JPH0739895A - 有機性固形分を含む排液の処理方法および装置 - Google Patents
有機性固形分を含む排液の処理方法および装置Info
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Abstract
置を用いて、高有機物負荷で効率よく、しかも長期間安
定的に処理し、発生する汚泥量も少なくすることができ
る排液処理方法および装置を提案する。 【構成】 有機性の固形分を含む排液を第1の固液分離
装置1において固液分離して、固形分濃度10〜20重
量%の高SS排液と、溶解性有機物を含む低SS排液に
分離する。高SS排液は嫌気性消化槽2で嫌気性消化す
る。低SS排液は高負荷嫌気性処理槽3で高負荷で嫌気
性処理した後、第2の固液分離装置4において分離汚泥
と分離液とに分離し、分離汚泥を嫌気性消化槽2に添加
する。分離液および嫌気性消化液はさらに好気性処理装
置5で好気性処理する。
Description
液を嫌気性処理法により処理する方法および装置に関す
るものである。
畜糞尿のような有機性固形分を高濃度で含むスラリー状
の有機性排液の処理法として、嫌気状態で有機物をメタ
ンに分解する嫌気性処理法が知られている。このような
嫌気性処理法としては、古くから行われている嫌気性消
化法のほかに、高負荷嫌気性処理法がある。
機性固形分を含むスラリー状の排液をそのまま嫌気性消
化タンクに供給し、この消化槽内を中温メタン生成菌の
最適温度(35〜38℃)に保ち、ガス吹込または機械
により攪拌を行い、嫌気性状態で有機物の分解を行う方
法である。この方法における有機物、特に固形有機物の
分解は、有機酸生成菌の菌体外酵素による液化・低分子
化、有機酸生成菌の代謝による有機酸生成、メタン生成
菌によるメタン生成という3段階に分れているが、最終
的にメタンガスにまで分解されなければ有機物は除去さ
れないため、メタン生成のステップが最も重要な段階と
されている。
汚泥やし尿などのスラリー性の廃液に適用されることが
多いが、HRT(水の滞留時間)とSRT(汚泥の滞留
時間)が同一であるため、増殖速度の遅いメタン生成菌
の増殖を維持させるために、滞留時間として最低10〜
15日程度は必要であり、実用上は20〜30日程度で
の運転が行われている。
い有機性排液を処理できるが、固形分濃度が高くなる
と、攪拌が困難になるため、通常は固形分濃度が3〜5
重量%が限度とされ、し尿、下水処理汚泥、食品工場排
液等のスラリー状の排液をそのまま処理することが行わ
れている。また従来の処理法では、負荷が同じであれば
有機物の除去率も同じであるとされており、あまり高濃
度にしても除去率は改善されないので、運転が容易な固
形分濃度での処理が行われている。
濃度にかかわらず20〜30日の長い滞留時間を必要と
するため、大型の消化槽を必要とし、処理効率が悪い。
また有機物負荷も1〜2kgCODcr/m3/day程
度の低負荷で行われている。
を上げるために開発された前記高負荷嫌気性処理法は、
分解速度の小さい固形有機物を予め分離除去し、分解速
度の大きい溶解性有機物を含む分離液のみを、菌体の自
己固定化を利用したUASB(上向流嫌気性スラッジブ
ランケット)法、固定床法、流動床法などの高負荷処理
法により嫌気性処理する方法である。
に関係なくメタン生成菌濃度を保持できるため、短い滞
留時間で処理可能であるが、排液中に有機性固形物が多
く含まれていると、例えば10g/l以上含まれている
とスカムの発生、濾床の閉塞、処理水の悪化、グラニュ
ール汚泥の浮上、汚泥の活性低下など様々な機能障害を
引き起こす。このため固形分濃度が高い排液を処理する
場合は、予め固形分を除去する必要があり、これにより
発生する大量の汚泥の処理が困難である。
槽内でのSS(懸濁固形分)の滞留時間をできるだけ長
くとってSSの可溶化を促進し、液化させた有機物を膜
分離や遠心分離等により分離して、後段のUASBや固
定床で分解する方法も提案されているが、酸発酵だけが
進行する条件下でのSSの可溶化率は低くて固形分はあ
まり減少せず、メタン発酵が進行する条件下で固形物を
可溶化させると滞留時間が長くなる。
性消化法では、消化槽における滞留時間が長くて、大型
の装置を必要とし、また高負荷嫌気性処理法では、処理
困難な大量の固形物を含む汚泥が発生するという問題点
がある。
の問題点を解決するため、小型の処理装置を用いて、固
形分濃度の高い有機性排液を高有機物負荷で効率よく、
しかも長期間安定して高有機物除去率で処理することが
できる嫌気性処理方法および装置を提案することであ
る。
分を含む排液の処理方法および装置である。 (1)有機性の固形分を含む排液を固液分離して、固形
分濃度が10〜20重量%の高SS排液と、溶解性有機
物を含む低SS排液とに分離する固液分離工程、この固
液分離工程で分離された高SS排液を嫌気性消化する嫌
気性消化工程、前記固液分離工程で分離された低SS排
液を高負荷で嫌気性処理する高負荷嫌気性処理工程、お
よび高負荷嫌気性処理工程で生じる汚泥を、前記嫌気性
消化工程に送給する汚泥送給工程を有することを特徴と
する有機性固形分を含む排液の処理方法。 (2)汚泥送給工程は嫌気性消化工程における汚泥濃度
が20000〜50000mg/lを維持するように汚
泥を送給するようにされていることを特徴とする上記
(1)記載の方法。 (3)有機性の固形分を含む排液を固液分離して、固形
分濃度が10〜20重量%の高SS排液と、溶解性有機
物を含む低SS排液とに分離する固液分離装置、この固
液分離装置で分離された高SS排液を嫌気性消化する嫌
気性消化槽、前記固液分離装置で分離された低SS排液
を高負荷嫌気性処理する高負荷嫌気性処理槽、および高
負荷嫌気性処理槽で生じる汚泥をそのまままたは固液分
離後前記嫌気性消化槽に送給する汚泥送給手段を有する
ことを特徴とする有機性固形分を含む排液の処理装置。
理法として発達した技術であり、これがし尿、食品排液
のような他の有機性固形分を含む排液の処理にも適用さ
れるようになったものである。下水処理汚泥は土砂のよ
うな無機質粒子を含んでおり、嫌気性消化槽で攪拌を行
うために、固形分濃度を3〜5重量%とする必要があっ
た。
として有機性の固形分を含み、無機性の固形分をほとん
ど含まない排液の場合は、固形分濃度を10〜20重量
%としても、容易に攪拌して嫌気性消化を行うことがで
き、しかも従来の定説とは異なり、負荷が高くなるほど
有機物の除去率が高くなることがわかった。
機性の固形分を含み、無機性の固形分をほとんど含まな
い排液である。無機性固形分は両固形分の合計の20重
量%以下、好ましくは10重量%以下のものが望まし
い。このような排液としては、し尿、食品系産業排液、
家畜糞尿などのほか、他の産業排液、水処理汚泥なども
含まれる。下水処理汚泥でも無機性の固形分を含まない
もの、例えば最初沈殿池汚泥を含まない最終沈殿池汚泥
などは本発明の処理対象となる。
固形分を含む排液を固液分離により、固形分濃度を10
〜20重量%、好ましくは10〜15重量%の高SS排
液と、溶解性有機物を含む低SS排液とに分離し、高S
S排液を嫌気性消化する。高SS排液の固形分濃度が1
0重量%未満では、処理効率が低く、また20重量%よ
り高いと攪拌が困難になるほか、デッドスペースが生じ
るので好ましくない。
化すると、排液中に阻害性物質がある場合など、排液の
種類、組成などによっては、メタン生成菌が流出し、嫌
気性消化が行えなくなる場合がある。そこで本発明で
は、前記低SS排液の高負荷嫌気性処理で生じる汚泥を
嫌気性消化槽に送給し、嫌気性消化槽の嫌気性微生物濃
度を高めた状態で嫌気性消化する。この場合、高負荷嫌
気性処理液を引抜き、この引抜汚泥をそのまま送給汚泥
として添加してもよく、高負荷嫌気性処理液を分離液と
分離汚泥とに固液分離し、分離汚泥を送給汚泥として添
加してもよく、また両者を添加してもよい。
泥濃度がSS濃度として20000〜50000mg/
l、好ましくは30000〜40000mg/lとなる
ように添加するのが望ましい。汚泥濃度が20000m
g/l未満の場合には菌体の送給効果が得られず、高い
負荷での処理が困難となり、逆に汚泥濃度が50000
mg/lを超える場合は嫌気性消化槽内の攪拌を十分に
行うことが難しくなる。実際、汚泥濃度が50000m
g/lを超えると、嫌気性消化槽内の攪拌が極端に難し
くなり、結果として処理効率が低下する。
条件で行う。すなわち、高SS排液を30〜65℃、好
ましくは中温消化では35〜38℃、高温消化では50
〜60℃で嫌気性下に維持し、連続的または間欠的に攪
拌を行い、滞留時間10〜60日、好ましくは20〜3
0日で嫌気性消化を行う。CODcr負荷としては3〜2
0kgCODcr/m3/day、好ましくは5〜10k
gCODcr/m3/dayとするのが適当である。
SB法、固定床法、流動床法などの高負荷嫌気性処理法
により高負荷で嫌気性処理する。処理条件としては、温
度25〜40℃、好ましくは30〜38℃、滞留時間2
〜48時間、好ましくは4〜24時間、CODcr負荷4
〜20kgCODcr/m3/day、好ましくは5〜1
0kgCODcr/m3/dayとするのが望ましい。こ
のような高負荷嫌気性工程で生じた汚泥は、前記のよう
にそのまままたは固液分離し、送給汚泥として嫌気性消
化工程に送給して添加する。
の分離液はさらに活性汚泥処理法等の好気性処理を行
い、残留する有機物を分解してもよい。また高SS排液
の嫌気性消化液もこの好気性処理により処理してもよ
い。
よる処理方法は、まず固液分離装置において、有機性の
固形分を含む原排液を固液分離して、固形分濃度10〜
20重量%の高SS排液と、有機性固形分をほとんど含
まず、溶解性有機物を多量に含む低SS排液とに分離す
る(固液分離工程)。
いて嫌気性消化し、有機性固形物を可溶化および分解す
る(嫌気性消化工程)。また分離された低SS排液は高
負荷嫌気性処理槽において高負荷嫌気性処理を行い、主
として溶解性有機物を分解する(高負荷嫌気性処理工
程)。高負荷嫌気性処理槽で生じる汚泥はそのまままた
は固液分離後、汚泥送給手段により嫌気性消化槽に送給
する(汚泥送給工程)。
性消化と同様に、有機酸生成菌の菌外酵素による液化・
低分子化、酸生成菌の代謝による有機酸生成、メタン生
成菌によるメタン生成の3段階にわたって有機物が分解
される。この場合、嫌気性微生物、特に増殖の遅いメタ
ン生成菌が高濃度で維持されているので、阻害性がある
ような排液の場合でも高有機物負荷で、効率のよい処理
が行われる。消化槽を複数に分割して、各段階の処理を
分離してもよいが、メタン生成反応が液化反応を促進す
る現象も見られるので、固形分の液化のためには各段階
を分離しない方がよい。
処理を行うことにより、溶解性有機物を効率よく分解す
ることができる。そしてこの時増殖した嫌気性微生物を
送給汚泥として嫌気性消化槽に送給することにより、嫌
気性消化槽内の嫌気性微生物、特に増殖の遅いメタン生
成菌を高濃度に維持する。
る。図1は実施例の処理装置を示す流れ図であり、高負
荷嫌気性処理液の分離汚泥を嫌気性消化槽に添加する例
を示している。図において、1は第1の固液分離装置、
2は嫌気性消化槽、3は高負荷嫌気性処理槽、4は第2
の固液分離装置、5は好気性処理装置、6はガス貯槽で
ある。
給される排液を固液分離して、固形分濃度10〜20重
量%の高SS排液と、溶解性有機物を含む低SS排液に
分離する構成となっている。第1の固液分離装置1とし
ては遠心分離機、沈殿槽、デカンタ、凝集分離装置など
の濃縮機構を有するものが使用できるが、凝集剤を使用
しない遠心分離機、沈殿槽、デカンタが好ましい。
を導入して嫌気性消化を行い、有機性固形分を液化、酸
生成およびメタン生成の段階を経て分解するように構成
されている。高負荷嫌気性処理槽3は、流路9から低S
S排液を導入して高負荷嫌気性処理を行い、溶解性有機
物を分解するように構成されている。高負荷嫌気性処理
槽3としては、UASB法、固定床法または流動床法な
ど公知の方式のものを使用することができる。
負荷嫌気性処理液を導入して、分離汚泥と分離液とに分
離する構成となっている。第2の固液分離装置4として
は、第1の固液分離装置1と同様の装置が使用できる。
分離汚泥は汚泥路11から分岐した汚泥送給路12から
嫌気性消化槽2に送給できるように連絡している。
消化液および流路14から分離液を導入し、好気性生物
処理を行うように構成されている。好気性処理装置5と
しては、活性汚泥法およびその変法によるものが一般的
である。ガス貯槽6は嫌気性消化槽2および高負荷嫌気
性処理槽3で発生するメタン等のガスを流路15、16
から導入して貯留するようになっている。17、18は
汚泥排出路、19は処理液排出路である。
まず有機性固形分を含む排液を排液管7から第1の固液
分離装置1に導入して固液分離を行い、固形分濃度10
〜20重量%の高SS排液と、有機性固形物をほとんど
含まず、溶解性有機物を含む低SS排液とに分離する。
導入し、第2の固液分離装置4で分離された分離汚泥を
送給汚泥として送給し、汚泥濃度が前記範囲に維持され
ている状態で嫌気性下に保ち、ガス吹込または機械によ
り攪拌し、前記条件で嫌気性消化を行う。これにより有
機性固形分は液化、有機酸生成、メタン生成の段階を経
て分解される。ここでは固形分の75〜80%が分解し
てガス化する。生成するメタン等のガスは流路15から
ガス貯槽6に貯留される。また嫌気性消化液は流路13
から好気性処理装置5へ送られる。嫌気性消化槽2への
排液の導入および嫌気性消化液の排出は通常1日に1〜
2回の頻度で行われるが、これに限らない。
槽3に導入して高負荷嫌気性処理を行う。ここでは菌体
の自己固定化現象を利用してメタン生成菌を高濃度に保
持したスラッジブランケット、固定床または流動床に排
液を接触させることにより、短い滞留時間で溶解性有機
物を効率よく分解する。ここでも酸生成およびメタン生
成段階を経てガス化し、生成ガスは流路16からガス貯
槽6に貯留される。高負荷嫌気性処理槽3における温度
は25〜40℃、好ましくは30〜38℃、滞留時間は
4〜48時間、CODcrの負荷としては4〜20kgC
ODcr/m3/dayとするのが適当である。高負荷嫌
気性処理液は流路10から第2の固液分離装置4に送ら
れる。高負荷嫌気性処理槽3への低SS排液の導入およ
び嫌気性処理液の排出は通常連続的に行われるが、これ
に限らない。
導入した高負荷嫌気性処理液を分離汚泥と分離液とに分
離する。分離汚泥は嫌気性消化槽2内のSS濃度が前記
濃度となるように、汚泥路11から分岐した汚泥送給路
12を介して嫌気性消化槽2に送給して添加する。分離
汚泥の余剰分は余剰汚泥として汚泥排出路17から排出
する。汚泥の添加は連続的にまたは間欠的に行うことが
できる。
する嫌気性消化液および流路14から導入する分離液を
好気性下に生物処理し、残留する固形分および溶解性有
機物を分解する。ここでは標準活性汚泥法のように汚泥
を返送する方式と、汚泥を固定して保持する方式など、
任意の処理方式を採用する。好気性処理装置5の滞留時
間は4〜48時間、好ましくは6〜24時間が適当であ
る。好気性処理装置5の処理液は処理液排出路19から
排出され、余剰汚泥は汚泥排出路18から排出される。
ガス貯槽6内のガスは流路20から取出され、燃料等に
利用される。
性の固形分を高濃縮して嫌気性消化を行うため、小容量
の高SS排液を、高固形分濃度で効率よく嫌気性消化す
ることができる。そして固液分離で生成する大容量の低
SS排液は高負荷嫌気性処理により短い滞留時間で効率
よく処理することができ、全体として小型の処理装置に
より、固形分濃度の高い有機性排液を効率よく、しかも
高除去率で処理を行うことができ、発生する汚泥量も少
ない。
汚泥を嫌気性消化槽2に送給しているので、嫌気性消化
槽2内の嫌気性微生物、特に増殖速度の遅いメタン生成
菌の濃度を高濃度に維持でき、これにより阻害性のある
排液の場合でも高有機物負荷で効率よく、しかも長期間
安定して処理することができる。
理装置がコンパクトになり、槽内を攪拌するための動力
も小さくなり、菌体のSRTが長くなるため、増殖の遅
いメタン菌でも十分増殖が可能な環境をつくることがで
きる。このため安定性が従来法よりも数段大きくなり、
嫌気性消化槽のHRTを短縮することができ、一定の処
理負荷容量に対する消化槽容積を縮小することができ
る。そして嫌気性消化槽による有機物除去率を上げるこ
とができ、嫌気性消化槽に対する負荷の上昇に対して、
消化槽内のメタン生成菌の自然増殖を待つことなく、速
やかに対応できる。
れ図であり、高負荷嫌気性処理槽3内の余剰汚泥を嫌気
性消化槽2に添加する例を示している。図2の処理装置
では、高負荷嫌気性処理槽3内の引抜汚泥が直接汚泥送
給路21から嫌気性消化槽2に送給されるように構成さ
れ、第2の固液分離装置4は省略されている。他の構成
は図1の場合と同様である。
荷嫌気性処理槽3内の槽内液を引抜き、引抜汚泥を送給
汚泥として汚泥送給路21から嫌気性消化槽2に送給し
て添加する。他の操作は図1の場合と同様である。
の場合と同様に嫌気性消化槽2内の嫌気性微生物濃度を
高濃度に維持することができるので、図1の場合と同様
の効果が得られる。
おいて、比較的低固形分濃度の排液を処理する場合に
は、複数の第1の固液分離装置1を用いて、固液分離を
複数回に分けて行うこともでき、これにより効率よく有
機性固形分の濃縮を行うことができる。また下水道に放
流する場合のように、高処理水質が要求されない場合に
は、好気性処理装置5を省略することができる。
%は重量%である。 試験例1 マッシュポテトを基質とし、3連の2 literジャーファ
ーメンターを用いて嫌気性消化を行った。すなわち乾燥
マッシュポテトに水を加え、TS(全固形分)濃度とし
て5、10、15%および20%の基質を準備して、ジ
ャーファーメンター(ワーキング容量は1 liter、温度
37℃)に1日1回の割合で基質の供給と、消化液の排
出を行った。TS負荷は各槽同一として、3.3kgT
S/m3/dayに設定した。従って、滞留時間は、1
5日(5%)、33日(10%)、45日(15%)、
66日(20%)である。約2か月後の定常状態に達し
た時の処理性能を表1に示す。
が高いほうがTSの除去率およびCODcrの除去率も高
くなるという傾向にあり、負荷が同じであれば除去率も
同一という従来の定説を越える結果となっている。従っ
て、TS濃度として10〜20%に濃縮して嫌気性消化
することが従来法よりも有利であることがわかる。
消化槽に送給する方法で排液を処理した。ポテトチップ
ス製造排液を遠心分離機でTS濃度15%の高SS排液
と、TS濃度0.05%の低SS排液に分離した。低S
S排液は直径5cm、高さ50cm、容量1 literのU
ASB型嫌気性処理装置で処理し、高SS排液は容量1
literの嫌気性消化槽(ジャーファーメンター)で、3
5℃において、UASB槽からの引抜汚泥を間欠的に送
給して嫌気性消化した。高SS排液/低SS排液の容量
比は1/70であった。排液の処理量と性状を次にまと
める。
9日) TS :150,000mg/l T-CODcr :150,000mg/l S-CODcr : 13,000mg/l 低SS排液 処理量 : 2.5 l/d TS : 500mg/l T-CODcr : 2,000mg/l
日間行った。高SS排液は1日1回の割合で嫌気性消化
槽に供給し、1日1回の割合で消化液を引抜いた。嫌気
性消化槽のCODcr容積負荷量は5.3gCODcr/l
/day、UASB槽では5.0gCODcr/l/da
yとした。UASB槽からは、CODcr負荷量の約1%
にあたる、平均0.05gVSS/dayの余剰汚泥が
発生し、これを約2か月に1回の間隔で引抜いて嫌気性
消化槽に供給した(図3参照)。一回あたりの汚泥送給
量は平均3gVSS/回であった。嫌気性消化槽内の平
均汚泥濃度は30,000mg/lであった。
通りである。またメタンガス発生の経過を図3に示す。 嫌気性消化液 T-CODcr :32,000mg/l TS :30,000mg/l UASB処理液 T-CODcr : 368mg/l TS : 133mg/l
高SS排液を、UASB槽からの汚泥送給を行わずに、
その他の条件は同様にして嫌気性消化を行った。メタン
ガス発生の経過を図4に示す。
て安定してメタンガスを発生させることができることが
わかる。これに対して、汚泥を送給しない場合は、図4
に示されているように処理開始後約60日(2HRT)
以内にメタンガスの発生が停止し、処理が不可能になっ
た。対照例が長期間安定して処理できなかった理由は、
有機物負荷が過負荷となり、固形分の液化速度がメタン
生成菌によるメタン生成速度を上回り、槽内の有機酸濃
度が上昇し、それが槽内pHの低下を招いてメタン生成
菌の活動を妨げて、さらに有機酸の蓄積が進み、急速に
処理が悪化したものと推定される。
む排液を固液分離し、固形分濃度の高い高SS排液を嫌
気性消化し、低SS排液を高負荷嫌気性処理し、高負荷
嫌気性処理で生成する汚泥を嫌気性消化工程に送給する
ようにしたので、嫌気性消化工程における嫌気性微生
物、特に増殖速度の遅いメタン生成菌が高濃度で安定的
に維持され、固形分濃度の高い有機性排液でも高有機物
負荷で効率よく、しかも長期間安定して高有機物除去率
で処理することができる。従って、装置の小型化が可能
であり、発生する汚泥量も少なくなる。
含む排液を高濃縮した高SS排液を嫌気性消化し、低S
S排液を高負荷嫌気性処理し、高負荷嫌気性処理により
生成する汚泥を嫌気性消化槽に送給するように構成され
ているので、小型の装置において、固形分濃度の高い有
機性排液でも高有機物負荷で効率よく、しかも長期間安
定して高有機物除去率で処理でき、発生汚泥量も少なく
なる。
る。
Claims (3)
- 【請求項1】 有機性の固形分を含む排液を固液分離し
て、固形分濃度が10〜20重量%の高SS排液と、溶
解性有機物を含む低SS排液とに分離する固液分離工
程、 この固液分離工程で分離された高SS排液を嫌気性消化
する嫌気性消化工程、 前記固液分離工程で分離された低SS排液を高負荷で嫌
気性処理する高負荷嫌気性処理工程、および高負荷嫌気
性処理工程で生じる汚泥を、前記嫌気性消化工程に送給
する汚泥送給工程を有することを特徴とする有機性固形
分を含む排液の処理方法。 - 【請求項2】 汚泥送給工程は嫌気性消化工程における
汚泥濃度が20000〜50000mg/lを維持する
ように汚泥を送給するようにされていることを特徴とす
る請求項1記載の方法。 - 【請求項3】 有機性の固形分を含む排液を固液分離し
て、固形分濃度が10〜20重量%の高SS排液と、溶
解性有機物を含む低SS排液とに分離する固液分離装
置、 この固液分離装置で分離された高SS排液を嫌気性消化
する嫌気性消化槽、 前記固液分離装置で分離された低SS排液を高負荷嫌気
性処理する高負荷嫌気性処理槽、および高負荷嫌気性処
理槽で生じる汚泥をそのまままたは固液分離後前記嫌気
性消化槽に送給する汚泥送給手段を有することを特徴と
する有機性固形分を含む排液の処理装置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP18533593A JP3351034B2 (ja) | 1993-07-27 | 1993-07-27 | 有機性固形分を含む排液の処理方法および装置 |
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---|---|---|---|
JP18533593A Expired - Lifetime JP3351034B2 (ja) | 1993-07-27 | 1993-07-27 | 有機性固形分を含む排液の処理方法および装置 |
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