JP4253075B2 - モータ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、モータに関し、特にノイズ消去素子を備えたモータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、車両に搭載されるモータには、ノイズを消去するためのコンデンサやバリスタ等に代表されるノイズ消去素子が配設されている。このノイズ消去素子は、モータの端子とノイズ消去素子が配設された基板とをハーネスを介して接続する構成であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、モータの端子とノイズ消去素子とをハーネスを介して接続すると、モータの端子からの配線が長くなり、ノイズ消去の効果があまり得られない。また、輻射ノイズがハーネスから発生する場合もあった。さらに、基板上に配設されたノイズ消去素子とハーネスとを半田付けする必要があるため、部品点数が増加するばかりでなく、組立工数も増加していた。
【0004】
本発明は、このような問題点に着目してなされたものであって、その目的は、簡単な構成でノイズ消去素子を取り付けることが可能なモータを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、エンドフレームの一部を構成するブラシホルダと、そのブラシホルダの外側面に配設した一対のノイズ消去素子と、前記ブラシホルダの外側面において一対のノイズ消去素子間に配設されるとともに、その一対のノイズ消去素子を直列に接続する中間端子と、そのブラシホルダの内側に配設した一対の雌端子と、その一対の雌端子にそれぞれ挿入されるとともに、前記ブラシホルダの外側面において前記中間端子と協働して前記一対のノイズ消去素子を挟持接続する一対の挟持端子とを備えた。
【0006】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載のモータにおいて、前記一対の挟持端子を、電源供給用のハーネスを有するソケットに設け、前記一対のノイズ消去素子及び前記中間端子を前記ソケットと前記ブラシホルダの外側面との間に配設した。
請求項3に記載の発明では、請求項1または請求項2に記載のモータにおいて、前記一対のノイズ消去素子は、チップコンデンサである。
【0007】
請求項4に記載の発明では、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のモータにおいて、前記中間端子に、ヨークと接触する接続端子片を形成した。
請求項5に記載の発明では、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のモータにおいて、前記中間端子の接続端子片に凸部を形成した。
【0008】
請求項6に記載の発明では、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のモータにおいて、前記雌端子には、前記ブラシホルダの外部に突出する雄端子を一体的に形成した。
(作用)
請求項に記載の発明によれば、ブラシホルダの外側面において、一対のノイズ消去素子は、中間端子によって直列に接続される。また、一対の挟持端子と中間端子とによって、一対のノイズ消去素子が挟持接続される。このため、モータを組み立てた後、必要に応じて一対のノイズ消去素子が取り付られる。
【0009】
請求項2に記載の発明によれば、ソケットに設けられた一対の挟持端子を、一対の雌端子に挿入すると、一対のノイズ消去素子が挟持接続されるとともに、一対のノイズ消去素子に電源供給用のハーネスが接続される。
【0010】
請求項3に記載の発明によれば、一対のチップコンデンサが直列に挟持接続される。
請求項4に記載の発明によれば、中間端子の接続端子片が、ヨークと接触する。
【0011】
請求項5に記載の発明によれば、接続端子片の凸部が、ヨークと接触する。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を具体化した一実施形態を図面を用いて説明する。
図1に示すように、モータ1のモータハウジング10は、ヨーク20とエンドフレーム30とで構成されている。エンドフレーム30の側面からは、雄端子31が突出形成されている。その雄端子31には、電源供給用のハーネス32が半田付けによって接続されている。
【0013】
図2に示すように、ヨーク20内には、マグネット21が配設されている。そのマグネット21内には、回転子22が配設されている。その回転子22は、シャフト23、整流子24、鉄心25及び巻線26を備えている。そして、その回転子22は、ヨーク20に配設された軸受27及びエンドフレーム30に配設された軸受33によって、回転可能に軸支されている。
【0014】
図3に示すように、エンドフレーム30には、エンドフレーム30の一部を構成するブラシホルダ34がアウトサート成形にて設けられている。詳しくは、エンドフレーム30は、一側が切り欠かれた半カップ状をなし、その切り欠かれた一側にブラシホルダ34が延出形成されている。そのブラシホルダ34は、絶縁を有する合成樹脂で形成されている。
【0015】
ブラシホルダ34の内側には、雌端子収容部35が形成されている。この雌端子収容部35には、雄端子31を外部に突出させるための第1端子貫通孔35aが形成されている。また、後述する挟持端子40を挿入させるための第2端子貫通孔35bが形成されている。加えて、ブラシホルダ34の内側には、その雌端子収容部35から連通する連通部36が形成されている。そして、雌端子収容部35には、導電性のある金属でU字状に屈曲形成された雌端子37が収容されている。その雌端子37は、連通部36内を延設されて、ブラシスプリング38が形成されている。そのブラシスプリング38の先端には、ブラシ39が配設されている。また、雌端子37には、雄端子31が延出形成されており、その雄端子31は、第1端子貫通孔35aを介して外部に突出している。
【0016】
ブラシホルダ34上の外側面には、一対のチップコンデンサC1,C2が配設されている。雌端子37には、一対のチップコンデンサC1,C2の一端子と挟持接続するための挟持端子40が第2端子貫通孔35bを介して挿入されている。その挟持端子40には、一対のチップコンデンサC1,C2を挟持するための挟持片41が形成されている。一対のチップコンデンサC1,C2の間には、中間端子42が配設されている。
【0017】
図4に示すように、中間端子42は、導電性のある金属でT字状に形成されている。中間端子42の両端は、下方に向かって折り曲げられて、端子部43,44が形成されている。その端子部43,44には、一対のチップコンデンサC1,C2の一端子が挟持される。このため、一対のチップコンデンサC1,C2は、挟持端子40の挟持片41と中間端子42の端子部43,44との間で、挟持接続される。一方、中間端子42の中間位置には、接続端子片45が延出形成されており、その接続端子片45には、上方に湾曲された凸部45aが形成されている。
【0018】
そして、図1(b)に破線で示すように、接続端子片45は、ヨーク20内に挿入されて、凸部45aがヨーク20内側面に対して電気的に弾性接触される。その結果、一対のチップコンデンサC1,C2の一端子同士は、その中間端子42の端子部43,44を介して接続されるとともに、ヨーク20にも中間端子42に形成された凸部45aを介して接続される。一方、一対のチップコンデンサC1,C2の他端子は、挟持端子40の挟持片41を介して雌端子37に接続される。なお、このように構成されたモータ1は、合成樹脂でモールドされて、モータ1の防水及び絶縁が確保される。
【0019】
次に、モータ1の電気的構成について、図面を用いて説明する。
図5に示すように、整流子24と接触する一対のブラシ39は、バッテリ(図示略)のプラス端子+BとGND端子とに接続されている。そのプラス端子+BとGND端子との間には、一対のチップコンデンサC1,C2が直列に接続されている。その一対のチップコンデンサC1,C2の間の中点N(中間端子42)は、ヨーク20に接続されている。
【0020】
以上、詳述したように本実施形態によれば、次のような作用、効果を得ることができる。
(1)一対のチップコンデンサC1,C2は、ブラシホルダ34上の外側面に配設されている。その一対のチップコンデンサC1,C2は、中間端子42の端子部43,44と、雌端子37に挿入された挟持端子40の挟持片41とで挟持されている。しかも、一対のチップコンデンサC1,C2を挟持することによって、電気的にも接続されている。このため、半田付けする必要もなく、部品点数や組立工数をも削減することができる。従って、簡単な構成で一対のチップコンデンサC1,C2を取り付けることができる。しかも、一対のチップコンデンサC1,C2は、ブラシホルダ34上の外側面に配設されているため、モータ1を組み立てた後、必要に応じて一対のチップコンデンサC1,C2を取り付けることができる。
【0021】
(2)加えて、ブラシ39を配設したブラシスプリング38と、雌端子37と、雄端子31とが一体的に形成されている。しかも、雌端子37に挿入した挟持端子40で一対のチップコンデンサC1,C2が電気的にも接続されている。このため、一対のチップコンデンサC1,C2を接続するための配線長が短くなる。換言すれば、一対のチップコンデンサC1,C2を接続するためのハーネスが不要となる。従って、輻射ノイズがハーネスから発生するおそれを抑制することができる。
【0022】
(3)中間端子42の中間位置には、上方に湾曲された凸部45aを有する接続端子片45が延出形成されている。このため、ヨーク20とエンドフレーム30とが嵌合したとき、凸部45aがヨーク20の内側面と確実に接触する。従って、中間端子42の凸部45aをヨーク20の内側面と弾性接触させることによって、電気的に接続することができる。
【0023】
なお、前記実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・前記実施形態では、雄端子31を突出させ、その雄端子31に電源供給用のハーネス32を半田付けを行う構成であったが、この雄端子31を省略し、図6に示すように、雌端子37に電源供給用のハーネス32と一対のチップコンデンサC1,C2を挟持するための挟持端子40とを備えたソケット50を挿入して接続する構成にしても良い。なお、ソケット50と一対のチップコンデンサC1,C2との間に、絶縁を有する合成樹脂から構成される絶縁板51を配設しても良い。このように構成すれば、一対のチップコンデンサC1,C2を確実に保持することができる。しかも、挟持端子40と中間端子42とによって、一対のチップコンデンサC1,C2を電気的にも接続することができる。
【0024】
【発明の効果】
本発明は、以上のように構成されているため、次のような効果を奏する。
請求項に記載の発明によれば、簡単な構成でノイズ消去素子を取り付けることができる。
【0025】
特に、請求項4または請求項5に記載の発明によれば、ヨークに中間端子の接続端子片を電気的に接続することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)モータの左側面図。
(b)モータの平面図。
【図2】図1(b)のB−B線における横断面図。
【図3】図1(a)のA−A線における縦断面図。
【図4】(a)中間端子を示す平面図。
(b)中間端子を示す右側面図。
(c)中間端子を示す正面図。
【図5】モータの電気的構成図。
【図6】別の実施形態を示す図1(a)のA−A線における縦断面図。
【符号の説明】
1…モータ、30…エンドフレーム、34…ブラシホルダ、37…雌端子、40…挟持端子、42…中間端子、45…接続端子片、45a…凸部、50…ソケット、C1,C2…ノイズ消去素子としてのチップコンデンサ。

Claims (6)

  1. エンドフレームの一部を構成するブラシホルダと、
    そのブラシホルダの外側面に配設した一対のノイズ消去素子と、
    前記ブラシホルダの外側面において一対のノイズ消去素子間に配設されるとともに、その一対のノイズ消去素子を直列に接続する中間端子と、
    そのブラシホルダの内側に配設した一対の雌端子と、
    その一対の雌端子にそれぞれ挿入されるとともに、前記ブラシホルダの外側面において前記中間端子と協働して前記一対のノイズ消去素子を挟持接続する一対の挟持端子とを備えたモータ。
  2. 請求項1に記載のモータにおいて、
    前記一対の挟持端子を、電源供給用のハーネスを有するソケットに設け、前記一対のノイズ消去素子及び前記中間端子を前記ソケットと前記ブラシホルダの外側面との間に配設したモータ。
  3. 請求項1または請求項2に記載のモータにおいて、
    前記一対のノイズ消去素子は、チップコンデンサであるモータ。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のモータにおいて、
    前記中間端子に、ヨークと接触する接続端子片を形成したモータ。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のモータにおいて、
    前記中間端子の接続端子片に凸部を形成したモータ。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のモータにおいて、
    前記雌端子には、前記ブラシホルダの外部に突出する雄端子を一体的に形成したモータ。
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