JP3550467B2 - 圧力センサおよびその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧力センサおよびその製造方法に係り、小型化を図るのに好適な静電容量型の圧力センサおよびその製造方法に関する。
【0002】
【背景技術】
従来より、静電容量型の圧力センサにおいては、ダイアフラムを構成する導電性が付与されたシリコンと、そのダイアフラムに対向する電極を備えたガラス(基板)との間に、400℃程度の高温下で約400Vの高電圧を印加し、シリコンおよびガラスを互いに陽極接合することが行われている。
しかし、従来の圧力センサは、比較的大型であったため、ダイアフラムとガラスとの間の間隔が大きく、陽極接合する場合でも、ダイアフラムの変形は問題にならなかった。
【0003】
これに対し、圧力センサを小型化してゆくと、ダイアフラムとガラスとの間の間隔が微少になるため、陽極接合の高電圧印加時には、ダイアフラムと電極との間に強い静電引力が生じるようになる。このため、ダイアフラムがガラス側に引き寄せられ、ダイアフラムが変形あるいはガラスに接触するという問題が発生する。そして、この状態で陽極接合を続けると、本来平坦であるべきダイアフラムがガラス側に歪んだ状態で形成されるため、有害な応力がダイアフラムに与えられ、ダイアフラムが圧力に相応して変位しないという問題に発展する。
【0004】
そこで、このような問題を解決するための技術として、米国特許4,384,899、および特開平2−290524号公報に記載されている方法が知られている。これらの方法は、ガラスに設けられた電極にも高電圧を印加し、この電極とダイアフラムとを同電位にすることで静電引力の発生を抑えるものである。
【0005】
一方、圧力センサの中には、ガラスに設けられる電極として、中央に位置した中央電極と、この中央電極を囲む周辺電極とのように、複数が設けられたものがある。このような圧力センサでは、各電極での静電容量の差異を測定することにより、圧力をより正確に検出できるようになっている。
従って、このような圧力センサでは、中央電極および周辺電極の両方をダイアフラムと同電位とすることで、前述したダイアフラムの変形や接触を防止することが考えられ、このためには、中央電極および周辺電極への電圧印加を、各電極からひきだされたガラス表面(中央電極、周辺電極形成面とは反対の面)の各信号取出部を利用して行うことが考えられる。
【0006】
ところで、圧力センサが小型化してくると、各信号取出部の大きさが非常に小さくなるうえ、各信号取出部とこれらを囲んでいる陽極接合用の電極との間隔が狭くなるため、前述の米国特許4,384,899のように、各信号取出部に直に電圧印加用の端子を当てることが困難になる。このため、接合用の電極の外側に各信号取出部から引き出された引出部を設け、これらの引出部に導線を接触させることで印加を行う必要がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図9に示すように、チップ状の圧力センサ200において、陽極接合用の電極201の外側に各信号取出部202,203の引出部204を引き出すためには、接合用の電極201の不連続部201Aに各引出部204を通す必要があり、引出部204が中央電極、周辺電極用の二本の場合には、不連続部201Aの長さLが長くなってしまい、ダイアフラムとガラスとの陽極接合時の接合強度が弱くなってしまうという問題が生じる。ましてや、信号取出部が三つ以上設けられた場合等、各々の信号取出部に引出部を設けると、陽極接合自体が困難となる。
反対に、短い不連続部に複数の引出部を通そうとすると、接合用の電極と引出部とが接近するため、陽極接合時に印加される高電圧に対しての耐電圧に問題が生じる。
従って、ガラス等の基板側に複数の電極が設けられた場合には、耐電圧を良好に維持しながら、基板とダイアフラムとの接合強度を大きくするのには限界があった。
【0008】
本発明の目的は、基板とダイアフラムとの接合強度を大きくできる圧力センサを提供することにある。
また、本発明の他の目的は、陽極接合時のダイアフラムの引き寄せを防止できる圧力センサの製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の圧力センサは、基板と、この基板に対して間隔を開けて弾性変形可能に対向配置されたダイアフラムと、このダイアフラムおよび基板の対向面に各々設けられた電極とを備え、基板の電極は複数設けられ、これら複数の電極のうちの少なくとも一つの電極は他の電極を囲んで設けられ、かつ基板の前記対向面とは反対の面には、この基板の各電極と導通した信号取出部と、これら信号取出部を囲みかつ一部に不連続部が形成された陽極接合用電極とが設けられ、基板とダイアフラムとが互いに陽極接合されている圧力センサであって、各信号取出部のうちの前記他の電極を囲む電極のうち最外周の電極と導通した信号取出部のみに、陽極接合用電極の不連続部を通ってこの陽極接合用電極の外側に引き出された引出部を設けることを特徴とするものである。
なお、ここでのダイアフラムに設けられる電極とは、ダイアフラムが絶縁性を有する場合には、例えば、半導体プロセス等の技術により形成されたもの等をいい、また、ダイアフラム自身が半導体あるいは導体からなる場合には、このダイアフラム自体をいう。
【0010】
このような本発明では、複数の信号取出部のうちの一つの信号取出部のみに引出部を設けるから、陽極接合用電極の不連続部の長さは、一本の引出部が通る長さに設定されればよく、耐電圧を良好に維持することを考慮しても、十分に短いものになる。従って、基板に複数の電極が設けられた場合でも、基板とダイアフラムとの陽極接合時の接合強度が大きくなる。
この際、引出部は、基板の他の電極を囲む電極のうち最外周の電極と導通しているから、陽極接合する際に、その引出部にダイアフラムと同じ電圧を印加すれば、この電極に囲まれた残りの電極もダイアフラムと略同電位となり、ダイアフラムが基板側に引き寄せられることはない。
なお、中央電極のみに引出部を設け、不連続部の長さを短くすることも考えられるが、このような場合には、周辺電極の周囲が接合電位のため、周辺電極は、基板の主な電位である接合用の電極の電位に近くなってしまい、ダイアフラムの引き寄せが依然として生じてしまう。
【0011】
また、本発明の圧力センサは、複数の基板が一体に形成された基板ウェーハと、複数のダイアフラムが一体に形成されたダイアフラムウェーハとが、互いに陽極接合されて積層ウェーハが形成され、この積層ウェーハに形成された複数のセンサチップを各々に切断することで製造されており、積層ウェーハに、各センサチップ毎の引出部と導通した一連の導通部を設け、この導通部を積層ウェーハの切断位置に設けてもよい。
このような場合には、各引出部を導通部で導通させるから、陽極接合を行うにあたって、基板の各電極をダイアフラムの電極と略同電位にするためには、導通部を適宜な位置に引き出す等し、この引き出された部位の一箇所に電圧を印加すればよく、積層ウェーハ上に複数のセンサチップを並べて作り込み、各センサチップを切断することで小型の圧力センサを大量に製造する場合でも、陽極接合が簡単な設備で容易に行えるようになる。
また、導通部を切断位置に設けるため、切断後には圧力センサー上に余分な導体部分が存在しない。従って、例えば、各信号取出部にボンディングを施す際にも、余分な導体を介して導線同士が短絡する等の不具合がより確実に防止される。
【0012】
さらに、本発明の圧力センサでは、基板を絶縁体とし、この基板の側面にダイアフラムの電極と導通したダイアフラム用の信号取出部を設けてもよい。
このような場合には、特開平2−290524号公報のように、基板の一部を切り欠く等してダイアフラムの電極を露出させる必要がないから、圧力センサの大きさが小さい場合でも、ダイアフラムの信号取出部が簡単に形成されるようになり、圧力センサの小型化が一層促進されるようになる。
【0013】
一方、本発明の圧力センサの製造方法は、基板と、この基板に対して間隔を開けて弾性変形可能に対向配置されたダイアフラムと、このダイアフラムおよび基板の対向面に各々設けられた電極とを備え、基板の電極は複数設けられ、これら複数の電極のうちの少なくとも一つの電極は他の電極を囲んで設けられ、かつ基板の対向面とは反対の面には、この基板の各電極と導通した信号取出部と、これら信号取出部を囲む陽極接合用電極とが設けられ、基板およびダイアフラムが互いに陽極接合されている圧力センサの製造方法であって、ダイアフラムの電極と基板の前記他の電極を囲む電極のうち最外周の電極とを同電位にし、基板およびダイアフラムを互いに陽極接合することを特徴とするものである。
このような本発明においては、前述のように、基板の対向面に設けられた全ての電極がダイアフラムの電極と略同電位になるから、ダイアフラムの基板側への変形等が防止される。
【0014】
また、本発明の圧力センサの製造方法では、複数の基板が一体に形成された基板ウェーハと、複数のダイアフラムが一体に形成されたダイアフラムウェーハとを、互いに陽極接合して積層ウェーハを形成し、この積層ウェーハに形成された複数のセンサチップを各々に切断し、切断された複数のセンサチップを複数のチップ保持部が設けられた保持治具で所定間隔に保持させるとともに、各センサチップの少なくともダイアフラムの電極に導通した部位と基板の側面とを保持治具から露出させた状態にし、この状態で、切欠部を有するカバーを隣接し合う各センサチップ上に配置して、切欠部を前記各センサチップの互いに近接した部位に対向させ、この後、この対向させた切欠部に向かって導電性を有する蒸着材料を蒸発させて供給し、これにより、ダイアフラムの電極に導通した部位と基板の側面とに跨ったダイアフラム用の信号取出部を形成してもよい。
このような場合には、前述したように、圧力センサの小型化が一層促進されるようになる。
さらに、同時に複数のセンサチップに対して信号取出部が形成されるから、圧力センサの製造が効率よく行われるようになる。また、保持治具およびカバーは、チップ保持部や切欠部が設けられただけの簡単な構造であるから、製作が容易であり、安価である。従って、圧力センサのコストが削減される。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施の形態に係る圧力センサ10を示す図2、図4の略I−I線に沿って切断した端面図、図2は、圧力センサ10の分解斜視図である。
図1および図2において、圧力センサ10は、圧力を静電容量の変化として検出する静電容量型の圧力センサであり、弾性変形可能なダイアフラム20と、このダイアフラム20周囲の厚肉部21に陽極接合された上、下ガラス30,40とから構成され、ダイアフラム20および上、下ガラス30,40間には所定の空隙が形成されている。すなわち、ダイアフラム20は、上、下ガラス30,40に対して間隔を開けて配置され、厚肉部21を介して上、下ガラス30,40と陽極接合されている。
【0016】
ダイアフラム20は、導電性が付与されたシリコンからなり、ダイアフラム20自身が一つの電極になっている。このダイアフラム20において、上ガラス30と対向する対向面20Aは、厚肉部21の上面21Aよりも一段低く凹んでおり、下ガラス40と対向する対向面20Bは、厚肉部21の下面21Bよりも図中高くなって(凹んで)いる。このダイアフラム20は、例えば、約0.1mm厚のシリコンから各段差部分がホトレジスト加工等によりエッチングされて形成されている。
なお、限定されるものではないが、対向面20Aから厚肉部21の上面21Aまでの段差寸法は、例えば、約2〜8μm程度、対向面20Bから下面21Bまでの段差寸法は、例えば、約80μm程度である。
【0017】
上ガラス30は、本発明における基板であり、ダイアフラム20と対向する対向面30Aには、図3にも示すように、中央電極31と、この中央電極31を囲む周辺電極32とが設けられている。各電極31,32は、図4にも示すように、上ガラス30の上面(対向面30Aとは反対の面)30Bに設けられた各信号取出部34,35とスルーホール36,37を介して導通している。そして、各信号取出部34,35のうち、周辺電極32と導通した信号取出部35だけが、上ガラス30の端縁部分まで引き出された引出部38を備えている。
【0018】
また、上ガラス30の上面30Bには、陽極接合時に使用される陽極接合用電極39が設けられており、この陽極接合用電極39は、略ダイアフラム20の縁に対応した形状とされて各信号取出部34,35を囲んでおり、前述の引出部38が陽極接合用電極39の不連続部39Aを通って引き出されている。さらに、図2、図4に示されるように、上面30Bの角部30Dにはダイアフラム20の側面20Cから引き出された信号取出部50が設けられており、この信号取出部50は、上ガラス30の上面に形成された上面部50Aと、ダイアフラム20の側面20Cおよび上ガラス30の側面30Cに跨る側面部50Bとが連続して形成されたものである。
【0019】
下ガラス40は、略中央位置に設けられた圧力導入口41を備えており、この圧力導入口41から圧力が印加されるようになっている。
なお、下ガラス40は、圧力センサの使用形態等を勘案し、適宜省略可能である。
【0020】
このような圧力センサ10では、圧力導入口41に圧力が印加されると、ダイアフラム20が湾曲するように弾性変形し、ダイアフラム20と上ガラス30の中央電極31および周辺電極32との間の距離が変化し、その距離に応じて静電容量が変化し、これにより圧力測定を行う。この際、ダイアフラム20の変位は中央近辺が大きく、周辺部が小さいため、ダイアフラム20と上ガラス30の中央電極31および周辺電極32との間の静電容量とに差が生じ、両者の差異を測定することにより、温度等の変化に基づく誤差を校正するとともに、ノイズ等を取り除き、より正確に圧力を検出する。
なお、この圧力センサ10は、いわゆるゲージ圧(大気圧をゼロとしたときの、大気圧に対する差圧)センサであり、ダイアフラム20および上ガラス30間の空隙部分は、中央電極31、周辺電極32の各スルーホール36,37を通じて大気開放されている。
【0021】
次ぎに、圧力センサ10の製造手順を説明する。
圧力センサ10は、図5および図6に示すダイアフラムウェーハであるシリコンウェーハ70、および上、下ガラスウェーハ80,90を互いに陽極接合して積層ウェーハ60を製作した後、この積層ウェーハ60に形成された複数のセンサチップ(センサチップ単体)61を、図6中に点線で示す切断位置87に従って各々に切断し、切断されたセンサチップ61にダイアフラム20用の信号取出部50(図2、図4参照)を設けることにより製造される。
【0022】
具体的には、先ず、シリコンウェーハ70を、エッチング等により複数のダイアフラム20が一体に形成されたものとしておく。同様に、基板ウェーハである上ガラスウェーハ80に、スルーホール36,37、中央電極31、周辺電極32、信号取出部34,35、引出部38、陽極接合用電極39、および信号取出部50形成用のパターン50Dを、アルミ等の金属蒸着、およびエッチング等により設け、上ガラスウェーハ80を複数の上ガラス30が一体に形成されたものとしておく。そして、下ガラスウェーハ90に、複数の圧力導入口41を設け、複数の下ガラス40が一体に形成されたものとしておく。ここで、これらシリコンウェーハ70の各ダイアフラム20、上ガラスウェーハ80の各上ガラス30、および下ガラスウェーハ90の各下ガラス40は、各ウェーハ70,80,90が積層されたとき、各々が圧力センサ10のセンサチップ61を構成するように、互いに対応した位置に設けられている。
【0023】
この際、上ガラスウェーハ80の切断位置87に各引出部38と導通した一連の導通部81を設け、この導通部81を印加部82(図5参照)に引き出しておく。また、導通部81で仕切られた中にある陽極接合用電極39同士を接合部83,84で導通させ、全ての陽極接合電極39と印加部85(図5参照)とを各々導通させておく。
【0024】
次いで、図5に示すように、下ガラスウェーハ90、シリコンウェーハ70、および上ガラスウェーハ80を、導電性を有する陽極接合用の載置台100上に順に積層した後、導線101を印加部82と上ガラスウェーハ80の開口部86に露出したシリコンウェーハ70とに接触させ、導線102を別の印加部85と載置台100とに接触させ、導線101側がプラス、導線102側がマイナスとなるように、各導線101,102間に約400℃の高温下で約400Vの電圧を印加し、各ウェーハ70,80,90を陽極接合する。
以上により、積層ウェーハ60には、切断位置87で区分けされた複数のセンサチップ61が形成され、積層ウェーハ60を切断位置87で切断することにより、各センサチップ61を取り出す。
【0025】
次ぎに、以下の手順で、センサチップ61にダイアフラム20用の信号取出部50を形成する。
図7および図8に示すように、先ず、蒸着用の載置台110上に、複数のチップ保持部112を有する保持治具111を配置する。ここで、チップ保持部112は、センサチップ61の平面形状と略同じ大きさの開口とされ、これらの保持部112にセンサチップ61を保持させることにより、各センサチップ61が所定間隔で配置されるようになる。
【0026】
そして、各センサチップ61を保持させた後、各センサチップ61のダイアフラム20の側面20Cと上ガラス30の側面30Cとを保持治具111の上方に露出させた状態にし、この状態で、切欠部である丸孔114を有するカバー113を隣接し合う四つのセンサチップ61上に配置して、その丸孔114を各センサチップ61の互いに近接した角部30Dの上方に位置決めし、この後、この丸孔114に向かって金属等の導電性を有する蒸着材料を蒸発させて供給する(図8中の矢印参照)。
これにより、ダイアフラム20の側面20Cと、上ガラス30の側面30Cと、上面30Bに予め設けられていたパターン50Dとに跨った信号取出部50が形成され、圧力センサ10が完成する。
【0027】
このような本実施の形態によれば以下のような効果がある。
すなわち、中央電極31および周辺電極32の各信号取出部34,35のうち、周辺電極32の信号取出部35のみに引出部38が設けられているから、陽極接合用電極39の不連続部39Aの長さを、一本の引出部38が通る長さに設定すればよく、耐電圧を良好に維持することを考慮しても、十分に短いものにできる。従って、上ガラス30に複数の電極31,32が設けられたとしても、ダイアフラム20と上ガラス30との陽極接合時の接合強度を大きくできる。
【0028】
この際、引出部38が中央電極31を囲む周辺電極32と導通しているうえ、陽極接合時には、その引出部38にダイアフラム20と同じ電圧を印加するから、周辺電極32およびこの周辺電極32に囲まれた中央電極31を、ダイアフラム20と略同電位にすることができ、陽極接合時にダイアフラム20が上ガラス30に引き寄せられるのを防止できる。
【0029】
そして、周辺電極32の信号取出部35のみに引出部38が設けられ、中央電極31の信号取出部34には引出部が設けられていないため、陽極接合用電極39の不連続部39Aにおいて、互いの引出部同士が接近することがなく(図9)、各電極31,32間の絶縁抵抗の低下を防止することもできる。
【0030】
また、積層ウェーハ60において、各引出部38が導通部81で導通されているから、陽極接合を行うにあたって、上ガラス30の各電極31,32をダイアフラム20と略同電位にするためには、導通部81を印加部82に引き出す等し、この印加部82の一箇所に電圧を印加すればよく、前述の米国特許のように、各引出部38毎に導線を接触させるといった面倒な装置や作業を省いて、陽極接合を簡単な設備で容易に行うことができる。
【0031】
また、各導通部81が切断位置87に設けられているため、切断後に圧力センサ10上に余分な導体部分が存在しない。従って、各信号取出部34,35にボンディングを施す際にも、余分な導体を介して導線同士が短絡する心配もなく、不具合をより確実に防止することができる。
【0032】
さらに、絶縁体である上ガラス30の角部30Dには、ダイアフラム20から側面20C,30Cを通って引き出されたダイアフラム20用の信号取出部50が設けられているから、上ガラス30の角部30Dを切り欠いて信号取出部を形成する必要がない。このため、圧力センサ10の大きさが小さい場合でも、ダイアフラム20の信号取出部50を簡単に形成することができ、圧力センサの小型化を一層促進できる。
【0033】
そして、信号取出部50を形成する際には、保持治具111やカバー113を用いることで、複数のセンサチップ61に信号取出部50を同時に形成することができ、圧力センサ10の製造を効率よく行うことができる。
また、保持治具111およびカバー113は、チップ保持部112や丸孔114が設けられただけの簡単な構造であるから、それらを安価でしかも容易に製作することができる。
従って、圧力センサ10のコストを安価にできる。
【0034】
また、上ガラス30の角部30Dには、センサチップ61の時点でパターン50Dが設けられているため、金属等の蒸着により信号取出部50を形成する際、上ガラス30の上面30Bにおいては、蒸着金属がパターン50Dの一部に着けばよく、センサチップ61に対するカバー113の丸孔114の位置精度によらず、安定した形状および位置の信号取出部50を得ることができる。
さらに、パターン50Dが設けられていることで、各センサチップ61を保持治具111に保持させる際には、パターン50Dを目印にして互いの角部30Dを近接させることができ、センサチップ61の向きを違えるといった不具合も防止できる。
【0035】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる他の構成等を含み、以下に示すような変形等も本発明に含まれる。
例えば、前記実施の形態では、ダイアフラム20用の信号取出部50が上ガラス30の上面30Bまで引き出されていたが、信号取出部は、例えば、上ガラス30の側面30Cにのみ引き出されたものであってもよく、上面30Bまで引き出すか否かは、圧力センサの使用形態に応じて適宜に決められてよい。
ただし、ダイアフラム用の信号取出部を、特開平2−290524号公報のように、上ガラス30の角部30Dを切り欠く等して形成した場合でも、請求項3を除く本発明に含まれる。
【0036】
また、前記実施の形態では、上ガラス30のみに中央電極31および周辺電極32が設けられていたが、本発明は、下ガラス40にも同様な電極が設けられた差圧式の圧力センサに適用可能である。
そして、ガラス等の基板に設けられる電極としては、前記実施の形態での中央電極31および周辺電極32のように二つに限られるものではなく、中央電極に相当する電極や周辺電極に相当する電極が各々複数設けられていてもよく、このような場合には、他の電極を囲む一つの電極のみに引出部を設け、また、その電極にのみダイアフラム側と同じ電圧を印加すればよい。
【0037】
さらに、前記実施の形態では、積層ウェーハ60において、各引出部38が導通部81を介して導通されていたが、米国特許4,384,899のように、このような導通部81がない場合でも本発明に含まれる。しかしながら、導通部を前記実施の形態のように設ければ、前述した効果が得られるので好ましい。
そして、前記実施の形態では、ダイアフラム20自身が電極とされていたが、例えば、ダイアフラムが絶縁体である場合には、半導体プロセス等の技術により、このダイアフラムに導電性の薄膜を形成する等して電極を設けてもよい。
また、前記実施の形態では、厚肉部21がダイアフラム20の周縁に一体に設けられていたが、ガラス等の基板側に凹部を加工することにより、厚肉部を基板側に一体に設け、ダイアフラムを均一な厚さのものとしてもよく、あるいは、別体の厚肉部材をダイアフラムと基板との間に介装させる構成でもよい。
【0038】
【発明の効果】
以上に述べたように本発明の圧力センサによれば、陽極接合時の接合強度を大きくできるという効果がある。
【0039】
また、本発明の圧力センサの製造方法によれば、陽極接合時のダイアフラムの引き寄せを有効に防止できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る圧力センサの図2、図4の略I−I線に沿った断面の端面図である。
【図2】前記圧力センサを示す分解斜視図である。
【図3】前記圧力センサを構成する部材の下面図である。
【図4】前記部材の平面図であり、図3を左右方向に反転した図である。
【図5】前記圧力センサの製造方法を説明するための斜視図である。
【図6】図5の要部を拡大して示す平面図である。
【図7】前記圧力センサの製造方法を説明するための別の斜視図である。
【図8】前記圧力センサの製造方法を説明するための断面図である。
【図9】基板側に複数の電極を有する本発明を従来の技術に適用した場合を示す平面図である。
【符号の説明】
10 圧力センサ
20 ダイアフラム
20A、30A 対向面
20C,30C 側面
30 基板である上ガラス
30B 対向面とは反対の面である上面
31,32 複数の電極である中央電極、周辺電極
34,35,50 信号取出部
38 引出部
39 陽極接合用電極
39A 不連続部
60 積層ウェーハ
61 センサチップ
70 ダイアフラムウェーハであるシリコンウェーハ
80 基板ウェーハである上ガラスウェーハ
81 導通部
111 保持治具
112 チップ保持部
113 カバー
114 切欠部である丸孔

Claims (5)

  1. 基板と、この基板に対して間隔を開けて弾性変形可能に対向配置されたダイアフラムと、このダイアフラムおよび前記基板の対向面に各々設けられた電極とを備え、前記基板の電極は複数設けられ、これら複数の電極のうちの少なくとも一つの電極は他の電極を囲んで設けられ、かつ前記基板の前記対向面とは反対の面には、この基板の前記各電極と導通した信号取出部と、これら信号取出部を囲みかつ一部に不連続部が形成された陽極接合用電極とが設けられ、前記基板と前記ダイアフラムとが互いに陽極接合されている圧力センサであって、
    前記各信号取出部のうちの前記他の電極を囲む電極のうち最外周の電極と導通した信号取出部のみが、前記陽極接合用電極の不連続部を通ってこの陽極接合用電極の外側に引き出された引出部を備えていることを特徴とする圧力センサ。
  2. 請求項1に記載の圧力センサにおいて、複数の前記基板が一体に形成された基板ウェーハと、複数の前記ダイアフラムが一体に形成されたダイアフラムウェーハとが、互いに前記陽極接合されて積層ウェーハが形成され、この積層ウェーハに形成された複数のセンサチップを各々に切断することで製造されており、
    前記積層ウェーハには、各センサチップ毎の前記引出部と導通した一連の導通部が設けられ、この導通部は、前記積層ウェーハの切断位置に設けられていることを特徴とする圧力センサ。
  3. 請求項1または請求項2に記載の圧力センサにおいて、前記基板の側面にはダイアフラムの電極と導通したダイアフラム用の信号取出部が設けられていることを特徴とする圧力センサ。
  4. 基板と、この基板に対して間隔を開けて弾性変形可能に対向配置されたダイアフラムと、このダイアフラムおよび前記基板の対向面に各々設けられた電極とを備え、前記基板の電極は複数設けられ、これら複数の電極のうちの少なくとも一つの電極は他の電極を囲んで設けられ、かつ前記基板の前記対向面とは反対の面には、この基板の前記各電極と導通した信号取出部と、これら信号取出部を囲む陽極接合用電極とが設けられ、前記基板および前記ダイアフラムが互いに陽極接合されている圧力センサの製造方法であって、
    前記ダイアフラムの電極と前記他の電極を囲む電極のうち最外周の電極とを同電位にし、前記基板および前記ダイアフラムを互いに陽極接合することを特徴とする圧力センサの製造方法。
  5. 請求項4に記載の圧力センサの製造方法において、複数の前記基板が一体に形成された基板ウェーハと、複数の前記ダイアフラムが一体に形成されたダイアフラムウェーハとを、互いに前記陽極接合して積層ウェーハを形成し、この積層ウェーハに形成された複数のセンサチップを各々に切断し、切断された複数のセンサチップを複数のチップ保持部が設けられた保持治具で所定間隔に保持させるとともに、前記各センサチップの少なくとも前記ダイアフラムの電極に導通した部位と前記基板の側面とを前記保持治具から露出させた状態にし、この状態で、切欠部を有するカバーを隣接し合う前記各センサチップ上に配置して、前記切欠部を前記各センサチップの互いに近接した部位に対向させ、この後、この対向させた切欠部に向かって導電性を有する蒸着材料を蒸発させて供給し、前記ダイアフラムの電極に導通した部位と前記基板の側面とに跨ったダイアフラム用の信号取出部を形成することを特徴とする圧力センサの製造方法。
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