JP4249072B2 - 汚染土壌の処理方法及び処理装置 - Google Patents

汚染土壌の処理方法及び処理装置 Download PDF

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Description

本発明は、汚染土壌の処理方法及び処理装置に関し、更に詳しくは、油や有機溶剤等の有機物に汚染された汚染土壌を乾式粉砕することで効率的に燃焼処理することができ、しかも、燃焼処理の際に生じる残留物をセメントクリンカ原料として用いることが可能な汚染土壌の処理方法及び処理装置に関するものである。
近年、重油、軽油、潤滑油等の鉱物油、大豆油、ごま油等の植物油、有機溶剤等の有機物、ダイオキシン等に汚染された汚染土壌は、固形化・埋立処理、加熱による除去・焼却処理、化学的・生物的な分解処理等により処理されているが、埋立処理は、新たに埋立処分場を確保することが難しくなってきており、また、焼却処理についても焼却場の確保が年々難しくなってきている。
そこで、汚染土壌の処理方法の一つとして、汚染土壌をセメント製造設備に供給して燃焼処理するとともに、燃焼処理の際に生じた残留物をセメントクリンカ原料として用いる処理方法が提案され、実用に供されている。
ここで、汚染土壌を直接セメント製造設備に供給した場合、この汚染土壌に含まれる油や有機溶剤等の有機物の一部が揮散し、この揮散した有機物の一部が外部に排出されてしまう虞がある。また、セメント焼成の排ガスは、揮散した有機物を含むと、排ガス中のダストの電気抵抗値を不安定にし、電気集塵機の集塵効率を低下させ、一部のダクトが外部に放出される虞があった。
そこで、汚染土壌の汚染物質を外部に放出することのない処理方法として、次の様な2種類の汚染土壌の処理方法が提案されている。
(1)乾式法
揮発性有機化合物(VOC)等の汚染物質を含む汚染土壌を加熱装置に供給し、汚染土壌中の揮発性有機化合物を揮発・分解させて除去し、残った固形物である土壌をセメントクリンカ原料の一部として利用する方法である(例えば、特許文献1参照)。
この方法では、加熱装置としてロータリーキルン、ロータリードライヤー等が用いられ、加熱装置の熱源として、通常、セメント焼成設備から排出される排ガスが用いられる。また、加熱装置の排ガスは揮散した有機物を含んでいるので、この排ガスをセメント焼成設備の800℃以上の高温部に導入することにより、含まれる有機物を分解・除去している。
(2)湿式法
汚染土壌を湿式粉砕してスラリー状の汚染土壌とし、このスラリー状の汚染土壌をセメント焼成設備の高温位置に直接投入し、含まれる油等の有機物等を焼却・除去する方法である(例えば、特許文献2、3参照)。
図2は、従来の加熱処理した汚染土壌、または湿式粉砕を行いスラリー状にした汚染土壌を処理するセメント製造設備の一例を示す模式図であり、このセメント製造設備では、汚染土壌を燃焼・分解した後の土壌をセメントクリンカ原料の粘土成分として用いている。
図において、1はセメント原料を乾燥・粉砕する原料ミル、2はセメント原料粉を分離するサイクロン、3はセメント原料貯蔵庫、4は廃棄物類貯蔵庫、5は湿式ミルで粉砕処理されたスラリー状の汚染土壌を貯蔵する汚染土壌貯蔵庫、6はスラリー状の汚染土壌を輸送する輸送ポンプ、7はロータリーキルン、8はクリンカクーラ、9は仮焼炉、10は複数段のサイクロン10a〜10dからなるサスペンションプレヒータ、11は仮焼炉の2次ダクト、12は電気集塵機、13は排気煙突、14はバーナーである。
また、21はクーラ排気ライン、22はセメント原料供給ライン、23は廃棄物供給ライン、24はセメント原料粉供給ライン、25はセメントクリンカ搬送ライン、26はスラリー状の汚染土壌供給ラインである。
このセメント製造設備では、湿式ミルを用いて水と共に汚染土壌を湿式粉砕して高含水のスラリー状の汚染土壌とし、このスラリー状の汚染土壌を800℃以上のロータリーキルン7の窯尻部7aに供給し、この汚染土壌をロータリーキルン7内にて燃焼・分解することにより、有機物を取り除くとともに、この有機物を燃料の一部として有効利用することができる。また、燃焼・分解の後の残留土壌は、ロータリーキルン7の内部でセメントクリンカ原料の一部として有効利用することができる。
このスラリー状の汚染土壌は、上記のロータリーキルン7の窯尻部7aの他、仮焼炉9、サスペンションプレヒータ10の高温部等に投入することもできる。
この様に、上記の乾式法、湿式法のいずれの汚染土壌の処理方法においても、鉱物油、植物油、有機溶剤等の汚染物質を、セメント焼成設備の800℃以上の高温部にて燃焼・分解することにより、無害化している。
特開2003−103243号公報 特開2002−346540号公報 特開2003−71429号公報
ところで、従来の乾式法では、汚染土壌を高温加熱する必要があり、セメント焼成設備の廃エネルギーを有効利用することができないという問題点があった。
すなわち、汚染土壌に含まれる揮発性有機化合物(VOC)としては、例えば、塩素系有機化合物では、分子量が小さく沸点が100℃以下の高揮発性のものから、比較的分子量が大きく沸点が400℃程度の低揮発性のものまであり、潤滑油等も、同様に沸点が高い。
これらの有機物を含む汚染土壌から有機物を揮散させるには、汚染土壌の加熱処理時の温度を有機物の沸点以上の温度まで加熱する必要があり、通常は、400℃以上まで加熱する必要があり、そこで、加熱装置に導入されるガスの温度も800℃程度以上が必要となるが、セメント焼成設備にて排出される排ガスは、いずれも温度が低く、上記の加熱処理に適用できる排ガスはない。
したがって、例えば、クリンカクーラからの排気ガスを利用する場合、新たに加温のための加熱装置を取り付けるか、セメント焼成設備の800℃以上の高温部から一部のガスを抽気する必要があった。
また、上記の加熱装置から排出されるガスには、揮散した揮発性有機物や油成分が含まれており、そのまま外部に放出することができないため、このガスをセメント焼成設備の800℃以上の高温部に導入し、含まれる揮発性有機物や油成分を燃焼分解する必要があった。
この様なセメント焼成設備からの高温ガスの抽気や加熱装置からの排ガスのセメント焼成設備への導入は、必ずしもセメント焼成設備の排ガスの有効利用を図ることができないばかりか、セメント焼成設備におけるセメントクリンカの焼成効率を低下させることとなり、セメントクリンカの焼成量を低下させることとなっていた。
一方、従来の湿式法では、水分を多量に含むスラリー状の汚染土壌をロータリーキルン7の窯尻部7aに投入すると、水分の蒸発に伴い窯尻部7aのセメント原料の温度が低下したり、あるいは、セメント原料が焼成によりクリンカに変化する帯域(キルン焼成帯)の温度が低下したり等により、焼成されるセメントクリンカの品質が低下したり、セメント焼成設備のガス量が増加することによりセメントクリンカの焼成量が低下する虞がある等の問題点があった。
このように、従来の乾式法、湿式法のいずれの処理方法においても、汚染土壌の処理にセメント焼成設備を用いた場合、セメント焼成設備の操業に与える影響が大きく、その処理量も制限せざるを得ないという大きな問題点があった。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、油や有機溶剤等の有機物に汚染された汚染土壌をセメント焼成設備にて処理する際に、汚染土壌を効率的に燃焼処理することにより、セメントクリンカの焼成効率の低下やセメント品質に与える影響を最小限に留めることができ、しかも、この汚染土壌をセメントクリンカ原料として有効利用することができる汚染土壌の処理方法及び処理装置を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、油や有機溶剤等の有機物に汚染された汚染土壌をセメント焼成設備を用いて燃焼処理する際に、この汚染土壌を、セメント焼成設備から排出され抽気された排ガスを用いて乾燥させるとともに、この汚染土壌を粉砕し、その後、この乾燥及び粉砕された汚染土壌をセメント焼成設備のロータリーキルン、仮焼炉のいずれか一方または双方における800℃以上の高温部に供給し、この乾燥に用いた後の排ガスをセメント焼成設備に導入することとすれば、セメントクリンカの焼成効率の低下やセメント品質に与える影響を最小限に留めることができ、しかも、この汚染土壌をセメントクリンカ原料として有効利用し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の汚染土壌の処理方法は、有機物を含む汚染土壌をセメント焼成設備を用いて燃焼処理する方法であって、前記セメント焼成設備から排出され抽気された排ガスを用いて前記汚染土壌を70℃以上80℃以下の温度で乾燥しながら粉砕し、次いで、この乾燥及び粉砕された汚染土壌を前記セメント焼成設備のロータリーキルン、仮焼炉のいずれか一方または双方における800℃以上の高温部に供給し、この汚染土壌に含まれる有機物を燃焼・分解するとともに、残った土壌をセメントクリンカ原料として用い、前記乾燥に用いた後の排ガスを前記セメント焼成設備に導入することを特徴とする。
この汚染土壌の処理方法では、汚染土壌を、セメント焼成設備から排出され抽気された排ガスを用いて乾燥させるとともに、この汚染土壌を粉砕し、次いで、この乾燥及び粉砕された汚染土壌をセメント焼成設備のロータリーキルン、仮焼炉のいずれか一方または双方における800℃以上の高温部に供給し、この汚染土壌に含まれる有機物を燃焼・分解することにより、乾燥及び粉砕の段階では、有機物を必ずしも揮散させる必要がないために、250〜500℃の比較的低温のガスで汚染土壌を効率的に乾燥及び粉砕することが可能になる。
また、汚染土壌を乾燥した粉末状態でセメント焼成設備に供給することにより、汚染土壌に含まれる有機物が完全に燃焼・分解され、ロータリーキルンや仮焼炉の内部にて水分が蒸発する虞がなくなり、セメントクリンカの焼成能力の低下、セメント品質の低下等の虞もなくなる。
また、セメント焼成設備から排出され抽気された排ガスを用いて汚染土壌を乾燥することにより、汚染土壌の乾燥に必要な熱源をセメント焼成設備の排ガスから得られることとなり、セメント焼成設備から排出される排ガスの有効利用が可能になる。
また、乾燥に使用した排ガスをセメント焼成設備に導入することにより、この排ガスに一部の汚染物質が含まれていても、セメント焼成設備内で完全に分解することが可能になり、揮散した汚染物質がセメント焼成設備から外部へ排出される虞がなくなる。
本発明の汚染土壌の処理方法は、前記排ガスを、前記セメント焼成設備のクリンカクーラから抽気される高温ガスとし、この高温ガスを前記乾燥に用いた後に前記クリンカクーラに導入することを特徴とする。
この汚染土壌の処理方法では、セメント焼成設備のクリンカクーラから抽気される高温ガスを用いて汚染土壌を乾燥することにより、クリンカクーラから排出される高温ガスを有効利用することが可能になり、汚染土壌の乾燥の効率が向上する。
また、乾燥に用いた後の高温の排ガスをクリンカクーラにクリンカの冷却空気として循環使用し、再び加温された高温ガスをセメント焼成設備の燃焼用二次空気として利用することが可能になる。しかも、汚染土壌から生じる汚染物質が排ガスに含まれていても、この汚染物質はロータリーキルン、仮焼炉のいずれか一方または双方の00℃以上の高温部にて完全に燃焼・分解され、外部に放出される虞はない。
本発明の汚染土壌の処理装置は、有機物を含む汚染土壌をセメント焼成設備を用いて燃焼処理する装置であって、前記セメント焼成設備から排出され抽気された排ガスを用いて前記汚染土壌を70℃以上80℃以下の温度で乾燥させながら粉砕する乾燥粉砕手段と、この乾燥粉砕された汚染土壌を捕集するとともに、この汚染土壌と共に導入された排ガスを分離する分離捕集手段と、前記乾燥粉砕された汚染土壌を、この汚染土壌に含まれる有機物を燃焼・分解するとともに残った土壌をセメントクリンカ原料として用いるために、前記セメント焼成設備のロータリーキルン、仮焼炉のいずれか一方または双方における800℃以上の高温部に供給する汚染土壌供給手段と、前記分離捕集手段にて分離された排ガスを前記セメント焼成設備に導入する排ガス供給手段と、を備えてなることを特徴とする。
この汚染土壌の処理装置では、セメント焼成設備から排出され抽気された排ガスを用いて汚染土壌を乾燥させるとともに、この汚染土壌を粉砕する乾燥粉砕手段と、この乾燥粉砕された汚染土壌を捕集するとともに、この汚染土壌と共に導入された排ガスを分離する分離捕集手段と、乾燥粉砕された汚染土壌をセメント焼成設備のロータリーキルン、仮焼炉のいずれか一方または双方における800℃以上の高温部に供給する汚染土壌供給手段とを備えたことにより、汚染土壌を比較的低温にて効率的に乾燥及び粉砕することが可能になる。
また、乾燥及び粉砕された汚染土壌を捕集するとともに、この汚染土壌と共に導入された排ガスを分離する分離捕集手段を設けたことにより、乾燥及び粉砕された汚染土壌をセメント焼成設備のロータリーキルン、仮焼炉のいずれか一方または双方に効率的に供給する。
これにより、汚染土壌に含まれる有機物を効果的に除去することが可能になり、セメントクリンカの焼成能力の低下、セメント品質の低下等を防ぐことが可能になる。
本発明の汚染土壌の処理装置は、前記セメント焼成設備のクリンカクーラから抽気された排ガスを前記乾燥粉砕手段に導入する排ガス導入ラインを備え、前記排ガス供給手段は、前記分離捕集手段にて分離された排ガスを前記クリンカクーラに導入する排ガス供給ラインであることを特徴とする。
この汚染土壌は乾燥及び粉砕されているので、ロータリーキルンに供給する場合は、従来の窯尻部であってもよいが、ロータリーキルンの出口側から空気搬送等にて該ロータリーキルン内に吹き込むことも可能である。
また、仮焼炉に供給する場合は、仮焼炉本体に限らず、仮焼炉二次空気ダクトや最下段の原料シュート等の任意の箇所に、空気搬送等にて容易に供給することが可能である。
また、分離捕集手段にて分離された排ガスを前記セメント焼成設備に導入する排ガス供給手段を設けたことにより、乾燥・粉砕に使用した排ガスの有効利用が可能になる。
また、乾燥・粉砕に使用した排ガスに一部の汚染物質が含まれていても、セメント焼成設備内で完全に分解することが可能になり、揮散した汚染物質がセメント焼成設備から外部へ排出される虞がなくなる。
本発明の汚染土壌の処理方法によれば、汚染土壌を、セメント焼成設備から排出され抽気された排ガスを用いて乾燥させるとともに、この汚染土壌を粉砕し、次いで、この乾燥及び粉砕された汚染土壌をセメント焼成設備のロータリーキルン、仮焼炉のいずれか一方または双方における800℃以上の高温部に供給し、この汚染土壌に含まれる有機物を燃焼・分解するとともに、残った土壌をセメントクリンカ原料として用い、乾燥に用いた後の排ガスをセメント焼成設備に導入するので、比較的低温にて汚染土壌を効率的に乾燥・粉砕することができる。
また、汚染土壌を乾燥した粉末状態でセメント焼成設備に供給するので、汚染土壌に含まれる有機物を完全に燃焼除去することができる。また、ロータリーキルンや仮焼炉の内部にて水分が蒸発する虞がないので、セメントクリンカの焼成能力の低下、セメント品質の低下等の虞もない。
本発明の汚染土壌の処理装置によれば、セメント焼成設備から排出され抽気された排ガスを用いて汚染土壌を乾燥させるとともに、この汚染土壌を粉砕する乾燥粉砕手段と、この乾燥粉砕された汚染土壌を捕集するとともに、この汚染土壌と共に導入された排ガスを分離する分離捕集手段と、乾燥粉砕された汚染土壌をセメント焼成設備のロータリーキルン、仮焼炉のいずれか一方または双方における800℃以上の高温部に供給する汚染土壌供給手段と、分離捕集手段にて分離された排ガスをセメント焼成設備に導入する排ガス供給手段と、を備えたので、汚染土壌に含まれる有機物を効果的に除去することができ、セメントクリンカの焼成能力の低下、セメント品質の低下等を防止することができる。
本発明の汚染土壌の処理方法及び処理装置の一実施の形態について、図面に基づき説明する。
なお、本実施形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
図1は、本発明の一実施形態のセメント製造設備を示す模式図であり、有機物を含む汚染土壌等の廃棄物をセメント原料の一部として用いるセメント製造設備の例である。この図1においては、図2と同一の構成要素には同一の符号を付してある。
図において、31は汚染土壌の処理装置であり、汚染土壌の供給ライン32と、供給ライン32から供給される汚染土壌をクリンカクーラ8から排出され抽気された排ガスを用いて乾燥・粉砕する乾燥粉砕機(乾燥・粉砕手段)33と、この乾燥・粉砕された汚染土壌を排ガスから分離し捕集する分離捕集装置(分離・捕集手段)34と、この分離された汚染土壌を仮焼炉9の底部近傍に供給する汚染土壌供給ライン(汚染土壌供給手段)35と、クリンカクーラ8から排出され抽気された排ガスを乾燥粉砕機33に導入する排ガス導入ライン36と、分離捕集装置34にて分離される排ガスをクリンカクーラ8に導入する排ガス供給ライン(排ガス供給手段)37と、これらの装置における汚染土壌の処理量、温度、搬送量等を制御する制御装置(図示略)とにより構成されている。
この汚染土壌の処理装置31は、重油、軽油、潤滑油等の鉱物油、植物油、有機溶剤、ダイオキシン等の有機物に汚染され、かつ50重量%程度以下の水分を含む汚染土壌の燃焼処理に好適である。
乾燥粉砕機33としては、上記の様な有機物に汚染されかつ50重量%程度以下の水分を含む汚染土壌を乾燥粉砕することができるものであればよく、例えば、竪型ミルが好適に用いられる。この竪型ミルは、乾燥と粉砕を同時に行うことができ、しかも、被粉砕物の温度を、通常70〜80℃程度に保持することができるので、例えば、50〜70℃程度の低温で揮散する汚染物質は容易に散逸するものの、80℃以上の高温で揮散する汚染物質は容易に散逸せず、粉砕された汚染土壌に止まる。また、エネルギーの利用効率も高いものであるので、少ないガス量で乾燥粉砕が可能となる。
分離捕集装置34としては、サイクロン式集塵装置、バッグフィルター等が好適に用いられる。特に、バッグフィルターを用いた場合、粉砕した汚染土壌を完全に捕集することにより排ガスとの分離が可能であり、また、汚染土壌を捕集した後の排ガスには汚染土壌の粉塵を含んでいないので、クリンカクーラ8の冷却空気等に再循環し利用することが可能となるので、より好ましい。
次に、このセメント製造設備を用いた汚染土壌の処理方法について説明する。
ここで用いられる汚染土壌としては、重油、軽油、潤滑油等の鉱物油、植物油等の油汚染土壌、ダイオキシン、有機溶剤等に用いられた揮発性塩素化合物等の有機物に汚染され、かつ含水量が50重量%以下、好ましくは40重量%以下の汚染土壌が用いられる。
汚染土壌を処理するには、まず、供給ライン32により汚染土壌を乾燥粉砕機33に供給するとともに、排ガス導入ライン36によりクリンカクーラ8から排出され抽気された排ガスを乾燥粉砕機33に導入し、汚染土壌を乾燥すると同時に粉砕する。なお、クリンカクーラ8から排出され抽気された排ガスは、250〜500℃程度の高温ガスである。
ここでは、汚染土壌の乾燥・粉砕を効率的に行うように、汚染土壌の供給量と排ガスの供給量を最適化する。
これにより、汚染土壌は微粉化され、含水率は1%以下にまで低下し、乾燥したものとなる。
次いで、この乾燥・粉砕された汚染土壌と排ガスを分離捕集装置34に導入し、この乾燥・粉砕された汚染土壌を捕集すると同時に、この汚染土壌と共に導入された排ガスを分離する。
捕集された汚染土壌は乾燥された粉体であるから、空気搬送等の輸送手段(方法)を容易に採用することができ、セメント焼成設備の800℃以上の高温部の任意の位置に輸送・供給することが可能になる。ここでは、汚染土壌供給ライン35により仮焼炉9に供給され、燃焼・分解される。
一方、分離された排ガスは、排ガス供給ライン37によりクリンカクーラ8に戻され、クリンカの冷却用空気として再利用される。
仮焼炉9では、バーナー14から噴出される微粉炭等の主燃料により900℃以上の温度の燃焼フレームが形成されているので、この仮焼炉9に投入された汚染土壌は、燃焼フレームにより高温に加熱されるとともに、クリンカクーラ8から抽気される高温空気により酸素が供給され、燃焼が完全に行われる。したがって、供給された汚染土壌に含まれる有機物は完全に分解され、未反応の有機物あるいは中間生成物として外部に放出される虞はない。
一方、有機物が完全に分解されることにより汚染物質が完全に除去された土壌は、仮焼炉9から最下段のサイクロン10dを経由してロータリーキルン7内に導入され、セメントクリンカの原料である粘土の一部として用いられる。
以上説明したように、本実施形態の汚染土壌の処理方法によれば、乾燥粉砕機33により汚染土壌を乾燥・粉砕し、次いで、この乾燥・粉砕された汚染土壌を仮焼炉9に供給し、この汚染土壌に含まれる有機物を燃焼・分解するので、仮焼炉9内の投入される個所の内部ガス温度が900℃以上の高温であることから、有機物等の汚染物質を完全に燃焼・分解することができ、汚染土壌から汚染物質を完全に除去することができる。
また、汚染物質が完全に除去された土壌は、仮焼炉9から最下段のサイクロン10dを経由してロータリーキルン7内に導入されるので、ロータリーキルン7内で水分が蒸発することもなく、セメント焼成設備におけるクリンカ焼成能力の低下やセメント品質の低下など操業に与える影響も無い。
また、汚染土壌を乾燥・粉砕する際に、汚染物質を揮散させる必要がなく、250〜500℃の比較的低温度の排ガスを利用することができる。したがって、セメント焼成設備から排出される排ガスを有効利用することができる。
また、クリンカクーラ8から排出される高温ガスを用い該排ガスを有効利用するとともに、乾燥粉砕後の排ガスをクリンカクーラ8に戻すことで、クリンカの冷却空気として循環利用し、再び加温された排ガス(空気)をセメント焼成設備の燃焼用二次空気として利用することもできる。
したがって、汚染物質が排ガス中に含まれていても、ロータリーキルン7内での燃焼過程で完全に燃焼・分解することができ、セメント焼成工程に影響を及ぼすこと無く、汚染土壌を完全に処理することができる。
本実施形態の汚染土壌の処理装置31によれば、供給ライン32から供給される汚染土壌をクリンカクーラ8から排出され抽気された排ガスを用いて乾燥・粉砕する乾燥粉砕機33と、この乾燥・粉砕された汚染土壌を排ガスから分離し捕集する分離捕集装置34と、この分離された汚染土壌を仮焼炉9の底部近傍に供給する汚染土壌供給ライン35と、クリンカクーラ8から排出され抽気された排ガスを乾燥粉砕機33に導入する排ガス導入ライン36と、分離捕集装置34にて分離される排ガスをクリンカクーラ8に導入する排ガス供給ライン37とを備えたので、汚染土壌に含まれる有機物を効果的に燃焼・分解することにより完全に除去することができる。
また、乾燥・粉砕された汚染土壌を仮焼炉9の底部近傍に供給するので、セメントクリンカの焼成能力の低下、セメント品質の低下等を防ぐことができる。
なお、本実施形態では、乾燥・粉砕した汚染土壌を仮焼炉9の底部近傍に供給した構成としたが、乾燥・粉砕した汚染土壌をロータリーキルン7の窯尻部7aに供給した構成としても、全く同様の効果を奏することができる。
本発明の一実施形態のセメント製造設備を示す模式図である。 従来のセメント製造設備を示す模式図である。
符号の説明
1 原料ミル
2 サイクロン
3 セメント原料貯蔵庫
7 ロータリーキルン
8 クリンカクーラ
9 仮焼炉
10 サスペンションプレヒータ
10a〜10d サイクロン
11 2次ダクト
12 電気集塵機
13 排気煙突
14 バーナー
21 クーラ排気ライン
22 セメント原料供給ライン
24 セメント原料粉供給ライン
25 セメントクリンカ搬送ライン
31 汚染土壌の処理装置
32 汚染土壌の供給ライン
33 乾燥粉砕機
34 分離捕集装置
35 汚染土壌供給ライン
36 排ガス導入ライン
37 排ガス供給ライン

Claims (4)

  1. 有機物を含む汚染土壌をセメント焼成設備を用いて燃焼処理する方法であって、
    前記セメント焼成設備から排出され抽気された排ガスを用いて前記汚染土壌を70℃以上80℃以下の温度で乾燥しながら粉砕し、次いで、この乾燥及び粉砕された汚染土壌を前記セメント焼成設備のロータリーキルン、仮焼炉のいずれか一方または双方における800℃以上の高温部に供給し、この汚染土壌に含まれる有機物を燃焼・分解するとともに、残った土壌をセメントクリンカ原料として用い、前記乾燥に用いた後の排ガスを前記セメント焼成設備に導入することを特徴とする汚染土壌の処理方法。
  2. 前記排ガスは、前記セメント焼成設備のクリンカクーラから抽気された高温ガスであり、この高温ガスを前記乾燥に用いた後に前記クリンカクーラに導入することを特徴とする請求項1記載の汚染土壌の処理方法。
  3. 有機物を含む汚染土壌をセメント焼成設備を用いて燃焼処理する装置であって、
    前記セメント焼成設備から排出され抽気された排ガスを用いて前記汚染土壌を70℃以上80℃以下の温度で乾燥させながら粉砕する乾燥粉砕手段と、
    この乾燥粉砕された汚染土壌を捕集するとともに、この汚染土壌と共に導入された排ガスを分離する分離捕集手段と、
    前記乾燥粉砕された汚染土壌を、この汚染土壌に含まれる有機物を燃焼・分解するとともに残った土壌をセメントクリンカ原料として用いるために、前記セメント焼成設備のロータリーキルン、仮焼炉のいずれか一方または双方における800℃以上の高温部に供給する汚染土壌供給手段と、
    前記分離捕集手段にて分離された排ガスを前記セメント焼成設備に導入する排ガス供給手段と、を備えてなることを特徴とする汚染土壌の処理装置。
  4. 前記セメント焼成設備のクリンカクーラから抽気された排ガスを前記乾燥粉砕手段に導入する排ガス導入ラインを備え、
    前記排ガス供給手段は、前記分離捕集手段にて分離された排ガスを前記クリンカクーラに導入する排ガス供給ラインであることを特徴とする請求項3記載の汚染土壌の処理装置。
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