JP4252189B2 - メタン発酵処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、産業排水等の処理を行うためのメタン発酵処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、このような分野の技術として、特開平11−333492号公報がある。この公報に記載されたメタン発酵処理装置は、食品、飲料水、医薬、パルプ等を製造する際に発生する産業排水を処理するためのものである。具体的にこの装置は、有機性排水の有機物質を酸生成菌により低級脂肪酸に分解する酸生成槽と、この低級脂肪酸をさらにメタン菌によりメタンと炭酸ガスをに分解する反応槽とからなり、酸生成槽と反応槽とをパイプラインで連結している。従って、各槽を独立した状態にすることで、個別の管理や個別の処理を確実に行わせている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述した従来のメタン発酵処理装置には、次のような課題が存在している。すなわち、酸生成槽と反応槽とを独立したものとする結果、それぞれの槽に独立した付帯設備を必要とする。例えば、酸生成槽内で発生した硫化水素は、槽内の自由気液界面から揮散して、気相中の硫化水素濃度を上昇させる。そして、悪臭の発生源となったり、硫化水素濃度が飽和状態以上になると硫化水素が液相内に溶け込む事態が発生する。そこで、これを回避させるため、酸生成槽に換気装置を設けたり脱臭装置を設けたりするが、設備コスト的な不利は免れない。また、現場において、一槽毎に据え付け工事を必要とし、基礎工事などに費やす建設コストがかかる。また、二槽にすることで、設置スペースの狭い場所では、各槽自体を縦長構造にしなければならず、槽内での撹拌や混合が悪化するといった問題点があった。
【0004】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたもので、特に、設置スペースの有効活用及び設備コストの低減を図るようにしたメタン発酵処理装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るメタン発酵処理装置は、密閉された容器内に設けられ、有機性排水の有機物質を酸生成菌により低級脂肪酸に分解する酸生成室と、容器内に設けられ、低級脂肪酸をさらにメタン菌によりメタンガスと炭酸ガスとに分解する反応室と、容器内に設けられて、酸生成室と反応室とを仕切る仕切壁とを備え、酸生成室と反応室とをガス捕集空間で連通させており、反応室の水位と酸生成室と水位とを略等しくさせる水位調整手段をさらに備え、反応室の上部に設けられ当該反応室内の排水の上澄みを分離する気固液分離器と酸生成室とを、反応室における排水の液面下で連結させた連通パイプによって連通させたことを特徴とする。
【0006】
このメタン発酵処理装置は、密閉された容器内を、仕切壁によって酸生成室と反応室とに分断させることにより、現在利用されている二槽式から一槽式への転換を図ったものである。本発明のような一槽式のメタン発酵処理装置は、構造の簡素化を可能にすることは言うに及ばず、現場において、一槽毎に据え付け工事する必要がなく、基礎工事などに費やす建設コストが大幅に低減される。また、設置スペースの関係で、二槽式の小型の装置しか据え付けられないような狭い場所でも、このスペースを有効に活用しながら、大型の一槽式装置を据え付けることができる。更に、このメタン発酵処理装置では、ガス捕集空間を介して酸生成室と反応室とを連通させている。これにより、酸生成室の上部に設けたガス空間と反応室の上部に設けたガス空間とが連通し、実質的なガス空間の拡大化が達成される。すなわち、酸生成室から発生する硫化水素ガスなどや反応室から発生するメタンガスや炭酸ガスが飽和状態になり難く、これによって、一旦発生したこれらガスが、液相内に逆戻りするような事態が起こり難くなり、更には、ガス空間の拡大化により液相面からのガスの揮散効率を高めることもできる。また、酸生成室から発生するガスと反応室から発生するガスを混合状態で一度に排出させることができるので、装置外のボイラーや脱硫装置等でこれらガスを効率良く処理させることができ、別途、硫化水素による悪臭発生を防止する設備が不要となる。
【0007】
また、本発明のメタン発行処理装置は、反応室の水位と酸生成室と水位とを略等しくさせる水位調整手段をさらに備える。従って、酸生成室側から仕切壁に加わる水圧と反応室側から仕切壁に加わる水圧とが等しくなるような水位調整が行われる結果、仕切壁をコンクリートや他の特殊な耐圧構造にする必要がなく、比較的薄い鉄板やFRP等の素材で形成することができ、低コスト化や装置の軽量化、ひいては容器内のレイアウトの自由度を向上させることができる。
【0008】
また、本発明のメタン発行処理装置では、反応室の上部に設けられ当該反応室内の排水の上澄みを分離する気固液分離器と酸生成室とを、反応室における排水の液面下で連結させた連通パイプによって連通させている。このような構成は、水位調整手段の一例として、気固液分離器の有効活用を図ったものである。
【0011】
また、仕切壁の下部には、容器の壁面に向けて傾斜させたテーパ部が設けられると好適である。これによって、反応室内に設けられたグラニュール汚泥床から巻き上げられたグラニュール汚泥の落下の促進化を図ることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面と共に本発明によるメタン発酵処理装置の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0015】
[第1の実施形態]
図1は、本発明に係るメタン発酵処理装置の第1の実施形態を示す概略図である。同図に示すメタン発酵処理装置1は、密封されて気密性が保たれた容器10を有している。この容器10の内部は、酸発酵反応を行う酸生成菌を液相内に浮遊状態で保持させる酸生成室2と、メタン菌を顆粒状のグラニュール汚泥に保持させて、液相下部でグラニュール汚泥床3として保有した反応室4とに、仕切壁15を介して二分割されている。
【0016】
これは、現在一般的に利用されている二槽式から一槽式へ転換を図った技術である。これにより、構造の簡素化を可能にすることは言うに及ばず、現場において、一槽毎に据え付け工事する必要がなく、基礎工事などに費やす建設コストが大幅に低減される。また、設置スペースの関係で、二槽式の小型の装置しか据え付けられない狭い場所でも、スペースを有効に活用しながら、大型の一槽式装置を据え付けることができる。
【0017】
このとき、仕切壁15の上端部において、酸生成室2と反応室4とを連通させて、ガス捕集空間Sを形成させている。このガス捕集空間Sは、仕切壁15の上端面と容器10の蓋部10aの内壁面とを離間させることで形成している。そして、ガス捕集空間S内のガスは、容器10に接続したガス管16によって図示しないボイラまで送られて燃焼させたり、脱硫装置等によって処理される。
【0018】
このように、酸生成室2の上部に設けたガス空間と反応室4の上部に設けたガス空間とを連通させることで、実質的なガス空間の拡大化を達成させたガス捕集空間Sが容器10内で作り出されることになる。これにより、酸生成室2から発生する硫化水素ガスなどや反応室4から発生するメタンガスや炭酸ガスが飽和状態になり難く、その結果、一旦発生したこれらガスが、液相内に逆戻りするような事態が起こり難くなり、更には、ガス空間の拡大化によりガスの揮散効率を高めることもできる。また、酸生成室2から発生するガスと反応室4から発生するガスを混合させた状態で一度に排出させることができるので、装置1外のボイラーや脱硫装置等でこれらガスを効率良く処理することができる。
【0019】
また、酸生成室2内には、排水導入管5から有機性の排水が供給され、酸生成室2と反応室4とは配管6を介して接続され、この配管6の入口側は、酸生成室2の底部に接続され、配管6の出口側は、グラニュール汚泥床3の下部まで導かれている。そして、配管6の途中に循環ポンプ7が設けられることで、酸生成室2から排出される処理水を反応室4内に、一定流速をもって強制的に送り込むことができる。
【0020】
更に、反応室4の上部には、気固液分離器8が容器10に固定されるように設けられている。この気固液分離器8は、配管6を介して圧送された処理水や発生するメタンガスによって巻き上げられたグラニュール汚泥が、処理水導出管9から出ないようにするためのものである。そして、この気固液分離器8の上部に設けた溢流トラフ11に処理水導出管9を接続させることで、沈殿室8aの上澄みの液体を処理水導出管9に流し出すことができる。
【0021】
このような装置構成を採用した場合、工場等から排出させた有機性排水が、排水導入管5を介して酸生成室2内に送り込まれると、酸生成室2内で、排水の有機物質は、酸生成菌によって低級脂肪酸に分解される。その後、低級脂肪酸は、配管6によって反応室4内に送り込まれ、メタン菌を保有させたグラニュール汚泥によって、主として、メタンガスと炭酸ガスとを発生させる。そして、沈殿室8a内の処理水のみが処理水導出管9を介して容器10の外部に送られることになる。また、仕切壁15の下部には、容器10の側壁10bに向けて傾斜させたテーパ部15aが設けられ、これによって、グラニュール汚泥床3から巻き上げられたグラニュール汚泥の落下の促進化が図られている。
【0022】
なお、ガス捕集空間Sを介し、酸生成室2と反応室4を連通させる関係上、酸生成室2内の液体が反応室4内に溢れ出ないようにする必要がある。そこで、排水導入管5によって酸生成室2内に送り込まれる流量よりも、酸生成室2から配管6を介して排出させる液体の流量が等しいか又は大きくなるように設定されている。
【0023】
ここで、メタン発酵処理装置1には、反応室4内の水位と酸生成室2内の水位とを略同じ水位にするような水位調整手段13が設けられている。これは、酸生成室2側から仕切壁15に加わる水圧と反応室4側から仕切壁15に加わる水圧とを等しくするような水位調整を行うための手段である。このような水位調整の結果、仕切壁15をコンクリートや他の特殊な耐圧構造にする必要がなく、比較的薄い鉄板やFRP等の素材で形成することができ、低コスト化、装置1の軽量化及び容器10におけるレイアウトの自由度の向上などを実現できる。更に、仕切壁15を容器10の側壁10bに固定する際の接合部分も耐圧性や高いシール性を必要とせず、低コスト化や装置1の組立て作業性をも向上させる。
【0024】
このような水位調整手段13の一例として、気固液分離器8内の沈殿室8aと酸生成室2とを連通部14を介して連結させる。具体的に連通部14は、気固液分離器8の上部において、沈殿室8aを形成する分離板8bと仕切壁15とを連通パイプを介して連結させる。このような構成によって、酸生成室2内の水位が下るに伴って、沈殿室8a内の処理水が酸生成室2内に自動的に供給され続けることになる。従って、酸生成室2内は反応室4側の処理水によって希釈されることになるため、酸生成室2内での有機酸や阻害物質などの濃度が低下し、pH調整のためのアルカリ薬剤の添加量を低減させることが可能となる。
【0025】
なお、当然のことであるが、処理前の水が連通部14を通って反応室4内に入らないようにすること、酸生成室2内の水位が沈殿室8a内の水位より上がらないようにすることが肝要である。これは、排水導入管5を介して酸生成室2内に供給されることが予定されている流量に対応するように、配管6の流量及び処理水導出管9の流量の初期設定によってなされる。
【0026】
ここで、仕切壁15は、熱伝導性を有する金属(鉄又はステンレス)又は樹脂(例えば、FRP,塩化ビニル等)で形成させると好適である。このような仕切壁15を採用することで、酸生成室2と反応室4との間の熱伝導性が向上し、高温に温度管理されている酸生成室2内の熱を仕切壁15を介して反応室4内に適切に伝え続けることができる。その結果、酸生成室2の水温管理によって、反応室4内の微生物を最適な温度環境下に置き続けることができる。なお、仕切壁15に利用されるものは、熱伝導効率が良ければ良いほど初期の目的が十分に発揮されることは言うまでもない。
【0027】
[第2の実施形態]
以下、第2の実施形態に係るメタン発酵処理装置20について説明する。なお、前述したメタン発酵処理装置1と同一又は同等な構成部分については、同一符号を付しその説明を省略する。
【0028】
図2に示すメタン発酵処理装置20の反応室4内には、ガス捕集器21が容器10の壁面に固定するように設けられている。このガス捕集器21は、下部に設けられたロート状のガス捕集部21aと、このガス捕集部21aから上方に延びるガスリフト管21bと、ガスリフト効果によってガスリフト管21b内をポンプアップした処理水から気体のみを分離させるガス分離部21cとからなり、このガス分離部21cの上端は、ガス捕集空間S内で開放されている。また、容器10内には、酸生成室2と反応室4とを連通させる流路22が形成され、酸生成室2からの自然排出を達成させている。
【0029】
ここで、装置20には、反応室4内の水位と酸生成室2内の水位とを略同じ水位にするような水位調整手段23が設けられている。このような水位調整手段23の一例として、ガス捕集器21のガスリフト管21bと酸生成室2とを連通部24を介して連結させる。具体的に連通部24は、ガスリフト管21bの上部と仕切壁15とを連通パイプを介して連結させる。このような構成により、酸生成室2内の水位が下るに伴い、ガスリフト管21b内の処理水が酸生成室2内に自動的に供給され続けることになる。従って、酸生成室2内では反応室4側の処理水によって希釈されることになるため、酸生成室2内での有機酸や阻害物質などの濃度が低下し、pH調整のためのアルカリ薬剤の添加量を低減させることが可能となる。
【0030】
[第3の実施形態]
以下、第3の実施形態に係るメタン発酵処理装置30について説明する。なお、前述したメタン発酵処理装置20と同一又は同等な構成部分については、同一符号を付しその説明を省略する。
【0031】
図3に示すメタン発酵処理装置30の反応室4内には、ガス捕集器31が容器10の壁面に固定するように設けられている。このガス捕集器31は、下部に設けられたロート状のガス捕集部31aと、このガス捕集部31aから上方に延びて容器10の蓋部10aから突出させたガスリフト管31bと、ガスリフト効果によってガスリフト管31b内をポンプアップした処理水から気体のみを分離させるガス分離部31cとからなる。
【0032】
ここで、装置30には、反応室4内の水位と酸生成室2内の水位とを略同じ水位にするような水位調整手段33が設けられている。このような水位調整手段33の一例として、ガス捕集器31のガス分離部31cと酸生成室2とを連通部34を介して連結させる。具体的に連通部34、ガス分離部31c内の堰部31dから溢れ出た処理水を酸生成室2内に戻す戻り管34によって構成させる。
【0033】
更に、戻り管34の下端は、酸生成室2の水面から離すように位置する。これによって、戻り水内に含まれている硫化水素や炭酸ガスをガス捕集空間S内に放散させることができ、メタン発酵に有害な硫化水素の除去やアルカリ添加の増加につながる炭酸ガスの除去を可能にする。
【0034】
このような構成により、酸生成室2内の水位が下るに伴って、ガス分離部31c内の処理水が酸生成室2内に自動的に供給され続けることになる。従って、酸生成室2内は反応室4側の処理水によって希釈されることになるため、酸生成室2内での有機酸や阻害物質などの濃度が低下し、pH調整のためのアルカリ薬剤の添加量を低減させることが可能となる。なお、ガス管16は、ガス分離部31cにも接続されている。
【0035】
[第4の実施形態]
以下、第4の実施形態に係るメタン発酵処理装置40について説明する。なお、前述したメタン発酵処理装置1と同一又は同等な構成部分については、同一符号を付しその説明を省略する。
【0036】
図4に示すメタン発酵処理装置40に設けられた水位調整手段45は、酸生成室2の水位を検出する水位検出手段41を有し、この水位検出手段41には、酸生成室2内の水位が一定レベル以下になったことを検知する検知部41aが設けられている。更に、水位調整手段41は、処理水導出管9と酸生成室2とを連通させる戻しパイプ42を有し、この戻しパイプ42には、水量調整弁43と圧送ポンプ44とが取り付けられている。そして、水量調整弁43は、水位検出手段41からの信号に基づいて開閉するような電磁弁からなっている。
【0037】
そこで、配管6と処理水導出管9との流量調整によって、反応室4内の水位が略一定に保たれている場合において、酸生成室2の水位が、反応室4の水位より所定量下り、検知部41aから検出信号が発せられると、水量調整弁43が開き、常時駆動している圧送ポンプ44によって、処理水が、戻しパイプ42を介して酸生成室2内に送り込まれる。そして、酸生成室2の水位が上昇し、所定のレベル(反応室4の水位と略同レベル)に達したときに、検知部41aからの信号に基づいて水量調整弁43が閉じ、これによって、酸生成室2内への処理水の供給が断たれる。このような動作は、酸生成室2の水位の上下動に伴って断続的に繰り返される。
【0038】
[実施例]
本発明者は、本発明に係るメタン発酵処理装置の効果を立証するため、モデル水槽を用いて以下のような実験を行った。なお、この場合、グラニュール汚泥は投入されていない。
【0039】
図5に示す第1のモデル水槽では、容積50リットルの反応室4と、容積1リットルの酸生成室2と、内径16mmの配管6と、流量1.8リットル/minの循環ポンプ7とを用い、酸生成室2内に排水導入管5から1.2リットル/minの水を供給して運転した。この状態で、インクを連通部14の入口側と出口側にそれぞれ滴下して、連通部14内での水の流れを観察すると、水は反応室4側から酸生成室2側に向けて流れ続けることが確認された。また、酸生成室2では水が溢れ出ることも空になることもなく、水が反応室4から酸生成室2に良好に返送され続け、反応室4の水位と酸生成室2の水位とが同じになるよう、自然に水位調整がなされることも確認した。
【0040】
図6に示す第2のモデル水槽では、容積50リットルの反応室4と、容積1リットルの酸生成室2と、下端内径100mmのガス捕集部21a及び内径16mm、長さ230mmのガスリフト管21bをもったガス捕集器21とを用いた。そして、ガス捕集部21aの下方から100ml/minのエアーを供給した。その結果、ガス捕集器21内では、ガスリフト効果によって460ml/minの流速で水がポンプアップされた。そこで、酸生成室2内に排水導入管5から300ml/minの水を供給して運転した。
【0041】
すると、酸生成室2に滴下したインクは、速やかに拡散されて均一に広がり、次第に反応室4の底部に拡散していった。また、連通部24内での水の流れを観察すると、水は反応室4側から酸生成室2側に向けてインクが流れ続けることが確認された。この場合、酸生成室2では水が溢れ出ることも空になることもなく、水が反応室4から酸生成室2に良好に返送され続け、反応室4の水位と酸生成室2の水位とが同じになるよう、自然に水位調整がなされることも確認した。
【0042】
本発明のメタン発酵処理装置は、前述した実施形態に限定されるものではなく、モデル水槽で採用したように、仕切壁15でカップ状の容器を形成し、その内部を酸生成室2としてもよい。また、仕切壁15の上端部において酸生成室2と反応室4とを連通させてガス捕集空間Sを形成する方策として、仕切壁15の上端部に1個以上の連通孔を形成するようにしてもよい。また、熱伝導性のある仕切壁15を利用する場合、酸生成室2と反応室4とをガス捕集空間Sを介して連通させない場合もある。
【0043】
【発明の効果】
本発明によるメタン発酵処理装置は、以上のように構成されているため、次のような効果を得る。すなわち、密閉された容器内に設けられ、有機性排水の有機物質を酸生成菌により低級脂肪酸に分解する酸生成室と、容器内に設けられ、低級脂肪酸をさらにメタン菌によりメタンガスと炭酸ガスとに分解する反応室と、容器内に設けられて、酸生成室と反応室とを仕切る仕切壁とを備え、酸生成室と反応室とをガス捕集空間で連通させたことにより、設置スペースの有効活用及び設備コストの低減を図ることができる。
【0044】
また、本発明によるメタン発酵処理装置は、密閉された容器内に設けられ、有機性排水の有機物質を酸生成菌により低級脂肪酸に分解する酸生成室と、容器内に設けられ、低級脂肪酸をさらにメタン菌によりメタンガスと炭酸ガスとに分解する反応室と、容器内に設けられて、酸生成室と反応室とを仕切る金属又は樹脂製の仕切壁とを備えたことにより、設置スペースの有効活用及び設備コストの低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るメタン発酵処理装置の第1の実施形態を示す概略図である。
【図2】本発明に係るメタン発酵処理装置の第2の実施形態を示す概略図である。
【図3】本発明に係るメタン発酵処理装置の第3の実施形態を示す概略図である。
【図4】本発明に係るメタン発酵処理装置の第4の実施形態を示す概略図である。
【図5】本発明に係るメタン発酵処理装置の実験を行うにあたっての第1のモデル水槽を示す概略図である。
【図6】本発明に係るメタン発酵処理装置の実験を行うにあたっての第2のモデル水槽を示す概略図である。
【符号の説明】
1,20,30,40…メタン発酵処理装置、2…酸生成室、4…反応室、8…気固液分離器、9…処理水導出管、10…容器、13,23,33,45…水位調整手段、14,24,34…連通部、15…仕切壁、15a…テーパ部、21,31…ガス捕集器、42…戻しパイプ、S…ガス捕集空間。
Claims (2)
- 密閉された容器内に設けられ、有機性排水の有機物質を酸生成菌により低級脂肪酸に分解する酸生成室と、
前記容器内に設けられ、前記低級脂肪酸をさらにメタン菌によりメタンガスと炭酸ガスとに分解する反応室と、
前記容器内に設けられて、前記酸生成室と前記反応室とを仕切る仕切壁とを備え、
前記酸生成室と前記反応室とをガス捕集空間で連通させており、
前記反応室の水位と前記酸生成室と水位とを略等しくさせる水位調整手段をさらに備え、
前記反応室の上部に設けられ当該反応室内の排水の上澄みを分離する気固液分離器と前記酸生成室とを、前記反応室における排水の液面下で連結させた連通パイプによって連通させたことを特徴とするメタン発酵処理装置。 - 前記仕切壁の下部には、前記容器の壁面に向けて傾斜させたテーパ部が設けられたことを特徴とする請求項1記載のメタン発酵処理装置。
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