JP4245615B2 - マニピュレータ - Google Patents

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本発明は、マニピュレータに関し、例えば腹腔鏡下手術に用いられるマニピュレータに関する。
胆嚢摘出手術などの腹腔鏡下手術においては、患者の腹部に小さな穴をいくつかあけ、それらにトラカールを取り付け、このトラカールの孔を介して内視鏡、鉗子などを腹腔に挿入し、術者が内視鏡の映像をモニタで見ながら手術を行っている。
このような手術方法は、開腹を必要としないため、患者への負担が少なく、術後の回復が早く、退院までの日数が大幅に低減される。このため、腹腔鏡下手術の適用分野の拡大が期待されている。
腹腔鏡下手術に用いられるマニピュレータとしては、例えばロボット技術を取り入れたものが提案されている(特許文献1参照)。このマニピュレータは、円筒形状の連結部を介して、操作部と作業部とが連結されており、操作部の操作に応じて作業部が所定の自由度で動作するようになされている。作業部は、例えば患部を挟むための一対の板状部材によって構成され、この一対の板状部材の開閉動作などを操作部からの信号によって行うようになされている。
作業部の自由度については、例えば縫合、結紮作業に適した自由度配置のものが提案されている(特許文献2)。このマニピュレータにおいては、ピッチ軸、ロール軸、ヨー軸方向に鉗子の姿勢を変化させることができる。
さらに、ピッチ軸関節およびヨー軸関節を持つマニピュレータが提案されている(特許文献3)。このマニピュレータにおいては、術部に処置を施すグリッパがピッチ軸関節およびヨー軸関節を回動中心として回動するようになされている。
特開2000−350735号公報 特開2002−102248号公報 特開2003−61969号公報
腹腔鏡下手術などの狭隘部を施術する際に用いられるマニピュレータには、動作範囲が広く、操作性に優れていること、部品点数が少なく、強度、信頼性および安全性の高いことが要求される。
この点に関して、従来のマニピュレータは、鉗子の自由度を上げるために、ワイヤを複雑に引き回しており、この分、構成が複雑になっていた。
このような技術的課題を解決するためになされた本発明の目的は、処置部の自由度が高いマニピュレータを一段と簡易な構成によって提供することである。
本発明の一態様によれば、処置対象に対して処置を行う処置部を先端に有する連結部の長手方向に沿った方向に対して直交する第1の回動軸部と、
前記第1の回動軸部回りの方向に回動自在に支持され、前記第1の回動軸部に対して交差する方向に設けられた主軸部と、
前記第1の回動軸部回りの方向に回動自在に支持される第1の歯車と、
前記第1の回動軸部回りの方向に回動自在に支持される第2の歯車と、
前記第1の歯車と噛み合い、前記主軸部回りの方向に回動自在に支持される第3の歯車と、
前記第2の歯車に対して前記処置部側に設けられ、前記第2の歯車と噛み合い、前記主軸部回りの方向に回動自在に支持される第4の歯車と、
前記第3の歯車とともに同軸に回動する第2の回動軸部と、
前記第4の歯車に対して前記処置部側の前記第4の歯車と同軸背面位置に設けられ、前記第4の歯車とともに同軸に回動する第5の歯車と、
前記第2の回動軸部の回動とともに前記主軸部回りの方向に回動し、前記第1の回動軸部と捩れの位置から平行な位置に配置される第3の回動軸部と、
前記第5の歯車に対して前記処置部側に設けられ、前記第3の回動軸部回りの方向に回動自在に支持され、前記第5の歯車と噛み合う第6の歯車と、を備え、
前記処置部は、前記第6の歯車とともに前記第3の回動軸部回りの方向に回動するとともに、前記第3の歯車とともに前記主軸部回りの方向に回動する回転部材を有することを特徴とするマニピュレータが提供される。
本発明によれば、処置部の自由度が高いマニピュレータを一段と簡易な構成によって提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。以下の図面の記載において、同一の部分には同一の符号を付し、重複する記載は省略する。また、説明の都合上、以下の実施の形態の説明中の直交とは略直交を指し、直交に対し本発明の実施の形態に係るマニピュレータを使用する上で障害とならない程度の角度差を有する角度にて交差する関係または方向を含む。また、この交差とは、本発明の実施の形態に係るマニピュレータを使用する上で障害とならない程度にて、間隔をもって交差する関係または方向(捩れの関係または捩れ方向)を含む。
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態に係るマニピュレータ1は、図1に示すように、マニピュレータ1は、例えば腹腔鏡下手術に用いられる医療用のマニピュレータであり、術部に対して処置を施すための作業部10と、作業部10の動作を制御するための入力操作を受け付ける操作部30と、作業部10および操作部30を連結する連結部40とを備えている。
このマニピュレータ1は、図2および図3に示すように、処置対象に対して処置を行う処置部(作業部10)を先端に有する連結部40の長手方向に沿った方向に対して直交する第1の回動軸部材16(回動軸29)、第1の回動軸部材16(回動軸29)に対して直交する主軸部20bを有する主軸部材20と、第1の回動軸部材16(回動軸29)回りの方向に回動自在に支持される第1の歯車17と、第1の回動軸部材16(回動軸29)回りの方向に回動自在に支持される第2の歯車18と、第1の歯車17と直交して噛み合い、第1の回動軸部材16(回動軸29)からオフセットした位置で主軸部20b回りの方向に回動自在に支持される第3の歯車22と、第2の歯車18と直交して噛み合い、第1の回動軸部材16(回動軸29)からオフセットした位置で主軸部20b回りの方向に回動自在に支持される第4の歯車23とを備えている。また、第3の歯車22とともに回動する第1の処置部材11(グリッパ)と、第4の歯車23とともに回動する第2の処置部材12(グリッパ)とを有する把持鉗子13を備えている。
連結部40においては、円筒形状の本体部材41の先端に連結部40の中心軸を挟んで一対の支持部41a、41bが互いに対峙するように形成されており、これらの支持部41a、41bにはそれぞれ軸受孔42a、42bが設けられている。
軸受孔42a、42bには、回動軸部材16が挿入され、連結部40の中心軸に直交する回動軸29を構成する。この回動軸部材16は、ナット16aによって軸受孔42a、42bから抜け落ちないようになされている。ナット16aを用いずに固定ワッシャで回動軸部材16を軸受孔42a、42bに固定してもよい。また、カシメなどにより回動軸部材16を直接、軸受孔42a、42bに固定してもよい。回動軸部材16には、歯車17、18と、主軸部材20が回動自在に支持される。歯車17にはその回動中心と同心状にプーリ17aが一体に設けられており、このプーリ17aに掛けられたワイヤを駆動することにより、歯車17を回動させるようになされている。また、歯車18にはその回動中心と同心状にプーリ18aが一体に設けられており、このプーリ18aに掛けられたワイヤを駆動することにより、歯車18を回動させるようになされている。
主軸部材20は、回動軸部材16に回動自在に支持される軸受部20aと、この軸受部20aに対して、ラジアル方向に中心軸が向くように固定された円柱形状の主軸部20bとを備えている。また軸受部20aと同心状にプーリ20cが設けられている。このプーリ20cと主軸部20bとは、互いに固定されており、プーリ20cに掛けられたワイヤを駆動することにより、主軸部20bを回動軸部材16を回動中心として、矢印Pで示すピッチ方向に回動させることができる。
連結部40の円筒形状の本体部材41の内部には、各プーリ17a、18a、20cと駆動部35との間に掛け渡されるワイヤが通されており、操作部30において、これらのワイヤを指令操作することにより、プーリ17a、18aおよび20cを回動軸部材16の中心軸周りに個別に回動させるようになされている。なお、この実施の形態において、回動軸部材16の中心軸をピッチ軸(回動軸29)と呼び、このピッチ軸周りの回動方向をピッチ方向と呼ぶ。
主軸部材20の主軸部20bには、歯車部材22が回動自在に支持される。この歯車部材22は、主軸部20bに回動自在に支持される円筒形状の軸受部22aと、この軸受部22aと一体に設けられ、軸受部22aの中心軸周りに配列されると共に中心軸の延長方向に向けられた歯車部22bとを備えている。
歯車部22bは、歯車17と噛み合い、これにより回動軸部材16(回動軸29)を回動中心とする回動動作が、これに直交する主軸部20b(主軸46)を回動中心とする回動動作に変換される。なお、回動軸部材16および歯車部材22のように、回動軸が直交する場合に用いられる歯車の組み合わせは、この実施の形態に示される平歯車(歯車17)とフェース歯車(歯車部22b)との組み合わせのほかに、かさ歯車同士の組み合わせなどを用いることができる。
また、歯車部材22の軸受部22aの外周面部には、歯車部材23が回動自在に支持されている。この歯車部材23は、歯車部材22の軸受部22aの外周面部に回動自在に支持される円筒形状の軸受部23aと、この軸受部23aと一体に設けられ、軸受部23aの中心軸周りに配列されると共に中心軸の延長方向に向けられた歯車部23bとを備えている。
歯車部23bは、歯車18と噛み合い、これにより回動軸部材16(回動軸29)を回動中心とする回動動作が、これに直交する主軸部20b(主軸46)(軸受け部22a)を回動中心とする軸受部23aの回動動作に変換されるようになされている。なお、回動軸部材16および歯車部材23のように、回動軸が直交する場合に用いられる歯車の組み合わせは、この実施の形態に示される平歯車(歯車18)とフェース歯車(歯車部23b)との組み合わせのほかに、かさ歯車同士などの組み合わせを用いることができる。
かくして、回動軸部材16を回動中心とする回動は、これと直交する主軸部材20の主軸部20bを回動軸とする回動方向に変換される。なお、回動軸部材16と主軸部20bとの直交関係は、主軸部20bがピッチ方向のいずれの位置にあっても成立することにより、主軸部20bがピッチ方向のいずれの位置にあっても、歯車17、18を介して歯車部材22、23を回動させることができる。
歯車部材22の軸受部22aの長さL1は、歯車部材23の軸受部23aの長さL2よりも長く形成されており、歯車部材22の軸受部22aを歯車部材23に挿入すると、軸受部22aの先端部が歯車部材23から突出して露出するようになされている。この部分に平面形状のDカット部22cが形成されており、このDカット部22cを含む外周面部がグリッパ11の嵌合孔11aに嵌合される。嵌合孔11aは、軸受部22aのDカット部22cを含む外周面形状に合わせて形成されており、歯車部材22の回動を確実にグリッパ11に伝えることができる。グリッパ11においては、嵌合孔11aが形成された支持部11bに平板形状の処置部11cが一体に設けられており、歯車部材22の回動に伴って、処置部11cを矢印Y1で示すヨー方向に回動させるようになされている。
また歯車部材23の軸受部23aの外周面部には、平面状のDカット部23cが形成されており、このDカット部23cを含む外周面部がグリッパ12の嵌合孔12aに嵌合される。嵌合孔12aは、軸受部23aのDカット部23cを含む外周面形状に合わせて形成されており、歯車部材23の回動を確実にグリッパ12に伝えることができる。グリッパ12においては、嵌合孔12aが形成された支持部12bに平板形状の処置部12cが一体に設けられており、歯車部材23の回動に伴って、処置部12cを矢印Y2で示すヨー方向に回動させるようになされている。
因みに、ヨー方向Y1、Y2とは、グリッパ11、12が主軸部材20の主軸部20b(主軸46)回りの方向に回動する方向であり、主軸部材20のピッチ軸(回動軸部材16)を回動中心とした回動に伴って変化するものである。
このようにグリッパ11、12の各処置部11c、12cは、歯車部材22、23の回動に伴ってヨー方向Y1、Y2へ回動することにより、歯車部材22、23を異なる方向に回動させた場合には、閉じる方向または開く方向に回動し、歯車部材22、23を同じ方向に回動させた場合には、同じ方向に回動する。
ここで、歯車部材22、23を回動させるための歯車17、18は、歯車部材22、23の回動中心軸を挟んで対向する位置において、歯車部材22、23に噛み合うように設けられていることにより、歯車17、18を同じ方向に回動させた場合には、グリッパ11、12の処置部11c、12cを閉じる方向または開く方向に回動させることができ、これに対して歯車17、18を異なる方向に回動させた場合には、処置部11c、12cを同じ方向に回動(ヨー動作)させることができる。
これらにより、歯車17のプーリ17aに掛けられたワイヤと、歯車18のプーリ18aに掛けられたワイヤとを操作することにより、グリッパ11、12の処置部11c、12cを開閉動作またはヨー方向に回動動作させることができる。
なお、歯車部材22、23、グリッパ11、12が主軸部材20の主軸部20bに支持された状態において、固定部材21が主軸部20bの先端部に固定されることにより、歯車部材22、23、グリッパ11、12が主軸部20bから抜け落ちることを防止しているとともに歯車の適切なかみ合い状態を保っている。
図4(a)に示すように、プーリ20c、17a、18aには、連結部40の円筒形状の本体部材41の内部空間を通してワイヤ50a、50b、50cが掛け渡されており、これらのワイヤ50a、50b、50cを操作することによって、プーリ20c、17a、18aを個別に回動させることができる。すなわち図4(b)に示すように、ワイヤ50a(図4(a))を操作してプーリ20cを回動させることにより、主軸部材20をピッチ方向Pに回動させることができ、またワイヤ50b(図4(a))を操作してプーリ17aを回動させることにより、グリッパ11をヨー方向Y1に回動させることができ、またワイヤ50c(図4(a))を操作してプーリ18aを回動させることにより、グリッパ12をヨー方向Y2に回動させることができる。ただし、駆動機構に機構干渉を有するため、干渉成分を考慮したワイヤ50a、50b、50cの操作が必要である。
また図5は、主軸部材20の主軸部20bが連結部40の中心軸の延長方向に一致するように主軸部20bをピッチ軸(回動軸部材16)回りの方向に回動させるとともに、グリッパ11、12をヨー軸(主軸部20b)回りの方向に回転させた状態を示す。このように作業部10においては、主軸部材20の主軸部20bを回転軸部材16回りの方向に回動させることにより、主軸部20bに支持されたグリッパ11、12をピッチ方向に回動させることができ、また主軸部20bに支持されたグリッパ11、12を主軸部20b回りの方向に回動させることにより、これらグリッパ11、12をヨー方向に回動させることができる。
ここで図1において、一端部に作業部10が設けられた連結部40の他端部には、操作部30が設けられている。この操作部30は、術者が直接手で持つ部分である操作桿31と、グリッパ11、12の姿勢を制御するためのヨー方向制御操作子32、ピッチ方向制御操作子33と、グリッパ開閉制御操作子34とを備えている。
ヨー方向制御操作子32は、回転操作子と、この回転操作子の回転位置を表す情報を出力する回転位置情報出力部とを備えている。操作部30の内部または外部コントローラ(図示せず)に設けられた演算処理部は、ヨー方向制御操作子32から出力される回転位置情報に基づいてその操作量を演算し、この操作量に基づいて、グリッパ11、12のヨー方向の姿勢を制御するためのモータの制御目標値を生成する。また、演算処理部は、ヨー方向の姿勢を制御するためのモータの動作角度を測定する角度センサの情報を読み込んで制御目標値と比較し、この偏差を解消するようにモータ駆動指令を算出する。演算処理部は、算出したモータ駆動指令を駆動部35に出力する。
またピッチ方向制御操作子33は、回転操作子と、この回転操作子の回転位置を表す情報を出力する回転位置情報出力部とを備えている。操作部30の内部に設けられた演算処理部は、ピッチ方向制御操作子33から出力される回転位置情報に基づいてその操作量を演算し、この操作量に基づいて、グリッパ11、12のピッチ方向の姿勢を制御するためのモータの制御目標値を生成する。また、演算処理部は、ピッチ方向の姿勢を制御するためのモータの動作角度を測定する角度センサの情報を読み込んで制御目標値と比較し、この偏差を解消するようにモータ駆動指令を算出する。演算処理部は、算出したモータ駆動指令を駆動部35に出力する。なお、演算処理部は操作部30の外部に設置したコントローラ内に設けてもよい。
またグリッパ開閉制御操作子34は、トリガスイッチ(ボリューム)と、このトリガスイッチの操作結果を出力する操作結果出力部とを備えている。演算処理部は、グリッパ開閉制御操作子34から出力される操作結果情報に基づいてグリッパ11、12を開閉制御するためのモータの制御目標値を生成する。また、演算処理部は、グリッパを開閉制御するためのモータの動作角度を測定する角度センサの情報を読み込んで制御目標値と比較し、この偏差を解消するようにモータ駆動指令を算出する。演算処理部は、算出したモータ駆動指令を駆動部35に出力する。
連結部40と操作部30との間には、操作部30からのモータ駆動指令に基づいてモータを駆動する駆動部35が設けられている。この駆動部35には、グリッパ11、12をそれぞれヨー方向に個別に制御する2つのモータと、グリッパ11、12の支持体である主軸部材20をピッチ方向に姿勢制御する1つのモータとが設けられている。なお、グリッパ11、12の開閉制御は、グリッパ11、12をヨー方向に姿勢制御する2つのモータを共用して行われる。
すなわち図2との対応部分に同一符号を付して示す図6において、駆動部35のモータ36aは、その回転軸に駆動プーリ37aが設けられている。この駆動プーリ37aと、作業部10の主軸部材20(図2)のプーリ20cとの間には、ワイヤ50aが掛け渡されている。これにより、プーリ20cは、駆動プーリ37aに対する従動プーリとなり、モータ36aを回転させると、駆動プーリ37a、ワイヤ50aを介してプーリ20cを回動させることができる。このプーリ20cには、主軸部材20の主軸部20bが固定されていることにより、プーリ20cの回動に伴って主軸部20bがピッチ方向に回動する。これにより、ピッチ方向制御操作子33を操作すると、その操作方向および操作量に応じて、主軸部材20の主軸部20bをピッチ方向に姿勢制御することができる。ただし、駆動機構に機構干渉を有するため、干渉成分を考慮したモータ36a、36b、36cの制御が必要である。
また、駆動部35において、モータ36bは、その回転軸に駆動プーリ37bが設けられている。この駆動プーリ37bと、作業部10の歯車17のプーリ17aとの間には、ワイヤ50bが掛け渡されている。これにより、プーリ17aは、駆動プーリ37bに対する従動プーリとなり、モータ36bを回転させると、駆動プーリ37b、ワイヤ50bを介してプーリ17aを回動させることができる。このプーリ17aには、歯車17が一体化されていることにより、プーリ17aの回動に伴って歯車17が回動する。そして歯車17の回動に伴って、この歯車17に歯合されている歯車部22bを介してグリッパ11がヨー方向に回動する。
一方、駆動部35において、モータ36cは、その回転軸に駆動プーリ37cが設けられている。この駆動プーリ37cと、作業部10の歯車18のプーリ18aとの間には、ワイヤ50cが掛け渡されている。これにより、プーリ18aは、駆動プーリ37cに対する従動プーリとなり、モータ36cを回転させると、駆動プーリ37c、ワイヤ50cを介してプーリ18aを回動させることができる。このプーリ18aには、歯車18が一体化されていることにより、プーリ18aの回動に伴って歯車18が回動する。そして歯車18の回動に伴って、この歯車18に歯合されている歯車部23bを介してグリッパ12がヨー方向に回動する。
ここで、操作部30のヨー方向制御操作子32を操作すると、駆動部35の演算処理部は、その操作方向に基づいて、モータ36bおよび36cを異なる方向に駆動制御する。これにより、図7に示すように、モータ36b、36cの回転軸に設けられた駆動プーリ37b、37cは互いに逆方向に回動する。ここで、図2について上述したように、歯車部材22、23(図2)を回動させるための歯車17、18は、歯車部材22、23の回動中心軸を挟んで対向する位置において、歯車部材22、23に噛み合うように設けられている。従って、プーリ17a、18aを互いに逆方向に回動させることにより、歯車部22b、23bを同じ方向に回動させることができる。すなわち、歯車部材22、23にそれぞれ固定されているグリッパ11、12を同じヨー方向に回動させることができる。
これに対して、操作部30のグリッパ開閉制御操作子34を操作すると、駆動部35の演算処理部は、その操作結果に基づいて、モータ36bおよび36cを同じ方向に駆動制御する。これにより、図8に示すように、歯車部22bおよび23bを異なる方向に回動させ、グリッパ11、12を閉動作または開動作させることができる。
因みに、駆動プーリ37a、37b、37cと、従動プーリ20c、17a、18aとは、90度だけ捩れた関係にある。これにより、比較的重量の重いモータ36a〜36cを縦向き(回転軸が鉛直方向に向いた状態)に取り付けることができる。例えばモータ36a〜36cを横向き(回転軸が水平方向に向いた状態)に取り付けると、その重力によるモーメントが連結部40回りの方向に作用し、操作性を低下させる場合がある。これに対して、本実施の形態のように、モータ36a〜36cを縦方向に取り付けることにより、モータ36a〜36cによるモーメントが作用せず、操作性の低下を防止することができる。
以上説明した構成のマニピュレータ1において、操作部30(図1)のピッチ方向制御操作子33を操作すると、図9に示すように、連結部40の本体部材41の先端部に設けられたグリッパ11、12は、ピッチ軸(回動軸部材16)を中心にピッチ方向Pに回動する。また、操作部30のヨー方向制御操作子32を操作すると、ヨー軸(主軸部材20の主軸部20b)を中心にヨー方向Yに回動する。
ここで、グリッパ11、12は、ヨー方向Yの回動中心軸である主軸部材20の主軸部20bに対して、ピッチ軸(回動軸部材16)からオフセットした位置においてヨー方向Yに回動自在に支持されている。これにより、図9に示すように、グリッパ11、12を連結部40の本体部材41に干渉させずに回動させることができる。特に、図9に実線で示すように、主軸部材20の主軸部20bが、連結部40の本体部材41の中心軸に対して直交する状態において、グリッパ11、12を連結部40の本体部材41に干渉させずにヨー方向Yへ360°回動させることができる。
これにより、図10に示すように、連結部40の先端部に設けられたグリッパ11、12を、その先端部から連結部40側に向くように姿勢制御することができる。このようにグリッパ11、12を連結部40側に向くようにすることができることにより、グリッパ11、12の動作範囲を一段と広くすることができ、例えば術部に対して正面側からだけではなく、裏側からグリッパ11、12をあてて施術することができる。なおマニピュレータ1を連結部40の中心軸回りの方向に180°回転させることもでき、このようにすればピッチ方向に必ずしも180°回転させることは不要となる。
また、操作部30(図1)のグリッパ開閉制御操作子34を操作すると、図11に示すように、グリッパ11、12は、ヨー軸(主軸部材20の主軸部20b)を中心に逆方向に回動することにより開閉動作する。ここで、グリッパ11、12は、ヨー軸回りの方向に360°回動可能であることにより、グリッパ11、12の開閉角度は、任意の角度で開閉することができる。例えば図11に示すように、グリッパ11、12が連結部40の中心軸方向に向いている状態から、片側90°(両側180°)の角度でグリッパ11、12を開くことができる。また、例えば図12に示すように、グリッパ11、12が閉じた状態でヨー軸方向に90°回動した状態から、グリッパ11、12を開閉動作させることもできる。このようにグリッパ11、12をヨー方向に回動させた状態から、開閉動作させることにより、作業部10の向きをヨー方向に変化自在として把持動作させることができる。さらに、グリッパ11、12をピッチ方向に回動させた状態から、開閉動作させることもできる。
施術者は、患者の腹部にいくつか開けられた小さな孔にトラカールを取り付け、このトラカールを介して腹部内にマニピュレータ1、内視鏡などを挿入して患部を処置する。マニピュレータ1の先端部(作業部10)の位置は、トラカールを支点とした可動範囲に限られるが、この先端部(作業部10)のグリッパ11、12は、ピッチ方向P、ヨー方向Y1、Y2、および把持動作に加えて、ヨー方向に360°回動することにより、患部に対して種々の方向から施術することができる。
このようなピッチ軸回りの方向の回動動作と、ヨー軸回りの方向の回動動作と、把持動作を実現するにあたり、歯車17、歯車部材22、23および主軸部材20を用いて回動方向を変換するようにしたことにより、ワイヤ50a、50b、50cはプーリ20c、17a、18aと駆動部側のプーリとからなる一対のプーリによる最も簡単な引き回し構成となる。これにより、ワイヤ50a、50b、50cには、張力と一方向の曲げ荷重が加わることになり、ワイヤを複雑に引き回す場合に比べて、ワイヤの強度劣化を抑制することができると共に、一段と径の小さなワイヤを用いることができる。またワイヤを複雑に引き回す場合に比べて、製造工程およびメンテナンスを簡略化することができる。
また、ピッチ方向Pに回動する主軸部材20の主軸部20bが、ヨー方向Y1、Y2に回動するための歯車部材22、23の支持、およびグリッパ11、12の支持を兼ねていることにより、それぞれの支持手段を別部品で構成する場合に比べて、部品点数を削減することができ、軽量かつ簡易な構成とすることができる。
またこのように部品点数を削減することにより、例えばマニピュレータの外径に制限がある場合においても、各部品を小型化することなく強度を保ったまま、または大型化することによって強度を上げて、連結部40先端の限られた空間に作業部10を構成することができ、伝達トルク、剛性を十分に確保することができる。また部品の小型化を回避することにより、組み立て作業を容易にすることができる。また、連結部40の外径を変えずに支持部41a、41bを厚くすることができ、作業部10の強度を向上させることができる。
なお、グリッパ11、12の長手方向は、ヨー軸(主軸部材20の主軸部20b)に直交する方向に対して、±45°の範囲であれば、施術対象物を掴み易くすることができる。例えば図13に示すように、ヨー軸46(主軸部材20の主軸部20b)に直交する方向とグリッパ11、12とのなす角θを45°に設定することにより、施術対象物を掴み易くすることができる。
また、図14に示すように、グリッパ11、12の先端部は、連結部40の本体部材41の中心軸に重なるように湾曲している。これによりマニピュレータ1を連結部40の本体部材41回り(ロール方向)の方向に回動させた場合、グリッパ11、12の先端部は本体部材41の中心軸の延長線上に重なった状態でロール方向に回動する。従ってグリッパ11、12の先端部の位置を容易に把握することができる。
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態に係るマニピュレータ1は、図3との対応部分に同一符号を付して示す図15に示すように、作業部10に第1の処置具部である把持鉗子13および第2の処置具部であるはさみ鉗子53を備えている。
図16および図17に示すように、はさみ鉗子53は、支持部11b、12bから把持鉗子13とは反対側に設けられており、グリッパ11に対してはさみ鉗子53の刃部54が一体に設けられ、またグリッパ12に対してはさみ鉗子53の刃部55が一体に設けられている。これにより、歯車17、18を回動させてグリッパ11、12を開閉動作させた際に、はさみ鉗子53を開閉動作させることができる。
このような構成のマニピュレータ1においては、把持鉗子13およびはさみ鉗子53をピッチ方向Pに回動させることにより、これら2種類の鉗子を交換して使用することができる。すなわち例えば図15に示すように把持鉗子13およびはさみ鉗子53の長手方向が連結部40の長手方向に対して平行な状態であって、把持鉗子13が連結部40の先端部から突出した状態から、把持鉗子13およびはさみ鉗子53をピッチ方向Pに180°回動させることにより、図18に示すように、はさみ鉗子53が把持鉗子13に入れ替わって連結部40の先端部から突出した状態となる。
また図15に示す状態から、把持鉗子13およびはさみ鉗子53をヨー方向Yに180°回動させることにより、図19に示すように、はさみ鉗子53が把持鉗子13に入れ替わって、連結部40の先端部から突出した状態となる。
かくしてこの実施の形態のマニピュレータ1においては、マニピュレータ1を腹部内に挿入したまま、鉗子のピッチ方向Pまたはヨー方向Yの回動動作で2種類の鉗子(把持鉗子13、はさみ鉗子53)を交換することができる。例えば、縫合結紮作業を行う場合、持針器を備えたマニピュレータと、把持鉗子13およびはさみ鉗子53を備えたマニピュレータ1とを腹部内に挿入して縫合結紮作業を行った後、マニピュレータ1を腹部から取り出すことなく、把持鉗子13をはさみ鉗子53に交換して縫合糸を切ることができる。
このようにマニピュレータ1を腹部内から取り出すことなく鉗子の種類を交換することができる分、マニピュレータ1の腹部に対する抜き差しの回数を少なくすることができる。
なお、本実施の形態においては、作業部10に2種類の鉗子(把持鉗子13、はさみ鉗子53)を設ける場合について述べたが、同じ種類の鉗子を対称に設けて圧排作業に係る圧排領域を大きくすることもできる。圧排作業とは、例えば手術領域を確保するために患部近傍の臓器を押さえ付ける作業である。
このような圧排作業に係る圧排領域の面積は、押さえ付ける鉗子を長くすれば大きくすることができる。従って、図20に示すように、作業部10に把持鉗子13およびこの把持鉗子13と同様構成の把持鉗子57を設けることにより、1つの鉗子を用いた場合の圧排領域の面積に比べて、2つの鉗子(把持鉗子13、57)を合わせた長さL3によって、これを大きくすることができる。
図21に示すように、この把持鉗子13および57をピッチ方向に回動させて圧排作業領域に向けることにより、2つの把持鉗子13、57を合わせた長さL3で圧排作業を行うことができる。
本実施の形態のマニピュレータ1においては、このような長さL3を得るための2つの鉗子(把持鉗子13、57)を主軸部20bに対して対称に設けることにより、ピッチ軸に加わるモーメントによる負荷を格段に小さくすることができる。これに対して、例えば図22に示すように、1つの鉗子58の長さを長くし(L3)、その鉗子58を一方の端部において支持する場合、ピッチ軸(回動軸部材16)回りの方向にモーメントによる過大な負荷が加わることになる。このような過大な負荷は、駆動系に対して大きな負荷となり、駆動モータの大型化による重量の増大、操作性の低下、駆動系の強度不足、破損などを引き起こすことになる。これに対して本実施の形態においては、ピッチ軸にモーメントによる過大な負荷が加わらないようにすることができることにより、駆動系に対して大きな負荷が加わらないようにすることができ、駆動モータの大型化による重量の増大、操作性の低下、駆動系の強度不足、破損などを回避することができる。
図23は、把持鉗子13(11、12)および把持鉗子57を60°の開き角度で開いた場合の本実施の形態に係る圧排領域AR11(図23(a))と、1つの鉗子58(グリッパ58a、58b)を60°の開き角度で開いた場合の圧排領域AR12(図23(b))を示し、また、図24は、把持鉗子13(11、12)および把持鉗子57を90°の開き角度で開いた場合の本実施の形態に係る圧排領域AR13(図24(a))と、1つの鉗子58(グリッパ58a、58b)を90°の開き角度で開いた場合の圧排領域AR14(図24(b))を示す。図23、図24に示すように、本実施の形態に係るマニピュレータ1においては、長方形または正方形の圧排領域の中心部を支点として対角線上を押さえ付けることができ、圧排作業を安定して行うことができるのに対して(図23(a)、図24(a))、1つの鉗子58を端部で支持した場合には(図23(b)、図24(b))、三角領域の2辺のみを押さえた圧排作業になり、圧排作業が不安定になる。
(第3の実施の形態)
本発明の第3の実施の形態に係るマニピュレータ100は、図2、図3および図4との対応部分に同一符号を付して示す図25、図26および図27に示すように、処置対象に対して処置を行う処置部125を先端に有する連結部40の長手方向に沿った方向に対して直交する第1の回動軸部材16と、回動軸部材16(回動軸29)回りの方向に回動自在に支持され、回動軸部材16(回動軸29)に対して直交する主軸部120bを有する主軸部材120と、第1の回動軸部材16(回動軸29)回りの方向に回動自在に支持される第1の歯車117と、第1の歯車117と直交して噛み合い、主軸部120b(主軸46)回りの方向に回動自在に支持される第2の歯車121aと、第2の歯車121aとともに同軸に回動する第3の歯車121bと、第3の歯車121bと直交して噛み合う第4の歯車123と、第4の歯車123の回動中心となり、第1の回動軸部材16(回動軸29)と捩れの位置に配置される第2の回動軸部材125b(回動軸26)と、第4の歯車123とともに第2の回動軸部材125b(回動軸26)回りの方向に回動する処置部材125とを備えている。すなわち、このマニピュレータ100は、ピッチ方向の回動軸29(回動軸部材16)およびヨー方向の回動軸26(回動軸部材125b)を回動中心として2自由度で姿勢変更し得る処置部125を備えている。なお、ヨー、ピッチは初期姿勢の違いと解釈することができるため、ヨー方向の回動軸29(回動軸部材16)およびピッチ方向の回動軸26(回動軸部材125b)としても問題ない。なお、図27に示す断面図は、その説明の都合上捩れの位置に配置される第1の回動軸部材16と第2の回動軸部材125bとを平行な位置に変更して図示している。
すなわちマニピュレータ100は、連結部40の長手方向(中心軸方向)に対して直交する回動軸29(ピッチ軸)を構成する回動軸部材16と、回動軸29回りの方向に回動可能に配置された歯車117と、回動軸29回りの方向に回動可能に支持された主軸部材120と、歯車117と直交して噛み合う歯車121aとこの歯車121aに対して同軸背面位置に形成された歯車121bとを有する歯車部材121と、歯車121bに直交して噛み合う歯車123とを備えている。歯車123の回動中心軸である回動軸部材125bは、回動軸26を構成し、回動軸29と捩れの位置関係にある。また、回動軸29(回動軸部材16)と回動軸26(回動軸部材125b)とはオフセットした位置関係にある。
図25、図26および図27に示すように、本実施の形態に係るマニピュレータ100の作業部110は、患部に処置を施すための処置部125と、処置部125を2自由度で姿勢変更可能に支持する支持部114とを備えている。
連結部40の円筒形状の本体部材41に支持された回動軸部材16には、歯車117と、主軸部材120とが回動自在に支持される。また回動軸部材16には、スペーサ118が設けられており、歯車117と回動軸部材120の回動軸部材16の長手方向の位置を規制している。
歯車117にはその回動中心と同心状にプーリ117aが一体に設けられており、このプーリ117aに掛けられたワイヤ50b(図27)を駆動することにより、歯車117を回動させるようになされている。
主軸部材120は、回動軸部材16に回動自在に支持される軸受部120aと、この軸受部120aに対して、ラジアル方向に中心軸が向くように固定された円柱形状の主軸部120bとを備えている。また軸受部120aと同心状にプーリ120cが設けられている。このプーリ120cと主軸部120bとは、互いに固定されており、プーリ120cに掛けられたワイヤ50a(図27)を駆動することにより、主軸部120bを回動軸部材16(回動軸29)を回動中心として、矢印Pで示すピッチ方向に回動させることができる。
連結部40の円筒形状の本体部材41の内部には、各プーリ117a、120cと駆動部35(図1)との間に掛け渡されるワイヤが通されており、操作部30において、これらのワイヤを指令操作することにより、プーリ117aおよび120cを回動軸部材16回りの方向に個別に回動させるようになされている。
主軸部材120の主軸部120bには、歯車部材121が回動自在に支持される。この歯車部材121は、主軸部120bの回りに配列されると共に主軸部120bの中心軸の延長方向に向けられた、互いに同軸背面位置にある歯車121aおよび121bとを備えている。
歯車121aは、歯車117と直交して噛み合い、これにより回動軸部材16を中心とする回動動作がこの回動軸部材16の中心軸に直交する主軸部120bを中心とする回動動作に変換される。
また、歯車部材121の歯車121bには、歯車123が直交して噛み合う。この歯車123の回動中心軸を構成する回動軸部材125bは、主軸部材120の主軸部120bに形成された貫通孔120dに回動自在に支持されている。なお回動軸部材125bは、ナット125cによって貫通孔120dから抜け落ちないようになされている。かくして歯車121bの主軸部120b回りの方向の回動動作は、回動軸部材125b(回動軸26)を回動中心とするヨー方向Yの回動動作に変換される。なお歯車123の回動動作に伴って回動軸部材125bも回動するようになされている。回動軸部材125bには、金属でなる平板形状の処置部材125aが固定されており、回動軸部材125bの回動動作に伴ってヨー方向Yに回動する。
これらにより、ワイヤ50bによってプーリ117aを回動させると、これに伴って歯車117、歯車部材121、歯車123および回動軸部材125bが回動し、処置部材125aをヨー方向Yに回動させることができる。
またワイヤ50aによってプーリ120cを回動させると、これに伴って主軸部材120の主軸部120bをピッチ方向Pに回動させることができ、その結果、この主軸部材120bに回転軸部材125bを介して係合されている処置部材125aをピッチ方向Pに回動させることができる。
ワイヤ50aは、図1について上述した操作部30のピッチ方向制御操作子33の操作によってモータ駆動することができ、またワイヤ50bは、ヨー方向制御操作子32の操作によってモータ駆動することができる。
なお、処置部材125aには、金属でなる連結部40の本体部材41を介して通電するようになされており、これにより処置部材125aを電気メスとして用いることができる。
なお、本実施の形態に係るマニピュレータ100においては、ワイヤ50aのみを駆動して主軸部材120のプーリ120cのみを回動させた場合、歯車117を動かさないと相対的に歯車部材121が主軸部120b回りの方向に回動することとなる。このような機構干渉を回避するために、処置部125の回動軸部材16(回動軸29)回りの方向の回動角をθ1、回動軸部材125b(回動軸26)回りの方向の回動角をθ2、歯車117の回動角をθa、主軸部120bの回動角をθbとし、歯車117と歯車123との歯数が同一、歯車121aと歯車121bとの歯数が同一とした場合、次式、
θa=θ1+θ2
θb=θ1
のようになり、駆動部35(図1)は、このような機構干渉を考慮して操作部30からの操作指令に基づいてワイヤ50a、50bを駆動制御する。他の実施の形態も機構干渉に関しては同様であるが、各実施の形態における説明は省略する。
以上説明したマニピュレータ100において、処置部材125aは、回動軸29(回動軸部材16)回りの方向の回動動作と、回動軸26(回動軸部材125b)回りの方向の回動動作との2自由度に姿勢変更が可能であり、さらにマニピュレータ100全体を連結部40の本体部材41回りの方向に回動させることにより、ロール軸回りの方向の回動動作を行うことができる。この場合、駆動モータは、ワイヤ50a、50bを駆動するための2つのモータを備えていればよい。
このような回動軸29回りの方向の回動動作と、回動軸26回りの方向の回動動作とを実現するにあたり、歯車117、歯車部材121、歯車123および主軸部材120を用いて回動方向を変換するようにしたことにより、ワイヤ50a、50bはプーリ120c、117aと駆動部側のプーリとからなる一対のプーリによる最も簡単な引き回し構成となる。これにより、ワイヤ50a、50bには、張力と一方向の曲げ荷重が加わることになり、ワイヤを複雑に引き回す場合に比べて、ワイヤの強度劣化を抑制することができると共に、一段と径の小さなワイヤを用いることができる。またワイヤを複雑に引き回す場合に比べて、製造工程およびメンテナンスを簡略化することができる。
また、歯車117、歯車123、歯車121a、歯車121bは任意の歯数の組み合わせにすることが可能であるが、歯車117と歯車123とを同じ歯数とすると共に、歯車部材121の歯車121aと歯車121bとを同じ歯数とすることにより、部品および加工治具を共通化することができ、製造工程を簡略化することができる。
歯車121bと歯車123の歯数を少なくすることで、作業部110を小さく構成することが可能である。これらの歯数の組み合わせについては、他の実施の形態においても同様であるので、各実施の形態における説明は省略する。
また、ピッチ方向Pに回動する主軸部材120の主軸部120bが、ヨー方向Yに回動するための歯車部材121の支持、および処置部材125aの支持を兼ねていることにより、それぞれの支持手段を別部品で構成する場合に比べて、部品点数を削減することができ、軽量かつ簡易な構成とすることができる。
またこのように部品点数を削減することにより、例えばマニピュレータの外径に制限がある場合においても、各部品を小型化することなく強度を保ったまま、または大型化することによって強度を上げて、連結部40先端の限られた空間に作業部110を構成することができ、伝達トルク、剛性を十分に確保することができる。また部品の小型化を回避することにより、組み立て作業を容易にすることができる。
なお、本実施の形態においては、処置部125として平板形状の処置部材125aを用いたが、これに限らず、例えばL字状のものなど種々の形状のものを用いることができる。また、本体部材41、主軸部材120、回動軸部材16などを導体として利用することで、それらの部材を利用して処置部125までを通電状態にすることも可能である。この場合、本体部材41の外周部に絶縁部を設けるなどの処置をしてもよい。また、電気メスに限らず、患部を押さえるもの、引っ張るもの、切断するものなど、種々の用途のものを処置部125として用いることができる。さらにこれらの処置部材は、歯車123に対して着脱自在として交換可能にすること、または向きを任意に変更するようにしてもよい。
(第4の実施の形態)
本発明の第4の実施の形態に係るマニピュレータ200は、図25、図26および図27との対応部分に同一符号を付して示す図28、図29および図30に示すように、処置対象に対して処置を行う処置部225を先端に有する連結部40の長手方向に沿った方向に対して直交する第1の回動軸部材16と、回動軸部材16(回動軸29)回りの方向に回動自在に支持され、回動軸部材16(回動軸29)に対して直交する主軸部120bを有する主軸部材120と、第1の回動軸部材16(回動軸29)回りの方向に回動自在に支持される第1の歯車117と、第1の回動軸部材16(回動軸29)回りの方向に回動自在に支持される第2の歯車218と、第1の歯車117と直交して噛み合い、主軸部120b回りの方向に回動自在に支持される第3の歯車222と、第2の歯車218と直交して噛み合い、主軸部120b回りの方向に回動自在に支持される第4の歯車221aと、第3の歯車222とともに同軸に回動する第5の歯車223と、第4の歯車221aとともに同軸に回動する第6の歯車221bと、第5の歯車223と直交して噛み合う第7の歯車228と、第6の歯車221bと直交して噛み合う第8の歯車229と、第7の歯車228および第8の歯車229の回動中心となり、第1の回動軸16と捩れの位置に配置される第2の回動軸部材230と、第7の歯車229とともに第2の回動軸部材230(回動軸26)回りの方向に回動する第1の処置部材226と、第8の歯車228とともに第2の回動軸部材230(回動軸26)回りの方向に回動する第2の処置部材227とを備えている。すなわち、このマニピュレータ200は、回動軸29(回動軸部材16)および回動軸26(回動軸部材230)を回動中心として2自由度で姿勢変更し得ると共に、の方向軸26(回動軸部材230)を回動中心とした開閉動作によって把持動作することができる処置部225を備えている。なお、図30に示す断面図は、その説明の都合上捩れの位置に配置される第1の回動軸部材16と第2の回動軸部材230とを平行な位置に変更して図示している。
すなわちマニピュレータ200は、連結部40の長手方向(中心軸方向)に対して直交する回動軸29(ピッチ軸)を構成する回動軸部材16と、回動軸29回りの方向に回動可能に配置された2つの歯車117、218と、回動軸29回りの方向に回動可能に支持された主軸部材120と、歯車117と直交して噛み合う歯車222と、歯車222に対して同軸背面位置に設けられ、歯車222と一体に回動する歯車223と、歯車223と直交して噛み合う歯車228と、歯車218に直交して噛み合う歯車221aと、歯車221aに対して同軸背面位置に形成され、歯車221aと一体に回動する歯車221bと、歯車221bに直交して噛み合う歯車228と、歯車228と一体に回動軸26回りの方向に回動する処置部材227と、歯車229と一体に回動軸26回りの方向に回動する処置部材226とを備えている。歯車228、229の回動中心軸である回動軸部材230は、回動軸26を構成し、回動軸29と捩れの位置関係にある。また、回動軸29(回動軸部材16)と回動軸26(回動軸部材230)とはオフセットした位置関係にある。
図28、図29および図30に示すように、本実施の形態に係るマニピュレータ200の作業部210は、患部に処置を施すための処置部225と、処置部225を2自由度の姿勢変更および把持動作可能に支持する支持部214とを備えている。
連結部40の円筒形状の本体部材41に支持された回動軸部材16には、歯車117、218と、主軸部材120とが回動自在に支持される。
歯車117にはその回動中心と同心状にプーリ117aが一体に設けられており、このプーリ117aに掛けられたワイヤ50b(図30)を駆動することにより、歯車117を回動させるようになされている。また、歯車218にはその回動中心と同心状にプーリ218aが一体に設けられており、このプーリ218aに掛けられたワイヤ50c(図30)を駆動することにより、歯車218を回動させるようになされている。
主軸部材120は、回動軸部材16に回動自在に支持される軸受部120aと、この軸受部120aに対して、ラジアル方向に中心軸が向くように固定された円柱形状の主軸部120bとを備えている。また軸受部120aと同心状にプーリ120cが設けられている。このプーリ120cと主軸部120bとは、互いに固定されており、プーリ120cに掛けられたワイヤ50a(図30)を駆動することにより、主軸部120bを回動軸部材16(回動軸29)を回動中心として、矢印Pで示すピッチ方向に回動させることができる。
連結部40の円筒形状の本体部材41の内部には、各プーリ117a、218a、120cと駆動部35(図1)との間に掛け渡されるワイヤ50a、50b、50cが通されており、操作部30において、これらのワイヤを指令操作することにより、プーリ117a、218aおよび120cを回動軸部材16回りの方向に個別に回動させるようになされている。
主軸部材120の主軸部120bには、歯車222、223と、歯車部材221とが回動自在に支持される。歯車222と223とは一体となって主軸部120cを回動中心として回動する。歯車222は、歯車117と直交して噛み合い、これにより回動軸部材16を中心とする回動動作がこの回動軸部材16の中心軸に直交する主軸部120bを中心とする回動動作に変換される。
また歯車部材221は、主軸部120b回りに配列されると共に主軸部120bの中心軸の延長方向に向けられた、互いに同軸背面位置にある歯車221aおよび221bとを備えている。
歯車221aは、歯車218と直交して噛み合い、これにより回動軸部材16を中心とする回動動作がこの回動軸部材16に直交する主軸部120bを中心とする回動動作に変換される。
歯車223には、歯車229が直交して噛み合う。この歯車229は回動軸部材230に回動自在に支持されており、回動軸部材230は、主軸部材120の主軸部120bに形成された貫通孔120cに支持されている。なお回動軸部材230は、ナット231によって貫通孔120dから抜け落ちないようになされている。かくして歯車223の主軸部120b回りの方向の回動動作は、回動軸部材230(回動軸26)を回動中心とするヨー方向Y1の回動動作に変換される。歯車229には、処置部材226が固定されており、歯車229と一体にヨー方向Y1に回動する。
一方、歯車221bには、歯車228が直交して噛み合う。この歯車228は回動軸部材230に回動自在に支持されており、かくして歯車221bの主軸部120b回りの方向の回動動作は、回動軸部材230(回動軸26)を回動中心とするヨー方向Y2の回動動作に変換される。歯車228には、処置部材227が固定されており、歯車228と一体にヨー方向Y2に回動する。
これらにより、ワイヤ50bによってプーリ117aを回動させると、これに伴って歯車117、歯車222、歯車223および歯車229が回動し、処置部材226をヨー方向Y1に回動させることができる。
また、ワイヤ50cによってプーリ218aを回動させると、これに伴って歯車218、歯車部材221および歯車228が回動し、処置部材227をヨー方向Y2に回動させることができる。
またワイヤ50aによってプーリ120cを回動させると、これに伴って主軸部材120の主軸部120bをピッチ方向Pに回動させることができ、その結果、この主軸部材120bに回転軸部材230を介して係合されている処置部材226、227をピッチ方向Pに回動させることができる。
ワイヤ50aは、図1について上述した操作部30のピッチ方向制御操作子33の操作によってモータ駆動することができ、またワイヤ50b、50cは、ヨー方向制御操作子32の操作によってモータ駆動することができ、さらにワイヤ50b、50cは、グリッパ開閉制御操作子34によってもモータ駆動することができる。
ワイヤ50b、50cによって歯車117、218を同一方向に回動させると、歯車222、223と歯車部材221とは逆方向に回動することにより、歯車228と歯車229とは同一方向に回動する。この結果、処置部材226、227は同一のヨー方向に回動し、処置部125としては、処置部材226、227が閉じたまま、または開いたままの状態で同一方向にヨー動作する。
これに対して、ワイヤ50b、50cによって歯車117、218を逆方向に回動させると、歯車222、223と歯車部材221とは同一方向に回動することにより、歯車228と歯車229とは逆方向に回動する。この結果、処置部材226、227は逆のヨー方向に回動し、処置部125としては、処置部材226、227が閉じる方向、または開く方向に把持動作する。
なお、本実施の形態に係るマニピュレータ200においても、第3の実施の形態において上述した機構干渉があるため、駆動部35(図1)は、この機構干渉を考慮して操作部30からの操作指令に基づいてワイヤ50a、50b、50cを駆動制御する。
以上説明したマニピュレータ200において、処置部材226、227は、回動軸29(回動軸部材16)回りの方向の回動動作と、回動軸26(回動軸部材230)回りの方向の回動動作との2自由度に姿勢変更が可能であり、さらにマニピュレータ200全体を連結部40の本体部材41回りの方向に回動させることにより、ロール軸回りの方向の回動動作を行うことができる。
このような回動軸29回りの方向の回動動作と、回動軸26回りの方向の回動動作とを実現するにあたり、歯車117、218、歯車222、223、歯車部材221、歯車228、歯車229および主軸部材120を用いて回動方向を変換するようにしたことにより、ワイヤ50a、50b、50cはプーリ120c、117a、218aと駆動部側のプーリとからなる一対のプーリによる最も簡単な引き回し構成となる。これにより、ワイヤ50a、50b、50cには、張力と一方向の曲げ荷重が加わることになり、ワイヤを複雑に引き回す場合に比べて、ワイヤの強度劣化を抑制することができると共に、一段と径の小さなワイヤを用いることができる。またワイヤを複雑に引き回す場合に比べて、製造工程を簡略化することができる。
また、ピッチ方向Pに回動する主軸部材120の主軸部120bが、ヨー方向Yに回動するための歯車部材221の支持、および処置部材226、227の支持を兼ねていることにより、それぞれの支持手段を別部品で構成する場合に比べて、部品点数を削減することができ、軽量かつ簡易な構成とすることができる。
またこのように部品点数を削減することにより、例えばマニピュレータの外径に制限がある場合においても、各部品を小型化することなく強度を保ったまま、または大型化することによって強度を上げて、連結部40先端の限られた空間に作業部210を構成することができ、伝達トルク、剛性を十分に確保することができる。また部品の小型化を回避することにより、組み立て作業を容易にすることができる。
(第5の実施の形態)
本発明の第5の実施の形態に係るマニピュレータ300は、図28、図29および図30との対応部分に同一符号を付して示す図31、図32および図33に示すように、処置対象に対して処置を行う処置部325を先端に有する連結部40の長手方向に沿った方向に対して直交する第1の回動軸部材16と、第1の回動軸部材16(回動軸29)回りの方向に回動自在に支持され、第1の回動軸部材16(回動軸29)に対して直交する主軸部320bを有する主軸部材320と、第1の回動軸部材16(回動軸29)回りの方向に回動自在に支持される第1の歯車117と、第1の回動軸部材16(回動軸29)回りの方向に回動自在に支持される第2の歯車218と、第1の歯車117と直交して噛み合い、主軸部320b(主軸46)回りの方向に回動自在に支持される第3の歯車321aと、第2の歯車218と直交して噛み合い、主軸部320b(主軸46)回りの方向に回動自在に支持される第4の歯車322aと、第3の歯車321aとともに同軸に回動する第2の回動軸部材321bと、第4の歯車322aとともに同軸に回動する第5の歯車322bと、第2の回動軸部材321b(主軸46)に直交して第2の回動軸部材321bの回動とともに主軸部320b(主軸46)回りの方向に回動し、第1の回動軸部材16(回動軸29)に対して捩れの位置から平行な位置に回動自在に配置される第3の回動軸部材323aと、第3の回動軸部材323a(回動軸26)回りの方向に回動自在に支持され、第5の歯車322bと直交して噛み合う第6の歯車323と、第6の歯車323とともに第3の回動軸部材323a(回動軸26)回りの方向に回動する処置部材325とを備えている。すなわち、このマニピュレータ300は、ピッチ方向の回動軸29、ヨー方向の回動軸26およびロール方向の主軸46を回動中心として3自由度で姿勢変更し得る処置部325を備えている。
すなわちマニピュレータ300は、連結部40の長手方向(中心軸方向)に対して直交する回動軸29を構成する回動軸部材16と、回動軸29回りの方向に回動可能に配置された2つの歯車117、218と、回動軸29回りの方向に回動可能に支持された主軸部材320と、歯車117と直交して噛み合う歯車321aと、歯車321aと一体に回動する軸受部321bと、歯車218と直交して噛み合う歯車322aと、歯車322aに対して同軸背面位置に形成され、歯車322aと一体に回動する歯車322bと、歯車322bと直交して噛み合う歯車323と、歯車323と一体に回動軸26回りの方向に回動する処置部材325とを備えている。歯車323の回動中心軸である回動軸部材323aは、ヨー方向の回動軸26を構成し、回動軸29と捩れ乃至平行の位置関係にある。
図31、図32および図33に示すように、本実施の形態に係るマニピュレータ300の作業部310は、患部に処置を施すための処置部325と、処置部325を3自由度の姿勢変更を可能に支持する支持部314とを備えている。
連結部40の円筒形状の本体部材41に支持された回動軸部材16には、歯車117、218と、主軸部材120とが回動自在に支持される。
歯車117にはその回動中心と同心状にプーリ117aが一体に設けられており、このプーリ117aに掛けられたワイヤ50b(図33)を駆動することにより、歯車117を回動させるようになされている。また、歯車218にはその回動中心と同心状にプーリ218aが一体に設けられており、このプーリ218aに掛けられたワイヤ50c(図33)を駆動することにより、歯車218を回動させるようになされている。
主軸部材320は、回動軸部材16に回動自在に支持される軸受部320aと、この軸受部320aに対して、ラジアル方向に中心軸が向くように固定された円柱形状の主軸部320bとを備えている。また軸受部320aと同心状にプーリ320cが設けられている。このプーリ320cと主軸部320bとは、互いに固定されており、プーリ320cに掛けられたワイヤ50a(図33)を駆動することにより、主軸部320bを回動軸部材16(回動軸29)を回動中心として、矢印Pで示すピッチ方向に回動させることができる。
連結部40の円筒形状の本体部材41の内部には、各プーリ117a、218a、320cと駆動部35(図1)との間に掛け渡されるワイヤ50a、50b、50cが通されており、操作部30において、これらのワイヤを指令操作することにより、プーリ117a、218aおよび320cを回動軸部材16回りの方向に個別に回動させるようになされている。
主軸部材320の主軸部320bには、歯車321aと軸受部321bとを一体化してなるロール部材321と、歯車部材322とが回動自在に支持される。歯車321aは、歯車117と直交して噛み合い、これにより回動軸部材16を中心とする回動動作がこの回動軸部材16に直交する主軸部320bを中心とする回動動作に変換される。ロール部材321は、歯車321aと一体化された円筒形状の軸受部321bが主軸部材320の主軸部320b回りの方向(主軸46を回動中心としたロール方向R)に回動自在に支持されており、この軸受部321bには、一対の支持部321c、321dが対峙して形成されている。この支持部321c、321dには、貫通孔321e、321fが形成されており、この貫通孔321e、321fには、歯車323の回動軸部材323aが回動自在に挿入されている。なお回動軸部材323aは、ナット323bによって貫通孔321e、321fから抜け落ちないようになされている。また、回動軸部材323aは、処置部材325の嵌合孔325aに嵌合されている。また、ロール部材321は、ナット326によって主軸部320bから抜け落ちないようになされている。
かくして歯車117の回動動作に伴ってロール部材321がロール方向Rに回動すると、このロール部材231のロール方向Rへの回動動作に伴って、回動軸部材323aおよびこの回動軸部材323aに嵌合された処置部材325がロール方向Rへ回動する。
一方、歯車322aは、歯車218と直交して噛み合い、これにより回動軸部材16を中心とするピッチ方向Pの回動動作がこの回動軸部材16に直交する主軸部320bを中心とする回動動作に変換される。
歯車323は、歯車322aに対して背面形成された歯車322bと直交して噛み合う。この歯車323は回動軸部材323aと一体に形成されており、回動軸部材323aは、ロール部材321の貫通孔321e、321fに支持されている。かくして歯車322bの主軸部320b回りの方向の回動動作は、回動軸部材323a(ヨー軸26)を回動中心とするヨー方向Yの回動動作に変換される。回動軸部材323aには、処置部材325が嵌合固定されており、歯車323と一体となってヨー方向Yに回動する。
これらにより、ワイヤ50bによってプーリ117aを回動させると、これに伴って歯車117、歯車321aおよびロール部材321が回動し、処置部材325をロール方向Rに回動させることができる。
また、ワイヤ50cによってプーリ218aを回動させると、これに伴って歯車218、歯車部材322および歯車323が回動し、処置部材325をヨー方向Yに回動させることができる。
またワイヤ50aによってプーリ320cを回動させると、これに伴って主軸部材320の主軸部320bをピッチ方向Pに回動させることができ、その結果、この主軸部材320bにロール部材321を介して係合されている処置部材325をピッチ方向Pに回動させることができる。
処置部材325は、金属材料を用いたL字フック形状でなり、患部に対して押す、引っ掛けるなどの施術を行うことができる。また、処置部材325には、金属でなる連結部40の本体部材41を介して通電するようになされており、これにより処置部材325を電気メスとして用いることができる。
ワイヤ50aは、図1について上述した操作部30のピッチ方向制御操作子33の操作によってモータ駆動することができ、またワイヤ50cは、ヨー方向制御操作子32の操作によってモータ駆動することができ、さらにワイヤ50bは、操作部30に設けられるロール方向制御操作子(図示せず)によってモータ駆動することができる。
なお、本実施の形態に係るマニピュレータ300においても、第3の実施の形態において上述した機構干渉があるため、駆動部35(図1)は、この機構干渉を考慮して操作部30からの操作指令に基づいてワイヤ50a、50b、50cを駆動制御する。
以上説明したマニピュレータ300において、処置部材325は、回動軸29(回動軸部材16)回りの方向の回動動作と、回動軸26(回動軸部材323a)回りの方向の回動動作と、主軸46(主軸部320b)回りの方向の3自由度に姿勢変更が可能である。
このような回動軸29回りの方向の回動動作と、回動軸26回りの方向の回動動作と、主軸46回りの方向の回動動作を実現するにあたり、歯車117、218、歯車321a、歯車部材322、歯車323、ロール部材321および主軸部材320を用いて回動方向を変換するようにしたことにより、ワイヤ50a、50b、50cはプーリ120c、117a、218aと駆動部側のプーリとからなる一対のプーリによる最も簡単な引き回し構成となる。これにより、ワイヤ50a、50b、50cには、張力と一方向の曲げ荷重が加わることになり、ワイヤを複雑に引き回す場合に比べて、ワイヤの強度劣化を抑制することができると共に、一段と径の小さなワイヤを用いることができる。またワイヤを複雑に引き回す場合に比べて、製造工程を簡略化することができる。
また、ピッチ方向Pに回動する主軸部材320の主軸部320bが、処置部材325をヨー方向Yに回動させるための歯車部材322の支持、ロール方向Rに回動させるためのロール部材321の支持を兼ねていることにより、それぞれの支持手段を別部品で構成する場合に比べて、部品点数を削減することができ、軽量かつ簡易な構成とすることができる。
またこのように部品点数を削減することにより、例えばマニピュレータの外径に制限がある場合においても、各部品を小型化することなく強度を保ったまま、または大型化することによって強度を上げて、連結部40先端の限られた空間に作業部310を構成することができ、伝達トルク、剛性を十分に確保することができる。また部品の小型化を回避することにより、組み立て作業を容易にすることができる。
なお、本実施の形態においては、処置部325としてL字フック形状のものを用いたが、これに限らず、例えば平板形状のものなどを種々の形状のものを用いることができる。また、電気メスに限らず、患部を押さえるもの、引っ張るもの、切断するものなど、種々の用途のものを処置部材325として用いることができる。さらにこれらの処置部材は、軸受部材323aに対して着脱自在として交換可能にすること、または向きを任意に変更するようにしてもよい。
(第6の実施の形態)
本発明の第6の実施の形態に係るマニピュレータ400は、図28、図29および図30との対応部分に同一符号を付して示す図34、図35および図36に示すように、処置対象に対して処置を行う処置部425を先端に有する連結部40の長手方向に沿った方向に対して直交する第1の回動軸部材16と、第1の回動軸部材16(回動軸29)回りの方向に回動自在に支持され、第1の回動軸部材16(回動軸29)に対して直交する主軸部120bを有する主軸部材120と、第1の回動軸部材16(回動軸29)回りの方向に回動自在に支持される第1の歯車117と、第1の回動軸部材16回りの方向に回動自在に支持される第2の歯車218と、第1の歯車117と直交して噛み合い、主軸部120b回りの方向に回動自在に支持される第3の歯車222と、第2の歯車218と直交して噛み合い、主軸部120b回りの方向に回動自在に支持される第4の歯車221aと、第3の歯車222とともに同軸に回動する第5の歯車223と、第4の歯車221aとともに同軸に回動する第6の歯車221bと、第5の歯車223と直交して噛み合う第7の歯車426と、第7の歯車426の回動中心となり、第1の回動軸部材16(回動軸29)と捩れの位置に配置される第2の回動軸部材427と、第6の歯車221bと直交して噛み合い、第2の回動軸部材427(回動軸26)回りの方向に回動する第8の歯車424と、第2の回動軸部材427(回動軸26)に対して直交し、第8の歯車424とともに前記第2の回動軸部材427(回動軸26)回りの方向に回動する第3の回動軸部材424aと、第7の歯車426と直交して噛み合い、第3の回動軸部材424a(主軸46)回りの方向に回動する第9の歯車428と、第9の歯車428とともに第3の回動軸部材424a(主軸46)回りの方向に回動する処置部材425とを備えている。すなわち、このマニピュレータ400は、ピッチ方向の回動軸29、ヨー方向の回動軸26およびロール方向の主軸46を回動中心として3自由度で姿勢変更し得る処置部425を備えている。なお、図36に示す断面図は、その説明の都合上捩れの位置に配置される第1の回動軸部材16と第2の回動軸部材427とを平行な位置に変更して図示している。
すなわちマニピュレータ400は、連結部40の長手方向(中心軸方向)に対して直交する回動軸(回動軸29)を構成する回動軸部材16と、回動軸29の回動軸回りの方向に回動可能に配置された2つの歯車117、218と、回動軸29の回動軸回りの方向に回動可能に支持された主軸部材120と、歯車117と直交して噛み合う歯車222と、歯車222に対して同軸背面位置に設けられ、歯車222と一体に回動する歯車223と、歯車223と直交して噛み合う歯車426と、歯車426と噛み合い主軸46回りの方向に回動する歯車428と、歯車428と固定され歯車428と共にロール方向Rに回動する処置部材425と、歯車218に直交して噛み合う歯車221aと、歯車221aに対して同軸背面位置に形成され、歯車221aと一体に回動する歯車221bと、歯車221bに直交して噛み合う歯車424と、歯車424と一体に回動軸26回りの方向に回動する処置部材425とを備えている。歯車426、424の回動中心軸である回動軸部材427は、回動軸26を構成し、回動軸29と捩れの位置関係にある。また、回動軸29(回動軸部材16)と回動軸26(回動軸部材427)とはオフセットした位置関係にある。
図34、図35および図36に示すように、本実施の形態に係るマニピュレータ400の作業部410は、患部に処置を施すための処置部材425と、処置部材425を3自由度の姿勢変更を可能に支持する支持部414とを備えている。
連結部40の円筒形状の本体部材41に支持された回動軸部材16には、歯車117、218と、主軸部材120とが回動自在に支持される。
歯車117にはその回動中心と同心状にプーリ117aが一体に設けられており、このプーリ117aに掛けられたワイヤ50b(図36)を駆動することにより、歯車117を回動させるようになされている。また、歯車218にはその回動中心と同心状にプーリ218aが一体に設けられており、このプーリ218aに掛けられたワイヤ50c(図36)を駆動することにより、歯車218を回動させるようになされている。
主軸部材120は、回動軸部材16に回動自在に支持される軸受部120aと、この軸受部120aに対して、ラジアル方向に中心軸が向くように固定された円柱形状の主軸部120bとを備えている。また軸受部120aと同心状にプーリ120cが設けられている。このプーリ120cと主軸部120bとは、互いに固定されており、プーリ120cに掛けられたワイヤ50a(図36)を駆動することにより、主軸部120bを回動軸部材16(回動軸29)を回動中心として、矢印Pで示すピッチ方向に回動させることができる。
連結部40の円筒形状の本体部材41の内部には、各プーリ117a、218a、120cと駆動部35(図1)との間に掛け渡されるワイヤ50a、50b、50cが通されており、操作部30において、これらのワイヤを指令操作することにより、プーリ117a、218aおよび120cを回動軸部材16回りの方向に個別に回動させるようになされている。
主軸部材120の主軸部120bには、歯車222、223と、歯車部材221とが回動自在に支持される。歯車222と223とは一体となって主軸部120bを回動中心として回動する。歯車222は、歯車117と直交して噛み合い、これにより回動軸部材16を中心とする回動動作がこの回動軸部材16に直交する主軸部120bを中心とする回動動作に変換される。
また歯車部材221は、主軸部120b回りに配列されると共に主軸部120bの中心軸の延長方向に向けられた、互いに同軸背面位置にある歯車221aおよび221bとを備えている。
歯車221aは、歯車218と直交して噛み合い、これにより回動軸部材16を中心とするピッチ方向Pへの回動動作がこの回動軸部材16に直交する主軸部120bを中心とするロール方向Rへの回動動作に変換される。
歯車221aに対して背面形成された歯車221bには、歯車424が直交して噛み合う。この歯車424は、回動軸26を構成する回動軸部材427に回動自在に支持されており、回動軸部材427は、主軸部材120の主軸部120bに形成された貫通孔120dに支持されている。なお回動軸部材427は、ナット427aによって貫通孔120dから抜け落ちないようになされている。これにより歯車221bの主軸部120b回りの方向の回動動作は、回動軸部材427(回動軸26)を回動中心とするヨー方向Yの回動動作に変換される。
歯車424には、回動軸26と直交する回動軸部材424aが固定されており、この回動軸424aには、歯車428が回動自在に支持されている。歯車428は、固定部材429によって回動軸部材424aから抜け落ちないようになされているとともに歯車の適切なかみ合い状態を保っている。
一方、歯車223には、歯車426が直交して噛み合う。この歯車426は回動軸部材427に回動自在に支持されている。また歯車426には、歯車428が直交して噛み合う。これにより歯車223のロール方向Rへの回動動作は、歯車428のロール方向Rへの回動動作として伝達される。歯車428には処置部材425が固定されている。これにより処置部材425は、歯車428と一体にロール方向Rへ回動する。
これらにより、ワイヤ50bによってプーリ117aを回動させると、これに伴って歯車117、歯車222、歯車223、歯車426および歯車428が回動し、処置部材425をロール方向Rに回動させることができる。
また、ワイヤ50cによってプーリ218aを回動させると、これに伴って歯車218、歯車部材221および歯車424が回動し、これに伴って回動軸部材424aが回動軸部材427を中心にしてヨー方向Yに回動することにより、回動軸部材424aに支持される処置部材425をヨー方向Yに回動させることができる。
またワイヤ50aによってプーリ120cを回動させると、これに伴って主軸部材120の主軸部120bをピッチ方向Pに回動させることができ、その結果、この主軸部120bに回転軸部材424aを介して係合されている処置部材425をピッチ方向Pに回動させることができる。
処置部材425は、金属材料を用いたL字フック形状でなり、患部に対して押す、引っ掛けるなどの施術を行うことができる。また、処置部材425には、金属でなる連結部40の本体部材41を介して通電するようになされており、これにより処置部材425を電気メスとして用いることができる。
ワイヤ50aは、図1について上述した操作部30のピッチ方向制御操作子33の操作によってモータ駆動することができ、またワイヤ50cは、ヨー方向制御操作子32の操作によってモータ駆動することができ、さらにワイヤ50bは、操作部30に設けられるロール方向制御操作子(図示せず)によってモータ駆動することができる。
なお、本実施の形態に係るマニピュレータ400においても、第3の実施の形態において上述した機構干渉があるため、駆動部35(図1)は、この機構干渉を考慮して操作部30からの操作指令に基づいてワイヤ50a、50b、50cを駆動制御する。
以上説明したマニピュレータ400において、処置部材425は、回動軸29(回動軸部材16)回りの方向の回動動作と、回動軸26(回動軸部材427)回りの方向の回動動作と、主軸46(回動軸部材424a)回りの方向の3自由度に姿勢変更が可能である。
このような回動軸29回りの方向の回動動作と、回動軸26回りの方向の回動動作と、主軸46回りの方向の回動動作を実現するにあたり、歯車117、218、歯車222、歯車部材221、歯車223、歯車424、歯車426、歯車428、主軸部材120および回動軸部材424aを用いて回動方向を変換するようにしたことにより、ワイヤ50a、50b、50cはプーリ120c、117a、218aと駆動部側のプーリとからなる一対のプーリによる最も簡単な引き回し構成となる。これにより、ワイヤ50a、50b、50cには、張力と一方向の曲げ荷重が加わることになり、ワイヤを複雑に引き回す場合に比べて、ワイヤの強度劣化を抑制することができると共に、一段と径の小さなワイヤを用いることができる。またワイヤを複雑に引き回す場合に比べて、製造工程を簡略化することができる。
また、ピッチ方向Pに回動する主軸部材120の主軸部120bが、処置部材425をヨー方向Yに回動させるための歯車424、回転軸部材424aの支持、ロール方向Rに回動させるための歯車426、428の支持を兼ねていることにより、それぞれの支持手段を別部品で構成する場合に比べて、部品点数を削減することができ、軽量かつ簡易な構成とすることができる。
また、このように部品点数を削減することにより、例えばマニピュレータの外径に制限がある場合においても、各部品を小型化することなく強度を保ったまま、または大型化することによって強度を上げて、連結部40先端の限られた空間に作業部410を構成することができ、伝達トルク、剛性を十分に確保することができる。また部品の小型化を回避することにより、組み立て作業を容易にすることができる。
また、図31乃至図33について上述した第5の実施の形態に係るマニピュレータ300においては、回動軸29(回動軸部材16)と回動軸26(回動軸部材323a)とが平行となった場合に、それらの直交方向への回動動作が特異姿勢により困難になる。これに対して本実施の形態のマニピュレータ400においては、先端軸である回動軸部材424aに主軸46(回動軸部材424a)が配置されていることにより、特異姿勢とはならずに操作性の劣化を回避することができる。
なお、本実施の形態においては、処置部425としてL字フック形状のものを用いたが、これに限らず、例えば平板形状のものなどを種々の形状のものを用いることができる。また、電気メスに限らず、患部を押さえるもの、引っ張るもの、切断するものなど、種々の用途のものを処置部材425として用いることができる。さらにこれらの処置部材は、回転軸部材424aに対して着脱自在として交換可能にすること、または向きを任意に変更するようにしてもよい。
上述の実施の形態においては、処置部材(グリッパ)を歯車などに固定する場合について述べたが、これに限らず、例えば図28乃至図30との対応部分に同一符号を付して示す図37乃至図39に示すように、歯車228、229によって開閉動作する把持部530(把持部531、532)に処置部材525の被把持部525aを把持するようにしてもよい。このようにすれば、処置部材525の向きを容易に変更することができ、また様々な形状の処置部を容易に付け替えることができる。この場合、処置部材525の初期姿勢を容易に変更することができることにより、操作性のよい方向に処置部を把持した状態から施術を開始することができ、操作性を一段と向上して施術を行うことができる。また、施術によって汚れた処置部材を新たな処置部材と容易に交換することもできる。
(第7の実施形態)
第7の実施形態は、第5の実施形態の変形例であり、処置部材の構造が第5の実施形態とは異なっている。
図40は本発明の第7の実施形態に係るマニピュレータの作業部を示す斜視図、図41は図40の作業部を示す分解斜視図である。図40のマニピュレータは、処置対象に対して処置を行う第1の処置部材325と第2の処置部材326を先端に有する連結部40と、連結部40の長手方向に沿った方向に対して直交する第1の回動軸部材16と、第1の回動軸部材16(回動軸29)回りの方向に回動自在に支持されて第1の回動軸部材16(回動軸29)に対して直交する主軸部320bを有する主軸部材320と、第1の回動軸部材16(回動軸29)回りの方向に回動自在に支持される第1の歯車117と、第1の回動軸部材16(回動軸29)回りの方向に回動自在に支持される第2の歯車218とを備えている。
また、図40のマニピュレータは、第1の歯車117と直交して噛み合い、主軸部320b回りの方向に回動自在に支持される第3の歯車321aと、第2の歯車218と直交して噛み合い、主軸部320b回りの方向に回動自在に支持される第4の歯車322aと、第3の歯車321aとともに同軸に回動する第2の回動軸部材321bと、第4の歯車322aとともに同軸に回動する第5の歯車322bとを備えている。
また、図40のマニピュレータは、第2の回動軸部材321b(主軸46)に直交して第2の回動軸部材321bの回動とともに主軸部部材321b(主軸46)回りの方向に回動し、第1の回動軸部材16(回動軸29)に対して捩れの位置から平行な位置に回動自在に配置される第3の回動軸部材323aを備えている。
また、図40のマニピュレータは、第3の回動軸323a回りの方向に回動自在に支持され、第5の歯車322bと直交して噛み合う第6の歯車323と、第2の回動軸321b回りの方向に回動するとともに、第6の歯車323とともに第3の回動軸323a回りの方向に回動する第1の処置部材325と、第3の歯車321aおよび第2の回動軸321bとともに回動する第2の処置部材326とを備えている。
第1の処置部材325と第2の処置部材326は、一対の処置部材を構成している。第1の処置部材325が第3の回動軸323a回りの方向に回動することで、第2の処置部材326に対して、相対的に開閉可能な把持機構を構成している。
このように、図40のマニピュレータ300は、回動軸29(回動軸部材16)と主軸46(主軸部材321b)を回動中心とした2自由度で姿勢変更が可能な開閉機能(把持機構:グリッパ)を有する処置部325、326を備えている。
固定ナット1は、主軸部材320の先端部のねじ部に固定されており、第3の歯車321aおよび第2の回動軸部材321bの主軸部320bの軸方向の位置を拘束するために設けられる。固定ナット2は、第3の回動軸323aおよび第6の歯車323の第3の回動軸323aの軸方向の位置を拘束するために設けられる。
カバー327は、歯車の露出を最小限にとどめるためのものであり、カバー固定ピン328により、第2の処置部材326の下部にて固定されている。カバー327は、第2の処置部材326とともに、第2の回動軸部材321b(主軸46)回りの方向に回動する。
(第8の実施形態)
第8の実施形態は、複数の歯車を一体に形成してコンパクト化と部品点数の削減を図るものである。
図42は本発明の第8の実施形態に係るマニピュレータの作業部を示す斜視図、図43は図42の作業部を示す分解斜視図、図44は作業部を示す断面図である。本実施形態のマニピュレータは、メカニズムとしては図28〜図30に示すマニピュレータと似通っている。したがって、図28〜図30と共通する部材には同一の符号を付しており、以下では相違点を中心に説明する。なお、図44に示す断面図は、その説明の都合上捩れの位置に配置される第1の回動軸部材16と第2の回動軸部材230とを平行な位置に変更して図示している。
本実施形態のマニピュレータは、第1および第2の処置部材226,227を先端に有する連結部40の長手方向に沿った方向に対して交差する第1の回動軸部材16と、第1の回動軸部材16(回動軸29)回りの方向に回動自在に支持されて第1の回動軸部材16(回動軸29)に対して直交する主軸部材120と、第1の回動軸部材16(回動軸29)回りの方向に回動自在に支持される第1の歯車117と、第1の回動軸部材16(回動軸29)回りの方向に回動自在に支持される第2の歯車218と、第1の歯車117と直交して噛み合い、主軸部材120回りの方向に回動自在に支持される第3の歯車222aと、第2の歯車218と直交して噛み合い、主軸部材120回りの方向に回動自在に支持される第4の歯車221aと、第3の歯車222aとともに一体に形成されて同軸に回動する第5の歯車222bと、第4の歯車221aとともに一体に形成されて同軸に回動する第6の歯車221bと、第5の歯車222bと直交して噛み合う第7の歯車229と、第6の歯車221bと直交して噛み合う第8の歯車228と、第7の歯車229および第8の歯車228の回動中心となり、第1の回動軸部材16(回動軸29)と捩れの位置に配置される第2の回動軸部材230と、第7の歯車229とともに第2の回動軸部材230(回動軸26)回りの方向に回動する第1の処置部材226と、第8の歯車228とともに第2の回動軸部材230(回動軸26)回りの方向に回動する第2の処置部材227とを備えている。
第3の歯車222aと第5の歯車222bが形成された第1の歯車部材222は、第4の歯車221aと第6の歯車221bが形成された第2の歯車部材221と回動軸を共通として径方向に重なり合うように配置されている。
図29の構造の場合、歯車222と歯車223を結合する必要があるため、ガタ無く結合するためには、部品の加工精度が要求される。例えば、歯車222のD穴と歯車223のDカットの形状精度を非常に高くする必要がある。
これに対して、本実施形態では、第3の歯車222aと第5の歯車222bが一体に形成された第1の歯車部材221と、第4の歯車221aと第6の歯車221bが一体に形成された第2の歯車部材222とを設けるため、この部分についてのガタの調整等が原理的に不要である。また、歯車部材221,222はともに、歯部を除いてシンプルな円筒形状であり、加工および組立がきわめて容易である。
(第9の実施形態)
図42〜図44に示すマニピュレータにおいて、第1の回動軸29回りの方向に回動する第1の歯車117と第2の歯車218を同一のピッチ円直径で構成し、第7の歯車229と第8の歯車228も同一のピッチ円直径構成してもよい。
一般的にモジュールmは、歯車のピッチ円直径dを歯数zで除した値として定義される(m=d/z)。モジュールは、歯車の大きさを表すために用いられ、歯車を選定する際や歯車機構を設計する際に重要な基準となる値である。モジュールの値が大きいほど、歯の大きさが大きくなる。互いに噛み合う一対の歯車では、歯の大きさが同じでなければ(すなわち、モジュールが同じでなければ)、歯車は適切に機能しない。
2つの歯車を同一のピッチ円直径にするには、モジュールと歯数を乗じた値を同じにすればよい。例えば、一対の歯車の歯数(number of teeth)を同一にし、かつモジュールを同一にすればよい。必ずしもモジュールと歯数をともに同一にする必要はないが、同一の歯車を利用することができるため、加工コスト的にも有利になる。図43の場合、歯数およびモジュールを同一にすることで、第3の歯車222aと第4の歯車221aのピッチ円の中心点を一致させることができ、かつ第5の歯車222bと第6の歯車221bのピッチ円の中心点を一致させることができる。これにより、第3の歯車222aと第5の歯車222bの軸方向長さを短くでき、かつ第4の歯車221aと第6の歯車221bの軸方向長さを短くできる。
その結果、ヨー方向の回動軸26とピッチ方向の回動軸29の距離を短縮でき、オフセット量が削減でき、回動軸26と回動軸29が直交する理想的な位置関係に近くなる。これにより、回動軸26と回動軸29の中間方向(斜め方向)に処置部(例えば、第1および第2の処置部材226,227)を無理なく誘導することができる。
また、オフセット量を削減できるため、処置部に作用する外力の回動軸29回りの方向の負荷に対する回動軸29の関節トルクの負担を軽減できる。
また、第1の歯車117は、第4の歯車221aと歯先が干渉しないように面取りしている。第2の歯車218は、干渉の観点からは面取りする必要はないが、面取りすることで、第1の歯車117との共通化による部品点数削減と低コスト化が図れる。
上述した第9の実施形態で説明したモジュール化は、図42〜図43のマニピュレータに適用できるだけでなく、他のすべての実施形態にも適用可能である。
(第10の実施形態)
例えば図43のマニピュレータの場合、第1の歯車117と第3の歯車222aが噛み合う位置と、第5の歯車222bと第7の歯車229が噛み合う位置とによって、伝達効率が変化する。同様に、第2の歯車218と第4の歯車221aが噛み合う位置と、第6の歯車221bと第8の歯車228が噛み合う位置によって、伝達効率が変化する。そこで、第10の実施形態は、伝達効率が向上するように各歯車の噛み合う位置を調整するものである。
図45(a)は図43と同様の構造を持つマニピュレータの分解斜視図である。図45(a)のマニピュレータでは、第1の処置部材226が第1方向(把持方向)に駆動される場合には、第1の歯車117が第3の歯車222aに噛み合う位置と第5の歯車222bが第7の歯車229に噛み合う位置とが第1の歯車部材222の回転方向に対して位相0〜180度の範囲内になるようにしている。また、第1の処置部材226が第1方向とは逆の第2方向(開く方向)に駆動される場合、第1の歯車117が第3の歯車222aに噛み合う位置と第5の歯車222bが第7の歯車229に噛み合う位置とが第1の歯車部材222の回転方向に対して位相180〜360度の範囲内になるようにしている。より具体的には、第5の歯車222bと第7の歯車229が噛み合う位置を調整することで、上記の位相関係を満たすようにしている。
また、第2の処置部材227が第1方向(把持方向)に駆動される場合には、第2の歯車218が第4の歯車221aに噛み合う位置と第6の歯車221bが第8の歯車228に噛み合う位置とが第2の歯車部材221の回転方向に対して位相0〜180度の範囲内になるようにしている。また、第2の処置部材227が第1方向とは逆の第2方向(開く方向)に駆動される場合には、第2の歯車218が第4の歯車221aに噛み合う位置と第6の歯車221bが第8の歯車228に噛み合う位置とが第2の歯車部材221の回転方向に対して位相180〜360度の範囲内になるようにしている。より具体的には、第6の歯車221bと第8の歯車228が噛み合う位置を調整することで、上記の位相関係を満足するようにしている。
上記の位相関係を満たすように配置するのが望ましい理由について以下に詳述する。図45(a)の場合、第2の歯車218と第4の歯車221aとの噛み合い位置から、第2の歯車部材221の回転方向(把持による負荷方向)に向かって90度回転した方向に、第6の歯車221bと第8の歯車228との噛み合い位置が配置されている。
第2の処置部材227は、第2の歯車218が図45(a)の矢印Aの方向に回転するときに把持方向、すなわち高負荷方向に駆動される。
一方、図46(a)は、第2の歯車218と第4の歯車221aとの噛み合い位置から、第2の歯車部材221の回転方向(把持による負荷方向)に向かって270度回転した方向に、第6の歯車221bと第8の歯車228との噛み合い位置が配置されている。
第2の処置部材227は、第2の歯車218が図46(a)の矢印Aの方向に回転するときに把持方向、すなわち高負荷方向に駆動される。
図45(a)と図46(a)では、第2の歯車部材221が第2の歯車218と第8の歯車228から受ける反力を矢印で図示している。
通常、歯車に作用する力は、主成分である接線方向(トルク伝達方向)と、歯車の圧力角や歯の角度に起因するスラスト方向と、ラジアル方向との三成分に分けられる。
図45(b)と図46(b)は、第2の歯車部材221のスラスト方向(図中C方向)から見た図である。これら三成分の力は、第2の歯車部材221が第2の歯車218から受ける力と、第2の歯車部材221が第8の歯車228から受ける力と、ラジアル方向の力と、これら力に釣り合う力、すなわち第2の歯車部材221が主軸120から第2の歯車部材を介して受ける反力とである。
図45(b)と図46(b)を比較すれば明らかなように、反力は図45(b)の方がはるかに小さい。この反力は、第2の歯車部材221の摩擦トルクに対する垂直抗力に相当するため、摩擦トルクの大きさはその反力の大きさに比例する。
図45(c)と図46(c)は力の伝達経路を模式的に示す図である。図45(c)の場合、第2の歯車218と第4の歯車221aの噛み合い位置から第6の歯車221bと第8の歯車228の噛み合い位置まで、力の伝達方向に沿っての位相差は90度である。一方、図46(c)の場合、力の伝達方向に沿っての位相差は270度である。
このように、図46(c)の方が力の伝達経路が長い。主軸120b、第2の歯車部材221および第2の歯車部材218などが理想的な形状であれば、トルクを伝達する上で両者に差はないはずであるが、実際の寸法には誤差成分を含んでいるためガタが存在し、歯車の傾きによる片あたり、それに伴う摩擦トルクの増大や、主成分である接線方向(トルク伝達方向)以外の反力の増大などが生じ、トルクの伝達が理想的にならない。
特に、図46(c)の場合、力の伝達経路が長いため、ガタ等による歯車の傾き影響を受けやすく、伝達効率は著しく低下する。一方、図45(c)の場合、力の伝達経路が短くより直線的であるため、ガタ等による歯車の傾き影響を受けにくく、伝達トルクを直接的に効率よく伝えることができる。
上記の実施例では、第1の処置部材226と第2の処置部材227は、第2の回動軸26に対して個々に独立に駆動して把持できる構成であるが、少なくとも、同様の歯車構成を一組以上含むマニピュレータであれば、本実施の形態に限らず、他の実施の形態においても同様の効果が得られる。
たとえば、図40のように、第1の処置部材325のみを駆動して把持できる構成でも、第1の処置部材325を駆動するための第2の歯車218、第4の歯車332a、第5の歯車332b、第6の歯車323に対しても、第2の歯車218と第4の歯車332a噛み合い位置と、第5の歯車332b、第6の歯車323の噛み合い位置を同様の配置にすることで同様の効果を得ることができる。
すなわち、少なくとも、処置部材が第1方向(高負荷になる方向、たとえば把持方向)に駆動されるときに、第2の歯車218が第4の歯車322aに噛み合う位置と第5の歯車322bが第6の歯車323に噛み合う位置とが第4の歯車322aと第5の歯車322bの回転方向に対して位相0〜180度の範囲内になるようにすればよい。
上述した各実施の形態においては、処置部の駆動は、必ずしも電動駆動でなくてもよく、機械駆動とすることも可能である。さらには、本発明は、把持鉗子、剥離鉗子、圧排鉗子、はさみ鉗子、電気メス、超音波メスなどへの適用も可能である。
また上述の実施の形態においては、施術者が直接操作する操作部、駆動部、連結部、処置部などが一体化されたマニピュレータについて述べたが、これに限らず、操作部が分離された構成のもの、多自由度のマニピュレータに支持された構成のもの、遠隔操作型のマニピュレータのスレーブ先端部分に配置されたものなどのマニピュレータに適用することもできる。
また上述の実施の形態においては、医療用のマニピュレータについて述べたが、これに限らず、例えばエネルギー機器の内部を処置するマニピュレータなど、種々のマニピュレータに適用することができる。
また上述の実施の形態においては、回動軸部材は、例えば他の回動軸部材や歯車等の回動部分と一体化されて回動軸回りの方向へ回動する構成でも、固定された軸とした構成でもどちらでもよい。
第1の実施の形態に係るマニピュレータを示す側面図である。 図1のマニピュレータの作業部を示す斜視図である。 図1のマニピュレータの作業部を示す分解斜視図である。 図1のマニピュレータの作業部を示す断面図および側面図である。 図1のマニピュレータの作業部を示す断面図である。 図1のマニピュレータのワイヤの引き回し状態および駆動モータの配置を示す略線図である。 図1のマニピュレータのワイヤ駆動状態を示す略線図である。 図1のマニピュレータのワイヤ駆動状態を示す略線図である。 図1のマニピュレータの動作の説明に供する側面図である。 図1のマニピュレータの動作の説明に供する側面図である。 図1のマニピュレータの動作の説明に供する側面図である。 図1のマニピュレータの動作の説明に供する側面図である。 図1のマニピュレータのグリッパの湾曲形状を示す側面図である。 図1のマニピュレータのグリッパの湾曲形状を示す側面図である。 第2の実施の形態に係るマニピュレータの作業部を示す側面図である。 図15のマニピュレータのグリッパを示す平面図である。 図15のマニピュレータのグリッパを示す平面図である。 図15のマニピュレータのグリッパの動作の説明に供する側面図である。 図15のマニピュレータのグリッパの動作の説明に供する側面図である。 図15のマニピュレータの変形例を示す側面図である。 図20のグリッパの動作の説明に供する側面図である。 グリッパの比較例を示す側面図である。 図20のグリッパの圧排領域を示す略線図である。 図20の圧排領域を示す略線図である。 第3の実施の形態に係るマニピュレータの作業部を示す斜視図である。 図25の作業部を示す分解斜視図である。 図25の作業部を示す断面図である。 第4の実施の形態に係るマニピュレータの作業部を示す斜視図である。 図28の作業部を示す分解斜視図である。 図28の作業部を示す断面図である。 第5の実施の形態に係るマニピュレータの作業部を示す斜視図である。 図31の作業部を示す分解斜視図である。 図31の作業部を示す断面図である。 第6の実施の形態に係るマニピュレータの作業部を示す斜視図である。 図34の作業部を示す分解斜視図である。 図34の作業部を示す断面図である。 他の実施の形態に係るマニピュレータの作業部を示す斜視図である。 他の実施の形態に係るマニピュレータの作業部を示す斜視図である。 他の実施の形態に係るマニピュレータの作業部を示す斜視図である。 本発明の第7の実施形態に係るマニピュレータの作業部を示す斜視図。 図40の作業部を示す分解斜視図。 本発明の第8の実施形態に係るマニピュレータの作業部を示す斜視図。 図42の作業部を示す分解斜視図。 作業部を示す断面図。 (a)は図43と同様の構造を持つマニピュレータの分解斜視図、(b)は第2の歯車部材221のスラスト方向(図中C方向)から見た図、(c)は力の伝達経路を模式的に示す図。 (a)は力の伝達経路が長い場合の分解斜視図、(b)は第2の歯車部材221のスラスト方向(図中C方向)から見た図、(c)は力の伝達経路を模式的に示す図。
符号の説明
1、100、200、300、400 マニピュレータ
10 作業部
11、12 グリッパ
14 支持部
16、125b、230、323a、242a、427 回動軸部材
17、18、22、23、117、118、121a、121b、218、221a、221b、222、223、228、229、321a、322a、322b、323、424、426、428 歯車
17a、18a、20c、117a、118a、218a、120c、320c プーリ
20、120、320 主軸部材
20b、120b、320b 主軸部
125、225 処置部
125a、226、227、325、425、525 処置部材
530 把持部

Claims (4)

  1. 処置対象に対して処置を行う処置部を先端に有する連結部の長手方向に沿った方向に対して直交する第1の回動軸部と、
    前記第1の回動軸部回りの方向に回動自在に支持され、前記第1の回動軸部に対して交差する方向に設けられた主軸部と、
    前記第1の回動軸部回りの方向に回動自在に支持される第1の歯車と、
    前記第1の回動軸部回りの方向に回動自在に支持される第2の歯車と、
    前記第1の歯車と噛み合い、前記主軸部回りの方向に回動自在に支持される第3の歯車と、
    前記第2の歯車に対して前記処置部側に設けられ、前記第2の歯車と噛み合い、前記主軸部回りの方向に回動自在に支持される第4の歯車と、
    前記第3の歯車とともに同軸に回動する第2の回動軸部と、
    前記第4の歯車に対して前記処置部側の前記第4の歯車と同軸背面位置に設けられ、前記第4の歯車とともに同軸に回動する第5の歯車と、
    前記第2の回動軸部の回動とともに前記主軸部回りの方向に回動し、前記第1の回動軸部と捩れの位置から平行な位置に配置される第3の回動軸部と、
    前記第5の歯車に対して前記処置部側に設けられ、前記第3の回動軸部回りの方向に回動自在に支持され、前記第5の歯車と噛み合う第6の歯車と、を備え、
    前記処置部は、前記第6の歯車とともに前記第3の回動軸部回りの方向に回動するとともに、前記第3の歯車とともに前記主軸部回りの方向に回動する回転部材を有することを特徴とするマニピュレータ。
  2. 前記処置部は、前記第3の歯車とともに同軸に回動し、前記第1の処置部材の回動により開閉可能な位置に設けられた処置部材を有することを特徴とする請求項1に記載のマニピュレータ。
  3. 前記第1の処置部材が第1方向に駆動される場合、前記第2の歯車が前記第4の歯車に噛み合う位置と前記第5の歯車が前記第6の歯車に噛み合う位置とが、前記第2の歯車の回転方向に対して位相0〜180度の範囲内になり、
    前記第1の処置部材が前記第1方向とは逆の第2方向に駆動される場合、前記第2の歯車が前記第4の歯車に噛み合う位置と前記第5の歯車が前記第6の歯車に噛み合う位置とが、前記第2の歯車の回転方向に対して位相180〜360度の範囲内になることを特徴とする請求項1または2に記載のマニピュレータ。
  4. 前記第1方向が、前記第1の処置部材と前記第2の処置部材を相対的に閉じる方向に駆動する方向であることを特徴とする請求項3に記載のマニピュレータ。
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