JP4253724B2 - レーザビームの再生パワーの決定方法およびデータ記録再生装置 - Google Patents

レーザビームの再生パワーの決定方法およびデータ記録再生装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4253724B2
JP4253724B2 JP2003371626A JP2003371626A JP4253724B2 JP 4253724 B2 JP4253724 B2 JP 4253724B2 JP 2003371626 A JP2003371626 A JP 2003371626A JP 2003371626 A JP2003371626 A JP 2003371626A JP 4253724 B2 JP4253724 B2 JP 4253724B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
power
laser beam
recording
reproducing
test data
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2003371626A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005135535A (ja
Inventor
正史 桑原
隆之 島
淳二 富永
隆 菊川
成敏 福澤
龍弘 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
TDK Corp
Original Assignee
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
TDK Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST, TDK Corp filed Critical National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Priority to JP2003371626A priority Critical patent/JP4253724B2/ja
Priority to US10/929,894 priority patent/US7440370B2/en
Publication of JP2005135535A publication Critical patent/JP2005135535A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4253724B2 publication Critical patent/JP4253724B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B7/00Recording or reproducing by optical means, e.g. recording using a thermal beam of optical radiation by modifying optical properties or the physical structure, reproducing using an optical beam at lower power by sensing optical properties; Record carriers therefor
    • G11B7/24Record carriers characterised by shape, structure or physical properties, or by the selection of the material
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G5/00Recording members for original recording by exposure, e.g. to light, to heat, to electrons; Manufacture thereof; Selection of materials therefor
    • G03G5/02Charge-receiving layers
    • G03G5/04Photoconductive layers; Charge-generation layers or charge-transporting layers; Additives therefor; Binders therefor
    • G03G5/05Organic bonding materials; Methods for coating a substrate with a photoconductive layer; Inert supplements for use in photoconductive layers
    • G03G5/0528Macromolecular bonding materials
    • G03G5/0557Macromolecular bonding materials obtained otherwise than by reactions only involving carbon-to-carbon unsatured bonds
    • G03G5/0564Polycarbonates
    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B7/00Recording or reproducing by optical means, e.g. recording using a thermal beam of optical radiation by modifying optical properties or the physical structure, reproducing using an optical beam at lower power by sensing optical properties; Record carriers therefor
    • G11B7/12Heads, e.g. forming of the optical beam spot or modulation of the optical beam
    • G11B7/125Optical beam sources therefor, e.g. laser control circuitry specially adapted for optical storage devices; Modulators, e.g. means for controlling the size or intensity of optical spots or optical traces
    • G11B7/126Circuits, methods or arrangements for laser control or stabilisation
    • G11B7/1267Power calibration
    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B7/00Recording or reproducing by optical means, e.g. recording using a thermal beam of optical radiation by modifying optical properties or the physical structure, reproducing using an optical beam at lower power by sensing optical properties; Record carriers therefor
    • G11B7/004Recording, reproducing or erasing methods; Read, write or erase circuits therefor
    • G11B7/0045Recording
    • G11B7/00456Recording strategies, e.g. pulse sequences

Description

本発明は、光記録ディスクに記録されたデータを再生するレーザビームの再生パワーの決定方法および光記録ディスクのデータ記録再生装置に関するものであり、とくに、記録マークの長さや、隣り合う記録マーク間のブランク領域の長さが、解像限界未満である場合にも、これらの記録マークおよびブランク領域を含む記録マーク列により構成されたデータを記録し、再生することができ、記録容量を大幅に増大することができる光記録ディスクに適用可能なレーザビームの再生パワーの決定方法およびデータ記録再生装置に関するものである。
従来より、デジタルデータを記録するための記録媒体として、CDやDVDに代表される光記録ディスクが広く利用されているが、近年においては、より大容量で、かつ、高いデータ転送レートを有する光記録ディスクの開発が盛んに行われている。
こうした光記録ディスクにおいては、データの記録・再生に用いるレーザビームの波長λを小さくするとともに、対物レンズの開口数NAを大きくして、レーザビームのビームスポット径を小さく絞ることにより、光記録ディスクの記録容量の増大が図られている。
光記録ディスクにおいては、光記録ディスクに記録された記録マークの長さ、および、隣り合う記録マーク間の長さ、すなわち、記録マークが形成されていない領域(以下、「ブランク領域」という。)の長さが解像限界未満になると、光記録ディスクからデータを再生することが不可能になる。
解像限界は、レーザビームの波長λと、レーザビームを集束するための対物レンズの開口数NAによって決定され、記録マークとブランク領域との繰り返しの周波数、すなわち、空間周波数が2NA/λ以上の場合に、記録マークおよびブランク領域に記録されたデータの読み取りが不可能になる。
したがって、読み取り可能な空間周波数に対応する記録マークおよびブランクの長さは、それぞれ、λ/4NA以上となり、波長λのレーザビームを、開口数NAの対物レンズによって、光記録ディスクの表面に集光させるときは、λ/4NAの長さの記録マークおよびブランク領域が、読み取ることができる最短の記録マークおよびブランク領域となる。
このように、データを再生する場合には、データの再生が可能な解像限界が存在し、再生することができる記録マークの長さおよびブランク領域の長さに制限がある。したがって、解像限界未満の長さの記録マークおよびブランク領域を形成して、データを記録しても、記録されたデータを再生することができないので、光記録ディスクに、データを記録するときに形成可能な記録マークの長さおよびブランク領域の長さが必然的に制限され、通常は、解像限界未満になるような長さの記録マークおよびブランク領域を形成して、光記録ディスクにデータを記録することがない。
したがって、光記録ディスクの記録容量を増大させるためには、データの再生に用いるレーザビームの波長λを短くし、あるいは、対物レンズの開口数NAを大きくすることによって、解像限界を小さくし、より短い記録マークとブランク領域よりなるデータを再生することができるようにすることが要求される。
しかしながら、データの再生に用いるレーザビームの波長λを短くし、あるいは、対物レンズの開口数NAを大きくすることには限界があり、したがって、解像限界を小さくすることによって、光記録ディスクの記録容量を増大させることには限界があった。
また、何らかの方法で、光記録ディスクの記録容量を増大させることができたとしても、それだけでは十分ではなく、光記録ディスクに記録されたデータを再生したときに、良好な信号特性を有する再生信号を得ることができることが必要である。
したがって、本発明の目的は、記録マークの長さや、隣り合う記録マーク間のブランク領域の長さが、解像限界未満である場合にも、これらの記録マークおよびブランク領域を含む記録マーク列により構成されたデータを記録し、再生することができ、記録容量を大幅に増大することができる光記録ディスクに適用可能なレーザビームの再生パワーの決定方法およびデータ記録再生装置を提供することにある。
本発明のかかる目的は、貴金属酸化物を主成分として含む分解反応層と、光吸収層とが、少なくとも誘電体層を挟んで形成された積層体を含む光記録ディスクに、レーザビームを照射して、前記分解反応層に空洞を形成し、前記空洞内に貴金属の微粒子を析出させることによって、解像限界未満の長さの記録マークおよびブランク領域の少なくとも一方を含む記録マーク列が前記分解反応層に形成されて、前記光記録ディスクに記録したデータを再生するために照射するレーザビームの再生パワーを決定するレーザビームの再生パワーの決定方法であって、前記レーザビームのパワーを、あらかじめ決定された推奨記録パワーに設定し、前記推奨記録パワーに設定されたレーザビームを照射して、前記光記録ディスクに、解像限界未満の長さの記録マークおよびブランク領域の少なくとも一方を含む記録マーク列を形成して、テストデータを記録する第一のステップと、前記レーザビームのパワーを、あらかじめ決定された推奨再生パワーに設定して、前記光記録ディスクに、前記推奨再生パワーに設定されたレーザビームを照射して、前記光記録ディスクに記録された前記テストデータを再生する第二のステップと、前記テストデータを再生して得た再生信号の信号特性が基準条件を満たしているか否かを判定する第三のステップと、前記テストデータを再生して得た再生信号の信号特性が基準条件を満たしていないときは、前記テストデータを再生するためのレーザビームのパワーを変更し、前記テストデータを再生して得た再生信号の信号特性が基準条件を満たすときは、そのレーザビームのパワーを、最適再生パワーとして決定する第四のステップとを含むことを特徴とするレーザビームの再生パワーの決定方法によって達成される。
本発明において、光記録ディスクは、貴金属酸化物を主成分として含む分解反応層と、光吸収層とが、少なくとも誘電体層を挟んで形成された積層体を含んでいる。
かかる構成を有する光記録ディスクにおいては、レーザビームが照射されたときに、空洞が形成されるとともに、貴金属の微粒子が空洞内に析出することによって、分解反応層に記録マークが形成される。
本発明者の研究によれば、こうして、光記録ディスクにデータが記録された場合には、記録マーク列を構成する記録マークの長さや、隣り合う記録マーク間のブランク領域の長さが、解像限界未満である場合においても、レーザビームを、対物レンズを用いて、レーザビームの光入射面を介して、光記録ディスクに集光することによって、データが再生可能であることが見出されている。
レーザビームが照射されたときに、分解反応層内に空洞が形成されるとともに、貴金属の微粒子が空洞内に析出し、分解反応層に記録マークが形成されて、データが記録された場合に、記録マーク列を構成する記録マークの長さや、隣り合う記録マーク間のブランク領域の長さが、解像限界未満であるときでも、データを再生することができるという理由は必ずしも明らかではないが、空洞内に析出した貴金属の微粒子に、再生用のレーザビームが照射されることにより、近接場光が発生し、解像限界がなくなったためか、あるいは、空洞内に析出した貴金属の微粒子と照射されたレーザビームとの相互作用によって、解像限界が小さくなったためではないかと推測される。
また、本発明者の研究によれば、レーザビームが照射されたときに、分解反応層に空洞が形成されるとともに、貴金属の微粒子が空洞内に析出し、分解反応層に、解像限界未満の記録マークおよびブランク領域が形成されて、データが記録される光記録ディスクにおいては、レーザビームの再生パワーを所定のパワーより高くしなければ、記録されたデータを再生することができず、また、レーザビームの再生パワーを高くしすぎると、再生信号のC/N比などの信号特性が悪化することが見出されている。
したがって、レーザビームが照射されたときに、分解反応層に空洞が形成されるとともに、貴金属の微粒子が空洞内に析出し、分解反応層に、解像限界未満の記録マークおよびブランク領域が形成されて、記録されたデータを、所望のように、再生するためには、記録されたデータを再生するのに先立って、レーザビームの再生パワーが、記録されたデータを再生するのに適したレベルとなるように、レーザビームの再生パワーのレベルを制御することが必要になる。
本発明によれば、レーザビームのパワーを、あらかじめ決定された推奨記録パワーに設定し、推奨記録パワーに設定されたレーザビームを照射して、光記録ディスクに、解像限界未満の長さの記録マークおよびブランク領域の少なくとも一方を含む記録マーク列を形成して、テストデータを記録し、レーザビームのパワーを、あらかじめ決定された推奨再生パワーに設定して、光記録ディスクに、推奨再生パワーに設定されたレーザビームを照射して、光記録ディスクに記録されたテストデータを再生し、テストデータを再生して得た再生信号の信号特性が基準条件を満たしているか否かを判定し、テストデータを再生して得た再生信号の信号特性が基準条件を満たしているときは、テストデータを再生するためのレーザビームのパワーを変更し、テストデータを再生して得た再生信号の信号特性が基準条件を満たすときは、そのレーザビームのパワーを、最適再生パワーとして決定するように構成されているから、光記録ディスクに記録されたデータを再生するのに先立って、レーザビームの再生パワーを、記録されたデータを再生するのに適したレベルとなるように、所望のように制御することができ、したがって、解像限界未満の長さの記録マークおよびブランク領域が形成されて記録されたデータを、所望のように、再生することが可能となる。
本発明の好ましい実施態様においては、前記第三のステップが、前記テストデータを再生して得た再生信号の解像度が基準条件を満たしているか否かを判定するように構成されている。
再生信号の解像度は、光記録ディスクに記録されたデータを再生するときのレーザビームの再生パワーの大小によって決定されるから、テストデータを再生して得た再生信号の解像度が基準条件を満たしているか否かを基準として、レーザビームの再生パワーが最適であるか否かを判断することが好ましい。
本発明の好ましい実施態様においては、前記第一のステップと第二のステップとの間に、前記レーザビームのパワーを、前記推奨再生パワーに設定して、前記光記録ディスクに、前記推奨再生パワーに設定されたレーザビームを照射して、前記光記録ディスクに記録された前記テストデータを再生する第五のステップと、前記テストデータを再生して得た再生信号の信号特性が基準条件を満たしているか否かを判定する第六のステップと、前記テストデータを再生して得た再生信号の信号特性が基準条件を満たしていないときは、前記テストデータを記録するためのレーザビームのパワーを変更し、前記テストデータを再生して得た再生信号の信号特性が基準条件を満たすときは、そのレーザビームのパワーを、最適記録パワーとして決定する第七のステップとを含み、前記第二のステップが、前記第七のステップで、決定された最適記録パワーで記録されたテストデータを、前記推奨再生パワーに設定されたレーザビームを照射して再生するように構成されている。
本発明の別の好ましい実施形態においては、前記第四のステップの後に、前記第四のステップで決定された最適再生パワーのレーザビームを、前記光記録ディスクに照射して、前記光記録ディスクに記録された前記テストデータを再生する第五のステップと、前記テストデータを再生して得た再生信号の信号特性が基準条件を満たしているか否かを判定する第六のステップと、前記テストデータを再生して得た再生信号の信号特性が基準条件を満たしていないときは、前記テストデータを記録するためのレーザビームのパワーを変更し、前記テストデータを再生して得た再生信号の信号特性が基準条件を満たすときは、そのレーザビームのパワーを、最適記録パワーとして決定する第七のステップとを含むように構成されている。
本発明の好ましい実施態様によれば、かかるステップに従って、レーザビームの最適記録パワーが決定されるから、光記録ディスクにデータを記録するのに先立って、レーザビームの記録パワーを、データを記録するのに適したレベルとなるように、所望のように制御することができ、したがって、光記録ディスクに、所望のように、データを記録することが可能となる。
本発明の好ましい実施態様においては、前記第六のステップが、前記テストデータを再生して得たベータ値が基準条件を満たしているか否かを判定するように構成されている。
テストデータを再生して得たベータ値は、光記録ディスクにデータを記録するときのレーザビームの記録パワーの大小によって決定されるから、テストデータを再生して得たベータ値が基準条件を満たしているか否かを基準として、レーザビームの再生パワーが最適であるか否かを判断することが好ましい。
本発明において、光記録ディスクの分解反応層は、前記レーザビームが照射されたときに、前記分解反応層に主成分として含まれている前記貴金属酸化物が貴金属と酸素に分解されるのが、好ましい。
本発明において、光記録ディスクの分解反応層に主成分として含まれる貴金属酸化物は、とくに限定されるものではないが、酸化物の形成し易さ、近接場光の発生効率の観点から、銀、白金およびパラジウムよりなる群から選ばれる一種の貴金属を含む酸化物が好ましく、とくに、白金酸化物PtOxが、分解温度が高いため、好ましい。
白金酸化物PtOxは、他の貴金属酸化物に比べて、分解温度が高く、したがって、記録用のパワーに設定されたレーザビームを照射して、記録マークを形成する際に、レーザビームが照射された領域から、周囲の分解反応層に、熱が拡散しても、レーザビームが照射された領域以外の領域で、白金酸化物PtOxの分解反応が生じることが防止されるから、分解反応層の所望の領域に、空洞を形成して、記録マークを形成することが可能になる。
また、高いパワーの再生用レーザビームが照射されて、データが再生される場合においても、白金酸化物PtOxは、他の貴金属酸化物に比べて、分解温度が高いから、白金酸化物が白金と酸素に分解されるおそれがなく、したがって、繰り返し、光記録ディスクに記録されたデータを再生しても、記録マークの形状が変化することはなく、空洞が形成され、また、記録マークが形成された領域以外の領域に、新たに空洞が形成されることもないから、光記録ディスクの再生耐久性を向上させることが可能になる。
本発明において、記録マークの長さや、隣り合う記録マーク間のブランク領域の長さが、解像限界未満である場合にも、高いC/N比を有する再生信号を得るためには、白金酸化物の一般式PtOxにおいて、xが0.5以上、4.0以下であることが好ましく、1.0以上、3未満であることがより好ましい。
本発明において、貴金属酸化物として、酸化銀AgOyを用いる場合には、yが0.5以上、1.5以下であることが好ましく、0.5以上、1.0以下であることがより好ましい。
本発明において、分解反応層に形成される空洞は、前記レーザビームが照射されたときに、生成される酸素ガスによって、形成されるのが好ましい。
本発明において、好ましくは、白金酸化物が分解して、形成される白金の微粒子は、分解反応層に形成すべき空洞の大きさよりも小さい粒径を有しており、白金酸化物が分解して、形成される白金の微粒子が、通常、形成される空洞の大きさに比べて十分に小さい場合には、空洞内に析出した白金の微粒子によって、空洞の形状が悪影響を受け、記録マークの形状に、望ましくない変化が生じることを効果的に防止することが可能になる。
本発明において、光吸収層は、光透過層を介して、レーザビームが照射されたときに、レーザビームを吸収して、発熱するように構成されている。
光透過層を介して、レーザビームが照射されたときに、光吸収層がレーザビームを吸収して、発熱するように構成されている場合には、レーザビームが照射されたときに、分解反応層自身が発熱し難くても、光吸収層から伝達される熱によって、分解反応層に主成分として含まれている貴金属酸化物を貴金属と酸素に分解させることができ、したがって、分解反応層が容易に変形しやすくなるように、分解反応層を薄層化しても、また、分解反応層が、レーザビームの透過性の高い貴金属酸化物を含んでいても、光記録ディスクに、レーザビームを照射することにより、所望のように、貴金属酸化物を分解させて、記録マークを形成することが可能になる。
本発明において、光吸収層は、レーザビームの吸収率が高く、熱伝導率の低い材料を含んでいることが好ましく、SbおよびTeの少なくとも一方を含んでいることが好ましい。
本発明において、光吸収層に含まれるSbおよびTeの少なくとも一方を含む合金としては、(SbTe1ーa1ーb、または{(GeTe)(SbTe1−c1−dで表わされる組成を有するものがとくに好ましい。ここに、元素Mは、SbおよびTeを除く元素を表わし、元素Xは、Sb、TeおよびGeを除く元素を表す。
光吸収層に含まれるSbおよびTeの少なくとも一方を含む合金が、(SbTe1ーa1ーbで表される組成を有するもののときは、aおよびbは、0≦a≦1、かつ、0≦b≦0.25であることが好ましい。bが0.25を越えているときは、光の吸収係数が光吸収層に要求される値よりも低くなり、また、熱伝導性が光吸収層に要求される値よりも低くなり、好ましくない。
元素Mは、とくに限定されるものではないが、In、Ag、Au、Bi、Se、Al、Ge、P、H、Si、C、V、W、Ta、Zn、Mn、Ti、Sn、Pb、Pd、N、Oおよび希土類元素(Sc、Yおよびランタノイド)よりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を主成分として含むことが好ましい。
一方、光吸収層に含まれるSbおよびTeの少なくとも一方を含む合金が、{(GeTe)(SbTe1−c1−dで表される組成を有するもののときは、1/3≦c≦2/3、かつ、0.9≦dであることが好ましい。
元素Xは、とくに限定されるものではないが、In、Ag、Au、Bi、Se、Al、P、H、Si、C、V、W、Ta、Zn、Mn、Ti、Sn、Pb、Pd、N、Oおよび希土類元素よりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を主成分として含むことが好ましい。
本発明においては、レーザビームが照射されて、分解反応層が、貴金属と酸素に分解し、空洞が形成される際に、誘電体層および光吸収層が変形することが好ましい。
誘電体層および光吸収層が変形した領域は、誘電体層および光吸収層が変形しない領域と、光学特性が異なるので、再生信号のC/N比をより一層向上させることができる。
本発明の前記目的はまた、貴金属酸化物を主成分として含む分解反応層と、光吸収層とが、少なくとも誘電体層を挟んで形成された積層体を含む光記録ディスクに、レーザビームを照射して、解像限界未満の長さの記録マークおよびブランク領域の少なくとも一方を含む記録マーク列を形成して、データを記録し、記録されたデータを再生するデータ記録再生装置であって、前記光記録ディスクにレーザビームを照射する照射手段と、前記レーザビームのパワーを制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記レーザビームのパワーを、あらかじめ決定された推奨記録パワーに設定し、前記推奨記録パワーに設定されたレーザビームを照射させて、前記光記録ディスクに、解像限界未満の長さの記録マークおよびブランク領域の少なくとも一方を含む記録マーク列を形成して、テストデータを記録させる第一のステップと、前記レーザビームのパワーを、あらかじめ決定された推奨再生パワーに設定し、前記推奨再生パワーに設定されたレーザビームを照射させて、前記光記録ディスクに記録された前記テストデータを再生させる第二のステップと、前記テストデータを再生させて得た再生信号の信号特性が基準条件を満たしているか否かを判定する第三のステップと、前記テストデータを再生させて得た再生信号の信号特性が基準条件を満たしていないときは、前記レーザビームのパワーを変更し、前記テストデータを再生させて得た再生信号の信号特性が基準条件を満たすときに、前記基準条件を満たす再生信号が得られたときの前記レーザビームのパワーを最適再生パワーとして決定する第四のステップとに従って、前記レーザービームのパワーを制御し、前記レーザビームのパワーを、前記第四のステップで決定された前記最適再生パワーに設定して、前記光記録ディスクに記録されたデータを再生させることを特徴とするデータ記録再生装置によって達成される。
本発明の好ましい実施態様においては、前記制御手段が、前記第三のステップで、前記テストデータを再生させて得た再生信号の解像度が基準条件を満たしているか否かを判定するように構成されている。
本発明の好ましい実施態様においては、前記制御手段が、前記第一のステップと第二のステップとの間に、前記レーザビームのパワーを、前記推奨再生パワーに設定して、前記光記録ディスクに、前記推奨再生パワーに設定されたレーザビームを照射させて、前記光記録ディスクに記録された前記テストデータを再生させる第五のステップと、前記テストデータを再生させて得た再生信号の信号特性が基準条件を満たしているか否かを判定する第六のステップと、前記テストデータを再生させて得た再生信号の信号特性が基準条件を満たしていないときは、前記テストデータを記録するためのレーザビームのパワーを変更し、前記テストデータを再生させて得た再生信号の信号特性が基準条件を満たすときは、そのレーザビームのパワーを、最適記録パワーとして決定する第七のステップとを含み、前記レーザビームのパワーを、前記第七のステップで決定された前記最適記録パワーに設定して、前記光記録ディスクにデータを記録させることを特徴とするように構成されている。
本発明の好ましい実施態様においては、前記制御手段が、前記第四のステップの後に、前記第四のステップで決定された最適再生パワーのレーザビームを、前記光記録ディスクに照射させて、前記光記録ディスクに記録された前記テストデータを再生させる第五のステップと、前記テストデータを再生させて得た再生信号の信号特性が基準条件を満たしているか否かを判定する第六のステップと、前記テストデータを再生させて得た再生信号の信号特性が基準条件を満たしていないときは、前記テストデータを記録するためのレーザビームのパワーを変更し、前記テストデータを再生させて得た再生信号の信号特性が基準条件を満たすときは、そのレーザビームのパワーを、最適記録パワーとして決定する第七のステップとを含み、前記レーザビームのパワーを、前記第七のステップで決定された前記最適記録パワーに設定して、前記光記録ディスクにデータを記録させるように構成されている。
本発明の好ましい実施態様においては、前記制御手段が、前記第六のステップで、前記テストデータを再生させて得たベータ値が基準条件を満たしているか否かを判定するように構成されている。
本発明によれば、記録マークの長さや、隣り合う記録マーク間のブランク領域の長さが、解像限界未満である場合にも、これらの記録マークおよびブランク領域を含む記録マーク列により構成されたデータを記録し、再生することができ、記録容量を大幅に増大することができる光記録ディスクに適用可能なレーザビームの再生パワーの決定方法およびデータ記録再生装置を提供することができる。
以下、添付図面に基づいて、本発明の好ましい実施態様につき、詳細に説明を加える。
図1は、本発明の好ましい実施態様にかかる光記録ディスクの略斜視図であり、図2は、図1に示された光記録ディスクのトラックに沿った断面のうち、Aで示される部分の略拡大断面図である。
図2に示されるように、本実施態様にかかる光記録ディスク1は、支持基板2を備え、支持基板2上に、反射層3と、第三の誘電体層4と、光吸収層5と、第二の誘電体層6と、分解反応層7と、第一の誘電体層8と、光透過層9とが、この順に、積層されている。
本実施態様においては、図2に示されるように、光記録ディスク1は、光透過層9側から、レーザビームLが照射されて、データが記録され、記録されたデータが再生されるように構成されている。レーザビームLは、390nmないし420nmの波長λを有し、開口数NAが0.7ないし0.9の対物レンズによって、光記録ディスク1に集光される。
支持基板2は、光記録ディスク1に求められる機械的強度を確保するための支持体として、機能する。
支持基板2を形成するための材料は、光記録ディスク1の支持体として機能することができれば、とくに限定されるものではない。支持基板2は、たとえば、ガラス、セラミックス、樹脂などによって、形成することができる。これらのうち、成形の容易性の観点から、樹脂が好ましく使用される。このような樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、オレフィン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素系樹脂、ABS樹脂、ウレタン樹脂などが挙げられる。これらの中でも、加工性、光学特性などの点から、ポリカーボネート樹脂、オレフィン樹脂がとくに好ましい。
本実施態様においては、支持基板2は、ポリカーボネート樹脂によって形成され、約1.1mmの厚さを有している。
図2に示されるように、光記録ディスク1の支持基板2の表面上には、反射層3が形成されている。
反射層3は、光透過層9を介して、入射したレーザビームLを反射し、再び、光透過層9から出射させる役割を果たす。
反射層3を形成するための材料は、レーザビームLを反射することができれば、とくに限定されるものではなく、反射層3は、Au、Ag、Cu、Pt、Al、Ti、Cr、Fe、Co、Ni、Mg、Zn、Ge、Si、Pd、Ndからなる群より選ばれる少なくとも一種の元素を用いて、形成することができる。
反射層3の厚さは、とくに限定されるものではないが、反射層3は、5nmないし200nmの厚さを有するように形成されることが好ましい。
図2に示されるように、光記録ディスク1の反射層3の表面上には、第三の誘電体層4が形成されている。
本実施態様においては、第三の誘電体層4は、支持基板2および反射層3を保護するとともに、その上に形成される光吸収層5を、物理的、化学的に保護する機能を有している。
第三の誘電体層4を形成するための誘電体材料は、とくに限定されるものではなく、たとえば、酸化物、硫化物、窒化物またはこれらの組み合わせを主成分とする誘電体材料によって、第三の誘電体層4を形成することができ、第三の誘電体層4は、好ましくは、Si、Zn、Al、Ta、Ti、Co、Zr、Pb、Ag、Sn、Ca、Ce、V、Cu、Fe、Mgよりなる群から選ばれる少なくとも一種の金属を含む酸化物、窒化物、硫化物、フッ化物、あるいは、これらの複合物によって形成される。
第三の誘電体層4は、たとえば、第三の誘電体層4の構成元素を含む化学種を用いた気相成長法によって、反射層3の表面上に形成することができる。気相成長法としては、真空蒸着法、スパッタリング法などが挙げられる。
第三の誘電体層4の厚さは、とくに限定されるものではないが、10nmないし140nmが好ましい。
図2に示されるように、光記録ディスク1の第三の誘電体層4の表面上には、光吸収層5が形成されている。
本実施態様において、光吸収層5は、光記録ディスク1に、記録パワーに設定されたレーザビームLが照射されたときに、レーザビームLを吸収して、発熱し、生成した熱を、分解反応層7に伝達する機能を有している。
本実施態様においては、光吸収層5は、光の吸収係数が高く、熱伝導率の低いSbおよびTeの少なくとも一方を含む合金によって形成されている。
光吸収層5に含まれるSbおよびTeの少なくとも一方を含む合金としては、(SbTe1ーa1ーb、または{(GeTe)(SbTe1−c1−dで表わされる組成を有していることがとくに好ましい。ここに、元素Mは、SbおよびTeを除く元素を表わし、元素Xは、Sb、TeおよびGeを除く元素を表わす。
光吸収層5に含まれるSbおよびTeの少なくとも一方を含む合金が、(SbTe1ーa1ーbで表される組成を有しているときは、aおよびbは、0≦a≦1、かつ、0≦b≦0.25であることが好ましい。bが0.25を越えているときは、光の吸収係数が光吸収層5に要求される値よりも低くなり、また、熱伝導性が光吸収層5に要求される値よりも低くなり、好ましくない。
元素Mは、とくに限定されるものではないが、In、Ag、Au、Bi、Se、Al、Ge、P、H、Si、C、V、W、Ta、Zn、Mn、Ti、Sn、Pb、Pd、N、Oおよび希土類元素(Sc、Yおよびランタノイド)よりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を主成分として含むことが好ましい。
一方、光吸収層5に含まれるSbおよびTeの少なくとも一方を含む合金が、{(GeTe)(SbTe1−c1−dで表わされる組成を有しているときは、1/3≦c≦2/3、かつ、0.9≦dであることが好ましい。
元素Xは、とくに限定されるものではないが、In、Ag、Au、Bi、Se、Al、P、H、Si、C、V、W、Ta、Zn、Mn、Ti、Sn、Pb、Pd、N、Oおよび希土類元素よりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を主成分として含むことが好ましい。
390nmないし420nmの波長λを有するレーザビームLを用いる場合には、元素Mとしては、Ag、In、Geおよび希土類元素よりなる群から選ばれる少なくとも一種の元素を主成分として含むことが、とくに好ましく、元素Xとしては、Ag、Inおよび希土類元素よりなる群から選ばれる少なくとも一種の元素を主成分として含むことが、とくに好ましい。
光吸収層5は、光吸収層5の構成元素を含む化学種を用いた気相成長法によって、第三の誘電体層4の表面上に形成することができ、気相成長法としては、真空蒸着法、スパッタリング法などが挙げられる。
光吸収層5は、5nmないし100nmの厚さを有していることが好ましい。光吸収層5の厚さが、5nm未満である場合には、光吸収量が低すぎ、一方、光吸収層5の厚さが、100nmを越えると、後述のように、分解反応層7に空洞が形成される際に、光吸収層5が変形し難くなり、好ましくない。
図2に示されるように、光記録ディスク1の光吸収層5の表面上には、第二の誘電体層6が形成されている。
本実施態様において、第二の誘電体層6は、第一の誘電体層8とともに、分解反応層7を、物理的、化学的に保護する機能を有している。
第二の誘電体層6を形成するための材料は、とくに限定されるものではなく、たとえば、第二の誘電体層6は、第三の誘電体層4と同様の材料によって、形成することができる。また、第二の誘電体層6は、第三の誘電体層4と同様に、気相成長法によって、形成することができる。
第二の誘電体層6は、好ましくは、5nmないし100nmの厚さを有するように形成される。
図2に示されるように、光記録ディスク1の第二の誘電体層6の表面上には、分解反応層7が形成されている。
本実施態様においては、分解反応層7は、記録層として機能し、光記録ディスク1にデータが記録される際に、分解反応層7に、記録マークが形成される。
本実施態様において、分解反応層7は、白金酸化物PtOxを主成分として含んでいる。
本実施態様において、記録マークの長さや、隣り合う記録マーク間のブランク領域の長さが、解像限界未満である場合にも、高いC/N比を有する再生信号を得るためには、1.0≦x<3.0であることがより好ましい。
分解反応層7は、分解反応層7に主成分として含まれる構成元素を含む化学種を用いた気相成長法によって、第二の誘電体層6の表面上に形成することができ、気相成長法としては、真空蒸着法、スパッタリング法などが挙げられる。
分解反応層7は、2nmないし50nmの厚さを有するように形成されることが好ましい。
図2に示されるように、光記録ディスク1の分解反応層7の表面上には、第一の誘電体層8が形成されている。
本実施態様において、第一の誘電体層8は、分解反応層7を物理的、化学的に保護する機能を有している。
第一の誘電体層8を形成するための材料はとくに限定されるものではないが、たとえば、第一の誘電体層8は、第三の誘電体層4と同様の材料によって、形成することができる。また、第一の誘電体層8は、第三の誘電体層4と同様に、気相成長法によって、形成することができる。
図2に示されるように、光記録ディスク1の第一の誘電体層8の表面上には、光透過層9が形成されている。
光透過層9は、レーザビームLが透過する層であり、その表面は、レーザビームLの入射面を形成している。
光透過層9は、10μmないし200μmの厚さを有していることが好ましく、より好ましくは、光透過層9は、50μmないし150μmの厚さを有している。
光透過層9を形成するための材料は、光学的に透明で、使用されるレーザビームLの波長領域である390nmないし420nmでの光学吸収および反射が少なく、複屈折が小さい材料であれば、とくに限定されるものではなく、スピンコーティング法などによって、光透過層9が形成される場合には、紫外線硬化型樹脂、電子線硬化型樹脂、熱硬化型樹脂などが、光透過層9を形成するために用いられ、紫外線硬化型樹脂、電子線硬化型樹脂などの活性エネルギー線硬化型樹脂が、光透過層9を形成するために、とくに好ましく使用される。
光透過層9は、第一の誘電体層8の表面に、光透過性樹脂によって形成されたシートを、接着剤を用いて、接着することによって、形成されてもよい。
光透過層9の膜厚は、スピンコーティング法により、光透過層9を形成する場合には、10μmないし200μmが好ましく、光透過性樹脂によって形成されたシートを、接着剤を用いて、第一の誘電体層8の表面に接着して、光透過層9を形成する場合には50μmないし150μmが好ましい。
図3は、本発明の別の好ましい実施形態にかかる光記録ディスクの略斜視図であり、図4は、図3に示された光記録ディスクのトラックに沿った断面のうち、Bで示される部分の略拡大断面図である。
図4に示されるように、本実施形態にかかる光記録ディスク10は、光透過性基板12を備え、光透過性基板12上に、第一の誘電体層8と、分解反応層7と、第二の誘電体層6と、光吸収層5と、第三の誘電体層4と、厚み調整用の基板13が、この順に、積層されている。
図4に示されるように、光記録ディスク10は、光透過性基板12側から、レーザビームLが照射されて、データが記録され、記録されたデータが再生されるように構成されている。レーザビームLは、630nmないし675nmの波長λを有し、開口数NAが0.59ないし0.66の対物レンズによって、光記録ディスク10に集光される。
光透過性基板12は、分解反応層7に、データが記録され、あるいは、分解反応層7に記録されたデータが再生されるときに、レーザビームLが透過する層であり、光記録ディスク10に求められる機械的強度を確保するための支持体としての役割を果たす。光透過性基板12は、ディスク状に形成され、約0.6mmの厚さを有するように形成されている。
光透過性基板12を形成するための材料は、630nmないし675nmの波長λを有するレーザビームLに対して光透過性を有し、光記録ディスク10の支持体として機能することができれば、とくに限定されるものではなく、たとえば、ガラス、セラミックス、樹脂などによって、形成することができ、加工性、光学特性などの点から、ポリカーボネート樹脂によって、光透過性基板12が形成されるのが、とくに好ましい。
厚み調整用の基板13は、光記録ディスク10が、全体として、約1.2mmの厚さを有するようにするために用いられるディスク状の基板であり、光透過性基板12と同様に、約0.6mmの厚さを有するように形成されている。また、厚み調整用の基板13は、光記録ディスク10の剛性を向上させる役割も果たす。
厚み調整用の基板13を形成するための材料は、とくに限定されるものではなく、厚み調整用の基板13は、光透過性基板12と同様に、たとえば、ガラス、セラミックス、樹脂などによって、形成することができる。
以上のように構成された光記録ディスク1、10には、次のようにして、データが記録され、データが再生される。ここでは、図1および図2に示される光記録ディスク1に、データが記録され、データが再生される場合を例に挙げて説明する。
図5は、データが記録される前の光記録ディスク1の一部拡大略断面図であり、図6は、データが記録された後の光記録ディスク1の一部拡大略断面図である。
光記録ディスク1にデータを記録するに際しては、光透過層9側から、光記録ディスク1にレーザビームLが照射される。
記録パワーに設定されたレーザビームLが、光記録ディスク1に照射されると、光吸収層5が光の吸収係数が高いSbおよびTeの少なくとも一方を含む合金によって形成されているため、レーザビームLが照射された光吸収層5の領域が加熱される。
光吸収層5で生成された熱は、分解反応層7に伝達され、分解反応層7の温度が上昇する。
こうして、分解反応層7が、白金酸化物の分解温度以上に加熱されると、分解反応層7に主成分として含まれている白金酸化物が、白金と酸素に分解される。
その結果、図6に示されるように、白金酸化物が分解して、生成された酸素ガスによって、分解反応層7中に、空洞7aが形成され、白金の微粒子7bが空洞7a内に析出する。
同時に、図6に示されるように、酸素ガスの圧力によって、分解反応層7とともに、第二の誘電体層6が変形する。
こうして、空洞7aが形成され、第二の誘電体層6および分解反応層7が変形した領域は、他の領域とは異なる光学特性を有するため、空洞7aが形成され、第二の誘電体層6および分解反応層7が変形した領域によって、記録マークが形成される。
本実施態様においては、こうして形成される記録マークおよび隣り合った記録マーク間のブランク領域の中には、λ/4NAよりも長さが短いものが含まれ、解像限界未満の記録マーク列が形成される。
また、本実施態様においては、分解反応層7が、分解温度が高い白金酸化物を主成分として含んでいるから、記録パワーPwに設定されたレーザビームLを照射して、記録マークを形成する際に、レーザビームLが照射された領域から、熱が周囲の分解反応層7に拡散した場合にも、レーザビームが照射された領域以外の領域で、白金酸化物の分解反応が生じることが防止され、したがって、分解反応層7の所望の領域に、空洞7aを形成して、記録マークを形成することが可能となる。
さらに、本実施態様においては、白金酸化物が分解して、白金の微粒子7bが、空洞7a内に、析出して、記録マークが形成されるが、白金微粒子7bの粒径は、分解反応層7に形成すべき空洞7aの大きさよりも小さいから、空洞7a内に析出した白金の微粒子7bによって、空洞7aの形状が悪影響を受け、記録マークの形状に、望ましくない変化が生じることを効果的に防止することが可能になる。
こうして、光記録ディスク1に、記録マーク列が形成されて、データが記録される。
光記録ディスク1に記録されたデータは、以下のようにして、再生される。
光記録ディスク1に記録されたデータを再生するにあたっては、光透過層9側から、光記録ディスク1にレーザビームLが照射される。
本発明者の研究によれば、光記録ディスク1の分解反応層7に、上述のように、データが記録された場合には、レーザビームLを、光透過層9側から、光記録ディスク1に集光することによって、記録マーク列を構成する記録マークの長さや、隣り合う記録マーク間のブランク領域の長さが、解像限界未満であるときにも、データが再生可能であることが見出されている。
分解反応層7に主成分として含まれている白金酸化物が白金と酸素に分解され、生成された酸素ガスによって、分解反応層7内に空洞7aが形成されるとともに、白金の微粒子7bが空洞7a内に析出し、分解反応層7に記録マークが形成されて、データが記録された場合に、記録マーク列を構成する記録マークの長さや、隣り合う記録マーク間のブランク領域の長さが、解像限界未満であるときでも、データを再生することができるという理由は必ずしも明らかではないが、空洞7a内に析出した白金の微粒子7bに、レーザビームLが照射されることにより、近接場光が発生し、解像限界がなくなったためか、あるいは、空洞7a内に析出した白金の微粒子7bと照射されたレーザビームLとの相互作用によって、解像限界が小さくなったためではないかと推測される。
また、本発明者の研究によれば、分解反応層7に主成分として含まれている白金酸化物が白金と酸素に分解され、生成された酸素ガスによって、分解反応層7内に空洞7aが形成されるとともに、白金の微粒子7bが空洞7a内に析出し、分解反応層7に、解像限界未満の記録マークおよびブランク領域が形成されて、データが記録された光記録ディスク1においては、レーザビームの再生パワーPrを所定のパワーより高くしなければ、記録されたデータを再生することができず、また、レーザビームの再生パワーPrを高くしすぎると、再生信号のC/N比などの信号特性が悪化することが見出されている。
したがって、分解反応層7に主成分として含まれている白金酸化物が白金と酸素に分解され、生成された酸素ガスによって、分解反応層7内に空洞7aが形成されるとともに、白金の微粒子7bが空洞7a内に析出し、分解反応層7に、解像限界未満の記録マークおよびブランク領域が形成されて、光記録ディスク1に記録されたデータを、所望のように、再生するためには、光記録ディスク1に記録されたデータを再生するのに先立って、レーザビームの再生パワーPrが、記録されたデータを再生するのに適したレベルとなるように、レーザビームの再生パワーPrのレベルを制御することが必要になる。
図7は、本発明の好ましい実施態様にかかるデータ記録再生装置のブロックダイアグラムである。
図7に示されるように、本実施態様にかかるデータ記録再生装置50は、光記録ディスク1を回転させるためのスピンドルモータ52と、光記録ディスク1に、レーザビームLを照射するとともに、光記録ディスク1によって、反射されたレーザビームLを受光するヘッド53と、スピンドルモータ52およびヘッド53の動作を制御するコントローラ54と、ヘッド53に、レーザ駆動信号を供給するレーザ駆動回路55と、ヘッド53に、レンズ駆動信号を供給するレンズ駆動回路56とを備えている。
図7に示されるように、コントローラ54は、フォーカスサーボ回路57、トラッキングサーボ回路58およびレーザパワーコントロール回路59を含んでいる。
トラッキングサーボ回路58が活性化すると、光記録ディスク1のトラックに対して、レーザビームLのスポットが自動追従状態となる。
フォーカスサーボ回路57およびトラッキングサーボ回路58は、それぞれ、フォーカスゲインを自動調整するためのオートゲインコントロール機能およびトラッキングゲインを自動調整するためのオートゲインコントロール機能を有している。
また、レーザパワーコントロール回路59は、レーザビームLのパワーを制御するレーザパワー制御信号を生成して、レーザ駆動回路55に出力するように構成されている。
本実施態様においては、光記録ディスク1が出荷されるのに先立って、光記録ディスクメーカーによって、所定の記録線速度VwにおけるレーザビームLの記録パワーPwの推奨記録パワーPw’および所定の再生線速度VrにおけるレーザビームLの再生パワーPrの推奨再生パワーPr’が定められ、推奨記録パワーPw’および推奨再生パワーPr’が、記録線速度Vwおよび再生線速度Vrとともに、記録再生条件設定用データとして、ウォブルやプリピットの形で、光記録ディスク1に記録されるように構成されている。
光記録ディスク1が、データ記録再生装置50にセットされると、まず、コントローラ54によって、光記録ディスク1に記録された記録再生条件設定用データ、すなわち、推奨記録パワーPw’、推奨再生パワーPr’、記録線速度Vwおよび再生線速度Vrが読み出される。
ここに、推奨記録パワーPw’および推奨再生パワーPr’は、同一の構成を有する複数の光記録ディスクサンプルに、記録線速度Vwで、レーザビームの記録パワーPwを変更させながら、データを記録し、再生線速度Vrで、レーザビームの再生パワーPrを変更させながら、光記録ディスクサンプルに記録されたデータを再生することによって得られる記録特性および再生特性に基づいて、決定される。
また、本実施態様にかかるデータ記録再生装置50においては、後述するレーザビームLの最適記録パワーPwおよび最適再生パワーPrを決定するためのプログラムデータが、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリ(図示せず)に記憶されており、したがって、コントローラ54は、光記録ディスク1に、データを記録するのに先立って、あるいは、光記録ディスク1に記録されたデータを読み出すのに先立って、光記録ディスク1から読み出した推奨記録パワーPw’、推奨再生パワーPr’、記録線速度Vwおよび再生線速度Vrを用いて、光記録ディスク1にデータを記録するときのレーザビームLの最適記録パワーPwおよび光記録ディスク1に記録されたデータを再生するときの最適再生パワーPrを決定する。
図8は、レーザビームの最適記録パワーおよび最適再生パワーを決定するレーザビームの記録パワーおよび再生パワーの決定ルーチンを示すフローチャートである。
まず、データ記録再生装置50のコントローラ54は、レーザビームLの最適記録パワーPwおよび最適再生パワーPrを決定するにあたり、光記録ディスク1に記録された推奨記録パワーPw’、推奨再生パワーPr’、記録線速度Vwおよび再生線速度Vrを読み出す。
推奨記録パワーPw’、推奨再生パワーPr’、記録線速度Vwおよび再生線速度Vrを読み出すと、コントローラ54は、レーザビームLの記録パワーPwを推奨記録パワーPw’に設定するとともに、光記録ディスク1にデータを記録するときの記録線速度を、記録線速度Vwに設定する。
レーザビームLの記録パワーPwが、推奨記録パワーPw’に設定されると、レーザパワーコントロール回路59は、ヘッド53によって生成されるレーザビームLのパワーが、推奨記録パワーPw’になるように、レーザパワー制御信号を生成して、レーザ駆動回路55に出力し、レーザ駆動回路55に、レーザパワー制御信号に基づいて、レーザ駆動信号を生成させて、ヘッド53に出力させる。
また、光記録ディスク1にデータを記録するときの記録線速度が、記録線速度Vwに設定されると、コントローラ54によって、まず、レーザビームLが、光記録ディスク1のパワーキャリブレーションエリアの所定のトラックに照射されるように、ヘッド53の位置が調整され、次いで、記録線速度が、記録線速度Vwになるように、コントローラ54によって、光記録ディスク1の回転速度が調整される。
ここに、パワーキャリブレーションエリアとは、レーザビームLの記録パワーPwおよび再生パワーPrを決定するためのテストデータなどが記録される領域をいい、ユーザによって、データが記録される領域とは別に、光記録ディスク1の内周部などに設けられる。
次いで、ヘッド53から発せられた記録パワーPw’のレーザビームLが、記録線速度Vwで、光記録ディスク1のパワーキャリブレーションエリアに照射され、パワーキャリブレーションエリアに、テストデータが記録される。
テストデータを記録するに際しては、解像限界未満の長さの記録マークおよび解像限界未満の長さのブランク領域の少なくとも一方を含む記録マーク列が、パワーキャリブレーションエリアの分解反応層7に形成されて、データが記録される。
テストデータが記録されると、コントローラ54は、レーザビームLのパワーを推奨再生パワーPr’に設定するとともに、光記録ディスク1の再生線速度を、再生線速度Vrに設定し、再生線速度Vrで、再生パワーPr’に設定されたレーザビームLを光記録ディスク1に照射して、光記録ディスク1のパワーキャリブレーションエリアに記録されたテストデータを再生する。
テストデータが再生されると、コントローラ54は、テストデータを再生して得られた再生信号から、ベータ値を算出する。ベータ値とは、光記録ディスク1に形成された記録マークおよびブランク領域の反射光が、電圧またはエネルギーに変換されたときの電圧レベルまたはエネルギーレベルの非対称性を指し、記録マークの長さや太さと相関関係を有している。したがって、ベータ値は、光記録ディスク1にデータを記録するときのレーザビームLの記録パワーPwの大小によって決定される。
本実施態様において、High to Low記録タイプを例に説明すると、テストデータを再生したときに得られる交流信号のプラス側の極大値をA1、マイナス側の極小値をA2とした場合に、(A1+A2)/(A1−A2)によって得られる値が、ベータ値として定義される。
次いで、コントローラ54は、こうして算出したベータ値が、基準条件を満たしているか否かを判定する。
ベータ値が、基準条件を満たしているか否かは、算出されたベータ値が、光記録ディスク1が適合する規格によって定められた基準範囲内に収まるか否かによって、判定される。
その結果、ベータ値が、基準条件を満たしていないと判定したときは、テストデータを記録するために設定したレーザビームLのパワーPwのレベルが不適切であったと考えられるから、コントローラ54は、制御信号を、レーザパワーコントロール回路59に出力して、レーザビームLの記録パワーPwを高くする。
そして、異なる記録パワーPwに設定されたレーザビームLが、パワーキャリブレーションエリアに照射されて、再び、テストデータが記録され、記録されたテストデータが再生されて、再度、再生信号から算出されるベータ値が、基準条件を満たすか否かが判定される。このとき、ベータ値が、基準範囲内に収まらず、マイナス側にずれているときは、コントローラ54は、レーザビームLの記録パワーPwが最適な記録パワーに比して高すぎ、レーザビームLの記録パワーPwを高くするのは誤りであったと判断し、レーザビームLの記録パワーPwを低くするように、記録パワーPwを変更する方向の転換を図る。これとは逆に、ベータ値が、基準範囲内に収まらず、プラス側にずれているときは、コントローラ54は、変更した後の記録パワーPwでも、まだ、最適記録パワーPwに比して低く、最適記録パワーPwに達していないと判断し、再び、記録パワーPwを高くする。
これに対して、ベータ値が基準条件を満たしているときは、コントローラ54は、テストデータを記録するために設定したレーザビームLの記録パワーPwが適切であると判断して、そのテストデータを記録したときのレーザビームLの記録パワーPwを、ユーザがデータを記録するときの最適記録パワーPwとして、決定する。
最適記録パワーPwが決定されると、コントローラ54は、レーザビームLのパワーを、推奨再生パワーPr’に設定し、最適記録パワーPwのレーザビームLを照射して記録されたテストデータを、再生する。
テストデータの再生が終了すると、コントローラ54は、テストデータを再生して得られた再生信号から、解像度を算出する。本実施態様においては、解像度は、光記録ディスク1の分解反応層7に形成された記録マークのうちの最小の記録マークに対応する再生信号の振幅Imin=A1min−A2minと、最大の記録マークに対応する再生信号の振幅Imax=A1max−A2maxとの比Imin/Imaxによって、定義される。
次いで、コントローラ54は、こうして算出した解像度が、基準条件を満たしているか否かを判定する。算出された解像度が、基準条件を満たしているか否かは、解像度が、光記録ディスク1が適合する規格によって定められた基準値よりも大きいか否か、あるいは、算出された解像度が、定められた基準範囲内に収まるか否かによって、判定される。ここに、テストデータを再生したときに得られる直流信号のうち、最小の記録マークに対応する直流信号の振幅Iminは、光記録ディスク1に記録されたデータを再生するときのレーザビームLの再生パワーPrの大小によって決定され、ひいては、再生信号の解像度もレーザビームLの再生パワーPrの大小によって決定される。本実施態様においては、この点に着目し、再生信号の解像度を参照して、レーザビームLの再生パワーPrが、最適なパワーであるか否かを判定する。
判定の結果、解像度が、基準条件を満たしていないと判定したときは、コントローラ54は、テストデータを再生するために設定したレーザビームLの再生パワーPrのレベルが不適切であったと判断し、制御信号を、レーザパワーコントロール回路59に出力し、レーザビームLの再生パワーPrのレベルを高くする。
そして、異なる再生パワーPrに設定されたレーザビームLが、再び、パワーキャリブレーションエリアに記録されたテストデータに照射されて、テストデータが再生され、再生信号から算出された解像度が、基準条件を満たすか否かが判定される。このとき、レーザビームLの再生パワーPrを高くして、テストデータを再生したときの解像度が、レーザビームLの再生パワーPrを高くする前の解像度に比して、低くなった場合には、コントローラ54は、レーザビームLの再生パワーPrを高くするのは誤りであったと判断し、レーザビームLの再生パワーPrを低くするように、再生パワーPrの変更する方向の転換を図る。
これに対して、解像度が、基準条件を満たしていると判定したときは、コントローラ54は、テストデータを再生するために設定したレーザビームLの再生パワーPrが適切であると判断して、そのレーザビームLの再生パワーPrを、ユーザがデータを再生するときの最適再生パワーPrとして、決定する。
こうして、光記録ディスク1にデータを記録するときのレーザビームLの最適記録パワーPwおよび光記録ディスク1に記録されたデータを再生するときのレーザビームLの最適再生パワーPrが決定されると、レーザビームLが、光透過層9を介して、光記録ディスク1に照射されて、光記録ディスク1にデータが記録され、記録されたデータが再生される。
図9は、レーザビームの最適記録パワーおよび最適再生パワーを決定するレーザビームの記録パワーおよび再生パワーの別の決定ルーチンを示すフローチャートである。
図8に示される決定ルーチンが、最適記録パワーPwを決定した後に、最適再生パワーPrを決定するのに対し、本実施態様においては、最適再生パワーPrを決定した後に、最適記録パワーPwを決定する点で相違する。
まず、データ記録再生装置50のコントローラ54は、レーザビームLの最適記録パワーPwおよび最適再生パワーPrを決定するにあたり、光記録ディスク1に記録された推奨記録パワーPw’、推奨再生パワーPr’、記録線速度Vwおよび再生線速度Vrを読み出し、レーザビームLの記録パワーPwを推奨記録パワーPw’に設定するとともに、光記録ディスク1にデータを記録するときの記録線速度を、記録線速度Vwに設定する。
次いで、コントローラ54は、記録線速度Vwで、記録パワーPw’のレーザビームLを、ヘッド53から光記録ディスク1のパワーキャリブレーションエリアに照射させ、パワーキャリブレーションエリアに、テストデータを記録させる。
テストデータを記録するに際しては、解像限界未満の長さの記録マークおよび解像限界未満の長さのブランク領域の少なくとも一方を含む記録マーク列が、パワーキャリブレーションエリアの分解反応層7に形成されて、データが記録される。
テストデータが記録されると、コントローラ54は、レーザビームLのパワーを推奨再生パワーPr’に設定するとともに、光記録ディスク1の再生線速度を、再生線速度Vrに設定し、再生線速度Vrで、再生パワーPr’に設定されたレーザビームLを光記録ディスク1に照射して、光記録ディスク1のパワーキャリブレーションエリアに記録されたテストデータを再生する。
テストデータが再生されると、コントローラ54は、テストデータを再生して得られた再生信号から、解像度を算出する。
次いで、コントローラ54は、こうして算出した解像度が、基準条件を満たしているか否かを判定する。
その結果、ベータ値が、基準条件を満たしていないと判定したときは、テストデータを再生するために設定したレーザビームLのパワーPrのレベルが不適切であったと考えられるから、コントローラ54は、制御信号を、レーザパワーコントロール回路59に出力して、レーザビームLの再生パワーPrを変更する。
一方、ベータ値が、基準条件を満たしていると判定したときは、テストデータを再生するために設定したレーザビームLの再生パワーPrが適切であると判断して、コントローラ54は、そのテストデータを再生したときのレーザビームLの再生パワーPrを、ユーザが、記録されたデータを再生するときの最適記録パワーPrとして、決定する。こうして、ユーザが、記録されたデータを再生するときのレーザビームLの最適再生パワーPrが決定される。
最適再生パワーPrが決定されると、コントローラ54は、レーザビームLのパワーを、最適再生パワーPrに設定し、最適再生パワーPrのレーザビームLを照射して、再び、記録されたテストデータを、再生する。
テストデータの再生が終了すると、コントローラ54は、テストデータを再生して得られた再生信号から、ベータ値を算出する。
その結果、ベータ値が、基準条件を満たしていないと判定したときは、コントローラ54は、テストデータを記録するために設定したレーザビームLのパワーPwのレベルが不適切であったと判断し、制御信号を、レーザパワーコントロール回路59に出力して、レーザビームLの記録パワーPwを変更する。
一方、ベータ値が基準条件を満たしていると判定したときは、コントローラ54は、テストデータを記録するために設定したレーザビームLの記録パワーPwが適切であると判断して、そのテストデータを記録したときのレーザビームLの記録パワーPwを、ユーザがデータを記録するときの最適記録パワーPwとして、決定する。こうして、ユーザが、データを記録するときのレーザビームLの最適記録パワーPwが決定される。
以上のように、本実施態様によれば、レーザビームLのパワーを、推奨記録パワーPw’に設定し、推奨記録パワーPw’に設定されたレーザビームLを、光記録ディスク1に照射して、光記録ディスク1に、解像限界未満の長さの記録マークおよびブランク領域の少なくとも一方を含む記録マーク列を形成して、テストデータを記録し、レーザビームLのパワーを、推奨再生パワーPr’に設定し、推奨再生パワーPr’に設定されたレーザビームLを、光記録ディスク1に照射して、光記録ディスク1に記録されたテストデータを再生し、テストデータを再生して得た再生信号の解像度が基準条件を満たしているか否かを判定し、判定結果に基づいてテストデータを再生するためのレーザビームLのパワーを変更し、テストデータを再生して得た再生信号の解像度が基準条件を満たすときに、そのレーザビームLのパワーを、最適再生パワーとして決定するように構成されているから、実際に、光記録ディスク1に記録されたデータを再生するのに先立って、レーザビームLの再生パワーPrを、記録されたデータを再生するのに適したレベルとなるように、所望のように制御することができ、したがって、解像限界未満の長さの記録マークおよびブランク領域が形成されて、光記録ディスク1に記録されたデータを、所望のように、再生することが可能となる。
また、本実施態様によれば、レーザビームLのパワーを、推奨記録パワーPw’に設定し、推奨記録パワーPw’に設定されたレーザビームLを、光記録ディスク1に照射して、光記録ディスク1に、解像限界未満の長さの記録マークおよびブランク領域の少なくとも一方を含む記録マーク列を形成して、テストデータを記録し、レーザビームLのパワーを、推奨再生パワーPr’に設定し、推奨再生パワーPr’に設定されたレーザビームLを、光記録ディスク1に照射して、光記録ディスク1に記録されたテストデータを再生し、テストデータを再生して得たベータ値が基準条件を満たしているか否かを判定し、判定結果に基づいてテストデータを記録するためのレーザビームLのパワーを変更し、テストデータを再生して得たベータ値が基準条件を満たすときに、そのレーザビームLのパワーを、最適記録パワーとして決定するように構成されているから、光記録ディスク1にデータを記録するのに先立って、レーザビームLの記録パワーPwを、データを記録するのに適したレベルとなるように、所望のように制御することができ、したがって、光記録ディスク1に、所望のように、データを記録することが可能となる。
以下のようにして、光記録ディスクサンプル#1を作製した。
まず、1.1mmの厚さと120mmの直径を有するポリカーボネート基板をスパッタリング装置にセットし、ポリカーボネート基板上に、Ptをターゲットとして、スパッタリング法により、20nmの厚さを有する反射層を形成した。
次いで、反射層の表面上に、ZnSとSiOの混合物をターゲットとして、スパッタリング法によって、100nmの厚さを有する第三の誘電体層を形成した。ZnSとSiOの混合物ターゲットとしては、ZnSとSiOのモル比が80:20のターゲットを使用した。
次いで、第三の誘電体層の表面に、Ag6.0In4.5Sb60.8Te28.7の組成を有する合金をターゲットとして、スパッタリング法により、60nmの厚さを有する光吸収層を形成した。光吸収層の組成は、ターゲット組成と同様、原子比で、Ag6.0In4.5Sb60.8Te28.7であった。
さらに、光吸収層の表面に、ZnSとSiOの混合物をターゲットとして、スパッタリング法により、60nmの厚さを有する第二の誘電体層を形成した。ZnSとSiOの混合物ターゲットとしては、ZnSとSiOのモル比が80:20のターゲットを使用した。
次いで、Arガスと酸素ガスとの混合ガスをスパッタリングガスとして用い、Ptターゲットを用いて、第二の誘電体層の表面に、スパッタリング法により、白金酸化物を主成分として含み、4nmの厚さを有する分解反応層を形成した。
さらに、分解反応層の表面に、ZnSとSiOの混合物をターゲットとして、スパッタリング法によって、70nmの厚さを有する第一の誘電体層を形成した。ZnSとSiOの混合物ターゲットとしては、ZnSとSiOのモル比が80:20のターゲットを使用した。
最後に、アクリル系紫外線硬化性樹脂を、第一の誘電体層の表面に、スピンコーティング法によって、塗布して、塗布層を形成し、塗布層に紫外線を照射して、アクリル系紫外線硬化性樹脂を硬化させ、100μmの層厚を有する光透過層を形成した。
こうして、光記録ディスクサンプル#1を得た。
次いで、光記録ディスクサンプル#1を、レーザビームの波長が405nmの光記録媒体評価装置にセットし、レーザビームを、NA(開口数)が0.85の対物レンズを介して、光透過層側から、照射して、以下の条件で、記録マークの長さが、解像限界である120nmよりも短い75nmになるように、光記録ディスクサンプル#1の分解反応層に記録マークを形成した。
記録線速度:6m/s
記録パワー:8.0mW
記録方式:オングルーブ記録
記録マークの形成後、同じ光記録媒体評価装置を用いて、3m/sの再生線速度で、光記録ディスクサンプル#1に記録されたデータを再生して、再生信号のC/N比を測定した。ここに、レーザビームの再生パワーは1.2mWに設定した。測定結果は、図10に示されている。
次いで、レーザビームの再生パワーを1.2mWから、約0.2mWづつ、増大させ、光記録ディスクサンプル#1に記録されたデータを再生して、再生信号のC/N比を測定した。
測定結果は、図10に示されている。
図10から明らかなように、光記録ディスクサンプル#1に、約1.6mW以下の再生パワーを有するレーザビームを照射して、光記録ディスクサンプル#1に記録されたデータを再生した場合には、再生信号のC/N比が0dBで、光記録ディスクサンプル#1に記録されたデータを再生することができず、光記録ディスクサンプル#1に照射したレーザビームの再生パワーが、約1.6mWを越えると、再生信号のC/N比が増加し始め、光記録ディスクサンプル#1に照射したレーザビームの再生パワーが約1.8mWになると、再生信号のC/N比が極大値に達し、光記録ディスクサンプル#1に照射したレーザビームの再生パワーが約1.8mWを越えると、レーザビームの再生パワーが高くなるにつれて、再生信号のC/N比が低下することが判明した。
以下のようにして、光記録ディスクサンプル#2を作製した。
まず、0.6mmの厚さと120mmの直径を有する光透過性基板を、スパッタリング装置にセットし、光透過性基板上に、ZnSとSiOの混合物をターゲットとして、スパッタリング法により、130nmの厚さを有する第一の誘電体層を形成した。ZnSとSiOの混合物ターゲットとしては、ZnSとSiOのモル比が85:15のターゲットを使用した。
次いで、第一の誘電体層の表面に、Arと酸素との混合ガス雰囲気中で、白金を主成分として含むターゲットを、スパッタリングすることにより、Arガスと酸素ガスとの混合ガスをスパッタリングガスとして用い、Ptターゲットを用いて、第一の誘電体層の表面に、スパッタリング法により、白金酸化物を主成分として含み、4nmの厚さを有する分解反応層を形成した。
次いで、分解反応層の表面に、ZnSとSiOの混合物をターゲットとして、スパッタリング法によって、40nmの厚さを有する第二の誘電体層を形成した。ZnSとSiOの混合物ターゲットとしては、ZnSとSiOのモル比が85:15のターゲットを使用した。
次いで、第二の誘電体層の表面に、Ag6.0In4.5Sb60.8Te28.7の組成を有する合金をターゲットとして、スパッタリング法により、60nmの厚さを有する光吸収層を形成した。光吸収層の組成は、ターゲット組成と同様、原子比で、Ag6.0In4.5Sb60.8Te28.7であった。
さらに、光吸収層の表面に、ZnSとSiOの混合物よりなるターゲットを用いて、スパッタリング法により、100nmの厚さを有する第三の誘電体層を形成した。ZnSとSiOの混合物ターゲットとしては、ZnSとSiOのモル比が85:15のターゲットを使用した。
こうして、光記録ディスクサンプル#2を得た。
次いで、光記録ディスクサンプル#2を、レーザビームの波長が635nmの光記録媒体評価装置にセットし、レーザビームを、NA(開口数)が0.60の対物レンズを介して、光透過層側から、照射して、以下の条件で、記録マークの長さが、解像限界である265nmよりも短い200nmとなるように、光記録ディスクサンプル#2の分解反応層に記録マークを形成した。
記録線速度:6m/s
記録パワー:10.0mW
記録方式:オングルーブ記録
記録マークの形成後、同じ光記録媒体評価装置を用いて、1m/sの再生線速度で、光記録ディスクサンプル#2に記録されたデータを再生して、再生信号のC/N比を測定した。ここに、レーザビームの再生パワーは0.8mWに設定した。測定結果は、図11に示されている。
次いで、レーザビームの再生パワーを0.8mWから、約0.2mWづつ、増大させ、光記録ディスクサンプル#2に記録されたデータを再生し、再生信号のC/N比を測定した。
測定結果は、図11に示されている。
図11から明らかなように、光記録ディスクサンプル#2に、約1.2mW以下の再生パワーを有するレーザビームを照射して、光記録ディスクサンプル#2に記録されたデータを再生した場合には、再生信号のC/N比が0dBで、光記録ディスクサンプル#2に記録されたデータを再生することができず、光記録ディスクサンプル#2に照射したレーザビームの再生パワーが、約1.2mWを越えると、再生信号のC/N比が増加し始め、光記録ディスクサンプル#2に照射したレーザビームの再生パワーが約1.6mWになると、再生信号のC/N比が極大値に達し、光記録ディスクサンプル#1に照射したレーザビームの再生パワーが約1.6mWを越えると、レーザビームの再生パワーが高くなるにつれて、再生信号のC/N比が徐々に低下することが判明した。
本発明は、以上の実施態様および実施例に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
たとえば、前記実施態様においては、テストデータを再生して得た再生信号から、解像度を求め、解像度が基準条件を満たすか否かを判定することによって、再生信号の信号特性が基準条件を満たすか否かを判定しているが、このように構成することは必ずしも必要でなく、テストデータを再生して得た再生信号から求めた解像度以外のパラメータを用いて、再生信号の信号特性が基準条件を満たすか否かを判定することもできる。
また、前記実施形態においては、光記録ディスク1は、レーザビームLの光入射面から、分解反応層7と、第二の誘電体層6と、光吸収層5とが順に積層されているが、本発明は、かかる構成を有する光記録ディスク1に記録されたデータを再生するために、光記録ディスク1に照射されるレーザビームの再生パワーを決定する場合にのみ、適用されるものではなく、光記録ディスクは、たとえば、レーザビームLの光入射面の反対側から、分解反応層7と、第二の誘電体層6と、光吸収層5とが順に積層されてもよく、あるいは、レーザビームLの光入射面から、光吸収層と、誘電体層と、分解反応層と、誘電体層と、光吸収層とが順に積層されてもよく、すなわち、本発明においては、光記録ディスクが、分解反応層と、光吸収層とが、少なくとも誘電体層を挟んで形成された積層体を有していればよい。
また、前記実施態様においては、光記録ディスク1は、支持基板2の表面上に、反射層3が形成されているが、反射層3は必ずしも必要ではなく、本発明を機能させることができれば、反射層3を省略することが可能である。この場合、第三の誘電体層4は、支持基板2を保護するとともに、その上に形成されている光吸収層5を、保護する機能を果たす。
さらに、前記実施態様においては、記録再生条件設定用データとして、推奨記録パワーPw’、推奨再生パワーPr’、記録線速度Vwおよび再生線速度Vrが、光記録ディスク1に、ウォブルやプリピットの形で、あらかじめ記録されるように構成されているが、記録再生条件設定用データとして、推奨記録パワーPw’、推奨再生パワーPr’、記録線速度Vwおよび再生線速度Vrが、光記録ディスク1に、ウォブルやプリピットの形で、あらかじめ記録しておくことは必ずしも必要でなく、光記録ディスクの種類を特定するためのIDデータが、ウォブルやプリピットの形で、光記録ディスク1に記録されるとともに、データ記録再生装置50に、IDデータと関連付けて、推奨記録パワーPw’、推奨再生パワーPr’、記録線速度Vwおよび再生線速度Vrが格納されるように構成されていてもよい。
図1は、本発明の好ましい実施態様にかかる光記録ディスクの略斜視図である。 図2は、図1に示された光記録ディスクのトラックに沿った断面のうち、Aで示される部分の略拡大断面図である。 図3は、本発明の別の好ましい実施態様にかかる光記録ディスクの略斜視図である。 図4は、図3に示された光記録ディスクのトラックに沿った断面のうち、Bで示される部分の略拡大断面図である。 図5は、データが記録される前の光記録ディスクの一部拡大略断面図である。 図6は、データが記録された後の光記録ディスクの一部拡大略断面図である。 図7は、本発明の好ましい実施態様にかかるデータ記録再生装置のブロックダイアグラムである。 図8は、レーザビームの最適記録パワーおよび最適再生パワーを決定するレーザビームの記録パワーおよび再生パワーの決定ルーチンを示すフローチャートである。 図9は、レーザビームの最適記録パワーおよび最適再生パワーを決定するレーザビームの記録パワーおよび再生パワーの別の決定ルーチンを示すフローチャートである。 図10は、光記録ディスクサンプル#1につき、記録されたデータを再生したときの再生信号のC/N比とレーザビームの再生パワーの関係を示すグラフである。 図11は、光記録ディスクサンプル#2につき、記録されたデータを再生したときの再生信号のC/N比とレーザビームの再生パワーの関係を示すグラフである。
符号の説明
1 光記録ディスク
2 支持基板
3 反射層
4 第三の誘電体層
5 光吸収層
6 第二の誘電体層
7 分解反応層
8 第一の誘電体層
9 光透過層
10 光記録ディスク
12 光透過性基板
13 厚み調整用基板
50 データ記録再生装置
52 スピンドルモータ
53 ヘッド
54 コントローラ
55 レーザ駆動回路
56 レンズ駆動回路
57 フォーカスサーボ回路
58 トラッキングサーボ回路
59 レーザパワーコントロール回路

Claims (10)

  1. 貴金属酸化物を主成分として含む分解反応層と、光吸収層とが、少なくとも誘電体層を挟んで形成された積層体を含む光記録ディスクに、レーザビームを照射して、前記分解反応層に空洞を形成し、前記空洞内に貴金属の微粒子を析出させることによって、解像限界未満の長さの記録マークおよびブランク領域の少なくとも一方を含む記録マーク列が前記分解反応層に形成されて、前記光記録ディスクに記録したデータを再生するために照射するレーザビームの再生パワーを決定するレーザビームの再生パワーの決定方法であって、前記レーザビームのパワーを、あらかじめ決定された推奨記録パワーに設定し、前記推奨記録パワーに設定されたレーザビームを照射して、前記光記録ディスクに、解像限界未満の長さの記録マークおよびブランク領域の少なくとも一方を含む記録マーク列を形成して、テストデータを記録する第一のステップと、前記レーザビームのパワーを、あらかじめ決定された推奨再生パワーに設定して、前記光記録ディスクに、前記推奨再生パワーに設定されたレーザビームを照射して、前記光記録ディスクに記録された前記テストデータを再生する第二のステップと、前記テストデータを再生して得た再生信号の信号特性が基準条件を満たしているか否かを判定する第三のステップと、前記テストデータを再生して得た再生信号の信号特性が基準条件を満たしていないときは、前記テストデータを再生するためのレーザビームのパワーを変更し、前記テストデータを再生して得た再生信号の信号特性が基準条件を満たすときは、そのレーザビームのパワーを、最適再生パワーとして決定する第四のステップとを含むことを特徴とするレーザビームの再生パワーの決定方法。
  2. 前記第三のステップが、前記テストデータを再生して得た再生信号の解像度が基準条件を満たしているか否かを判定することを特徴とする請求項1に記載のレーザビームの再生パワーの決定方法。
  3. 前記第一のステップと第二のステップとの間に、前記レーザビームのパワーを、前記推奨再生パワーに設定して、前記光記録ディスクに、前記推奨再生パワーに設定されたレーザビームを照射して、前記光記録ディスクに記録された前記テストデータを再生する第五のステップと、前記テストデータを再生して得た再生信号の信号特性が基準条件を満たしているか否かを判定する第六のステップと、前記テストデータを再生して得た再生信号の信号特性が基準条件を満たしていないときは、前記テストデータを記録するためのレーザビームのパワーを変更し、前記テストデータを再生して得た再生信号の信号特性が基準条件を満たすときは、そのレーザビームのパワーを、最適記録パワーとして決定する第七のステップとを含み、前記第二のステップが、前記第七のステップで、決定された最適記録パワーで記録されたテストデータを、前記推奨再生パワーに設定されたレーザビームを照射して再生することを特徴とする請求項1または2に記載のレーザビームの再生パワーの決定方法。
  4. 前記第四のステップの後に、前記第四のステップで決定された最適再生パワーのレーザビームを、前記光記録ディスクに照射して、前記光記録ディスクに記録された前記テストデータを再生する第五のステップと、前記テストデータを再生して得た再生信号の信号特性が基準条件を満たしているか否かを判定する第六のステップと、前記テストデータを再生して得た再生信号の信号特性が基準条件を満たしていないときは、前記テストデータを記録するためのレーザビームのパワーを変更し、前記テストデータを再生して得た再生信号の信号特性が基準条件を満たすときは、そのレーザビームのパワーを、最適記録パワーとして決定する第七のステップとを含むことを特徴とする請求項1または2に記載のレーザビームの再生パワーの決定方法。
  5. 前記第六のステップが、前記テストデータを再生して得たベータ値が基準条件を満たしているか否かを判定することを特徴とする請求項3に記載のレーザビームの再生パワーの決定方法。
  6. 貴金属酸化物を主成分として含む分解反応層と、光吸収層とが、少なくとも誘電体層を挟んで形成された積層体を含む光記録ディスクに、レーザビームを照射して、前記分解反応層に空洞を形成し、前記空洞内に貴金属の微粒子を析出させることによって、解像限界未満の長さの記録マークおよびブランク領域の少なくとも一方を含む記録マーク列を前記分解反応層に形成して、前記光記録ディスクにデータを記録し、記録されたデータを再生するデータ記録再生装置であって、前記光記録ディスクにレーザビームを照射する照射手段と、前記レーザビームのパワーを制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記レーザビームのパワーを、あらかじめ決定された推奨記録パワーに設定し、前記推奨記録パワーに設定されたレーザビームを照射させて、前記光記録ディスクに、解像限界未満の長さの記録マークおよびブランク領域の少なくとも一方を含む記録マーク列を形成して、テストデータを記録させる第一のステップと、前記レーザビームのパワーを、あらかじめ決定された推奨再生パワーに設定し、前記推奨再生パワーに設定されたレーザビームを照射させて、前記光記録ディスクに記録された前記テストデータを再生させる第二のステップと、前記テストデータを再生させて得た再生信号の信号特性が基準条件を満たしているか否かを判定する第三のステップと、前記テストデータを再生させて得た再生信号の信号特性が基準条件を満たしていないときは、前記レーザビームのパワーを変更し、前記テストデータを再生させて得た再生信号の信号特性が基準条件を満たすときに、前記基準条件を満たす再生信号が得られたときの前記レーザビームのパワーを最適再生パワーとして決定する第四のステップとに従って、前記レーザービームのパワーを制御し、前記レーザビームのパワーを、前記第四のステップで決定された前記最適再生パワーに設定して、前記光記録ディスクに記録されたデータを再生させることを特徴とするデータ記録再生装置。
  7. 前記制御手段が、前記第三のステップで、前記テストデータを再生させて得た再生信号の解像度が基準条件を満たしているか否かを判定することを特徴とする請求項6に記載のデータ記録再生装置。
  8. 前記制御手段が、前記第一のステップと第二のステップとの間に、前記レーザビームのパワーを、前記推奨再生パワーに設定して、前記光記録ディスクに、前記推奨再生パワーに設定されたレーザビームを照射させて、前記光記録ディスクに記録された前記テストデータを再生させる第五のステップと、前記テストデータを再生させて得た再生信号の信号特性が基準条件を満たしているか否かを判定する第六のステップと、前記テストデータを再生させて得た再生信号の信号特性が基準条件を満たしていないときは、前記テストデータを記録するためのレーザビームのパワーを変更し、前記テストデータを再生させて得た再生信号の信号特性が基準条件を満たすときは、そのレーザビームのパワーを、最適記録パワーとして決定する第七のステップとを含み、前記レーザビームのパワーを、前記第七のステップで決定された前記最適記録パワーに設定して、前記光記録ディスクにデータを記録させることを特徴とする請求項6または7に記載のデータ記録再生装置。
  9. 前記制御手段が、前記第四のステップの後に、前記第四のステップで決定された最適再生パワーのレーザビームを、前記光記録ディスクに照射させて、前記光記録ディスクに記録された前記テストデータを再生させる第五のステップと、前記テストデータを再生させて得た再生信号の信号特性が基準条件を満たしているか否かを判定する第六のステップと、前記テストデータを再生させて得た再生信号の信号特性が基準条件を満たしていないときは、前記テストデータを記録するためのレーザビームのパワーを変更し、前記テストデータを再生させて得た再生信号の信号特性が基準条件を満たすときは、そのレーザビームのパワーを、最適記録パワーとして決定する第七のステップとを含み、前記レーザビームのパワーを、前記第七のステップで決定された前記最適記録パワーに設定して、前記光記録ディスクにデータを記録させることを特徴とする請求項6または7に記載のデータ記録再生装置。
  10. 前記制御手段が、前記第六のステップで、前記テストデータを再生させて得たベータ値が基準条件を満たしているか否かを判定することを特徴とする請求項8または9に記載のデータ記録再生装置。
JP2003371626A 2003-10-31 2003-10-31 レーザビームの再生パワーの決定方法およびデータ記録再生装置 Expired - Fee Related JP4253724B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003371626A JP4253724B2 (ja) 2003-10-31 2003-10-31 レーザビームの再生パワーの決定方法およびデータ記録再生装置
US10/929,894 US7440370B2 (en) 2003-10-31 2004-08-30 Method for determining a reproducing power of a laser beam and an apparatus for recording and reproducing data

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003371626A JP4253724B2 (ja) 2003-10-31 2003-10-31 レーザビームの再生パワーの決定方法およびデータ記録再生装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005135535A JP2005135535A (ja) 2005-05-26
JP4253724B2 true JP4253724B2 (ja) 2009-04-15

Family

ID=34567046

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003371626A Expired - Fee Related JP4253724B2 (ja) 2003-10-31 2003-10-31 レーザビームの再生パワーの決定方法およびデータ記録再生装置

Country Status (2)

Country Link
US (1) US7440370B2 (ja)
JP (1) JP4253724B2 (ja)

Families Citing this family (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006018881A (ja) * 2004-06-30 2006-01-19 Pioneer Electronic Corp 情報記録装置、情報記録方法及び情報記録プログラム
JP2006073120A (ja) * 2004-09-03 2006-03-16 Tdk Corp データ記録再生システム
TWI356407B (en) * 2005-01-11 2012-01-11 Via Tech Inc Monitor and adjust method for optical disc recordi
JP2006318532A (ja) * 2005-05-10 2006-11-24 Canon Inc 光学的情報記録再生装置
JP2007048352A (ja) * 2005-08-08 2007-02-22 Tdk Corp 光記録媒体及び光記録媒体の情報再生方法
JP2007133920A (ja) * 2005-11-08 2007-05-31 Victor Co Of Japan Ltd 情報再生方法及び情報再生装置
KR101244908B1 (ko) * 2005-12-20 2013-03-18 티디케이가부시기가이샤 광기록 매체에 대한 최적 재생 파워를 결정하는 방법 및 장치
JP4682065B2 (ja) * 2006-03-10 2011-05-11 株式会社日立製作所 光ディスク装置
MX2008015884A (es) * 2006-06-12 2009-04-22 Panasonic Corp Dispositivo de lectura y metodo de lectura para medio de grabacion de datos optico.
FR2950727B1 (fr) * 2009-09-29 2012-02-17 Commissariat Energie Atomique Lecteur de disque optique en super-resolution et procede de lecture optimisee par mesure de reflectivite
FR2950726A1 (fr) * 2009-09-29 2011-04-01 Commissariat Energie Atomique Lecteur de disque optique en super-resolution et procede de lecture optimisee par mesure d'amplitude
EP2428952A1 (en) * 2010-09-08 2012-03-14 Thomson Licensing Method and system for determining the quality of a storage system

Family Cites Families (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6052347A (en) * 1996-02-23 2000-04-18 Ricoh Company, Ltd. Method and apparatus for detecting optimum recording power for an optical disk
US6292448B1 (en) * 1998-07-27 2001-09-18 Pioneer Corporation Information recording apparatus
WO2000057408A1 (fr) * 1999-03-19 2000-09-28 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Procede d'enregistrement optique d'informations et dispositif a cet effet
JP3866016B2 (ja) * 1999-07-02 2007-01-10 Tdk株式会社 光情報媒体およびその再生方法
JP2001056939A (ja) * 1999-08-19 2001-02-27 Sony Corp 情報再生装置及び方法
JP4287580B2 (ja) * 1999-11-30 2009-07-01 Tdk株式会社 光情報媒体の再生方法
JP2002092994A (ja) * 2000-09-20 2002-03-29 Sharp Corp 光再生装置
KR100530701B1 (ko) * 2001-04-27 2005-11-23 마쯔시다덴기산교 가부시키가이샤 기록가능형 광디스크, 광디스크 기록장치, 광디스크재생장치 및 기록가능형 광디스크로의 데이터 기록방법
JP2003178451A (ja) * 2001-12-11 2003-06-27 Yamaha Corp 光ディスク記録方法及び光ディスク記録装置
JP4219108B2 (ja) * 2002-01-23 2009-02-04 三洋電機株式会社 ディスク装置
JP2004013938A (ja) * 2002-06-03 2004-01-15 Tdk Corp レーザビーム強度決定方法及びこれを実行可能な情報記録装置並びに光記録媒体
JP2004310803A (ja) * 2003-04-01 2004-11-04 Samsung Electronics Co Ltd 超解像近接場構造の記録媒体、その再生方法及び再生装置
JP2005004906A (ja) * 2003-06-13 2005-01-06 Ricoh Co Ltd 情報記録方法及び情報記録装置

Also Published As

Publication number Publication date
US7440370B2 (en) 2008-10-21
US20050105418A1 (en) 2005-05-19
JP2005135535A (ja) 2005-05-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3866016B2 (ja) 光情報媒体およびその再生方法
JP4059714B2 (ja) 光記録媒体
KR100734641B1 (ko) 광기록매체, 광기록/재생장치, 광기록장치 및 광재생장치,광기록매체용 데이터 기록/재생 방법 및 데이터 기록방법및 데이터 재생 방법
JP4253724B2 (ja) レーザビームの再生パワーの決定方法およびデータ記録再生装置
WO2005055209A1 (ja) 光記録媒体、並びに、光記録媒体の記録再生方法及び光記録再生装置
JP4253725B2 (ja) データ再生方法およびデータ記録再生装置
WO2003102932A1 (fr) Procede de decision de motif de modulation de puissance de faisceau laser, dispositif permettant d'enregistrer des donnees sur un support d'enregistrement optique, et support d'enregistrement optique
US7813258B2 (en) Optical information recording medium and optical information reproducing method
KR100710316B1 (ko) 광 기록 디스크
JP2006073120A (ja) データ記録再生システム
JP2005044438A (ja) 光記録ディスク
JP4209416B2 (ja) 光情報記録媒体、及び光情報記録媒体再生装置
JP2005025842A (ja) 光記録ディスク
WO2005022517A1 (ja) 光記録ディスク
JP2007514266A (ja) 超解像の情報記録媒体、c/n改善方法及びデータ記録/再生装置
WO2003028021A1 (fr) Support d'enregistrement optique et systeme d'enregistrement associe
WO2003102931A1 (en) Method for recording data to optical recording medium, device for recording data to optical recording medium, and optical recording medium
JP2006294249A (ja) 光情報媒体
JP5507580B2 (ja) 光学的情報記録方法、光学的情報記録装置、光学的情報再生方法、光学的情報再生装置および光学的情報記録媒体
WO2003028022A1 (fr) Support d'enregistrement optique
WO2005041181A1 (ja) 光記録ディスク
JP2005158110A (ja) 光記録ディスク
JP2004241103A (ja) 光記録媒体およびその製造方法
JP2009026430A (ja) 光情報媒体
WO2005022516A1 (ja) 光記録ディスク

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060803

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080908

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081007

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081024

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20081209

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090106

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120206

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4253724

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120206

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130206

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140206

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees