JP5068420B2 - 携帯電子機器 - Google Patents

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この発明は、携帯電話機、簡易型携帯電話機(PHS(登録商標))、PDA(Personal Digital Assistants)、デジタルカメラ等の携行可能な携帯電子機器に関する。
従来より、携帯電子機器は、各種情報を表示する表示装置と、各種情報を入力するための入力手段と、電子部品や配線の接続端子等の各種部品を実装した回路基板と、電力供給用のバッテリーとを筐体内部に設けた構成を有している(例えば、特許文献1参照。)。表示装置や入力手段は筐体の一方の主面側に配され、バッテリーは筐体の他方の主面側に配されている。また、回路基板は、これら表示装置や入力手段とバッテリーとの間に配されている。
この携帯電子機器には、例えば、床におかれた携帯電子機器を誤って足で踏む等して、筐体に荷重が加えられても破損し難い機械的特性が要求されている。
特開10−276249号公報
しかしながら、上記従来の携帯電子機器では、筐体の厚さ方向に荷重が加えられると回路基板に実装された電子部品や接続端子が回路基板から剥離したり、配線が断線するなどして、回路基板と各種部品との接触不良が発生するという問題があった。
この発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、回路基板とこれに実装される各種部品との接触不良の発生を低減できる携帯電子機器を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
本発明に係る携帯電子機器は、各種部品を実装し、長手方向が筐体の長手方向と一致し、当該筐体に固定される回路基板および当該回路基板より剛性の高いバッテリーが筐体内部において当該筐体の厚さ方向に重畳した状態で配され、前記バッテリーは、少なくとも前記回路基板の長手方向において前記回路基板よりも短く、前記回路基板には、当該回路基板の前記長手方向に対して直交し、前記バッテリーに重畳する領域内で、かつ、前記筐体の一方の主面に対して前記バッテリーを挟んで前記一方の主面とは反対側の前記筐体の他方の主面の方向へ所定の荷重が加えられた場合に前記他方の主面に現れる屈曲点に対応する当該回路基板の部位を通る第1の直線上に、前記各種部品を実装しない第1の不実装領域が形成されている。
ここで、回路基板に実装される各種部品としては、例えば、携帯電子機器の制御を行うための電子部品や、表示装置や操作キー等の各種電気部品と回路基板とを電気接続するための接続端子等がある。
また、前記回路基板には、前記長手方向における前記バッテリーの両端面の少なくとも一方と重畳する領域を通り、かつ前記第1の直線と平行な第2の直線上に第2の不実装領域が形成されている。
携帯電子機器を構成する筐体の厚さ方向に静圧荷重が加えられた場合には、バッテリーの端部や筐体の屈曲部分と対向する回路基板の部位に応力が集中して、この回路基板の部位が屈曲するが、この発明によれば、静圧荷重に基づく回路基板の屈曲部分を電子部品や接続端子等の各種部品を実装しない不実装領域としたことから、この屈曲に基づいて各種部品が回路基板から剥離したり断線することを防止し、各種部品と回路基板との電気的な接触不良を抑制することができる。
図1から図6は本発明に係る一実施形態を示しており、ここで説明する実施の形態は、この発明を携帯電話機に適用した場合のものである。図1〜5に示すように、この実施の形態に係る携帯電話機(携帯電子機器)1は、平面視略矩形の板状に形成された筐体2の内部に、複数の数字キー等からなるキー操作部3と、回路基板5と、バッテリー7と、通話用のマイクロフォン部18及びスピーカ部19とを配して構成されている。
この筐体2は、一方の主面2a側を構成するフロントケース9、及び、他方の主面2b側を構成するリアケース11を備えており、これらフロントケース9及びリアケース11は、互いに筐体2の厚さ方向に結合可能となっている。
マイクロフォン部18及びスピーカ部19は、筐体2の長手方向(Y方向)の両端部2c,2dにそれぞれ配されており、スピーカ部19はフロントケース9の主面2aに形成された放音口9aを通じて音声等を放音するようになっている。また、マイクロフォン部18はフロントケース9の主面2aに形成された集音口9bを通じて音声等を集音するようになっている。なお、スピーカ部19を配した筐体2の長手方向の一端部2cには、基地局との無線通信を行うためのアンテナ13が設けられている。
キー操作部3は、複数のキー群が配されたキーシート16と、回路基板5の一方の主面5aに前記キー群と同じように配された複数のキースイッチ40とを有し、キーシート16及び回路基板5は、フロントケース9とリアケース11との間に、フロントケース9の内面9cから順番に重ねて配され、この状態において各キー17と、回路基板5上のキースイッチ40とがそれぞれ対向配置されるようになっている。
キーシート16は、フロントケース9の内面9cに配される平面視略矩形状のラバーシート15と、ラバーシート15からその厚さ方向に突出して一体的に形成された複数の操作キー17とを備えている。複数の操作キー17は、ラバーシート15をフロントケース9の内面9cに配した状態において、フロントケース9の内面9cから主面2aに貫通して形成された挿通孔9dから外方に突出するようになっている。この状態において、各操作キー17は、筐体2の主面2a側から押圧可能となっており、それぞれ通話キー、終話キー等の各種機能を有している。
図3,4に示すように、フロントケース9の内面9cに対向する回路基板5の主面5aには、マイクロフォン部18、スピーカ部19及びキースイッチ40等が形成されている。また、主面5aの反対側に位置する回路基板5の主面5bには、携帯電話機1の各種制御を行うための複数の電子部品(不図示)やバッテリー7と配線を介して電気接続を行う接続端子(不図示)等の各種部品が多数実装されている。なお、バッテリー7に対向する電子部品のうち、無線通信を司る部品には、その周囲を覆うシールド板金21が設けられており、外部からのノイズの侵入を防止するようになっている。
また、この回路基板5は、その周縁部をネジ等によりフロントケース9及びリアケース11に固定されている。
バッテリー7は、平面視略矩形の板状に形成され、筐体2の一部を構成するリアケース11の主面2bから窪んで形成された平面視略矩形の凹部11bに収容されるようになっている。この凹部11bの開口部は、リアケース11の一部を構成する蓋体31により閉塞されるようになっている。
すなわち、この蓋体31は、略矩形状の薄板状に形成されており、凹部11bに収容されたバッテリー7を覆い隠す役割を果たしている。そして、外方に露出する蓋体31の表面31aは、凹部11bの開口部を閉塞した状態で筐体2の主面2bを形成する。
このバッテリー7は、凹部11bに収容された状態において、回路基板5と電気的に接続されるように構成されている。なお、バッテリー7の幅方向の寸法は、回路基板5の幅寸法と略同等となっており、バッテリー7の長手方向の寸法は、回路基板5の長手方向の寸法よりも短い。また、バッテリー7は、その長手方向の端部が、回路基板5の長手方向の端部よりもそれぞれ内側に位置するように配されている。
リアケース11を介してバッテリー7に対向する回路基板5の主面5bには、少なくともバッテリー7の端部と対向する部位に、電子部品や接続端子等の各種部品を実装しない不実装領域を設ける必要があり、本実施形態では、図5に示すように、前述した電子部品や接続端子等の各種部品を配さないライン状の不実装領域D1〜D4を形成してある。この不実装領域D1〜D4は、回路基板5の幅方向(X方向)に延びるライン状に形成されており、以下に述べるシミュレーションによる実験結果に基づいて設定することが好ましい。
すなわち、図4に示すように、長手方向の中間地点に位置する筐体2の主面2aにZ方向の静圧荷重Fを加えた状態において、筐体2の主面2bの厚さ方向への変位量を測定する実験を行った。この結果を図6のグラフに示す。
このグラフは、静圧荷重Fを筐体2の主面2aに加えたときに現れる筐体2の主面2bの変形曲線を示している。ここで、グラフの横軸は筐体2の主面2bの長手方向(Y方向)を示しており、横軸の零点は、長手方向に関する筐体2の長さ寸法の中間地点、すなわち、静圧荷重Fを加えた位置を示している。また、グラフの縦軸は厚さ方向(Z方向)に関する筐体2の主面2bの変位量を示しており、この縦軸の零点は、筐体2の主面2aに静圧荷重Fが加えられていない状態を示している。
このグラフによれば、長手方向に関して、バッテリー7の長手方向の端部(周縁部)7a,7bと厚さ方向に重なる筐体2の主面2bの部位、及び、バッテリー7の両端部7a,7bの内側に位置する筐体2の主面2bの2つの屈曲点B1,B2において、筐体2の主面2bが屈曲していることが分かる。なお、これら屈曲部分は、変形曲線の変曲点に相当している。そして、回路基板5は、筐体2に固定されているため、静圧荷重Fによって筐体2の主面2bの変形曲線と同様の部位において屈曲することになる。
この屈曲は、静圧荷重Fを加えた際に、例えば、バッテリー7の端部7a,7bと厚さ方向に重なる筐体2の主面2aや回路基板5の部位に応力が集中するために発生する。
前述した不実装領域D1〜D4は、筐体2の主面2aの中央部にZ方向の静圧荷重Fを加えた際に、これら屈曲部分に相当する領域を示している。
すなわち、図5に示すように、長手方向の両端に形成された2つの不実装領域D1,D4は、バッテリー7の各端部7a,7bと対向するようになっている。また、前述した2つの不実装領域D1,D4の間に形成された2つの不実装領域D2,D3は、バッテリー7の両端部7a,7bよりも内側で屈曲する筐体2の主面2bの屈曲点B1,B2と厚さ方向に重なるように配されている。
なお、携帯電話機1のキー操作部3を構成する操作キー17の一部は、回路基板5の不実装領域D1〜D3と厚さ方向に重なる位置に配されている。
以上のように携帯電話機1を構成することにより、筐体2に静圧荷重Fを加えても、電子部品や接続端子等の各種部品を実装しない回路基板5の不実装領域D1〜D4が屈曲するため、この屈曲に基づいて各種部品が回路基板5から剥離したり断線することを防止し、各種部品と回路基板5との電気的な接触不良を抑制することができる。
また、予め筐体2に静圧荷重Fを加える実験を行い、この実験結果に基づいて回路基板5の屈曲位置に各種部品を配さない不実装領域に設定することで、回路基板5と各種部品との電気的な接続不良を容易に回避することができる。
さらに、従来のように、静圧荷重Fに基づく筐体2の屈曲を抑制するために、筐体2の内部に別途補強部材を設けたり、筐体2を剛性が高く、高価なマグネシウム合金等の金属材料から形成したりする必要がないので、製造コストを増やすことなく、回路基板5と各種部品との電気的な接触不良を抑制できる。
なお、上記実施形態において、回路基板5の不実装領域D1,D4は、バッテリー7の長手方向の端部7a,7bに対向するように配されるとしたが、例えば、バッテリー7の幅方向の端部が、回路基板5の主面5bの周縁部よりも内側に位置する場合において、バッテリー7の幅方向の端部に対向する回路基板5の部位に荷重に対する変形が見られるときには不実装領域を形成することが好ましい。
すなわち、少なくとも回路基板5の主面5bの周縁部よりも内側に位置するバッテリー7の主面の周縁部に対向する回路基板5の部位に、不実装領域を形成することが好ましい。ここで、バッテリー7の主面とは、筐体2の厚さ方向に面するバッテリー7の平坦面を示している。
また、不実装領域D1〜D4は、回路基板5の幅方向(X方向)に延びるライン状に形成されるとしたが、これに限ることはなく、少なくともバッテリー7の端部と対向する回路基板5の部位に形成することが好ましく、さらには、筐体2の厚さ方向に静圧荷重Fを加えた際に、屈曲する回路基板5の部位に形成することが望ましい。
さらに、本実施形態においては、1つの筐体2からなる携帯電話機1について述べたが、少なくとも筐体の内部に電子部品を実装した回路基板と、回路基板の厚さ方向に重ねて配されるバッテリーとを設けた携帯電子機器であればよい。したがって、本実施形態の構成を、例えば、PDAやデジタルカメラに適用するとしても構わない。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
この発明の一実施形態に係る携帯電話機を構成する筐体の表面側を示す斜視図である。 図1の携帯電話機において、筐体の裏面側を示す斜視図である。 図1の携帯電話機において、筐体内部に配されるキー操作部、回路基板及びバッテリーを順番に配した状態を示す分解斜視図である。 図1の携帯電話機において、筐体の幅方向から見た断面図である。 図1の携帯電話機において、回路基板の裏面を示す平面図である。 図1の携帯電話機において、筐体の表面に加えた静圧荷重に基づく筐体表面の厚さ方向の変位量を示すグラフである。
符号の説明
1 携帯電話機(携帯電子機器)
2 筐体
2a 主面
5 回路基板
7 バッテリー
7a,7b 端部
21 電子部品(各種部品)
D1〜D4 不実装領域
F 静圧荷重

Claims (2)

  1. 各種部品を実装し、長手方向が筐体の長手方向と一致し、当該筐体に固定される回路基板および当該回路基板より剛性の高いバッテリーが筐体内部において当該筐体の厚さ方向に重畳した状態で配され、
    前記バッテリーは、少なくとも前記回路基板の長手方向において前記回路基板よりも短く、
    前記回路基板には、当該回路基板の前記長手方向に対して直交し、前記バッテリーに重畳する領域内で、かつ、前記筐体の一方の主面に対して前記バッテリーを挟んで前記一方の主面とは反対側の前記筐体の他方の主面の方向へ所定の荷重が加えられた場合に前記他方の主面に現れる屈曲点に対応する当該回路基板の部位を通る第1の直線上に、前記各種部品を実装しない第1の不実装領域が形成されている携帯電子機器。
  2. 前記回路基板には、前記長手方向における前記バッテリーの両端面の少なくとも一方と重畳する領域を通り、かつ前記第1の直線と平行な第2の直線上に第2の不実装領域が形成されている請求項1に記載の携帯電子機器。
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