強度が得られなかった。
本発明の鋼板を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察した写真。 本発明の製造方法を実施するための製造ラインの一例を示す概略図。
符号の説明
1 圧延ライン
2 鋼板
3 熱間圧延機
4 加速冷却装置
5 インライン型誘導加熱装置
6 ホットレベラー

Claims (5)

  1. 質量%で、C:0.02%以上、0.06%未満、Si:0.01〜0.5%、Mn:0.5〜2%、P:0.01%以下、S:0.002%以下、Mo:0.05〜0.5%、Al:0.07%以下を含有し、Ti:0.005〜0.04%、Nb:0.005〜0.07%、V:0.005〜0.1%の1種又は2種以上を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなり、原子%でのC量とMo、Ti、Nb、Vの合計量の比である[C]/([Mo]+[Ti]+[Nb]+[V])が0.5〜3であり、金属組織が体積分率90%以上のベイナイト相であり、Ti、Nb、Vの1種又は2種以上とMoとを含む炭化物が分散析出していることを特徴とする、耐HIC特性に優れたラインパイプ用高強度鋼板。
  2. さらに、質量%で、Cu:0.5%以下、Ni:0.5%以下、Cr:0.5%以下、Ca:0.0005〜0.005%の中から選ばれる1種又は2種以上を含有することを特徴とする請求項1に記載の耐HIC特性に優れたラインパイプ用高強度鋼板。
  3. 請求項1または請求項2に記載の成分組成を有する鋼を、1000〜1300℃の温度に加熱し、Ar3温度以上の圧延終了温度で熱間圧延した後、10℃/s以上の冷却速度で300℃未満の温度まで加速冷却を行い、その後、1℃/s以上の昇温速度で550〜700℃まで再加熱を行うことを特徴とする耐HIC特性に優れたラインパイプ用高強度鋼板の製造方法。
  4. 鋼の熱間圧延を行うための圧延機および加速冷却を行うための冷却装置と同一の製造ライン上にソレノイド型誘導加熱装置を設置し、該ソレノイド型誘導加熱装置により鋼板の再加熱を行うことを特徴とする、請求項3に記載の耐HIC特性に優れたラインパイプ用高強度鋼板の製造方法。
  5. 請求項3または請求項4に記載の製造方法を用いて製造された鋼板であって、再加熱により新たに析出した炭化物(ただし、セメンタイトを除く)を構成する炭素の合計量の鋼板中の濃度が、10〜300ppmであることを特徴とする溶接熱影響部靭性に優れた高強度鋼板。
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