JP5888844B2 - セメント製造設備の排ガス中の有機塩素化合物低減方法及び低減装置 - Google Patents

セメント製造設備の排ガス中の有機塩素化合物低減方法及び低減装置 Download PDF

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本発明は、セメント製造設備の排ガス中の有機塩素化合物低減方法及び低減装置に関し、詳細にはセメント製造設備から排出される排ガス中のダイオキシン類やポリ塩化ビフェニル(以下、PCBという)等の有機塩素化合物の排出濃度及び排出量を低減する方法及び該有機塩素化合物を低減する装置に関する。
近年、セメント製造設備においては、産業廃棄物の処理量の増加に伴って産業廃棄物に含まれる塩素等の揮発性成分がキルン内で増加しており、セメントの品質やセメントキルン系の操業に悪影響を及ぼすおそれがあり、問題となっている。
一般に、例えば、残留性有機汚染物質(POPs)であるダイオキシン、ジベンゾフラン、PCB、ヘキサクロロベンゼン等の有機塩素化合物は、これらの物質の燃焼過程で非意図的に生成する場合があることが知られている。
その生成過程は非常に複雑であり、その詳細は十分に解明されていないが、POPsの中でもダイオキシン、PCBの生成過程については比較的研究が進んでおり、次のように考えられている。
すなわち、塩素を含む物質が加熱されたときに、塩素分が主に塩化水素として排ガス中に放出され、これが排ガス中に含まれる炭化水素及び酸素と反応して、フェノール、クロロフェノール、クロロベンゼンなどの前駆体が生成し、この前駆体が更に反応することにより、ダイオキシン類が生成すると考えられている。
セメント製造工程においても、セメント原料及び焼成燃料を加熱して、セメントクリンカを焼成する際に、原料や燃料中に含まれる有機化合物や塩素化合物に由来するダイオキシンやポリ塩化ビフェニル(以下、PCBという)等のPOPsが非意図的に生成する場合がある。
セメント製造工程においてダイオキシンやPCBの生成を抑制するためには、より塩素含有量の少ない原料や燃料を使用して、セメント製造工程への塩素の持込を抑制することが有効であると考えられる。
また、セメント製造設備における排ガスからのダイオキシン、PCB排出量を低減させる方法としては、例えば、特開2004−244308号公報(特許文献1)、特開2002−147722号公報(特許文献2)や特開2007−45648号公報(特許文献3)に提案されている方法がある。
特開2004−244308号公報(特許文献1)では、(A)セメント製造装置の排ガスを、集塵手段を用いて処理し、有機塩素化合物を含むダストを捕集する一方、前記集塵手段による処理後の排ガスを排出する工程と、(B)前記捕集されたダストの少なくとも一部を、前記セメント製造装置内の800℃以上の場所に投入する工程とを含む、セメント製造装置の排ガスの処理方法が提案されている。
かかる方法は、ダイオキシン類は800℃前後で熱分解されるため、有機塩素化合物を含むダストの一部をセメント製造装置内の800℃以上の場所に投入してダイオキシン類を効率的に分解して無害化するというものである。
特開2002−147722号公報(特許文献2)では、外部からセメント工場に持ち込まれたPCB含有物を、ロータリーキルン内に投入し、これをセメントクリンカを焼成するときの熱(1000℃以上)で熱分解し、この熱分解時に発生した排ガスをロータリーキルン外に導出した後、20℃/秒以上の冷却速度で急冷する方法が提案されている。
かかる方法は、排ガスを急冷することにより、ダイオキシン類が合成する温度領域を短時間で通過させて、ダイオキシンの生成を防ぎながらPCBを分解するというものである。
また、特開2007−45648号公報(特許文献3)では、セメント原料からセメントクリンカを焼成する際に発生した排ガス中に吸着粉を供給することで、該焼成時に発生した排ガス中の有機塩素化合物を、前記吸着粉に吸着させる有機物吸着工程と、前記有機塩素化合物を含む吸着粉を集塵機により捕集する集塵工程と、該捕集された吸着粉を、前記セメントクリンカの焼成時の燃料に使用することで、前記吸着粉に吸着された有機塩素化合物を分解する分解工程とを備えたことを特徴とするセメント製造設備の排ガス中の有機塩素化合物低減方法が提案されている。
かかる方法は、焼成時に発生した排ガス中に燃料を兼ねた吸着粉を供給することで、排ガス中に含まれるダイオキシン類、PCBなどの有機塩素化合物を吸着粉に吸着させ、この吸着粉をバグフィルタで捕集して燃料をして使用するというものである。
特開2004−244308号公報 特開2002−147722号公報 特開2007−45648号公報
しかしながら、セメント製造工程への塩素の持込量の制限は、塩素含有量の少ない代替原料がないため、事実上困難である。
また、前記特開2004−244308号公報(特許文献1)に示す方法では、大量の集塵ダストをセメント製造設備の800℃以上の高温部へ投入しなければならず、既存設備を使用する場合には設備の大規模な改造が必要なこと、多量のダストを投入するために、温度管理その他の操業の安定化に支障きたすという問題がある。
特開2002−147722号公報(特許文献2)に記載された方法では、セメント製造設備の系外から搬入されたPCB含有物を分解するが、セメント製造設備内でのPCBの発生を抑制したり、発生したPCBを除去することはできない。
また、特開2007−45648号公報(特許文献3)では、排ガス中に吸着粉を供給するために、排ガス中の煤塵濃度が上昇し、除塵にかかるコストが上昇する。また、この方法では吸着粉をバグフィルタで捕集するため、バグフィルタの設置のないプラントにおいては、設備の新設が必要である。また仮に、バグフィルタの一部が破損した場合、多量の煤塵を含んだ排ガスが系外へ排出される懸念があるという問題がある。
また、セメント製造設備における原料粉砕工程では、原料粉砕装置で原料を粉砕する際に、高温の排ガスを供給し、乾燥も同時に行う場合がある。原料粉砕装置を通過した排ガスは通常は電気集塵機および/またはバグフィルタで除塵され、煙突から排出される。
原料粉砕装置は通常は常時運転されているのではなく、焼成工程への投入量が十分に確保されている場合は休止し、原料粉砕装置での粉砕量と焼成工程への投入量とのバランスを鑑みながら、運転、休止を連続的に繰返すことが行われている。
原料粉砕装置休止時には排ガスは、原料粉砕装置を通らずにバイパスを通って、電気集塵機あるいはバグフィルタへ導入されている。
従って、本発明の目的は、セメント製造設備装置の排ガス中のダイオキシン類やPCB等の有機塩素化合物を効率的に低減させることができる、セメント製造設備の排ガス中の有機塩素化合物低減方法及びその低減装置を提供することである。
具体的には、セメント製造設備から排出される排ガス中のダイオキシン類やPCB等の有機塩素化合物の排出濃度及び排出量を低減する、セメント製造設備の排ガス中の有機塩素化合物低減方法及びその低減装置を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決するため、原料粉砕装置の運転時、休止時で、排ガス中に含まれるダイオキシン、PCB等の有機塩素化合物の濃度が大きく異なることを見出した。すなわち、原料粉砕装置休止時の排ガス中に含まれるダイオキシン、PCB等の有機塩素濃度は、原料粉砕装置運転時の数倍から十数倍に達する。この原因の詳細については明らかにされていないが、排ガス中のダイオキシン、PCBが原料粉砕装置中の原料に吸着しているものと考えられる。
従って、常時、原料粉砕装置を稼動させれば、ダイオキシン、PCB等の有機塩素化合物の排出濃度、排出量を低減させることができるが、焼成工程への投入量の関係から、休止せざるを得ない場合もある。
本発明は、一系列の原料焼成装置に対して、原料粉砕工程を、少なくとも二系列以上設置し、常時、一系列以上の原料粉砕装置が稼動している状態を発生させることで、排ガス中に含まれるPCB等の有機塩素化合物の排出濃度、排出量を低減できるものである。
即ち、本発明のセメント製造設備の排ガス中の有機塩素化合物低減方法は、プレヒータ、ロータリーキルン、原料粉砕装置を備えるセメント製造装置において、該プレヒータ及びロータリーキルンを含む一系列の原料焼成工程に対して、二系列以上の原料粉砕工程を並列して設け、少なくとも一系列以上の該原料粉砕工程を常時稼動させて、該稼動している原料粉砕工程に、セメント原料焼成工程で発生する排ガスを導入することを特徴とする、セメント製造設備の排ガス中の有機塩素化合物低減方法である。
また、上記本発明のセメント製造設備の排ガス中の有機塩素化合物低減方法において、稼働していない原料粉砕工程には排ガスを供給せず、排ガスは稼働している原料粉砕工程に導入されることを特徴とする、セメント製造設備の排ガス中の有機塩素化合物低減方法である。
好適には、上記本発明のセメント製造設備の排ガス中の有機塩素化合物低減方法において、前記原料粉砕工程には、原料粉砕機による工程、又は、原料粉砕機と原料乾燥機及び/又はインパクトドライヤーによる工程が含まれることを特徴とする。
また、本発明のセメント製造設備の排ガス中の有機塩素化合物低減装置は、セメント原料焼成用ロータリーキルン、プレヒータを備える一系列の原料焼成装置、該一系列の焼成装置に対して二系列以上の原料粉砕装置を並列して備え、少なくとも一系列以上の原料粉砕装置は常時稼動していることを特徴とする、セメント製造設備の排ガス中の有機塩素化合物低減装置である。
さらに、上記本発明のセメント製造設備の排ガス中の有機塩素化合物低減装置において、稼動していない原料粉砕装置には排ガスを供給せず、排ガスは稼動している原料粉砕装置に導入されるように、バイパス手段を設けることを特徴とする、セメント製造設備の排ガス中の有機塩素化合物低減装置である。
好適には、上記本発明のセメント製造設備の排ガス中の有機塩素化合物低減装置において、前記原料粉砕装置は、原料粉砕機、又は、原料粉砕機と原料乾燥機及び/又はインパクトドライヤーであることを特徴とする。
本発明のセメント製造設備の排ガス中の有機塩素化合物低減方法及び低減装置により、セメント製造設備装置の排ガス中のダイオキシン類やPCB等の有機塩素化合物を、即ちセメント製造設備から排出される排ガス中のダイオキシン類やPCB等の有機塩素化合物の排出濃度及び排出量を効率的に低減させることが可能となる。
特に従来のセメント製造設備において原料粉砕装置が稼動していない場合に、排ガス中の有機塩素化合物の濃度が高濃度であったという状態を解消して、排ガス中に含まれていたダイオキシン類やPCB等の有機塩素化合物をセメント原料と常に接触させて捕捉することが可能となり、排ガス中の有機塩素化合物の排出濃度及び排出量を極めて低減することができるようになる。
さらに、本発明においては稼動していない原料粉砕装置には排ガスは供給されず、稼動している原料粉砕装置のみに排ガスを供給できるようにバイパス手段を備えることで、より効率的にセメント製造設備の排ガス中に含まれる上記有機塩素化合物を低減することができ、また稼動している原料粉砕装置でのセメント原料の乾燥を有効に実施することができる。
また、原料粉砕装置において排ガス中の有機塩素化合物を効率よく捕捉して、セメント原料化して再利用する処理に適用することができる。
本発明のセメント製造設備の排ガス中の有機塩素化合物低減方法を実施するための低減装置を模式的に示す一例の図である。
本発明を、図1を参照しながら、以下の例によって説明するが、これらの記載に限定するものではない。
本発明のセメント製造設備の排ガス中の有機塩素化合物低減方法は、プレヒータ、ロータリーキルン、原料粉砕装置を備えるセメント製造装置において、該プレヒータ及びロータリーキルンを含む一系列の原料焼成工程に対して、二系列以上の原料粉砕工程を並列して設け、少なくとも一系列以上の該原料粉砕工程を常時稼動させて、該稼動している原料粉砕工程に、セメント原料焼成工程で発生する排ガスを導入することにより、排ガス中の有機塩素化合物の低減を図ることができるセメント製造設備の排ガス中の有機塩素化合物低減方法である。
また、本発明のセメント製造設備の排ガス中の有機塩素化合物低減装置は、セメント原料焼成用ロータリーキルン、プレヒータを備える一系列の焼成装置、該一系列の焼成装置に対して二系列以上の原料粉砕装置を並列して備え、少なくとも一系列以上の原料粉砕装置は常時稼動していることを特徴とする、セメント製造設備の排ガス中の有機塩素化合物低減装置である。
本発明によらない通常の場合には、セメント原料焼成用ロータリーキルン、プレヒータを備える一系列の原料焼成装置に対して、一系列の原料粉砕装置を備えているものであり、該原料粉砕装置が稼動していないオフの場合には、排ガスはセメント原料と接触することなく集塵機やバグフィルタに直接流入する。該集塵機やバグフィルタで集塵された、集塵ダストは、セメント原料と共に、プレヒータ及び仮焼炉を通過して、ロータリーキルン内で焼成されることになるが、この場合、集塵ダストに含まれる有機塩素化合物の一部は、プレヒータの下方へ移動する前にセメント原料から離脱して上方へと飛散し、排ガスと共に排ガス配管中に流入し、ダストに再び吸着される。
ダストに吸着された有機塩素化合物は、再度、集塵機やバグフィルタにおける捕捉、及びセメント製造装置内への再度の投入という経過をたどり、かかる経過を繰り返すことになる。
このように、ダイオキシン類等の有機塩素化合物は繰り返し循環するため、セメント原料の一部として廃棄物を供給した場合には、集塵ダストに含まれる有機塩素化合物の濃度が次第に増大し、その結果、集塵機やバグフィルタによる処理後の排ガスに含まれる有機塩素化合物の濃度も増大していくことになる。
本発明は、このような排ガス中の有機塩素化合物の濃度及び量を有効に低減するものである。
図1は、本発明のセメント製造設備の排ガス中の有機塩素化合物低減方法を実施するための低減装置を模式的に示す一例の図であり、図1を参照して詳細に説明する。
なお、図1中、実線はガスの流れ、点線は原料等の材料の流れを表す。
セメント製造原料は、原料粉砕装置6で粉砕混合されて、原料混合・供給系装置10を経由してプレヒータ2の上部、プレヒータ2dに供給される。
ここでセメント原料としては、例えば石灰石、粘土、珪石、鉄滓、スラッジ・都市ごみの焼却で発生する主灰等の廃棄物を使用することができ、これらの原料中、特に廃棄物中に、塩素が多く含まれる。
プレヒータ2は、複数のサイクロン2a、2b、2c、2dから構成されており、その数は限定されない。
前記セメント原料は、プレヒータ2内を、上部のサイクロン2dから下部方向へサイクロン2c、サイクロン2b、サイクロン2aへと順次移動しながら予熱されて、最下部のサイクロン2aに導入された後、ロータリーキルン1へと供給される。
さらに、プレヒータ2とロータリーキルン1の間に仮焼炉3を設けてもよく、セメント原料の仮焼を効率的に促進させるために設けられるものである。
該仮焼炉3としては、任意の公知の仮焼炉を用いることができ、例えば、SF仮焼炉、MFC仮焼炉、RSP仮焼炉、KSV仮焼炉、DD仮焼炉、SLC仮焼炉等が例示できる。
仮焼炉3が設けられている場合には、仮焼成されたセメント原料はロータリーキルン1へ供給される。
ロータリーキルン1内に供給されたセメント原料は、焼成されてクリンカを製造するが、その際に該ロータリーキルン1で上記セメント原料が加熱される際に発生する排ガスは、ロータリーキルン1から排出されてプレヒータ2aに流入する。
また図1に示すように、仮焼炉3が設けられている場合には、該ロータリーキルン1から排出された高温の排ガスは、仮焼炉3中でのセメント原料の仮焼成に利用され、仮焼炉3に流入する。該仮焼炉3で発生した排ガスもプレヒータ2aに流入する。
またロータリーキルン1からの排出される排ガスは、一部抽気されて脱塩バイパス処理される。
該サイクロン2aに流入した排ガスは、サイクロン2b、サイクロン2c、サイクロン2dに順次流入して、プレヒータ2内を上方へと移動し、最上部のサイクロン2dから排出される。その際の排ガスの温度は通常、400℃前後である。
なお、本例においては、上記ロータリーキルン、プレヒータ、必要に応じて設けられた仮焼炉が原料焼成装置である。
プレヒータ2(最上部のサイクロン2d)から排出した排ガスは、沈降室4に導入されるが、かかる沈降室4は必須の装置ではなく、任意に設けることができるものである。
沈降室4に排ガスが導入されることでプレヒータ2から排出される排ガス中に含まれるダストを沈降させて集塵することができる。
集塵されたダスト等は、原料混合・供給系装置10に導入され、原料粉砕装置6から導入される原料と混合されて、セメント製造原料としてプレヒータの上部のサイクロン2dに循環供給される。
本発明においては、上記原料焼成装置一系列に対して、原料粉砕装置6を二系列以上並列して備える。
原料粉砕装置6は、原料粉砕機、又は、原料粉砕機と原料乾燥機及び/又はインパクトドライヤーが含まれる。
本発明においては、二系列以上の原料粉砕装置6(6a、6b、6c)のうち、少なくとも一系列以上の原料粉砕装置6を常時稼動させる。
例えば、図1の例においては、原料粉砕装置6は三系列(6a、6b、6c)設けられている。原料粉砕装置6aが稼動せず停止している場合、他の原料粉砕装置6b及び/又は6cが、原料粉砕装置6b及び6cが稼動せず停止している場合、残りの原料粉砕装置6aが稼動するようにして、少なくとも一系列以上の原料粉砕装置が稼動するものとする。
これにより、該排ガスと原料とが常に接触できる状態が発現し、これにより稼動させている原料粉砕装置6内で、該排ガスと原料との接触による排ガス中の有機塩素化合物の吸着が効率よく行われることになる。
従って、集塵機8やバグフィルタ9に流入する有機塩素化合物の量が常に低減することができ、排ガス中の有機塩素化合物を低減することが可能となる。
その際に、好適には、排ガスを稼動していない原料粉砕装置6には排ガスを供給せず、排ガスは稼動している原料粉砕装置6に導入されるように、相互にバイパス手段7を設ける。
該バイパス手段7により、排ガスは稼動している原料粉砕装置6のみに供給されることとなり、より効率よく排ガスと原料とが接触して、排ガス中に含まれる有機塩素化合物を吸着除去させることができる。
またセメント原料の乾燥も効率よく実施することが可能となる。
次いで、原料粉砕装置6から排出された排ガスは、集塵機8やバグフィルタ9に導入される。これらの装置の稼動によっても、排ガス中に残存するダイオキシンやPCB類等の有機塩素化合物を捕捉することが可能である。
集塵機8は、セメント製造装置の排ガス中の有機塩素化合物(例えば、ダイオキシン類)を含むダストを捕集するためのものであり、集塵機8としては、通常、電気集塵機が用いられるが、それ以外の集塵機(例えば、重力集塵装置、慣性力集塵装置、遠心力集塵装置、濾過集塵装置等)を用いてもよい。
捕捉されたダスト等は、原料混合・供給系装置10に導入され、原料粉砕装置6から導入される原料と混合されて、セメント製造原料としてプレヒータの上部のサイクロン2dに循環供給される。
前記集塵機8から排出された排ガスはバグフィルタ9に導入されて、より微細なダスト等を捕捉する。ここで捕捉されたダスト等は、原料混合・供給系装置10に導入され、原料粉砕装置6から導入される原料と混合されて、セメント製造原料としてプレヒータの上部のサイクロン2dに循環供給される。
がかるバグフィルタ9を通過した排ガスは、煙突11より大気中に排出される。
本発明は、上記したように、排ガス中に含まれる有機塩素化合物を効率よくセメント製造設備中で捕捉することができ、有機塩素化合物を排出濃度及び排出量を効率的に低減させることができる。
(実施例1〜3、比較例1〜2)
基本的に図1に示すセメント製造装置の排ガス中の有機塩素化合物低減装置を用いて、排ガス中の有機塩素化合物の低減方法を実施した。
但し、原料粉砕手段としては原料ミルを設けた。また原料ミルの系列数、稼動時間については、それぞれ下記表1に示すように、変化させた。
それ以外の条件はすべての実施例及び比較例で同様にして行なった。
Figure 0005888844
上記実施例1〜3、比較例1〜2における、セメント設備の運転開始から1日目、1週間後、2週間後、4週間後、8週間後、16週間後の、煙突から排出される煙突排ガス中のPCB濃度の評価結果を下記表2に示す。
Figure 0005888844
上記表2より、実施例の本発明の有機塩素化合物低減方法を用いると、排ガス中のPCB濃度を有効に低減させることが可能となることが明らかである。
本発明のセメント製造設備の排ガス中の有機塩素化合物低減方法及び装置は、廃棄物を原料として利用するセメント製造設備に有効に適用することができる。
1・・・ロータリーキルン
2・・・プレヒータ
3・・・仮焼炉
4・・・沈降室
6・・・原料粉砕装置
7・・・バイパス手段
8・・・集塵機
9・・・バグフィルタ
10・・・原料混合・供給系装置
11・・・煙突
A・B・・・配管
X・・・セメント製造設備

Claims (4)

  1. プレヒータ、ロータリーキルン、原料粉砕装置を備えるセメント製造設備において、該プレヒータ及びロータリーキルンを含む一系列の原料焼成工程に対して、二系列以上の原料粉砕工程を並列して設け、該原料粉砕工程のうち、少なくとも一系列以上の原料粉砕工程を常時稼動させて、該稼動している原料粉砕工程に該原料焼成工程で発生する排ガスを導入し、稼動していない該原料粉砕工程には該排ガスを導入しないことを特徴とする、セメント製造設備の排ガス中の有機塩素化合物低減方法。
  2. 請求項1記載のセメント製造設備の排ガス中の有機塩素化合物低減方法において、前記原料粉砕工程には、原料粉砕機による工程、又は、原料粉砕機と原料乾燥機及び/又はインパクトドライヤーによる工程が含まれることを特徴とする、セメント製造設備の排ガス中の有機塩素化合物低減方法。
  3. セメント原料焼成用ロータリーキルン、プレヒータを備える一系列の原料焼成装置、該一系列の原料焼成装置に対して二系列以上の原料粉砕装置を並列して備え、少なくとも一系列以上の原料粉砕装置は常時稼動させるセメント製造設備の排ガス中の有機塩素化合物低減装置であって、
    該原料焼成装置で発生する排ガスを、稼動している該原料粉砕装置に導入し、稼動していない該原料粉砕装置には排ガスを導入しないように、バイパス手段を設けることを特徴とする、セメント製造設備の排ガス中の有機塩素化合物低減装置。
  4. 請求項3記載のセメント製造設備の排ガス中の有機塩素化合物低減装置において、前記原料粉砕装置は、原料粉砕機、又は、原料粉砕機と原料乾燥機及び/又はインパクトドライヤーであることを特徴とする、セメント製造設備の排ガス中の有機塩素化合物低減装置。
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