JP4250387B2 - 変換器およびその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、液体、気体の圧力、加速度、温度等の一の状態量を電気信号等の他の状態量に変換する変換器およびその製造方法に関する。
【0002】
【背景技術】
従来、一の状態量を他の状態量に変換する変換器としては、例えば、圧力を電気信号に変換する圧力センサが知られている。
図10および図11には、従来例に係る圧力センサ110の全体斜視図および分解斜視図が示されている。
圧力センサ110は、ガラス等の絶縁性材料で形成された上基板130および下基板140と、これら上、下基板130,140間に空隙を介して設けられるとともに、上、下基板130,140に対して変位可能とされ、かつ、シリコンで形成された可動電極120と、この可動電極120と対向する上基板130の検出面130Aに設けられた固定電極131とを含んで構成されている。
固定電極131は、図11に二点鎖線で示されるように、上基板130の検出面130Aの略中央部分に設けられた中央電極132と、この中央電極132を囲むように設けられた周辺電極133とを備えている。
【0003】
可動電極120は、その側面121Cから上基板130の上面130Bにかけて設けられた第1の信号取出部122と導通されている。
ここで、可動電極120はシリコンで形成されているため、第1の信号取出部122は、シリコンと電気的にオーミック接合となってかつワイヤボンド可能な金属であるアルミニウムで形成されている。
【0004】
中央電極132および周辺電極133は、耐食性を有するチタンで形成され、上基板130の上面130B(検出面130Aとは反対側の面)にアルミニウムで形成された第2の信号取出部134,135とスルーホール136,137を介してそれぞれ導通されている。
【0005】
このような構成によれば、可動電極120の下基板140側の面に測定圧力を導入すると、可動電極120が撓み、この可動電極120とこれに対向する中央電極132および周辺電極133との間の静電容量が変化する。各電極120,132,133を、信号取出部122,134,135を介して、信号処理用回路に導通することにより、中央電極132と可動電極120との静電容量の変化、および周辺電極133と可動電極120との静電容量の変化を測定して、測定圧力を正確に計測できるようになっている。
【0006】
ところで、腐食性ガスの存在下で変換器110が使用される場合、各信号取出部122,134,135の周囲にも腐食性ガスが存在することになり、これら信号取出部122,134,135を形成するアルミニウムが腐食性ガスに侵される、という問題があった。
この問題を解決するため、この腐食性ガスに対して高耐食性を有する金属、例えばチタンを用いて、各信号取出部122,134,135を形成する場合を考える。チタンは、不純物の含有量の少ないシリコンに対しては良好なオーミック接合を得られないが、不純物を多く含有するシリコンに対しては良好なオーミック接合が得られる、という性質を有している。一方、シリコンは、不純物の含有量が増大すると、抵抗率が低くなるとともに、アルカリ溶液を用いたウェットエッチング性も低下する、という性質を有している。
【0007】
例えば、可動電極のうち第1信号取出部に接する部分にのみ不純物を含有させた変換器が知られている(特開平08−94472号公報参照)。
この構成によれば、可動電極のうち第1信号取出部に接する部分では、第1信号取出部に対して良好なオーミック接合を得ることができるとともに、第1信号取出部に接する部分以外の部分では、エッチング性の低下を抑えることができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、可動電極の一部に不純物を含有させた変換器では、可動電極を形成するシリコンウェーハの製造工程において、不純物拡散等の方法で局所的に不純物を混入するため、製造工程が増加し、変換器の製造コストが増大していた。
【0009】
本発明の目的は、腐食性ガスが存在するような状況下でも使用できかつ製造コストを低減できる変換器およびその製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本出願人は、高耐食性を有する金属の種類とこの高耐食性金属に対して良好なオーミック接合が得られるシリコンの抵抗率との関係、さらに、シリコンの抵抗率とエッチング性との関係について鋭意研究した。その結果、シリコンの抵抗率を所定の範囲内とすることにより、シリコンのエッチング性および高耐食性金属とのオーミック接合性とを両立できることを見出し、この知見に基づいて本発明を得たものである。
【0011】
上記目的を達成するため、本発明の変換器およびその製造方法は、次の構成を採用する。
請求項1に記載の変換器は、検出面を有する第1の基板と、この第1の基板の検出面に空隙を介して設けられかつ前記第1の基板に対して変位可能な可動電極と、前記第1の基板の検出面に設けられた固定電極と、前記可動電極に導通された第1の信号取出部とを備えた変換器であって、前記第1の信号取出部は、チタン、タングステン、モリブデン、クロム、タンタル、ニオブ、バナジウムのいずれかの金属、あるいは、これらを主成分とする合金で形成され、前記可動電極は、抵抗値を下げる元素を含有させることにより抵抗率が1.0Ω・cm以下とされた単結晶シリコンをドライエッチングすることにより形成されており、前記第1の信号取出部にはワイヤボンドパッドが設けられ、当該ワイヤボンドパッドは、前記第1の信号取出部上に積層され、かつ前記第1の信号取出部を形成する金属と同じ金属で形成された下層部と、この下層部上に積層され、かつ金、または、金を主成分とする合金で形成された上層部と、を備えて構成されていることを特徴とする。
【0012】
第1の基板は、絶縁体であって、例えばガラスで形成されるが、その他陶磁器、ニューセラミックス等の材料で形成されてもよい。第1の信号取出部は、チタン、タングステン、モリブデン、クロム、タンタル、ニオブ、バナジウム等の金属のほか、これらを主成分とする合金で形成される。なお、これら第1の基板および第1の信号取出部を形成する材料は、以下の各請求項においても同様である。
また、ドライエッチングの方法としては、特に制限はなく、反応性イオンガスやプラズマガス等を用いる方法が含まれる。
【0013】
この発明によれば、第1の信号取出部を腐食性ガスに対して高耐食性の金属で形成したので、従来のように耐食性の低いアルミニウムで形成した場合に比べ、腐食性ガスが存在するような状況下でも、変換器としての機能を低下させることなく使用することができる。
また、可動電極を抵抗値を下げる元素を含有させた単結晶シリコンで形成したので、第1信号取出部との接触面にエネルギー障壁の問題を生じることがなく、第1信号取出部を形成する高耐食性の金属に対して良好なオーミック接合を得ることができ、可動電極から信号を確実に取り出すことができる。
【0014】
さらに、可動電極を形成するシリコン全体の抵抗率を1.0Ω・cm以下としたので、可動電極に用いるシリコンウェーハの製造工程において、ウェーハ全体に抵抗値を下げる元素(不純物)を混入させてよいから、従来のように局所的に不純物を混入する場合に比べ、製造工程を削減でき、変換器の製造コストを低減できる。
なお、可動電極を形成するシリコンの抵抗率が1.0Ω・cmを超えると、第1の信号取出部を形成する材料に対して良好なオーミック接合が得られない。また、ドライエッチングにより可動電極を形成したので、シリコンの抵抗率を低下させてもエッチング性に影響が出ないため、シリコンに抵抗値を下げる元素を固溶限界量まで含有させてもよい。
また、変換器の製造途中、ワイヤボンドパッド形成前において、第1の信号取出部の上層部が、空気等の酸化性ガスに接触することにより、表層に酸化膜が生成される可能性がある。
この点、本発明によれば、ワイヤボンドパッドの下層部を第1の信号取出部を形成する金属と同じ金属で形成し、ワイヤボンドパッドの上層部を金、または、金を主成分とする合金で形成したので、第1の信号取出部の表層に酸化膜が生成されていても、下層部を第1の信号取出部に接合できる。また、ボンディング性良好な上層部をワイヤを介して信号処理用回路等の必要箇所に電気的に接続することができるから、第1の信号取出部からの信号をワイヤボンドパッドを介して信号処理用回路に確実に伝えることができる。
例えば、第1の信号取出部をチタンで形成した場合、ワイヤボンドパッド形成前に、チタンが空気等に接触することにより、表面に酸化膜が生成される場合がある。この酸化チタンに対して接着し、かつボンディング性が良好な1種類の金属が存在しないため、酸化チタンに対して接合性が良好なチタンを下層部とし、酸化チタンには接合性が良くないが、チタンに対しては接合性の良い金を用いることによって、所要特性を備えたワイヤボンドパッドを形成することができる。
【0015】
請求項2に記載の変換器は、検出面を有する第1の基板と、この第1の基板の検出面に空隙を介して設けられかつ前記第1の基板に対して変位可能な可動電極と、前記第1の基板の検出面に設けられた固定電極と、前記可動電極に導通された第1の信号取出部とを備えた変換器であって、前記第1の信号取出部は、チタン、タングステン、モリブデン、クロム、タンタル、ニオブ、バナジウムのいずれかの金属、あるいは、これらを主成分とする合金で形成され、前記可動電極は、抵抗値を下げる元素を含有させることにより抵抗率が0.005〜1.0Ω・cmとされた単結晶シリコンをウェットエッチングすることにより形成されており、前記第1の信号取出部にはワイヤボンドパッドが設けられ、当該ワイヤボンドパッドは、前記第1の信号取出部上に積層され、かつ前記第1の信号取出部を形成する金属と同じ金属で形成された下層部と、この下層部上に積層され、かつ金、または、金を主成分とする合金で形成された上層部と、を備えて構成されていることを特徴とする。
【0016】
ウェットエッチングの方法としては、特に制限はなく、水酸化カリウムやTMAH等を用いる方法が含まれる。
この発明によれば、請求項1と同様の効果を得られる。なお、可動電極を形成するシリコンの抵抗率が0.005Ω・cm未満では、エッチングレートが遅くなって可動電極の加工に時間がかかったり、表面粗さが粗くなってしまう。
【0017】
請求項3に記載の変換器は、請求項1または2に記載の変換器において、前記可動電極を形成するシリコンは、伝導型がp型とされていることを特徴とする。この発明によれば、伝導型がn型のシリコンを用いた場合に比べ、接触抵抗を低くできるので、より良好なオーミック接合を得ることができる。
【0018】
請求項4に記載の変換器は、請求項1から3のいずれかに記載の変換器において、前記第1の信号取出部を形成する金属は、チタンとされていることを特徴とする。
この発明によれば、第1の信号取出部をチタンで形成したので、第1の信号取出部を腐食性ガスから安価かつ確実に保護できる。
【0019】
請求項5に記載の変換器は、請求項1から4のいずれかに記載の変換器において、前記可動電極の前記第1の基板の検出面に対向する面とは反対側に空隙を介して設けられた第2の基板を備え、前記第2の基板には、前記第1の基板の側面よりも延出した延出部が設けられ、前記第1の信号取出部は、前記延出部の前記第1の基板側の表面から、前記第1の基板の検出面と反対側の表面にかけて設けられていることを特徴とする。
【0020】
変換器は、例えば、第1の基板の上面に固定電極に導通された第2の信号取出部を有し、第2の基板を下方にして回路基板上にマウントされた後、第1信号取出部および第2の信号取出部と、回路基板上の信号処理回路とが、ワイヤーボンディング等により結線される。
この発明によれば、第2の基板に延出部を設けて、この延出部の第1の基板側の表面から、第1の基板の表面にかけて第1の信号取出部を形成したので、第1の信号取出部が第2の基板の端縁(可動電極から離間した側の面の端縁を意味する、以下についても同様)まで及ばない。従って、変換器を第2の基板の端縁側を下方にして回路基板等にマウントしても、回路基板と第1の信号取出部とが接触せず、ノイズを拾うような電気的障害を避けることができる。
【0025】
請求項に記載の変換器は、請求項1からのいずれかに記載の変換器において、前記可動電極の面であって前記第1の基板の検出面に対向する面とは反対側の面に測定圧力が導入される静電容量型圧力センサチップであることを特徴とする。
この発明によれば、前記可動電極の面であって前記第1の基板の検出に対向する面とは反対側の面に測定圧力を導入したので、この導入された測定圧力によって可動電極が撓み、この可動電極とこれに対向する固定電極との間の距離が変化し、この距離の変化に反比例して、静電容量が変化する。この可動電極および固定電極の静電容量を測定することによって、静電容量型圧力センサとして利用できる。
【0026】
請求項に記載の変換器の製造方法は、請求項5に記載の変換器の製造方法であって、前記第1および第2の基板と可動電極とを陽極接合した後に、前記第1の信号取出部をマスク蒸着によって形成することを特徴とする。
【0027】
この発明によれば、第1および第2の基板と可動電極とを陽極接合した後に、第1の信号取出部をマスク蒸着で形成したので、フォトリソグラフィのような複雑な工程を経ずに第1の信号取出部を形成できるから、変換器を容易に製造することができる。
なお、陽極接合より前に第1の信号取出部をマスク蒸着で形成した場合、第1の信号取出部が可動電極と同じ電位となるため、陽極接合の電位を乱し、良好な接合強度が得られない可能性がある。
【0028】
請求項に記載の変換器の製造方法は、請求項に記載の変換器の製造方法であって、前記第1の信号取出部を形成した後に、前記ワイヤボンドパッドの下層部をマスク蒸着によって形成した後、このワイヤボンドパッドの下層部の表面を酸化状態とすることなく、連続して前記ワイヤボンドパッドの上層部を形成することを特徴とする。
【0029】
この発明によれば、ワイヤボンドパッドを形成する際に、その下層部をマスク蒸着によって形成した後、この下層部の表面を酸化状態とせずに、つまり下層部の表面に酸化膜を生成させずに、連続してその上層部をマスク蒸着によって形成したので、ワイヤボンドパッドの下層部と上層部とを確実に接着できる。
したがって、フォトリソグラフィのような複雑な工程を経ずにワイヤボンドパッドを形成できるので、変換器を容易に製造することができる。
【0030】
ここで、陽極接合より前にワイヤボンドパッドをマスク蒸着した場合、陽極接合時の熱でワイヤボンドパッドを構成する複数の金属、例えば金とチタンとが拡散してしまう可能性があるため、陽極接合より後にワイヤボンドパッドをマスク蒸着する必要がある。
また、ワイヤボンドパッドの下層部を形成した後に、その表面が空気等に接触することによって酸化状態となった場合、表面に酸化膜が生成されてワイヤボンドパッドの上層部が接着しない可能性があるため、下層部の形成後その表面を酸化状態とすることなく、連続して上層部を形成する必要がある。
例えば、ワイヤボンドパッドの下層部を、例えばチタンで形成し、上層部を、例えば金で形成した場合、チタンが空気等に接触することにより、その表層に酸化膜が生成されて金が接着しない可能性がある。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1には、本実施の形態に係る変換器としての圧力センサ10の全体斜視図が示され、図2には、圧力センサ10の分解斜視図が示されている。
この圧力センサ10は、圧力の変化を静電容量の変化として検出する静電容量型の圧力センサであり、可動電極としての弾性変形可能なダイアフラム20と、このダイアフラム20に陽極接合されてダイアフラム20を挟持する第1の基板としての上基板30および第2の基板としての下基板40とを備えている。
【0032】
ダイアフラム20は、薄肉部23と、この薄肉部23周囲に形成された厚肉部21とを備えている。すなわち、ダイアフラム20は、上基板30と対向する対向面20Aと、この対向面20Aとは反対側の面つまり下基板40と対向する対向面20Bとを有し、対向面20Aのうち薄肉部23の上面23Aは、厚肉部21の上面21Aよりも一段低く凹んでおり、対向面20Bのうち薄肉部23の下面23Bは、厚肉部21の下面21Bよりも凹んで(図2中高くなって)いる。したがって、薄肉部23と上基板30および下基板40との間には、空隙が形成されており、薄肉部23は、上基板30に対して弾性変形可能とされている。
また、ダイアフラム20は、伝導型がp型で、抵抗値を下げる元素を含有することにより抵抗率が1.0Ω・cm以下とされた単結晶シリコンで形成されている。
【0033】
上基板30は、絶縁材料、本実施形態ではガラスで形成され、図2中二点鎖線で示すように、ダイアフラム20と対向する面に検出面30Aと、この検出面30Aとは反対側に上面30Bとを備えている。
この上基板30は、この検出面30Aに設けられた固定電極32,33と、上面30Bに設けられて固定電極32,33にスルーホール36,37を介して導通された第2の信号取出部34,35と、上面30Bに設けられてダイアフラム20に導通された第1の信号取出部22とを備えている。
【0034】
固定電極32,33は、耐食性の高い金属としてのチタンで形成され、検出面30Aの略中央部分に設けられた中央電極32と、中央電極32を囲むように設けられた周辺電極33とで構成されている。
第2の信号取出部34,35は、各電極32,33と同様にチタンで形成されている。中央電極32と導通された第2の信号取出部34は、上基板30の一端縁部分まで引き出された引出部39を備え、周辺電極33と導通された第2の信号取出部35は、上基板30の対向する両端縁部分まで引き出された引出部38を備えている。
ダイアフラム20の薄肉部23と上基板30との間の空隙は、各スルーホール36,37を通じて大気に開放されている。
【0035】
下基板40は、絶縁材料、本実施形態ではガラスで形成され、その略中央にはダイアフラム20の対向面20Bに圧力を導入するための圧力導入孔41が設けられている。また、下基板40の一側面側は、ダイアフラム20および上基板30の側面よりも延出されて、延出部42とされている。
【0036】
第1の信号取出部22は、延出部42の上基板30側の表面から上基板30の上面30Bの延出部42側の2つの角部にかけて設けられている。これにより、第1の信号取出部22は、ダイアフラム20の厚肉部21の延出部42側の側面21Cに導通されている。
【0037】
第1の信号取出部22のうち上基板30の上面30Bの延出部42側の2つの角部には、ワイヤを結線するためのワイヤボンドパッド51が設けられ、第2の信号取出部34,35には、ワイヤボンドパッド52,53がそれぞれ設けられている。これらワイヤボンドパッド51,52,53を介して、信号取出部22,34,35と信号処理用回路(図示省略)等の所定箇所とが導通されるようになっている。
【0038】
図3(A)には、第1の信号取出部22およびワイヤボンドパッド51の拡大断面図が示されている。
第1の信号取出部22は、上基板30との密着性に優れかつ高耐食性を有する金属、本実施形態ではチタンで形成されており、この表面は大気によって酸化されて酸化膜22Cが生成されている。
各ワイヤボンドパッド51は、2つの層51A,51Bを有し、下層部51Aは、第1の信号取出部22を形成するチタン表面の酸化膜22Cとの接合性が良好な金属、本実施形態ではチタンで形成され、上層部51Bは、下層部51Aと接合性が良好でかつボンディング性良好な高耐食性を有する金属、本実施形態では金で形成されている。
【0039】
図3(B)には、第2の信号取出部34,35およびワイヤボンドパッド52,53の拡大断面図が示されている。
第2の信号取出部34,35を形成するチタンの表面は、第1の信号取出部22と同様に、大気によって酸化されて酸化膜22Cが生成されている。
ワイヤボンドパッド52,53は、ワイヤボンドパッド51と同様に、下層、上層の2つの層51A,51Bを有し、下層部51Aはチタンで形成され、上層部51Bは金で形成されている。
【0040】
このような圧力センサ10では、圧力導入孔41に測定圧力が導入されると、ダイアフラム20が湾曲するように弾性変形して、ダイアフラム20と上基板30の中央電極32および周辺電極33との間の距離が変化し、その距離に反比例して静電容量が変化する。この時、ダイアフラム20、中央電極32および周辺電極33は、第1および第2の信号取出部22,34,35およびワイヤボンドパッド51,52,53を介して、信号処理用回路等に導通されているから、ダイアフラム20と各電極32,33の静電容量を信号処理用回路で処理することによって、圧力を計測できるようになっている。
【0041】
この際、ダイアフラム20の変位は中央近辺が大きく、周辺部が小さいため、ダイアフラム20と上基板30の中央電極32および周辺電極33との間の静電容量に差が生じ、両者の差異を測定することにより、温度等の変化に基づく誤差を校正するとともに、ノイズ等を取り除き、より正確に圧力を検出する。
なお、この圧力センサ10は、ダイアフラム20の上基板30側がスルーホール36,37を通じて大気に開放されているため、いわゆるゲージ圧(大気圧をゼロとしたときの、大気圧に対する差圧)センサとなっている。
【0042】
次に、圧力センサ10の製造手順を説明する。
図4(A)および(B)には、上、下基板30,40とダイアフラム20の陽極接合前のウェーハ状態の平面図および断面図が示されている。
圧力センサ10は、シリコンウェーハ70、および上、下基板ウェーハ80,90を互いに陽極接合して積層ウェーハ60とした後、図4中に1点鎖線で示す格子状の切断線87(87A,87B)に従って切断することにより、複数のセンサチップ61として製造される。
【0043】
シリコンウェーハ70は、次の方法で製造される。先ず、抵抗値を下げる元素を混入してシリコン単結晶を生成することにより、伝導型がp型でかつ抵抗率が1.0Ω・cm以下のシリコン単結晶ウェーハを製造する。次に、このシリコン単結晶ウェーハにフォトリソグラフィを施し、ドライエッチングすることによって、複数のダイアフラム20が所定間隔で一体に形成された状態とする。
【0044】
上基板ウェーハ80は、中央電極32、周辺電極33、スルーホール36,37、第2の信号取出部34,35、および陽極接合用電極83がフォトリソグラフィ等により形成されており、複数の上基板30が一体に形成された状態となっている。
このうち、各第2の信号取出部35の各引出部38は、上基板ウェーハ80上で一方向に連続するように形成されている。
また、陽極接合用電極83は、引出部38と交わらないように格子状に形成されている。陽極接合用電極83は、引出部38に沿って延びる幹線電極部83Aと、この幹線電極部83Aと直交して延びる支線電極部83Bとで構成されている。
切断線87は、幹線電極部83A上を通る切断線87Aと、この切断線87Aと直交しかつ支線電極部83B上を通る切断線87Bとで構成されている。
【0045】
下基板ウェーハ90は、複数の圧力導入孔41を形成され、複数の下基板40が一体に形成された状態である。
ここで、これらシリコンウェーハ70の各ダイアフラム20、上基板ウェーハ80の各上基板30、および下基板ウェーハ90の各下基板40は、各ウェーハ70,80,90が積層されたとき、各々が圧力センサ10のセンサチップ61を構成するように、互いに対応した位置に設けられている。
【0046】
図5には、上、下基板30,40とダイアフラム20をウェーハ状態で陽極接合する手順を説明するための図が示されている。
下基板ウェーハ90、シリコンウェーハ70、および上基板ウェーハ80を、導電性を有する陽極接合用の載置台100上に順に積層する。この後、シリコンウェーハ70と引出部38がプラス、陽極接合用電極83と載置台100とがマイナスとなるように、高温下で高電圧を印加し、各ウェーハ70,80,90を陽極接合する。これにより、積層ウェーハ60を製造する。
【0047】
図6および図7には、第1信号取出部22とワイヤボンドパッド51,52,53を形成する手順を説明するための平面図および断面図が示されている。
陽極接合が完了した後、先ず、積層ウェーハ60を載置台100から取り出し、陽極接合用電極83の幹線電極部83Aの幅寸法よりも十分に大きい所定の刃幅寸法を有する切断刃等を用いて、第2の信号取出部34同士の間の切断線87Aに沿って溝加工を行い、幹線電極部83A(図6中破線で示す)を削り取るとともに、溝89を形成する。
この溝89は、下基板ウェーハ90を若干削り取る深さで設けられており、溝89の内面にはシリコンウェーハ70および上基板ウェーハ80の切断面70A,80Aがそれぞれ露出している。
【0048】
次に、図6中二点鎖線で示すように、上基板ウェーハ80の各切断線87A,87Bが交差する部分、つまりセンサチップ61の角部30Dに相当する部分が露出するように、略長方形のマスク開口92を有するメタルマスク91を配置する。そして、積層ウェーハ60または図示しない蒸着ノズルのうちいずれか一方を鉛直軸回りに回転させるか、あるいはこれらを互いに反対方向に回転させるかしながら、マスク開口92に対して例えば上方斜め45°方向から蒸着材料、ここではチタンを供給する(図7中の破線矢印参照)。これにより、溝89の底面および溝89の両側面、すなわちシリコンウェーハ70の各切断面70Aおよび上基板ウェーハ80の各切断面80A、および上基板ウェーハ80の各切断線87A,87Bが交差する部分にチタン蒸着膜22Aが形成される。
【0049】
次に、図示しないが、ワイヤボンドパッド51〜53の位置に対応したマスク開口を有するメタルマスクを用意し、このメタルマスクを用いて、上述した手順と同様の手順で、チタン蒸着膜(ワイヤボンドパッド51〜53の下層部51Aに相当する)を形成した後、真空装置の真空状態を開放することなく、つまりチタン蒸着膜の表面を酸化状態とすることなく、連続して金蒸着膜(ワイヤボンドパッド51〜53の上層部51Bに相当する)を形成する。
【0050】
この後、溝89を加工した切断刃よりも刃幅寸法の小さい別の切断刃(例えば、図7中の一点鎖線で示す切りしろ93に対応した刃幅の切断刃)を用い、蒸着膜22Aを溝89の幅方向の中央すなわち切断線87Aに沿って下基板ウェーハ90ごと切断(本切断)するとともに、同じ切断刃を用いて他の全ての切断線87A,87Bに沿って積層ウェーハ60を切断する。これによって、蒸着膜22Aを四分割し、分割された各々の蒸着膜22Aがダイアフラム20と導通した第1の信号取出部22となる。この切断作業により、積層ウェーハ60からセンサチップ61として圧力センサ10が取り出される。
なお、この切断作業(本切断)時に用いられる切断刃の前記刃幅寸法は、陽極接合用電極83の幅寸法よりも若干大きく、切断線87A,87Bに沿って切断することによって、陽極接合用電極83の支線電極部83Bは完全に取り除かれる。
以上により、圧力センサ10が完成する。
【0051】
図8および図9には、シリコンの抵抗率を変化させた場合の実験結果が示されている。
すなわち、図8では、シリコンの抵抗率と、このシリコンとチタンとの接触抵抗(オーミック抵抗)との関係が示されている。図8中の四角は実験値を示し、実線Aは大体の傾きを示している。抵抗値を下げる元素を含有させることによってシリコンの抵抗率を低下させると、チタンとの接触抵抗もほぼ比例して低下することが分かる。図9では、シリコンとチタンとの接触抵抗と、圧力センサの感度温度係数との関係が示されている。感度温度係数とは、温度変化に対する圧力センサ10の特性であって、この値が低いほど、温度変化による圧力感度誤差が少なく、安定して性能を発揮できる。図9中の四角は、実験値を示し、実線B,Cは大体の傾きを示している。接触抵抗が約10kΩ以上では、接触抵抗を低下させると、感度温度係数もほぼ比例して低下する(実線B)。ところが、接触抵抗が約10kΩ未満では、接触抵抗を低下させても、感度温度係数は比例して低下せず、ほぼ一定の値となることが分かる(実線C)。
【0052】
したがって、本実施形態によれば以下の効果がある。
(1)第1の信号取出部22を高耐食性の金属で形成したので、従来のように耐食性の低いアルミニウムで形成した場合に比べ、腐食性ガスが存在するような状況下でも、変換器としての機能を低下させることなく使用することができる。
(2)ダイアフラム20を抵抗値を下げる元素を含有させた単結晶シリコンで形成したので、第1信号取出部22との接触面にエネルギー障壁の問題を生じることがなく、第1信号取出部22を形成する高耐食性の金属に対して良好なオーミック接合を得ることができ、ダイアフラム20から信号を確実に取り出すことができる。
【0053】
(3)ダイアフラム20を形成するシリコン全体の抵抗率を1.0Ω・cm以下としたので、シリコンウェーハ70の製造工程において、ウェーハ全体に抵抗値を下げる元素を混入させてよいから、従来のように局所的に不純物を混入する場合に比べ、製造工程を削減でき、圧力センサ10の製造コストを低減できる。
また、シリコンの抵抗率を1.0Ω・cm以下としたので、図8および図9に示すように、圧力センサ10の感度温度係数を低下させて、温度特性の良い圧力センサを製作することができる。
(4)ダイアフラム20を形成するシリコンの伝導型をp型としたので、伝導型がn型のシリコンを用いた場合に比べ、接触抵抗を低くできるので、より良好なオーミック接合を得ることができる。
(5)第1の信号取出部22をチタンで形成したので、第1の信号取出部22を腐食性ガスから安価かつ確実に保護できる。
【0054】
(6)圧力センサ10は、下基板40を下方にして回路基板上にマウントされた後、第1信号取出122および第2信号取出部34,35と、回路基板上の信号処理回路とが、ワイヤーボンディング等により結線される。圧力センサ10では、下基板40に延出部42を設けて、この延出部42の上基板30側の表面から、上基板30の表面にかけて第1の信号取出部22を形成したので、第1の信号取出部22が下基板40の端縁まで及ばない。したがって、圧力センサ10を下基板40の端縁側を下方にして回路基板等にマウントしても、回路基板と第1の信号取出部22とが接触せず、ノイズを拾うような電気的障害を避けることができる。
【0055】
(7)ワイヤボンドパッド51〜53を2つの層、つまり第1の信号取出部22を形成するチタン表面の酸化膜との接合性が良好なチタンで形成された下層部51Aと、下層部51Aに対して接合性が良好でかつボンディング性良好な高耐食性を有する金で形成された上層部51Bとで構成したので、第1および第2の信号取出部22,34,35の表層に酸化膜22Cが生成されていても、下層部51Aを接合できる。また、ボンディング性良好な上層部51Bをワイヤを介して信号処理用回路等の必要箇所に電気的に接続することができるから、第1および第2の信号取出部22,34,35からの信号をワイヤボンドパッド51〜53を介して信号処理用回路に確実に伝えることができる。
【0056】
(8)上基板30および下基板40とダイアフラム20とを陽極接合した後に、第1の信号取出部22をマスク蒸着で形成したので、フォトリソグラフィのような複雑な工程を経ずに第1の信号取出部22を形成できるから、圧力センサ10を容易に製造することができる。
(9)ワイヤボンドパッド51〜53を形成する際に、その下層部51Aをマスク蒸着によって形成した後、この下層部51Aの表面を酸化状態とせずに、つまり下層部51Aの表面に酸化膜を生成させずに、連続してその上層部51Bをマスク蒸着によって形成したので、ワイヤボンドパッド51〜53の下層部51Aと上層部51Bとを確実に接着できる。したがって、フォトリソグラフィのような複雑な工程を経ずにワイヤボンドパッド51〜53を形成できるので、圧力センサ10を容易に製造することができる。
【0057】
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、本実施形態では、シリコンウェーハ70を、シリコン単結晶ウェーハにフォトリソグラフィを施してドライエッチングすることによって製造したが、これに限らず、ウェットエッチングすることにより製造してもよい。ただし、シリコン単結晶ウェーハの抵抗率を0.005Ω・cm以上とする必要がある。
このようにしても、前記実施形態で述べた(1)〜(9)と同様の効果がある。
【0058】
【発明の効果】
本発明の変換器およびその製造方法によれば、次のような効果が得られる。
第1の信号取出部を腐食性ガスに対して高耐食性の金属で形成したので、従来のように耐食性の低いアルミニウムで形成した場合に比べ、腐食性ガスが存在するような状況下でも、変換器としての機能を低下させることなく使用することができる。また、可動電極を抵抗値を下げる元素を含有させた単結晶シリコンで形成したので、第1信号取出部との接触面にエネルギー障壁の問題を生じることがなく、第1信号取出部を形成する高耐食性の金属に対して良好なオーミック接合を得ることができ、可動電極から信号を確実に取り出すことができる。さらに、可動電極を形成するシリコン全体の抵抗率を1.0Ω・cm以下としたので、可動電極に用いるシリコンウェーハの製造工程において、ウェーハ全体に抵抗値を下げる元素(不純物)を混入させてよいから、従来のように局所的に不純物を混入する場合に比べ、製造工程を削減でき、変換器の製造コストを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る変換器を示す全体斜視図である。
【図2】前記実施形態に係る変換器の分解斜視図である。
【図3】前記実施形態に係る第1および第2の信号取出部およびワイヤボンドパッドの拡大断面図である。
【図4】前記実施形態に係る第1および第2の基板と可動電極の陽極接合前の平面および断面を示す図である。
【図5】前記実施形態に係る第1および第2の基板と可動電極とを陽極接合する手順を説明するための図である。
【図6】前記実施形態に係る第1の信号取出部とワイヤボンドパッドを形成する手順を説明するための平面図である。
【図7】前記実施形態に係る第1の信号取出部とワイヤボンドパッドを形成する手順を説明するための断面図である。
【図8】前記実施形態に係る、シリコンの抵抗率とこのシリコンとチタンとの接触抵抗との関係を示す図である。
【図9】前記実施形態に係る、シリコンとチタンとの接触抵抗と感度温度係数との関係を示す図である。
【図10】従来例に係る変換器を示す全体斜視図である。
【図11】従来例に係る変換器の分解斜視図である。
【符号の説明】
10 変換器としての圧力センサ
20 可動電極としてのダイアフラム
22 第1の信号取出部
30 第1の基板としての上基板
30A 検出面
32,33 固定電極
40 第2の基板としての下基板
51,52,53 ワイヤボンドパッド
51A 下層部
51B 上層部

Claims (8)

  1. 検出面を有する第1の基板と、この第1の基板の検出面に空隙を介して設けられかつ前記第1の基板に対して変位可能な可動電極と、前記第1の基板の検出面に設けられた固定電極と、前記可動電極に導通された第1の信号取出部とを備えた変換器であって、
    前記第1の信号取出部は、チタン、タングステン、モリブデン、クロム、タンタル、ニオブ、バナジウムのいずれかの金属、あるいは、これらを主成分とする合金で形成され、
    前記可動電極は、抵抗値を下げる元素を含有させることにより抵抗率が1.0Ω・cm以下とされた単結晶シリコンをドライエッチングすることにより形成されており、
    前記第1の信号取出部にはワイヤボンドパッドが設けられ、当該ワイヤボンドパッドは、前記第1の信号取出部上に積層され、かつ前記第1の信号取出部を形成する金属と同じ金属で形成された下層部と、この下層部上に積層され、かつ金、または、金を主成分とする合金で形成された上層部と、を備えて構成されている
    ことを特徴とする変換器。
  2. 検出面を有する第1の基板と、この第1の基板の検出面に空隙を介して設けられかつ前記第1の基板に対して変位可能な可動電極と、前記第1の基板の検出面に設けられた固定電極と、前記可動電極に導通された第1の信号取出部とを備えた変換器であって、
    前記第1の信号取出部は、チタン、タングステン、モリブデン、クロム、タンタル、ニオブ、バナジウムのいずれかの金属、あるいは、これらを主成分とする合金で形成され、
    前記可動電極は、抵抗値を下げる元素を含有させることにより抵抗率が0.005〜1.0Ω・cmとされた単結晶シリコンをウェットエッチングすることにより形成されており、
    前記第1の信号取出部にはワイヤボンドパッドが設けられ、当該ワイヤボンドパッドは、前記第1の信号取出部上に積層され、かつ前記第1の信号取出部を形成する金属と同じ金属で形成された下層部と、この下層部上に積層され、かつ金、または、金を主成分とする合金で形成された上層部と、を備えて構成されている
    ことを特徴とする変換器。
  3. 請求項1または2に記載の変換器において、
    前記可動電極を形成するシリコンは、伝導型がp型とされている
    ことを特徴とする変換器。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の変換器において、
    前記第1の信号取出部を形成する金属は、チタンとされている
    ことを特徴とする変換器。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の変換器において、
    前記可動電極の前記第1の基板の検出面に対向する面とは反対側に空隙を介して設けられた第2の基板を備え、
    前記第2の基板には、前記第1の基板の側面よりも延出した延出部が設けられ、
    前記第1の信号取出部は、前記延出部の前記第1の基板側の表面から、前記第1の基板の検出面と反対側の表面にかけて設けられている
    ことを特徴とする変換器。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載の変換器において、
    前記可動電極の面であって前記第1の基板の検出面に対向する面とは反対側の面に測定圧力が導入される静電容量型圧力センサチップである
    ことを特徴とする変換器。
  7. 請求項5に記載の変換器の製造方法であって、
    前記第1および第2の基板と可動電極とを陽極接合した後に、前記第1の信号取出部をマスク蒸着によって形成する
    ことを特徴とする変換器の製造方法。
  8. 請求項7に記載の変換器の製造方法であって、
    前記第1の信号取出部を形成した後に、前記ワイヤボンドパッドの下層部をマスク蒸着によって形成した後、このワイヤボンドパッドの下層部の表面を酸化状態とすることなく、連続して前記ワイヤボンドパッドの上層部を形成する
    ことを特徴とする変換器の製造方法。
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