JP4247615B2 - 吸着剤 - Google Patents

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本発明は、フッ素及び/又はフッ素とホウ素の化合物を吸着するものであり、殊に、常温、低濃度であっても迅速に効率よく、しかも、現状の吸着剤では除去が困難なテトラフルオロホウ酸などのフッ素とホウ素の化合物であっても吸着・不溶化できる吸着剤を提供する。
近年、水系および土壌中の有害イオンを吸着除去・不溶化する環境技術が数多く提案されているが、常温で、かつ、広い濃度範囲のフッ素イオンおよびテトラフルオロホウ酸などのフッ素とホウ素の化合物など有害アニオンを環境に負荷を与えずに、効率的・かつ安価に処理できる材料は現在のところ知られていない。
従来、水溶液中のフッ素イオン、ホウ素イオンを吸着・除去する方法として、キレート樹脂・キレート繊維又はイオン交換樹脂を用いることが知られている。フッ素イオンについては、CaOなどのカルシウム化合物でCaClなどとして除去する技術が知られている。
しかしながら、キレート樹脂・キレート繊維は、効率的にフッ素やホウ素イオンとキレートを形成して該イオンを吸着・除去できるが、高価であり環境中に放出してよい材料ではない。またイオン交換樹脂は、選択的にフッ素やホウ素イオンと交換できるが高価であるので、使用する場所が限定される。またイオン交換樹脂はテトラフルオロホウ酸などのフッ素とホウ素の化合物であるホウフッ化イオンに関しては、除去・吸着能力が低く、有用とは言い難い。CaOなどのカルシウム化合物でのフッ素イオン除去についても、CaFなどの化合物は溶解度が大きいためフッ素イオンを低濃度まで除去することができないので、環境基準を満たすような有効な手段とは言い難い。
また、ハイドロタルサイト型層状化合物やそれらを加熱脱水処理して得られるMgO型複合酸化物は、水系に添加すると多くの種類のアニオンを層間に取り込んで、水系のアニオンを吸着除去・不溶化できるが、取り込み易さには序列が存在するために、ホウ素イオンやフッ素イオンの不溶化・除去に対しては効率的ではない。
また、逆浸透法、蒸発法などでは、多額の設備費が必要となり、実施場所が限定される。
そこで、無害・安価、広い濃度範囲において常温で使用でき、フッ素イオン及び/又はテトラフルオロホウ酸などのフッ素化合物のイオンを吸着できる吸着剤が要求されている。
従来、フッ化物イオン含有水又はホウ素含有水をカルシウムイオン及びアルミニウムイオンの存在下で吸着分離する技術(特許文献1乃至5)、カルシウムイオン又はマグネシウムイオンとアルミニウムイオン又は鉄イオンとを含有する複合酸化物を吸着剤として用いる技術(特許文献6及び7)等が知られている。
特開昭57−27191号公報 特開昭57−81881号公報 特開2000−246267号公報 特開2000−225383号公報 特開2001−239273号公報 特開2002−66548号公報 特開2002−136965号公報
環境に放出しても安全、安価、常温において広い濃度範囲でフッ素イオン及びテトラフルオロホウ酸などのフッ素とホウ素の化合物のイオンを吸着できる吸着剤は、現在、最も要求されているところであるが、この要求を満たすような吸着剤は未だに提供されていない。
即ち、前出特許文献1には、フッ素イオンとして200mg/L程度の排水を1mg/L程度まで低減させることができることが記載されているが、排水のpH調整や多段工程が必要であるなど非常に煩雑な処理を必要とする。またこの方法では、フッ素以外に塩素イオン濃度を増加させてしまい、利用する形態が限定される。
前出特許文献2には、ホウ素イオンとして10から500mg/L程度含有する模擬排水を3mg/L程度まで低減できることが記載されているが、現在求められている環境基準を満足させることができるレベルとは言い難い。またこの方法では、ホウ素以外に硫酸イオン濃度を増加させてしまい、利用する形態が限定される。
前出特許文献3及び4には、カルシウムアルミネート化合物を用いてフッ素を固定化することが記載されているが、カルシウムアルミネート単独ではフッ素を十分に除去することが困難である。
前出特許文献5には、フッ素およびホウ素を高度処理できることが記載されているが、現在求められている環境基準を満足させることができるレベルとは言い難い。また実施形態が複雑なので、利用する場所が限定される。
前出特許文献6及び7には、マグネシウムなどを含む岩塩型酸化物を排水処理に利用する方法が記載されているが、低濃度のフッ素イオン・ホウ素イオンの除去方法については、まったく言及していない。またこの方法では有害である硝酸イオンを吸着剤の製造に多量に用いており、必ずしも推奨されるべき製造方法とは言い難い。
従って、これまで知られている有害アニオンの吸着剤・不溶化剤は、現在求められているレベルを満足しているとは言い難い。
前記技術的課題は、次の通りの本発明によって達成できる。
即ち、本発明は、フッ化物イオン及び/又はBF を吸着する吸着剤であって、該吸着剤は酸化カルシウムと、少なくともCa12Al1433を含むカルシウムアルミネートとの混合相からなり、吸着剤のX線回折のピーク値強度比が、CaOが100に対して、Ca12Al1433の強度が10〜5000であることを特徴とする吸着剤である(本発明1)。
また、本発明は、常温で吸着することを特徴とする本発明1記載の吸着剤である。(本発明)。

本発明に係る吸着剤は、広い濃度範囲のフッ素及び/又はフッ素とホウ素との化合物を吸着・捕捉できるので、排水処理剤・不溶化剤として好適である。また、本発明に係る吸着剤は、複雑な処理工程を必要としないので、簡便な処理方法に用いる吸着剤として好適である。更に、ホウ素とフッ素が共存した排水の吸着・不溶化に対しても、本発明に係る吸着剤は有効である。
さらに、本発明に係る吸着剤は無害な元素または化合物から構成されているので、該吸着剤を埋め立て処分した場合も、環境への負荷は小さい。
本発明の構成をより詳しく説明すれば次の通りである。
先ず、本発明に係る吸着剤について述べる。
本発明に係る吸着剤は酸化カルシウムとカルシウムアルミネートとからなる。カルシウムアルミネートとしては、Ca12Al1433、CaAl及びCaAl等であり、好ましくはCa12Al1433、CaAlであり、より好ましくはCa12Al1433である。カルシウムアルミネート単独及び酸化カルシウム単独ではフッ素及び/又はフッ素とホウ素との化合物の吸着能が十分とは言い難い。
本発明に係る吸着剤の酸化カルシウムとカルシウムアルミネートの含有割合は、吸着剤のX線回折のピーク強度比で、酸化カルシウムを100としたとき、カルシウムアルミネートが10〜5000であることが好ましい。10未満の場合には、カルシウムアルミネートの有害アニオンを固定するサイトが少なく十分な効果が発揮できない。5000を越える場合には、有害イオンの吸着サイトが少なく十分な効果が発揮できない。より好ましくは20〜2000である。
本発明に係る酸化カルシウムとカルシウムアルミネートとからなる吸着剤のカルシウムとアルミニウムとのモル比(Ca/Al)は50/50〜80/20が好ましい。カルシウムとアルミニウムとのモル比が前記範囲外の場合には、フッ素及び/又はフッ素とホウ素との化合物を十分に吸着することが困難となる。
本発明に係る吸着剤の粒子形状は板状ないし粒状である。
本発明に係る吸着剤の平均粒子径は0.1〜50.0μmが好ましい。本発明に係る吸着剤は850〜1200℃の高温下で焼成して調製することから、0.1μm以下の粒子は工業的に生産することが困難である。平均粒子径が0.1μm未満でも機能的な問題はないが、粉末の取扱いが困難である。50.0μmを超える場合には、有害アニオンと吸着剤の固液接触面積が小さくなるので好ましくない。好ましくは0.2〜10.0μmである。なお、これらの粒子は500μmの篩いを通過するものである。
本発明に係る吸着剤のBET比表面積値は0.1〜10m/gが好ましい。BET比表面積値が0.1m/g未満の場合には、有害アニオンと吸着剤の固液接触面積が小さくなるので好ましくない。10m/gを超える吸着剤は、850〜1200℃の高温下で焼成して調製することから工業的に生産することが困難である。また、BET比表面積値が10m/gを超える吸着剤は機能的な問題はないが、粉末としての取扱いが困難である。より好ましくは0.2〜5m/gである。
次に、本発明に係る吸着剤の製造法について述べる。
本発明に係る吸着剤は、カルシウム化合物とアルミニウム化合物とを混合した後、850〜1200℃の温度で酸化性また大気雰囲気で加熱処理して得ることができる。また、必要に応じて更に粉砕処理・乾式有機物表面処理を行うことができる。
カルシウム化合物としては、水酸化カルシウム(消石灰)、炭酸カルシウム、酸化カルシウム、硝酸カルシウム等を使用することができ、好ましくは水酸化カルシウム、炭酸カルシウムである。カルシウム化合物の平均粒子径としては、0.2〜20μmのものが好ましい。
アルミニウム化合物としては、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、硝酸アルミニウム等を使用することができ、好ましくは水酸化アルミニウムである。アルミニウム化合物の平均粒子径としては0.1〜20μmのものが好ましい。
カルシウム化合物とアルミニウム化合物との混合割合は、Ca/Alのモル比で50/50〜80/20となるように混合すればよい。
前記製造法における混合機として、らいかい機、ローラー式混合機、振動ミル、ビーズミル、ディスク型湿式攪拌混合槽などが使用できる。
本発明に係る吸着剤の前駆体である混合物の混合状態は、その後の固相反応を均一に速やかに起させるため、混合機及び混合条件の選定が重要であり、湿式攪拌混合槽などの湿式混合機を用いることが均一混合の面で好ましい。
加熱温度が850℃未満の場合には、混合粉末の脱水反応、脱炭酸反応および固相反応が進行しない又は、進行速度が極めて遅いため好ましくない。また加熱温度が1200℃を超える場合には、生成複合酸化物粒子の粒子サイズが増大して、水系での有害アニオンとの反応性が低下するので好ましくない。加熱処理温度は900〜1150℃がより好ましい。加熱時間は、工業的生産性を考慮すれば、30分〜180分が好ましい。加熱雰囲気は、酸化性または大気性雰囲気であればよい。加熱生成物粒子中に炭酸イオンが多く含まれると水系における有害アニオンとの反応性が低下するので、炭酸ガス中での加熱処理は好ましくない。
また本発明において加熱処理後の粉末を乾式粉砕・乾式表面処理してもよい。
乾式粉砕処理は、加熱処理後の粉末の平均粒子径を小さくすることができるため、本発明の粉末の水系における有害アニオンとの反応性を向上させることができる。乾式粉砕処理に使用できる装置として、自由式粉砕機、ハンマーミルなどを使用することができる。
また、加熱処理後の粉末を有機物などで乾式表面処理することによって、水系における有害アニオンとの反応性をコントロールすることができる。表面処理剤としては、ロジン化合物、シランカップリング剤、高級脂肪酸等を挙げることができる。上記の表面処理剤による吸着剤粉末に対する被覆量は、複合酸化物粒子粉末に対してC換算で各々0.1〜5重量%が好ましい。乾式表面処理機としては、らいかい機・振動ミル、ローラー型混合機などを使用することができる。
次に、本発明に係る吸着剤を用いた処理方法について述べる。
本発明における処理方法は、溶存している有害アニオンの固定化・分離処理の場合と、有害アニオンを放出させる可能性のある物に吸着剤を共存させて有害アニオンの水系への放出を抑制させる場合が含まれる。以下、本発明における溶存有害アニオン(フッ素イオン、ホウ素イオン共存)の処理工程について説明する。
本発明において、被処理水と吸着剤を接触させる方法は、特に制限はない。吸着剤及び/又は吸着剤の顆粒物が充填されたカラムや濾過槽に被処理水を流通させる方法、攪拌槽と沈殿槽を組み合わせた方法などが利用できる。
吸着剤を接触させるときの液温については、特に制限はないが、本発明の吸着剤は、常温で処理できることが大きなメリットである。極端に低温の場合には吸着剤の反応速度が小さくなるために、有害アニオンの捕捉速度が小さくなる。通常使用される温度範囲は5〜90℃がこのましく、より好ましくは10〜50℃である。また吸着剤と被処理液の接触時間は5分以上、さらに好ましくは30分以上が好ましい。接触時間の上限は特にない。
<作用>
本発明において重要な点は、本発明に係る吸着剤が水溶液と接触すると水和反応する能力を有し、低濃度から高濃度の有害アニオンを捕捉できるということである。
本発明において、カルシウムアルミネート、例えば、Ca12Al1433を例にして示せば、水溶液中で、Ca12Al1433(12CaO7Alと表記できる)中の特定のOがFイオンやFまたはBを含んだ1価又は2価のアニオンと置換し、溶液中のフッ素及び/又はフッ素化合物を除去できると考えられ、置換後は11CaO7AlCaX又は11CaO7AlCaYとなり固定されると考えている(Xは1価のアニオン,Yは2価のアニオン)。また、CaOの働きは十分解明できていないが、一旦、CaX,CaYような形態(吸着サイト)となり、Ca12Al1433に有害な1価または2価のアニオンを橋渡しする機能を発揮しているのではないかと本発明者は考えている。
また、本発明においては、本発明に係る吸着剤の粒子サイズや形状が汎用樹脂又は生分解性樹脂との混練性に優れているために、樹脂と吸着剤の複合体を作製できるということである。吸着剤と樹脂の複合体を形成できることで、吸着剤の寿命の制御や吸着剤の形状やサイズのコントロールが任意に行えるということである。すなわち樹脂と吸着剤の複合体を水溶液と接触させた場合には、極めて長期間にわたり、水溶液中の有害アニオンを捕捉、不溶化できるということである。
本発明の代表的な実施の形態は次の通りである。
吸着剤の平均粒子径は電子顕微鏡写真から測定した数値の平均値で示したものである。
吸着剤の結晶相の同定は、「X線回折装置RINT2500(理学電機(株)製)」(管球:Cu、管電圧:40kV、管電流:300mA、ゴニオメーター:広角ゴニオメーター、サンプリング幅:0.010°、走査速度:4.00°/min、発散スリット:1/2°、散乱スリット:1/2°、受光スリット:0.15mm)を使用して行った。
また、CaO(立方晶)の(2 0 0)面の強度を100とし、Ca12Al1433(立方晶)の(2 1 1)面の強度、CaAl(斜方晶)の(4 4 0)面の強度及びCaAl(斜方晶)の(2 2 0)又は(1 2 3)面のいずれかの強度について、それぞれ100に対する割合で示した。
BET比表面積値はBET法により測定した値で示した。
本発明に係る吸着剤の金属イオンの組成分析は、該粉末を塩酸などの酸で溶解、又は、Kなどを用いて融解し、「プラズマ発光分光分析装置 SPS4000(セイコー電子工業(株))」で測定して求めた。
吸着剤の吸着テスト フッ素イオン
調製した吸着剤のフッ素イオン吸着能に関する測定方法について説明する。
吸着剤0.5gを、フッ化物イオン標準液(キシダ化学(株)製イオンクロマト用:F=1000mg/L)にイオン交換水を加えて調製したフッ素イオン含有量が43.5mg/Lの溶液200mL中に添加し、2時間スターラーで攪拌して、その後該水溶液から懸濁粒子をろ紙で濾別して、濾液中のフッ素イオン濃度を吸光光度法にて定量することによって行った。吸着剤を入れる前の溶液についても同様にフッ素イオン濃度の測定を行った。
吸着剤の吸着テスト BF イオン
調製した吸着剤のBF イオン吸着能に関する測定方法について説明する。
所定量の吸着剤を、BF イオンが46.4mg/L(HBF使用)に調製した水溶液200mL中に添加し、2時間スターラーで攪拌して、その後該水溶液から懸濁粒子をろ紙で濾別して、濾液中のBF イオン濃度の代替として、ICP発光分光分析法にてフッ素イオンを、ランタン‐アリザリンコンプレキソン吸光光度法でホウ酸イオンの両方を定量することによって求めた。吸着剤を入れる前の溶液についても同様にしてBF イオン濃度の測定を行った。
実施例1:吸着剤の製造
消石灰粉末50.0g(JIS特号、BET比表面積値15m/g、Ca=0.67molに相当)と水酸化アルミニウム52.3g(住友化学製C−301,BET比表面積値2m/g、Al=0.67molに相当)をライカイ機を用いて1時間混合した。得られた混合粉末70gをアルミナ製るつぼに入れ、空気中、1050℃において2時間マッフル炉で加熱処理した。加熱処理後の粒子粉末30gをライカイ機を用いて1時間粉砕した。得られた粒子粉末は白色であった。
得られた吸着剤は、カルシウムアルミネートとCaOとの混合相であり、CaOの強度を100としたときのカルシウムアルミネートの合計の強度比は1413、Ca12Al1433の強度比は1150であった。吸着剤の平均粒子径は0.6μm、BET比表面積値は3.0m/gであった。なお、吸着剤のCa/Al比は、原料混合時と同じであった。
実施例2〜4、
原料の種類、Ca/Al比、加熱温度を種々変更した以外は前記実施例1と同様にして吸着剤を得た。
このときの製造条件及び得られた吸着剤の諸特性を表1に示す。なお、各吸着剤のCa/Al比は、原料混合時と同じであった。
比較例1は、消石灰(水酸化カルシウム)単独であり、比較例2は炭酸カルシウム単独であり、比較例3は酸化アルミニウム単独である。比較例4の熱処理後の粉末をX線回折を用いて同定した結果、酸化カルシウムが存在せず、カルシウムアルミネート単独(CaAl、CaAl、CaAl1024などの混合物)であった。比較例5の熱処理後の粉末をX線回折を用いて同定した結果、カルシウムアルミネートが生成しておらず、炭酸カルシウムと酸化アルミニウムであった。比較例6は酸化カルシウムと酸化アルミニウムとを単に混合しただけである。
このときの製造条件及び得られた吸着剤の諸特性を表1に示す。
Figure 0004247615
吸着試験
使用例1〜8、比較使用例1〜12:
前記吸着試験に従って、各吸着剤の吸着性を測定した結果を表2に示す。
使用例9〜10
前記吸着試験において、吸着剤を水溶液に入れてスターラーで攪拌する吸着時間を0.5hに短縮し、その他の条件は前記吸着試験と同一にして、各吸着剤の吸着性を測定した結果を表2に示す。
使用例9及び10の結果から、接触時間が短時間であっても十分にフッ素及びフッ素化合物を吸着できることが明らかである。
Figure 0004247615
本発明に係る吸着剤は、広い濃度範囲の有害アニオン、殊に、フッ素及び/又はフッ素化合物を吸着・捕捉できるので、排水処理剤・有害アニオン不溶化剤として好適である。また、本発明に係る吸着剤は、複雑な処理工程を必要としないので、簡便な処理方法に用いる吸着剤として好適である。更に、フッ素、フッ素とホウ素との化合物が共存した排水の吸着・不溶化に対しても、本発明に係る吸着剤は有効である。
さらに、本発明に係る吸着剤は無害な元素または化合物から構成されているので、該吸着剤を埋め立て処分した場合も、環境への負荷は小さい。

Claims (2)

  1. フッ化物イオン及び/又はBF を吸着する吸着剤であって、該吸着剤は酸化カルシウムと、少なくともCa12Al1433を含むカルシウムアルミネートとの混合相からなり、吸着剤のX線回折のピーク値強度比が、CaOが100に対して、Ca12Al1433の強度が10〜5000であることを特徴とする吸着剤。

  2. 温で吸着することを特徴とする請求項1記載の吸着剤。

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