図1は本発明の実施の1形態である光ピックアップ装置1の構成を簡略化して示す断面図であり、図2は図1の光ピックアップ装置1に備わるパッケージ11の構成を簡略化して示す断面図である。
光ピックアップ装置1は、光を出射する光源である半導体レーザ素子12を備えるパッケージ11と、回折格子4、ビームスプリッタ5およびコリメートレンズ6ならびにパッケージ11を支持するハウジング2と、対物レンズ7とを含んで構成される。光ピックアップ装置1は、光記録媒体3に情報を記録および/または光記録媒体3から情報を再生することに用いられ、光情報記録再生装置に備わる光ディスクドライブ装置内に設けられる。
図2に示すようなパッケージ11は、光を出射する光源である半導体レーザ素子12と、半導体レーザ素子12の後方出射面から出射されるレーザ光をモニタするモニタ用受光素子13と、基台であるステム14と、半導体レーザ素子12およびモニタ用受光素子13を保護するキャップ15と、複数(図2においては3つ)のリードピン16とを含む。このパッケージ11は、ステム14のリードピン16が突出する側と反対側の面を覆うようにしてキャップ15が設けられ、ステム14とキャップ15とによって形成される内部空間に光源である半導体レーザ素子12とモニタ用受光素子13とが収容され、各リードピン16が、ステム14を通して半導体レーザ素子12とモニタ用受光素子13とに接続されるように構成される。このように光源である半導体レーザ素子が筒型形状のキャップ部内に収容されるパッケージを、キャン型レーザダイオードパッケージと呼ぶ。
光を出射する光源である半導体レーザ素子12は、リードピン16を介して電力が供給されることによって、たとえば、DVD用の波長650nmの赤色レーザ光を出射する。
モニタ用受光素子13は、半導体レーザ素子12が後方、すなわちステム14が位置する方向に出射されるレーザ光をモニタする。モニタ用受光素子13による検出出力は、APC(Auto Power Control)回路に入力され、APC回路が半導体レーザ素子12のレーザ光出力を制御する。
半導体レーザ素子12およびモニタ用受光素子13は、複数のリードピン16によって、図示しないFPC(Flexible Print Circuit)基板などの電気配線を介して、外部回路と電気的に接続される。
ステム14は、熱伝導性に優れる銅、アルミニウムなどの金属によって形成され、直径が約5〜6mmの円盤形状を有する。ステム14の一方の面には、ステム14と同様に熱伝導性に優れる銅、アルミニウムなどで形成される金属製のキャップ15が設けられ、ステム14のキャップ15が設けられる側の一方の面には、放熱台17と受光素子13とが載置される。放熱台17には、熱伝導性の高い接着剤によって半導体レーザ素子12が接合される。
さらに、ステム14には、厚さ方向に貫通孔が形成される。この貫通孔には、リードピン16が挿入され、貫通孔とリードピン16との間はガラス材によって封止される。
キャップ15には、半導体レーザ素子12から回折格子4に向けて出射されるレーザ光が通過するための光学窓18が形成される。
リードピン16は、本実施形態においては3本である。それぞれのリードピンは、1本がグランド(GND)リードであり、1本が半導体レーザ素子12に所定の電圧を印加するリードであり、残りの1本がモニタ用受光素子13によるモニタ電流を取り出すリードである。
図1の光ピックアップ装置1に備えられるハウジング2は、たとえば、アルミニウムダイカスト、亜鉛ダイカスト、マグネシウムダイカストなどの熱伝導性の高い金属製の容器状部材であって、情報の記録/再生が可能なように装着された状態の光記録媒体3を臨んで設けられる。またハウジング2は、回折格子4、ビームスプリッタ5、コリメートレンズ6などの光学部材を収容し装着するとともに、パッケージ11が装着される基台である。ハウジング2には嵌合孔が形成され、この嵌合孔にパッケージ11が嵌合されて固定される。
またハウジング2には、パッケージ11の光学窓18から出射される光の進行方向に回折格子4およびビームスプリッタ5がその順に設けられ、ビームスプリッタ5による光の反射方向に、光を略平行にするコリメートレンズ6が設けられる。コリメートレンズ6によって平行光とされた光は、対物レンズ7に入射する。
対物レンズ7は、光記録媒体3の信号記録面上にレーザ光を集光する。対物レンズ7は、磁性部材およびコイルを含む不図示のアクチュエータに装着され、集光される光が光記録媒体3のトラックに結像するように、すなわちトラッキングおよびフォーカシングの誤差を修正するように電磁気力を利用して駆動される。
半導体レーザ素子12から出射された光は、回折格子4を通過してビームスプリッタ5で反射される。ビームスプリッタ5で反射された光は、コリメートレンズ6に入射されて平行光となり、対物レンズ7によって光記録媒体3に集光される。光記録媒体3の信号記録面から反射された光は、再び対物レンズ7およびコリメートレンズ6に入射されてビームスプリッタ5を透過し、不図示のシリンドリカルレンズを通って不図示の受光素子に入射する。この受光素子には、複数の受光セグメントが配置され、光記録媒体3からの反射光をそれぞれの受光セグメントで受光し、受光した光量を電流に変換することによって反射光の検出信号を得ることができる。
従来半導体レーザ素子から光が出射されるとき、特に光記録媒体がDVDであり赤色レーザ光が出射されるとき、半導体レーザ素子は大きな出力を要するとともに多くの発熱を伴う。半導体レーザ素子での発熱は、ステムを通じてパッケージ全体に、またパッケージを通じてハウジング全体に伝導する。特に、従来密閉空間である半導体レーザ素子を含むパッケージの内部空間および光学部品を含むハウジング内部において、半導体レーザ素子の発熱による温度上昇が顕著である。
光ピックアップ装置が用いられる大気中の空気は高温であるときと低温であるときとで密度の違いを生じるので、熱によって光ピックアップ装置内部の空気が昇温されると、光ピックアップ装置内部に密度の異なる空気が入り混じった状態となる。空気の密度が異なると光の屈折率も異なってしまうので、空気中を通過する半導体レーザからの出射光が不規則に屈折してしまう。このようにレーザ光が屈折することによって、光記録媒体に対してレーザ光を合焦させることが難しくなるので、光記録媒体の再生および記録が不安定となる。
このような光ピックアップ装置の温度上昇を緩和するために、本発明の光ピックアップ装置1には、ハウジング2に通気孔8が形成される。通気孔8は、ハウジング2の光記録媒体3を臨む側2aに開口部8aを有し、光記録媒体3を臨む側と反対側2bにまで貫通するように形成される。このような通気孔8は、ハウジング2の光記録媒体3を臨む側2aと反対側2bに設けられる開口部8bから空気を吸引し、ハウジング2の光記録媒体3を臨む側2aに設けられる開口部8aから排出することができる。このような排気および吸気が行われる理由は、ベルヌーイの定理によって説明できる。
以下ベルヌーイの定理について説明する。ベルヌーイの定理とは、流体が、粘性および圧縮性のない理想流体であり、かつ流れ場が一様(時間によって流れの様子が変化しない)である場合、任意の1つの流線または渦線の上において下記に示すベルヌーイ方程式が成立するというものである。ただし、pは流体の圧力、ρは流体の密度、vは流体の速度、gは重力加速度、hは基準位置からの高さである。
p+1/2ρv2+ρgh=(一定)
上記式から、流体が理想流体であって、流れ場が一様である場合、任意の1つの流線または渦線の上において流体の速度vが小さくなると流体の圧力pが小さくなるということがいえる。なお、空気の場合、粘性については物体表面のごく近くに形成される非常に薄い境界層以外では考慮される必要はなく、圧縮性についてはMach0.6程度までならばほとんど考える必要はない。したがって、空気を理想流体として扱うことができる。
光記録媒体3は、予め定められる位置に装着されるとともに、不図示のスピンドルモータによって回転される。光記録媒体3の回転によって、光記録媒体3付近の空気についても流れが生じ、光記録媒体3が等速で回転している間の時間においては光記録媒体3付近では、光記録媒体3に付随して移動する空気の一様な流れ場が形成される。このような一様な流れ場を有する空気の任意の流れ線上においては、上記ベルヌーイの方程式が成立する。したがって、光記録媒体3付近の空気における任意の流れ線上では、光記録媒体3の回転によって流れが生じ、上記式中の速度vが大きくなるので、任意の流れ線上の空気の圧力pは流れのない停滞状態での空気の圧力(大気圧)よりも低下する。また光記録媒体3付近の任意の流れ線上において圧力が低下する状態となるので、光記録媒体3付近、特に光記録媒体3とハウジング2との間に形成される外部空間9の全体について、圧力が低くなる。
以上のように、光記録媒体3が回転している状態では、前記外部空間9の空気の圧力は大気圧よりも低くなる。このようにして前記外部空間9の空気と、光記録媒体3から離れた場所における空気とに圧力の差を生じ、空気はこの圧力差を減少させるように高圧部の空気が低圧部に流過する。本発明の光ピックアップ装置1では、比較的高圧部である光記録媒体3を臨む側2aと反対側2b付近の空気が低圧部である前記外部空間9に向かって流過することができるように通気孔8が備えられる。
ここで、発光に伴って半導体レーザ素子12から発生した熱は、パッケージ11を介してハウジング2に伝導しているけれども、本発明の光ピックアップ装置1に備えられる通気孔8によって、ハウジング2に伝導した熱が、通気孔8を通る空気によって抜熱されてハウジング2外部に放出されるので、半導体レーザ素子12から発生した熱を効率的に外部に放出することができる。
また、空気がハウジング2に設けられる通気孔8内を流過することによって、伝導した熱を有するハウジング2を冷却することができ、ハウジング2を冷却することによって発熱する半導体レーザ素子12を収納するパッケージ11を冷却することができる。このことによって、発光により半導体レーザ素子12から発生した熱の放出が可能になる。
ハウジング2に設けられる通気孔8の直径としては0.5〜1.5mmであることが好ましい。なお、通気孔8は、その断面形状が丸孔に限定されることなく、たとえば、角孔、長孔などであってもよい。
また、ハウジング2に設けられる通気孔8は、その形成位置が特に限定されることなく、どのような場所に形成されるものであってもよい。ただし、パッケージ11と通気孔8との距離が短いほど、パッケージ11の冷却および放熱をより効率的に行うことができる。
ハウジング2は、形成される通気孔8が1つに限定されることなく、複数形成されてもよい。放熱および冷却を行うことのできる通気孔が複数備えられることによって、さらに効率よくハウジングおよびパッケージの放熱および冷却を行うことができる。
光ピックアップ装置1に備わるパッケージ11はキャン型レーザダイオードパッケージに限定されることなく、たとえば、フレーム型レーザダイオードパッケージを用いることもできる。フレーム型レーザダイオードパッケージは、半導体レーザ素子、モニタ用受光素子および合成樹脂でモールドされた略直方体形状のフレームパッケージを含んで構成される。半導体レーザ素子およびモニタ用受光素子はフレームの平面上に固定され、該フレームの平面と平行方向に光を出射する。このようなフレーム型レーザダイオードパッケージを用いると、パッケージが小型化し、光ピックアップ装置全体としても小型化することができる。
さらに、ハウジング2は、通気孔8と交差するようにして形成される横通気孔を備えることが好ましい。
図3は、本発明の実施の第2形態である光ピックアップ装置に備わるハウジング21の構成を簡略化して示す斜視図である。本実施形態の光ピックアップ装置は、前述の第1実施形態の光ピックアップ装置1に類似し、対応する部分については同一の参照符合を付して説明を省略する。
本実施形態のハウジング21は、複数(本実施形態では4つ)の通気孔8と、ハウジング21の光記録媒体を臨む側の面21aとは異なり、かつ光記録媒体を臨む側の反対側の面21bとも異なる面である第1側面21cおよび第2側面21dに開口部22a、22bを有し、該通気孔8と交差するようにして形成される横通気孔22を備える。
本実施形態の光ピックアップ装置では、通気孔8の光記録媒体を臨む側21aと反対側21bの開口部8bから以外にも、第1および第2側面21c、21dに形成される開口部22a、22bから空気が吸引されるので、さらに光ピックアップ装置の冷却性および放熱性を向上することができる。
なお、このような横通気孔22は、ハウジング21の第1側面21cから第2側面22dまで貫通して形成されるのに限定されることなく、少なくともいずれか1つの開口部22a、22bを有するとともに、少なくとも1つの通気孔8に交差するように形成されればよい。また、横通気孔22についても、設けられる数については限定されることなく、2つ以上の横通気孔が設けられてもよい。
図4は、本発明の実施の第3形態である光ピックアップ装置31の構成を簡略化して示す断面図である。本実施形態の光ピックアップ装置31は、前述の第1実施形態の光ピックアップ装置1に類似し、対応する部分については同一の参照符合を付して説明を省略する。
本実施形態の光ピックアップ装置31において注目すべきは、ハウジング32とパッケージ11のキャップ15との間に、キャップ15の外周に沿って間隙33が形成されることである。ハウジング32には、パッケージ11を装着するための嵌合孔が形成される。嵌合孔は、円柱状に形成され、その直径がステム14の直径と等しく、その高さがステム14の厚さとキャップ15の光軸方向の高さとの和に等しい。ステム14の直径が、キャップ15の光軸に垂直方向の直径よりも大きく形成されるので、パッケージ11を嵌合孔に挿入してステム14部で嵌合させたとき、キャップ15とハウジング32とによって前記間隙33が形成される。
また、ハウジング32には、光記録媒体3を臨む側32aに開口部34aを有し間隙33まで貫通する上通気孔34と、光記録媒体3を臨む側32aと反対側32bに開口部35aを有し間隙33まで貫通する下通気孔35とが備えられる。
このような上通気孔34および下通気孔35を備えることによって、実施の第1形態の光ピックアップ装置1と同様にして上下通気孔34、35および間隙33中を空気が流過する。流過する空気は、パッケージ11の外周に沿って形成される間隙33を通り、キャップ15部分においては半導体レーザ素子12により発生しパッケージ11に伝導した熱を、ハウジング32を介することなく直接外部に放出することができる。なお、ステム14部分に伝導した熱は、ハウジング32に伝導し、上通気孔34または下通気孔26から、通気する空気とともに開口部34aから放出される。
また、実施の第1形態の光ピックアップ装置1と同様にして、空気がハウジング32に設けられる上下通気孔34、35内を通ることによって、伝導した熱を有するハウジング32を冷却することができる。したがって、光ピックアップ装置31の冷却および放熱がより効率よく行える。
なお、上下通気孔34、35の直径としては、実施の第1形態の通気孔8と同様に0.5〜1.5mmのものが形成される。上下通気孔34、35の形状についても、その断面形状が丸孔に限定されることなく、たとえば、角孔、長孔などであってもよい。
また、上通気孔34と下通気孔35とがそれぞれ1つずつに限定されることなく、複数備えられてもよい。また上通気孔34と下通気孔35とが設けられる数は、同一である必要はない。さらに、ハウジング32には、実施の第1形態のハウジング2に設けられる光記録媒体3を臨む側に開口部8aを有し、光記録媒体3を臨む側と反対側にまで貫通するように形成される通気孔8をさらに備えることが好ましい。このように上通気孔34および下通気孔35が複数設けられることによって、また実施の第1形態で設けられる通気孔8がハウジング32にさらに設けられることによって、ハウジング32およびパッケージ11の放熱および冷却が非常に効率的に行われる。
ハウジング32には、実施の第2形態と同様の横通気孔が形成されるのが好ましい。
図5は、本発明の実施の第4形態である光ピックアップ装置に備わるハウジング41の構成を簡略化して示す斜視図である。本実施形態の光ピックアップ装置は、前述の第1および第3実施形態の光ピックアップ装置に類似し、対応する部分については同一の参照符合を付して説明を省略する。
本実施形態のハウジング41は、複数(本実施形態では4つ)の通気孔8と、上下通気孔34、35と、光記録媒体3を臨む側の面41aと光記録媒体3を臨む側41aの反対側41bの面とにそれぞれ交差する第1および第2側面41c、41dに開口部42a、42bを有し、間隙23まで貫通して形成される横通気孔42と、前記第1および第2側面41c、41dに開口部43a、43bを有し、下通気孔35と交差するようにして形成される横通気孔43とを備える。
このような横通気孔42、43を設けることによって、下通気孔35の光記録媒体3を臨む側41aと反対側41bの開口部35aから以外にも、第1および第2側面41c、41dに形成される開口部42aおよび開口部43aから空気が吸引されるので、さらに光ピックアップ装置の冷却性および放熱性を向上させることができる。
間隙33と交差するように設けられる横通気孔42は、少なくとも1つの開口部42aが設けられればよく、必ずしもハウジング41の第1および第2側面41c、41dの両方に開口部が形成される必要はない。また横通気孔42は必ずしも貫通孔8と交差するように形成される必要はなく、間隙33とのみ交差するような構成であってもよい。同様に通気孔8および下通気孔35に交差するように設けられる横通気孔43についても、少なくとも1つの開口部43aが設けられればよく、必ずしもハウジング41の第1および第2側面41c、41dの両方に開口部が形成される必要はない。また横通気孔43は、すべての通気孔8および下通気孔35と交差して設けられる必要はなく、これらのうちから少なくとも1つ以上の通気孔または下通気孔と交差して設けられればよい。ただし、横通気孔42、43がハウジング41に貫通し、かつなるべく多くの通気孔8および下通気孔35と交差して形成されることによって、空気を吸引する開口部の数が増加するので、より効率的に光ピックアップ装置の冷却および放熱を行うことができる。
本実施形態においては、間隙33に交差する横通気孔42と、下通気孔35に交差する横通気孔43とが形成されるけれども、どちらか1つであってもよい。また、横通気孔43は、上通気孔34と交差するように形成されるものであってもよい。
図6は、本発明の実施の第5形態である光ピックアップ装置に備わるキャン型レーザダイオードパッケージ51の構成を簡略化して示す斜視図である。本実施形態の光ピックアップ装置は、実施の第3形態の光ピックアップ装置31に類似し、用いられるパッケージを除いて構成を同じくするので、構成を示す図を省略し、パッケージについてのみ説明する。本実施形態の光ピックアップ装置における特徴は、パッケージとしてキャン型レーザダイオードパッケージ51が用いられることである。
キャン型レーザダイオードパッケージ51のキャップ15には、半導体レーザ素子を収納する内部空間と間隙33とを連通するパッケージ通気孔52が複数(本実施形態においては2つ)形成される。パッケージ通気孔52の直径は、パッケージ通気孔52が形成される数にもよるけれども、概ね1.0〜1.5mmである。
このようなパッケージ通気孔52が形成されることによって、下通気孔35を通って間隙33に流入してくる空気が、キャン型レーザダイオードパッケージ51の内部空間にも移動し、光を出射する発熱源である半導体レーザ素子を直接冷却するとともに、半導体レーザ素子からの熱を直接放出することができるので、光ピックアップ装置の冷却および放熱を非常に効率よく行うことができる。
図7は、本発明の実施の第6形態である光ピックアップ装置に備わるフレーム型レーザダイオードパッケージ53の構成を簡略化して示す斜視図である。本実施形態の光ピックアップ装置は、実施の第3形態の光ピックアップ装置31に類似し、用いられるパッケージを除いて構成を同じくするので、構成を示す図を省略し、パッケージについてのみ説明する。本実施形態の光ピックアップ装置における特徴は、パッケージとしてフレーム型レーザダイオードパッケージ53が用いられることである。
フレーム型レーザダイオードパッケージ53は、フレーム型レーザダイオードパッケージ53のフレーム部54よりも大きく形成される不図示の角柱状の間挿部材を備える。また本実施形態の光ピックアップ装置のハウジングには、フレーム型レーザダイオードパッケージ53を装着するための嵌合孔が形成される。嵌合孔は、角柱状に形成され、その底面の大きさが前述の間挿部材の出射光光軸と垂直な面における大きさと等しく、その高さがフレーム型レーザダイオードパッケージ53の光軸方向の高さに等しい。間挿部材が、光軸に垂直な方向においてフレーム部54よりも大きく形成されるので、フレーム型レーザダイオードパッケージ53を嵌合孔に挿入して間挿部材で嵌合させたとき、フレーム部54とハウジングとによって間隙が形成される。
フレーム型レーザダイオードパッケージ53についても、フレーム部54に半導体レーザ素子を収納する内部空間とフレーム型レーザダイオードパッケージ53の外周に沿って形成される間隙とを連通するパッケージ通気孔55が複数(本実施形態においては2つ)形成される。このようなパッケージ通気孔55は、下通気孔35を通って間隙に移動する空気が、フレーム型レーザダイオードパッケージ53の内部空間にも移動し、光を出射する発熱源である半導体レーザ素子12を直接冷却することができるので、金属製のキャン型レーザダイオードパッケージ51よりも熱伝導性に劣る合成樹脂などでフレーム部54が形成されるフレーム型レーザダイオードパッケージであっても、効率的に冷却および放熱を行うことができる。フレーム型レーザダイオードパッケージ53に設けられるパッケージ通気孔55の大きさは、パッケージ通気孔55が形成される数にもよるけれども、概ね0.5〜1.0mmである。
図8は、本発明の実施の第7形態である光ピックアップ装置61の構成を簡略化して示す断面図である。本実施形態の光ピックアップ装置61は、第3および第5実施形態の光ピックアップ装置に類似し、対応する部分については同一の参照符合を付して説明を省略する。
本実施形態の光ピックアップ装置の特徴は、パッケージとしてキャン型レーザダイオードパッケージ51が用いられ、キャン型レーザダイオードパッケージ51とハウジング62との間に間隙が形成されないことである。
したがって、下通気孔67を流過した空気は、間隙を周回することなく、パッケージ通気孔65から直接キャップ15の内部空間へ流入し、もう1つのパッケージ通気孔64から上通気孔66へと流過し、外部空間9へ流出する。このことによって、前述の実施の第5形態の光ピックアップ装置と同様の効果を奏することができる。
図9は本発明の光ピックアップ装置1を備える電子機器である光情報記録再生装置71の概略斜視図であり、図10は図9に示す光情報記録再生装置71のトレイ72部を概略的に示す側面図である。電子機器71は、本発明の光ピックアップ装置1と、DVDなどの光記録媒体3が載置されるトレイ72と、トレイ72を収容する筐体73とを含む。
光情報記録再生装置71は、たとえば、パーソナルコンピュータ、モバイル光情報記録再生装置などの薄型装置のケーシング内に、偏平な直方体形状の筐体73が内装固定されるようにして搭載される。
筐体73の一方の面には開口部73aが形成され、この開口部73aを通してトレイ72が不図示のモータによって出入可能に構成される。開口部73aには、不図示のシャッタが設けられ、トレイ72が筐体73内に収容される状態では、シャッタが閉じられ、異物などが侵入しないようにされる。トレイ72に光記録媒体3を載置するときには、シャッタが開かれる。
トレイ72には、光記録媒体3に対して情報を記録再生するための読み取り窓74が形成される。またトレイ72のほぼ中央部には、光記録媒体3を固定し保持するための略円柱状の保持部材75が備えられる。保持部材75は、光記録媒体3の中心孔に嵌入され、光記録媒体3を予め定められる位置に位置決めし保持する。また、保持部材75には、スピンドルモータ76が接続され、スピンドルモータ76の回転によって保持部材75を回転させ、保持部材75に保持される光記録媒体3を回転させることができる。
トレイ72の読み取り窓74には、光記録媒体3の情報記録面に垂直に光を出射するように、本発明の光ピックアップ装置1が備えられる。光ピックアップ装置1のハウジング2は、前述のようにハウジング2の光記録媒体3を臨む側に開口部を有し、光記録媒体3を臨む側と反対側にまで貫通するように形成される通気孔8が形成される。またハウジング2は、トレイ72に固設される2本の案内軸部材77によって、光記録媒体3の半径方向であるトラッキング方向に摺動可能に支持される。
光ピックアップ装置1に備えられる対物レンズ7は、前述のように磁性部材およびコイルを含む不図示のアクチュエータに装着され、集光される光が光記録媒体3のトラックに結像するように、すなわちトラッキングおよびフォーカシングの誤差を修正するように電磁気力を利用して駆動される。対物レンズ7を保持するアクチュエータは、複数本のワイヤの一端部で支持され、フォーカス方向およびトラッキング方向に微動制御可能である。
以下このような光情報記録再生装置71の動作について説明する。まず、シャッタを開きトレイ72を筐体73から引き出す。光記録媒体3をトレイ72に載置し、保持部材75を光記録媒体3の中心孔に嵌合させることによって光記録媒体3をトレイ72に固定する。光記録媒体3を固定したトレイ72は、筐体73内部に搬送され収容される。筐体73内部に収容された光記録媒体3はスピンドルモータ76によって回転される。本発明の光ピックアップ装置1は、この回転される光記録媒体3に対して光を照射することによって情報を記録および/または再生することができる。
本発明の光情報記録再生装置71が前記のような通気孔8がハウジング2に形成される光ピックアップ装置1を備え、光ピックアップ装置1の冷却性および放熱性が優れるので、光記録媒体3の情報の再生および記録を安定して行うことができる。
なお、本発明の光ピックアップ装置は、搭載される電子機器は上記のような光情報記録再生装置の構成に限定されることなく、種々の変形例が許される。