JP4246314B2 - スクリュウコンベヤ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、粉粒体を搬送するためのスクリュウコンベヤに関する。より詳しくは、そのスクリュウコンベヤにおいて搬送中に生じる粉粒体の詰り現象を防止するための詰り防止機構を備えたスクリュウコンベヤ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
粉粒体の搬送手段としてスクリュウコンベヤを用いることは、従来から広く行われているところである。この種のスクリュウコンベヤは、輸送管内に搬送用スクリュウを配設し、その搬送用スクリュウのみ、あるいは輸送管と共に搬送用スクリュウを回転することにより、目的物を搬送するものである。しかるに、このスクリュウコンベヤを用いて粉粒体を搬送する場合に、その粉粒体が付着しやすい粉粒体やブリッジを形成しやすい粉粒体の場合などには、目的の粉粒体が搬送用スクリュウに付着して共に回転して前方へ搬送できずに詰ってしまうといった問題があり、その適用範囲を制約する原因になっていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、以上の問題点に鑑みて開発したもので、簡単な構成により、付着しやすい粉粒体やブリッジを形成しやすい粉粒体などの搬送においても粉粒体の詰り現象が防止され、良好な搬送作用を継続し得るスクリュウコンベヤ装置を提供し、その適用範囲の拡大を図ることを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記課題を解決するため、粉粒体の輸送管内に中空螺旋状の搬送用スクリュウを備えたスクリュウコンベヤにおいて、前記搬送用スクリュウの内方に螺旋状からなる詰り防止用スクリュウを配設するとともに、その詰り防止用スクリュウが部分的に前記搬送用スクリュウの対向したピッチ間に形成される間隙内に挿入される状態に、両スクリュウを互いに偏心させるという技術手段を採用した。すなわち、詰り防止用スクリュウの一部が、搬送用スクリュウを構成する隣接した螺旋状の部分が互いに対向するピッチ間に形成される間隙内に挿入されるように、両スクリュウを偏心させることにより、回転駆動されるそれらのスクリュウ相互間に生じる相対的な運動に基づく撹拌作用によって、とりわけ搬送用スクリュウのピッチ間に形成されるブリッジ等の粉粒体の詰りを確実に防止するという技術手段を採用した。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態としては、搬送用スクリュウと詰り防止用スクリュウとが同一ピッチに形成され、同一速度において相互に偏心した状態で回転動作を行うという後述の実施例の形態がその典型例である。しかしながら、これに限られず、詰り防止用スクリュウが部分的に前記搬送用スクリュウの対向したピッチ間に形成される間隙内に挿入される状態に両スクリュウを互いに偏心させたものであれば、例えば、詰り防止用スクリュウを搬送用スクリュウのピッチの範囲内で正逆転させて前後に小さく振動させたり、同ピッチの範囲内で間欠的な運転を繰返しながら、総体的には搬送用スクリュウに追随して前進するように回転制御することも可能である。このような回転制御を実施すれば、搬送用スクリュウと詰り防止用スクリュウとの間に軸方向の相対的な変位が付与されることから、粉粒体の詰り現象を更に効果的に防止することが可能である。なお、偏心位置は下方に限ることはない。さらに、両スクリュウ間に軸方向の相対的な変位を付与する手段としては、以上の回転制御による形態だけでなく、詰り防止用スクリュウ自体に対して搬送用スクリュウのピッチの範囲内の軸方向の往復運動を加えたり、半径方向の往復運動や円運動を加えたりする形態も可能である。
【0006】
また、前記搬送用スクリュウと詰り防止用スクリュウとの間のピッチに関しても、必ずしも同一である必要はなく、ピッチと回転速度の積が同一であれば種々の組合せが可能である。例えば、詰り防止用スクリュウのピッチを搬送用スクリュウのピッチの半分にして回転数を倍に設定する形態も可能である。さらに、スクリュウの軸方向のピッチに関しても、両スクリュウ間の相対的な関係を一致させれば、スクリュウの軸方向のピッチが常に均一である必要はなく途中に変化を付加することも可能である。なお、詰り防止用スクリュウは、螺旋状に形成されているものであれば、スプリングのようなものでもよいし、軸の周囲に多数のピンや羽根状の部材を螺旋状に付設したものでもよい。
【0007】
【実施例】
以下、図面を用いて本発明の実施例に関して説明する。図1は本発明の一実施例を模式的に示した全体構成図である。また、図2は同実施例の要部を示した要部構成図、図3はそのA−A断面図である。図中、1は本実施例に係るスクリュウコンベヤ装置全体を示したもので、輸送管2及びその内方に配設された搬送用スクリュウ3と詰り防止用スクリュウ4を主要素として備えている。図示のように、輸送管2の一側には粉粒体を貯留するホッパ5が接続され、そのホッパ5から供給された粉粒体を前記搬送用スクリュウ3を介して他側に接続された管路6側に搬送し、該管路6を介して粉粒体を輸送するように構成されている。図中、7は回転駆動用のモータで、このモータ7により搬送用スクリュウ3を直接的に回転するとともに、ギヤ8及び適宜の伝動手段9により接続されたギヤ10を介して詰り防止用スクリュウ4を間接的に回転するように構成されている。本実施例では、以上のように、ギヤ8、伝動手段9及びギヤ10を介して搬送用スクリュウ3と詰り防止用スクリュウ4を同期運転するように構成しているが、前記ギヤ10に替えて詰り防止用スクリュウ4の駆動手段としてサーボモータを採用することにより、両スクリュウを同期運転することも可能である。そして、後者の詰り防止用スクリュウ4の駆動手段としてサーボモータを用いる場合には、前述のように、その詰り防止用スクリュウの回転方向を細かく正逆切替えたり間欠運転することにより、搬送用スクリュウのピッチの範囲内で相対的な変化を付与して撹拌作用を促進することも可能である。
【0008】
次に、本実施例の要部に関して説明する。図2及び図3に示したように、前記搬送用スクリュウ3は、断面矩形状の素材を使用して内方に空間部が形成されるように中空螺旋状に形成され、その外周面を前記輸送管2の内面に摺接ないし近接した状態で回転可能に同輸送管2内に配設されている。一方、詰り防止用スクリュウ4は、その中央部に位置する回転軸部11と、該回転軸部11の周囲に一体的に形成された螺旋状部12と、さらに、本実施例では、その螺旋状部12の周囲に90度おきに形成された撹拌用の突片部13とから構成されており、それらの突片部13が前記搬送用スクリュウ3のピッチ間に挿入された状態で同期しながら回転するよう構成されている。そして、それらの両スクリュウは、搬送用スクリュウ3の回転中心Caと詰り防止用スクリュウ4の回転中心Cb、すなわち前記回転軸部11の軸心とが中心間距離Sだけ偏心した状態に配設されている。
【0009】
しかして、前記モータ7の駆動を開始すると、搬送用スクリュウ3が直接的に回転駆動されるとともに、ギヤ8、伝動手段9及びギヤ10を介して詰り防止用スクリュウ4が回転駆動され、共に図3に示す方向に回転する。これにより、ホッパ5から輸送管2内に流下した粉粒体は、中空螺旋状からなる搬送用スクリュウ3の推進作用により管路6に向けて搬送される。その際、図2に示すように、搬送用スクリュウ3の内方には、詰り防止用スクリュウ4が偏心した状態に配設されているので、この詰り防止用スクリュウ4の撹拌作用により粉粒体の詰り現象が防止される。すなわち、前述のように、特に付着しやすい粉粒体やブリッジを形成しやすい粉粒体を搬送する場合などには、その粉粒体が搬送用スクリュウ3に付着して共に回転してしまい前方へ搬送されずに詰ってしまうという詰り現象が起こりやすいが、本発明では、前記詰り防止用スクリュウ4を偏心した状態に配設しているので、この詰り防止用スクリュウ4が前記搬送用スクリュウ3とは異なる回転軌跡を辿り、両スクリュウ間には相対的な運動が生じることから、その相対的な運動によって粉粒体が撹拌される結果、粉粒体の詰り現象が防止されるという作用を奏することになる。とりわけ、本実施例では、図2及び図3にも示したように、詰り防止用スクリュウ4の撹拌用の突片部13の部分が部分的に搬送用スクリュウ3の対向したピッチ間に形成される間隙内に挿入されるように偏心されていることから、そのピッチ間の間隙内に挿入された状態にある撹拌用の突片部13の部分によって、搬送用スクリュウのピッチ間に形成されるブリッジ等の粉粒体の詰りを確実に防止することができる。
【0010】
以上のように、本発明によれば、偏心した詰り防止用スクリュウ4の撹拌作用によって粉粒体の詰り現象が的確に防止されるのでスムーズな搬送作用が確保できる。特に、本実施例のように、詰り防止用スクリュウ4の螺旋状部12の周囲に突片部13等を形成し、搬送スクリュウ3の下方のピッチ間に介入するように構成すれば、詰り現象が最も生じやすい輸送管2の底部における撹拌作用を促進することができる。なお、詰り防止用スクリュウ4の一部が部分的に搬送用スクリュウ3の対向したピッチ間に形成される間隙内に挿入される状態に偏心されたものであれば、搬送スクリュウ3や詰り防止用スクリュウ4の具体的形状を変形することは自由に選定し得る設計事項である。また、前述のように、詰り防止用スクリュウ4を搬送用スクリュウのピッチの範囲内で、正逆転させたり、間欠運転したり、あるいは詰り防止用スクリュウ4自体を軸方向に往復させたり、半径方向に往復ないし円運動させることにより撹拌作用を更に促進することも可能である。
【0011】
【発明の効果】
本発明によれば、搬送用スクリュウの内方に詰り防止用スクリュウを偏心させた状態に配設するという簡単な構成により、その詰り防止用スクリュウの撹拌作用によって粉粒体の詰り現象を的確に防止することができるので、付着しやすい粉粒体やブリッジを形成しやすい粉粒体などを搬送する場合でもスムーズな搬送作用が得られる。とりわけ、詰り防止用スクリュウが部分的に搬送用スクリュウの対向したピッチ間に形成される間隙内に挿入される状態に偏心されることから、搬送用スクリュウのピッチ間に形成されるブリッジ等の粉粒体の詰りを確実に防止することができる。したがって、スクリュウコンベヤ装置としての適用範囲を従来に比べて大幅に拡大することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例を模式的に示した全体構成図である。
【図2】 同実施例の要部を示した要部構成図である。
【図3】 図2中のA−A断面図である。
【符号の説明】
1…スクリュウコンベヤ装置、2…輸送管、3…搬送用スクリュウ、4…詰り防止用スクリュウ、5…ホッパ、6…管路、7…モータ、8…ギヤ、9…伝動手段、10…ギヤ、11…回転軸部、12…螺旋状部、13…突片部、Ca…搬送用スクリュウの回転中心、Cb…詰り防止用スクリュウの回転中心、S…両スクリュウの中心間距離
Claims (1)
- 粉粒体の輸送管内に中空螺旋状の搬送用スクリュウを備えたスクリュウコンベヤにおいて、前記搬送用スクリュウの内方に螺旋状からなる詰り防止用スクリュウを配設するとともに、その詰り防止用スクリュウが部分的に前記搬送用スクリュウの対向したピッチ間に形成される間隙内に挿入される状態に、両スクリュウを互いに偏心させたことを特徴とするスクリュウコンベヤ装置。
Priority Applications (1)
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JP03506199A JP4246314B2 (ja) | 1999-02-12 | 1999-02-12 | スクリュウコンベヤ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP03506199A JP4246314B2 (ja) | 1999-02-12 | 1999-02-12 | スクリュウコンベヤ装置 |
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