JP3175480B2 - 嫌気性処理装置 - Google Patents

嫌気性処理装置

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JP3175480B2 JP13220194A JP13220194A JP3175480B2 JP 3175480 B2 JP3175480 B2 JP 3175480B2 JP 13220194 A JP13220194 A JP 13220194A JP 13220194 A JP13220194 A JP 13220194A JP 3175480 B2 JP3175480 B2 JP 3175480B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は有機性排液をUASB
(上向流スラッジブランケット)法により嫌気性処理す
るための嫌気性処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】有機性排液の嫌気性処理方法のうち、古
くから行われている嫌気性消化法の処理効率を改善する
方法として、UASB法などの高負荷嫌気性処理法が注
目されている。前記嫌気性消化法は、固形有機物および
溶解性有機物を含む有機性排液を、そのまま消化槽に投
入して嫌気性消化を行う方法である。この方法では固形
有機物を可溶化する工程で長時間を要するため、全体と
して20〜40日という長い滞留時間が必要であり、大
型の処理装置が必要になるという欠点がある。
【0003】これに対して高負荷嫌気性処理法は、消化
速度の遅い固形有機物を分離して別途処理し、消化速度
の速い溶解性有機物のみを、嫌気性処理によって高負荷
で高速処理する方法であり、小型の装置を用いて効率よ
く処理を行うことができる。このような処理方法では、
高負荷で処理を行うために、多量の嫌気性微生物を汚泥
として槽内に保持し、高流速の被処理液と接触させて嫌
気性処理を行っている。このような高負荷嫌気性処理法
の一つとしてのUASB法は、嫌気性菌の自己造粒性を
利用して、高密度で沈降性が極めて高いグラニュール汚
泥を形成し、これを嫌気性処理槽に充填して被処理液を
上向流で通液することにより、スラッジブランケットを
形成して嫌気性処理する方法であり、高流速の場合でも
固液分離性を良好にして、多量の汚泥を槽内に保持し、
槽内汚泥濃度を高く維持し、これにより高処理効率で嫌
気性処理を行うことができる。このようにUASB法は
汚泥保持濃度が高いため、高負荷での処理が可能であ
り、近年食品排水を中心に急速に普及している。
【0004】ところでUASB法の処理性能はグラニュ
ール汚泥の沈降性に大きく依存しており、汚泥の沈降性
が悪化した場合、汚泥保持量が低下して処理不可能な状
態に陥ることがある。すなわち、グラニュール汚泥の粒
径が増加すると、グラニュール内部に浸透する基質量が
少なくなるため、内部の細菌は飢餓状態に陥り、死滅お
よび自己分解する。その結果、グラニュール内部に空隙
を生じ、ここに発生したガスがたまることにより浮力が
生じて汚泥の沈降性が悪化し、場合によっては汚泥が浮
上することもある。
【0005】こうした沈降性悪化現象は、特に高負荷
時、すなわち汚泥あたりのガス発生量が大きいときに頻
繁に起こり、著しい場合には汚泥が浮上流出して、処理
に必要な汚泥量を維持できなくなることがある。同様
に、グラニュール汚泥の浮上現象は、原水に有機性SS
が比較的高濃度に含まれる場合に、SSを包含しながら
グラニュールが成長すると、トラップされたSSが長期
的に生物分解され、ここに空隙を生じ上記と同様な現象
が起こることになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記のグラニュール汚
泥の浮上は、現象的には従来の嫌気性消化法におけるス
カムの浮上に似ているが、スカムのように付着したガス
に随伴して浮上するのとは異なり、グラニュール汚泥自
体の比重が小さくなるためであり、従来のスカムブレー
カのように外部に付着したガスを除去するだけでは、沈
降性は回復しない。従って自然に汚泥の性状が回復する
のを待つしかなく、その間処理効率の低い状態が続くこ
とになる。
【0007】このように、グラニュール汚泥の沈降性悪
化防止策は、UASB法の安定処理には欠かせない重要
事項といえるが、これまで具体的な対策はほとんど検討
されていないのが現状である。このため出願人は特願平
4−337388において、浮上した汚泥を反応槽上部
にて回収し、機械的に破砕した後に反応槽に戻す方法を
提案した。この方法は浮上した汚泥を破砕することから
汚泥量の維持の面で効果は高いが、あくまでも対処療法
であり、一度に大量の汚泥が浮上した場合には対応が困
難であるという問題がある。
【0008】本発明の目的は、UASB法における上記
のような問題点を解決し、グラニュール汚泥の沈降性悪
化を防止し、沈降性が悪化した場合でも速やかに汚泥の
沈降性を回復させることができ、これにより汚泥の浮上
流出を防止するとともに、汚泥を安定して増殖させるこ
とができ、このため槽内汚泥濃度を高く維持して、高処
理効率で処理を行うことが可能な嫌気性処理装置を提供
することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、嫌気性微生物
を含むグラニュール汚泥によってスラッジブランケット
を形成し、有機性排液を上向流で通液して有機物を嫌気
的に分解する嫌気性反応槽と、前記スラッジブランケッ
トを形成するグラニュール汚泥を破砕する破砕装置とを
備えていることを特徴とする嫌気性処理装置である。
【0010】本発明で処理対象となる有機性排液は、溶
解性有機物を含む排液であり、若干の固形有機物を含ん
でいてもよい。多量の固形有機物を含む場合は、予め固
液分離により固形有機物を除去したものを処理に供す
る。
【0011】嫌気性反応槽は嫌気性微生物によって形成
されるグラニュール汚泥を内部に収容し、被処理液を上
向流で通液することによりスラッジブランケットを形成
し、嫌気性下に維持して、嫌気性反応を行うように構成
される。この嫌気性反応槽は酸生成相とメタン生成相の
両方を行うものでもよいが、酸生成相は別の酸生成槽に
おいて行い、この反応槽はメタン生成相を主として行う
ものが好ましい。
【0012】グラニュール汚泥を破砕する破砕装置とし
ては、ホモジナイザー、グラインダーポンプなど、グラ
ニュール汚泥を機械的に破砕して、空洞部の内壁を露出
させることが可能なものを使用する。この破砕装置は嫌
気性反応槽に設けて、スラッジブランケットを形成する
グラニュール汚泥を直接破砕してもよく、また反応槽外
に設けて、反応槽から取出したグラニュール汚泥を破砕
して反応槽に戻すようにしてもよい。また破砕装置は間
欠的に運転してもよく、連続的に運転してもよいが、ス
ラッジブランケットを形成する汚泥が粒径0.25〜
1.5mm、好ましくは0.5〜1mmとなるように運
転するのが好ましい。連続的に運転する場合は汚泥を少
量ずつ取出し、あるいは取出すことなく破砕するように
する。
【0013】本発明はUASB法による高負荷嫌気性処
理装置に適用されるが、UASB装置の運転温度には依
存するものではなく、処理可能な温度が20℃から45
℃の間である中温処理であっても、45℃以上に処理可
能な温度領域がある高温処理であっても適用可能であ
る。嫌気性反応槽における排液の上向流速は、0.5〜
2m/hr、好ましくは1〜1.5m/hr、滞留時間
は4〜48時間、好ましくは6〜24時間程度が適当で
ある。
【0014】
【作用】本発明の嫌気性処理装置においては、グラニュ
ール汚泥を形成した嫌気性反応槽に溶解性有機物を含む
排液を上向流で通液してスラッジブランケットを形成
し、嫌気性状態に維持して、排液中の溶解性有機物をグ
ラニュール汚泥に含まれる嫌気性微生物の作用で嫌気的
に分解し、メタンと炭酸ガスに転換する。このときスラ
ッジブランケットを形成するグラニュール汚泥を破砕装
置で破砕して、グラニュール汚泥の空洞化を防止するこ
とにより、その沈降性を維持し、沈降性の悪化による浮
上流出を防止する。
【0015】グラニュール汚泥は被処理液を通液して嫌
気性処理を行うことにより、嫌気性微生物が増殖し、そ
の自己造粒性によって自然発生的に形成される。このグ
ラニュール汚泥は嫌気性処理の続行により生長して大粒
径となるが、大粒径化するに従って沈降性が悪化し、つ
いには浮上性になる場合がある。
【0016】UASB法において浮上したグラニュール
汚泥の性状を検討した結果、沈降性を保っている汚泥と
浮上した汚泥の間には、汚泥の粒径および汚泥の内部構
造に有意の差があることがわかった。それは沈降性のあ
る汚泥よりも、浮上した汚泥は粒径が大きく、概ね1.
5mm以上であること、および浮上した汚泥の断面を観
察すると、概ね中心部に空洞化した部分が存在し、空洞
化した部分にガスが保持されて、見かけの比重が減少し
てしまっていることの2点である。これらの観察から空
洞化が起こる原因は、汚泥の粒状化が進み、汚泥の粒径
が大きくなることによって、基質が粒状化汚泥の中心部
まで透過することができず、内部の汚泥が自己消化を起
こし、発生したメタンガスおよび炭酸ガスがグラニュー
ル汚泥内に閉じこめられるためであることが推察され
る。
【0017】以上の観点から、グラニュール汚泥の沈降
性悪化現象への有効な対策として、本発明では、スラッ
ジブランケットを形成するグラニュール汚泥を適度に破
砕して、粒状化汚泥の平均粒径を減じ、同時に内部の空
洞化部を外面に露出させて、沈降性を維持し、槽内汚泥
濃度を高く維持する。すなわち本発明では、汚泥が浮上
する前にあらかじめ粒径を浮上しにくい範囲に制御する
ことにより、汚泥の沈降性悪化ないし浮上流出を防止す
るものである。すなわち嫌気性反応槽内のグラニュール
汚泥の粒径あるいは浮上性を適宜測定し、平均粒径を
0.25〜1.5mm、好ましくは0.5〜1mmにす
るように、破砕装置により汚泥を連続的または間欠的
に、反応槽内または槽外において機械的に破砕すること
により、汚泥の沈降性を維持し、浮上流出を防止する。
【0018】グラニュール汚泥の沈降性悪化の指標とし
ては、後述の浮上ポテンシャルのような浮上性を数値化
するものが好ましいが、測定の簡易性の点からは粒径が
好ましい。粒径は汚泥の種類によっては浮上性と正確に
相関しない場合があるが、一般的汚泥の長期的かつ安定
的な維持という視点から見た場合、グラニュール汚泥の
粒径と汚泥の浮上性には強い正の相関があり、一定の粒
径範囲を越えることは好ましくない。すなわち、粒径が
0.25mm未満、場合によって0.5mm未満の汚泥
は、上昇流速と発生ガスのため反応槽から流出しやす
い。一方、粒径が1.5mm、場合によっては1mmを
越えると、効果的に浮上傾向が低下せず、浮上流出する
ものが多くなる。
【0019】上記のようにしてグラニュール汚泥を破砕
することにより、汚泥の沈降性悪化が防止されて、浮上
流出が防止されるほか、破砕により生じた微細粒子が新
しい核となって汚泥が増殖するため、汚泥が安定的に増
殖し、これにより汚泥を高密度化して高負荷処理が可能
になる。
【0020】
【実施例】以下、本発明を図面の実施例により説明す
る。図1は実施例の嫌気性処理装置を示す系統図であ
る。
【0021】図1において、1はUASB法による嫌気
性反応槽であって、内部にグラニュール汚泥2によって
スラッジブランケット3が形成され、下部に被処理液流
入部4が設けられ、上部にガス固液分離板5および処理
液溢流部6が設けられている。被処理液流入部4には被
処理液供給路7が接続し、処理液溢流部6には処理液排
出路8が接続している。嫌気性反応槽1の上部はガス室
9が形成され、頂部にガス排出路10が接続している。
【0022】11は破砕装置であって、嫌気性反応槽1
のスラッジブランケット3からグラニュール汚泥2を取
出す汚泥取出路12、および破砕汚泥を嫌気性反応槽1
に返送する汚泥返送路13が接続している。14は汚泥
性状検出装置であって、グラニュール汚泥2の粒径、浮
上ポテンシャル等の浮上性の指標を検出して破砕装置1
1を制御するように構成されている。
【0023】15は酸生成槽であって、排液導入路16
から溶解性有機物を含有する排液を導入して嫌気状態に
維持し、有機酸発酵を行うように構成されている。酸生
成槽15と嫌気性反応槽1はポンプ17を有する被処理
液供給路7で接続するとともに、処理液排出路8から分
岐する返送液路18が酸生成槽15に連絡している。ま
た酸生成槽15には攪拌用のポンプ19を有する循環路
20が設けられている。
【0024】上記の嫌気性処理装置による嫌気性処理方
法は、排液導入路16から溶解性有機物を含有する排液
を酸生成槽15に導入して、返送液路18から返送され
る返送液と混合し、ポンプ19より循環路20を通して
攪拌しながら嫌気状態に維持し、酸生成菌の作用により
溶解性有機物を有機酸に転換する。原排液中に若干のS
S成分が含まれる場合はここで嫌気的に可溶化される。
【0025】酸生成槽15で有機酸発酵した排液は、ポ
ンプ17により被処理液供給路7から被処理液流入部4
を通して嫌気性反応槽1の下部に導入され、上向流でス
ラッジブランケット3を通過する際、嫌気性下にグラニ
ュール汚泥2と接触し、これよりグラニュール汚泥2に
含まれる嫌気性微生物、特にメタン生成菌の作用により
嫌気的に分解されて、メタンと炭酸ガスに転換する。嫌
気性処理を受けた反応液はガス固液分離板5においてガ
スと液体と固体が分離され、分離液は処理液として処理
液溢流部6から溢流する。分離した固体は汚泥としてス
ラッジブランケット3に沈降し、ガスはガス室9に上昇
する。
【0026】処理液は処理液路8から排出され、その一
部は返送液路18から酸生成槽15に返送される。これ
により処理液中に含まれる嫌気性微生物が酸生成槽15
に供給されて、酸生成槽15の嫌気性微生物量を維持す
るとともに、処理水に含まれるアルカリ分により酸生成
槽15におけるpH緩衝作用を行う。嫌気性反応槽1に
おいて発生するメタンガス等の生成ガスはガス室9に集
められ、ガス排出路10から排出される。
【0027】嫌気性処理の続行によりグラニュール汚泥
が生長し、沈降性が悪化すると、汚泥性状検出装置14
がこれを検出して破砕装置11を駆動し、汚泥取出路1
2からグラニュール汚泥2を取出して破砕装置11で破
砕し、汚泥返送路13から嫌気性反応槽1に返送する。
このような操作はスラッジブランケット3を形成するグ
ラニュール汚泥が沈降性を示す粒径を維持するのに必要
かつ十分な限度で、間欠的にまたは連続的に行われる。
汚泥性状検出装置14としては、粒径、浮上ポテンシャ
ルなどの浮上性の指標を検出できる装置であればよく、
場合によっては人手による分析を行ってもよい。
【0028】上記のようにグラニュール汚泥が浮上する
前に、汚泥の性状を検出してグラニュール汚泥を破砕し
て嫌気性反応槽1に返送することにより、スラッジブラ
ンケット3を形成するグラニュール汚泥2が沈降性の良
好な状態に保たれ、これにより汚泥の浮上流出が防止さ
れてスラッジブランケットを形成する汚泥量が適正に維
持され、効率の良い処理が行われる。
【0029】以下、試験結果について説明する。図2は
ビール醸造排液の嫌気性処理により生成したグラニュー
ル汚泥の代表径と浮上ポテンシャルの関係を示すグラフ
である。図2の浮上ポテンシャルは、グラニュール汚泥
を三角フラスコ内で酢酸塩2,000mg/lを含むp
H7のリン酸緩衝液中に、汚泥量に対する酢酸の負荷と
して約2gCOD/gVSSの高負荷となるように35
℃の条件で浸漬させ、24時間後の浮上汚泥、沈殿汚泥
をそれぞれ分離してVSS重量を測定し、全汚泥に対す
る浮上汚泥の割合%として表示した値である。図2にお
いて、同じ記号は同じ排液より生成した異なる粒径のグ
ラニュール汚泥であることを示している。図2の結果か
ら明らかなように、粒径の大きい汚泥は浮上傾向が強
く、特に粒径2mm以上の場合、ポテンシャルは30%
に達する。これは、負荷が増加した際に汚泥の30%が
浮上して流出することを示している。この結果粒径の大
きい汚泥は浮上性が大きいことがわかる。
【0030】図3は図2中(+)で示すグラニュール汚
泥約1 literを、家庭用ミキサーを用いて約30
00rpmの回転数で破砕処理したときの破砕時間とV
SS粒度分布の関係を示すグラフである。図3の結果か
ら明らかなように、破砕時間が短い(例えば2秒)と破
砕が不十分であり、破砕時間が長い(例えば10秒)と
微細な汚泥が多くなって流出しやすくなり、この系では
約5秒がほぼ適当と認められる。図3の「標準」は試験
用として適正な値に設定した例を示している。この結
果、グラニュール汚泥の沈降性を維持するためには、破
砕の程度、破砕時間が重要な要素になることがわかる。
【0031】実施例1、比較例1 ビール醸造排液のUASB法嫌気性処理装置から採取し
たグラニュール汚泥(平均粒径約2.2mm)を用い、
上記破砕の効果を検討した。実施例1ではこの汚泥2.
0 liter(約75gVSS)を前記家庭用ミキサ
ーで5秒間破砕して、図1に示す内径10cm、高さ1
00cm(容量9 liter)の実験用UASB嫌気
性反応槽1に充填した。比較例1では、同量のグラニュ
ール汚泥を無処理にて同一仕様のUASB嫌気性反応槽
1に充填した。一方酸生成槽15として容量2.5 l
iterの槽を用い、ポンプ19で液を循環して攪拌す
るようにした。
【0032】上記の装置において、グルコース2250
mg/l、エタノール750mg/l、酵母エキス30
mg/l、KH2PO4 26mg/l、NH4Cl 1
45mg/lの基質を排液導入路16から20〜36
liter/d(1Q)で酸生成槽15に導入して酸発
酵を行った。酸生成槽15から嫌気性反応槽1に、返送
液路18からの返送液1Qと合せて2Qの被処理液を供
給して上向流で嫌気性処理(メタン発酵)を行った。こ
のときの処理温度は30℃、酸生成槽15出口すなわち
嫌気性反応槽1入口のpHは6.0に制御した。嫌気性
反応槽1のCODcr負荷は8〜14kg/m3/dで、
破砕装置11による汚泥の破砕は行わないで、約2か月
間処理を継続した。
【0033】その結果、グラニュール汚泥を破砕して充
填した実施例1では、約2か月間継続的に安定した処理
水が得られ、CODcrの除去率は90〜95重量%であ
った。一方、汚泥を破砕しないでそのまま充填した比較
例1では、運転当初から汚泥が浮上流出し、汚泥量は徐
々に低下した。その結果、1か月後のCODcr除去率は
80重量%以下に低下し、これ以上設定の負荷で運転す
ることは難しい状況になった。約60日間のCODcr当
たりのグラニュール増殖量は、実施例1では2.1重量
%であり、一方比較例1では38重量%のグラニュール
汚泥量が減少した。
【0034】8週間後の処理水質を表1に示す。
【0035】
【表1】
【0036】以上の結果より、グラニュール汚泥を破砕
して嫌気性処理を行うことにより、汚泥の浮上流出が防
止され、安定して高負荷処理を継続でき、汚泥も安定し
て増殖することがわかる。また初期に破砕して処理を行
い、その後60日間は破砕を行わなくても安定して処理
できたことから、汚泥の破砕は間欠的に行い、あるいは
少量ずつ取出して連続的または間欠的に破砕して返送す
ることが可能であることがわかる。
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、スラッジブランケット
を形成するグラニュール汚泥を破砕して嫌気性処理を行
うようにしたので、グラニュール汚泥の沈降性の悪化を
防止し、沈降性が悪化した場合でも速やかに沈降性を回
復することができ、これにより汚泥の浮上流出を防止す
るとともに、汚泥を安定して増殖させることができ、こ
のため槽内汚泥濃度を高く維持して高処理効率で処理を
行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の嫌気性処理装置の系統図である。
【図2】実施例における結果を示すグラフである。
【図3】実施例における結果を示すグラフである。
【符号の説明】
1 嫌気性反応槽 2 グラニュール汚泥 3 スラッジブランケット 4 被処理液流入部 5 ガス固液分離板 6 処理液溢流部 7 被処理液供給路 8 処理液排出路 9 ガス室 10 ガス排出路 11 破砕装置 12 汚泥取出路 13 汚泥返送路 14 汚泥性状検出装置 15 酸生成槽 16 排液導入路 17、19 ポンプ 18 返送液路 20 循環路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−43996(JP,A) 特開 平6−182382(JP,A) 実公 平3−9836(JP,Y2) Wat.Sci.Tech.,Vo l.24,No.8,1991,224頁 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C02F 3/28 - 3/34

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 嫌気性微生物を含むグラニュール汚泥に
    よってスラッジブランケットを形成し、有機性排液を上
    向流で通液して有機物を嫌気的に分解する嫌気性反応槽
    と、 前記スラッジブランケットを形成するグラニュール汚泥
    を破砕する破砕装置とを備えていることを特徴とする嫌
    気性処理装置。
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