JP4252512B2 - 小型電磁弁 - Google Patents

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本発明は、流体の流れ方向を制御することが可能な小型電磁弁に関する。
従来より、流体の流れ方向を制御することが可能な小型電磁弁は、例えば図5に示す液体分析装置50の分注制御に使用される。分注とは、血液や体液、希釈水用の純水や生理食塩水、反応させる試薬などを反応セルに移すことをいう。液体分析装置50では、数μLの分注精度で流量制御を行うためにシリンジポンプ52を使用している。シリンジポンプ52は、シリンジ(注射器)で純水などを設定された流量で持続的に注入するものであり、注入速度を容易に調節することができる利点があるからである。
シリンジポンプ52は、小型電磁弁100を介して純水ポンプ51と、反応セル53とにそれぞれ接続している。小型電磁弁100と反応セル53との間にはノズル54が配設され、反応セル53に純水を正確な流量で供給できるようにしている。こうした小型電磁弁100は、数μLから数十μL程度で純水の流量を制御することが要求されている(非特許文献1参照。)。
図6は、従来の小型電磁弁100の断面図である。
小型電磁弁100は、第1流路103aが純水ポンプ51に接続し、第2流路103bがシリンジポンプ52に接続し、第3流路103cが反応セル53に接続する。小型電磁弁100は、ソレノイド部111への通電を制御することにより、第1流路103a、第2流路103b、第3流路103cとの連通状態を切り替えるようになっている。
小型電磁弁100の流路ブロック102には、第1流路103aと第3流路103cに連通するように第1弁座106aと第2弁座106bが形成されている。流路ブロック102に連結する弁ブロック101には、支軸108が架設され、ダイアフラム組立104を揺動可能に軸支している。ダイアフラム組立104は、揺動部材109にダイアフラム107を固着したものである。ダイアフラム107は、外縁部が流路ブロック102と弁ブロック103との間で狭持されて弁室105を形成し、揺動部材109の揺動に従って第1弁座106aと第2弁座106bに相対的に当接又は離間するよう構成されている。
一方、ソレノイド部111には、可動鉄心114が摺動可能に挿通されている。可動鉄心114は、第1バネ115のバネ力でソレノイド部111からボディ101側へ突き出し、ボディ101に摺動可能に装填された変位部材116に突き当てられている。変位部材116には、第1押圧部材117aが固設されるとともに、第2押圧部材117bが摺動可能に保持されている。第2押圧部材117bは、第1バネ115よりバネ力の小さい第2バネ118によって図中D方向の力が常時作用している。そのため、ソレノイド部111への通電を制御して可動鉄心114を摺動させれば、第1バネ115と第2バネ118との圧力バランスが変動し、ダイアフラム組立104が揺動する。
こうした小型電磁弁100は、ソレノイド部111に通電すると、可動鉄心114が第1バネ115に抗して図中C方向に移動する。第1バネ115は、次第にバネ力が小さくなり、やがて第2バネ118のバネ力が第1バネ115のバネ力に打ち勝つ。すると、ダイアフラム組立104は、第2押圧バネ117bにより図中D方向に押し下げられて揺動する。そして、ダイアフラム107が、第1弁座106aから離間して第1流路103aと第2流路103bを連通させる一方、第2弁座106bに当接して第2流路103bと第3流路103cとを遮断する。これにより、第1〜第3流路103a〜103cの連通状態が切り替えられ、純水ポンプ51からシリンジポンプ52に流体が充填される。
その後、ソレノイド部111への通電を停止すると、第1バネ115のバネ力で変位部材116を図中D方向に押圧する。第1バネ115は第2バネ118よりバネ力が大きいため、可動鉄心114が変位部材116を図中D方向に押し下げる。ダイアフラム組立104は、第1押圧部材117aにより図中D方向に押し下げられ、第2バネ118を圧縮しながら揺動する。そして、ダイアフラム107が、第1弁座106aに当接して第1流路103aと第2流路103bを遮断する一方、第2弁座106bから離間して第2流路103bと第3流路103cとを連通させる。これにより、第1〜第3流路103a〜103cの連通状態が切り替えられ、シリンジポンプ52から反応セル53に流体が供給される(例えば、特許文献1参照。)。
「医療・分析装置攻略 アプリケーション&テクニカルブック」、シーケーディ株式会社、1998年10月16日、p.2〜3 特開2000−297876号公報(第3〜5頁、第1図。)
しかしながら、従来の小型電磁弁100は、第1〜第3流路103a,103b,103cの面積が同一であるため、純水や試薬などが第1弁座106a又は第2弁座106bに流入する際に圧力損失を生じ、流れにくかった。特に、小型電磁弁100は、数μLから数十μL程度で流体流量を制御することが要求されるため、流量がわずか20〜30μL増加しただけでも大流量を制御することになり、圧力損失を生じやすい。
これに対して、第1,第3流路103a,103cの面積を第2流路103bの面積より大きくして、Cv値を大きくすることも考えられるが、第1,第2弁座106a,106bのオリフィス径が大きくなるのに伴ってシール力を大きくするために、第1バネ115の弾圧力を強くしてソレノイド部111を大きくする必要があり、装置サイズが大型化する問題がある。
また、例えば、特表2002−502486号公報は、本願と異なる目的を有する発明が記載されているが、図面には取入口の径が弁座のオリフィス径より大径に形成されている(図1参照)。取込口の径を弁座のオリフィス径より大径にすることにより、弁座における圧力損失が低減されると考えられるが、取込口を無制限に拡大すると、内部容積が増加し、試薬などを余分に使用する問題が発生する。そのため、取込口の径を弁座のオリフィス径より大径するにしても、何らかの制限を要するが、この点について特表2002−502486号公報は何も記載されていない。
そこで、本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、内部容積の増加を抑えつつ、圧力損失を低減して大流量を流せるコンパクトな小型電磁弁を提供することを目的とする。
本発明に係る小型電磁弁は、次のような構成を有している。
(1)ハウジングに入力ポートと、2個の出力ポートとが弁室に連通するように形成され、出力ポートが弁室に開口する開口部分に弁座がそれぞれ設けられ、ハウジングに揺動可能に軸支される揺動部材を駆動手段で揺動させることにより、ダイアフラムを弁座に交互に当接又は離間させてポートの連通状態を切り替える小型電磁弁において、入力ポートの面積が、出力ポートの面積の2倍以上2.5倍以下であることを特徴とする。
まず最初に、入力ポートの面積と出力ポートの面積について定義する。本発明では、入力ポートの面積とは、入力ポートが弁室に開口する面積をいう。また、出力ポートの面積とは、出力ポートが弁室に開口する面積をいう。
次に、小型電磁弁の入力ポートと出力ポートとの関係について説明する。小型電磁弁は、上述したように数μLから数十μL程度で流体の流量を制御することが要求され、例えば、流量が20〜30μL増加しただけでも、大流量を制御することになる。小型電磁弁が大流量を制御する場合にCv値が小さいと、流体が流れにくく、制御時間がかかる上に、消費電力が大きくなる。そのため、本発明の小型電磁弁は、従来品よりCv値を大きくするために、入力ポートの面積を出力ポートの面積の2倍以上にして、Cv値を大きくしている。一方、入力ポートの面積を出力ポートの面積の2.5倍以上にすると、Cv値が飽和し、流体を流れやすくする効果が得られなくなる。そのため、本発明の小型電磁弁は、入力ポートの面積を出力ポートの面積の2.5倍以下に設定している。
次に、本発明の小型電磁弁の作用効果について説明する。
本発明の小型電磁弁は、入力ポートの面積を出力ポートの面積の2倍以上にしているので、圧力損失が低減されてCv値が大きくなり、大流量を制御する場合でも制御時間が長くなりにくく、消費電力が増加しにくい。しかも、小型電磁弁は、入力ポートの面積を出力ポートの面積の2.5倍以下に設定して無制限に拡大しないので、入力ポート、2個の出力ポート、弁室とからなる内部容積の増加が抑えられる。このことは、例えば、高価な試薬を使用する場合に、余分な試薬が流路に付着することを抑制し、試薬の使用量の増加を抑えつつ、圧力損失を低減させられる点で有効である。さらに、小型電磁弁は、出力ポートの面積を入力ポートの面積より大きくせずに圧力損失を低減させるので、弁座のオリフィス径が大きくならず、シール力をアップさせるために駆動手段を大きくする必要がない。
よって、本発明の小型電磁弁によれば、内部容積の増加を抑えつつ、圧力損失を低減して流量を増加させることができ、また、駆動手段を小さくして装置サイズをコンパクトにすることができる。
次に、本発明に係る小型電磁弁の一実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、非通電状態の小型電磁弁1の断面図である。図2は、通電状態の小型電磁弁の断面図である。
小型電磁弁1は、従来技術と同様に液体分析装置50(図5参照)に使用され、数μLから数十μL程度で流体の流量を制御する。小型電磁弁1は、外観が略直方体形状をなし、流路ブロック2にボディ3を連結することにより「ハウジング」が構成され、そのハウジングを覆うようにカバー4が取り付けられている。流路ブロック2とボディ3は、軽量化を図るために樹脂で形成され、また、カバー4は、肉厚を確保するためにアルミニュウム合金で形成されている。流路ブロック2には、NCポート(「出力ポート」に相当するもの。)5aとCOMポート(「入力ポート」に連通するもの。)5bとNOポート(「出力ポート」に相当するもの。)5cとが平行に形成されている。NCポート5aとNOポート5cの開口部には、第1弁座6aと第2弁座6bが環状に突設されている。流路ブロック2には、第1〜第3流路5a,5b,5cの外側に貫通孔2aが形成され、この貫通孔2aにボディ3の下端面に突設された位置決め突起3aをきっちり嵌め合わせることにより、流路ブロック2とボディ3とを位置決めしている。
流路ブロック2とボディ3との間には、揺動弁7を収納するための収納室8が形成されている。収納室8には、金属製の支軸9がCOMポート5bと同軸上に架設され、揺動弁7を揺動可能に軸支している。揺動弁7は、樹脂製の揺動部材10にインサート成形によってダイアフラム11を一体化したものである。ダイアフラム11は、シール性を確保するためにゴムなどの弾性材料で形成され、周縁部がボディ3と流路ブロック2との間に狭持されて収納室8を気密に区画し、弁室12を形成している。弁室12には、第1〜第3流路5a,5b,5cが各々開口して相互に連通しており、揺動弁7が傾斜してダイアフラム11を第1弁座6aと第2弁座6bに相対的に当接又は離間するようになっている。なお、第1弁座6aと第2弁座6bの上端面は、揺動弁7の傾斜に合わせて斜めに形成され、シール性能の向上を図っている。また、弁室12内壁にも、揺動弁7の傾きに合わせた傾斜が設けられ、容積変化を一定にしている。
揺動弁7には、支軸9を挟んで対称位置に第1バネ21と第2バネ25のバネ力が作用し、第1バネ21のバネ力をソレノイド機構(「駆動手段」に相当するもの。)16を用いて変動させることにより、揺動弁7が揺動するようになっている。
ボディ3には、第1貫通孔13が第1弁座6aと同軸上に上面から収納室8に連通するように穿設されている。第1貫通孔13には、第1押圧部材14が摺動可能に装填されている。第1押圧部材14は、射出成形によって樹脂を一方に開口する円筒形状に成形したものであり、閉端面中央部に先端部が半球状に形成された突起14aが外向きに突設されている。第1押圧部材14は、突起14aが第1貫通孔13の図中上端開口部から挿入され、揺動弁7の上端面に突き当てられて点接触している。ボディ3には、ソレノイド機構16が磁気回路基板15を介して第1弁座6aと同軸上に取り付けられ、第1貫通孔13の図中上端開口部を塞いでいる。
ソレノイド機構16は、中空円筒形状に形成されたコイルボビン17に電磁コイル18が巻回され、コイルボビン17の一端開口部に固定鉄心19が固設され、コイルボビン17の他端開口部に可動鉄心20が摺動可能に装填されている。固定鉄心19と可動鉄心20は、第1弁座6aと同軸上に配設されている。可動鉄心20は、先端部が磁気回路基板15を貫いて第1貫通孔13内に突き出し、可動鉄心20の先端部と磁気回路基板15との間に第1バネ21が縮設されている。そのため、可動鉄心20は、第1バネ21により第1弁座6a側(図中B方向)に常時付勢され、第1押圧部材14を介して揺動弁7を第1弁座6a方向に押圧している。
また、ボディ3には、第2貫通孔23が第2弁座6bと同軸上に上面から収納室8に連通するように穿設されている。第2貫通孔23には、第2押圧部材24が摺動可能に装填されている。第2押圧部材24は、射出成形により樹脂を一方に開口する円筒形状に成形したものであり、閉端面中央部に先端部が半球状に形成された突起24aが外向きに突設されている。第2押圧部材24は、突起24aが第2貫通孔23の図中上端開口部から挿入され、揺動弁7に突き当てられて点接触している。第2バネ25は、第2押圧部材24の中空孔に収納された状態で第2貫通孔23に配設され、第2貫通孔23を図中上方から覆うようにカバー26をボディ3に被せて固定ネジ27で固定することにより、第2押圧部材24とカバー26との間で圧縮保持されている。そのため、第2押圧部材24は、第2バネ25のバネ力により揺動弁7を第2弁座6b方向(図中B方向)に押圧している。
ここで、第2バネ25は第1バネ21よりバネ力が小さく設定されている。そのため、小型電磁弁1は、ソレノイド機構16に非通電のときには、揺動弁7が第1バネ21に押し下げられて第1弁座6aを閉じるとともに、第2弁座6bを開く一方、ソレノイド機構16に通電したときには、揺動弁7が第2バネ25に押し下げられて第1弁座6aを開くとともに、第2弁座6bを閉じる。通電時には、可動鉄心14と第1王圧部材14との間に隙間が形成され、第2バネ25によるシール力が第1バネ21のバネ力で減殺されないようにしている。
なお、小型電磁弁1のソレノイド機構16には、電磁コイル18に制御基板28を介して配線29が接続し、配線29がブッシュ30から取り出されて図示しない制御装置に接続されている。制御基板28は、配線29から供給される交流電流を整流して電磁コイル18に供給する。また、小型電磁弁1は、ボディ3と流路ブロック2との間に薄い板状のスペーサ31が配設され、揺動弁7のストローク量が調整されている。
ところで、小型電磁弁1は、例えば、COMポート5bからNC,NOポート5a,5cに純水や試薬などを流す場合、第1,第2弁座6a,6bのオリフィス径が弁室12より小さいため、流体が第1,第2弁座6a,6bに流入するときに圧力損失を発生する。小型電磁弁1は、数μLから数十μL程度で流体の流量を制御することが要求されるため、例えば、流量を20〜30μL増加させるだけでも大流量を制御することになり、圧力損失によりCv値が小さくなって流体が流れにくくなると、制御時間がかかったり、消費電力が大きくなる問題がある。特に、例えば、小型電磁弁1を医療機器に使用する場合には、治療時間が長引く要因になり、好ましくない。
そこで、本実施の形態では、COMポート5bの面積をNC,NOポート5a,5cの面積より大きくしている。ここで、NCポート5aの面積とはNCポート5aが弁室12に開口する面積をいい、COMポート5bの面積とはCOMポート5bが弁室12に開口する面積をいい、NOポート5cの面積とはNOポート5cが弁室12に開口する面積をいう。しかし、COMポート5bの面積を無制限に大きくすると、内部容積が増加して余分な試薬などを使用する不具合があるため、効率がよい範囲を求める必要がある。図3は、COMポートの面積比率とCv値の関係を示す図であって、縦軸にCv値を示し、横軸にNC又はNOポート5a,5cに対するCOMポート5bの面積比率を示す。図4は、中立状態の小型電磁弁の弁部拡大図である。
従来の小型電磁弁100(図6参照)は、第1〜第3流路103a,103b,103cの直径が1.4mmであって、第2流路103bから第3流路103cに流体を流した場合のCv値が0.030であった。そこで、小型電磁弁1のCOMポート5b、NCポート5a、NOポート5cの直径を初期的に1.0mmとし、COMポート5bの直径を少しずつ大きくしてCv値を測定したところ、図3に示すように、COMポート5bの面積をNC又はNOポート5a,5cの面積の2倍以上にしたときに、NCポート5a、COMポート5b、NOポート5cのいずれを加圧してもCv値が0.030以上になることが判明した。特に、COMポート5bからNCポート5aに流体を流した場合には(図中◆で示すグラフ参照)、Cv値が0.033以上に増加した。また、小型電磁弁1は、COMポート5bの面積をNC又はNOポート5a,5cの面積の2.5倍以上にすると、NCポート5a、COMポート5b、NOポート5cのいずれを加圧してもCv値が飽和し、流体を流れやすくする効果が得られないことが判明した。
さらに、COMポート5b、NCポート5a、NOポート5cの直径を1mmとして同一面積にした場合と、NC又はNOポート5a,5cの直径を1mmとしたまま、COMポート5bの面積をNC,NOポート5a,5cの面積の2.5倍にした場合とで小型電磁弁1の内部容積L(図4の斜線部参照)を測定した。この結果、COMポート5bの面積をNC又はNOポート5a,5cの面積と同一にした場合の内部容積Lが38.8μLであるのに対して、COMポート5bの面積をNC又はNOポート5a,5cの面積の2.5倍にした場合の内部容積Lが47.1μLであり、COMポート5bの面積をNC又はNOポート5a,5cの面積の2.5倍にしても、内部容積が20%程度しか増加しないことが判明した。
従って、小型電磁弁1は、COMポート5bの面積をNC又はNOポート5a,5cの2倍以上2.5倍以下に設定することが望ましい。本実施の形態の小型電磁弁1では、NO,NCポート5a,5cの直径を1mmとして面積を同一とし、COMポート5bの面積をNC又はNOポート5a,5cの面積の2.5倍に設定している。
なお、COMポート5bの面積をNC又はNOポート5a,5cの面積より大きくすると、COMポート5bの面積をNC又はNOポート5a,5cの面積と同一にした場合より流量制御時の弁室12の圧力が増加するが、NC又はNOポート5a,5cの面積をCOMポート5bの面積より大きくする場合と比べてシール力に与える影響が少なく、COMポート5bの面積拡大に伴ってソレノイド機構16を大きくする必要はない。
こうした小型電磁弁1は、流路ブロック2にパッキン32が装着され、NCポート5aに純水ポンプ51(図5参照)が接続され、COMポート5bにシリンジポンプ52(図5参照)が接続され、NOポート5cにノズル54(図5参照)を介して反応セル53(図5参照)が接続される。そして、小型電磁弁1は、流路ブロック2に形成されたネジ孔に挿通したボルトを液体分析装置50(図5参照)に締結することにより、液体分析装置50に固定される。
次に、上記構成を有する小型電磁弁1の動作について説明する。
小型電磁弁1は、図1に示す非通電時には、固定鉄心19と可動鉄心20とは所定のクリアランスをもって離間し、揺動弁7がダイアフラム11を第1弁座6aに当接するように傾斜することにより、COMポート5bとNOポート5cが第2弁座6bを介して連通している。以下、この状態を初期状態として説明する。
図2に示すように、ソレノイド機構16の電磁コイル18に電圧を供給すると、固定鉄心19が第1バネ21に抗して可動鉄心20を図中A方向に吸引する。第1バネ21が可動鉄心20と第1押圧部材14を介して揺動弁7を押し下げる力は、可動鉄心20の上昇に従って減少する。これに対応して、第2バネ25が第2押圧部材24を介して揺動弁7を第2弁座6b側(図中B方向)に押し下げ、COMポート5bがNCポート5aと第1弁座6aを介して連通する。
この状態で図5に示す液体分析装置50の純水ポンプ51を駆動すると、純水が純水ポンプ51から図2に示す小型電磁弁1のNCポート5a、第1弁座6a、弁室12、COMポート5bを介して図5に示すシリンジポンプ52に少量ずつ(例えば、30μLずつ)供給される。
その後、図1に示すように、ソレノイド機構16の電磁コイル18への電圧の供給を停止すると、可動鉄心20が第1バネ21に付勢されて図中B方向に押圧される。第1バネ21のバネ力は、図1に示す状態の第2バネ25のバネ力より大きく設定されているため、揺動弁7は、第2バネ25に抗してダイアラム11を第1弁座6aに当接させるように揺動して傾斜し、COMポート5bがNOポート5cと第2弁座6bを介して連通する。
この状態で図5に示す液体分析装置50のシリンジポンプ52を駆動すると、純水がシリンジポンプ52から図1に示す小型電磁弁1のCOMポート5b、弁室12、第2弁座6b、NOポート5cを介して図5に示す反応セル53に少量ずつ(例えば、30μLずつ)供給される。
ここで、小型電磁弁1は、COMポート5bの面積をNCポート5a又はNOポート5cの面積の2倍以上にしているので、NCポート5a又はNOポート5cから揺動弁7のダイアフラム11を離間させて流量制御するときの圧力損失が低減されてCv値が大きくなり、例えば、流量を30μLから50μLに増加して大流量を制御する場合でも、制御時間が長くなりにくく、消費電力が増加しにくい。しかも、小型電磁弁1は、COMポート5bの面積をNC又はNOポート5a,5cの2.5倍以下に設定して無制限に拡大しないので、NCポート5a、COMポート5b、NOポート5c、弁室12とからなる内部容積Lの増加が抑えられる。このことは、例えば、高価な試薬を使用する場合に、小型電磁弁1内に余分な試薬が流路に付着することを抑制し、試薬の使用量の増加を抑えつつ、圧力損失を低減させられる点で有効である。さらに、小型電磁弁1は、NC又はNOポート5a,5cの面積を大きくせずに圧力損失を低減させるので、第1,第2弁座6a,6bのオリフィス径が大きくならず、シール力をアップさせるために第1バネ21のバネ力を大きくする必要がない。そのため、小型電磁弁1は、COMポート5bの面積拡大に伴って消費電力が大きくならず、COMポート5bの面積をNC又はNOポート5a,5cの面積と同一にした場合と同サイズのソレノイド機構16を使用することができる。
従って、本実施の形態の小型電磁弁1によれば、「ハウジング」にCOMポート5bと、NCポート5aと、NOポート5cが弁室12に連通するように形成され、NO又はNCポート5a,5cが弁室12に開口する開口部分に第1,第2弁座6a,6bがそれぞれ設けられ、「ハウジング」に揺動可能に軸支される揺動弁7をソレノイド機構16で揺動させることにより、ダイアフラム11を第1,第2弁座6a,6bに交互に当接又は離間させてポートの連通状態を切り替えるものであって、COMポート5bの面積が、NC又はNOポート5a,5cの面積の2倍以上2.5倍以下であるので、内部容積の増加を抑えつつ、圧力損失を低減して純水や試薬などを大流量で流すことができ、また、ソレノイド機構16を小さくして装置サイズをコンパクトにすることができる。
尚、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されることなく、色々な応用が可能である。
例えば、上記実施の形態では、駆動手段としてソレノイド機構を使用したが、駆動手段として手動機構やアーマチャ機構を備えるものを使用してもよい。
また、例えば、上記実施の形態では、小型電磁弁1を液体分析装置50に取り付けたが、複数の流体の流量を制御したり、1種類の流体の供給先を切り替えるものであれば、使用目的はこれに限定されない。
また、例えば、上記実施の形態では、流路ブロック2、ボディ3を樹脂で形成したが、流体の種類に応じて金属で形成してもよい。
また、例えば、上記実施の形態では、金属製のカバー4を使用したが、樹脂製のカバーを使用してもよい。
本発明の実施の形態に係り、非通電状態の小型電磁弁の断面図である。 同じく、通電状態の小型電磁弁の断面図である。 同じく、COMポートの面積比率とCv値の関係を示す図である。 同じく、中立状態の小型電磁弁の弁部拡大図である。 液体分析装置の概略構成図である。 従来の小型電磁弁の断面図である。
符号の説明
1 小型電磁弁
5a NCポート
5b COMポート
5c NOポート
6a 第1弁座
6b 第2弁座
7 揺動弁
16 ソレノイド機構

Claims (1)

  1. ハウジングに入力ポートと、2個の出力ポートとが弁室に連通するように形成され、前記出力ポートが弁室に開口する開口部分に弁座がそれぞれ設けられ、前記ハウジングに揺動可能に軸支される揺動部材を駆動手段で揺動させることにより、ダイアフラムを前記弁座に交互に当接又は離間させてポートの連通状態を切り替える小型電磁弁において、
    前記入力ポートの面積を前記出力ポートの面積の2倍以上2.5倍以下とすることにより、前記入力ポートと前記2個の出力ポートと前記ダイアフラムで仕切られた前記弁室とからなる内部容積の増加率を前記入力ポートの面積と前記出力ポートの面積とを同一とした場合の20%以下とすることを特徴とする小型電磁弁。
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