JP5092211B2 - セメント製造設備 - Google Patents

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Description

この発明はセメント製造設備、詳しくはセメント製造設備から排出されるダイオキシン類およびPCBなどの有機塩素化合物を吸着して熱分解し、その排出量を低減する技術に関する。
ダイオキシン(PCDDs)は、ポリ・クロロ・ジベンゾ・パラ・ダイオキシン(Poly chloro dibenzo−p−dioxin)の略称で、有機塩素化合物の一種である。このダイオキシンに類似したものに、ポリ・クロロ・ジベンゾフラン(PCDFs:Poly chloro dibenzo−furan)が知られている。
特に、PCDDsの四塩化物(T4CDDs)であるテトラ・クロロ・ジベンゾ・パラ・ダイオキシン(Tetra chloro dibenzo−p−dioxin)に属して、2,3,7,8の位置に塩素を持った2,3,7,8−T4CDDは猛毒である。
2,3,7,8−テトラクロロ体は、トリクロロフェノール、2,4,5−トリクロロフェノキシ酢酸製造時の副産物として得られ、そしてジベンゾ−P−ジオキシンの塩素化により得られる。融点は306〜307℃である。
また、人体に有害とされる別の有機塩素化合物として、例えばPCB(ポリ塩化ビフェニル)が知られている。PCBは、化学的安定性、絶縁性、不燃性、粘着性に優れており、発電所、鉄道、ビルなどの電気設備に搭載されるトランス、コンデンサの絶縁油として利用されてきた。しかしながら、ダイオキシンと同等の毒性を有するコプラナーPCBを含んでいる。そのため、1974年に法律でPCBの製造、流通および新規の使用が禁止されるに至った。
PCBの処理方法としては、例えば、PCBを高温で熱処理する焼却処理方法、PCBを脱塩素化処理する脱塩素化分解法、超臨界水を使用してPCBを二酸化炭素と水とに分解する超臨界水酸化分解法などが開発されている。このうちの焼却処理方法では、PCBの熱処理ガスを冷却する際、ダイオキシン類が合成されてしまうことが懸念されている。
そこで、これらを解消する従来技術として、例えば特許文献1および特許文献2が知られている。
特許文献1は、セメント製造設備の排ガスを集塵機に供給し、有機塩素化合物を含む集塵ダストを捕集し、この捕集された集塵ダストの少なくとも一部を、セメント製造設備の800℃以上の高温部に投入する方法を示している。ダイオキシン類は800℃前後で熱分解されるため、この方法により、ダイオキシン類を効率的に分解して無害化することができる。
また、集塵機から排出され、煙道より大気開放される脱塵ガス中にも、気化した有機塩素化合物が若干量含まれている。この対策として、特許文献1では、脱塵ガス中のダイオキシン濃度を低下させる方法が記載されている。これは、セメント製造設備のうち、温度が30〜400℃の地点(低温部)から排ガスを引き出し、これを集塵機に供給するという方法である。すなわち、低温部から導出された排ガスは、セメント製造設備の高温部からの排ガスに比べて、有機塩素化合物が濃縮(低温濃縮)されている。その結果、このように有機塩素化合物が高濃度になった集塵ダストを集塵処理により除去すれば、脱塵ガス中のダイオキシン類の濃度は低下するというものである。
特許文献2は、外部からセメント工場に運び込まれたPCB含有物を、ロータリーキルン内に投入し、これをセメントクリンカを焼成するときの熱(1000℃以上)により加熱してPCBを熱分解し、この熱分解時に発生した排ガスをロータリーキルン外に導出した後、20℃/秒以上の冷却速度で急冷する方法を示している。排ガスを20℃/秒以上で冷却することにより、ダイオキシン類の合成量が増加する温度領域を短時間で通過する。その結果、ダイオキシン類の発生を防ぎながら、PCBを分解することができる。
特開2004−244308号公報 特開2002−147722号公報
このように、特許文献1によれば、排ガスを集塵機に通して捕集された集塵ダストの少なくとも一部を、通常運転時に800℃以上となるセメント製造設備の高温部に投入し、集塵ダストに吸着されたダイオキシン類を熱分解していた。その際、煙道から大気開放される脱塵ガス(集塵機通過ガス)中の有機塩素化合物の対策として、セメント製造設備のうち、温度が30〜400℃の地点(低温部)から排ガスを引き出し、これを集塵機に供給するという方法が採用されていた。しかしながら、この対策では、セメント製造設備から排出されるダイオキシン類を十分に低減させることができなかった。
一方、特許文献2は、セメント製造設備の系外(外部)から搬入されたPCB含有物を、ロータリーキルン内で1000℃以上に加熱して熱分解させるものであった。しかしながら、この方法では、セメント製造設備内で発生したPCBを除去することができなかった。
そこで、発明者は、鋭意研究の結果、まず、セメント製造設備内に存在し、かつダイオキシン類およびPCBなどの有機塩素化合物を含む粉体(集塵ダストなど)を、セメント製造設備内で100℃以上となる高温ガスに接触させ、この粉体から有機塩素化合物を分離(気化)または分解する。次に、この分離した有機塩素化合物を含んだ高温ガスを、有機塩素化合物の吸着機能を有する吸着粉に吸着させ、この吸着済みの吸着粉を焼成燃料に使用し、吸着粉に吸着された有機塩素化合物を分解するようにすれば、セメント製造設備から排出されるダイオキシン類およびPCBなどの有機塩素化合物の排出量をより以上に低減させることができるとともに、焼成用の燃料の節約を図ることができることを知見し、この発明を完成させた。
この発明は、セメント製造設備から排出されるダイオキシン類およびPCBなどの有機塩素化合物の排出量を低減させることができ、しかも燃料の節約を図ることができるセメント製造設備を提供することを目的としている。
請求項1に記載の発明は、セメント原料からセメントクリンカを焼成するセメント製造設備であって、このセメント原料を粉砕する原料ミルと、この原料ミルにおいて粉砕されたセメント原料を加熱するプレヒータと、このプレヒータにて加熱されたセメント原料を加熱してセメントクリンカを焼成するロータリーキルンと、燃料微粉末を前記ロータリーキルンのバーナーに供給するミルと、前記プレヒータから排出された100℃以上となる高温ガスをこのミルに供給する高温ガス供給路と、前記原料ミルの排ガスから有機塩素化合物を含む集塵ダストを捕集する第1の集塵機と、前記高温ガス供給路の途中に配設され、有機塩素化合物を含む脱塵ガスを前記ミルに供給する第2の集塵機と、前記高温ガス供給路にあって第2の集塵機よりも上流側で分岐し、前記プレヒータから排出された前記高温ガスの一部を前記原料ミルに供給する分岐路と、を備え、前記第1の集塵機により捕集された有機塩素化合物を含む集塵ダストを、前記分岐路との分岐部より下流側で前記第2の集塵機の上流側の前記高温ガス供給路に供給するとともに、前記第2の集塵機から供給された脱塵ガス中の有機塩素化合物を前記ミルにおいて前記燃料微粉末に吸着してこの燃料微粉末を前記バーナーに供給するセメント製造設備である。
請求項1に記載の発明によれば、セメント製造設備内に存在し、かつダイオキシン類およびPCBなどの有機塩素化合物を含む粉体を、セメント製造設備内で100℃以上となる高温ガスに接触させる。これにより、粉体から有機塩素化合物が分離(気化)したり、有機塩素化合物が分解する(有機物除去工程)。
その後、粉体が接触された高温ガス中から、有機塩素化合物が分離または分解された粉体を、捕集により除去する(粉体除去工程)。それから、こうして分離された高温ガスを吸着粉に接触させ、高温ガス中の有機塩素化合物を吸着粉に吸着させる(有機物吸着工程)。次に、有機塩素化合物を吸着した吸着粉を焼成燃料として使用し、吸着粉に吸着された有機塩素化合物を分解する(分解工程)。
これにより、セメント製造設備から排出されるダイオキシン類およびPCBなどの有機塩素化合物の排出量をより以上に低減させることができる。しかも、焼成用の燃料の節約を図ることができる。
有機塩素化合物としては、例えばダイオキシン類(前駆体を含む)、PCBなどに代表される残留有機塩素化合物などを採用することができる。
ダイオキシン類の粉体からの分離温度は、100℃以上である。また、ダイオキシン類の分解温度は、800℃以上である。PCBの粉体からの分離温度は、100℃以上である。PCBの分解温度は、800℃以上である。
吸着粉は、排ガス中のダイオキシン類およびPCBなどの有機塩素化合物を吸着可能な粉体であれば限定されない。ただし、有機塩素化合物の吸着性が高い多孔質の粉体が好ましい。例えば石炭微粉末、オイルコークス微粉末、活性炭微粉末などを採用することができる。
吸着粉は、BET比表面積が大きいほどよい。0.1m/g未満では、現実的な吸着性能は得られない。BET比表面積が大きい吸着粉を使用することが、集塵機の負担を小さくすることができる。
高温ガスとしては、例えば、セメント製造設備がロータリーキルンおよびプレヒータを有するものの場合、焼成時にプレヒータの上部から排出される排ガス(250〜400℃)を採用することができる。その他、クリンカクーラから排出される排ガス(250〜1000℃)などを採用することができる。
高温ガス中への吸着粉の供給量は多いほどよい。しかしながら、多すぎると除塵設備への負担が増す。期待する濃度以下になるように吸着粉のBET比表面積に応じて変更する。
高温ガスの温度は、100℃以上であれば限定されない。100℃未満では有機塩素化合物が飛び散らない。効率を考慮すれば200℃以上が好ましい。
吸着粉を高温ガスに接触させる方法は限定されない。例えば、高温ガスの配管の途中に、吸着粉の投入口を形成する方法などを採用することができる。吸着粉投入機としては、スクリューフィーダなどを採用することができる。
セメント製造設備としては、ロータリーキルンを焼成装置としたものを採用する。また、プレヒータ、仮焼炉およびロータリーキルンを有するものを採用してもよい。
高温ガス中から粉体を捕集する方法としては、例えば、集塵機による捕集を採用することができる。ここでの集塵機としては、例えば電気集塵機、バグフィルタなどを採用することができる。
有機塩素化合物が吸着された吸着粉を、セメントクリンカの焼成時の燃料に使用する方法としては、例えば、ロータリーキルンの燃焼バーナの燃料として、燃焼バーナの燃料投入口から投入することができる。この場合、バーナーフレーム(1500℃以上)の熱により、有機塩素化合物が瞬間的に分解される。
集塵機としては、例えば電気集塵機、バグフィルタなどを採用することができる。
ここで利用される集塵ダストは、集塵機から排出された集塵ダストの全部でもよいし、一部でもよい。
前記高温ガスは、前記セメントクリンカの焼成時にプレヒータの上部から排出される排ガスである。
プレヒータの上部から排出された排ガス(250〜400℃)に、有機塩素化合物を含む粉体を接触させる。これにより、粉体に吸着された有機塩素化合物を、粉体から分離したり、分解させることができる。
前記燃料微粉末(吸着粉)は、前記セメントクリンカの焼成用の燃料である石炭微粉末、オイルコークス微粉末のうち、何れか1つである。
吸着粉は、石炭微粉末でもよいし、オイルコークス微粉末でもよい。また、石炭微粉末とオイルコークス微粉末との両方でもよい。
石炭微粉末のBET比表面積は大きいほどよい。0.1m/g未満では、現実的な吸着性能は得られない。
オイルコークス微粉末のBET比表面積は大きいほどよい。0.1m/g未満では、現実的な吸着性能は得られない。
請求項2に記載の発明は、前記第2の集塵機で前記高温ガス中から有機塩素化合物が除去されたダストは、前記原料ミルに投入される請求項1に記載のセメント製造設備である。
請求項2に記載の発明によれば、有機塩素化合物が除去され、高温ガス中から捕集された粉体は、原料ミルに投入されてセメント原料の一部となる。これにより、セメント原料の節約を図ることができる。
請求項1に記載された発明によれば、ダイオキシン類およびPCBなどの有機塩素化合物を含む粉体を、セメント製造設備内で100℃以上となる高温ガスに接触させ、粉体から有機塩素化合物を分離させたり、熱分解する。その後、高温ガス中から粉体を捕集により除去後、有機塩素化合物を含む高温ガスを吸着粉に接触させ、有機塩素化合物を吸着粉に吸着させる。そして、有機塩素化合物を含む吸着粉をセメントクリンカの焼成燃料の一部として利用することで、吸着粉に吸着された有機塩素化合物を熱分解する。その結果、セメント製造設備から排出されるダイオキシン類およびPCBなどの有機塩素化合物の排出量をより以上に低減させることができる。しかも、焼成用の燃料の節約を図ることができる。
以下、この発明の実施例を具体的に説明する。
図1において、10はこの発明の実施例1に係るセメント焼成設備である。このセメント焼成設備10は、セメント原料を粉砕する原料工程部と、粉砕されたセメント原料を焼成する焼成工程部とを有している。
原料工程部は、セメント原料としての石灰石、粘土、珪石および鉄原料を個別に貯蔵する原料貯蔵庫11と、セメント原料を加熱して乾燥する原料ドライヤ12と、セメント原料を粉砕する原料ミル13と、原料ドライヤ12および原料ミル13から排出された有機塩素化合物を含むダストを捕集する第1の電気集塵機(集塵機)B1と、原料ミル13により粉砕されたセメント原料をいったん貯蔵する貯蔵サイロ14とを備えている。
原料貯蔵庫11に貯蔵されたセメント原料は、原料供給管118を通して原料ミル13の回転ドラム内に投入される。ただし、粘土などの一部のセメント原料は、原料供給設備131を経て原料ドライヤ12に投入される。この一部のセメント原料は、ここで乾燥された後、乾燥原料排出設備132を通して、原料ミル13に投入される。原料ミル13の回転ドラムには、多数の金属ボールが収納されている。回転ドラムを回転させながらセメント原料を連続的に投入することで、およそ粒度90μmに粉砕されたセメント原料粉が得られる。粉砕されたセメント原料は、粉砕原料輸送設備121を介して、貯蔵サイロ14に投入される。
原料ドライヤ12および原料ミル13には、後述するプレヒータ16の上部から排出された350℃の高温の排ガス(高温ガス)が、下流側部が二股となった排ガスダクト21を通してそれぞれ供給されている。そのため、原料ドライヤ12の内部温度は約300℃、原料ミル13の内部温度は約100℃以上に保持されている。排ガスダクト21の上流部には、ファンF1が設けられている。
原料ドライヤ12および原料ミル13には、各内部からの排ガスを煙突130を介して大気開放する煙道129のうち、二股となった上流側部の各端部が連結されている。煙道129の下流側部の途中には、内部温度が90℃の前記電気集塵機B1が設けられている。また、煙道129には、その二股となった上流側部の原料ミル13側にファンF2が設けられるとともに、電気集塵機B1と煙突130との間の部分にファンF3が設けられている。
前記排ガスダクト21のうち、二股の分岐部とファンF1との間の部分には、後述する石炭ミル50の石炭投入口に先端部が連結された排ガス分岐管150の元部が連結されている。排ガス分岐管150の上流部には、ダスト投入口150aが形成されている。プレヒータ16の上部からの排ガスは350℃程度で、その熱により、排ガス中に含まれるダストと有機塩素化合物とは分離されている。
ダスト投入口150aには、前記電気集塵機B1により捕集され、かつダイオキシン類およびPCBなどの有機塩素化合物を含む集塵ダスト(粉体)の一部が、下流部が二股になったダスト配送管123を通して投入される。具体的には、ダスト配送管123の下流部のうち、二股部分の一方を構成する枝管を通して、集塵ダストの一部がダスト投入口150a内に投入される。また、集塵ダストの残り部分は、ダスト配送管123の下流部のうち、二股部分の他方を構成する枝管を通して、原料ミル13に供給される。
排ガス分岐管150の管内では、ダスト投入口150aからの集塵ダストが350℃の排ガスに接触する。これにより、集塵ダストに含まれた有機塩素化合物が気化して分離されたり、有機塩素化合物が熱分解される。
排ガス分岐管150のうち、ダスト投入口150aより若干下流部分には、排ガス中から有機塩素化合物を含まない集塵ダストを捕集する第2の電気集塵機B2が設けられている。第2の電気集塵機B2により捕集された集塵ダスト(有機塩素化合物は除去)は、有機除去ダスト管151を通って原料ミル13に投入される。
また、排ガス分岐管150のうち、第2の電気集塵機B2より若干下流部分には、ファンF4が設けられている。このファンF4の負圧力により、排ガスダクト21を流れる高温の排ガスの一部が排ガス分岐管150に流れ込むとともに、第1の電気集塵機B1により捕集された有機塩素化合物を含む集塵ダストが、ダスト投入口150aから排ガス分岐管150の管内に流れ込む。しかも、ファンF4の負圧力により、第2の電気集塵機B2を通過した有機塩素化合物を含む脱塵ガスが、前記石炭ミル50に流れ込む。
焼成工程部は、上部から投入されるセメント原料を下降するほど徐々に高温に加熱する多段式のサイクロン15を備えたプレヒータ16と、燃焼バーナを有する仮焼炉と、窯尻部にプレヒータ16の最下段部が連結され、燃焼バーナ17を有してセメント原料からセメントクリンカを得る乾式のロータリーキルン18と、ロータリーキルン18の窯前から排出されたセメントクリンカを冷却するクリンカクーラ19と、得られたセメントクリンカを、いったん貯蔵する図示しないクリンカサイロと、クリンカサイロから排出されたダストを捕集する同じく図示しない第2の集塵機とを備えている。
プレヒータ16では、原料粉輸送設備165を介して、貯蔵サイロ14から投入された粉砕原料がロータリーキルン18内で焼成され易いように、上下5段のサイクロン15を上側より順次通過しながら所定温度(900℃)まで加熱される。
ロータリーキルン18には、100t/hでセメントクリンカを生産するものが採用されている。ロータリーキルン18内で、石炭ミル50により粉砕された石炭微粉末を燃料とする燃焼バーナ17からの炎の熱で、セメント原料が焼成される。
すなわち、焼成工程部では、貯蔵サイロ14からのセメント原料が、プレヒータ16の各サイクロン15および仮焼炉を流下中に仮焼され、その後、プレヒータ16の下段部からロータリーキルン18の窯尻部に投入される。ここで、セメント原料はキルンシェルの回転に伴って周方向に回転しながら、燃焼バーナ17によるバーナ加熱により、セメントクリンカが焼成される。得られたセメントクリンカは、クリンカクーラ19により冷却される。
石炭ミル50は、多数の金属ボールが収納された回転ドラムを有している。回転ドラム内に、石炭投入口を通して石炭と、前記第2の電気集塵機B2を通過した有機塩素化合物を含む脱塵ガスとをそれぞれ連続的に投入する。これにより、有機塩素化合物が吸着された石炭微粉末(吸着粉)が得られる。石炭微粉末は、微粉炭配送管152を通して、ロータリーキルン18の窯前部に設けられた燃焼バーナ17に連続的に投入される。石炭微粉末の燃料投入口からの投入量は、脱塵ガス1m当たり500〜900gである。石炭微粉末に代えて、オイルコークス微粉末を採用してもよい。
次に、実施例1のセメント製造設備10の内部(系内)で行われる排ガス中の有機塩素化合物低減方法を説明する。
図1に示すように、原料貯蔵庫11内の各セメント原料は、原料供給管118を通して原料ミル13に投入される。ただし、粘土などの含水量が高い一部のセメント原料は原料供給設備131を経て原料ドライヤ12に投入される。この一部のセメント原料は、高温の原料ドライヤ12内で加熱乾燥され、その後、乾燥原料排出設備132を経て原料ミル13に投入される。原料ドライヤ12および原料ミル13には、プレヒータ16の上部から高温の排ガスが、排ガスダクト21を通してそれぞれ供給されている。原料ミル13では、原料ドライヤ12から供給された乾燥原料を含む全てのセメント原料が75℃程度に加熱されながら、多数の金属ボールにより、セメント原料が平均粒度10〜30μmに粉砕される。粉砕されたセメント原料は、粉砕原料輸送設備121を通って貯蔵サイロ14に投入される。
原料ドライヤ12および原料ミル13には、プレヒータ16の上部から高温の排ガスが、排ガスダクト21を通してそれぞれ供給されている。そのため、原料ドライヤ12の内部温度は約300℃、原料ミル13の内部温度は100℃以上となっている。原料ドライヤ12および原料ミル13を通過したダストを含む排ガスは、原料ドライヤ12および原料ミル13内で熱を奪われ、電気集塵機B1の入り口ガス温度は、90℃となっている。そのため、排ガス中の有機塩素化合物の多くは、ダストに吸着される。
前述したように、原料ドライヤ12および原料ミル13の各内部は、例えばダイオキシン類が気化し易い300℃前後に維持されている。そのため、セメント原料の一部(例えば粘土)として、ダイオキシン類およびPCBなどの有機塩素化合物、その他、有機物および塩素などを含む廃棄物(都市ごみおよび焼却灰など)を混入した場合、原料ドライヤ12および原料ミル13内で、有機塩素化合物が気化される。
原料ドライヤ12および原料ミル13からの有機塩素化合物を含むダストは、電気集塵機(集塵機)B1により捕集され、その集塵ダストは、その一部がダスト配送管123のうち、二股部分の一方を構成する枝管とダスト投入口150aとを通過し、排ガス分岐管150の管内に流れ込む。また、集塵ダストの残り部分は、ダスト配送管123の下流部のうち、二股部分の他方を構成する枝管を通して、原料ミル13に投入される。その後、集塵ダストの残り部分は、原料ミル13内で粉砕されたセメント原料とともに、粉砕原料輸送設備121を通って貯蔵サイロ14にいったん貯蔵される。
前記排ガス分岐管150の管内に流入した有機塩素化合物を含む集塵ダストは、この管内を通過する約300℃のプレヒータ16の上部からの排ガスに接触する。これにより、集塵ダストに含まれた有機塩素化合物が気化して分離されたり、この有機塩素化合物が熱分解される。その結果、排ガス分岐管150のうち、ダスト投入口150aより下流部では、有機塩素化合物および集塵ダストが分離した状態で混在する排ガスが流れている。
その後、これらが混在した排ガスは、第2の電気集塵機B2に吸引される。ここで、排ガス中から有機塩素化合物を含まない集塵ダストだけが捕集(濾過)される。
第2の電気集塵機B2により捕集された有機塩素化合物が除去された集塵ダストは、有機除去ダスト管151を通って原料ミル13に投入される。一方、第2の電気集塵機B2を通過した有機塩素化合物を含む脱塵ガスは、排ガス分岐管150を通って石炭ミル50に流れ込む。ミルとしては、竪ミルでも横型ボールミルでも同じ効果が得られる。その結果、粉砕中の石炭に有機塩素化合物が吸着される。これにより、有機塩素化合物(ダイオキシン類およびPCBなど)が吸着された石炭微粉末が作製される。
得られた石炭微粉末は、微粉炭配送管152を通して、ロータリーキルン18の窯前部に設けられた燃焼バーナ17に連続的に投入され、バーナ加熱によりセメントクリンカが焼成される。このとき、石炭微粉末に含まれた有機塩素化合物が熱分解される。その結果、セメント製造設備10から排出されるダイオキシン類およびPCBなどの有機塩素化合物の排出量を従来に比べてより以上に低減させることができる。しかも、焼成用の燃料の節約を図ることができる。
ここで、実施例1のセメント製造設備10を使用して、大気開放される排ガス中の有機塩素化合物の減少率(加熱原料使用原単位;50kg/t.cliのとき)を調査した結果を報告する。
すなわち、セメント製造設備10を用いることで、脱塵ガス中から、PCB95重量%、アセトアルデヒドは99重量%以上、メチルアルコールは99重量%以上、クロロフェノール100重量%、プロパノールは99重量%以上およびアセトンは99重量%以上、ベンゼンは99重量%以上、トルエンは99重量%以上それぞれ除去することができた。これらは、脱塵99重量%以上ガス中から除去されなければならない代表的な有害物質である。
この発明の実施例1に係るセメント製造設備の概略構成図である。
10 セメント製造設備、
13 原料ミル、
16 プレヒータ、
18 ロータリーキルン、
B1 第1の電気集塵機(集塵機)、
B2 第2の電気集塵機(集塵機)。

Claims (2)

  1. セメント原料からセメントクリンカを焼成するセメント製造設備であって、
    このセメント原料を粉砕する原料ミルと、
    この原料ミルにおいて粉砕されたセメント原料を加熱するプレヒータと、
    このプレヒータにて加熱されたセメント原料を加熱してセメントクリンカを焼成するロータリーキルンと、
    燃料微粉末を前記ロータリーキルンのバーナーに供給するミルと、
    前記プレヒータから排出された100℃以上となる高温ガスをこのミルに供給する高温ガス供給路と、
    前記原料ミルの排ガスから有機塩素化合物を含む集塵ダストを捕集する第1の集塵機と、
    前記高温ガス供給路の途中に配設され、有機塩素化合物を含む脱塵ガスを前記ミルに供給する第2の集塵機と、
    前記高温ガス供給路にあって第2の集塵機よりも上流側で分岐し、前記プレヒータから排出された前記高温ガスの一部を前記原料ミルに供給する分岐路と、を備え、
    前記第1の集塵機により捕集された有機塩素化合物を含む集塵ダストを、前記分岐路との分岐部より下流側で前記第2の集塵機の上流側の前記高温ガス供給路に供給するとともに、
    前記第2の集塵機から供給された脱塵ガス中の有機塩素化合物を前記ミルにおいて前記燃料微粉末に吸着してこの燃料微粉末を前記バーナーに供給するセメント製造設備。
  2. 前記第2の集塵機で前記高温ガス中から有機塩素化合物が除去されたダストは、前記原料ミルに投入される請求項1に記載のセメント製造設備。
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