JP4251260B2 - トロイダル型無段変速機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車用の変速機などに用いて好適なトロイダル型無段変速機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の自動車用変速機としては、図5から図7に示すようなトロイダル型無段変速機が知られている。
このトロイダル型無段変速機は、いわゆるダブルキャビティ型の高トルク用トロイダル型無段変速機であり、入力軸1の外周部に、入力側ディスク2,2と出力側ディスク3,3とが設けられている。入力軸1の中間部周囲には出力歯車4が回転自在に支持され、この出力歯車4の中心部に設けられた円筒状の両端部4a,4aには、出力側ディスク3,3がスプライン部係合されている。出力側ディスク3,3は、入力軸1との間に介在されたニードル軸受5,5によって、入力軸1の軸線Oを中心として回転自在に支持されている。また、入力側ディスク2,2は、入力軸1と共に回転するように、その入力軸1の両端部にボールスプライン部6,6を介して支持されている。図5中左方の入力側ディスク2とカム板7との間に備えられた皿板ばね8と、図5中右側の入力側ディスク2とローディングナット9との間に備えられた皿ばね10は、各ディスク2,2,3,3の凹面2a,2a,3a,3aとパワーローラ11,11(図6参照)の周面11a,11aとの当接部に予圧を付与する。また、図5中左方の入力側ディスク2とカム板7との間には、ローディングカム式の押圧装置12が備えられている。出力歯車4は、2つの部材の結合によって構成された仕切壁13を介してハウジング14内に支持されており、軸線Oを中心に回転自在とされ、かつ軸線O方向の変位が阻止されている。
【0003】
このような構成の無段変速機は、入力軸1に回転力が入力されることにより、その回転と共に入力側ディスク2,2が同時に回転し、その回転がパワーローラ11,11によって出力側ディスク3,3に同時にかつ同一の変速比で伝達される。その出力側ディスク3,3の回転は、出力歯車4から伝達歯車15および伝達軸16などを介して出力軸17に伝達される。
このような無段変速機においては、出力側ディスク3を回転自在に支持するニードル軸受5が軸線O方向にずれて定位置から外れることを阻止するために、それを抜け止めする必要がある。
【0004】
従来、このようなニードル軸受5の抜け止め構造としては、例えば、特開平9−42400号公報および実開平6−14604号公報に記載されたものがある。
前者の特開平9−42400号公報に記載されている抜け止め構造は、図5から図7のように、出力側ディスク3の内周面に環状の係止凹溝3bを形成し、その係止凹溝3b内にはめ付けた止め輪18によって、ニードル軸受5を抜け止めする構成となっている。一方、後者の実開平6−14604号公報に記載されている抜け止め構造は、出力側ディスク3の内周面にカラーを内嵌固定し、そのカラーによってニードル軸受5を抜け止めする構成となっている。
また、これらの特開平9−42400号公報および実開平6−14604号公報には、ボールスプライン部6に潤滑油を供給するために、図5および図7のように、ボールスプライン部6を構成する入力軸1の部分に、油穴1aを設ける構成が記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特開平9−42400号公報に記載されているように、出力側ディスク3の内周面に、止め輪18をはめ付けるための環状の係止凹溝3bを形成した場合には、図6のように、変速比を大きくすべくパワーローラ11が変位したときに、その係止凹溝3bに対して矢印F方向の応力が集中する。そのため、高トルクを伝達するときに、出力側ディスク3の耐久不足が生じるおそれがある。また、実開平6−14604号公報に記載されているように、出力側ディスク3の内周面にカラーを内嵌固定した場合には、高トルクの伝達時に、そのカラーに出力側ディスク3の変形力が伝わって、そのカラーの耐久不足を生じるおそれがある。
また、ボールスプライン部6に潤滑油を供給するために、ボールスプライン部6を構成する入力軸1の部分に油穴1aを設ける場合には、ボールスプライン部6におけるスプライン溝と同数の油穴1aを設けることが必要となり、またボールスプライン部6と位相を合せた位置に油穴1aを設けなければならず、油穴1aの加工コストが高かった。
【0006】
本発明は、出力側ディスクなどの耐力低下を招くことなく、出力側ディスク用のニードル軸受を抜け止めすることができ、さらに、入力側ディスク用のボールスプライン部に潤滑油を供給するための油路を簡易に形成して、コストダウンを図ることができるトロイダル型無段変速機を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に記載のトロイダル型無段変速機は、入力軸と、当該入力軸の外周部に設けられた入力側ディスクおよび出力側ディスクと、前記入力軸と前記入力側ディスクの間に設けたボールスプライン部と、前記入力軸と前記出力側ディスクとの間に設けたニードル軸受と、を備えたトロイダル型無段変速機において、
前記入力軸に、当該ニードル軸受が軸線方向に抜け出ることを防止するためのカラーを設け、
当該カラーは、前記入力側ディスクと前記出力側ディスクの間に位置する前記入力軸の外周面にはめ合わされ、
前記入力軸の外周面の前記入力側ディスクと前記出力側ディスクとの間の位置に、前記カラーの内周面との間に空間を形成する段差部を設け、
前記入力軸の外周面の前記段差部に油穴を設け、
前記カラーの内周面と前記入力軸の前記段差部の外周面との間には、前記油穴から前記空間を通して前記ボールスプライン部の各スプラインに潤滑油を供給するための共通の油路を形成したことを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図1から図4に基づいて説明する。これらの図において、前述した図5から図7と同様の部分には、同一符号を付して説明を省略する。
【0009】
図1は、本発明の第1の実施形態を説明するための要部の断面図である。
本例のトロイダル型無段変速機は、入力軸1の外周面に環状の係止凹溝1bを設け、その係止凹溝1b内に、ニードル軸受5を抜け止めするための抜け止め部材として、止め輪21をはめ付けた構成となっている。このように、入力軸1側に係止凹溝1bを設けるため、応力が集中するような係止凹溝を出力側ディスク3側に設ける必要がなく、結果的に、出力側ディスク3の耐力が向上することになる。
【0010】
図2および図3は、本発明の第2の実施形態の説明図である。
本例のトロイダル型無段変速機は、入力軸1の外周面に、ニードル軸受5を抜け止めするための抜け止め部材として、セパレートタイプのカラー22をはめ付けた構成となっている。そのカラー22は、例えば、図3のように2つの部位22a,22bをボルトなどによって結合した構成となっている。このカラー22をはめ付ける際には、分離させた部位22a,22bを入力軸1の外周面に沿わせてから、それらの部位22a,22bをボルトなどによって結合すればよい。このように、入力軸1側にカラー22を取り付けるため、応力が集中するような係止凹溝を出力側ディスク3側に設ける必要がなく、結果的に、出力側ディスク3の耐力が向上することになる。
【0011】
図4は、本発明の第3の実施形態を説明するための要部の断面図である。
本例のトロイダル型無段変速機は、入力軸1の外周面に、入力側ディスク2と出力側ディスク3との間に位置する入力軸1の外周面に、ニードル軸受5を抜け止めするための抜け止め部材としてのカラー23をはめ合わせる構成となっている。カラー23とニードル軸受5との対向面間、およびカラー23と入力側ディスク2との対向面間には隙間G1,G2が形成されている。つまり、トルクが掛かったときの皿ばね、ディスク、およびトラニオンなどの変形分を考慮して、カラー23の軸線O方向の長さが設定されている。また、カラー23は、ボールスプライン部6におけるボールの抜け止め機能をも兼有する。
また、ディスク2,3の間に位置する入力軸1の外周面の段差部1cと、カラー23の内面との間に形成される空間を利用して、ボールスプライン部6に潤滑油を供給する。すなわち、入力軸1の段差部1cに油穴1dを設け、その油穴1dから、段差部1cとカラー23の内面との間に形成される空間を通して、ボールスプライン部6の各スプライン溝内に潤滑油を供給するための共通の油路を形成する。
【0012】
このように、本例においても入力軸1側にカラー23を取り付けるため、応力が集中するような係止凹溝を出力側ディスク3側に設ける必要がなく、結果的に、出力側ディスク3の耐力が向上することになる。また、入力軸1の段差部1cとカラー23との間の空間を利用して、ボールスプライン部6の各スプライン溝内に潤滑油を供給するための共通の油路を形成するため、ボールスプライン部6を構成する入力軸1の部分に多くの油穴1aを設ける必要がなく、そのボールスプライン部6から離れた入力軸1の部分に少数の油穴1dを簡易に形成して、コストダウンを図ることができる。
【0013】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のトロイダル型無段変速機は、出力側ディスク用のニードル軸受が抜け出ることを防止するために、入力軸側に抜け止め部材を設けるため、応力が集中するような係止凹溝を出力側ディスク側に設ける必要がなく、結果的に、出力側ディスクの耐力を向上させることができる。
また、その抜け止め部材としては、入力軸の外周面に形成した係止凹溝にはめ付けられる止め輪を用いたり、入力側ディスクと出力側ディスクとの間に位置する入力軸の外周部にはめ合わされるカラーを用いることができる。
【0014】
さらに、そのようなカラーを抜け止め部材として用いる場合には、そのカラーの内周面と入力軸の外周面との間の空間を利用して、入力側ディスク用のボールスプライン部に潤滑油を供給するための油路を形成することができる。この結果、ボールスプライン部を構成する入力軸の部分に油穴を設ける必要がなく、そのボールスプライン部から離れた入力軸の部分に油穴を簡易に形成して、コストダウンを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を説明するための要部の半断面図である。
【図2】本発明の第2の実施形態を説明するための要部の半断面図である。
【図3】図2におけるカラーの概略平面図である。
【図4】本発明の第3の実施形態を説明するための要部の半断面図である。
【図5】従来のトロイダル無段変速機の構成例を説明するための断面図である。
【図6】図5における入力側ディスクと出力側ディスクとの間に備わるパワーローラ部分の説明図である。
【図7】図5のトロイダル無段変速機の要部の半断面図である。
【符号の説明】
1 入力軸
1a 油穴
1b 係止凹溝
1c 段差部
1d 油穴
2 入力側ディスク
3 出力側ディスク
4 出力歯車
5 ニードル軸受
6 ボールスプライン部
7 カム板
8 皿板ばね
9 ローディングナット
10 皿ばね
11 パワーローラ
12 押圧装置
13 仕切壁
14 ハウジング
15 伝達歯車
16 伝達軸
21 止め輪(抜け止め部材)
22、23 カラー(抜け止め部材)
Claims (1)
- 入力軸と、当該入力軸の外周部に設けられた入力側ディスクおよび出力側ディスクと、前記入力軸と前記入力側ディスクの間に設けたボールスプライン部と、前記入力軸と前記出力側ディスクとの間に設けたニードル軸受と、を備えたトロイダル型無段変速機において、
前記入力軸に、当該ニードル軸受が軸線方向に抜け出ることを防止するためのカラーを設け、
当該カラーは、前記入力側ディスクと前記出力側ディスクの間に位置する前記入力軸の外周面にはめ合わされ、
前記入力軸の外周面の前記入力側ディスクと前記出力側ディスクとの間の位置に、前記カラーの内周面との間に空間を形成する段差部を設け、
前記入力軸の外周面の前記段差部に油穴を設け、
前記カラーの内周面と前記入力軸の前記段差部の外周面との間には、前記油穴から前記空間を通して前記ボールスプライン部の各スプラインに潤滑油を供給するための共通の油路を形成したことを特徴とするトロイダル型無段変速機。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2001146038A JP4251260B2 (ja) | 2001-05-16 | 2001-05-16 | トロイダル型無段変速機 |
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