JP4253200B2 - 湿式洗浄装置及びそれに用いるノズル - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は湿式洗浄装置及びそれに用いるノズルに係り、より詳細には、半導体ウェハ及び円盤状のガラス基板などの被洗浄物を回転させて表面にノズルから洗浄液を加圧気体により加圧噴射して洗浄する湿式洗浄装置及びそれに用いるノズルに関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】
特開2002−362945公報(第4及び5頁、第1図)
【0003】
従来、湿式洗浄装置及びそれに用いるノズルは、半導体ウェハ及び円盤状のガラス基板などの被洗浄物を保持して回転させて表面にノズルから洗浄液を加圧気体により加圧噴射することで被洗浄物を洗浄する装置(例えば、特許文献1参照)がよく知られている。図12は、このような被洗浄物を回転させてノズルから洗浄液を噴射して洗浄する従来の湿式洗浄装置及びそれに用いるノズルの一実施形態を示す図である。また、図13は、図12に示した矢印D方向から見た状態を示す図である。また、図14は、図13に示したE−E線の断面を示す図である。
【0004】
図12に示すように、従来の湿式洗浄装置の一実施形態は、半導体ウェハ及び円盤状のガラス基板などの被洗浄物1を回転させて表面にノズル90から洗浄液を加圧気体により加圧噴射して洗浄するものであり、被洗浄物1を把持して回転させる回転手段120と、被洗浄物1の表面上にノズル90を支持して配置する支持部100と、洗浄液及び加圧気体をノズル90に供給する供給部110と、支持部100に支持されて被洗浄物1の表面に対向して外周から中心までの半径間に延在する本体92を有したノズル90とを備えている。
【0005】
ここで、回転手段120は、支持ピン126及び吸着部127を設けた支持板128と、この支持板128を水平回転させる回転軸122とを備えている。また、支持板128には、支持ピン126及び吸着部127を適宜位置に配設して固着し、被洗浄物1を支持ピン126上に載置した状態で吸着部127に吸着保持している。そして、回転軸122は、所定の駆動源(図示せず)によって軸中心を回転可能に軸支している。
【0006】
一方、従来の湿式洗浄装置に用いるノズル90は、本体92の一端を支持部100内で図示しない駆動手段に支持して被洗浄物1上方の処理位置と、被洗浄物1の上方から外れた退避位置との間を旋回移動できるように設けている。また、ノズル90は、本体92の長手方向に沿ってその下面に固設された複数の噴出口94を有し、この噴出口94が洗浄液を供給する洗浄液供給源112と加圧気体を供給する加圧気体供給源114とを備えた供給部110に接続されている。ここで、洗浄液供給源112は、ポンプなどからなり、供給管111aと、この供給管111aの途中に設けられた圧力制御手段116とを介して、加圧した洗浄液を各噴出口94に供給する。また、加圧気体供給源114も同様に、ポンプなどを備えており、供給管111bと、この供給管111bの途中に設けられた圧力制御手段118とを介して、加圧した気体を各噴出口94に供給する。
【0007】
この圧力制御手段116、118は、それぞれ例えば比例電磁式パイロットリリーフ弁などを含んで構成され、洗浄液及び加圧気体の圧力を連続的に変化可能に形成している。また、圧力制御手段116、118は、それぞれ制御装置119に接続されて動作が制御され、この制御装置119のコントロールに従って洗浄液供給源112から各噴出口94に供給する洗浄液の圧力と、加圧気体供給源114から各噴出口94に供給する気体の圧力とを適宜調整している。
【0008】
このように形成した従来の湿式洗浄装置及びそれに用いるノズルの一実施形態を使用する場合、まず、被洗浄物1を搬送して支持ピン126上に載置し、吸着部127によって吸着保持する。次に、所定の駆動源(図示せず)によって回転軸122を回転駆動し、これにより被洗浄物1を水平回転させる。この状態で、ノズル90の本体92を駆動手段(図示せず)により被洗浄物1上方の処理位置に旋回移動せしめ、ついで、洗浄液供給源112から加圧した洗浄液と、加圧気体供給源114から加圧した気体とを、それぞれ各噴出口94に供給し、各噴出口94から霧化した洗浄液が被洗浄物1上に噴射されて当該被洗浄物1を洗浄する。
【0009】
この時、第1段階では、供給される洗浄液の圧力及び加圧気体の圧力を低圧に設定する。これにより、噴出口94からは比較的大きな粒径の洗浄液が噴射され、かかる洗浄液によって被洗浄物1の表面に付着したパーティクルを洗い流す。次に、第2段階では、洗浄液の圧力及び加圧気体の圧力を高圧に設定する。これにより、噴出口94からは微細な粒径の洗浄液が噴射され、かかる洗浄液粒が被洗浄物1の微細構造内部に侵入して、当該微細構造内部のパーティクルを洗い流す。
【0010】
このように従来の湿式洗浄装置及びそれに用いるノズルの一実施形態では、制御装置119により圧力制御手段116、118を制御し、被洗浄物1の半径上に噴出する洗浄液及び加圧気体の圧力を適宜調整することで、洗浄液の噴出圧力が異なる2段階の洗浄を可能にすることで種々の処理工程に対応していた。
【0011】
しかしながら、従来の湿式洗浄装置及びそれに用いるノズルの一実施形態では、図13に示すように、ノズル90の噴出口94から被洗浄物1表面の半径上に洗浄液を噴射するため、この洗浄液が回転する被洗浄物1の表面片側(図13では右側)を遮断してしまう。そして、この被洗浄物1上では、図14に示すように、一回転して表面に残存している洗浄液が、ノズル90から噴射している洗浄液に当接して波状の液流を発生させる。これにより被洗浄物1の表面では、波状の液流が図13に示した一点鎖線のように回転方向Tとは逆流する液流になり外周側から中心に向う流れを発生させるため、遠心力で外側に排出していた洗浄液が中心近傍に集まってしまい、異物(パーティクル)などの排除を邪魔してしまう。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
このように従来の湿式洗浄装置及びそれに用いるノズルでは、被洗浄物1が回転する表面の半径線上を遮断するようにノズル90から洗浄液を噴射するため、この表面に回転方向Tと逆流する波状の液流(図13に示した一点鎖線)が発生し、処理後の洗浄液が中心近傍に集まってしまい、異物(パーティクル)などの排除が邪魔され、洗浄効果が低下するという不具合があった。
本発明はこのような課題を解決し、遠心力で排出する液流を阻害せず、液流を利用して異物を良好に除去でき、洗浄効果が一層向上する湿式洗浄装置及びそれに用いるノズルを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は上述の課題を解決するために、半導体ウェハ及び円盤状のガラス基板などの被洗浄物を回転させて表面にノズルから洗浄液を加圧気体により加圧噴射して洗浄する湿式洗浄装置であって、被洗浄物を把持して回転させる回転手段と、被洗浄物の表面上にノズルを支持して配置する支持部と、洗浄液及び加圧気体をノズルに供給する供給部と、支持部に支持されて被洗浄物の表面に対向して外周から中心までの半径間に延在する本体を有して、供給部から洗浄液及び加圧気体を供給して半径線上にほぼ垂直に噴射するスリットを備えるとともに、このスリットを被洗浄物の表面に外周から中心に向かって緩やかに近接するように傾斜または曲線状に配置したノズルと、を備え、スリットは、被洗浄物の中心側を波線状に形成して外周側に向かって波の高さを徐々に狭くして外周端側でほぼ直線状になるように設ける。
【0014】
ここで、ノズルの本体は、内部で被洗浄物の半径方向に延在する中空の中空部と、この中空部から被洗浄物側に切り込んで貫通するスリットと、中空部内に沿って延在して洗浄液及び加圧気体を各々個別に供給して外周面に複数配列して開口した孔を有して放出する供給路とを備え、この供給路から中空部内に洗浄液及び加圧気体を放出して混合することでスリットから噴射させることが好ましい。また、支持部は、ノズルによる洗浄後に被洗浄物の表面上で洗浄液がスリットから滴下しないように外周の外側に前記ノズルを移動可能に支持していることが好ましい。
【0017】
また、半導体ウェハ及び円盤状のガラス基板などの被洗浄物を回転させて表面に洗浄液を加圧気体により加圧噴射して洗浄する湿式洗浄装置に用いるノズルの実施例は、被洗浄物の表面に対向して外周から中心までの半径間に延在する本体を有し、洗浄液及び加圧気体を供給して半径線上にほぼ垂直に噴射するスリットを備えるとともに、このスリットを被洗浄物の表面に外周から中心に向かって緩やかに近接するように傾斜または曲線状に配置するとともに、当該スリットは、被洗浄物の中心側を波線状に形成して外周側に向かって波の高さを徐々に狭くして外周端側でほぼ直線状になるように設ける。
【0018】
ここで、本体は、内部で被洗浄物の半径方向に延在する中空の中空部と、この中空部から被洗浄物側に切り込んで貫通するスリットと、中空部内に沿って在して洗浄液及び加圧気体を各々個別に供給して外周面に複数配列して開口した孔を有して放出する供給路とを備え、この供給路から中空部内に洗浄液及び加圧気体を放出して混合することでスリットから噴射させることが好ましい。
【0021】
【発明の実施の形態】
次に、添付図面を参照して本発明による湿式洗浄装置及びそれに用いるノズルの実施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明による湿式洗浄装置及びそれに用いるノズルの一実施形態を示す図である。また、図2は、図1に示したノズル10の外観を示す図である。また、図3は、図1に示したノズル10の内部構造を示す図である。また、図4は、図2に示したB−B線の断面を示す図である。また、図5は、図1に示した矢印A方向から見たノズル10の状態を示す図である。また、図6は、図2に示したスリットの他の実施例を示す図である。また、図7は、図2に示したスリットの更なる他の実施例を示す図である。また、図8は、図2に示したノズルの他の実施例を示す図である。また、図9は、図8に示したノズル70の外観を示す図である。また、図10は、図2に示したノズルの更なる他の実施例を示す図である。また、図11は、図10に示したC−C線の断面を示す図である。
【0022】
図1に示すように、本発明による湿式洗浄装置及びそれに用いるノズルの一実施形態は、図12に示した従来技術と同様に半導体ウェハ及び円盤状のガラス基板などの被洗浄物1を回転させて表面にノズル10から洗浄液を加圧気体により加圧噴射して洗浄するものであり、被洗浄物1を把持して所定の回転方向Tに回転させる回転手段40と、被洗浄物1の表面上にノズル10を支持して配置する支持部20と、洗浄液及び加圧気体をノズル10に供給する供給部30と、支持部20に支持されて被洗浄物1の表面に対向して外周から中心までの半径間に延在する本体12を有したノズル10とを備えている。そして、本実施の形態では、図12に示した従来技術とは異なり、支持部20に支持したノズル10の本体12内に供給部30から洗浄液及び加圧気体を供給して半径線上に延在してほぼ垂直に噴射するスリット14を備えるとともに、このスリット14を被洗浄物1の表面に外周から中心に向かって緩やかに近接するように傾斜状に配置している。従って、本実施の形態では、被洗浄物1の表面に対向して一端が中心に近接して他端が外周の上部に離れて傾斜するノズル10を設けることで、スリット14から噴射する洗浄液が中心側で強く外周側で弱くなり、この被洗浄物1の半径線上で外周側に異物(パーティクル)を排除する液流を得ている。
【0023】
ここで、回転手段40は、図12に示した従来技術と同様に、被洗浄物1を載置する支持ピン及び吸着部(図示せず)を備えて回転軸42に回転可能に固着するとともに、この回転軸42を軸支して回転させる駆動源44を更に備えている。また、支持部20は、ノズル10を図示しない駆動手段によって支持して被洗浄物1上方の処理位置と、被洗浄物1の上方から外れた退避位置との間を旋回移動できるように形成されている。これにより支持部20は、ノズル10による洗浄後、被洗浄物1の表面上で洗浄液がスリット14から滴下しないように外周の外側にノズル10を移動できる。さらに、供給部30は、図12に示した従来技術と同様に、ポンプなどから構成して洗浄液を供給する洗浄液供給源(図示せず)と加圧気体を供給する加圧気体供給源(図示せず)とを備え、これらが供給管31を介してノズル10に各々接続している。この供給部30は、加圧気体としてN2またはアルゴンなどの酸化を防止する気体を供給するとともに、洗浄液としてアルコール、純水、アンモニア、フッ酸などの液を供給している。また、供給部30は、洗浄液供給源と加圧気体供給源とに比例電磁式パイロットリリーフ弁などを含んで構成し、この洗浄液供給源と加圧気体供給源との洗浄液及び加圧気体の圧力を各々連続的に変化させる圧力制御手段(図示せず)を設け、このそれぞれを制御装置(図示せず)に接続して動作を制御している。
【0024】
一方、本発明による湿式洗浄装置に用いるノズル10の一実施例は、図2に示すように、被洗浄物1の半径上に延在する本体12を備え、この本体12内に加圧気体及び洗浄液を供給して被洗浄物1の半径上に噴射する直線状のスリット14を形成している。このノズル10の本体12は、図3に示すように、内部で被洗浄物1の半径方向に延在する中空の中空部16と、この中空部16から被洗浄物1側に切り込んで貫通するスリット14と、中空部16内に沿って延在して洗浄液及び加圧気体を各々個別に供給して外周面に複数配列して開口した孔18aを有して放出する供給路18とを備えている。従って、ノズル10は、供給路18から中空部16内に洗浄液及び加圧気体を放出して混合させることでスリット14から噴射させる構造に形成している。ここで、供給路18は、図4に示すように、ノズル10の中空部16内で平行して水平に延在しており、この外周面に一定の間隔に配列させて開口する孔18aを複数設け、中空部16内に洗浄液及び加圧気体を均一に放出できるように形成している。そして、このノズル10は、図5に示すように、被洗浄物1の表面上で支持部20(図1参照)に支持されて外周側から中心側に向かって緩やかに近接するように傾斜させることで、噴射した洗浄液が中心側で強く外周側で弱くなり異物を外周側に排除する液流を得ることができる。
【0025】
このように形成された本発明による湿式洗浄装置及びそれに用いるノズルの一実施形態を使用する場合、まず、図1に示したように、被洗浄物1を搬送して回転手段40に載置して吸着保持させる。次に、回転手段40の駆動源44によって、回転軸42を回転駆動し、これにより被洗浄物1を水平回転させる。この状態で、支持部20の駆動手段(図示せず)がノズル10の本体14を被洗浄物1上方の処理位置に旋回移動せしめ、ついで、供給部30から加圧した洗浄液と、加圧した気体とをノズル10にそれぞれ供給する。そして、ノズル10は、図3に示した中空部16内で供給路18から孔18aを介して洗浄液及び加圧気体を放出して混合し、この混合した気液流体をスリット14から被洗浄物1上に噴射することで当該被洗浄物1を洗浄する。この際、ノズル10は、図1に示したように、被洗浄物1の半径上で傾斜させて配置しているため、洗浄液の噴射が中心側で強く外側が弱くなり半径線上で外周に向かって流れる液流を発生させる。従って、被洗浄物1の表面では、ノズル10から噴射した洗浄液が半径線上を遮断しても、前述した外周に向かって流れる液流によって洗浄液が残存することなく異物とともに排出される。尚、ノズル10による洗浄が終了すると、このノズル10の本体14を被洗浄物1の外周外側に旋回移動させてスリット14から滴下する洗浄液で再汚染することを防止する。従って、ノズル10は、処理中に動作せず、処理後は最小限の動きで被洗浄物1の表面上から外れるため、発塵を減少させることができる。
【0026】
このような本発明による湿式洗浄装置及びそれに用いるノズルの一実施形態によると、ノズル10を傾斜させることで噴射する洗浄液が回転する被洗浄物1の半径線上を遮断することなく中心から外周側に流れる液流を発生させるため、遠心力により外周側に排出する洗浄液の液流を阻害せず、液流を利用して良好に異物を除去でき、洗浄効果をより一層向上することができる。
【0027】
ところで、本発明による湿式洗浄装置及びそれに用いるノズルの一実施形態において、ノズル10の本体12に直線状に延在するスリット14(図2参照)を設けた実施例を詳細に説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、図6に示すように、ノズル50の本体52に波線状に延在するスリット54を設けることも可能である。このように波線状に設けたスリット54の他の実施例によると、ノズルを被洗浄物1の半径線上に傾斜させて配置して中心から外周側に流れる液流を発生できるため、図2に示したスリットと同様の効果が得られるとともに、スリット54を波線状に形成して噴射面積を増やすことで図2に示したスリットに比べてより強力な噴射が可能になり、洗浄効果を一層向上できる。
【0028】
さらに、このノズルのスリットは、直線状と波線状とを組み合わせることで一層効果的な洗浄が可能になる。この直線状と波線状とを組み合わせたスリット64の更なる他の実施例は、図7に示すように、被洗浄物1の半径線上に延在するノズル60の本体62に中心側を波線状に形成して外周側に向かって波の高さを徐々に狭くして外周端側でほぼ直線状になるように形成している。このようなスリット64の更なる他の実施例では、波線状の中心側で強く噴射されて外周側に向うことで徐々に噴射が弱くなる構造に形成される。従って、このスリット64の更なる他の実施例によると、被洗浄物1の表面上にノズル60の本体62を傾斜させて配置することで図2及び図3に示したノズルと同様の効果を得ることができ、且つ、被洗浄部1の中心から外周に向かって噴射する強さを本体62の傾斜とともにスリット64の形状によっても調整することが可能になる。
【0029】
一方、本発明による湿式洗浄装置及びそれに用いるノズルの一実施形態において、被洗浄物の表面上に所定の角度を備えて傾斜する直線状のノズルの実施例を詳細に説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、ノズルの本体及びスリットを被洗浄物の表面で外周から中心に向かって緩やかに近接する曲線状に形成することも可能である。このように曲線状に形成したノズルの他の実施例は、図8に示すように、被洗浄物1の半径線上に対向して延在する本体72を備えており、この本体72を被洗浄物1の表面で外周から中心に向かって緩やかに近接するように曲線状に形成している。この本体72は、図9に示すように、被洗浄物1に対向する曲線状の底面に直線状に切り込んだスリット74を形成し、図8に示した被洗浄物1の半径線上に配置している。この際、スリット74は、図6及び7に示したように、波線状または直線及び波線状の組み合わせにより形成することも可能である。従って、このノズルの他の実施例によると、洗浄液の噴射を被洗浄物1の中心側で強く外周側で弱くすることが可能になるため、図2に示したノズルと同様の効果を得ることができるとともに、洗浄液の噴射を曲線率によって中心から外周に徐々に弱く調整でき、異物をスムーズに排出する好適な液流を得ることができる。
【0030】
また、本発明による湿式洗浄装置及びそれに用いるノズルの一実施形態において、ノズルを被洗浄物の半径線上に傾斜または曲線状に傾けて配置する実施例を詳細に説明したが、これに限定されるものではなく、被洗浄物の半径線上に平行に配置して異物を排出できるノズルの更なる他の実施例がある。このノズルの更なる他の実施例は、図10に示すように、被洗浄物1の表面に対向して平行に外周から中心までの半径間に延在する本体82を有し、洗浄液及び加圧気体を供給して半径間にほぼ垂直に噴射するスリット(図示せず)を備えるとともに、このスリットを半径間の中心から外周に向かって被洗浄物1の回転方向に平行して緩やかな曲線を有するように配置している。尚、図10に示したノズル80以外の構成要素は、全て図1に示した湿式洗浄装置と同じ構成要素であり、重複する説明は省略する。
【0031】
ここで、ノズル80の本体82は、図10に示したように、被洗浄物1の半径上で平行に延在して中心から外周に向かって回転方向Tに緩やかな曲線を有するように形成するとともに、この曲線状の底面中央に切り込んだスリット(図示せず)を設けている。従って、ノズルの更なる他の実施例では、被洗浄物1の半径上に平行する本体82に洗浄液を噴射するスリットを中心から外周に向かって回転方向Tに曲線状に設けることで、被洗浄物1の半径線上を遮断することなく曲線に沿って異物を外周側に排出できるように形成している。そして、このノズル80の本体82には、図11に示すように、内部に開口する中空部86と、この中空部86内に延在する供給路88とを備えている。この際、供給路88は、図4に示した供給路とは異なり、被洗浄物1の外周側から中心側に向かって徐々に狭くなるテーパを備えており、このテーパ状の外周面に複数配列する孔88aを設けるとともに、この孔88aの間隔が中心側に向かって徐々に狭くなるように形成している。これによりノズル80は、本体82の中空部86内に供給部88から均一に洗浄液及び加圧気体を供給でき、スリットの中心から外周までの噴出力を一定に保って噴射することができる。
【0032】
このようなノズルの更なる他の実施例によると、被洗浄物1の表面上に平行して延在して中心から外周に向かって回転方向Tに緩やかな曲線を有するスリットを設けた簡単な構造により、この曲線が被洗浄物1の半径線上を遮断することなく異物を外周側に排出する液流を発生させるため、図1に示したノズルと同様の効果を得ることができるとともに、被洗浄物1の表面上で傾斜または曲線状に配置するノズルに比べて配置位置の設定及び調整が容易になる。
【0033】
以上、本発明による湿式洗浄装置及びそれに用いるノズルの実施の形態を詳細に説明したが、本発明は前述した実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
例えば、被洗浄物の表面上に所定の角度に固定したノズルの実施例を詳細に説明したが、これに限定されるものではなく、被洗浄物の回転数に合わせて任意に角度を可変可能に設けても良い。
【0034】
【発明の効果】
このように本発明による湿式洗浄装置及びそれに用いるノズルによれば、被洗浄物の回転する表面に対して半径線上に噴射して遮断する洗浄液に中心から外周側に流れる液流を発生させるため、遠心力により外周側に排出する洗浄液の液流を阻害せず、液流を利用して良好に異物を除去でき、洗浄効果をより一層向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による湿式洗浄装置及びそれに用いるノズルの一実施形態を示す図。
【図2】図1に示したノズルの外観を示す図。
【図3】図1に示したノズルの内部構造を示す図。
【図4】図2に示したB−B線の断面を示す図。
【図5】図1に示した矢印A方向から見たノズルの状態を示す図。
【図6】図2に示したスリットの他の実施例を示す図。
【図7】図2に示したスリットの更なる他の実施例を示す図。
【図8】図2に示したノズルの他の実施例を示す図。
【図9】図8に示したノズルの外観を示す図。
【図10】図2に示したノズルの更なる他の実施例を示す図。
【図11】図10に示したC−C線の断面を示す図。
【図12】従来の湿式洗浄装置及びそれに用いるノズルの一実施形態を示す図。
【図13】図12に示した矢印D方向から見た状態を示す図。
【図14】図13に示したE−E線の断面を示す図。
【符号の説明】
1 被洗浄物
10 ノズル
12 本体
14 スリット
16 中空部
18 供給路
18a 孔
20 支持部
30 供給部
31 供給管
40 回転手段
42 回転軸
44 駆動源
Claims (5)
- 半導体ウェハ及び円盤状のガラス基板などの被洗浄物を回転させて表面にノズルから洗浄液を加圧気体により加圧噴射して洗浄する湿式洗浄装置において、
前記被洗浄物を把持して回転させる回転手段と、
前記被洗浄物の表面上に前記ノズルを支持して配置する支持部と、
前記洗浄液及び加圧気体を前記ノズルに供給する供給部と、
前記支持部に支持されて前記被洗浄物の表面に対向して外周から中心までの半径間に延在する本体を有し、前記供給部から前記洗浄液及び加圧気体を供給して前記半径線上にほぼ垂直に噴射するスリットを備えるとともに、このスリットを前記被洗浄物の表面に外周から中心に向かって緩やかに近接するように傾斜または曲線状に配置したノズルと、を備え、
前記スリットは、前記被洗浄物の中心側を波線状に形成して外周側に向かって波の高さを徐々に狭くして外周端側でほぼ直線状になるように設けたことを特徴とする湿式洗浄装置。 - 請求項1に記載した湿式洗浄装置において、
前記ノズルの本体は、内部で前記被洗浄物の半径方向に延在する中空の中空部と、この中空部から前記被洗浄物側に切り込んで貫通する前記スリットと、前記中空部内に沿って延在して前記洗浄液及び加圧気体を各々個別に供給して外周面に複数配列して開口した孔を有して放出する供給路とを備え、この供給路から前記中空部内に前記洗浄液及び加圧気体を放出して混合することで前記スリットから噴射させることを特徴とする湿式洗浄装置。 - 請求項1に記載した湿式洗浄装置において、
前記支持部は、前記ノズルによる洗浄後に前記被洗浄物の表面上で前記洗浄液が前記スリットから滴下しないように外周の外側に前記ノズルを移動可能に支持していることを特徴とする湿式洗浄装置。 - 半導体ウェハ及び円盤状のガラス基板などの被洗浄物を回転させて表面に洗浄液を加圧気体により加圧噴射して洗浄する湿式洗浄装置に用いるノズルにおいて、
前記被洗浄物の表面に対向して外周から中心までの半径間に延在する本体を有し、前記洗浄液及び加圧気体を供給して前記半径線上にほぼ垂直に噴射するスリットを備えるとともに、このスリットを前記被洗浄物の表面に外周から中心に向かって緩やかに近接するように傾斜または曲線状に配置するとともに、
前記スリットは、前記被洗浄物の中心側を波線状に形成して外周側に向かって波の高さを徐々に狭くして外周端側でほぼ直線状になるように設けたことを特徴とする湿式洗浄装置に用いるノズル。 - 請求項4に記載した湿式洗浄装置に用いるノズルにおいて、
前記本体は、内部で前記被洗浄物の半径方向に延在する中空の中空部と、この中空部から前記被洗浄物側に切り込んで貫通する前記スリットと、前記中空部内に沿って延在して前記洗浄液及び加圧気体を各々個別に供給して外周面に複数配列して開口した孔を有して放出する供給路とを備え、この供給路から前記中空部内に前記洗浄液及び加圧気体を放出して混合することで前記スリットから噴射させることを特徴とする湿式洗浄装置に用いるノズル。
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