JP4247985B2 - 流路切換式分析計およびこれを用いた測定装置 - Google Patents

流路切換式分析計およびこれを用いた測定装置 Download PDF

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Description

本発明は、各種流体中の特定成分の濃度を測定する流路切換式分析計に関するもので、特に大気中の特定物質測定装置など長期間自動運転が要求される測定装置に用いられる流路切換式分析計に適用することが有用である。
近年、環境大気用分析装置あるいは自動車排気ガス分析装置などの大気汚染分析装置においては、長期間の自動運転に対応できる安定性の高い精度の良い測定器が求められ、従来から、それに加えて汎用性が高く保守の容易な非分散赤外線分析計(以下、「NDIR」という。)や非分散紫外線分析計(以下「NDUV」という。)、マイクロ波吸光度計などの吸光式分析計が多く用いられている。また、吸光式分析計は、基本的に試料に非接触であることから各種のプロセスのインラインモニターとしても有用である。こうした吸光式分析計については、各種の方式が提案され実用化されたが、現在、試料切換式や流体変調式(本願ではこれらを総称して「流路切換式分析計」という。)の測定器が多用されており、光学系の構成が簡単で、安定性の高い、応答速度のよい測定器として知られている(例えば非特許文献1参照)。
特に、流体変調式吸光式分析計は、試料切換式のように切換後の指示の安定性を待つ必要がなく(バッチ的な処理が必要となる)、連続した信号を取り出すことができることから優れた応答性を得ることができる点優位性が高い。具体的には、図8に示すような流体変調式吸光式分析計において、光源用電源(図示せず)からの電力を注入すると光源部101からの赤外線が試料セル部102を介して検出器103に投入され、試料セル部102に導入された試料流体中の測定成分による赤外線吸収の変化のみを検出している。ここで、流体切換機構104を用いて試料流体Sと基準(比較)流体Rを一定周期で切換えて変調させ、試料セル部102内での赤外線の吸収量の変化分のみを交流信号として取り出した検出器出力は前置増幅器等(図示せず)で増幅された後、信号処理部(図示せず)に入力され整流等の信号処理の後、濃度演算されて表示部(図示せず)に濃度表示される。
また、こうした流体変調式吸光式分析計を用いた測定装置を、図9に例示する(例えば特許文献1参照)。流体変調式ガス分析計21に測定ガス(例えば大気)の供給路22と比較ガスの供給路23とが接続され、前記比較ガスと測定ガスが分析計21に一定の周期で交互に供給されて、前記測定ガス中の被測定対象ガス(例えば一酸化炭素(CO)ガス)の濃度を分析するように構成されている。供給路22には、測定ガスの取入口24と、フィルタ25と、電磁式の三方弁26と、加湿手段27と、圧送ポンプ28と、調圧器29と、キャピラリ30とが、その順に介装されている。他方の比較ガスの供給路23には、ゼロガス供給手段31、加湿手段27’と、調圧器29’と、キャピラリ30’とが、その順に介装され、かつ、この比較ガスの供給路23と前記測定ガスの供給路22は、それぞれ除湿手段32に接続されていて、除湿直後のガスが分析計21に導入されるようになっている。
さらに、こうした構成を有する測定方法は、上記のNDIRだけでなく、NDUVについても、同様に提案・実用化されている(例えば特許文献2参照)。
JIS B7951−1998 特開平5−256777号公報 特開平8−43302号公報
しかしながら、従来技術で述べた流路切換式分析計では、以下のような課題が生じることがある。
上記のような構成例においては、試料流体Sおよび基準流体Rを定流量化して交互に単一の試料セル部2に導入するが、各々の流体は、試料セル部2の置換に必要な所定量以上の流量を必要とし、かつ、各流量も高い安定性を維持する制御精度が必要とされる。
このとき、試料セル部2に導入されない流体は使用されずに排出されることとなり、試料流量の軽減が困難となる。特に、吸光度分析計などにおいては、検出感度の向上を図るために試料セル部2の容積を大きくすることが必要となり、その分試料流量の増大を招来することとなる。また、こうした試料流量の増大は、試料採取部(図示せず)の除塵用フィルタや輸送用ポンプあるいは冷却器などの負荷を大きくし、流量の安定性を確保するために別途安定化手段を設ける等々を必要とし、装置の大型化、複雑化を招くこととなる。
そこで、本発明の目的は、上記のような課題を解決し、最小限の試料流量条件においても、流量変動に強く、安定性および測定精度の高い流路切換式分析計およびそれを用いた測定装置を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために、鋭意研究を重ねた結果、以下に示す流路切換式分析計およびこれを用いた測定装置により上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに到った。
本発明は、切換弁によって一定周期で試料流路および基準流路の切換を行い、試料中の特定成分の濃度を測定する単一の試料セル部を有する流路切換式分析計であって、前記切換弁より下流の前記試料セル部に連結する流路に、該試料セル部に一定の流量を吸引することができる吸引手段を有し、前記切換弁より上流側の前記試料流路または試料流路および基準流路にオーバーフローラインを設け、該オーバーフローラインまでの流路において試料または試料と基準流体が圧送されるPUSHラインを形成し、前記切換弁より下流の流路において試料または試料と基準流体が吸引されるPULLラインを形成するとともに、該オーバーフローラインに所定の容量を有する部材を設け、前記試料セル部に導入されないときに、圧送された前記試料または試料と基準流体を、該部材を介して系外に排出しながら該部材に貯留するとともに、前記部材の所定の容量が、試料流路または試料流路および基準流路の数量、流路の切換周期、および試料セルに導入される流量に基づいて設定され、前記試料流路あるいは前記基準流路への流路の切換時に、圧送された試料あるいは基準流体がPUSHラインから前記切換弁を経由して導入されると同時に、前記部材に貯留された試料あるいは基準流体の一部が吸引されて、前記試料セル部に導入されるように吸引流量を設定することを特徴とする。本発明者は、単一の試料セル部を有する流路切換式分析計において、試料セル部に導入されない試料や基準流体あるいは両者の混合流体を、所定の容量を有する部材(以下「Bスペース」という。)を介して貯留・排出することで、最小限の流量によって試料流体と基準流体との円滑な切換を行うことができることを見出したもので、流量変動に強く、安定性および測定精度の高い流路切換式分析計を提供することができる。特に、試料流路または基準流路の少なくともいずれか一方にオーバーフローラインを設け、そのオーバーフローラインにBスペースを設けることで、両流路相互の影響を受けずに両流体の円滑な切換を行うことができる。また、いわゆる「PUSH−PULL」型の分析計を構成することによって、PUSHラインでの流量変動の影響を受けない分析計を構成することができることを案出したもので、さらに流量変動に強く、安定性および測定精度の高い流路切換式分析計を提供することができる。
また、本発明は、一定周期で試料流路および基準流路の切換を行い、試料中の特定成分の濃度を測定する単一の試料セル部を有する流路切換式分析計であって、前記流路の切換弁より下流の前記試料セル部に連結する流路に、該試料セル部に一定の流量を吸引することができる吸引手段を有し、少なくとも前記いずれかの流路に所定の容量を有する部材を設け、前記試料あるいは前記基準流路を流れる基準流体を、該部材を介して系外に排出しながら該部材に貯留するとともに、前記試料流路あるいは基準流路への流路の切換時に、前記部材に貯留された試料あるいは基準流体の一部が吸引されて、前記試料セル部に導入されるように吸引流量を設定することを特徴とする。上記Bスペースは、必ずしもオーバーフローラインに設ける必要はなく、少なくともいずれかの流路に設けることで、上記同様、最小限の流量によって試料流体と基準流体との円滑な切換を行うことができ、流量変動に強く、安定性および測定精度の高い流路切換式分析計を提供することができる。
ここで、本発明は、上記の流路切換方式分析計において、前記所定の容量を有する部材に必要な最小容量Vが、下式によって表わされることを特徴とする。
V=q/(n×f)
ここで、n:試料流路および基準流路の数量
f:流路の切換周期
q:試料セルに導入される流量、を示す。
上記のような容量を有するBスペースを構成要素とする流路切換方式分析計を用いることによって、理論的に設定流量以上の領域で安定な出力を得ることを確証することができ、実機においても、こうした安定領域を用いつつ、所定の安全率をみた最小流量で設定されることによって、試料採取条件に合致した流量に制御することも可能となる。
また、本発明は、上記いずれかに記載の流路切換式分析計を用いた試料流体測定装置であって、前記基準流体が、前記分析計から排出された試料流体、基準流体、試料流体と基準流体との混合流体を精製した流体であることを特徴とする。上記の流路切換式分析計においては、最小限度の試料および基準流体の流量によって精度の高い測定が可能となるとともに、試料セル部から排出された流体を精製し基準流体として用いることで、さらに分析計が必要とする流量を軽減し、流体供給の負荷を大きく軽減することができる。特に「PUSH−PULL」型の分析計においては、基準流体供給用の圧送手段を省略することが可能となり、一層流体供給の負荷を大きく軽減し、流量変動に強く、安定性および測定精度の高い測定装置を提供することができる。
以上のように、試料セル部に導入されない試料や基準流体あるいは両者の混合流体を、Bスペースを介して貯留・排出することで、最小限の流量によって試料流体と基準流体との円滑な切換を行うことができ、流量変動に強く、安定性および測定精度の高い流路切換式分析計およびこれを用いた測定装置を提供することができる。
特に、試料セル部に連結する流路に吸引手段を設けることによって、試料および基準流体を供給する流路での流量変動の影響を受けずに、非常に安定性および測定精度の高い流路切換式分析計およびこれを用いた測定装置を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本発明にかかる流路切換方式分析計の基本的な構成例(第1構成例)を図1に示す(なお、本文における図の説明においては、図中の記号、例えば入口1については、試料ラインに設けた場合は「1s」、基準ラインに設けた場合は「1r」とし、以下同様とする。)。試料Sおよび基準流体Rを各々の入口1sおよび1rから導入し、フィルタ2sおよび2r、ポンプ3sおよび3r、調整弁4sおよび4r、流量計5sおよび5rを経由して流路切換弁6によっていずれかの流体を一定周期で切換えて、単一の試料セル部(図示せず)を有する分析部8に導入する。このとき、流量計5sおよび5rと流路切換弁6の間に各流路にオーバーフローラインを設けておき、分析部8に導入しない流体を、Bスペース7sおよび7rを介して排出する。分析部8の後段には絞り弁9および吸引ポンプ10を設け、両者の間の分枝に設けられた圧力調整器11を介して大気を吸引しながら所定の圧力に制御することによって、分析部8に一定の流量を吸引することができる構成を採用している。
具体的には、例えば、試料Sおよび基準流体Rを各々約0.25L/minを超える流量で導入し、1Hz周期で流路切換弁6を作動させ、分析部8に流量約0.5L/minを導入した場合が挙げられる。
流路切換弁6がOFF状態の時、ポンプ3sから圧送された試料約0.25L/minは全て流路切換弁6を経由して分析部8に導入されると同時に、Bスペース7sに貯留されていた試料の一部が吸引され、分析部8には約0.5L/minの試料が導入される。このとき、Bスペース7sから吸引される試料は、流路切換弁6がOFF状態になる直前にBスペース7sに貯留された試料であり、測定時の応答遅れは殆ど生じることがない。一方、ポンプ3rから圧送された基準流体約0.25L/minは全てBスペース7rに導入され、OFF状態直前のBスペース7sに存在した基準流体の一部を系外に排出しながらBスペース7sに貯留される。
また、流路切換弁6がON状態の時、ポンプ3sから圧送された試料約0.25L/minは全てBスペース7sに導入され、ON状態直前のBスペース7sに存在した試料の一部を系外に排出しながらBスペース7sに貯留される。このとき、ポンプ3rから圧送された基準流体約0.25L/minは全て流路切換弁6を経由して分析部8に導入されると同時に、Bスペース7rに貯留された基準流体の一部が吸引され分析部8に導入される。Bスペース7rから吸引される基準流体は、流路切換弁6がON状態になる直前にBスペース7rに貯留された基準流体であり、未精製の大気などの混同は生じることがない。
以上、流路切換弁6のON−OFF動作を一定周期で繰り返すことによって、分析部8には従来と同様、試料と基準流体が一定周期で交互に導入されることとなり、流路切換方式分析計としての特性は、従来と全く変わることがない。従って、試料流量および基準流体流量の低減よる影響は全くなく、試料採取部の負荷を軽減し、装置の小型化、簡素化を図ることが可能となる。
ここで、Bスペース7に必要な最小容量Vは、流路の切換周期(fHz)と分析部8の流量(qL/min)によって定まり、具体的には下式(1)によって表すことができる。
V = q/(2×f) 式(1)
例えば、f=1(Hz)、q=500(mL/min)の場合、下式(2)のような結果となる。
V = 500/(2×60) = 4.2(mL) 式(2)
試料流量もしくは基準流量のいずれか一方を変化させた場合の分析計の出力特性を、図2(A)、(B)に示す。また、本発明のフローを用いた場合を、従来のフローを用いた場合と比較し、試料流量を変化させた場合の分析計の出力特性を、図2(C)に示す(基準流量を約0.5L/minで一定とする)。本発明の場合は、いずれも理論値約0.25L/minに近い流量以上の領域でほぼ安定な出力となることを示している。実機においては、こうした安定領域を用いつつ、所定の安全率をみた最小流量で設定されることとなるが、上記圧力調整器11を調整することによって、試料採取条件に合致した流量に制御することも可能となる。
つまり、本発明は、単一の試料セル部を有する流路切換式分析計において、試料セル部に導入されない試料や基準流体あるいは両者の混合流体を、所定の容量を有するBスペースに一旦貯留すると同時に、排出することで、最小限の流量によって試料流体と基準流体との円滑な切換を行うことができ、流量変動に強く、安定性および測定精度の高い流路切換式分析計を提供することができる。
図1においては、試料セル部に連結する流路に吸引手段を設ける構成を例示した。いわゆる「PUSH−PULL」型の分析計を構成することによって、PUSHラインにおいて試料あるいは基準流体の流量変動が生じても、PULLラインに設けられた分析部8に対してはその影響を受けない構成を形成することができる。
ここでいう「PUSH−PULL」型の分析計とは、例えば試料採取部から吸引あるいは圧送された試料の一部を、別途の吸引手段によって吸引し分析部に試料を供給するタイプの分析計をいう。なお、「PUSH」ラインでの圧力絶対値は問われず、本件のような大気圧以上の場合のみならず、大気圧以下の場合もある。また、「PULL」ラインにおける吸引手段の配置についても、分析部後段からの吸引だけではなく、分析部前段で吸引し分析部に圧送する場合もある。
PUSHライン、つまり試料あるいは基準流体入口からオーバーフローラインまでにおいて、試料自体の圧力変動や組成変動、フィルタ2sおよび2rの圧力損失の変化、ポンプ3sおよび3rの負荷変動、調整弁4sおよび4rの微小ズレ、など種々の条件変化の可能性があり、分析部8における流量に影響がなければ、こうした変化に対しても比較的簡易な保守・管理によって対応することが可能となる。
流路切換弁6以降のPULLラインにおいては、圧力調整器11によって所定の圧力に制御し、絞り弁9によって約0.5L/minに制御される。このとき圧力調整器11は、分析部8と吸引ポンプ10の間の分枝に設けて大気を吸引することで、変動する要因が殆どない条件で作動することから、非常に安定な圧力制御が可能となる。つまり、分析部8導入される流量を非常に高い安定性を維持することが可能となり、測定精度の高い分析計を確保することができる。特に、流体変調式分析計にあっては、両流体の流量は検出感度および測定精度に大きな影響を与えることから、従来非常に厳格な制御を行う必要があったが、本発明の適用によってこうした負荷を軽減し、装置の小型化、簡素化を図ることが可能となった。
なお、図1では、試料流路を1系統とした場合を例示したが、むろん2以上の系列を順次切換、試料セル部に導入することも可能であり、また、ポンプ3などの各構成要素の配列についても任意に設定可能である。さらに、試料あるいは基準流体が常圧よりも高い場合には、ポンプ3は不要であり、上記構成要素以外に、例えば電子冷却器や加湿器などを各流路のいずれかあるいは両流路に設けることも可能である。
図3に、本発明の第2の構成例を示す。試料流路のオーバーフローラインのみにBスペース7sを設けたもので、基準流体Rが十分に安定で、かつ流量を制限する必要がない場合に適用可能であり、従来と同様、常時分析部8に導入する流量以上の流量を入口1rから導入しオーバーフローラインから排出することが可能である。逆に基準流体Rの流量に制限があり(貴重な流体や精製が困難な場合など)、試料Sの流量に制限のない場合には、基準流体の流路のオーバーフローラインのみにBスペース7rを設けことも可能である。このように、試料流路または基準流体流路の少なくともいずれか一方にオーバーフローラインを設け、そのオーバーフローラインにBスペースを設けることで、両流路相互の影響を受けずに両流体の円滑な切換を行うことができる。
本発明の第3の構成例を図4に示す。Bスペース7sおよび(または)7rをオーバーフローラインでなく、図4(A)のように、試料流路または基準流体流路の少なくともいずれか一方に設けたものが挙げられる。各流路およびオーバーフローラインの接続を容易にし、装置の小型化、簡素化を図ることができる。また、上述のように、切換周期fと流量qとの関係で、Bスペース7の容量Vが小さい場合には、例えば図4(B)に示すように、流量計5と流路切換弁6との接続管を2重管にした構造などを適用することが可能である。本発明の効果に加え、さらに装置の小型化、簡素化を図ることができる。
図5に、本発明の第4の構成例を示す。第1構成例のような「PUSH−PULL」型の構成ではなく、試料流路または基準流体流路の少なくともいずれか一方のオーバーフローラインにBスペース7sおよび(または)7rを設けるとともに、流路開閉弁6と分析部8との間に絞り弁9および圧力調整器11を設けたもので、各流路における圧送のための加圧条件を利用しつつ、本発明の特徴を活かすことを図ることができる。つまり、両流体の流れは上記構成例と同様であるが、ポンプ3sによって圧送された試料Sが常時オーバーフローラインに設けられた絞り弁9sを介して微量排出しつつBスペース7sに加圧状態で貯留され、流路切換弁6の作動に伴い、新たに吸引された試料Sとともに一定流量の試料Sが分析部8に導入される。基準流体Rについても同様である。こうした構成によっても本発明の技術効果である、試料および基準流体を供給する流路での流量変動の影響を受けずに、非常に安定性および測定精度の高い流路切換式分析計を得ることができる。むろん、この場合でも上記第2および第3構成例における構成を加えることができることはいうまでもない。
本発明の第5の構成例を、図6に示す。本図は、第2の構成例を基にし、吸引ポンプ10から圧送される排出流体を、再度精製器12を介して基準流体として使用する構成によって、基準流体を別途準備する必要のない、非常に小流量の流体処理によって安定性および測定精度の高い流路切換式分析計を得ることを図っている。こうした構成によって、分析計が必要とする流量を軽減し、流体供給の負荷を大きく軽減することができる。また、本構成は「PUSH−PULL」型の分析計に限定されることがないことはいうまでもないが、特に「PUSH−PULL」型の分析計においては、基準流体供給用の圧送手段を省略することが可能となり、一層流体供給の負荷を大きく軽減することができる。
例えば、大気中のCO測定装置のように、試料(大気)を精製し基準流体(大気中のCOを除去したガス)に処理することが容易な場合に非常に有効である。なお、大気中のCOの除去は、通常ホプカライト触媒などの酸化剤によって簡便に処理可能であり、本発明の構成上における負担も少ない。
図7に、本発明の第6の構成例を示す。上記構成例のような1つの試料流路を有する構成ではなく、複数の試料流路を設けたもので、順次流路の切換を行うことによって、基準流体に対する各試料中の成分測定を行うに際し、本発明の特徴を活かすことができる。つまり、ポンプ3によって圧送された基準流体R、試料S1 およびS2 を流路切換弁6によって一定周期で切換えて分析部8に導入する。このとき、各流路の流量計5と流路切換弁6の間にオーバーフローラインを設けておき、分析部8に導入しない流体を、Bスペース7を介して排出することによって、最小限の流量によって試料流体と基準流体との円滑な切換を行うことができ、流量変動に強く、安定性および測定精度の高い流路切換式分析計を提供することができる。
ここで、Bスペース7に必要な最小容量Vは、上記同様、n個の流路の切換周期(fHz)と分析部8の流量(qL/min)によって定まり、具体的には下式(3)によって表すことができる。
V = q/(n×f) 式(3)
例えば、上記構成例のような場合には、n=3、f=1(Hz)、q=500(mL/min)となり、下式(4)のような結果となる。
V = 500/(3×60) = 2.8(mL) 式(4)
つまり、試料Sおよび基準流体Rを各々約0.17L/minを超える流量で導入し、1Hz周期で流路切換弁6を作動させ、分析部8に流量約0.5L/minを導入した場合が挙げられる。
具体的には、固定排出源からの排気ガスを2分し、コンバータによってガス中のNO2 をNOに変換した試料S1 、およびそのままの試料S2 をデュアル流体変調式NO分析計によって測定しNOx/NO/NO2 濃度を検出する場合や、コンバータによってガス中のNH3 をNO2 に変換した後にNOに変換した試料S1 、およびガス中のNO2 をNOに変換した試料S2 を測定しNH3 /NOx濃度を検出する場合などが挙げられる。
以上のように、本発明は、試料セル部に導入されない試料や基準流体あるいは両者の混合流体を、Bスペースを介して貯留・排出するという基本構成を特徴とし、これを実現するいくつかの構成例を示した。しかし、こうした基本構成の具体的な実現には、これらに加え、多種多様な構成要素の組合せが可能であり、上記構成例に限定されるものでないことはいうまでもない。
以上、本発明の実施態様を、吸光式分析計を例に挙げて説明したが、単一の試料セル部を有し流路切換を利用するものであれば、本発明を適用することが可能な分析計は、これに限定されるものではなく、例えば、化学発光式分析計や水素炎イオン化検出式分析計などであってもよい。
本発明に係る流路切換式分析計の構成例(第1構成例)を示す説明図 本発明に係る分析計の流量特性の1例を示す説明図 本発明に係る流路切換式分析計の第2の構成例を示す説明図 本発明に係る流路切換式分析計の第3の構成例を示す説明図 本発明に係る流路切換式分析計の第4の構成例を示す説明図 本発明に係る流路切換式分析計の第5の構成例を示す説明図 本発明に係る流路切換式分析計の第6の構成例を示す説明図 従来技術に係る流路切換式分析計の構成例を示す説明図 従来技術に係る流路切換式分析計を用いた測定装置を例示する説明図
符号の説明
1 流路入口
2 フィルタ
3 ポンプ
4 調整弁
5 流量計
6 流路切換弁
7 Bスペース
8 分析部
9 絞り弁
10 吸引ポンプ
11 圧力調整器
12 精製器

Claims (3)

  1. 切換弁によって一定周期で試料流路および基準流路の切換を行い、試料中の特定成分の濃度を測定する単一の試料セル部を有する流路切換式分析計であって、
    前記切換弁より下流の前記試料セル部に連結する流路に、該試料セル部に一定の流量を吸引することができる吸引手段を有し、前記切換弁より上流側の前記試料流路または試料流路および基準流路にオーバーフローラインを設け、該オーバーフローラインまでの流路において試料または試料と基準流体が圧送されるPUSHラインを形成し、前記切換弁より下流の流路において試料または試料と基準流体が吸引されるPULLラインを形成するとともに、
    該オーバーフローラインに所定の容量を有する部材を設け、前記試料セル部に導入されないときに、圧送された前記試料または試料と基準流体を、該部材を介して系外に排出しながら該部材に貯留するとともに、前記部材の所定の容量が、試料流路または試料流路および基準流路の数量、流路の切換周期、および試料セルに導入される流量に基づいて設定され、
    前記試料流路あるいは前記基準流路への流路の切換時に、圧送された試料あるいは基準流体がPUSHラインから前記切換弁を経由して導入されると同時に、前記部材に貯留された試料あるいは基準流体の一部が吸引されて、前記試料セル部に導入されるように吸引流量を設定することを特徴とする流路切換式分析計。
  2. 前記所定の容量を有する部材に必要な最小容量Vが、下式によって表わされることを特徴とする請求項記載の流路切換式分析計。
    V=q/(n×f)
    ここで、n:試料流路および基準流路の数量
    f:流路の切換周期
    q:試料セルに導入される流量、を示す。
  3. 請求項1または2に記載の流路切換式分析計を用いた測定装置であって、前記基準流体が、前記分析計から排出された試料流体、基準流体、試料流体と基準流体との混合流体を精製した流体であることを特徴とする試料流体測定装置。
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