JP4247353B2 - 制御ボックス装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、パチンコ機やスロットマシンのような遊技機において、その遊技機を制御するための制御回路を構成する各種の回路素子が組み付けられた制御基板と、その制御基板を収納する収納ボックスとを備えた制御ボックス装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
パチンコ機やスロットマシンのような遊技機では、遊技機を制御する制御基板に搭載されたROM等の回路素子が、不正改造ROM等の不正改造回路素子に交換されないように防止するため、従来より制御基板を収納する収納ボックスに対し様々な工夫が施されている。一般に、収納ボックスは、制御基板が装着されるベース体と、そのベース体を覆う蓋体とを備えている。また、ベース体に対し蓋体は封印手段によって封印されている。これによって、蓋体の不測の開放を禁止して制御基板の不正改造等の不正行為を防止している。万一、蓋体が不測に開けられ、制御基板に対し不正行為が行われた場合には、封印手段の封印部が破損されていることを確認することで、前記不正行為が行われた事実を認識できるようになっていた。しかしながら、ベース体と蓋体とが閉じられ、かつ封印手段によって封印されている状態にもかかわらず、ベース体と蓋体との間に、針金、ドライバー、金属板等を差し込んでベース体と蓋体との間に隙間を作り、その隙間から工具等を用いて、ROM等の回路素子の不正交換が行われる場合がある。このようなことから、ROM等の回路素子に対しカバー体を被せ、そのカバー体によってROM等の回路素子の不正交換を防止するように構成したものが知られている。このようなカバー体には、例えば、特開平10−290870号公報に開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記従来の構造においては、ROM等の回路素子の素子本体の周縁部を囲むようにしてカバー体が単に被せられる構造となっている。このため、カバー体に対し横方向の外力が作用すると、カバー体が倒れ、回路素子から離脱する。すなわち、ベース体と蓋体との間に不測に差し込まれた針金、ドライバー、金属板等の先端部によってカバー体の周壁部の一部が押し付けられると、カバー体が倒れ、回路素子から離脱する場合がある。これによって、ROM等の回路素子の不正交換が行われる場合がある。
【0004】
この発明の目的は、前記問題点に鑑み、制御基板の回路素子に被せられるカバー体が不測に倒れて離脱する不具合を確実に防止することができる制御ボックス装置を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、第1の発明は、請求項1に記載されたとおりの構成を要旨とする。したがって、制御基板の回路素子に被せられたカバー体の係止部が、その回路素子を含む制御基板側に係合しているため、収納ボックスのベース体と蓋体との間の隙間から挿入される針金、ドライバー、金属板等の異物の先端部によってカバー体の周壁部の一部が押し付けられたとしても、カバー体が倒れることを防止することができる。
【0006】
また、カバー体の係止部は、同カバー体の周壁部が回路素子の素子本体の上方から嵌込まれたときに前記回路素子を含む制御基板側に弾性的に係合する構成にしてある。したがって、回路素子の上方からカバー体を嵌込むという極めて簡単な操作によって、そのカバー体の係止部が回路素子を含む制御基板側に弾性的に係合するため、回路素子に対するカバー体の装着を容易にかつ確実に行うことができる。
【0007】
また、カバー体の上端部と収納ボックスの蓋体の内面との間には、同カバー体の倒れを防止する凹凸の嵌合部が設けられている。したがって、針金、ドライバー、金属板等の異物の先端部によってカバー体の周壁部の一部が強く押し付けられとしても、凹凸の嵌合部の嵌合作用によって、カバー体の傾きを確実に阻止することができる。この結果、カバー体が倒れて回路素子から離脱する不具合をより一層確実に防止することができる。
【0008】
【0009】
【発明の実施の形態】
(参考例1)参考例1を図面にしたがって説明する。制御ボックス装置を断面で表した図1において、パチンコ機やスロットマシン等の遊技機の所要位置に装着される制御ボックス装置1は、制御基板30と、その制御基板30を収納する収納ボックス10とを備えている。収納ボックス10は、ベース体11と、そのベース体11を覆う蓋体20とを備えている。この参考例1において、ベース体11及び蓋体20は、無色透明または有色透明な合成樹脂の射出成形によってそれぞれ個別に一体成形されている。これによって収納ボックス10の内部全体が透視可能となっている。
【0010】
ベース体11は、略四角形状の底板部12と、その底板部12の周縁部に突設された周壁部13とを備え、かつ制御基板30を収納する一側開口の収納室を有する箱形状に形成されている。ベース体11の周壁部13は、その底部寄り部分が厚肉に形成され、これによって周壁部13の内側面には、制御基板30の裏側周縁部を受承する段差面14が形成されている。また、ベース体11の底板部12の周縁部近傍には、制御基板30をビスによって締め付けるための所要数の締付用ボス部(図示しない)が段差面14と略同じ高さ位置まで突設されている。
【0011】
ベース体11を覆う蓋体20は、ベース体11に対応する形状に形成されている。この蓋体20の蓋板部21の周縁部にはベース体11の周壁部13の外側面全体を覆うようにして周壁部22が形成されている。また、ベース体11の周壁部13と蓋体20の周壁部22との間の複数箇所には、ベース体11に対し蓋体20を閉じ状態で封印する封印手段25がそれぞれ配設されている。これら封印手段25は、ベース体11の周壁部13と蓋体20の周壁部22との相互にそれぞれ一体状にかつ切除可能に形成された各複数の封印部26、27と、これら封印部26、27を相互に締め付けて封印する封印部材28とを備えている。なお、封印部材28としては、例えば、一方向に回転されて締められ、反対方向への回転は困難に構成されたワンウエイネジや、締付用頭部の上半部が所定値以上のトルクで切断される破断ネジ等がある。
【0012】
前記収納ボックス10に収納される制御基板30は、その裏側周縁部がベース体11の段差面14に受承されて嵌込まれ、制御基板30を通してベース体11の締付用ボス部にねじ込まれるビスによって、制御基板30が固定されるようになっている。この制御基板30の一側面には、パチンコ機、スロットマシン等の遊技機を制御する制御回路を構成するためのROM、RAM、IC、トランジスタ等の各種の回路素子やコネクタ類が装着されている。この参考例1において、図1と図2に示すように、制御基板30の一側面には、遊技機制御に大きい関わりを有する回路素子としてのROM34に対応する接続台(ソケット)40が装着されている。この接続台40の上面には、ROM34が、そのROM本体35から突出された多数のピン36において差し込まれ、これによって、接続台40の上面にROM34が接続されるようになっている。
【0013】
前記ROM34にはカバー体50が被せられている。図4〜図7に示すように、カバー体50は、合成樹脂の射出成形によって一体成形されるとともに、四角筒状をなす周壁部51と、その周壁部51の上端に設けられた天板部54とを備えて下端が開口された箱形状に形成されている。また、周壁部51は、その下端部寄りに段差部52を有し、その段差部52を境とする下部が上部よりも適宜に大きく形成され、当該下部をスカート部53としている。このスカート部53は、ROM本体35の四周縁を囲む大きさの四角筒状に形成るとともに、段差部52の下面が制御基板30の上面に近接(当接も含む)した状態で、そのスカート部53の下端が制御基板30の上面に近接(当接も含む)する高さ寸法を有している。また、周壁部51は、収納ボックス10の蓋体20の蓋板部21内面に近接する位置まで立ち上がる高さ寸法を有している。
【0014】
前記カバー体50のスカート部53の相対する側壁部のうち、一方で対向する側壁部(図に向かって左右の両側に位置する側壁部)が内外方向に弾性的に変形可能に、そのスカート部53の四隅部の近傍が切除されている。そして、スカート部53の一方で対向する側壁部を弾性係止部60としている。これら両弾性係止部60の内側面には、ROM本体35の両端部下面に係合する係止爪61がそれぞれ突設されている。図3に示すように、弾性係止部60の係止爪61は、ROM本体35の両端部に接して滑走する傾斜状の滑走面62と、ROM本体35の両端部下面に係合する平坦な係止面63を有して断面略三角形に形成されている。
【0015】
また、カバー体50が射出成形される際、両弾性係止部60の各係止爪61がアンダーカット部となるため、カバー体50の段差部52には、各係止爪61に対応する位置においてアンダーカット部成形用可動型の型抜き用孔55が貫設されている。
【0016】
この参考例1に係る遊技機の収納ボックス10は上述したように構成される。したがって、収納ボックス10のベース体11に対し蓋体20が閉じられて封印手段25によって封印される前に、制御基板30のROM34にカバー体50が被せられる。制御基板30のROM34にカバー体50を被せて装着する場合、ROM本体35の上方からカバー体50が嵌込まれることで、そのカバー体50の弾性係止部60を外側に向けて弾性変形させながら、その係止爪61の滑走面62がROM本体35の両端部に接して滑走する。引き続いて、カバー体50のスカート部53の下端面が制御基板30の上面に近接する嵌込み端までカバー体50が嵌込まれる。すると、係止爪61の滑走面62がROM本体35の両端部を通過し、カバー体50の弾性係止部60の弾性変形に基づく弾発力によって係止爪61の係止面63がROM本体35の両端部下面にそれぞれ係合し、その係合力によってカバー体50の倒れや離脱が防止される(図1及び図3参照)。このようにして、ROM本体35の上方からカバー体50を嵌込むという極めて簡単な操作によって、そのカバー体50の係止爪61をROM本体35の両端部下面に弾性的に係合させることができる。
【0017】
前記したように制御基板30のROM34にカバー体50が被せられて装着された後、収納ボックス10のベース体11に対し蓋体20が閉じられる。その後、ベース体11と蓋体20の周縁部の複数箇所に配設された封印手段25の各複数の封印部のうち、それぞれ1つの封印部26、27が封印部材28によって結合されて封印される。このように、ベース体11に対し蓋体20が取り外し不能に封印されるため、制御基板30の不正改造が防止される。
【0018】
さて、制御基板30のROM34には、そのROM本体35の両端部下面に係止爪61が弾性的に係合した状態でカバー体50が被せられて装着されている。このため、封印状態にある収納ボックス10のベース体11と蓋体20との間に隙間を作ってその隙間から針金、ドライバー、金属板等の異物が挿入され、その異物の先端部によってカバー体50の周壁部51の一部が押し付けられたとしても、カバー体50が倒れることが防止される。この結果、カバー体50が倒れてROM34から離脱する不具合が防止され、ROM34の不正交換が防止される。
【0019】
また、カバー体50の周壁部51下部のスカート部53は、ROM本体35の四周縁を囲み、かつ制御基板30の上面に近接(当接も含む)するとともに、同カバー体50の周壁部51の上端は収納ボックス10の蓋体20の蓋板部21内面に近接する位置まで立ち上がる高さ寸法を有している。このため、針金、ドライバー、金属板等の異物の先端部によってカバー体50の周壁部51の一部が強く押し付けられ、カバー体50が傾こうとしても、そのカバー体50の周壁部51の上端が蓋体20の蓋板部21内面に当接してカバー体50の傾きが阻止される。この結果、カバー体50が倒れてROM34から離脱する不具合が確実に防止される。
【0020】
なお、当局の立ち入り検査等の場合において、蓋体20を正当な理由の下に外したい場合には、各封印手段25のそれぞれ1つの封印部26、27が切断されて開封されることにより、前記封印部材28を締めつけたまま蓋体20が簡単に取り外される。また、各封印手段25の他の1つの封印部26、27が封印部材28によって結合されて封印されることで、収納ボックス10を再使用することができる。
【0021】
(実施の形態)次に、この発明の実施の形態を図8〜図11にしたがって説明する。この実施の形態において、カバー体50の倒れを防止する凹凸の嵌合部としての凸部72が、カバー体50の天板部54の長手方向の両端部寄りにそれぞれ突設される一方、収納ボックス10の蓋体20の蓋板部21には、凸部72がそれぞれ嵌挿される孔71が形成されている。この実施の形態に係る制御ボックス装置1のその他の構成は、参考例1と略同様に構成されるため、同一構成部分に対し同一符号を付記してその説明は省略する。
【0022】
したがって、この実施の形態においては、参考例1と略同様に作用効果を奏するばかりでなく、針金、ドライバー、金属板等の異物の先端部によってカバー体50の周壁部51の一部が強く押し付けられとしても、凸部72と、孔71との嵌合作用によって、カバー体50の傾きを確実に阻止することができる。この結果、カバー体50が倒れてROM34から離脱する不具合を参考例1と比べても、より一層確実に防止することができる。
【0023】
(参考例2)次に、参考例2を図12〜図15にしたがって説明する。この参考例2において、カバー体50の周壁部51の上端部には収納ボックス10の蓋体20の蓋板部21内面に接近して張り出しかつ同カバー体50の倒れを防止する張出部75が設けれている。この参考例2に係る制御ボックス装置1のその他の構成は、参考例1と略同様に構成されるため、同一構成部分に対し同一符号を付記してその説明は省略する。
【0024】
したがって、この参考例2においても、参考例1と略同様に作用効果を奏するばかりでなく、針金、ドライバー、金属板等の異物の先端部によってカバー体50の周壁部51の一部が強く押し付けられとしても、カバー体50の張出部75が蓋体20の蓋板部21内面に当接してカバー体50の傾きを確実に阻止することができる。この結果、カバー体50が倒れてROM34から離脱する不具合を参考例1と比べ、より一層確実に防止することができる。
【0025】
なお、前記実施の形態、参考例1、参考例2では、カバー体50の周壁部51下部のスカート部53が、その四隅部近傍において切除され、一方で対向する側壁部を弾性係止部60としている場合を例示したが、これに限定するものではない。例えば、カバー体50の周壁部51の下部(例えば、スカート部53)において、一方で対向する側壁部にスリット状の切り込み部を形成して弾性係止部60を形成することも可能である。また、前記実施の形態、参考例1、参考例2では、両弾性係止部60の内側面にそれぞれ突設され係止爪61がROM本体35の両端部下面に係合する場合を例示したが、これに限定するものではない。例えば、カバー体50の弾性係止部60の係止爪61をROM34の接続台40に係合させても略同様の作用効果を奏する。また、カバー体50の弾性係止部60の係止爪61に対応する位置において、制御基板30に係止孔を貫設し、カバー体50の弾性係止部60の係止爪61を、制御基板30の係止孔に係合させても略同様の作用効果を奏する。また、前記実施の形態、参考例1、参考例2では、カバー体50をROM34に被せてROM34の不正交換を防止するようにしたが、ROM34以外の回路素子にカバー体50を被せてその回路素子の不正交換を防止することもできる。
【0026】
【発明の効果】
以上述べたように、この発明によれば、制御基板のROM等の回路素子に被せられるカバー体が不測に倒れて離脱する不具合を確実に防止することができため、ROM等の回路素子の不正交換防止に効果が大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】参考例1に係る制御ボックス装置の収納ボックス、制御基板、ROM及びカバー体の組み付け状態を示す断面図である。
【図2】同じく制御基板のROMにカバー体を被せた状態を示す断面図である。
【図3】同じく制御基板のROMの下面に対しカバー体の弾性係止部の係止爪が係合した状態を拡大して示す部分断面図である。
【図4】同じくカバー体を示す斜視図である。
【図5】同じくカバー体を示す平面図である。
【図6】同じく図5のVI−VI線に基づくカバー体の断面図である。
【図7】同じく図5のVII−VII線に基づくカバー体の断面図である。
【図8】発明の実施の形態に係る制御ボックス装置の収納ボックス、制御基板、ROM及びカバー体の組み付け状態を示す断面図である。
【図9】同じくカバー体を示す平面図である。
【図10】同じく図9のX−X線に基づくカバー体の断面図である。
【図11】同じく図9のXI−XI線に基づくカバー体の断面図である。
【図12】参考例2に係る制御ボックス装置の収納ボックス、制御基板、ROM及びカバー体の組み付け状態を示す断面図である。
【図13】同じくカバー体を示す平面図である。
【図14】同じく図13のXIV−XIV線に基づくカバー体の断面図である。
【図15】同じく図13のXV−XV線に基づくカバー体の断面図である。
【符号の説明】
1 制御ボックス装置
10 収納ボックス
11 ベース体
20 蓋体
25 封印手段
30 制御基板
34 ROM(回路素子)
35 ROM本体(素子本体)
50 カバー体
51 周壁部
60 弾性係止部(係止部)
61 係止爪
71 孔(嵌合部)
72 凸部(嵌合部)
75 張出部

Claims (1)

  1. 遊技機の制御回路を構成する各種の回路素子が組み付けられ、所定位置に固定接続された接続台40にROM34が差込み接続された制御基板30と、その制御基板30を収納する収納ボックス10とを備え、前記収納ボックス10が前記制御基板30を定置するベース体11と、そのベース体11の開口面側に合わせて組み付けられて制御基板30を覆う蓋体20によって構成される一方、前記制御基板30のROM34及び接続台40にカバー体50が被せられた制御ボックス装置であって、
    前記カバー体50は、該カバー体50の本体部分をなす角筒形状の周壁部51の下面側を前記接続台40の形状・サイズに適した条件に開口し、かつ周壁部51の上面側に前記収納ボックス10の蓋体20の平坦な蓋板部21の内面と当接し得る平坦状の天板部54を形成して全体がほぼ角筒形に合成樹脂成形されており、
    前記周壁部51の開口縁の対向する一方の両側に、前記接続台40を両側から挟込むように当接し得る弾性変形可能な一対のスカート部53,53が垂下状態に形成され、
    前記周壁部51の開口縁の対向する他方の両側に、前記ROM34を両端から挟込むように係合し得る弾性変形可能な一対の弾性係止部60,60が垂下状態に形成され、該弾性係止部60,60の内面側に前記ROM34の両端部下面に係合し得る係止爪61,61が形成される一方、
    前記周壁部51の天板部54の平坦面上の所要位置に凸部72を外向きに突出形成し、該凸部72と、前記収納ボックス10の蓋体20の蓋板部21の所定位置に貫通状に形成された孔71とを蓋体20の外側から目視可能に嵌合して、前記カバー体50が前記蓋体20の内側に位置決め結合されるように構成したことを特徴とする制御ボックス装置。
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