JP4249114B2 - 車両の走行安全装置 - Google Patents
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本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、連続する複数のカーブからなる連続カーブに対して適切に安全装置を作動させることが可能な車両の走行安全装置を提供することを目的としている。
さらに、請求項3に記載の本発明の車両の走行安全装置によれば、カーブを通過する際に運転者の集中度合が増大すると判断することができる場合には、安全装置が過剰に作動しやすくなったり、あるいは、安全装置の作動時期が過剰に早まってしまったり、あるいは、安全装置の作用が過剰に強められてしまうことを防止して、運転者の状態に応じて安全装置を適正に作動させることができる。
自車位置検出部12は、例えば人工衛星を利用して車両の位置を測定するためのGPS(Global Positioning System)信号や、例えば適宜の基地局を利用してGPS信号の誤差を補正して測位精度を向上させるためのD(Differential)GPS信号等の測位信号や、後述する車両状態検出部13から出力される検出信号に基づく自律航法の算出処理によって車両の現在位置を算出する。
車両状態検出部13は、例えば、車両の現在速度VPを検出する車速センサや車輪速センサ、水平面内での自車両の向きや鉛直方向に対する傾斜角度(例えば、車両の前後方向軸の鉛直方向に対する傾斜角度や車両重心の上下方向軸回りの回転角であるヨー角等)および傾斜角度の変化量(例えば、ヨーレート等)を検出するジャイロセンサ等からなり、各検出信号を自車位置検出部12および後述する比較部16へ出力する。
例えばカーブ認識部14は、道路データの基礎となるノードつまり道路形状を把握するための点(例えば、図2に示す白抜き丸および黒丸)と、リンクつまり各ノードを結ぶ線(例えば、図2に示す白抜き丸および黒丸を結ぶ線)とに基づいて、カーブの形状を認識する。
さらに、カーブ認識部14は連続カーブ判定部31を備えており、この連続カーブ判定部31は、検出したカーブが単独のカーブか否か、あるいは、複数のカーブが連続してなる連続カーブか否かを判定する。
なお、カーブ認識部14は自車両の現在位置から、例えば200m〜300m程度前方に存在するカーブの形状を認識するように設定されている。
これにより、カーブ認識部14により先読みされた200m〜300m程度先の地点までに存在するカーブに対して、適正車速設定部15によって適正速度VSが設定される。
なお、カーブ通過時に自車両に許容される横加速度は、路面状況、タイヤの状況、積載の状態等により変化するため、これらを更に考慮して適正速度VSを設定するようにしてもよい。
作動部17は、例えば安全装置18を作動させるアクチュエータ等をなし、比較部16での比較結果に基づいて安全装置18の作動を制御する。すなわち、比較部16での比較結果において、車両状態検出部13にて検出した車両の現在速度と適正車速設定部15にて設定した適正速度VSとが異なる場合、例えば検出された車両の現在速度VPが適正速度VSよりも高い状態等のように、車両が適正車両状態にない場合には安全装置18を作動させる。
なお、警報装置は、例えば警報音や音声メッセージ等を出力するスピーカからなる音声警報部18aと、例えば警報表示を行うディスプレイや、点灯するランプ等をなす表示警報部18bとを備えて構成されている。
例えば図2に示すように、車両Aが速度V1(例えば、速度V1>適正速度VS)で走行している場合に、進行方向前方に存在するカーブCを適正に通過するためには、カーブCの入口位置CSにて車両の速度が適正速度VSとなるように設定する。
このとき、所定の減速度GS(例えば、0.2G=0.2×9.8m/s2)にて、現在の速度V1(例えば、100km/h)から適正速度VS(例えば、40km/h)まで減速する場合には、減速に要する時間TはT=(V1−VS)/GSにより求められる。そして、この時間Tに基づいて、減速に要する距離つまり減速必要距離L0が算出され、カーブCの入口位置CSから、減速必要距離L0だけ手前の減速開始位置C0(図2に示す黒丸C0)が設定される。
すなわち、車両AがカーブCの手前に設定される警報開始位置CWに到達した時点、つまり車両Aの現在位置とカーブCの入口位置CSとの間の距離(減速対象地点間距離Ln)が、下記数式(1)に示すように設定される警報必要距離LWに等しくなった時点で警報を発する。
そして、作動内容変更部21は、直前に通過したカーブの半径が小さくなることに伴い、あるいは、直前に通過したカーブが深くなることに伴い、あるいは、運転者のブレーキ操作に係るブレーキ圧が増大することに伴い、安全装置18の制御を変更する際の制御変更量を小さくする。
例えば、図3に示す時刻t0から時刻t1の期間のように、車両の走行路にカーブが存在しない状態(つまり、カーブ曲率がほぼゼロの状態)では、運転者の運転に対する集中度合が低下する状態であると判断して、安全装置18(例えば、自動制動装置)が作動しやすいように、あるいは、安全装置18の作動時期が早まるように、あるいは、安全装置18の作用を強めるように制御を変更する際の制御変更量に所定変更量#Gが設定される。
そして、図3に示す時刻t1から時刻t2の期間のように、相対的にカーブ曲率が小さい第1カーブC1を通過している状態では、運転者の運転に対する集中度合が増大していると判断して、カーブ曲率の増大に伴い制御変更量が相対的に小さな変化率で所定変更量#Gから低下傾向に変化するように設定される。
そして、図3に示す時刻t2から時刻t3の期間のように、第1カーブC1の通過以後においては、通過した第1カーブC1から自車両までの距離が増大することに伴い、あるいは、第1カーブC1を通過してからの経過時間が増大することに伴い、運転者の集中度合が低下する状態であると判断して、制御変更量が所定変更量#Gに向かい増大傾向に変化するように設定される。
そして、図3に示す時刻t4から時刻t5の期間のように、第2カーブC2の通過以後においては、通過した第2カーブC2から自車両までの距離が増大することに伴い、あるいは、第2カーブC2を通過してからの経過時間が増大することに伴い、運転者の集中度合が低下する状態であると判断して、制御変更量が所定変更量#Gに向かい増大傾向に変化するように設定される。
しかも、直前のカーブの半径が小さくなることに伴い、あるいは、直前のカーブが深くなることに伴い、カーブを通過する際に運転者の集中度合が増大すると判断することができる場合には、先のカーブに対して安全装置18が過剰に作動しやすくなったり、あるいは、安全装置18の作動時期が過剰に早まってしまったり、あるいは、安全装置18の作用が過剰に強められてしまうことを防止して、運転者の状態に応じて安全装置18を適正に作動させることができる。
11 記憶部(記憶手段)
12 自車位置検出部(自車位置検出手段)
13 車両状態検出部(車両状態検出手段)
14 カーブ認識部(カーブ認識手段)
15 適正車速設定部(適正車両状態設定手段)
16 比較部(比較手段)
17 作動部(作動手段)
18 安全装置
21 作動内容変更部(距離算出手段、変更手段、時間算出手段、運転状態検出手段)
Claims (3)
- 道路データを記憶する記憶手段と、
自車両の位置を検出する自車位置検出手段と、
自車両の車両状態を検出する車両状態検出手段と、
前記記憶手段が記憶した前記道路データに基づき自車両の進行方向に存在するカーブの形状を認識するカーブ認識手段と、
前記カーブ認識手段が認識した前記カーブの形状に基づき該カーブを適正に通過可能な適正車両状態を設定する適正車両状態設定手段と、
前記車両状態検出手段が検出した前記車両状態と、前記適正車両状態設定手段が設定した前記適正車両状態とを比較する比較手段と、
前記比較手段による比較結果において前記自車両の車両状態が前記適正車両状態にないときに、自車両に設けられた安全装置を作動させる作動手段と
を備える車両の走行安全装置であって、
直前に通過したカーブから自車両までの距離を算出する距離算出手段と、
前記距離算出手段が算出した距離が長くなることに伴い、前記カーブ認識手段にて認識された先のカーブに対して、安全装置が作動しやすいように、あるいは、安全装置の作動時期が早まるように、あるいは、安全装置の作用を強めるように制御を変更する変更手段と
を備えることを特徴とする車両の走行安全装置。 - 道路データを記憶する記憶手段と、
自車両の位置を検出する自車位置検出手段と、
自車両の車両状態を検出する車両状態検出手段と、
前記記憶手段が記憶した前記道路データに基づき自車両の進行方向に存在するカーブの形状を認識するカーブ認識手段と、
前記カーブ認識手段が認識した前記カーブの形状に基づき該カーブを適正に通過可能な適正車両状態を設定する適正車両状態設定手段と、
前記車両状態検出手段が検出した前記車両状態と、前記適正車両状態設定手段が設定した前記適正車両状態とを比較する比較手段と、
前記比較手段による比較結果において前記自車両の車両状態が前記適正車両状態にないときに、自車両に設けられた安全装置を作動させる作動手段と
を備える車両の走行安全装置であって、
直前のカーブを通過してからの経過時間を算出する時間算出手段と、
前記時間算出手段が算出した経過時間が長くなることに伴い、前記カーブ認識手段にて認識された先のカーブに対して、安全装置が作動しやすいように、あるいは、安全装置の作動時期が早まるように、あるいは、安全装置の作用を強めるように制御を変更する変更手段と
を備えることを特徴とする車両の走行安全装置。 - 前記変更手段は、前記直前のカーブの半径が小さくなることに伴い、あるいは、前記直前のカーブが深くなることに伴い、安全装置の制御を変更する際の変更量を小さくすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両の走行安全装置。
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