JP4253333B2 - スピードコントローラ - Google Patents
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Description
図16を用いて説明する。図16(a)は、ニードル部90の外面と制御孔86の内周面との間にクリアランスがない状態、すなわち、制御流が流れない状態を示している。この状態から、ニードル部90を移動させて、ニードル部90の外面と制御孔86の内周面との間にクリアランスcを生じさせた状態を、図16(b)に示す。このクリアランスcは、ニードル部90の外周面の全周に沿って形成される。
すなわち、図16(a)の状態から、制御流をわずかな流量に制御したい場合でも、クリアランスcはニードル部90の外周面の全周に沿って形成されるから、クリアランスcの断面積が急激に増加して、特に制御流の流量が少ない場合において、制御流の流量を微妙に調節することが困難となる。
これによれば、第三の流路の開口形状の設定により、流量制御部材とリング状パッキンとの相対的な位置関係に応じた流体の流量の変化量を、自在に設定することができる。
また、棒状の流量制御部材の外周面に開口した第三の流路とリング状パッキンとにより流量を制限するから、前記従来のスピードコントローラのように先細の部材(ニードル部)等の弱い形状の部材に流体の抵抗が強く作用することがなく、したがって、流量制御部材等の各構成要素の材料として、合成樹脂等の軽量かつ安価な材料を採用することができる。
また、前記第三の流路は、前記流量制御部材の一端および外周面に開口し、前記第三の流路の、前記流量制御部材の軸線に垂直な面での断面の断面積が、前記一端へ向かって次第に大きくなるよう設定されていることを特徴とする。
これによれば、前記一端から離れるにしたがって前記開口幅または前記断面積が次第に小さくなるから、従来のようにニードル部の外周面に沿ったクリアランスの断面積によって流量を調節する構成に比較し、制御流の流量が少ない場合においても、制御流の流量を微妙に調節することができる。
これによれば、制御流の流量を好適に調節可能な第三の流路を、簡単な形状で構成できる。
これによれば、リング状パッキンと流量制御部材の位置関係により、切り込みの、より深く切り込まれた一側面側のみを介して第一の流路と第二の流路とを連通させることができ、制御流の流量が少ない場合において、より微妙な流量の調節を行うことが可能となる。
これによれば、操作手段を簡単な構成で実現できる。
これによれば、本体とノブとを同軸の円筒状に設けて、外形を小型かつシンプルに構成できる。また、当該スピードコントローラ本体と、第一および第二流体ポートに接続される各ホースとを同軸に設けることができ、当該スピードコントローラを採用した装置の省スペース化を図ることができる。
これによれば、第一および第二流体ポートとが互いに垂直に設けられるとともに、ノブが突出してユーザの操作が容易な構成とすることができる。
これによれば、チェック弁の弁体とリング状パッキンとを一体に形成することで、装置をシンプルかつコンパクトに構成できるとともに、部品点数を減らすことができる。
これによれば、突周部によってチェック弁の弁体とリング状のパッキンとを本体内に保持できるとともに、第四の流路をコンパクトに設けることができる。
図1に示すように、スピードコントローラS1は、円筒状の本体2と、本体2の外周面の一部を覆って本体2と同軸に配設され、本体2に対してユーザが回転操作可能な操作手段としての円筒状のノブ部材4とを備える。
本体2は、両端側にそれぞれ、第一流体ポート6aに連通する第一の流路2a、および、第二流体ポート8aに連通する第二の流路2bを有する。
図2に示すように、ノブ部材4は、本体2の外周面の一部および貫通穴2c,2dを覆って配設される。
本体2の一端側には返し部2eが形成され、ノブ部材4は、その一端側4bが返し部2e内に挿入されて配設される。言い換えると、本体2の一端寄りに、本体2の筒状の外周面から所定の間隙を空けて、一回り大径の同軸状の円筒状部(返し部2e)が形成され、ノブ部材4の一端側4bは、その円筒状部(返し部2e)の内周面と本体2の外周面との間に挿入される。
そして、本体2の他端側に挿入されて取り付けられる第一ニップル部材6には、本体2の他端面に沿い、さらに外周方向に延びる突周部6bが、ノブ部材4の本体2からの抜け止めとして形成されている。すなわち、ノブ部材4は、返し部2eと突周部6bとの間に挟まれて、本体2の外周面上に保持される。
他方、突周部2gの、第二の流路2b側の側面は、ゴム部材10のコーン状の弁体10bの外面に沿う傾斜面2iに形成されている。また、突周部2gの第一の流路2a側の側面は、本体2の軸線に垂直な垂直面2jに形成されている。
ゴム部材10は、コーン状の弁体10bの外面が傾斜面2iに沿うよう配設され、括れ部10cに突周部2gが係合して本体2内に保持される。
そして、第一の流路2aおよび第四の流路2h内の流体の流体圧が、第二の流路2b内の流体圧よりも高い場合には、第四の流路2h内の流体の流体圧に押されてコーン状の弁体10bが変形し、流体は、第一の流路2aから第二の流路2bへ、第四の流路2hを通じて流れる。
他方、第二の流路2b内の流体の流体圧が、第一の流路2aおよび第四の流路2h内の流体の流体圧よりも高い場合には、コーン状の弁体10bは第二の流路2b内の流体の流体圧で押されるが、弁体10bは傾斜面2iに圧接されて第四の流路2hの一端を塞ぎ、流体が第二の流路2bから第一の流路2aへ向かって流れることがない。
すなわち、弁体10bは、第四の流路2hを通じた第二の流路2bから第一の流路2aへ向かう流体の流れを抑止するとともに、第四の流路2hを通じた第一の流路2aから第二の流路2bへ向かう流体の流れは許すチェック弁として作用する。
流量制御部材12は、一端部12aおよび外周面に開口して、リング状パッキン10aを介して第一の流路2aと第二の流路2bとを連通させる第三の流路12bを有し、リング状パッキン10aとの軸線方向の相対的な位置関係に応じて第三の流路12bを流れる流体の流量を調節可能に設けられる。
このように、流量制御部材12は、リング状パッキン10aとの軸線方向の位置関係に応じて、第三の流路12bを流れる流体の流量を調節することができる。
図2に示すように、第一の流路2a内に位置する流量制御部材12の他端部12e側には、流量制御部材12の軸線に垂直な方向に突出して貫通穴2c,2dを通過してノブ部材4の内周面まで延び、第一ねじ部4aに螺合する第二ねじ部12fが設けられた突出部12gが設けられる。
本スピードコントローラS1の組み立て時においては、本体2内に流量制御部材12を、第二突出部分12gbを取り外した状態で入れ、その後、本体2の貫通穴2c,2dを通じて第二突出部分12gbの挿入部12iを、孔部12hに挿入することで、簡単に組み立てを行うことができる。
なお、このとき、突出部12gが本体2の貫通穴2c,2dを通過して設けられているから、本体2に対してノブ部材4を回転させた際、突出部12gが本体2の貫通穴2c,2dの縁部で係止されて、流量制御部材12がノブ部材4に追随して本体2に対して回転してしまうことがない。すなわち、流量制御部材12の突出部12gが本体2の貫通穴2c,2dを通過していることが、流量制御部材12の回り止めとして作用する。
なお、実施例2において、実施例1と同じ構成については、同じ符号を付して説明を省略する。
また、図9に示すように、本体3は、その内部に、第一流体ポート6aに連通する第一の流路3a、および、第二流体ポート8aに連通する第二の流路3bを有する。
流量制御部材13は、一端部13aおよび外周面に開口して、リング状パッキン10aを介して第一の流路3aと第二の流路3bとを連通させる第三の流路13bを有し、リング状パッキン10aとの軸線方向の相対的な位置関係に応じて第三の流路13bを流れる流体の流量を調節可能に設けられる。
なお、実施例1においては、流量制御部材13は、切り込みが形成された一端部12aが第二の流路2bに向かうよう配設されているが、本実施例2においては、切り込みが形成された一端部13aが第一の流路3bに向かうよう配設されている。流量制御部材の切り込みが形成された一端部を、第一および第二の流路のいずれの方向に向けて配設するかは、設計者が随意決定してよい。
これによれば、実施例1と同様、流量制御部材13を、リング状パッキン10aの位置に、その二股の切り込みの分岐点付近が来るよう位置を制御したとき、第一の流路3aと第二の流路3bとを、流量制御部材13の一側面側の切り込みのみで連通させることができ、第三の流路13bの流量が少ない場合において、その流量をより微妙に調節することができる。
流量制御部材13の他端部13e側には、図12に示すように、流量制御部材13の両側面から、軸線に垂直な方向に突出する突出部13jが設けられる。
また、図9に示すように、本体3内には、ほぼ円筒状のストッパ部材16が設けられる。ストッパ部材16は、本体3の、ノブ部材5が取り付けられる端部側の内側に、本体3の内周壁に沿って同軸に配設される。ストッパ部材16には、図13(a),(b)に示すように、その外周面に軸線方向に延びる突状部16eが形成され、本体3の内周壁にはこの突状部16eに係合する凹部が形成されることで、ストッパ部材16は本体3に対して回転不能に係止される。また、ストッパ部材16には、図13(a)に示すように、流量制御部材13の両突出部13j,13jがそれぞれ入り込んで、流量制御部材13を軸線方向に移動可能に案内するための案内切り込み部16a,16aが形成される。さらに、ストッパ部材16には、第二の流路3b内の流体の流れを妨げないための切り欠き部16bが形成されている。
流量制御部材13は、一端部13aが第一流体ポート6aに向かうよう配設される。また、流量制御部材13の他端部13e側には、流量制御部材13と同軸にボルト14が取り付けられることで、第一ねじ部13fが設けられる。ノブ部材5には、ナット18,19が取り付けられることで、第一ねじ部13fに螺合する第二ねじ部5aが設けられる。
なお、このとき、突出部13jがストッパ部材16の案内切り込み部16aに入り込んでいるから、本体3に対してノブ部材5を回転させた際、流量制御部材13がノブ部材5に追随して本体3に対して回転してしまうことがない。すなわち、突出部13jとストッパ部材16の案内切り込み部16aとが、流量制御部材13の回り止めとして作用する。
また、棒状の流量制御部材12,13の外周面に開口した第三の流路12b,13bとリング状パッキン10aとにより流量を制限するから、従来のスピードコントローラのように先細の部材(ニードル部)等の弱い形状の部材に流体の抵抗が強く作用することがなく、したがって、流量制御部材12,13等の各構成要素の材料として、合成樹脂等の軽量かつ安価な材料を採用することができる。
例えば、流量制御部材に設けられる第三の流路は、上記の形状に限定されるものではなく、少なくとも流量制御部材の外周面に開口して、リング状パッキンとの位置関係に応じて当該第三の流路を流れる流体の流量を調節可能なものであればよい。例えば、図14に示すように、流量制御部材20を、円柱の外周面に開口する開口部の周方向の開口幅が、流量制御部材20の一端20aに向かって次第に拡がるような溝部20bを形成して、この溝部20bを第三の流路とするよう構成してもよい。
さらに、リング状パッキンと弁体とは、必ずしも一体に設ける必要はなく、別々の部材として構成することも、もちろん可能である。
P1,P2 流体の導通路
2,3 本体
2a,3a 第一の流路
2b,3b 第二の流路
2c,2d 貫通穴
2g 突周部
2h 第四の流路
4,5 ノブ部材
4a 第一ねじ部(請求項7に対応)
5a 第二ねじ部(請求項8に対応)
6 第一ニップル部材
6a 第一流体ポート
8 第二ニップル部材
8a 第二流体ポート
10 ゴム部材
10a リング状パッキン
10b 弁体
12,13,20 流量制御部材
12a,13a,20a 流量制御部材の一端部
12b,13b 第三の流路(切り込み)
12c,12d 流量制御部材の側面における切り込み
12e,13e 流量制御部材の他端部
12f 第二ねじ部(請求項7に対応)
12g 突出部
13f 第一ねじ部(請求項8に対応)
14 ボルト
20b 第三の流路
Claims (7)
- 第一流体ポートに連通する第一の流路、および第二流体ポートに連通する第二の流路を有する本体と、
該本体内の、前記第一の流路と前記第二の流路との間に配設され、第一の流路と第二の流路との間をシールするリング状パッキンと、
該リング状パッキンを貫通し、外周面がリング状パッキンの内周面に密接した状態でリング状パッキンに対して相対的に軸線方向に移動可能な棒状に設けられるとともに、少なくとも外周面に開口して、リング状パッキンを介して前記第一の流路と前記第二の流路とを連通させる第三の流路を有し、リング状パッキンとの軸線方向の位置関係に応じて第三の流路を流れる流体の流量を調節可能な流量制御部材と、
前記流量制御部材を、流量制御部材の軸線方向に移動させる操作を可能とする操作手段と、
前記本体内の、前記第一の流路と前記第二の流路とを連通する、前記リング状パッキンの外側に設けられた第四の流路と、
該第四の流路を通じた前記第二の流路から前記第一の流路へ向かう流体の流れを抑止するとともに、第四の流路を通じた第一の流路から第二の流路へ向かう流体の流れは許すチェック弁とを備え、
前記第三の流路の、前記流量制御部材の外周面に開口する開口部の周方向の開口幅が、流量制御部材の一端に向かって次第に拡がるよう形成され、
前記チェック弁は、前記リング状パッキンと一体に設けられ、該リング状パッキンのやや内周側から斜め外方に延びるコーン状の弁体を有し、該リング状パッキンと該コーン状の弁体との間の外面には括れ部が形成され、
前記本体の内周面には、前記コーン状の弁体の外面に沿う突周部が形成され、該突周部に、前記第四の流路を成す単数または複数の貫通孔が形成され、
前記チェック弁は、前記括れ部に前記突周部が係合して前記本体内に保持され、且つ、前記コーン状の弁体が前記突周部の外面に沿って前記第四の流路を塞ぐように配設されること
を特徴とするスピードコントローラ。 - 前記第三の流路は、前記流量制御部材の一端および外周面に開口し、
前記第三の流路の、前記流量制御部材の軸線に垂直な面での断面の断面積が、前記一端へ向かって次第に大きくなるよう設定されていることを特徴とする請求項1記載のスピードコントローラ。 - 前記第三の流路は、前記流量制御部材の一端側を該一端に向かって次第に間隔の拡がる二股状に形成する、流量制御部材の軸線方向の切り込みであることを特徴とする請求項1または2記載のスピードコントローラ。
- 前記切り込みは、前記流量制御部材の両側面における、流量制御部材の一端からの切り込み深さが、互いに異なる深さに形成されていることを特徴とする請求項3記載のスピードコントローラ。
- 前記操作手段は、前記流量制御部材と連繋するねじ部が設けられ、一部が前記本体外に露出して、ユーザが回転操作可能なノブ部材から成り、
ユーザが前記ノブ部材を回転操作することで、前記ねじ部の作用により、前記流量制御部材を、流量制御部材の軸線方向に移動させることを特徴とする請求項1〜4のうちのいずれか一項記載のスピードコントローラ。 - 前記本体は、前記第一および第二の流路を両端側に有する円筒状に形成されるとともに、第一および第二の流路のうちの一方を画成する外周壁には、貫通穴が形成され、
前記操作手段は、前記本体の外周面の少なくとも一部および前記貫通穴を覆って本体と同軸に配設され、本体に対してユーザが回転操作可能な円筒状に設けられるとともに、内周面に第一ねじ部が設けられたノブ部材から成り、
前記第一および第二の流路のうちの前記一方に位置する前記流量制御部材の端部には、流量制御部材の軸線に垂直な方向に突出して前記貫通穴を通過して前記ノブ部材の内周面まで延び、前記第一ねじ部に螺合する第二ねじ部が設けられた突出部が設けられ、
ユーザが前記ノブ部材を回転操作することで、前記第一および第二ねじ部の作用により、前記流量制御部材を、流量制御部材の軸線方向に移動させることを特徴とする請求項1〜4のうちのいずれか一項記載のスピードコントローラ。 - 前記第一および第二流体ポートは、互いの軸線が垂直となるよう前記本体に設けられ、
前記流量制御部材は、一端側が前記第一および第二流体ポートのいずれかに向かうよう配設されるとともに、他端側に第一ねじ部が設けられ、
前記操作手段は、前記第一ねじ部に螺合する第二ねじ部が形成され、前記流量制御部材の前記他端側から前記本体外に突出してユーザが回転操作可能なノブ部材から成り、
ユーザが前記ノブ部材を回転操作することで、前記第一および第二ねじ部の作用により、前記流量制御部材を、流量制御部材の軸線方向に移動させることを特徴とする請求項1〜4のうちのいずれか一項記載のスピードコントローラ。
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