JP2005118763A - 製鋼ダストスラリーの精製方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、フッ素化合物を吸着するものであり、殊に、低濃度であっても迅速に効率よく、しかも、雑イオンの共存下であってもフッ素を選択的に吸着・不溶化できる吸着剤を提供する。
【解決手段】 製鋼ダストスラリーに対して、酸化カルシウムとカルシウムアルミネート(Ca12Al1433など)とからなる吸着剤を用いて、製鋼ダストスラリー中のフッ素を吸着、固定化することを特徴とする製鋼ダストスラリーの精製方法である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、製鋼ダストスラリー中のフッ素化合物を吸着するものであり、共存イオンが存在しても、迅速に効率よく、フッ素を吸着・不溶化できる吸着剤を提供する。
トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン等の脂肪族有機ハロゲン化合物は、半導体工場での洗浄用や金属加工金属の脱脂用として幅広く用いられている。
また、都市ごみや産業廃棄物を焼却するごみ焼却炉から発生する排ガスや飛灰、主灰中には、微量ではあるが人体に対して極めて強い毒性を持つ芳香族有機ハロゲン化合物であるダイオキシン類が含まれている。ダイオキシン類は、ジベンゾ−p−ジオキシン、ジベンゾフラン等の水素が塩素で置換された化合物の総称である。排ガスや飛灰はごみ焼却炉周辺に滞留し周辺地域の土壌中にダイオキシン類が残存することとなる。
更に、PCB(ポリ塩化ビフェニル)は化学的、熱的に安定であり、電気絶縁性にも優れており、トランス、コンデンサーの絶縁油、可塑剤、熱媒体として多用されていたが、有害であることから製造及び使用が禁止されている。しかしながら、過去において使用されていたPCBの有効な処理方法は確立されておらず、大部分が処理されずにそのまま保存されている。
脂肪族有機ハロゲン化合物及び芳香族有機ハロゲン化合物等の有機ハロゲン化合物は難分解性である上に発癌性物質又は強い毒性を有する物質であるため、土壌・地下水の有機ハロゲン化合物による汚染が深刻な環境問題になっている。
即ち、前記有機ハロゲン化合物が排出された場合、有機ハロゲン化合物は難分解性であるため、排出された土壌中に蓄積され有機ハロゲン化合物で汚染された状態となり、また、地下水も有機ハロゲン化合物によって汚染されることとなる。更に、地下水は汚染土壌以外の周辺地域についても広がるため、広範な領域で有機ハロゲン化合物による汚染が問題となる。
有機ハロゲン化合物によって汚染された土壌では土地の再利用・再開発を行うことができないため、有機ハロゲン化合物によって汚染された土壌・地下水の浄化処理方法として様々な技術手段の提案がなされているが、有機ハロゲン化合物は難分解性であり、しかも、多量の土壌・地下水が処理対象となるため、効率的、且つ、経済的な浄化技術は未だ十分に確立されていない。
近年、有機ハロゲン化合物で汚染された土壌又は地下水の浄化剤として、製鋼ダストスラリーが用いられている。
しかしながら、製鋼ダストスラリーには製鋼時にホタル石が使用されているため、可溶性フッ素が環境基準以上に含まれている場合があり、二次汚染の可能性を含んでいる。
従来、水系および土壌中の有害イオンを吸着除去・不溶化する環境技術が数多く提案されているが、広い濃度範囲のフッ素などの有害アニオンを環境に負荷を与えずに、効率的、選択的かつ安価に処理できる材料は現在のところ知られていない。
そこで、無害・安価であって、共存イオンの存在下であっても、フッ素化合物のイオンを十分に吸着できる製鋼ダストスラリーの精製方法が要求されている。
従来、カルシウムアルミネートを用いた製鋼ダストスラリーの精製方法が知られている(特許文献1〜3)。
特開2000−335946号公報 特開2000−336421号公報 特開2003−211118号公報
環境に放出しても無毒・安全であり、また、共存アニオンの存在下においても、フッ素化合物のイオンを選択的に吸着できる製鋼ダストスラリーの精製方法は、現在、最も要求されているところであるが、この要求を満たすような精製方法は未だに提供されていない。
即ち、前出特許文献1乃至3には、カルシウムアルミネート化合物を用いて製鋼ダストスラリー中のフッ素を固定化することが記載されているが、カルシウムアルミネート単独ではフッ素を十分に除去することが困難である。
前記技術的課題は、次の通りの本発明によって達成できる。
即ち、本発明は、製鋼ダストスラリーに対して、酸化カルシウムとカルシウムアルミネートとからなる吸着剤を用いて、製鋼ダストスラリー中のフッ素を吸着することを特徴とする製鋼ダストスラリーの精製方法である。(本発明1)
また、本発明は、カルシウムアルミネートがCa12Al1433及び/又はCaAlであることを特徴とする本発明1の製鋼ダストスラリーの精製方法である。(本発明2)
また、本発明は、本発明1又は2記載の製鋼ダストスラリーの精製方法において、該吸着剤のX線回折のピーク値強度比が、CaOが100に対して、Ca12Al1433の強度が10〜2000であることを特徴とする製鋼ダストスラリーの精製方法である。(本発明3)
本発明に係る製鋼ダストスラリーの精製方法は、共存イオンの存在下であっても、広い濃度範囲のフッ素化合物を吸着・捕捉できるので、製鋼ダストスラリーの精製方法として好適である。
また、本発明に係る精製方法によって処理された製鋼ダストスラリーは、有機ハロゲン化合物の分解触媒、特に揮発性塩素化合物・VOCの浄化剤として用いても、本吸着剤自体が無害・無毒であるので、環境への負荷は小さいものである。
本発明の構成をより詳しく説明すれば次の通りである。
先ず、本発明における吸着剤について述べる。
本発明における吸着剤は酸化カルシウムとカルシウムアルミネートとからなる。カルシウムアルミネートとしては、Ca12Al1433、CaAl及びCaAl等であり、好ましくはCa12Al1433、CaAlであり、より好ましくはCa12Al1433である。カルシウムアルミネート単独及び酸化カルシウム単独ではフッ素化合物の吸着能が十分とは言い難い。
本発明における吸着剤の酸化カルシウムとカルシウムアルミネートの含有割合は、吸着剤のX線回折のピーク強度比で、酸化カルシウムを100としたとき、カルシウムアルミネートが10〜2000であることが好ましい。10未満の場合には、カルシウムアルミネートの有害アニオンを固定するサイトが少なく十分な効果が発揮できない。2000を越える場合には、有害イオンの吸着サイトが少なく十分な効果が発揮できない。より好ましくは20〜1500である。
本発明における酸化カルシウムとカルシウムアルミネートとからなる吸着剤のカルシウムとアルミニウムとのモル比(Ca/Al)は50/50〜80/20が好ましい。カルシウムとアルミニウムとのモル比が前記範囲外の場合には、フッ素化合物を十分に吸着、固定化することが困難となる。
本発明における吸着剤の粒子形状は板状ないし粒状である。
本発明における吸着剤の平均粒子径は0.1〜50.0μmが好ましい。本発明に係る吸着剤は850〜1200℃の高温下で焼成して調製することから、0.1μm以下の粒子は工業的に生産することが困難である。平均粒子径が0.1μm未満でも機能的な問題はないが、粉末の取扱いが困難である。50μmを超える場合には、有害アニオンと吸着剤の固液接触面積が小さくなるので好ましくない。好ましくは0.2〜10.0μmである。
本発明における吸着剤のBET比表面積値は0.1〜10m/gが好ましい。BET比表面積値が0.1m/g未満の場合には、有害アニオンと吸着剤の固液接触面積が小さくなるので好ましくない。10m/gを超える吸着剤は、850〜1200℃の高温下で焼成して調製することから工業的に生産することが困難である。また、BET比表面積値が10m/gを超える吸着剤は機能的な問題はないが、粉末としての取扱いが困難である。より好ましくは0.2〜5m/gである。
次に、本発明における吸着剤の製造法について述べる。
本発明における吸着剤は、カルシウム化合物とアルミニウム化合物とを混合した後、850〜1200℃の温度で酸化性また大気雰囲気で加熱処理して得ることができる。また、必要に応じて更に粉砕処理・有機物、ポリマーで表面処理を行うことができる。
カルシウム化合物としては、水酸化カルシウム(消石灰)、炭酸カルシウム、酸化カルシウム、硝酸カルシウム等を使用することができ、好ましくは水酸化カルシウム、炭酸カルシウムである。カルシウム化合物の平均粒子径としては、0.2〜20μmのものが好ましい。
アルミニウム化合物としては、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、硝酸アルミニウム等を使用することができ、好ましくは水酸化アルミニウムである。アルミニウム化合物の平均粒子径としては0.1〜20μmのものが好ましい。
カルシウム化合物とアルミニウム化合物との混合割合は、Ca/Alのモル比で50/50〜80/20となるように混合すればよい。
前記製造法における混合機として、らいかい機、ローラー式混合機、振動ミル、ビーズミル、ディスク型湿式攪拌混合槽などが使用できる。
本発明における吸着剤の前駆体である混合物の混合状態は、その後の固相反応を均一に速やかに起させるため、混合機及び混合条件の選定が重要であり、湿式攪拌混合槽などの湿式混合機を用いることが均一混合の面で好ましい。
加熱温度が850℃未満の場合には、混合粉末の脱水反応、脱炭酸反応および固相反応が進行しない又は、進行速度が極めて遅いため好ましくない。また加熱温度が1200℃を超える場合には、生成複合酸化物粒子の粒子サイズが増大して、水系での有害アニオンとの反応性が低下するので好ましくない。加熱処理温度は900〜1150℃がより好ましい。加熱時間は、工業的生産性を考慮すれば、30分〜180分が好ましい。加熱雰囲気は、酸化性または大気性雰囲気であればよい。加熱生成物粒子中に炭酸イオンが多く含まれると水系における有害アニオンとの反応性が低下するので、炭酸ガス中での加熱処理は好ましくない。
また本発明において加熱処理後の粉末を乾式粉砕し、有機物、ポリマーで表面処理してもよい。
乾式粉砕処理は、加熱処理後の粉末の平均粒子径を小さくすることができるため、本発明の粉末の製鋼ダストスラリー中でのフッ素との反応性を向上させることができる。乾式粉砕処理に使用できる装置として、自由式粉砕機、ハンマーミルなどを使用することができる。
また、加熱処理後の粉末を有機物、ポリマーなどで表面処理することによって、製鋼ダストスラリー中でのフッ素との反応性を制御することができる。表面処理剤としては、反応性を促進するためには親水性の有機物やポリマーを使用することもできるし、逆に、ロジン化合物、シランカップリング剤、高級脂肪酸等で疎水性にして反応が徐々に進むように制御することもできる。上記の表面処理剤による吸着剤粉末に対する被覆量は、複合酸化物粒子粉末に対してC換算で各々0.1〜5重量%が好ましい。表面処理機としては、らいかい機・振動ミル、ローラー型混合機や、湿式で攪拌機の付いた槽などを使用することができる。
次に、本発明に係る製鋼ダストスラリーの精製方法について述べる。
本発明における製鋼ダストスラリーは、製鋼工程で生成するものであり、その成分は主に鉄粉および鉄化合物粒子等である。
製鋼ダストスラリー中の固形分濃度は、通常、10g/L〜400g/L程度である。
本発明に係る製鋼ダストスラリーの精製方法では、製鋼ダストスラリーに前記吸着剤を接触させることによって、製鋼ダストスラリー中のフッ素成分を吸着・不溶化できる。
製鋼ダストスラリーに対する吸着剤の接触方法は、製鋼ダストスラリー中に吸着剤を添加・混合する方法が主体で、その際には、公知の分散剤や親水性樹脂などを添加しても良い。また、製鋼ダストスラリー中に、予め公知の分散剤や親水性樹脂などが添加されていても問題はない。
本発明に係る製鋼ダストスラリーの精製方法では、製鋼ダスト固形分のフッ素含有量にもよるが、製鋼ダストスラリー中の固形分に対して、前記吸着剤を1〜100重量%添加することが好ましい。より好ましくは3〜50重量%である。
本発明に係る製鋼ダストスラリーの精製方法によって得られた精製後の製鋼ダストスラリーは、土壌及び/又は地下水の有機ハロゲン化合物の分解、浄化剤として用いることができる。
精製後の製鋼ダストスラリーを有機ハロゲン化合物の分解、浄化剤として用いる場合には、さらに、公知の分散剤や親水性樹脂などを添加して均一分散しても良い。
<作用>
本発明において重要な点は、本発明に係る吸着剤が製鋼ダストスラリーの水と接触すると水和反応する能力を有し、低濃度から高濃度の有害なフッ素化合物を捕捉できるということである。
本発明において、カルシウムアルミネート、例えば、Ca12Al1433を例にして示せば、水溶液中で、Ca12Al1433(12CaO7Alと表記できる)中の特定のOがFイオンまたはFを含んだ1価又は2価のアニオンと置換し、溶液中のフッ素化合物を除去できると考えられ、置換後は11CaO7AlCaF又は11CaO7AlCaYとなり固定されると考えている(Fはフッ素イオン,Yは2価のアニオン)。また、CaOの働きは十分解明できていないが、一旦、CaF,CaYような形態(吸着サイト)となり、Ca12Al1433に有害な1価または2価のアニオンを橋渡しする機能を発揮しているのではないかと本発明者は考えている。
また、本発明においては、本発明に係る吸着剤の粒子サイズがサブミクロンまたはミクロンオーダーで、ポリマーと吸着剤の均一な複合体を作製できるということである。吸着剤とポリマーの複合体を形成できることで、吸着剤の寿命の制御や複合体の親水性のコントロールが任意に行えるということである。すなわちポリマーと吸着剤の複合体を水溶液と接触させた場合には、反応時間を任意に設定することができ、水溶液中の有害アニオンを捕捉、不溶化できるということである。
本発明の代表的な実施の形態は次の通りである。
吸着剤の平均粒子径は電子顕微鏡写真から測定した数値の平均値で示したものである。
吸着剤の結晶相の同定は、「X線回折装置RINT2500(理学電機(株)製)」(管球:Cu、管電圧:40kV、管電流:300mA、ゴニオメーター:広角ゴニオメーター、サンプリング幅:0.010°、走査速度:4.00°/min、発散スリット:1/2°、散乱スリット:1/2°、受光スリット:0.15mm)を使用して行った。
また、CaO(立方晶)の(2 0 0)面の強度を100とし、Ca12Al1433(立方晶)の(2 1 1)面の強度、CaAl(斜方晶)の(4 4 0)面の強度及びCaAl(斜方晶)の(2 2 0)又は(1 2 3)面のいずれかの強度を、それぞれ100に対する割合で示した。
BET比表面積値はBET法により測定した値で示した。
本発明に係る吸着剤の金属イオンの組成分析は、該粉末を塩酸などの酸で溶解、又は、Kなどを用いて融解し、「プラズマ発光分光分析装置 SPS4000(セイコー電子工業(株))」で測定して求めた。
また、製鋼ダストスラリー中の共存アニオンは、イオンクロマトグラフ法で塩化物イオン、硝酸イオン、亜硝酸イオン、硫酸イオン、リン酸イオンを測定し各イオン濃度を求め、JIS K 0101 25.2に則って無機炭素を測定した後、炭酸イオンに換算して炭酸イオン濃度を求めた。
製鋼ダストスラリー中の性状
試験に用いた製鋼ダストスラリーは、製鋼ダスト固形分濃度が41g/L(1リットルの製鋼ダストスラリーを濾紙で固液分離し、得られた固形分を80℃で15時間乾燥したあとの固形分重量)で、製鋼ダスト固形分中のフッ素含有量を過塩素酸蒸留−吸光光度で測定した値は200mg/kgであった。
また、固液分離で得られた濾液中のアニオン濃度は、塩化物イオンが48mg/L、硝酸イオンが0.1mg/L以下、亜硝酸イオンが0.3mg/L、硫酸イオンが9.6mg/L、リン酸イオンが0.5mg/L以下、炭酸イオンが3.6mg/L、そして、フッ素イオン濃度が環境基準の0.8mg/Lを上回る2.1mg/Lであった。
製鋼ダストスラリー中でのフッ素イオン吸着能に関する測定方法について説明する。
吸着剤0.5gを、製鋼ダストスラリー200mL中に添加し、振とう機(振とう回数200回/分,振とう幅4.5cm)で2時間振とうして、その後該水溶液から懸濁粒子を濾紙で濾別して、濾液中のフッ素イオン濃度を、吸光光度法にて定量することによって行った。なお、このときのフッ素イオン濃度は、元々、製鋼ダストスラリーに可溶していたフッ素イオンに、あらたにダスト固形分から溶出したフッ素イオンが加わり、それを吸着剤で除去したあとの可溶性フッ素イオン濃度と発明者は考えている。
吸着剤の吸着テスト フッ素イオン
調製した吸着剤のフッ素イオン吸着能に関する測定方法について説明する。
吸着剤0.5gを、フッ化物イオン標準液(キシダ化学(株)製イオンクロマト用:F=1000mg/L)にイオン交換水を加えて調製したフッ素イオン含有量が43.5mg/Lの溶液200mL中に添加し、2時間スターラーで攪拌して、その後該水溶液から懸濁粒子をろ紙で濾別して、濾液中のフッ素イオン濃度を吸光光度法にて定量することによって行った。
吸着剤1:吸着剤の製造
消石灰粉末50.0g(JIS特号、BET比表面積値15m/g、Ca=0.67molに相当)と水酸化アルミニウム42.9g(住友化学製C−301,BET比表面積値2m/g、Al=0.55molに相当)をライカイ機を用いて1時間混合した。得られた混合粉末70gをアルミナ製るつぼに入れ、空気中、1100℃において2時間マッフル炉で加熱処理した。加熱処理後の粒子粉末30gをライカイ機を用いて1時間粉砕した。得られた粒子粉末は白色であった。
得られた吸着剤は、カルシウムアルミネートとCaOとの混合相であり、CaOの強度を100としたときのカルシウムアルミネートの強度比は1335、Ca12Al1433の強度比は1070であった。吸着剤の平均粒子径0.7μm、BET比表面積値2.4m/gであった。なお、吸着剤のCa/Al比は、原料混合時と同じであった。
吸着剤2〜6、
Ca/Al比、加熱温度を種々変更した以外は前記実施例1と同様にして吸着剤を得た。
このときの製造条件及び得られた吸着剤の諸特性を表1に示す。なお、吸着剤のCa/Al比は、原料混合時と同じであった。
吸着剤7は、消石灰(水酸化カルシウム)単独であり、吸着剤8は炭酸カルシウム単独であり、吸着剤9は酸化アルミニウム単独である。吸着剤10の熱処理後の粉末をX線回折を用いて同定した結果、酸化カルシウムが存在せず、カルシウムアルミネート単独(CaAl,CaAl,CaAl1024などの混合物)であった。吸着剤11の熱処理後の粉末をX線回折を用いて同定した結果、カルシウムアルミネートが生成しておらず、炭酸カルシウムと酸化アルミニウムであった。吸着剤12は酸化カルシウムと酸化アルミニウムとを単に混合しただけである。
このときの製造条件及び得られた吸着剤の諸特性を表1に示す。
Figure 2005118763
吸着試験
実施例1〜6、比較例1〜6、参考例1〜6、比較参考例1〜6:
前記吸着試験に従って、各吸着剤の吸着性を測定した。結果を表2に示す。
Figure 2005118763
本発明に係る吸着剤は、広い濃度範囲の有害アニオン、殊に、フッ素化合物を吸着・捕捉できるので、製鋼ダストスラリー中の有害アニオンであるフッ素の吸着剤、不溶化剤として好適である。また、本発明に係る吸着剤は、複雑な処理工程を必要としないので、簡便な処理方法に用いる吸着剤として好適である。更に、フッ素化合物と塩化物イオン、硫酸イオン、炭酸イオンなどが共存した製鋼ダストスラリー中のフッ素化合物の吸着・不溶化に対しても、本発明に係る吸着剤は有効である。
さらに、本発明に係る吸着剤は無害な元素または化合物から構成されているので、該吸着剤を埋め立て処分した場合も、環境への負荷は小さい。

Claims (3)

  1. 製鋼ダストスラリーに対して、酸化カルシウムとカルシウムアルミネートとからなる吸着剤を用いて、製鋼ダストスラリー中のフッ素を吸着することを特徴とする製鋼ダストスラリーの精製方法。
  2. カルシウムアルミネートがCa12Al1433及び/又はCaAlであることを特徴とする請求項1記載の製鋼ダストスラリーの精製方法。
  3. 請求項1又は2記載の吸着剤において、該吸着剤のX線回折のピーク値強度比が、CaOが100に対して、Ca12Al1433の強度が10〜2000であることを特徴とする製鋼ダストスラリーの精製方法。
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