JP4252364B2 - 超音波探触子 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、超音波振動子を体腔内に挿入して、生体内に超音波を照射してそのエコー信号を受け取る超音波探触子に関し、特に体腔内に挿入される挿入部内に設けられた超音波振動子を揺動させるために、体腔外にて操作者により保持されるグリップ部内に設けられたモータの回転を超音波振動子に伝達する超音波探触子に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の超音波探触子としては、例えば下記の特許文献1、2、3に示されるようにワイヤによりモータの回転を超音波振動子に伝達する方法が知られている。図5はこれらの従来例の代表例を示すものである。図5においてグリップ部1内にはモータ5及びその回転シャフトに連結されたプーリ102が配置され、挿入部2の先端部3内には超音波振動子4及びその回動軸9に連結されたプーリ7が配置されている。そして、プーリ102、7にワイヤ8が架け渡されてモータ5の回転が超音波振動子4の回動軸9に伝達される。
【0003】
【特許文献1】
特開平10―179588号公報(図3、段落0049)
【特許文献2】
特開平10−174686号公報(図1、段落0052)
【特許文献3】
特開2001―170053号公報(図2、段落0010)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の超音波探触子においては、ワイヤ8がグリップ部1から挿入部2の先端部3まで延びるように設けられているため、比較的長いので、ワイヤ8の緩みが発生して超音波振動子4の位置の誤差が発生するという問題があった。
【0005】
本発明は、こうした従来の問題点を解決するものであり、ワイヤの緩みを低減させ、超音波振動子の位置の誤差を低減できる超音波探触子を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために、挿入部内に設けられた超音波振動子を揺動させるためにグリップ部内に設けられたモータの回転を前記超音波振動子に伝達する超音波探触子において、
先端部が前記挿入部内に延びるように前記モータの回転軸に連結された回転シャフトと、
前記回転シャフトの前記先端部に取り付けられた第1のプーリと、
前記第1のプーリの回転軸と直交する前記超音波振動子の揺動軸に取り付けられた第2のプーリと、
前記第1、第2のプーリの間に設けられた中間プーリと、
前記第1、第2のプーリ及び前記中間プーリに架け渡されたワイヤと、
前記中間プーリを付勢して前記ワイヤにテンションを印加するテンション機構とを、
備えた構成とした。
上記構成により、ワイヤを従来例より短くすることができるので、ワイヤの緩みを低減させ、超音波振動子の位置の誤差を低減させることができる。
【0007】
また、前記テンション機構は、
前記中間プーリが取り付けられ、前記先端部に形成されたスライダガイド部に沿って前記第1のプーリの回転方向と直交する方向にスライド可能なスライダ部と、
前記スライダ部を付勢するバネとを、
有する構成とした。
上記構成により、バネを用いたテンション機構によりワイヤにテンションをかけてワイヤの緩みを低減し、超音波振動子の位置の誤差を低減させることができる。
【0008】
また、前記バネは、板バネであることを特徴とする。
この構成により、テンション機構を小型化することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
<第1の実施の形態>
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。本発明の第1の実施の形態の超音波探触子を図1、図2、図3に示す。まず、図1〜図3において、グリップ部1内にはモータ5が配置され、モータ5の回転シャフト10が挿入部2の先端部3まで延びるように構成されている。そして、モータ5の回転シャフト10の先端にはプーリ6が取り付けられている。挿入部2の先端部3内には超音波振動子4及びその回動軸9に連結されたプーリ7が配置されている。モータ5側のプーリ6の軸方向と、超音波振動子4側の回動軸9の軸方向とは直交している。
【0010】
挿入部2の先端部3内にはまた、プーリ6、7の間に中間プーリ11a、11bが配置されている。中間プーリ11aはスライダ部14に取り付けられ、スライダ部14(及び中間プーリ11a)は、先端部3に形成されたスライダガイド部15に沿ってプーリ6の回転方向と直交する方向にスライド可能に、かつコイルバネ13を介して先端部3に支持されている。これらのコイルバネ13、スライダ部14及びスライダガイド部15は、中間プーリ11aのテンション機構12を構成している。そして、プーリ6、中間プーリ11a、11b、プーリ7にワイヤ8が架け渡されている。したがって、テンション機構12は、コイルバネ13でスライダ部14とスライダ部14に設置された中間プーリ11aを図3の矢印の方向に引っ張ることにより、ワイヤ8にテンションをかけることができる。
【0011】
以上のように構成された超音波探触子について、図1、2、3を用いてその動作を説明する。図1において、体腔外にて操作者がグリップ部1を保持して、挿入部2を体腔内に挿入することができる。モータ5により回転シャフト10に設置されたプーリ6を回転運動させて、プーリ6の回転運動を中間プーリ11a、11bを介してワイヤ8によりプーリ7に伝達して、超音波振動子4を回動軸9の回りに揺動運動させることができる。
【0012】
したがって、ワイヤを従来例より短くすることができ、また、テンション機構12において中間プーリ11aが設置されたスライダ部14をコイルバネ13で引っ張ることによりワイヤ8にテンションをかけることで、ワイヤ8の緩みを低減させることができる。ワイヤ8の緩みが低減することにより、超音波振動子4の位置の誤差を低減させ、正確に位置決めすることができることとなる。
【0013】
なお、図示のように中間プーリ11a、11bは複数あってもよい。また、本実施の形態では2つある中間プーリ11a、11bの1つにテンション機構12が設置されている場合を示しているが、これに限定されるものではない。
【0014】
<第2の実施の形態>
本発明の第2の実施の形態の超音波探触子を図4に示す。図4におけるテンション機構12aは、コイルバネ13の代わりに板バネ16が設けられている。なお、板バネ16は、ネジなどで先端部3とスライダ部14に結合されている。
【0015】
以上のように構成された超音波探触子について、図4を用いてその動作を説明する。図4において、テンション機構12aで、中間プーリ11aが設置されたスライダ部14を板バネ16で引っ張ることでワイヤ8にテンションをかけることができる。このような本発明の第2の実施の形態によれば、スライダガイド部15の長さを短くすることができるため、テンション機構12aを小型化することができる。
【0016】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、ワイヤを従来例より短くすることができるので、ワイヤの緩みを低減させ、超音波振動子の位置の誤差を低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における超音波探触子の断面図
【図2】図1の先端部を拡大して示す断面図
【図3】図1、図2のテンション機構を拡大して示す断面図
【図4】本発明の第2の実施の形態における超音波探触子の断面図
【図5】従来例における超音波探触子の断面図
【符号の説明】
1 グリップ部
2 挿入部
3 先端部
4 超音波振動子
5 モータ
6、7 プーリ
8 ワイヤ
9 回動軸
10 回転シャフト
11a、11b 中間プーリ
12、12a テンション機構
13 コイルバネ
14 スライダ部
15 スライダガイド部
16 板バネ
Claims (3)
- 挿入部内に設けられた超音波振動子を揺動させるためにグリップ部内に設けられたモータの回転を前記超音波振動子に伝達する超音波探触子において、
先端部が前記挿入部内に延びるように前記モータの回転軸に連結された回転シャフトと、
前記回転シャフトの前記先端部に取り付けられた第1のプーリと、
前記第1のプーリの回転軸と直交する前記超音波振動子の揺動軸に取り付けられた第2のプーリと、
前記第1、第2のプーリの間に設けられた中間プーリと、
前記第1、第2のプーリ及び前記中間プーリに架け渡されたワイヤと、
前記中間プーリを付勢して前記ワイヤにテンションを印加するテンション機構とを、
備えたことを特徴とする超音波探触子。 - 前記テンション機構は、
前記中間プーリが取り付けられ、前記先端部に形成されたスライダガイド部に沿って前記第1のプーリの回転方向と直交する方向にスライド可能なスライダ部と、
前記スライダ部を付勢するバネとを、
有することを特徴とする請求項1に記載の超音波探触子。 - 前記バネは、板バネであることを特徴とする請求項2に記載の超音波探触子。
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