JP4252779B2 - 燃料電池設備 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料電池発電部に冷却水を循環供給させる冷却水循環手段と、前記冷却水循環手段にて循環される前記冷却水と排熱回収用熱媒とを熱交換させる排熱回収用熱交換器を備えて、回収した排熱を熱使用装置に供給する排熱回収部と、前記燃料電池発電部、前記冷却水循環手段、および、前記排熱回収部の運転を制御する運転制御手段とが設けられている燃料電池設備、および、燃料電池発電部に冷却水を循環供給させる冷却水循環手段と、前記燃料電池発電部に燃料ガスを供給させるための改質部と、前記燃料電池発電部、前記冷却水循環手段、および、前記改質部の運転を制御する運転制御手段とが設けられている燃料電池設備に関する。
【0002】
【従来の技術】
上記のような燃料電池設備は、燃料電池発電部にて燃料ガス中の水素と空気中の酸素とを電気化学反応させて発電し、その燃料電池発電部を冷却する冷却水と排熱回収用熱媒とを排熱回収用熱交換器にて熱交換させて、排熱回収部にて排熱を回収し、その排熱を床暖房装置や浴室暖房装置などに供給したり、その排熱を利用して貯湯タンクに貯湯して、回収した排熱を熱使用装置に供給するようにしているものである。
【0003】
この種の燃料電池設備では、燃料電池発電部の運転を開始するときには、運転制御手段が、燃料電池発電部の立ち上げ運転を行うことにより、燃料電池発電部を昇温させたのち、燃料電池発電部の運転を行うようにしている。
そして、従来、燃料電池発電部の立ち上げ運転としては、電気ヒータにより加熱された冷却水を燃料電池発電部に供給する従来構成1と、改質ガス用燃焼バーナの燃焼により加熱された冷却水を燃料電池発電部に供給する従来構成2との2種類の構成がある。
【0004】
従来構成1について説明を加えると、図4に示すように、冷却水を貯留させる冷却水タンク41と、冷却水タンク41内の冷却水を燃料電池発電部42に循環流動させる冷却水循環路43と、冷却水循環ポンプ44と、冷却水タンク41内の冷却水を加熱する電気ヒータ45とが設けられている。
また、燃料電池発電部42に燃料ガスを供給するために、脱硫部53、改質部46、変成部54、CO除去部55が設けられ、燃料電池発電部42に空気を供給するために、ブロア56も設けられている。
そして、冷却水循環路43中に排熱回収用熱交換器52を設けることにより、排熱回収部53が排熱を回収するように構成され、図示はしないが、その排熱回収部53にて回収された排熱を床暖房装置や浴室暖房装置などに供給したり、回収された排熱にて貯湯タンクに貯湯するようにしている。
【0005】
そして、この従来構成1では、運転制御手段が、燃料電池発電部42の立ち上げ運転をするときに、電気ヒータ45を作動させた状態で冷却水循環ポンプ44を作動させることにより、電気ヒータ45により加熱された冷却水を燃料電池発電部42に供給するようにしている。
【0006】
従来構成2について説明を加えると、図5に示すように、改質部46から変成部54への改質ガス供給路から分岐し、改質ガス燃焼用バーナ48に改質ガスを供給する分岐改質ガス供給路47と、昇温用冷却水循環ポンプ49の作動により昇温用冷却水循環路50を通して供給される冷却水を改質ガス燃焼用バーナ48の燃焼により加熱させる冷却水昇温用熱交換器51が設けられている。
【0007】
なお、上記従来構成1と同様に、冷却水タンク41、冷却水循環路43、冷却水循環ポンプ44、脱硫部53、改質部46、変成部54、CO除去部55、ブロア56、排熱回収用熱交換器52、排熱回収部53なども設けられている。
【0008】
そして、この従来構成2では、運転制御手段が、燃料電池発電部42の立ち上げ運転をするときに、昇温用冷却水循環ポンプ49を作動させた状態で改質ガス燃焼用バーナ48を燃焼させるとともに、冷却水循環ポンプ44を作動させることにより、改質ガス用燃焼バーナ48の燃焼により加熱された冷却水を燃料電池発電部42に供給するようにしている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来構成1では、冷却水を加熱するために電気ヒータが必要となるので、その分だけコストアップを招くことになる。
また、上記従来構成2では、冷却水を加熱するために改質ガス用燃焼バーナが必要となるので、その分だけコストアップを招くことになり、しかも、まず、改質部の立ち上げ運転を行い、改質部を昇温させた後でなければ、改質ガス用燃焼バーナの燃焼により冷却水を加熱することができず、燃料電池発電部を昇温させるまでに時間がかかるという問題がある。
【0010】
本発明は、かかる点に着目してなされたものであり、その目的は、コストの低減を図りながら、燃料電池発電部を極力短時間で昇温させることが可能となる燃料電池設備を提供する点にある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、請求項1に記載の発明によれば、燃料電池発電部に冷却水を循環供給させる冷却水循環手段と、
前記冷却水循環手段にて循環される前記冷却水と排熱回収用熱媒とを熱交換させる排熱回収用熱交換器を備えて、回収した排熱を熱使用装置に供給する排熱回収部と、
前記燃料電池発電部、前記冷却水循環手段、および、前記排熱回収部の運転を制御する運転制御手段とが設けられている燃料電池設備であって、
前記排熱回収部が、前記排熱回収用熱交換器としての、前記冷却水循環手段にて循環される前記冷却水と排熱回収用熱媒とを熱交換させる第1排熱回収用熱交換器、及び、前記熱使用装置に供給される前記排熱回収用熱媒を加熱する熱使用装置用熱源を備える第1排熱回収部と、前記排熱回収用熱交換器としての、前記冷却水循環手段にて循環される前記冷却水と排熱回収用熱媒とを熱交換させる第2排熱回収用熱交換器、及び、前記熱使用装置にて使用する熱を蓄熱する蓄熱部を備えて、前記冷却水から前記排熱回収用熱媒に授熱される熱を前記蓄熱部に蓄熱させる第2排熱回収部とを備えて、前記第1排熱回収部のみが、前記第1排熱回収用熱交換器において前記冷却水から授熱される排熱回収状態と、前記第1排熱回収用熱交換器において前記熱使用装置用熱源による熱を前記冷却水に対して放熱させる冷却水加熱状態とに切換可能に構成され、
前記燃料電池発電部に燃料ガスを供給させるための改質部と、その改質部に備えられた改質用バーナにおける燃焼排ガスを前記冷却水循環手段にて循環される前記冷却水における前記排熱回収用熱交換器を通過した冷却水に放熱させる排ガス用熱交換器とが設けられ、
前記運転制御手段は、前記燃料電池発電部を立ち上げ運転するときに、前記排熱回収部における前記第1排熱回収部を冷却水加熱状態に切り換え、且つ、前記改質用バーナにおける燃焼排ガスの熱を前記冷却水に対して放熱させるべく前記改質部を運転し、その立ち上げ運転したあとの前記燃料電池発電部の運転中に、前記排熱回収部における前記第1排熱回収部及び前記第2排熱回収部を排熱回収状態に切り換えるように構成されている。
【0012】
すなわち、運転制御手段が、燃料電池発電部を立ち上げ運転するときには、排熱回収部を冷却水加熱状態に切り換えることにより、排熱回収部にて冷却水を加熱させ、その加熱された冷却水を燃料電池発電部に供給させることが可能となる。
また、運転制御手段が、立ち上げ運転したあとの燃料電池発電部の運転中には、排熱回収部を排熱回収状態に切り換えることにより、排熱回収部にて排熱を回収し、その回収された排熱を熱使用装置に供給することが可能となる。
【0013】
したがって、燃料電池発電部を立ち上げ運転するときに、排熱を回収するための排熱回収部を用いて冷却水を加熱することが可能となるので、冷却水を加熱するためにあらたな加熱手段を設けることなく冷却水を加熱することが可能となり、しかも、排熱回収部において熱使用装置に供給される熱を用いることにより、燃料電池発電部の立ち上げ運転の初期から冷却水を加熱することが可能となるので、燃料電池発電部を極力短時間で昇温させることが可能となる。
【0014】
以上のことをまとめると、請求項1に記載の発明によれば、コストの低減を図りながら、燃料電池発電部を極力短時間で昇温させることが可能となる燃料電池設備を提供できるに至った。
又、運転制御手段が、燃料電池発電部の立ち上げ運転をするときに、改質用バーナにおける燃焼排ガスの熱を冷却水に対して放熱させるように改質部を運転することにより、改質用バーナにおける燃焼排ガスにて冷却水を加熱し、その加熱された冷却水を燃料電池発電部に供給することが可能となるので、排熱回収部における熱に加えて、改質部における排熱においても冷却水を加熱することが可能となる。
したがって、より一層省エネルギー化を図ることが可能となり、しかも、燃料電池発電部をより短時間で昇温させることが可能となる。
【0016】
又、請求項1に記載の発明によれば、第2排熱回収部は、排熱回収状態に切り換えられたときに、熱使用装置が運転中であれば、回収された排熱を熱使用装置に供給し、熱使用装置が運転を停止していれば、回収された排熱を蓄熱部に蓄熱させることが可能となる
【0017】
したがって、排熱を蓄熱部に蓄熱させて有効に活用することが可能となる
【0019】
又、請求項1に記載の発明によれば、第1排熱回収部は、冷却水加熱状態に切り換えられたときに、熱使用装置用熱源にて燃料電池発電部を昇温させるのに適した熱量を発生させて、その熱量にて冷却水を加熱させることが可能となるので、冷却水を十分に加熱させながら、その加熱された冷却水を燃料電池発電部に供給させることが可能となって、燃料電池発電部をより短時間で昇温させることが可能となる。
【0025】
【発明の実施の形態】
本発明にかかる燃料電池設備について図面に基づいて説明する。
参考の実施形態〕
この燃料電池設備は、図1および図2に示すように、燃料電池発電部1、燃料電池発電部1に供給する水素含有ガスを生成するガス生成部2、燃料電池発電部1に酸素含有ガスとしての空気を供給するブロア3、燃料電池発電部1に冷却水を循環供給させる冷却水循環手段としての冷却水循環部4、その冷却水循環部4にて循環される冷却水と排熱回収用熱媒とを熱交換させて回収した排熱を熱使用装置5に供給する排熱回収部6、燃料電池発電部1、冷却水循環部4、および、排熱回収部6の運転を制御する運転制御手段としての運転制御部Hなどから構成されている。
【0026】
前記燃料電池発電部1は、例えば、高分子型の燃料電池を備え、ガス生成部2にて生成された燃料ガス中の水素と、ブロア3から供給される空気中の酸素とを電気化学反応させて発電するように構成されている。
前記ガス生成部2は、供給される都市ガスなどの炭化水素系の原燃料ガスを脱硫処理する脱硫部7、その脱硫部7から排出される脱硫原燃料ガスを別途供給される水蒸気にて水素と一酸化炭素に改質処理する改質部8、その改質部8から排出される改質ガス中の一酸化炭素を水蒸気にて二酸化炭素に変成処理する変成部9、その変成部9から排出される変成ガス中に残留している一酸化炭素を除去するCO除去部10を備えて構成されている。
そして、改質部8には、改質反応用の熱を生成するために改質用バーナ11が設けられている。
ちなみに、図示はしないが、燃料電池発電部1にて反応に寄与された排燃料ガスは、改質用バーナ11に供給するように構成されている。
【0027】
前記冷却水循環部4は、燃料電池発電部1と排熱回収用熱交換器との間で接続された冷却水循環路12、冷却水循環ポンプ13、冷却水循環路12における燃料電池発電部1から排熱回収用熱交換器への流路部分と排熱回収用熱交換器から燃料電池発電部1への流路部分とを接続する冷却水バイパス路14などを備えて構成されている。
そして、冷却水循環部4には、冷却水循環路12における燃料電池発電部1から排熱回収用熱交換器への流路部分と冷却水バイパス路14との接続箇所に、冷却水三方弁15、および、燃料電池発電部1に供給される冷却水の温度を検出する温度センサ16も設けられている。
【0028】
また、冷却水循環路12が、燃料電池発電部1を通過した冷却水を後述する第1排熱回収用熱交換器17側と後述する第2排熱回収用熱交換器18側とに供給可能になるように、第1側冷却水循環流路12aと第2側冷却水循環流路12bとに分岐され、その分岐箇所および第1側冷却水循環流路12aと第2側冷却水循環流路12bと接続箇所の夫々に流路切換三方弁34が設けられている。
そして、改質用バーナ11における燃焼排ガスを、第1排熱回収用熱交換器17または第2排熱回収用熱交換器18を通過した冷却水に放熱させる排ガス用熱交換器35が設けられている。
【0029】
前記冷却水循環部4は、流路切換三方弁34を切り換えることにより、冷却水を燃料電池発電部1と第1排熱回収用熱交換器17との間で循環させる第1循環状態と、冷却水を燃料電池発電部1と第2排熱回収用熱交換器18との間で循環させる第2循環状態と、冷却水を燃料電池発電部1と第1排熱回収用熱交換器17および第2排熱回収用熱交換器18との間で循環させる第3循環状態とに切換可能に構成されている。
また、冷却水循環路4は、温度センサ16の検出情報に基づいて、冷却水三方弁15の開度を調整することにより、冷却水バイパス路14を通流する冷却水量を調整し、燃料電池発電部1に供給される冷却水の温度を調整するように構成されている。
【0030】
前記排熱回収部6は、冷却水と排熱回収用熱媒とを熱交換させる排熱回収用熱交換器としての第1排熱回収用熱交換器17を備え、回収した排熱を床暖房装置や浴室暖房装置などの第1熱使用装置5aに供給する第1排熱回収部6aと、排熱回収用熱交換器としての第2排熱回収用熱交換器18を備え、回収した排熱を給湯栓などに湯水を供給する熱使用装置としての給湯部5bに供給する第2排熱回収部6bとから構成されている。
【0031】
前記第1排熱回収部6aは、熱使用装置用熱源としての熱源ボイラ19、排熱回収用熱媒としての温水を第1排熱回収用熱交換器17および熱源ボイラ19を通過させる状態で第1熱使用装置5aに循環供給する熱媒循環路20、熱媒循環ポンプ21などを備えて構成されている。
前記熱媒循環路20における温水の循環方向において、上流側から、第1熱使用装置5a、第1排熱回収用熱交換器17、熱源ボイラ19の順になるように配設されている。
そして、熱媒循環路20における第1熱使用装置5aから第1排熱回収用熱交換器17への流路部分と熱源ボイラ19から第1熱使用装置5aへの流路部分とを接続する熱媒バイパス路22が設けられ、その熱媒バイパス路22と熱媒循環路20における第1熱使用装置5aから第1排熱回収用熱交換器17への流路部分との接続箇所に、熱媒三方弁23が設けられている。
【0032】
前記第2排熱回収部6bは、第2排熱回収用熱交換器18と貯湯用熱交換器24との間で排熱回収用熱媒を循環させる排熱回収用熱媒循環路25、排熱回収用熱媒循環ポンプ26、蓄熱部としての貯湯タンク27、貯湯タンク27内の湯水を貯湯用熱交換器24を通過させる状態で循環させる湯水循環路28、湯水循環ポンプ32などを備えて構成されている。
そして、貯湯タンク27には、その上部に給湯部5bに湯水を供給する給湯路29が接続され、その下部に貯湯タンク27に給水する給水路30が接続され、給湯部5bは、ガスバーナを備えたバックアップ装置31を備えて構成されている。
また、湯水循環路28は、その一端部が貯湯タンク27の底部に接続され、他端部が貯湯タンク27の上部に接続され、その湯水循環路28における湯水循環ポンプ32と貯湯用熱交換器24との間には、ラジエター33が配設されている。
【0033】
そして、上述のように構成された排熱回収部6は、冷却水から授熱させる排熱回収状態と、冷却水に対して放熱させる冷却水加熱状態とに切換可能に構成されている。
すなわち、第1排熱回収部6aは、第1排熱回収用熱交換器17において冷却水から授熱される排熱回収状態と、第1排熱回収用熱交換器17において冷却水に対して放熱させる冷却水加熱状態とに切換可能に構成され、第2排熱回収部6bも、第2排熱回収用熱交換器18において冷却水から授熱される排熱回収状態と、第2排熱回収用熱交換器18において冷却水に対して放熱させる冷却水加熱状態とに切換可能に構成されている。
【0034】
説明を加えると、第1排熱回収部6aは、排熱回収状態に切り換えられたときに、熱媒循環ポンプ21を作動させて、温水を第1排熱回収熱交換器17を通過する状態で熱媒循環路20を通して循環させ、冷却水から授熱される熱を第1熱使用装置5aに供給するように構成されている。
また、冷却水加熱状態に切り換えられたときに、熱源ボイラ19を作動させた状態で、熱媒循環ポンプ21を作動させて、温水を第1排熱回収熱交換器17を通過する状態で熱媒循環路20を通して循環させることにより、熱源ボイラ19による熱を冷却水に対して放熱させるように構成されている。
【0035】
前記第2排熱回収部6bは、排熱回収状態に切り換えられたときに、排熱回収用熱媒循環ポンプ26を作動させて、排熱回収用熱媒を貯湯用熱交換器24を通過する状態で排熱回収用熱媒循環路25を通して循環させるとともに、湯水循環ポンプ32を作動させて、貯湯タンク27の底部から取り出した湯水を貯湯用熱交換器24を通過させたのち、貯湯タンク27の上部に戻す排熱回収循環状態で、貯湯タンク27内の湯水を湯水循環路28を通して循環させるように構成されている。
また、冷却水加熱状態に切り換えられたときに、排熱回収用熱媒循環ポンプ26を作動させて、排熱回収用熱媒を貯湯用熱交換器24を通過する状態で排熱回収用熱媒循環路25を通して循環させるとともに、ラジエター33を作動させる状態で湯水循環ポンプ32を逆回転作動させて、貯湯タンク27の上部から取り出した湯水を貯湯用熱交換器24を通過させたのち、貯湯タンク27の底部に戻す冷却水加熱循環状態で、貯湯タンク27内の湯水を湯水循環路28を通して循環させるように構成されている。
【0036】
前記運転制御部Hは、運転指令部36による運転指令に基づいて、燃料電池発電部1、冷却水循環部4、および、排熱回収部6を運転するように構成されている。
そして、運転制御部Hは、燃料電池発電部1については、燃料電池発電部1の運転開始が指令されると、燃料電池発電部1の立ち上げ運転をしたあと、燃料電池発電部1の通常運転をするように構成されている。
ちなみに、運転制御部Hは、燃料電池発電部1の温度が立ち上げ用設定温度以上になったり、あるいは、立ち上げ運転を開始してから立ち上げ用設定時間が経過すると、立ち上げ運転を終了して、通常運転をするようにしている。
【0037】
前記燃料電池発電部1の立ち上げ運転について説明を加えると、運転制御部Hは、燃料電池発電部1の立ち上げ運転をするときに、第1排熱回収部6aおよび第2排熱回収部6bを冷却水加熱状態に切り換え、冷却水循環部4を第1〜第3循環状態のいずれかに切り換えて運転させるとともに、改質用バーナ11における燃焼排ガスの熱を冷却水に放熱させるべく、改質部8を運転させるように構成されている。
【0038】
説明を加えると、運転制御部Hは、第1熱使用装置5aの運転が停止していると、第1排熱回収部6aを冷却水加熱状態に切り換え、貯湯タンク27から給湯部5bに湯水を供給していない状態で、貯湯タンク27内に温水を貯湯されていると、第2排熱回収部6bを冷却水加熱状態に切り換えるように構成されている。
そして、運転制御部Hは、第1排熱回収部6aのみが冷却水加熱状態に切り換えられると、冷却水循環部4を第1循環状態に切り換え、第2排熱回収部6bのみが冷却水加熱状態に切り換えられると、冷却水循環部4を第2循環状態に切り換え、第1排熱回収部6aおよび第2排熱回収部6bが冷却水加熱状態に切り換えられると、冷却水循環部4を第3循環状態に切り換えるように構成されている。
【0039】
ちなみに、第2排熱回収部6bを冷却水加熱状態に切り換えたときには、湯水循環路28に設けられたラジエター33にて循環される湯水を放熱させることにより、貯湯タンク27の底部に戻される湯水の温度を貯湯タンク27の温度成層を乱さないような温度になるようにしている。
【0040】
このようにして、運転制御部Hは、第1排熱回収部6aおよび第2排熱回収部6bを冷却水加熱状態に切り換えて運転させ、冷却水循環部4を運転させることにより、冷却水を加熱するためにあらたな加熱手段を設けることなく、排熱回収部6にて冷却水を加熱させ、その加熱された冷却水を燃料電池発電部1に供給させて、コストの低減を図り、しかも、排熱回収部6において第1熱使用装置5aおよび給湯部5bに供給される熱を用いて、燃料電池発電部1の立ち上げ運転の初期から冷却水を加熱し、燃料電池発電部1を極力短時間で昇温させるようにしている。
【0041】
また、運転制御部Hは、燃料電池発電部1の立ち上げ運転をするときに、改質用バーナ11の燃焼を開始させて改質部8の立ち上げ運転を行うことにより、その改質用バーナ11における燃焼排ガスを排ガス用熱交換器35に供給させて、改質用バーナ11における燃焼排ガスにて冷却水を加熱して、その加熱された冷却水を燃料電池発電部1に供給し、改質部8における排熱により冷却水を加熱して、省エネルギー化を図るとともに、燃料電池発電部1をより短時間で昇温させるようにしている。
【0042】
前記燃料電池発電部1の通常運転について説明を加えると、運転制御部Hは、燃料電池発電部1の通常運転をするときに、第1排熱回収部6aおよび第2排熱回収部6bを排熱回収状態に切り換え、冷却水循環部4を第1〜第3循環状態のいずれかに切り換えて運転させるとともに、ガス生成部2にて燃料ガスを生成させて、その燃料ガスを燃料電池発電部1に供給し、かつ、ブロア3にて空気を燃料電池発電部1に供給して、燃料電池発電部1にて発電させるように燃料電池発電部1を運転させるように構成されている。
【0043】
説明を加えると、運転制御部Hは、第1熱使用装置5aが運転されていると、第1排熱回収部6aを排熱回収状態に切り換え、貯湯タンク27に貯湯する余裕があると、第2排熱回収部6bを排熱回収状態に切り換えるように構成されている。
そして、運転制御部Hは、第1排熱回収部6aのみが排熱回収状態に切り換えられると、冷却水循環部4を第1循環状態に切り換え、第2排熱回収部6bのみが排熱回収状態に切り換えられると、冷却水循環部4を第2循環状態に切り換え、第1排熱回収部6aおよび第2排熱回収部6bが排熱回収状態に切り換えられると、冷却水循環部4を第3循環状態に切り換えるように構成されている。
【0044】
ちなみに、運転制御部Hは、燃料電池発電部1に供給される冷却水が通常運転用設定温度未満になるように、冷却水三方弁15の開度を調整するように構成されている。
そして、冷却水三方弁15の開度を調整しても、燃料電池発電部1に供給される冷却水が通常運転用設定温度以上になるときには、燃料電池発電部1および冷却循環部4の運転を停止させたり、あるいは、冷却水循環部4を第2または第3循環状態で運転させるとともに、第2排熱回収部6bをラジエター33を作動させる状態で排熱回収状態に切り換えて運転させて、貯湯タンク27内の湯水をラジエター33にて一旦放熱させたのち、冷却水から授熱された排熱回収用熱媒にて加熱させて貯湯するようにしている。
【0045】
このようにして、運転制御部Hは、第1排熱回収部6aおよび第2排熱回収部6bを排熱回収状態に切り換えて運転させ、冷却水循環部4を運転させることにより、排熱回収部6にて排熱を回収し、その回収された排熱を第1熱使用装置5aに供給したり、その排熱により貯湯タンク17に貯湯するようにしている。
【0046】
ちなみに、運転制御部Hは、第1熱使用装置5aの運転開始および運転停止の指令に基づいて、熱媒循環ポンプ21および熱源ボイラ19の作動を制御して、第1排熱回収部6aの運転開始および運転停止を制御するとともに、給湯部5bへの給湯要求およびその給湯要求の解除に基づいて、バックアップ装置31の運転開始および運転停止を制御して、第2排熱回収部6bの運転開始および運転指定を制御するように構成されている。
【0047】
本発明の実施形態〕
この本発明の実施形態は、上記参考の実施形態における排熱回収部6の別実施形態を示すものであり、図面に基づいて説明する。
なお、その他の構成については、上記参考の実施形態と同様であるので、同符号を記すなどにより、その詳細な説明は省略する。
【0048】
上記参考の実施形態では、第1排熱回収部6aと第2排熱回収部6bの両方が、排熱回収状態と冷却水加熱状態とに切換可能に構成されているが、この本発明の実施形態では、第1排熱回収部6aのみが排熱回収状態と冷却水加熱状態とに切換可能に構成され、第2排熱回収部6bが排熱回収状態のみに切換可能に構成されている。
【0049】
説明を加えると、第2排熱回収部6bは、図3に示すように、蓄熱部としての貯湯タンク27、貯湯タンク27内の湯水を貯湯用熱交換器24を通過させる状態で循環させる湯水循環路28、湯水循環ポンプ32などを備え、貯湯用熱交換器24において冷却水から貯湯タンク27内の湯水に授熱させるように構成されている。
すなわち、参考の実施形態における排熱回収用熱媒循環路25、排熱回収用熱媒循環ポンプ26、および、ラジエター33などを省略するようにしている。
【0051】
そして、運転制御部Hは、燃料電池発電部1の立ち上げ運転をするときに、第1排熱回収部6aを冷却水加熱状態に切り換えて運転させ、冷却水循環部4を第1状態に切り換えて運転させるとともに、改質用バーナ11における燃焼排ガスの熱を冷却水に放熱させるべく、改質部8を運転させるように構成されている。
また、運転制御部Hは、燃料電池発電部1の通常運転をするときに、参考の実施形態と同様に、第1排熱回収部6aおよび第2排熱回収部6bを排熱回収状態に切り換え、冷却水循環部4を第1〜第3循環状態のいずれかに切り換えて運転させるとともに、ガス生成部2にて燃料ガスを生成させて、その燃料ガスを燃料電池発電部1に供給し、かつ、ブロア3にて空気を燃料電池発電部1に供給して、燃料電池発電部1にて発電させるように燃料電池発電部1を運転させるように構成されている。
【0059】
〔別実施形態〕
)上記参考の実施形態及び本発明の実施形態では、冷却水が保有する熱を授熱する対象として、第1排熱回収用熱交換器17および第2排熱回収用熱交換器18が設けられているが、これら排熱回収用熱交換器17,18に加えて、図1の点線で示すように、冷却水ラジエター37を設け、通常運転において、冷却水三方弁15の開度を調整しても、燃料電池発電部1に供給される冷却水が通常運転用設定温度以上になるときには、冷却水ラジエター37を作動させるようにしてもよい。
【0060】
)上記参考の実施形態及び本発明の実施形態では、ひとつの運転制御部Hにて、燃料電池発電部1、冷却水循環部4、第1排熱回収部6a、および、第2排熱回収部6bの運転を制御するようにしているが、例えば、燃料電池発電部1および冷却水循環部4の運転を制御する燃料電池用制御部と、第1排熱回収部6aの運転を制御する第1排熱回収部用制御部と、第2排熱回収部6bの運転を制御する第2排熱回部
用制御部とを備えて、それら制御部の夫々を制御情報を通信自在に構成することにより、燃料電池発電部1、冷却水循環部4、第1排熱回収部6a、および、第2排熱回収部6bの運転を制御するようにしてもよい。
すなわち、燃料電池発電部1、冷却水循環部4、第1排熱回収部6a、および、第2排熱回収部6bの運転を制御するための構成については、ひとつの運転制御部Hを備えるものに限らず、各種の構成が適応可能である。
【0061】
)上記参考の実施形態及び本発明の実施形態では、燃料電池発電部1に備える燃料電池として、高分子型のものを例示したが、リン酸型のものなど各種の燃料電池が適応可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 参考の実施形態における燃料電池設備の概略構成図
【図2】燃料電池設備における制御ブロック図
【図3】 本発明の実施形態における燃料電池設備の概略構成図
【図4】従来構成1における燃料電池設備の概略構成図
【図5】従来構成2における燃料電池設備の概略構成図
【符号の説明】
1 燃料電池発電部
4 冷却水循環手段
5 熱使用装置
6 排熱回収部
6a 第1排熱回収部
6b 第2排熱回収部
8 改質部
11 改質用バーナ
19 熱使用装置用熱源
27 蓄熱部
35 排ガス用熱交換器

Claims (1)

  1. 燃料電池発電部に冷却水を循環供給させる冷却水循環手段と、
    前記冷却水循環手段にて循環される前記冷却水と排熱回収用熱媒とを熱交換させる排熱回収用熱交換器を備えて、回収した排熱を熱使用装置に供給する排熱回収部と、
    前記燃料電池発電部、前記冷却水循環手段、および、前記排熱回収部の運転を制御する運転制御手段とが設けられている燃料電池設備であって、
    前記排熱回収部が、前記排熱回収用熱交換器としての、前記冷却水循環手段にて循環される前記冷却水と排熱回収用熱媒とを熱交換させる第1排熱回収用熱交換器、及び、前記熱使用装置に供給される前記排熱回収用熱媒を加熱する熱使用装置用熱源を備える第1排熱回収部と、前記排熱回収用熱交換器としての、前記冷却水循環手段にて循環される前記冷却水と排熱回収用熱媒とを熱交換させる第2排熱回収用熱交換器、及び、前記熱使用装置にて使用する熱を蓄熱する蓄熱部を備えて、前記冷却水から前記排熱回収用熱媒に授熱される熱を前記蓄熱部に蓄熱させる第2排熱回収部とを備えて、前記第1排熱回収部のみが、前記第1排熱回収用熱交換器において前記冷却水から授熱される排熱回収状態と、前記第1排熱回収用熱交換器において前記熱使用装置用熱源による熱を前記冷却水に対して放熱させる冷却水加熱状態とに切換可能に構成され、
    前記燃料電池発電部に燃料ガスを供給させるための改質部と、その改質部に備えられた改質用バーナにおける燃焼排ガスを前記冷却水循環手段にて循環される前記冷却水における前記排熱回収用熱交換器を通過した冷却水に放熱させる排ガス用熱交換器とが設けられ、
    前記運転制御手段は、前記燃料電池発電部を立ち上げ運転するときに、前記排熱回収部における前記第1排熱回収部を冷却水加熱状態に切り換え、且つ、前記改質用バーナにおける燃焼排ガスの熱を前記冷却水に対して放熱させるべく前記改質部を運転し、その立ち上げ運転したあとの前記燃料電池発電部の運転中に、前記排熱回収部における前記第1排熱回収部及び前記第2排熱回収部を排熱回収状態に切り換えるように構成されている燃料電池設備。
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