JP2006305717A - マニピュレータ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】処置対象に対して処置を行う処置部(作業部10)を先端に有する連結部40の長手方向に沿った方向に対して直交する回動軸16と、回動軸16回りに回動自在に支持され、回動軸16に対して直交する主軸部20bを有する主軸部材20と、回動軸16回りに回動自在に支持される歯車17と、回動軸16回りに回動自在に支持される歯車18と、歯車17と直交して噛み合い、回動軸16からオフセットした位置で主軸部20b回りに回動自在に支持される歯車22と、歯車18と直交して噛み合い、回動軸16からオフセットした位置で主軸部16回りに回動自在に支持される歯車23と、歯車22とともに回動する処置部材11と、歯車23とともに回動する処置部材12とを備える。
【選択図】図3
Description
本発明の第1の実施の形態に係るマニピュレータ1は、図1に示すように、マニピュレータ1は、例えば腹腔鏡下手術に用いられる医療用のマニピュレータであり、術部に対して処置を施すための作業部10と、作業部10の動作を制御するための入力操作を受け付ける操作部30と、作業部10および操作部30を連結する連結部40とを備えている。
本発明の第2の実施の形態に係るマニピュレータ1は、図3との対応部分に同一符号を付して示す図15に示すように、作業部10に第1の処置具部である把持鉗子13および第2の処置具部であるはさみ鉗子53を備えている。
本発明の第3の実施の形態に係るマニピュレータ100は、図2、図3および図4との対応部分に同一符号を付して示す図25、図26および図27に示すように、処置対象に対して処置を行う処置部125を先端に有する連結部40の長手方向に沿った方向に対して直交する第1の回動軸部材16と、回動軸部材16(回動軸29)回りの方向に回動自在に支持され、回動軸部材16(回動軸29)に対して直交する主軸部120bを有する主軸部材120と、第1の回動軸部材16(回動軸29)回りの方向に回動自在に支持される第1の歯車117と、第1の歯車117と直交して噛み合い、主軸部120b(主軸46)回りの方向に回動自在に支持される第2の歯車121aと、第2の歯車121aとともに同軸に回動する第3の歯車121bと、第3の歯車121bと直交して噛み合う第4の歯車123と、第4の歯車123の回動中心となり、第1の回動軸部材16(回動軸29)と捩れの位置に配置される第2の回動軸部材125b(回動軸26)と、第4の歯車123とともに第2の回動軸部材125b(回動軸26)回りの方向に回動する処置部材125とを備えている。すなわち、このマニピュレータ100は、ピッチ方向の回動軸29(回動軸部材16)およびヨー方向の回動軸26(回動軸部材125b)を回動中心として2自由度で姿勢変更し得る処置部125を備えている。なお、ヨー、ピッチは初期姿勢の違いと解釈することができるため、ヨー方向の回動軸29(回動軸部材16)およびピッチ方向の回動軸26(回動軸部材125b)としても問題ない。なお、図27に示す断面図は、その説明の都合上捩れの位置に配置される第1の回動軸部材16と第2の回動軸部材125bとを平行な位置に変更して図示している。
θa=θ1+θ2
θb=θ1
のようになり、駆動部35(図1)は、このような機構干渉を考慮して操作部30からの操作指令に基づいてワイヤ50a、50bを駆動制御する。他の実施の形態も機構干渉に関しては同様であるが、各実施の形態における説明は省略する。
本発明の第4の実施の形態に係るマニピュレータ200は、図25、図26および図27との対応部分に同一符号を付して示す図28、図29および図30に示すように、処置対象に対して処置を行う処置部225を先端に有する連結部40の長手方向に沿った方向に対して直交する第1の回動軸部材16と、回動軸部材16(回動軸29)回りの方向に回動自在に支持され、回動軸部材16(回動軸29)に対して直交する主軸部120bを有する主軸部材120と、第1の回動軸部材16(回動軸29)回りの方向に回動自在に支持される第1の歯車117と、第1の回動軸部材16(回動軸29)回りの方向に回動自在に支持される第2の歯車218と、第1の歯車117と直交して噛み合い、主軸部120b回りの方向に回動自在に支持される第3の歯車222と、第2の歯車218と直交して噛み合い、主軸部120b回りの方向に回動自在に支持される第4の歯車221aと、第3の歯車222とともに同軸に回動する第5の歯車223と、第4の歯車221aとともに同軸に回動する第6の歯車221bと、第5の歯車223と直交して噛み合う第7の歯車228と、第6の歯車221bと直交して噛み合う第8の歯車229と、第7の歯車228および第8の歯車229の回動中心となり、第1の回動軸16と捩れの位置に配置される第2の回動軸部材230と、第7の歯車229とともに第2の回動軸部材230(回動軸26)回りの方向に回動する第1の処置部材226と、第8の歯車228とともに第2の回動軸部材230(回動軸26)回りの方向に回動する第2の処置部材227とを備えている。すなわち、このマニピュレータ200は、回動軸29(回動軸部材16)および回動軸26(回動軸部材230)を回動中心として2自由度で姿勢変更し得ると共に、の方向軸26(回動軸部材230)を回動中心とした開閉動作によって把持動作することができる処置部225を備えている。なお、図30に示す断面図は、その説明の都合上捩れの位置に配置される第1の回動軸部材16と第2の回動軸部材230とを平行な位置に変更して図示している。
本発明の第5の実施の形態に係るマニピュレータ300は、図28、図29および図30との対応部分に同一符号を付して示す図31、図32および図33に示すように、処置対象に対して処置を行う処置部325を先端に有する連結部40の長手方向に沿った方向に対して直交する第1の回動軸部材16と、第1の回動軸部材16(回動軸29)回りの方向に回動自在に支持され、第1の回動軸部材16(回動軸29)に対して直交する主軸部320bを有する主軸部材320と、第1の回動軸部材16(回動軸29)回りの方向に回動自在に支持される第1の歯車117と、第1の回動軸部材16(回動軸29)回りの方向に回動自在に支持される第2の歯車218と、第1の歯車117と直交して噛み合い、主軸部320b(主軸46)回りの方向に回動自在に支持される第3の歯車321aと、第2の歯車218と直交して噛み合い、主軸部320b(主軸46)回りの方向に回動自在に支持される第4の歯車322aと、第3の歯車321aとともに同軸に回動する第2の回動軸部材321bと、第4の歯車322aとともに同軸に回動する第5の歯車322bと、第2の回動軸部材321b(主軸46)に直交して第2の回動軸部材321bの回動とともに主軸部320b(主軸46)回りの方向に回動し、第1の回動軸部材16(回動軸29)に対して捩れの位置から平行な位置に回動自在に配置される第3の回動軸部材323aと、第3の回動軸部材323a(回動軸26)回りの方向に回動自在に支持され、第5の歯車322bと直交して噛み合う第6の歯車323と、第6の歯車323とともに第3の回動軸部材323a(回動軸26)回りの方向に回動する処置部材325とを備えている。すなわち、このマニピュレータ300は、ピッチ方向の回動軸29、ヨー方向の回動軸26およびロール方向の主軸46を回動中心として3自由度で姿勢変更し得る処置部325を備えている。
本発明の第6の実施の形態に係るマニピュレータ400は、図28、図29および図30との対応部分に同一符号を付して示す図34、図35および図36に示すように、処置対象に対して処置を行う処置部425を先端に有する連結部40の長手方向に沿った方向に対して直交する第1の回動軸部材16と、第1の回動軸部材16(回動軸29)回りの方向に回動自在に支持され、第1の回動軸部材16(回動軸29)に対して直交する主軸部120bを有する主軸部材120と、第1の回動軸部材16(回動軸29)回りの方向に回動自在に支持される第1の歯車117と、第1の回動軸部材16回りの方向に回動自在に支持される第2の歯車218と、第1の歯車117と直交して噛み合い、主軸部120b回りの方向に回動自在に支持される第3の歯車222と、第2の歯車218と直交して噛み合い、主軸部120b回りの方向に回動自在に支持される第4の歯車221aと、第3の歯車222とともに同軸に回動する第5の歯車223と、第4の歯車221aとともに同軸に回動する第6の歯車221bと、第5の歯車223と直交して噛み合う第7の歯車426と、第7の歯車426の回動中心となり、第1の回動軸部材16(回動軸29)と捩れの位置に配置される第2の回動軸部材427と、第6の歯車221bと直交して噛み合い、第2の回動軸部材427(回動軸26)回りの方向に回動する第8の歯車424と、第2の回動軸部材427(回動軸26)に対して直交し、第8の歯車424とともに前記第2の回動軸部材427(回動軸26)回りの方向に回動する第3の回動軸部材424aと、第7の歯車426と直交して噛み合い、第3の回動軸部材424a(主軸46)回りの方向に回動する第9の歯車428と、第9の歯車428とともに第3の回動軸部材424a(主軸46)回りの方向に回動する処置部材425とを備えている。すなわち、このマニピュレータ400は、ピッチ方向の回動軸29、ヨー方向の回動軸26およびロール方向の主軸46を回動中心として3自由度で姿勢変更し得る処置部425を備えている。なお、図36に示す断面図は、その説明の都合上捩れの位置に配置される第1の回動軸部材16と第2の回動軸部材427とを平行な位置に変更して図示している。
(第7の実施形態)
第7の実施形態は、第5の実施形態の変形例であり、処置部材の構造が第5の実施形態とは異なっている。
図40は本発明の第7の実施形態に係るマニピュレータの作業部を示す斜視図、図41は図40の作業部を示す分解斜視図である。図40のマニピュレータは、処置対象に対して処置を行う第1の処置部材325と第2の処置部材326を先端に有する連結部40と、連結部40の長手方向に沿った方向に対して直交する第1の回動軸部材16と、第1の回動軸部材16(回動軸29)回りの方向に回動自在に支持されて第1の回動軸部材16(回動軸29)に対して直交する主軸部320bを有する主軸部材320と、第1の回動軸部材16(回動軸29)回りの方向に回動自在に支持される第1の歯車117と、第1の回動軸部材16(回動軸29)回りの方向に回動自在に支持される第2の歯車218とを備えている。
また、図40のマニピュレータは、第1の歯車117と直交して噛み合い、主軸部320b回りの方向に回動自在に支持される第3の歯車321aと、第2の歯車218と直交して噛み合い、主軸部320b回りの方向に回動自在に支持される第4の歯車322aと、第3の歯車321aとともに同軸に回動する第2の回動軸部材321bと、第4の歯車322aとともに同軸に回動する第5の歯車322bとを備えている。
また、図40のマニピュレータは、第2の回動軸部材321b(主軸46)に直交して第2の回動軸部材321bの回動とともに主軸部部材321b(主軸46)回りの方向に回動し、第1の回動軸部材16(回動軸29)に対して捩れの位置から平行な位置に回動自在に配置される第3の回動軸部材323aを備えている。
また、図40のマニピュレータは、第3の回動軸323a回りの方向に回動自在に支持され、第5の歯車322bと直交して噛み合う第6の歯車323と、第2の回動軸321b回りの方向に回動するとともに、第6の歯車323とともに第3の回動軸323a回りの方向に回動する第1の処置部材325と、第3の歯車321aおよび第2の回動軸321bとともに回動する第2の処置部材326とを備えている。
第1の処置部材325と第2の処置部材326は、一対の処置部材を構成している。第1の処置部材325が第3の回動軸323a回りの方向に回動することで、第2の処置部材326に対して、相対的に開閉可能な把持機構を構成している。
このように、図40のマニピュレータ300は、回動軸29(回動軸部材16)と主軸46(主軸部材321b)を回動中心とした2自由度で姿勢変更が可能な開閉機能(把持機構:グリッパ)を有する処置部325、326を備えている。
固定ナット1は、主軸部材320の先端部のねじ部に固定されており、第3の歯車321aおよび第2の回動軸部材321bの主軸部320bの軸方向の位置を拘束するために設けられる。固定ナット2は、第3の回動軸323aおよび第6の歯車323の第3の回動軸323aの軸方向の位置を拘束するために設けられる。
カバー327は、歯車の露出を最小限にとどめるためのものであり、カバー固定ピン328により、第2の処置部材326の下部にて固定されている。カバー327は、第2の処置部材326とともに、第2の回動軸部材321b(主軸46)回りの方向に回動する。
(第8の実施形態)
第8の実施形態は、複数の歯車を一体に形成してコンパクト化と部品点数の削減を図るものである。
図42は本発明の第8の実施形態に係るマニピュレータの作業部を示す斜視図、図43は図42の作業部を示す分解斜視図、図44は作業部を示す断面図である。本実施形態のマニピュレータは、メカニズムとしては図28〜図30に示すマニピュレータと似通っている。したがって、図28〜図30と共通する部材には同一の符号を付しており、以下では相違点を中心に説明する。なお、図44に示す断面図は、その説明の都合上捩れの位置に配置される第1の回動軸部材16と第2の回動軸部材230とを平行な位置に変更して図示している。
本実施形態のマニピュレータは、第1および第2の処置部材226,227を先端に有する連結部40の長手方向に沿った方向に対して交差する第1の回動軸部材16と、第1の回動軸部材16(回動軸29)回りの方向に回動自在に支持されて第1の回動軸部材16(回動軸29)に対して直交する主軸部材120と、第1の回動軸部材16(回動軸29)回りの方向に回動自在に支持される第1の歯車117と、第1の回動軸部材16(回動軸29)回りの方向に回動自在に支持される第2の歯車218と、第1の歯車117と直交して噛み合い、主軸部材120回りの方向に回動自在に支持される第3の歯車222aと、第2の歯車218と直交して噛み合い、主軸部材120回りの方向に回動自在に支持される第4の歯車221aと、第3の歯車222aとともに一体に形成されて同軸に回動する第5の歯車222bと、第4の歯車221aとともに一体に形成されて同軸に回動する第6の歯車221bと、第5の歯車222bと直交して噛み合う第7の歯車229と、第6の歯車221bと直交して噛み合う第8の歯車228と、第7の歯車229および第8の歯車228の回動中心となり、第1の回動軸部材16(回動軸29)と捩れの位置に配置される第2の回動軸部材230と、第7の歯車229とともに第2の回動軸部材230(回動軸26)回りの方向に回動する第1の処置部材226と、第8の歯車228とともに第2の回動軸部材230(回動軸26)回りの方向に回動する第2の処置部材227とを備えている。
第3の歯車222aと第5の歯車222bが形成された第1の歯車部材222は、第4の歯車221aと第6の歯車221bが形成された第2の歯車部材221と回動軸を共通として径方向に重なり合うように配置されている。
図29の構造の場合、歯車222と歯車223を結合する必要があるため、ガタ無く結合するためには、部品の加工精度が要求される。例えば、歯車222のD穴と歯車223のDカットの形状精度を非常に高くする必要がある。
これに対して、本実施形態では、第3の歯車222aと第5の歯車222bが一体に形成された第1の歯車部材221と、第4の歯車221aと第6の歯車221bが一体に形成された第2の歯車部材222とを設けるため、この部分についてのガタの調整等が原理的に不要である。また、歯車部材221,222はともに、歯部を除いてシンプルな円筒形状であり、加工および組立がきわめて容易である。
(第9の実施形態)
図42〜図44に示すマニピュレータにおいて、第1の回動軸29回りの方向に回動する第1の歯車117と第2の歯車218を同一のピッチ円直径で構成し、第7の歯車229と第8の歯車228も同一のピッチ円直径構成してもよい。
一般的にモジュールmは、歯車のピッチ円直径dを歯数zで除した値として定義される(m=d/z)。モジュールは、歯車の大きさを表すために用いられ、歯車を選定する際や歯車機構を設計する際に重要な基準となる値である。モジュールの値が大きいほど、歯の大きさが大きくなる。互いに噛み合う一対の歯車では、歯の大きさが同じでなければ(すなわち、モジュールが同じでなければ)、歯車は適切に機能しない。
2つの歯車を同一のピッチ円直径にするには、モジュールと歯数を乗じた値を同じにすればよい。例えば、一対の歯車の歯数(number of teeth)を同一にし、かつモジュールを同一にすればよい。必ずしもモジュールと歯数をともに同一にする必要はないが、同一の歯車を利用することができるため、加工コスト的にも有利になる。図43の場合、歯数およびモジュールを同一にすることで、第3の歯車222aと第4の歯車221aのピッチ円の中心点を一致させることができ、かつ第5の歯車222bと第6の歯車221bのピッチ円の中心点を一致させることができる。これにより、第3の歯車222aと第5の歯車222bの軸方向長さを短くでき、かつ第4の歯車221aと第6の歯車221bの軸方向長さを短くできる。
その結果、ヨー方向の回動軸26とピッチ方向の回動軸29の距離を短縮でき、オフセット量が削減でき、回動軸26と回動軸29が直交する理想的な位置関係に近くなる。これにより、回動軸26と回動軸29の中間方向(斜め方向)に処置部(例えば、第1および第2の処置部材226,227)を無理なく誘導することができる。
また、オフセット量を削減できるため、処置部に作用する外力の回動軸29回りの方向の負荷に対する回動軸29の関節トルクの負担を軽減できる。
また、第1の歯車117は、第4の歯車221aと歯先が干渉しないように面取りしている。第2の歯車218は、干渉の観点からは面取りする必要はないが、面取りすることで、第1の歯車117との共通化による部品点数削減と低コスト化が図れる。
上述した第9の実施形態で説明したモジュール化は、図42〜図43のマニピュレータに適用できるだけでなく、他のすべての実施形態にも適用可能である。
(第10の実施形態)
例えば図43のマニピュレータの場合、第1の歯車117と第3の歯車222aが噛み合う位置と、第5の歯車222bと第7の歯車229が噛み合う位置とによって、伝達効率が変化する。同様に、第2の歯車218と第4の歯車221aが噛み合う位置と、第6の歯車221bと第8の歯車228が噛み合う位置によって、伝達効率が変化する。そこで、第10の実施形態は、伝達効率が向上するように各歯車の噛み合う位置を調整するものである。
図45(a)は図43と同様の構造を持つマニピュレータの分解斜視図である。図45(a)のマニピュレータでは、第1の処置部材226が第1方向(把持方向)に駆動される場合には、第1の歯車117が第3の歯車222aに噛み合う位置と第5の歯車222bが第7の歯車229に噛み合う位置とが第1の歯車部材222の回転方向に対して位相0〜180度の範囲内になるようにしている。また、第1の処置部材226が第1方向とは逆の第2方向(開く方向)に駆動される場合、第1の歯車117が第3の歯車222aに噛み合う位置と第5の歯車222bが第7の歯車229に噛み合う位置とが第1の歯車部材222の回転方向に対して位相180〜360度の範囲内になるようにしている。より具体的には、第5の歯車222bと第7の歯車229が噛み合う位置を調整することで、上記の位相関係を満たすようにしている。
また、第2の処置部材227が第1方向(把持方向)に駆動される場合には、第2の歯車218が第4の歯車221aに噛み合う位置と第6の歯車221bが第8の歯車228に噛み合う位置とが第2の歯車部材221の回転方向に対して位相0〜180度の範囲内になるようにしている。また、第2の処置部材227が第1方向とは逆の第2方向(開く方向)に駆動される場合には、第2の歯車218が第4の歯車221aに噛み合う位置と第6の歯車221bが第8の歯車228に噛み合う位置とが第2の歯車部材221の回転方向に対して位相180〜360度の範囲内になるようにしている。より具体的には、第6の歯車221bと第8の歯車228が噛み合う位置を調整することで、上記の位相関係を満足するようにしている。
上記の位相関係を満たすように配置するのが望ましい理由について以下に詳述する。図45(a)の場合、第2の歯車218と第4の歯車221aとの噛み合い位置から、第2の歯車部材221の回転方向(把持による負荷方向)に向かって90度回転した方向に、第6の歯車221bと第8の歯車228との噛み合い位置が配置されている。
第2の処置部材227は、第2の歯車218が図45(a)の矢印Aの方向に回転するときに把持方向、すなわち高負荷方向に駆動される。
一方、図46(a)は、第2の歯車218と第4の歯車221aとの噛み合い位置から、第2の歯車部材221の回転方向(把持による負荷方向)に向かって270度回転した方向に、第6の歯車221bと第8の歯車228との噛み合い位置が配置されている。
第2の処置部材227は、第2の歯車218が図46(a)の矢印Aの方向に回転するときに把持方向、すなわち高負荷方向に駆動される。
図45(a)と図46(a)では、第2の歯車部材221が第2の歯車218と第8の歯車228から受ける反力を矢印で図示している。
通常、歯車に作用する力は、主成分である接線方向(トルク伝達方向)と、歯車の圧力角や歯の角度に起因するスラスト方向と、ラジアル方向との三成分に分けられる。
図45(b)と図46(b)は、第2の歯車部材221のスラスト方向(図中C方向)から見た図である。これら三成分の力は、第2の歯車部材221が第2の歯車218から受ける力と、第2の歯車部材221が第8の歯車228から受ける力と、ラジアル方向の力と、これら力に釣り合う力、すなわち第2の歯車部材221が主軸120から第2の歯車部材を介して受ける反力とである。
図45(b)と図46(b)を比較すれば明らかなように、反力は図45(b)の方がはるかに小さい。この反力は、第2の歯車部材221の摩擦トルクに対する垂直抗力に相当するため、摩擦トルクの大きさはその反力の大きさに比例する。
図45(c)と図46(c)は力の伝達経路を模式的に示す図である。図45(c)の場合、第2の歯車218と第4の歯車221aの噛み合い位置から第6の歯車221bと第8の歯車228の噛み合い位置まで、力の伝達方向に沿っての位相差は90度である。一方、図46(c)の場合、力の伝達方向に沿っての位相差は270度である。
このように、図46(c)の方が力の伝達経路が長い。主軸120b、第2の歯車部材221および第2の歯車部材218などが理想的な形状であれば、トルクを伝達する上で両者に差はないはずであるが、実際の寸法には誤差成分を含んでいるためガタが存在し、歯車の傾きによる片あたり、それに伴う摩擦トルクの増大や、主成分である接線方向(トルク伝達方向)以外の反力の増大などが生じ、トルクの伝達が理想的にならない。
特に、図46(c)の場合、力の伝達経路が長いため、ガタ等による歯車の傾き影響を受けやすく、伝達効率は著しく低下する。一方、図45(c)の場合、力の伝達経路が短くより直線的であるため、ガタ等による歯車の傾き影響を受けにくく、伝達トルクを直接的に効率よく伝えることができる。
上記の実施例では、第1の処置部材226と第2の処置部材227は、第2の回動軸26に対して個々に独立に駆動して把持できる構成であるが、少なくとも、同様の歯車構成を一組以上含むマニピュレータであれば、本実施の形態に限らず、他の実施の形態においても同様の効果が得られる。
たとえば、図40のように、第1の処置部材325のみを駆動して把持できる構成でも、第1の処置部材325を駆動するための第2の歯車218、第4の歯車332a、第5の歯車332b、第6の歯車323に対しても、第2の歯車218と第4の歯車332a噛み合い位置と、第5の歯車332b、第6の歯車323の噛み合い位置を同様の配置にすることで同様の効果を得ることができる。
すなわち、少なくとも、処置部材が第1方向(高負荷になる方向、たとえば把持方向)に駆動されるときに、第2の歯車218が第4の歯車322aに噛み合う位置と第5の歯車322bが第6の歯車323に噛み合う位置とが第4の歯車322aと第5の歯車322bの回転方向に対して位相0〜180度の範囲内になるようにすればよい。
また上述の実施の形態においては、回動軸部材は、例えば他の回動軸部材や歯車等の回動部分と一体化されて回動軸回りの方向へ回動する構成でも、固定された軸とした構成でもどちらでもよい。
10 作業部
11、12 グリッパ
14 支持部
16、125b、230、323a、242a、427 回動軸部材
17、18、22、23、117、118、121a、121b、218、221a、221b、222、223、228、229、321a、322a、322b、323、424、426、428 歯車
17a、18a、20c、117a、118a、218a、120c、320c プーリ
20、120、320 主軸部材
20b、120b、320b 主軸部
125、225 処置部
125a、226、227、325、425、525 処置部材
530 把持部
Claims (23)
- 処置部と駆動部とが連結部によって連結されたマニピュレータにおいて、
前記連結部内部に通され前記駆動部により駆動される第1のワイヤが掛け渡され、回動する第1のプーリと、
前記第1のプーリに一端部が固定され、前記処置部を前記第1のプーリが回動する第1の回動軸とは異なる方向である主軸回りに回動自在に支持する主軸部と、
を備えることを特徴とするマニピュレータ。 - 前記処置部は前記主軸部に回動自在に支持される第1の処置部材を有し、
前記駆動部により駆動される第2のワイヤが掛け渡され、前記第1の回動軸まわりに回動する第2のプーリと、
前記第2のプーリに固定される第1の歯車と、
前記第1の処置部材に固定され、前記第1の歯車の回動力を前記第1の処置部材に伝達する第2の歯車と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載のマニピュレータ。 - 前記処置部は前記主軸部に回動自在に支持される第2の処置部材を有し、
前記駆動部により駆動される第3のワイヤが掛け渡され、前記第1の回動軸まわりに回動する第3のプーリと、
前記第3のプーリに固定される第3の歯車と、
前記第2の処置部材に固定され、前記第3の歯車の回動力を前記第2の処置部材に伝達する第4の歯車と、
を備えることを特徴とする請求項2に記載のマニピュレータ。 - 前記第1の処置部材は、
前記主軸部に支持される第1の支持部と、
一方の端部に形成される第1の処置具部とを備え、
前記第2の処置部材は、
前記主軸部に支持される第2の支持部と、
一方の端部に形成される第2の処置具部と、
を備えることを特徴とする請求項3に記載のマニピュレータ。 - 前記処置部は第1の処置部材を有し、
前記駆動部により駆動される第2のワイヤが掛け渡され、前記第1の回動軸まわりに回動する第2のプーリと、
前記第2のプーリに固定される第1の歯車と、
前記駆動部により駆動される第3のワイヤが掛け渡され、前記第1の回動軸まわりに回動する第3のプーリと、
前記第3のプーリに固定される第2の歯車と、
前記主軸部に回動自在に支持され、前記第1の処置部材を前記第1の回動軸回りの方向および前記主軸回りの方向とは異なる第2の回動軸回りの方向に回動自在に支持する第1の支持部材と、
前記第1の支持部材に固定され、前記第1の歯車の回動力を前記第1の支持部材に伝達する第3の歯車と、
前記第1の処置部材に固定され、前記第2の歯車の回動力を前記第1の処置部材に伝達する第4の歯車3と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載のマニピュレータ。 - 処置対象に対して処置を行う処置部を先端に有する連結部の長手方向に沿った方向に対して交差する第1の回動軸部と、
前記第1の回動軸部回りの方向に回動自在に支持され、前記第1の回動軸部に対して交差する方向に設けられた主軸部と、
前記第1の回動軸部回りの方向に回動自在に支持される第1の歯車と、
前記第1の回動軸部回りの方向に回動自在に支持される第2の歯車と、
前記第1の歯車と噛み合い、前記主軸部回りの方向に回動自在に支持される第3の歯車と、
前記第2の歯車と噛み合い、前記主軸部回りの方向に回動自在に支持される第4の歯車と、
前記第3の歯車とともに回動する第1の処置部材と、
前記第4の歯車とともに回動する第2の処置部材と、
を備えることを特徴とするマニピュレータ。 - 前記第1の処置部材に対して、前記主軸部材を挟んで対称な位置に設けられる第3の処置部材と、
前記第2の処置部材に対して、前記主軸部材を挟んで対称な位置に設けられる第4の処置部材と、
を備えることを特徴とする請求項6に記載のマニピュレータ。 - 前記第3の歯車は前記第1の回動軸部からオフセットした位置で前記主軸部回りの方向に回動自在に支持され、
前記第4の歯車は前記第1の回動軸部からオフセットした位置で前記主軸部回りの方向に回動自在に支持されることを特徴とする請求項6に記載のマニピュレータ。 - 処置対象に対して処置を行う処置部を先端に有する連結部の長手方向に沿った方向に対して交差する第1の回動軸部と、
前記第1の回動軸部回りの方向に回動自在に支持され、前記第1の回動軸部に対して交差する方向に設けられた主軸部と、
前記処置部に設けられた処置部材と、
前記第1の回動軸部回りの方向に回動自在に支持される第1の歯車と、
前記第1の歯車と噛み合い、前記主軸部回りの方向に回動自在に支持される第2の歯車と、
前記第2の歯車とともに同軸に回動する第3の歯車と、
前記第3の歯車の回動力を前記処置部材へ伝達するために設けられ、前記第3の歯車と噛み合う第4の歯車と、
前記第4の歯車の回動中心となり、前記第1の回動軸部と捩れの位置に配置される第2の回動軸部と、
を備えることを特徴とするマニピュレータ。 - 前記第1の歯車の歯数と前記第4の歯車の歯数とは同一であり、
前記第2の歯車の歯数と前記第3の歯車の歯数とは同一であることを特徴とする請求項9に記載のマニピュレータ。 - 処置対象に対して処置を行う処置部を先端に有する連結部の長手方向に沿った方向に対して交差する第1の回動軸部と、
前記第1の回動軸部回りの方向に回動自在に支持され、前記第1の回動軸部に対して交差する方向に設けられた主軸部と、
前記処置部に設けられた第1の処置部材および第2の処置部材と、
前記第1の回動軸部回りの方向に回動自在に支持される第1の歯車と、
前記第1の回動軸部回りの方向に回動自在に支持される第2の歯車と、
前記第1の歯車と噛み合い、前記主軸部回りの方向に回動自在に支持される第3の歯車と、
前記第2の歯車と噛み合い、前記主軸部回りの方向に回動自在に支持される第4の歯車と、
前記第3の歯車とともに同軸に回動する第5の歯車と、
前記第4の歯車とともに同軸に回動する第6の歯車と、
前記第5の歯車の回動力を前記第1の処置部材へ伝達するために設けられ、前記第5の歯車と噛み合う第7の歯車と、
前記第6の歯車の回動力を前記第2の処置部材へ伝達するために設けられ、前記第6の歯車と噛み合う第8の歯車と、
前記第7の歯車および前記第8の歯車の回動中心となり、前記第1の回動軸部と捩れの位置に配置される第2の回動軸部と、
を備えることを特徴とするマニピュレータ。 - 前記第1および第2の処置部材は、前記第7および第8の歯車の回動に伴って開閉動作する把持部を構成することを特徴とする請求項11に記載のマニピュレータ。
- 処置対象に対して処置を行う処置部を先端に有する連結部の長手方向に沿った方向に対して直交する第1の回動軸部と、
前記第1の回動軸部回りの方向に回動自在に支持され、前記第1の回動軸部に対して交差する方向に設けられた主軸部と、
前記第1の回動軸部回りの方向に回動自在に支持される第1の歯車と、
前記第1の回動軸部回りの方向に回動自在に支持される第2の歯車と、
前記第1の歯車と噛み合い、前記主軸部回りの方向に回動自在に支持される第3の歯車と、
前記第2の歯車と噛み合い、前記主軸部回りの方向に回動自在に支持される第4の歯車と、
前記第3の歯車とともに同軸に回動する第2の回動軸部と、
前記第4の歯車とともに同軸に回動する第5の歯車と、
前記第2の回動軸部の回動とともに前記主軸部回りの方向に回動し、前記第1の回動軸部と捩れの位置から平行な位置に配置される第3の回動軸部と、
前記第3の回動軸部回りの方向に回動自在に支持され、前記第5の歯車と噛み合う第6の歯車と、
前記第6の歯車とともに前記第3の回動軸部回りの方向に回動するとともに、前記第3の歯車とともに前記主軸部回りの方向に回動する第1の処置部材と、
を備えることを特徴とするマニピュレータ。 - 前記第3の歯車とともに同軸に回動し、前記第1の処置部材の回動により開閉可能な位置に設けられた第2の処置部材と、を備えることを特徴とする請求項13に記載のマニピュレータ。
- 処置対象に対して処置を行う処置部を先端に有する連結部の長手方向に沿った方向に対して直交する第1の回動軸部と、
前記第1の回動軸部回りの方向に回動自在に支持され、前記第1の回動軸部に対して直交交差する方向に設けられた主軸部と、
前記第1の回動軸部回りの方向に回動自在に支持される第1の歯車と、
前記第1の回動軸部回りの方向に回動自在に支持される第2の歯車と、
前記第1の歯車と噛み合い、前記主軸部回りの方向に回動自在に支持される第3の歯車と、
前記第2の歯車と噛み合い、前記主軸部回りの方向に回動自在に支持される第4の歯車と、
前記第3の歯車とともに同軸に回動する第5の歯車と、
前記第4の歯車とともに同軸に回動する第6の歯車と、
前記第5の歯車と噛み合う第7の歯車と、
前記第6の歯車と噛み合う第8の歯車と、
前記第7の歯車および前記第8の歯車の回動中心となり、前記第1の回動軸部と捩れの位置に配置される第2の回動軸部と、
前記第8の歯車とともに前記第2の回動軸部回りの方向に回動する第3の回動軸部と、
前記第7の歯車と噛み合い、前記第3の回動軸部回りの方向に回動する第9の歯車と、
前記第9の歯車とともに同軸に回動する処置部材と、
を備えることを特徴とするマニピュレータ。 - 前記第2の回動軸部は、前記第1の回動軸部と前記主軸部とを含む面に対して直交していることを特徴とする請求項9,11,15に記載のマニピュレータ。
- 前記第3の歯車は、前記第5の歯車とともに一体に形成され、
前記第4の歯車は、前記第6の歯車とともに一体に形成され、
前記第3および第5の歯車が形成された第1の歯車部材は、前記第4および第6の歯車が形成された第2の歯車部材と回動軸を共通として径方向に重なり合うように配置されることを特徴とする請求項11に記載のマニピュレータ。 - 前記第1の歯車のモジュールと歯数を乗じた値は、前記第2の歯車のモジュールと歯数を乗じた値に等しいことを特徴とする請求項17に記載のマニピュレータ。
- 前記第1の処置部材が第1方向に駆動される場合、前記第1の歯車が前記第3の歯車に噛み合う位置と前記第5の歯車が前記第7の歯車に噛み合う位置とが前記第1の歯車部材の回転方向に対して位相0〜180度の範囲内になり、前記第1の処置部材が前記第1方向とは逆の第2方向に駆動される場合、前記第1の歯車が前記第3の歯車に噛み合う位置と前記第5の歯車が前記第7の歯車に噛み合う位置とが前記第1の歯車部材の回転方向に対して位相180〜360度の範囲内になることを特徴とする請求項11、17および18のいずれか1項に記載のマニピュレータ。
- 前記第2の処置部材が第1方向に駆動される場合、前記第2の歯車が前記第4の歯車に噛み合う位置と前記第6の歯車が前記第8の歯車に噛み合う位置とが前記第2の歯車部材の回転方向に対して位相0〜180度の範囲内になり、
前記第2の処置部材が前記第1方向とは逆の第2方向に駆動される場合、前記第2の歯車が前記第4の歯車に噛み合う位置と前記第6の歯車が前記第8の歯車に噛み合う位置とが前記第2の歯車部材の回転方向に対して位相180〜360度の範囲内になることを特徴とする請求項11および17ないし19のいずれか1項に記載のマニピュレータ。 - 前記第1方向が、前記第1の処置部材と前記第2の処置部材を相対的に閉じる方向に駆動する方向であることを特徴とする請求項19または20記載のマニピュレータ。
- 前記第1の処置部材が第1方向に駆動される場合、前記第2の歯車が前記第4の歯車に噛み合う位置と前記第5の歯車が前記第6の歯車に噛み合う位置とが、前記第2の歯車の回転方向に対して位相0〜180度の範囲内になり、
前記第1の処置部材が前記第1方向とは逆の第2方向に駆動される場合、前記第2の歯車が前記第4の歯車に噛み合う位置と前記第5の歯車が前記第6の歯車に噛み合う位置とが、前記第2の歯車の回転方向に対して位相180〜360度の範囲内になることを特徴とする請求項14に記載のマニピュレータ。 - 前記第1方向が、前記第1の処置部材と前記第2の処置部材を相対的に閉じる方向に駆動する方向であることを特徴とする請求項22記載のマニピュレータ。
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