JP4248612B2 - インクジェットインク - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本願発明は、インクジェット・プリンティングに用いられるインクジェット・インクに関し、より詳細には、隣接してプリントされるカラー間のブリード(にじみ)を軽減するため、ポリプロポキシ第四級酢酸アンモニウム(polypropoxy quaternary ammonium acetate)等の陽イオン界面活性剤を染料ベースのインクジェットインク組成物に添加することに関する。
【0002】
【従来技術】
インクジェット・プリンティングは、インク滴が特定の順序でプリント媒体上に付着されてその上に英数字文字、塗りつぶし(area fills)及びその他のパターンを形成する非衝突プリンティング・プロセスである。低コストで出力の品質が高く、比較的雑音のない動作と合わせて、インクジェット・プリンタは、コンピュータ汎用型の他方式プリンタに代わる普及しているプリンタとなっている。
【0003】
インクジェット・プリンティングの非衝突プリンティング・プロセスは、マイクロプロセッサによって生成された電気信号に応答して、紙、透明フィルム又は織物のようなプリント媒体上に微細なインク滴を噴射するものである。インクジェット・プリンティングにおいて、インク滴噴射を遂行するのに現在利用できる基本的手段は、熱的に行うものと圧電式の2通りがある。サーマルインクジェット・プリンティングでは、インク滴噴射のエネルギは、マイクロプロセッサからの電気信号に応答して急速に加熱され、気泡を生成する電気加熱抵抗素子によってつくられ、結果的に、その抵抗素子に結合されたノズルを通してインクの噴出が行われる。圧電式インクジェット・プリンティングでは、これも、マイクロプロセッサで生成された電気信号に応答して、圧電素子が振動してインク滴を噴射する。
【0004】
市販されているサーマルインクジェット・プリンタ、例えば、ヒューレット・パッカード・カンパニーのDeskJet(登録商標)プリンタでは、カラースペクトルは、シアン、マゼンタ及びイエローのインクを様々な比率で組み合わせることによって達成される。そのようなプリンタでは、必要なカラーの組合せを得るのに、典型的には、三原色カラーインクとブラックインクを含む4ペンセットを用いる。そのシアン、マゼンタ及びイエローインクは、それぞれ、シアン、マゼンタ及びイエローの着色剤からそれらの色相を引き出す。
【0005】
インク用着色剤は、染料又は顔料の形で利用できる。従って、インクジェット・インクは、染料ベース又は顔料ベースの何れかの組成物として市販されている。2つのうち、染料ベースのインクジェットインク組成物がはるかに広範囲に利用されている。染料ベースのインクジェットインク組成物は、一般に、水性ベースであり、染料をベヒクルに溶解させることによって調製される。インクジェット・インク組成物に使われる染料分子は、染料イオンとナトリウム又はテトラメチルアンモニウム(TMA)のような陽イオンから作られる染料塩の形をしばしばしている。限れた数の顔料ベースのインクジェット・インクも利用可能であり、これは、一般に、分散剤によって水溶液に分散された顔料から成る。顔料は、耐水堅牢性及び耐光堅牢性という極めて望ましい性質を示すとはいえ、水性媒体で固まるというそれら本来の性向並びに均一なサイズ分布の欠如から、染料ベースのインクに比べインクジェット・インク組成物としてそれらを採用しようという業界の熱意を鈍らせたのである。
【0006】
本願出願と同一の出願人の米国特許出願第08/234,209号において、染料ベースと顔料ベースのインクの最適混合率を採用しているインクジェット・インクセットが開示されている。特に、ここには、顔料ベースのブラックインクが拡散されている1つのプリントカートリッジと少なくとも1つの水混和性染料ベースのインクを拡散させる少なくとも1つのプリントカートリッジを用いることが開示されている。該カラーインクジェット・プリンタは、染料ベースのカラーインクを用いることで比較的容易なプリンタ機能も達成しながら、ブラック(黒色)顔料ベースのインクのもつ耐水堅牢性と耐光堅牢性に便乗して両方とも優れたテキスト品質を実現するものである。
【0007】
インクが染料ベースであるか顔料ベースであるかに関係なく、インクジェット・インクは、通常、ブリードの発生に見舞われる。ここで用いられる、用語「ブリード」は、カラー間のぎざぎざした境界で見られるような、あるカラーが他のカラーに侵入であると定義されるものである。ブリードは、紙サブストレートの表面上並びにサブストレートの内部において複数のカラーが混ざり合う時に生ずる。ブリードの発生は、ブラックインクと隣接してプリントされたカラーインクとの間では、それがいっそう目立つので、特に問題となる。故に、良好な印刷品質を得るためには、カラー間の境界が、はっきりしており且つ1つのカラーの他への侵入がないよう、ブリードを軽減もしくは除去しなければならない。
【0008】
ブラック対カラー及びカラー対カラーのブリード問題に関する種々の解決方法が提案されている。いくつかの解決方法は、ブリード低減のためにインク環境を変えることが関連している。例えば、ブリード低減のため、特殊調合の紙と共に、加熱したプラテン及び他の熱源が用いられた。しかし、加熱プラテンはプリンタのコスト高となり、又、特殊調合紙は普通紙より価格が高い。このように、インクジェットカラー・プリンティングでブリードを低減させるために外的な装置を使うことは、概して、コスト効率がわるい。
【0009】
ブリード問題に対する他の提案では、ブリードを低減させるため、インクジェット・インクの組成を変更することが含まれる。例えば、界面活性剤は、紙中へのインクの浸透速度を高めるのに使われてきた。米国特許第5,116,409号は、両性界面活性剤もしくはイオン性又は非イオン性両親媒性物質(non-ionic amphiphiles)をそれらの臨界ミセル濃度を上回る濃度で使うことにより、ブリード制御を達成する方法が開示されている。しかし、ブリード制御を達成する界面活性剤の添加は、エッジ尖鋭度の低下の原因となることも知られている。
【0010】
ブラック対イエロー(黄色)のブリードという特定の問題に対する解決方法は、米国特許第5,198,023号に開示されており、この場合は、塩化カルシウム及び塩化マグネシウムのような多価陽イオンを約1〜10 wt%の範囲の濃度でイエローカチオンに添加してイエローとブラックインク間のブリードを防ぐものである。他の陰イオンには、塩化物の陰イオンとは別に、フッ化物及び硝酸塩の陰イオンがある。カルシウム及びマグネシウム等の多価(multi-valent)陽イオンは、ブリードの制御には有効であるが、それらはまた、多くの染料の選択で不安定であり、それ故、インクジェット・インク組成物の調製を制限する。その上、硝酸塩は毒性があり、従って、インクジェット・インク組成物では避けなければならない。
【0011】
インクジェット・インク間のブリードを低減する別の方法は、本願出願人が出願した米国特許出願第08/567,974に開示されているようなpH-感応性染料の使用に関わるものである。そこに開示されていることは、1つのインクジェット・インクが、pH-感応性着色剤を含有し、第二のインクジェット・インクがそれと接触するとpH-感応性着色剤の沈殿を誘発させることができる適切なpHに緩和される。約0.5から20 wt%の範囲にある濃度の有機酸を第二のインクジェット・インクに用いて、pH-感応性着色剤を不溶性にするのに要するpH差を縮小する。2つのインク間のブリードを減ずるこの手段は有効であるが、十分なpH差を得るために必要な低めのpHは、遊離酸の存在と共に、材料の相容性問題を提起することもある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
従って、インクジェット・インク間のブリードを効果的に制御する手段であって、インク調製に際しより大きな柔軟性を備え、プリンタの部品に対して比較的非毒性且つ非腐食性であり、エッジ尖鋭度を犠牲にしない手段が要求されている。加えて、ブリードを制御する手段は、容易に実施し得るもので且つコスト有効的でなければならない。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明に従って、ブリードを低減するための1セットのインクジェット・インクと方法を提供する。インクジェット・インクのセットは、少なくとも1つの染料ベースのインクジェット・インク組成物と少なくとも1つの顔料ベースのインク組成物とから構成されるもので、染料ベースのインクジェット・インク組成物は、少なくとも1つの陽イオン界面活性剤を含み、顔料ベースのインクジェット・インク組成物は、分散剤等の少なくとも1つの負に帯電した成分を含むものである。染料ベースのインクの陽イオン界面活性剤は、顔料ベースのインク中の負に帯電した分散剤へ引き付けられる一方、染料ベースと顔料ベースのインク間の界面は、陽イオン界面活性剤に対して負に帯電した対イオンによって安定化され、従って、それらが互いに隣接してプリントできるよう染料ベースと顔料ベースのインク間のブリードを制御することになる。
【0014】
このように、負に帯電した分散剤を含む顔料ベース・インクと共に陽イオン界面活性剤を含む染料ベースのインクジェット・インクを用いてブリードを制御する方法は、他のブリード制御方法がもつ上述の不都合を克服するものである。より詳細には、本方法は、高度に毒性であるか又は腐食性の成分をインクジェット・インク組成物には導入しない。それは、特に、既にブラック顔料ベースのインクと染料ベースのカラーインクを使っているインクジェット・プリンタで容易に実施され、コスト有効的であり、カラーインクとブラックインク間のブリード制御を達成するのに一般的に必要なことは、適度な量の陽イオン界面活性剤を染料ベースのカラーインクに添加することだけである。それは、顔料ベース・インクのように、染料ベース・インクより良好なエッジ尖鋭度を実現できるので、該インクセットにおけるブラックインクのエッジ尖鋭度が犠牲になることはない。最後に、それ以外の利点としては、陽イオン界面活性剤によって、ブリードを軽減するのに界面活性剤だけを用いる従来の装置を介して、染料ベース・インク間のある程度のブリード制御が達成できることである。
【0015】
【実施例】
本願明細書に記載の発明は、ヒューレット・パッカード・カンパニーのDeskJet(登録商標)サーマルインクジェット・プリンタ等のインクジェット・カラープリンタと併用してブリード低減を達成できるインクジェット・インクセットを対象としている。特に、インクジェット・インクセットは、少なくとも1つの染料ベース・インクジェット・インク組成物と少なくとも1つの顔料ベースインクジェット・インク組成物とから成り、その時に、染料ベース・インクジェット・インク組成物は、少なくとも1つの陽イオン界面活性剤を含有し且つ顔料ベース・インクジェット・インク組成物は、少なくとも1つの負に帯電した成分、例えば、分散剤、を含有する。このインクセットを使えば、染料ベース・インクジェット・インクと顔料ベース・インクジェット・インク間のブリードの低減が達成されるのである。
【0016】
特に、インク成分を扱う前に、全ての成分の純度は、通常の業務上の実施においてインクジェット・インクとして採用されているものであることを留意すべきである。重量パーセントは、別途表示されない限り、全インク組成物の百分率を表す。
【0017】
本発明に従い、陽イオン界面活性剤を染料ベース・インクジェット・インク組成物に添加する。陽イオン界面活性剤は、染料ベース・インクジェット・インク組成物において約0.5〜5 wt%の範囲の濃度で存在することが好ましい。陽イオン界面活性剤の濃度が約0.5 wt%未満では、負帯電分散剤と相互作用して安定化界面を形成するには不十分であるし、一方、約5 wt%を上回る濃度では、プリント品質、例えば、エッジ尖鋭度に逆影響を与えるかも知れない。好ましくは、陽イオン界面活性剤は、染料ベース・インクジェット・インクに対して約3 wt%の濃度で用いる。
【0018】
インクジェット・インク組成物に使用できる陽イオン界面活性剤はどれも本発明の実施において用いてよいものとする。本発明の実施において適切に用いてよい陽イオン界面活性剤の例としては、これらに本願は限定はされないが、ポリプロポキシ第四級酢酸アンモニウムとポリプロポキシ第四級塩化アンモニウムがある。該界面活性剤は、例えば、WITCO社からEmcolシリーズとして市販されている。より詳細には、Emcol CC-55(MW 3,000)は、ポリプロポキシ第四級酢酸アンモニウムであり、一方、Emcol CC-9(MW 600)、Emcol CC-36(MW 1,600)及びEmcol CC-42(MW 2,500)は、ポリプロポキシ第四級塩化アンモニウムである。これらの界面活性剤の分子量は、それらの炭化水素の鎖長に正比例する。ポリプロポキシ第四級酢酸アンモニウムの界面活性剤は、酢酸塩の対イオンを有し、一方、ポリプロポキシ第四級塩化アンモニウムの界面活性剤は、塩化物の対イオンを有する。適度に大きい対イオンと会合させた陽イオン界面活性剤はどれも発明の実施において適切に用いてよいものとする。陽イオン界面活性剤の成分は、適当な界面活性剤の混合物であってもよい。ポリプロポキシ第四級酢酸アンモニウム、例えば、CC-55は、本発明の実施において望ましいものである。
【0019】
本発明の実施において陽イオン界面活性剤と会合させてよい大きい対イオンの例としては、本願はこれらに限定されるものではないが、酢酸塩、ギ酸塩、塩化物、グルコン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、グルタル酸塩、マロン酸塩、カルボン酸塩、フマル酸塩、リンゴ酸塩、セバシン酸塩、アジピン酸塩、ステアリン酸塩、オレイン酸塩、ラウリン酸塩、安息香酸塩及びクエン酸塩がある。好ましくは、酢酸塩対イオンを用いる。
【0020】
陽イオン界面活性剤の分子量は、本願発明に係るインクジェット・インクを調製する上で重要な要件である。界面活性剤の分子量が増加すると、その電荷密度が減少し、よって、その界面活性剤を負帯電染料に対してより良性にし、従って、前述の染料の沈殿をほとんど誘発しない。陽イオン界面活性剤の電荷密度を減ずるため、非四級化(non-quaternized)界面活性剤の前駆体をインク組成物に添加してよい。非四級化界面活性剤の前駆体は、もし使うなら、帯電陽イオン界面活性剤と1:1のモル比まで添加することが好ましい。
【0021】
任意に、非イオン性界面活性剤を本願のインクジェット・インク組成物の陽イオン界面活性剤と共に用いてもよい。インクジェット・インク組成物に陽イオン界面活性剤と共に用いてもよい非イオン性界面活性剤の例には、本願がこれらに限定されるものではないが、第二級アルコールエトキシレート、ノニルフェニルエトキシレート及びアセチレングリコールベースの非イオン性物質がある。
【0022】
本願発明に従って、陽イオン界面活性剤を用いる染料ベース・インクジェット・インク組成物は、負帯電分散剤を有する顔料ベース・インクジェット・インク組成物と配合されるとブリード制御において低減を達成する。本発明の実施において得られるブリード制御のメカニズムは、何ら特殊な理論によるものではなく、陽イオン界面活性剤と負の分散剤(dispersant)の間の相互作用を利用する染料ベースと顔料ベースのインク間の安定な界面の形成に依存する。より詳細には、これらの界面活性剤は、正の基(group)と負の基を有し、そのうち正の基がより優勢である。例えば、Emcol CC-55は優勢な正の基(即ち、アミン基)と対イオン基(即ち、酢酸塩)を有している。陽イオン界面活性剤における正の基は、負帯電分散剤の方へ引き付けられる。しかし、陽イオン界面活性剤のうち負帯電の基、即ち、対イオンのいくらかは界面活性剤から出て、正の基と分散剤間の引力に逆らうように作用し、それによって、その間に安定界面を形成してインクが相互に浸透するのを防ぐ。界面では、界面活性剤分子は、それらのデュアルヘッド基が顔料ベース・インクの方に対面し、それらの疎水性テールが外側に向き、染料ベース・カラーインクに対する障壁として作用する。このように、陽イオン界面活性剤の正帯電基とその対イオンは、本願発明の方法において同様に重要な役割を担うのである。
【0023】
本発明の好ましい実施例では、さらにブリードを低減するためにある量の対イオンを染料ベースのインクジェット・インク組成物に添加する。例えば、ポリプロポキシ第四級酢酸アンモニウムが使われる場合、アセテートイオン又は他の大型イオンの過剰の量を、好ましくは、染料ベースのインクに導入して、染料ベース・インクと顔料ベース・インク間に正により安定な界面を実現する。特に、染料ベース・インクに過剰の対イオンの添加によって、対イオンがそこから出るよりはむしろ界面活性剤に付着するような平衡状態が成立し、その結果、界面活性剤全部が、正及び負の両帯電基と共に界面に移動して、染料ベース・インクと顔料ベース・インク間により安定な界面を生ずる。それらが移動して出る場合でも、大型の対イオンは、界面で集積する傾向がある。Emcol CC-55に関しては、過剰の酢酸塩対イオンは、酢酸アンモニウムを染料ベース・インクに添加することによって供給してよい。上に与えられた適当な対イオンのリストを含む、種々の対イオンは、そのように用いてよいものとし、且つ過剰の対イオンは、陽イオン界面活性剤と既に会合した同一の対イオンである必要はないものとする。過剰の対イオンは、インクジェット・インク組成物に通常含有されているような任意のカチオン、例えば、ナトリウム、リチウム、テトラメチルアンモニウム及びカリウムと適切に会合させてよい。過剰の対イオンは、好ましくは、陽イオン界面活性剤の量と添加対イオンの種類に依存して、約2〜10 wt%の濃度で染料ベース・インクに添加する。当業者による日常的実験で、インクジェット・インク組成物に添加すべき過剰の対イオンの適当な濃度を容易に決定することができる。
【0024】
本発明の実施において、染料ベースのインクジェット・インク組成物の着色剤は、アニオン又はカチオンを問わず、インクジェット・プリンタにおける使用に適する水溶性染料であればどれでもよいものとする。アニオン染料の例には、限定するものではないが、Food Black 2, Direct Black 19, Acid Blue 9, Direct Blue 199, Direct Red 227及びAcid Yellow 23がある。カチオン染料の例には、限定するものではないが、Basic Blue 3, Basic Violet 7, Basic Yellow 13,及びBasic Yellow 51がある。本発明の実施には、好ましくは、カチオン染料を用いる。該染料の濃度は、好ましくは、約0.1〜7 wt%の範囲に入る。約0.1 wt%未満では、許容できない明度をもつインクとなり、一方、約7 wt%を越える場合は、インクジェット・ペンのオリフィスが閉塞する。より好ましくは、染料は、約0.1〜4 wt%の範囲内で存在する。染料の混合物も使ってよい。
【0025】
染料ベースのインクジェット・インクのベヒクルは、着色剤及びインクジェット・インクセットの他のインクと相容性であるような、商業上に用いられているベヒクル成分から構成される。ベヒクルは、好ましくは、陽イオン界面活性剤成分に加え、少なくとも1つのジオール、少なくとも1つのグリコールエーテル、2-ピロリドン、界面活性剤及び殺生物剤のような他の成分と緩衝液と水から成る。より詳細には、染料ベースのインクジェット・インク組成物のベヒクルは、好ましくは、全インク組成の百分率として表した次の濃度を含有する:(a)約3〜20 wt%の少なくとも1つのジオール;(b)約5 wt%未満の少なくとも1つのグリコールエーテル;(c)約3〜9 wt%の2-ピロリドン;(d)約0.5〜5 wt%の陽イオン界面活性剤;(e)(f)非イオン性界面活性剤、殺生物剤及びインクpHを得られる程の十分な量が添加される緩衝液から成る群から選択される約5 wt%未満の少なくとも1つの化合物;(g)バランスをとる量の水。上述のベヒクルが望ましいが、インクジェット・インク組成物に適した水性ベースのベヒクルならどれでも本発明の実施において利益を得ることができる。
【0026】
染料ベース・インクのインクベヒクルに適切に使用できるジオールの例には、エタンジオール(例えば、1,2-エタンジオール);プロパンジオール(例えば、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、2-エチル-2-ヒドロキシ-メチル-1,3-プロパンジオール、エチルヒドロキシ-プロパンジオール(EHPD)等);ブタンジオール(例えば、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール等);ペンタンジオール(例えば、1,5-ペンタンジオール);ヘキサンジオール(例えば、1,6-ヘキサンジオール、2,5-ヘキサンジオール等)のような化合物の何れか、又は2つ以上の混合物が含まれる。好ましくは、染料ベース・インクのベヒクルには、1,5-ペンタンジオールとEHPDを用いる。
【0027】
染料ベース・インクのインクベヒクルのうちグリコールエーテルの化合物は、インクジェット・プリンティングに使用されるインクに通常用いられるグリコールエーテルとチオグリコールエーテルの何れか、又はその混合物から成ってよい。該化合物の例には、ポリエチレングリコールのようなポリアルキレングリコール(例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール等);ポリプロピレングリコール(例えば、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラプロピレングリコール等);高分子グリコール(例えば、PEG 200、PEG 300、PEG 400、PPG 400等);チオジグリコールがある。好ましくは、インク・ベヒクルにジエチレングリコールを用いる。
【0028】
それぞれの染料ベース・インクにおけるペンタンジオールとグリコール成分の好ましい濃度は、以下の式によって与えられる。
2× [DEG] + [ペンタンジオール]= 約6〜10 wt%
ここでは、角括弧は重量パーセントの濃度を表す。EHPDは別に考慮し、好ましくは、約6〜9 wt%の範囲の量で染料ベース・インクに存在する。
【0029】
本発明の要件に一致して、その他の様々な種類の添加剤を染料素地及び顔料素地のインクジェット用インク組成に用いて、特定用途用としてインク組成の諸性質を最適化してよい。該添加剤の例には、緩衝液、殺生物剤、及びその類があり、それらの各々は、インクジェット用インク組成に普通に用いられる添加剤である。好ましく用いられる緩衝液の例には、限定するものではないが、Aldrich Chemical (Milwaukee, WI)から市販されているTrizma Base、及びスルホン酸4-モルホリンエタン(MES)がある。インクジェット用インクに普通に用いられる殺生物剤、例えば、Huls America (Piscataway, N.J.)から市販のNUOSEPT 95;ICI Americas (Wilmington, Del.)から市販のPROXEL GXL;Union Carbide Company (Bound Brook, N.J.)から商品名(trade designation)UCARCIDE 250で市販されているグルタルアルデヒドのどれも本願発明の実施に用いてよい。PROXEL GXLは好ましい殺生物剤である。
【0030】
インクの耐コゲーション(anti-kogation)は、一定の染料のカチオンを他のカチオンと周知のように置換することによって達成される。例えば、Direct Blue 199とAcid Yellow 23の両方に会合したナトリウムのカチオンは、実質上、テトラメチルアンモニウム(TMA)のカチオンと全体的に置換される。
【0031】
陽イオン界面活性剤を含む本発明に従って調製される染料ベースのインクジェット・インク組成物の例は、次のシアン染料ベース・インクである:(a)ナトリウムに結合させたAcid Blue 9とTMAに結合させたDirect Blue 199との約2〜4 wt%の混合物;(b)約8 wt%の1,5-ペンタンジオール;(c)約7.5 wt%のEHPD;(d)約7.5 wt%の2-ピロリドン;(e)約4 wt%のEmcol CC-55;(f)約2 wt%の酢酸アンモニウム;(g)pHを約7.0に緩衝するのに十分な水酸化テトラメチルアンモニウム;(h)バランスをとる量の水。
【0032】
本願発明の顔料ベースのインクジェット・インク組成物に関連して、ここで用いられる負帯電成分は、顔料ベースのインクジェット・インク組成物に適切に用いられるような任意の分散剤であってよい。負帯電分散剤の例には、限定するものではないが、ヒューレット・パッカード・カンパニーのDeskJet 850(DeskJetは登録商標である)インクジェット・プリンタに使われる専用の組成物を有するブラック顔料ベース・インクのポリアクリル系分散剤がある。好ましくは、負帯電分散剤は、顔料ベースのインクジェット・インク組成物の約1〜3 wt%の範囲で、さらに好ましくは、約2 wt%の濃度で用いられる。
【0033】
本発明の実施において、顔料ベースのインクジェット・インク組成物の着色剤は、分散剤の存在が必要なインクジェット・プリンタの使用に適する任意の顔料であってよいものとする。該顔料の例としては、限定するものではないが、ヒューレット・パッカード・カンパニーのDeskJet 850(DeskJetは登録商標である)インクジェット・プリンタに使われる専用のブラック顔料ベース・インク組成物における顔料を含む。該顔料の濃度は、好ましくは、インクジェット・インク組成物の約1〜5 wt%の範囲にある。約1 wt%より少ないと、許容できない明度を有するインクとなり、一方、約5 wt%を上回ると、インクジェット・ペンのオリフィスが閉塞することが生じる。より好ましくは、顔料は、インクジェット・インク組成物の約3〜4 wt%の範囲で存在する。顔料の混合物も使ってよい。
【0034】
顔料ベースのインクジェット・インクのベヒクルは、インクジェット・インクと相溶性のある商業において実用されているベヒクル成分から成る。例えば、次に示すように、適切なブラック顔料ベース・インクは、例えば、米国特許第5,085,698号、米国特許第5,221,334号、米国特許第5,302,197号に開示されている。市販されている専用の組成物を有する顔料ベースのブラックインクの特定例は、ヒューレット・パッカード・カンパニーのDeskJet 850(DeskJetは登録商標である)インクジェット・プリンタに使われるブラックインクである。
【0035】
本願発明の方法は、染料ベース又は顔料ベースのインクの任意のカラー間のブリードを低減もしくは除去できるが、カラー対ブラックのブリードは実際上は顕著でないため、ブラック対カラー及びカラー対カラーのブリードの防御に最大の用途を見出すものと期待される。さらに、現在市販の顔料ベースのインクジェット・インクは、原色に反して、ブラックの着色剤を有している。それ故、本発明の実施において、インクセットのブラックインクが負帯電分散剤を含有する顔料ベース・インクを構成し、一方、カラーインク(即ち、マゼンタ、シアン、イエロー)が陽イオン界面活性剤を含有する染料ベースのインクジェット・インクを構成する。より好ましくは、インクジェット・インクセットのカラーインクの各々は、発明に従い、陽イオン界面活性剤を含む染料ベースのインクであり、一方、ブラックインクは、負帯電分散剤を含有する顔料ベースのインクジェット・インクである。その結果として、ブラック対カラーのブリードが、前述のインクセットにおいて実質的に除去されてしまう。該インクセットの付加的な利点は、(1)染料ベースのブラックインクに反して顔料ベースのブラックインクを用いることにより、プリントしたテキストにおけるエッジ尖鋭度が改善されること、及び(2)ブリード制御に界面活性剤を用いるという従来の方法に従って陽イオン界面活性剤を単に入れるだけで染料ベースのカラーインク間のブリードが軽減されることである。
【0036】
約言すれば、本方法は、少なくとも2つのインク調合物間のブリード制御について所望の効果をもたらすように、それらの調合物の改善に関連するものである。陽イオン界面活性剤を染料ベースのインクジェット・インク組成物に混ぜ、一方で、負帯電分散剤を顔料ベースのインクジェット・インク組成物に混ぜるのである。陽イオン界面活性剤と負帯電分散剤とは相互作用して、染料ベース又は顔料ベースの何れのインクでも実質的に浸透し得ない安定界面を形成し、結果として、それらの間のブリード制御を達成するのである。
【0037】
発明の実施において実現される諸利点を以下の実施例で説明する。
【0038】
実施例
図は、染料ベース及び顔料ベースのインクジェット・インク間のブリード制御を達成する際の陽イオン界面活性剤と負帯電分散剤の組合せの効力を図解するものである。本発明を実施することの利益を説明するため、カラー及びとブラックインクの任意の組合せを使ったが、イエロー及びブラックインクは、ブリードが容易に観察されるようそれらのコントラストを付けるために用いた。本発明の実施で達成されるブリード制御の評価のため、ヒューレット・パッカード・カンパニーのDeskJet 850(DeskJetは登録商標である)プリンタを用いてインクジェット・インクをプリント媒体上に付着させた。各場合、ブラックインクは、ヒューレット・パッカード・カンパニーのDeskJet (登録商標)850プリンタに現在用いられている専用の組成を有する顔料ベースのブラックインクであり、同インクは約8.5のpHを示すものである。
【0039】
本発明の方法で指向されたブラック対カラーのブリード問題を先ず説明するため、図1では、何らブリード制御対策がなされていない場合に生ずるブラック対カラーのブリードが示されている。より詳細には、図1は、ギルバードボンド紙(Gilbert bond paper)上に上述のブラックインクで重ね刷りされたイエロー領域を示すもので、図の白紙領域はイエロー領域の塗りつぶしを表す。イエローインクは、次の組成であった:(a)約2.1 wt%のAcid Yellow 23-TMA(1:10,000の希釈のABS);(b)約8 wt%の1,5-ペンタンジオール;(c)約7.5 wt%のEHPD;(d)約7.5 wt%の2-ピロリドン;(e)バランスをとる量の水。無機塩、有機塩又は陽イオン界面活性剤等のブリード制御成分がない場合、図1に示すように、ブラックとイエローインク間に実質的ブリードが存在し、それはそこでのブラックとイエローインク間のぎざぎざの境界で明白である。
【0040】
図2は、本発明に従って調製された上述のブラックインクとイエローインク間でブリード制御が達成されたことを示す。より詳細には、約4 wt%のEmcol CC-55陽イオン界面活性剤を(同量の水と置き換えて)上述の染料ベースのインクに添加した。結果として、ブラックとイエローインク間の境界は著しく改善された。
【0041】
図3は、図2のイエローインクは2 wt%の酢酸アンモニウムの添加で噴射されたときに達成されるブリード制御のさらに優れた改善を示す。明らかに、過剰の酢酸塩対イオンの添加によって、イエロー染料ベースのインクに陽イオン界面活性剤を用いて実現されるブリード制御がさらに改善されるのである。
【0042】
最後に、図4と5は、図3のインクを異なった媒体上にプリントすることの効果を示す。より詳細には、図4は、ヒューレット・パッカード・カンパニーの光沢媒体上にプリントされた図3のインクを示し、一方、図5は、ヒューレット・パッカード・カンパニーの透明媒体上にプリントされた図3のインクを示す。透明紙(transparency)は、3つの層:ポリビニルピロリドンと第四級アミンを有するアクリル酸共重合体から成る上部層とヒドロキシエチルセルロースの中間層とポリエチレンテレフタラードの基体高分子の底部層から構成されるものである。
【0043】
このように、負帯電分散剤を有する顔料ベースのインクと配合される染料ベースのインクに陽イオン界面活性剤を添加すれば、それらの間で実質的ブリード制御が達成されることが立証された。また、過剰の対イオンをさらに添加すれば、染料ベース・インクに陽イオン界面活性剤だけを添加して達成されたブリード制御がさらに改善されることも立証された。
【0044】
産業利用性
隣接にプリントされたインク間のブリードを制御するための、ここに開示した、本願発明のインクジェット・インク組成物と方法は、インクジェット・プリンタにおいて、特にサーマルインクジェット・カラープリンタにおいて、商業上の用途を見出すものと期待される。
【0045】
以上、ここに、陽イオン界面活性剤、即ち、ポリプロポキシ第四級アンモニウム界面活性剤を含む染料ベースのインクジェット・インクと、負に帯電した分散剤を含む顔料ベースのインクジェット・インクとから成るインクジェット・インクセットを開示した。加えて、同インクジェット・インクセットを調製してブリードを低減する方法も開示された。明らかな特徴の様々な変更並びに修正は発明の精神から逸れることなく実行し得ること及び前述の変更と修正は全て、特許請求の範囲で記されるように本願発明に帰属するものと考えられることは、当業者にといっては自明のことである。
【0046】
以上、本発明の実施例について詳述したが、以下、本発明の各実施態様の例を示す。
(実施態様1)少なくとも1つの染料ベースのインクジェット・インク組成物と少なくとも1つの顔料ベースのインクジェット・インク組成物とから成るインクジェット・プリンティングのためのインクジェット・インクセットにおいて、少なくとも1つの染料ベースのインクジェット・インク組成物が少なくとも1つの陽イオン界面活性剤を含有し、少なくとも1つの顔料ベースのインクジェット・インク組成物が少なくとも1つの負に帯電した分散剤を含有することを特徴とするインクジェット・インクセット。
(実施態様2)少なくとも1つの陽イオン界面活性剤が、少なくとも1つの染料ベースのインクジェット・インク組成物に約0.5〜5 wt%の範囲の濃度で含まれること前項(1)記載のインクジェット・インクセット。
(実施態様3)少なくとも1つの陽イオン界面活性剤が、ポリプロキシ第四級酢酸アンモニウムとポリプロキシ第四級塩化アンモニウムとから成る群から選択されることを特徴とする前項(1)記載のインクジェット・インクセット。
(実施態様4)少なくとも1つの陽イオン界面活性剤がアニオンと対イオンから成り、少なくとも1つの染料ベースのインクジェット・インク組成物は、少なくとも1つの陽イオン界面活性剤と結合するに加えて、第2の対イオンを含み、第2の対イオンは少なくとも染料ベースのインクジェット・インク組成物にインクジェット・インク組成物に約2〜10 wt%の範囲内の濃度で存在することを特徴とする前項(1)記載のインクジェット・インクセット。
(実施態様5)第二の対イオンは、酢酸塩、ギ酸塩、塩化物、グルコン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、グルタル酸塩、マロン酸塩、カルボン酸塩、フマル酸塩、リンゴ酸塩、セバシン酸塩、アジピン酸塩、ステアリン酸塩、オレイン酸塩、ラウリン酸塩、安息香酸塩、及びクエン酸塩から成る群から選択される前項(4)記載のインクジェット・インクセット。
(実施態様6)少なくとも1つの染料ベースのインクジェット・インク組成物は、約0.1〜4 wt%の少なくとも1つの染料と、約3〜20 wt%の少なくとも1つのジオールと、0〜約5 wt%の少なくとも1つのグリコールエーテルと、約3〜9 wt%の2-ピロリドンと、約0.5〜5 wt%の陽イオン界面活性剤と、非イオン性界面活性剤、殺生物剤及び緩衝液とバランスをとる量の水から成る群から選択される約5 wt%未満の少なくとも1つの化合物とからなることを特徴とする前項(1)記載のインクジェット・インクセット。
(実施態様7)少なくとも1つの負に帯電した成分が、少なくとも1つの顔料ベースのインクジェット・インク組成物中に約1〜3 wt%の範囲内で存在する前項(1)記載のインクジェット・インクセット。
(実施態様8)少なくとも1つの負に帯電した成分がポリアクリル系の顔料分散剤である前項(1)記載のインクジェット・インクセット。
(実施態様9)少なくとも1つの顔料ベースのインクジェット・インク組成物が、ブラック顔料ベースのインクジェット・インクから成り、少なくとも1つの染料ベースのインクジェット・インク組成物がマゼンタ染料ベースのインクジェット・インク、シアン染料ベースのインクジェット・インク、イエロー染料ベースのインクジェット・インクを包含することを特徴とする前項(1)記載のインクジェット・インクセット。
(実施態様10)前項(1)記載のインクセットを調製することを特徴とする少なくとも1つの染料ベースのインクジェット・インク組成物と少なくとも1つの顔料ベースのインクジェット用インク組成物から成る少なくとも2つの異なったカラーインクをインクジェット・ペンからプリント媒体上にプリントする際のブリードを低減する方法。
【0047】
【発明の効果】
以上、説明したように、陽イオン界面活性剤を添加することによって、染料ベースのカラーインクの顔料ベースのブラックインクに対するブリードを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】陽イオン界面活性剤(又は他の任意のブリード制御成分)を含まない従来の染料ベースのカラーインクと顔料ベースのブラックインクのプリント結果を示す図。
【図2】本発明の一実施例の染料ベースのカラーインクと顔料ベースのブラックインクのプリント結果を示す図。
【図3】本発明の一実施例において、陽イオン界面活性剤と過剰の対イオンを両方とも含む染料ベースのカラーインクと顔料ベースのブラックインクのプリント結果を示す図。
【図4】図3のインクを用いて光沢媒体にプリントした結果を示す図。
【図5】図3のインクを用いて透明媒体にプリントした結果を示す図。

Claims (10)

  1. 少なくとも1つの染料ベースのインクジェットインク組成物と少なくとも1つの顔料ベースのインクジェットインク組成物とから成るインクジェットプリンティングのためのインクジェットインクセットであって、前記少なくとも1つの染料ベースのインクジェットインク組成物が少なくとも1つの陽イオン界面活性剤を含有し、前記少なくとも1つの顔料ベースのインクジェットインク組成物が少なくとも1つの負に帯電した分散剤を含有するインクジェットインクセット。
  2. 前記少なくとも1つの陽イオン界面活性剤が、前記少なくとも1つの染料ベースのインクジェットインク組成物中に0.5〜5wt%の範囲の濃度で存在する請求項1に記載のインクジェットインクセット。
  3. 前記少なくとも1つの陽イオン界面活性剤が、ポリプロポキシ第四級酢酸アンモニウムとポリプロポキシ第四級塩化アンモニウムとから成る群から選択される請求項1に記載のインクジェットインクセット。
  4. 前記少なくとも1つの陽イオン界面活性剤がアニオンと対イオンとから成り、且つ前記少なくとも1つの染料ベースのインクジェットインク組成物が前記少なくとも1つの陽イオン界面活性剤と会合している対イオンに加えて第2の対イオンを含んでおり、該第2の対イオンが前記少なくとも1つの染料ベースのインクジェットインク組成物中に2〜10wt%の範囲の濃度で存在する請求項1に記載のインクジェットインクセット。
  5. 前記第2の対イオンが、酢酸塩、ギ酸塩、塩化物、グルコン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、グルタル酸塩、マロン酸塩、カルボン酸塩、フマル酸塩、リンゴ酸塩、セバシン酸塩、アジピン酸塩、ステアリン酸塩、オレイン酸塩、ラウリン酸塩、安息香酸塩、及びクエン酸塩から成る群から選択される請求項4に記載のインクジェットインクセット。
  6. 前記少なくとも1つの染料ベースのインクジェットインク組成物が、0.1〜4 wt%の少なくとも1つの染料、3〜20 wt%の少なくとも1つのジオール、0〜5 wt%の少なくとも1つのグリコールエーテル、3〜9 wt%の2-ピロリドン、及び0.5〜5 wt%の陽イオン界面活性剤と、非イオン性界面活性剤、殺生物剤、及び緩衝剤から成る群から選択される5 wt%未満の少なくとも1つの化合物と、水とからなる請求項1に記載のインクジェットインクセット。
  7. 前記少なくとも1つの負に帯電した成分が、前記少なくとも1つの顔料ベースのインクジェットインク組成物中に1〜3 wt%の範囲で存在する請求項1に記載のインクジェットインクセット。
  8. 前記少なくとも1つの負に帯電した成分が、ポリアクリル顔料分散剤である請求項1に記載のインクジェットインクセット。
  9. 前記少なくとも1つの顔料ベースのインクジェットインク組成物が、ブラック顔料ベースのインクジェットインクから成り、前記少なくとも1つの染料ベースのインクジェットインク組成物が、マゼンタ染料ベースのインクジェットインク、シアン染料ベースのインクジェットインク及びイエロー染料ベースのインクジェットインクから成る請求項1に記載のインクジェットインクセット。
  10. 少なくとも1つの染料ベースのインクジェットインク組成物及び少なくとも1つの顔料ベースのインクジェットインク組成物を包含する少なくとも2つの異なるカラーインクをインクジェットペンからプリント媒体上へプリントする際のブリードを抑制する方法であって、請求項1に記載のインクジェットインクセットを調合するステップを包含する方法。
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