JP4249943B2 - 携帯電子機器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は携帯電子機器に係り、より詳細には、筐体の一部または全体が金属からなる携帯電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯電子機器は、例えば、携帯電話機、PHS電話機などの移動体通信端末において、筐体を樹脂成形により形成して外面の一部または全体に金属からなる部品を取り付けて意匠的な外観を向上させる構造がよく知られている。図6は、このような携帯電話機に金属部を設けた従来の携帯電子機器の一実施形態を示す斜視図である。
【0003】
図6に示すように、従来の携帯電子機器の一実施形態は、折り畳み式の携帯電話機に採用したものであり、この折り畳み式の筐体30を樹脂材からなる内ケース32と外ケース34とを嵌合して形成し、この内部に表示部38などの内部部品を複数収納した構造を備えている。ここで、従来の携帯電子機器の一実施形態は、外ケース34に金属材からなる金属カバー40を一部または全体に取り付けることで、外部に露出する筐体30の意匠的な外観を向上させている。この金属カバー40は、外ケース34の表面に接着剤などの接合材またはネジ(図6ではネジ)を用いて装着している。
このように従来の携帯電子機器は、図6に示したように、筐体30を樹脂材からなる内ケース32と外ケース34とにより形成し、外ケース34の外面に金属カバー40を装着することで、特に、折り畳み時に露出する筐体30の意匠的な外観を向上させ、且つ、使用者が好むデザインに形成していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の携帯電子機器では、図6に示した外ケース34に金属カバー40をネジ止めする場合、ネジが金属カバー40の表面に露出してデザイン的に影響を受けてしまう。また、金属カバー40を接着剤などの接合材により取り付ける場合、この金属カバー40の端部から接合材がはみ出してしまうため、これを除去する作業が必要になり製造効率を低下させるという不具合があった。
また、従来の携帯電子機器では、樹脂成形した内ケース32及び外ケース34により筐体30を形成し、この筐体30の外面に更に金属カバー40を取り付ける構造のため、筐体40の厚みが厚くなり機器全体の薄型化が困難になるとともに、重量も増えてしまい軽量化することができないという不具合があった。
【0005】
本発明はこのような課題を解決し、筐体の金属部に一定の強度を備えて薄型化が実現でき、作業性を改善して容易に組み立て可能な携帯電子機器を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は上述の課題を解決するために、二つの筐体が連結されて折り畳み可能に構成された携帯電子機器であって、筐体は一対のケースを有して構成され、この一対のケースの一方は金属により形成されて二つの筐体が折り畳まれた状態において筐体の外面を構成する金属ケースであり、金属ケースは内面に接合された補強板を長手方向に対する端部側に有し、一対のケースの他方は補強板に固着される。
ここで、補強板は、熱硬化性の接合材により筐体の内面に接合されることが好ましい。また、補強板は、金属ケースの内面形状に合致して熱硬化性の接合材により金属ケースの内面に接合される接合面を有し、接合面は、シボ加工したシボ面と突部を有して凹凸状に形成される突部面との少なくとも一方を有して形成されることが好ましい。また、補強板は、金属ケースの内面との間に接合材の溜まり部を形成することが好ましい。また、補強板は、ネジが螺合されて他方のケースを固着するためのボスを有することが好ましい。また、補強板は、筐体内に収納される内部部品を覆って位置決めする又は保護することが好ましい。
【0007】
また、本発明は、一対のケースを有して構成される筐体を備えた携帯電子機器であって、一対のケースの一方は金属により形成されて筐体の外面を構成する金属ケースであり、この金属ケースは熱硬化性の接合材により内面に接合された補強板を長手方向に対する端部側に有し、一対のケースの他方は補強板に固着され、この補強板は金属ケースの内面との間に接合材の溜まり部を形成する。
【0008】
【発明の実施の形態】
次に、添付図面を参照して本発明による携帯電子機器の実施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明による携帯電子機器の一実施形態を示す斜視図である。また、図2は、図1に示した金属ケース14及び補強板20を示す分解斜視図である。また、図3は、図2に示したA―A線の断面で補強板20を接合した状態を示す図である。また、図4は、図1に示した筐体10内の内部構造を示す断面図である。また、図5は、図1に示した筐体10を折り畳んだ状態を示す斜視図である。
【0009】
図1に示すように、本発明による携帯電子機器の一実施形態は、図6に示した従来技術と同様に、折り畳み式の携帯電話機に採用したものであり、この折り畳み式の筐体10をお互いに嵌合する一対のケースにより形成し、内部に複数の内部部品を収納した構造を備えている。また、本実施の形態は、図6に示した従来技術とは異なり、筐体10を形成する一対のケースが樹脂成形した樹脂ケース12と、金属により形成した金属ケース14とを嵌合して構成している。従って、本実施の形態は、筐体10を構成する一対のケースいずれか一方に金属により形成した金属ケース14を用いることで、この金属ケース14が金属カバーの役割を兼用するように形成している。
【0010】
ここで、金属ケース14は、その内面の一部、例えば、内側面14a及び底面14bと接合され、かつ、所定の幅で延在する樹脂成形した補強板20を少なくとも1箇所以上(図1では2箇所)有している。そして、金属ケース14は、その内側に接合された補強板20を介して他の樹脂ケース12に固着されて筐体10を形成している。この際、補強板20には、樹脂ケース12を嵌合してネジ27により螺合して固着するボス24を一体に形成している。また、補強板20は、図2に示すように、金属ケース14に熱硬化性の接着剤、接着シート、接着テープなどの接合材26(図2では接着テープ)を用いて接合している。この際、補強板20は、金属ケース14の内側面14a及び底面14bの面形状に合わせてほぼ合致する接合面22を有し、この接合面22にシボ(梨地)加工したシボ面22a及び/又は突部Bを所定の間隔で複数配列させた突部面22b(図2では両方)を設けている。例えば、図1では金属ケース14の底面14bに接合される補強板20の接合面22はシボ面22aからなり、金属ケース14の内側面14aと接合される補強板20の接合面22は、凹凸に形成された突部の突部面22bからなる。従って、接合面22は、シボ面22aと突部面22bとによる凹凸面に形成され、接着面積を増やして接着強度を増す面形状に形成している。
【0011】
また、この補強板20は、図2に示したように、所定の冶具(図示せず)に固定してシボ面22aの上部に接合材26を貼着するとともに、金属ケース14を被せるように設置し、この金属ケース14の上部から熱を加えることで、熱硬化性の接合材26を溶融させて接合する。ここで、補強板20には、金属ケース14に接合する側面に突部Bを形成しており、この突部B間に形成される凹部Cと金属ケース14とで形成される空間を接合材が溜まる第一の溜まり部とするとともに、図3に示すように、突部面22bの周囲に形成された切り欠き部Dと金属ケース14とで形成される空間を接合材が溜まる第二の溜まり部としてあり、接合面積を増やして接合力を高めることができるとともに、溶融した接合材26を溜めて流出する(はみ出す)ことを防止している。従って、本実施の形態では、補強板20の側面に突部Bを複数配列した突部面22bを設け、第一及び第二の溜まり部C、Dを設けることで、接合強度を大幅に向上させることができるとともに、余分な接合材26が溜まって外部への流出(はみ出し)を防止し、容易に組み立てができ作業性を改善することができる。
【0012】
そして、補強板20を接合した金属ケース14は、図1に示したように、樹脂ケース12を介してネジ27を補強板20のボス24に締結し、内部部品を複数装着した樹脂ケース12の背面を封止する。この際、補強板20は、図4に示すように、樹脂ケース12と金属ケース14とからなる筐体10内に収納したバイブレータ16、表示部18などの内部部品を覆って位置決めまたは保護している。このバイブレータ16、表示部18などの内部部品は、例えば、補強板20に所定の固定部を設けて直接装着し、位置決めまたは保護することも可能である。従って、金属ケース14は、図5に示すように、筐体10を折り畳んだ際、両端側に補強板20を各々収納しているため、例えば、落下などの衝撃が加わっても補強板20により一定の強度を保ち変形することなく、ネジ止めにより容易に外れることを防止し、且つ、この補強板20で同時に内部部品を保護できる。
【0013】
このように、本発明による携帯電子機器の一実施形態によると、金属ケース14の内面に接合した補強板20に樹脂ケース12をネジ止めする構造のため、ネジが金属ケース14の表面に露出することなく、デザイン的に影響を受けることがなくなる。また、補強板20に第一及び第二の溜まり部C、Dを設けて余分な接合材26の流出(はみ出し)を防止するため、容易に組み立てができ作業性を改善できる。
また、本発明による携帯電子機器の一実施形態によると、金属ケース14の内面の一部だけに補強板20を接合しているため、筐体10内の容積を大きくすることができ部品配置等の自由度を高めることができるとともに、この補強板20により金属ケース14が一定の強度を保ち変形することなく、容易に外れることを確実に防止し、且つ、内部部品も同時に保護できる。
【0014】
さらに、本発明による携帯電子機器の一実施形態によると、筐体10を樹脂ケース12と金属ケース14とにより形成しているため、別途金属カバーを設ける必要がなく、筐体10の厚みを薄く形成でき、装置全体の薄型化を実現できる。以上、本発明による携帯電子機器の実施の形態を詳細に説明したが、本発明は前述した実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
【0015】
例えば、携帯電話機に採用した携帯電子機器の一実施形態を説明したが、これに限定されるものではなく、PHS電話機、PDA、ノートパソコンなどの携帯電子機器にも適用可能である。
また、折り畳み式の携帯電話機に採用した携帯電子機器の一実施形態を説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、ストレート式の筐体にも適用することができる。
【0016】
【発明の効果】
このように本発明による携帯電子機器によれば、金属ケースの内面に接合した補強板に樹脂ケースをネジ止めする構造のため、ネジが金属ケースの表面に露出することなく、デザイン的に影響を受けることがなくなる。また、補強板に接合材の溜まり部を設けて余分な接合材の流出を防止することで、容易に組み立てができ作業性を改善することができる。
また、本発明による携帯電子機器によれば、金属ケース内の内面に補強板を接合しているため、この補強板により金属ケースが一定の強度を保ち変形することなく、容易に外れることを確実に防止できる。
さらに、本発明による携帯電子機器によれば、金属ケースと樹脂ケースとにより筐体を形成しているため、別途金属カバーを設ける必要がなく、筐体の厚みを薄く形成でき、装置全体の薄型化を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による携帯電子機器の一実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1に示した金属ケース及び補強板を示す分解斜視図である。
【図3】図2に示したA―A線の断面で補強板を接合した状態を示す図である。
【図4】図1に示した筐体内の内部構造を示す断面図である。
【図5】図1に示した筐体を折り畳んだ状態を示す斜視図である。
【図6】従来の携帯電子機器の一実施形態を示す斜視図である。
【符号の説明】
10 筐体
12 樹脂ケース
14 金属ケース
20 補強板
22 接合面
22a シボ面
22b 突部面
24 ボス
26 接合材

Claims (7)

  1. 二つの筐体が連結されて折り畳み可能に構成された携帯電子機器であって、
    前記筐体は、一対のケースを有して構成され、
    前記一対のケースの一方は、金属により形成されて前記二つの筐体が折り畳まれた状態において前記筐体の外面を構成する金属ケースであり、
    前記金属ケースは、内面に接合された補強板を長手方向に対する端部側に有し、
    前記一対のケースの他方は、前記補強板に固着される、ことを特徴とする携帯電子機器。
  2. 前記補強板は、熱硬化性の接合材により前記筐体の内面に接合される、ことを特徴とする請求項1に記載の携帯電子機器。
  3. 前記補強板は、前記金属ケースの内面形状に合致して前記熱硬化性の接合材により前記金属ケースの内面に接合される接合面を有し、前記接合面は、シボ加工したシボ面と突部を有して凹凸状に形成される突部面との少なくとも一方を有して形成される、ことを特徴とする請求項2に記載の携帯電子機器。
  4. 前記補強板は、前記金属ケースの内面との間に前記接合材の溜まり部を形成する、ことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の携帯電子機器。
  5. 前記補強板は、ネジが螺合されて前記他方のケースを固着するためのボスを有する、ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の携帯電子機器。
  6. 前記補強板は、前記筐体内に収納される内部部品を覆って位置決めする又は保護する、ことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の携帯電子機器。
  7. 一対のケースを有して構成される筐体を備えた携帯電子機器であって、
    前記一対のケースの一方は、金属により形成されて前記筐体の外面を構成する金属ケースであり、
    前記金属ケースは、熱硬化性の接合材により内面に接合された補強板を長手方向に対する端部側に有し、
    前記一対のケースの他方は、前記補強板に固着され、
    前記補強板は、前記金属ケースの内面との間に前記接合材の溜まり部を形成する、ことを特徴とする携帯電子機器。
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