JP4250314B2 - 飲料ディスペンサにおけるコック駆動装置の補正方法および装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、飲料ディスペンサに関し、更に詳細には、ディスペンサの本体に配設した注出コックの操作用レバーを自動で開閉操作して飲料を注出するコック駆動装置の補正方法および装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
発泡飲料をレバー操作で注出する装置、例えばビールサーバーでは、本体に配設された注出コックは操作用レバーを備え、手動により該レバーを一方向へ倒してビールをジョッキに所定量注出した後、該レバーを反対方向へ倒してビールの細かい泡を前記ジョッキ中のビールに後注ぎする機能を備えたものがある。しかし、手動によるレバー操作でビールおよび泡を注出する場合、操作者の違いによる注出量の不揃いを生ずる難点がある。そこで、前記操作用レバーを駆動装置により自動的に操作する提案として、特開平9−48498号公報に開示される注出自動化装置が存在する。この装置では、本体に配設したモータと注出コックの操作用レバーとをアタッチメントとスクリューシャフトを介して連結し、モータの正逆回転により操作用レバーを前後動させることでビールや泡の注出を行なうよう構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前述した注出自動化装置では、前記モータの回転時間をタイマで制御することで、前記操作用レバーを開放位置と閉成位置とに移動するよう構成されている。この場合に、サーバー本体に対する注出コックおよびモータの取付け位置にズレを生ずると、モータと操作用レバーとの相対位置がずれてしまい、予め設定されたタイマで該モータを制御すると、操作用レバーが完全に開放しなかったり、あるいは必要以上に開放方向に移動して該レバーに負荷を掛ける不都合を生ずる。また、操作用レバーを開放状態から閉成状態に移動しても、該レバーが閉成位置に正確に停止せず、液洩れを生ずる問題を招く。
【0004】
なお、注出コック内に配設されてビール通過口を遮断するゴム材が摩耗等により変形したり、あるいは操作用レバーのコック本体に対する取付部が、該レバーの前後動により変形する等の経年変化により、操作用レバーの閉成位置がズレることがある。従って、そのままの状態で駆動装置により該操作用レバーを開閉操作すると、前述したと同様の問題が発生する。
【0005】
【発明の目的】
本発明は、従来の技術に係る飲料ディスペンサのコック駆動装置に内在している前記欠点に鑑み、これを好適に解決するべく提案されたものであって、注出コックの操作用レバーを、コック駆動装置により常に正確に開閉繰作することができる飲料ディスペンサにおけるコック駆動装置の補正方法および装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決し、所期の目的を達成するため、本発明に係る飲料ディスペンサにおけるコック駆動装置の補正方法は、
本体に配設された注出コックの操作用レバーに係合する作動部材を備え、該作動部材を待機位置と作動位置とに移動することで、前記操作用レバーを閉成位置と開放位置とに移動させる飲料ディスペンサのコック駆動装置において、
前記閉成位置に臨む操作用レバーの被検知部が、前記待機位置に臨む作動部材に対する正規位置に到来しているか否かを、該作動部材に配設した検知手段により検知し、
前記被検知部の正規位置への到来を検知手段が検知していなければ、該検知手段が被検知部の正規位置への到来を検知する位置まで作動部材を補正移動し、この位置を新たな待機位置として設定することを特徴とする。
【0007】
前記課題を解決し、所期の目的を達成するため、本願の別の発明に係る飲料ディスペンサにおけるコック駆動装置の補正装置は、
本体に配設された注出コックの操作用レバーに係合する作動部材を備え、該作動部材を待機位置と作動位置とに移動することで、前記操作用レバーを閉成位置と開放位置とに移動させる飲料ディスペンサのコック駆動装置において、
前記操作用レバーと一体的に移動する連動部材に配設された被検知部と、
前記作動部材に配設され、閉成位置に臨む前記操作用レバーの被検知部が、待機位置に臨む作動部材に対する正規位置に到来しているか否かを検知する検知手段と、
前記作動部材を作動位置から待機位置に移動して前記操作用レバーを開放位置から閉成位置に移動した際に、前記検知手段が被検知部の正規位置への到来を検知しないときには、該検知手段が被検知部の正規位置への到来を検知する位置まで作動部材を補正移動する制御手段とから構成したことを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係る飲料ディスペンサにおけるコック駆動装置の補正方法および装置につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下説明する。この実施例では、飲料ディスペンサとしてビールサーバーを例示して説明するが、これに限定されるものでなく、ジュースやその他の飲料等を注出するディスペンサでもよいことは勿論である。
【0009】
図1は、好適な実施例に係るビールサーバーの要部を示すものであって、該サーバーの本体10における前面に、注出コック12が配設され、該コック12には、サーバー本体10から水平に延出するビール供給管14が接続されている。注出コック12は、ビールや泡の流路を開閉する各種弁機構(図示せず)を内蔵したコック本体16と、該コック本体16から上方に延出して前後方向への傾倒操作によりビールと泡の注出を切換える操作用レバー18とから基本的に構成される。またコック本体16は、斜め下方へ平行に延出するビール注出ノズル20および泡注出ノズル22を備え、図1では、コック本体16から斜め下方へ延出する右側のノズルがビール注出ノズル20であり、左側のノズルが泡注出ノズル22である。
【0010】
前記操作用レバー18は、実施例においては前方へ傾倒操作することで、前記弁機構を作動(開放)してビール注出ノズル20からビールを注出し、後方へ傾倒操作することで弁機構を作動(開放)して泡注出ノズル22から泡を注出するよう設定される。また操作用レバー18は、コック本体16に内蔵された弁機構のバネによって、非操作時には常にビール注出位置(開放位置)と泡注出位置(開放位置)との間の中立位置(略垂直な姿勢の閉成位置)に位置決めされて、前記弁機構を閉成状態に保持し得るよう設定される。そして、この操作用レバー18を、サーバー本体10の前面に配設されたコック駆動装置24により自動操作し得るよう構成されている。なおサーバー本体10の前面には、図示しないがジョッキ(容器)を載置する載置台が注出コック12の下方位置に配設され、該載置台に載置されたジョッキにビールおよび泡が注出されるようになっている。
【0011】
前記操作用レバー18を自動操作するコック駆動装置24は、サーバー本体10に対して上下方向に移動可能に配設された筐体26に内蔵されて水平に進退移動可能な作動部材としてのスライダ28と、該スライダ28を進退移動させる駆動機構(駆動手段)30とから基本的に構成される。前記筐体26は、図3に示す如く、その内部に配設された摺動体32が、サーバー本体10の前面に配設した案内部34に上下方向に摺動可能に係合され、前記コック駆動装置24を注出コック12から上方に離間する非操作位置と近接する操作位置との間を移動させ得るよう構成される。なお筐体26は、その底部後方に設けたラッチ36を介して、サーバー本体10に対して前記非操作位置および操作位置に位置決めされるようになっている。また筐体26の底板には、前記中立位置に臨む操作用レバー18の挿通および該レバー18の前後の傾倒を許容する寸法の通孔26aが形成してある。
【0012】
前記筐体26の前部には、注出ボタンや注出量設定スイッチ等を備えた操作装置38が配設されており、該操作装置38は、筐体26の内部に配設されてビールサーバーの運転制御を行なう制御手段としての制御基板40に接続されている。
【0013】
前記筐体26の底板上面には、前記通孔26aを挟んで幅方向に離間する一対のガイドレール42,42(一方のみ図示)が対向的に配設されており、該ガイドレール42,42は、前後方向に所定長さで延在している。両ガイドレール42,42に、平板状の前記スライダ28が前後方向に水平移動可能に配設される。このスライダ28には、前記操作用レバー18の挿通を許容する係合孔28aが形成され、筐体26(コック駆動装置24)を前記操作位置に位置決めしたときには、図3に示すように係合孔28aに操作用レバー18が挿通されて、該スライダ28の前後動によって係合孔28aが操作用レバー18に係合して該レバー18を前後方向に傾倒し得るようになっている。また、筐体26(コック駆動装置24)を前記非操作位置に位置決めしたときには、係合孔28aが操作用レバー18から上方に離脱し、該操作用レバー18を手動により前後方向に傾倒操作し得るよう構成される。
【0014】
なお、前記係合孔28aの内径は、前記操作用レバー18の該係合孔28aに対する挿通部位の外径よりも大きく設定され(図2参照)、前記中立位置に正確に位置している操作用レバー18に対してコック駆動装置24も正確な操作位置に位置決めされている状態では、図3に示すように操作用レバー18の外周面と係合孔28aの内周面との間には、少なくとも操作用レバー18の傾倒方向前後に所要の隙間が形成されるようになっている。すなわち、前記サーバー本体10に対する注出コック12およびコック駆動装置24の配設位置に所要の誤差があっても、操作用レバー18に対してスライダ28の係合孔28aを支障なく挿脱し得るよう構成される。
【0015】
前記駆動機構30は、前記スライダ28の上面に配設されて前後方向に所定長さで延在するラック44、該ラック44に噛合するピニオン46、およびこのピニオン46にギヤ列48を介して接続する正逆回転可能なモータ50とから構成される。そして、モータ50によりピニオン46を正逆方向に回転することで、該ピニオン46に噛合するラック44が配設されているスライダ28は、一対のガイドレール42,42に沿って前後方向に水平移動され、前記操作用レバー18を中立位置から前方に傾倒する図4に示す前動位置(作動位置)と、該操作用レバー18を中立位置から後方に傾倒する図5に示す後動位置(作動位置)とに位置決めし得るよう構成される。
【0016】
なお、駆動機構30の作動前の状態では、前記スライダ28は、中立位置に臨む前記操作用レバー18が係合孔28aに挿通可能な待機位置(図3の位置)に位置決めされるようになっている。またスライダ28の前動位置および後動位置は、前記操作用レバー18と係合孔28aとの間に形成される隙間を考慮して、前記待機位置を基準として一定に設定されて、前記弁機構を全開状態としてビールおよび泡の効率的な注出を行ない得るように構成してある。
【0017】
前記モータ50はパルスジェネレータ等の位置検出器を備え、該検出器からのパルスが前記制御基板40に出力され、該制御基板40では、モータ50の回転量(回転数)および回転方向が監視されるよう構成される。そして実施例では、前記スライダ28の待機位置を基準として、前後に予め設定されたパルス数だけモータ50を回転制御することで、該スライダ28を前記前動位置と後動位置とに移動するよう設定される。すなわち、スライダ28を待機位置から前動位置に向けて移動させるモータ50のパルス数が、待機位置を基準とする前設定値に達したときに、該モータ50が停止して所定の注出時間の経過後に逆転され、またスライダ28を前動位置から一旦待機位置に戻した後に、後動位置に向けて移動させるモータ50のパルス数が、待機位置を基準とする後設定値に達したときに、該モータ50が停止して所定の注出時間の経過後に逆転されるよう制御される。なお、スライダ28が前動位置および後動位置に到来した際のモータ50の停止時間は、ビールおよび泡の注出量に応じて設定されるものであって、前記操作装置38によって予め設定される。
【0018】
前記注出コック12の操作用レバー18には、図1に示す如く、該レバー18と一体的に前後動する連動部材52が、前記スライダ28の下方に位置するよう配設される。この連動部材52には、スライダ28に穿設した前後方向に延在する長孔28bに下方から挿通されるホルダ54が立設されており、該ホルダ54は長孔28bに対して前後方向に相対的に移動可能に構成される。またホルダ54におけるスライダ28の上方に臨む部位に被検知部としての磁石56が配設されている。更に、スライダ28の上面に立設した取付板58には、前記磁石56を検知可能な検知手段としての一対のホール素子60a,60bが、スライダ28の移動方向に沿う前後に離間して配設される。そして実施例では、前記操作用レバー18が中立位置に臨んでいる状態で、図1および図2に示すように、前記磁石56が、待機位置に臨んでいるスライダ28の両ホール素子60a,60bの中間位置(正規位置)に臨むよう設定される。なお、ホール素子60a,60bは、磁力によって距離を検出するものであり、前後の両ホール素子60a,60bで検出される磁力の大きさによって、磁石56の現在位置を検知している。
【0019】
前記制御基板40では、一対のホール素子60a,60bの中間位置(正規位置)に磁石56が臨んでいるときのスライダ28の位置を待機位置と設定し、該待機位置を基準として前記モータ50を前述したようにパルス制御するよう設定される。またスライダ28が前動位置、あるいは後動位置から待機位置に戻った際、すなわち操作用レバー18を中立位置(閉成位置)に移動した際に、前記磁石56が一対のホール素子60a,60bの中間位置に到来していない場合は、該磁石56がホール素子60a,60bの中間位置に到来するまでスライダ28を補正移動するようモータ50を回転制御するようになっている。そして、磁石56が中間位置に到来した位置を、スライダ28の新たな待機位置として設定し、次回の作動からは新たな待機位置を基準としてモータ50をパルス制御するよう構成される。なお実施例では、前記連動部材52、磁石56、一対のホール素子60a,60bおよび制御基板40から補正装置が構成される。
【0020】
【実施例の作用】
次に、実施例に係るビールサーバーの作用につき以下説明する。図1は、前記コック駆動装置24により注出コック12の操作用レバー18を自動操作可能な状態で示すものである。このとき、操作用レバー18は操作前の中立位置にあって、待機位置に位置決めされている前記スライダ28の係合孔28aに挿通された状態となっている。また、前記連動部材52の磁石56は、前記両ホール素子60a,60bに対して正規位置である中間位置に臨んでいることが検知されている。
【0021】
前記筐体26の前部に配設した操作装置38の注出ボタンを押すと、前記モータ50が所定方向に回転し、ギヤ列48、ピニオン46およびラック44を介してスライダ28がガイドレール42,42に沿って前進移動する。スライダ28の前進移動に伴って、図4に示す如く、前記操作用レバー18に係合孔28aの内周面が係合当接して、該レバー18は前方に傾倒される。スライダ28が、操作用レバー18をビール注出位置まで傾倒する前動位置に到来すると(パルス数が前設定値に達した時点で)モータ50が停止制御され、スライダ28は該前動位置に位置決めされる。これにより前記ビール供給管14からのビールは、前記ビール注出ノズル20からジョッキへ注出される。
【0022】
予め設定されたビールの注出時間が経過すると、前記モータ50は逆転され、スライダ28は前動位置から待機位置に移動した後、前記後動位置に向けて後退移動する。スライダ28の後退移動に伴って、図5に示す如く、前記操作用レバー18に係合孔28aの内周面が係合当接して、該レバー18は後方に傾倒される。スライダ28が操作用レバー18を泡注出位置まで傾倒する後動位置に到来すると(パルス数が後設定値に達した時点で)モータ50は停止制御され、スライダ28は後動位置に位置決めされる。これにより前記ビール供給管14からのビールが、前記弁機構によって細かい泡となった状態で、前記泡注出ノズル22から前記ジョッキに貯留したビールに後注ぎされる。
【0023】
次に、予め設定された泡の注出時間が経過すると、前記モータ50は再び逆転され、スライダ28は後動位置から待機位置に向けて前進移動することで、操作用レバー18が中立位置に戻ると共にスライダ28は待機位置に停止位置決めされる。この場合に、操作用レバー18とコック駆動装置24との相対位置が、正しい位置に対してずれていても、前述したように係合孔28aの内径は操作用レバー18の外径より大きく設定されているから、操作用レバー18が係合孔28aの内周面に当接して中立位置に戻らなくなるのは防止される。従って、前記弁機構が開放したまま保持されることはなく、各ノズル20,22からビールや泡が洩れることはない。
【0024】
ここで、サーバー本体10に対する注出コック12およびコック駆動装置24の取付け位置のズレ、あるいは前述したゴム材や取付部の経年変化により、前記操作用レバー18の中立位置がズレることがある。従って、前記スライダ28が待機位置に戻った際に、該スライダ28の係合孔28aに対する操作用レバー18の位置が、図6や図7に示すように前後にズレてしまう。また操作用レバー18の中立位置は同じであっても、前記モータ50に加わる負荷側の圧力変動等により、スライダ28が予め設定されている待機位置に正確に戻らない場合がある。このときには、操作用レバー18とスライダ28との相対位置にズレを生じ、前記一対のホール素子60a,60bの中間位置に前記磁石56が到来しなくなる。すなわち、この場合はホール素子60a,60bが磁石56の正規位置への到来を検知しないから、前記制御基板40では、各ホール素子60a,60bに対する磁石56のズレ量に応じて、前記モータ50を対応する方向に回転制御し、磁石56がホール素子60a,60bの中間位置(正規位置)に到来したことを該素子60a,60bが検知する位置までスライダ28を補正移動させる。
【0025】
例えば、図6に示すように後側のホール素子60bに磁石56が近接している場合は、スライダ28を後退移動し、図7に示すように前側のホール素子60aに磁石56が近接している場合は、スライダ28を前進移動し、両ホール素子60a,60bの中間位置に磁石56が到来した時点でモータ50を停止制御する。そして、このときのスライダ28の位置を、新たな待機位置として設定し、以後のコック駆動装置24による注出作動に際しては、この待機位置を基準としてモータ50がパルス制御される。なお、前記スライダ28が待機位置に戻った際に、該スライダ28に対して操作用レバー18の磁石56が正規位置であるホール素子60a,60bの中間位置に到来していれば、補正装置によるスライダ28の待機位置の補正は行なわれない。
【0026】
従って、コック駆動装置24による操作用レバー18の開閉操作は常に正確に行なわれ、操作用レバー18が完全に開放しなかったり、あるいは必要以上に開放方向に傾倒して該レバー18に負荷が掛かることがない。また操作用レバー18が閉成位置に正確に停止せず、液洩れを生ずる問題を招くことも未然に防止し得る。なお、実施例ではモータ50をパルス制御してスライダ28を前動位置と後動位置とに移動しているから、該スライダ28を実際に検知するセンサ等を設ける必要はなく、部品点数を低減し得ると共に省スペース化を図れる。更に、補正制御の検知手段としてホール素子60a,60bを用いることで、装置の小型化も可能となる。
【0027】
【変更例】
前述した実施例では、モータ50のパルス制御によりスライダ28の移動量(前動位置および後動位置)を設定しているが、例えば図8に示すように、スライダ28に設けた作動片62によりON−OFFする検出スイッチ64によりスライダ28の前動位置および後動位置を設定する構成のコック駆動装置24にも、前述した補正装置を採用することができる。またスライダとしては、駆動機構30のピニオン46に噛合するラック44が配設された駆動スライダ部66と、前記操作用レバー18が挿通される係合孔68aが形成された従動スライダ部68と、両スライダ部66,68を一体移動可能に連結する緩衝手段としての圧縮バネ70とから構成したものを採用し得る。この構成のスライダ(作動部材)72では、前記従動スライダ部68に所定以上の力が加わったときには、駆動スライダ部66に対して従動スライダ部68の近接・離間を許容し、前記操作用レバー18や駆動機構30等に過大な力が加わるのを防止することができる。
【0028】
前記スライダを水平に進退移動させる駆動手段としては、実施例の構成に限定されるものでなく、その他各種の機構を採用し得る。また、操作用レバーの被検知部が、作動部材に対する正規位置に到来しているか否かを検知する検知手段としては、実施例のホール素子以外の近接センサや光電センサ等の各種のセンサを用いることができる。なお、近接センサや光電センサを用いる場合の被検知部は、該センサで検知可能なものであればよい。
【0029】
【発明の効果】
以上に説明した如く、本発明に係る飲料ディスペンサにおけるコック駆動装置の補正方法および装置によれば、閉成位置に臨む操作用レバーと待機位置に臨む作動部材との相対位置のズレを検知して作動部材の待機位置を補正するので、該作動部材の移動による操作用レバーの正確な開閉操作が可能となる。従って、各部品の組付け誤差や経年変化等が発生しても、コック駆動装置による操作用レバーの開閉操作は常に正確に行なわれ、操作用レバーが完全に開放しなかったり、該レバーに負荷が掛かるのを防ぐことができると共に、操作用レバーが閉成位置に正確に停止せずに液洩れを生ずる問題を招くことも未然に防止し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の好適な実施例に係るビールサーバーに配設されるコック駆動装置を操作用レバーの自動操作可能な状態で示す縦断側面図である。
【図2】 実施例に係るスライダと操作用レバーおよび補正装置を、適正な位置関係となっている状態で示す要部平面図である。
【図3】 実施例に係るコック駆動装置を示す要部縦断側面図である。
【図4】 実施例に係るスライダを前動位置に移動した状態での、スライダと操作用レバーおよび補正装置の関係を示すものであって、(a)は側面から視た動作説明図であり、(b)は上面から視た動作説明図である。
【図5】 実施例に係るスライダを後動位置に移動した状態での、スライダと操作用レバーおよび補正装置の関係を示すものであって、(a)は側面から視た動作説明図であり、(b)は上面から視た動作説明図である。
【図6】 実施例に係るスライダの係合孔に対して操作用レバーが後側にズレている状態での、磁石とホール素子との関係を示すものであって、(a)は側面から視た説明図であり、(b)は上面から視た説明図である。
【図7】 実施例に係るスライダの係合孔に対して操作用レバーが前側にズレている状態での、磁石とホール素子との関係を示すものであって、(a)は側面から視た説明図であり、(b)は上面から視た説明図である。
【図8】 スライダの移動量を制御する変更例に係る機構を採用したコック駆動装置の要部を示す要部縦断側面図である。
【図9】 変更例に係るスライダを採用したコック駆動装置の要部を示す縦断側面図である。
【符号の説明】
10 サーバー本体(本体),12 注出コック,18 操作用レバー
28 スライダ(作動部材),40 制御基板(制御手段),50 モータ
52 連動部材,56 磁石(被検知部)
60a、60b ホール素子(検知手段),72 スライダ(作動部材)
Claims (2)
- 本体(10)に配設された注出コック(12)の操作用レバー(18)に係合する作動部材(28,72)を備え、該作動部材(28,72)を待機位置と作動位置とに移動することで、前記操作用レバー(18)を閉成位置と開放位置とに移動させる飲料ディスペンサのコック駆動装置において、
前記閉成位置に臨む操作用レバー(18)の被検知部(56)が、前記待機位置に臨む作動部材(28,72)に対する正規位置に到来しているか否かを、該作動部材(28,72)に配設した検知手段(60a,60b)により検知し、
前記被検知部(56)の正規位置への到来を検知手段(60a,60b)が検知していなければ、該検知手段(60a,60b)が被検知部(56)の正規位置への到来を検知する位置まで作動部材(28,72)を補正移動し、この位置を新たな待機位置として設定することを特徴とする飲料ディスペンサにおけるコック駆動装置の補正方法。 - 本体(10)に配設された注出コック(12)の操作用レバー(18)に係合する作動部材(28,72)を備え、該作動部材(28,72)を待機位置と作動位置とに移動することで、前記操作用レバー(18)を閉成位置と開放位置とに移動させる飲料ディスペンサのコック駆動装置において、
前記操作用レバー(18)と一体的に移動する連動部材(52)に配設された被検知部(56)と、
前記作動部材(28,72)に配設され、閉成位置に臨む前記操作用レバー(18)の被検知部(56)が、待機位置に臨む作動部材(28,72)に対する正規位置に到来しているか否かを検知する検知手段(60a,60b)と、
前記作動部材(28,72)を作動位置から待機位置に移動して前記操作用レバー(18)を開放位置から閉成位置に移動した際に、前記検知手段(60a,60b)が被検知部(56)の正規位置への到来を検知しないときには、該検知手段(60a,60b)が被検知部(56)の正規位置への到来を検知する位置まで作動部材(28,72)を補正移動する制御手段(40)とから構成した
ことを特徴とする飲料ディスペンサにおけるコック駆動装置の補正装置。
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