JP2010051497A - 医療用マニピュレータ - Google Patents

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Abstract

【課題】先端動作部のロール軸をエンドレスに回転させる。
【解決手段】医療用マニピュレータ10は、操作部14と作業部16とを有する。操作部14は、モータ40a〜40cを備えるアクチュエータブロック30を有する。作業部16はアクチュエータブロック30に対して接続部15により着脱自在である。作業部16は、接続部15から延在する連結シャフト48と、連結シャフト48の先端部で、軸中心に回転するロール軸Orを含む3軸構成の先端動作部12と、連結シャフト48内に設けられ、モータ40a〜40cによって回転される動力伝達機構500とを有する。動力伝達機構500は、軸部材506と、該軸部材506を中心として同芯状の第1円筒部材502及び第2円筒部材504とを有する。ロール軸Or及びその先のグリッパ60が第1円筒部材502及び第2円筒部材504によって駆動される。
【選択図】図5

Description

本発明は、モータを備えるアクチュエータ部と、該アクチュエータ部に対して接続部により着脱自在な作業部とを有する医療用マニピュレータに関し、特に、接続部から延在する中空の連結シャフトと、該連結シャフトの先端に先端動作部を有する医療用マニピュレータに関する。
内視鏡下外科手術(又は腹腔鏡下手術とも呼ばれる。)においては、患者の腹部等に複数の孔を開け、器具の通過ポートとしてトラカール(筒状の器具)を挿入した後、シャフトを有する鉗子の先端部をトラカールを通じて体腔内に挿入して患部の手術を行っている。鉗子の先端部には、作業部として、生体組織を把持するためのグリッパや、鋏、電気メスのブレード等が取り付けられている。
鉗子による内視鏡下外科手術は、作業空間である体腔内が狭くしかもトラカールを支点として鉗子を操作するため、一定のトレーニングが必要となる。また、従来使用されている鉗子では先端の作業部に関節がないため、自由度が小さく、先端動作部はシャフトの延長線上での動作しか行うことができない。従って、通常のトレーニングで実施可能な症例には限度があり、他の様々な症例に対して適用するためには相当に高度なトレーニング及び習熟が必要になる。
このような観点から、従来の鉗子を改良し、作業部に複数の関節を有する鉗子の開発が行われている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。特許文献1及び特許文献2に記載のマニピュレータは、人手によって操作される操作部と、操作部に対して交換自在に着脱される作業部とから構成される。このようなマニピュレータでは、従来の鉗子のような制約や不自由がなく、手技が容易となり、適用可能な症例が多くなり、また、作業部の種類を交換することにより種々の手技に対応することができる。
特許文献1及び特許文献2記載のマニピュレータでは、操作部に設けられたモータと同軸上の基端プーリと、先端動作部に設けられた先端プーリとの間にワイヤが巻き掛けられており、基端プーリの回転が先端プーリに伝達されている。
また、これらのマニピュレータの先端動作部は、例えば3軸機構であって、ピボット軸を中心に揺動する揺動軸と、該揺動軸よりも先端側で軸中心に回転するロール軸と、該ロール軸よりも先端側の開閉軸とを有しており、様々な動作が可能となっている。
一方、このようなマニピュレータをロボットアームにより駆動する医療用ロボットシステムが提案されている(例えば、特許文献3参照)。
特開2004−105451号公報 特開2008−36793号公報 米国特許第6331181号明細書
特許文献1記載及び特許文献2記載のマニピュレータでは、基端プーリと先端プーリとの間にワイヤを巻き掛けているが、モータの回転を先端動作部に正確に対応させるためにはワイヤは各プーリに対して滑りが発生してはならない。そこでワイヤは、各プーリに対して1箇所を溶接等によって固定しておき、さらに適度な回転量を確保するために各プーリに対して1.5回転又は2.5回転程度巻き掛けておくとよい。
また、マニピュレータの先端動作部は、例えば揺動軸、ロール軸及び開閉軸を備える3軸機構として構成されている。このうち揺動軸は±90°程度、グリッパ軸は0〜90°程度の動作範囲が確保されていれば十分であるが、ロール軸に関してはエンドレスに回転可能であることが望ましい。しかしながら、上記の通り各プーリはワイヤに対して1箇所が固定されていることから、ワイヤの巻回数によって回転角度が制限される。特に、先端プーリは狭所に設けられていることから薄い形状であって、ワイヤの巻回数は2.5回転又は3.5回転程度が限度であり、±180°程度に制限されていることがある。
さらに、ワイヤは細い連結シャフト内に配設されることから相当に細径にしなければならず、モータトルクによって伸びが生じる場合があり、動力伝達効率が低下し、応答性が劣り、又は寿命が低下することがある。
本発明はこのような課題を考慮してなされたものであり、先端動作部のロール軸をエンドレスに回転可能な医療用マニピュレータを提供することを目的とする。
また、本発明は、高い動力伝達効率、高い応答性、及び高寿命を実現できる医療用マニピュレータを提供することを目的とする。
本発明に係る医療用マニピュレータは、2以上でN個のモータを備えるアクチュエータ部と、該アクチュエータ部に対して接続部により着脱自在な作業部とを有する医療用マニピュレータであって、前記作業部は、前記接続部から延在する中空の連結シャフトと、前記連結シャフトの先端部で、前記モータによって駆動され、軸中心に回転するロール軸を含むN軸構成の先端動作部と、前記連結シャフト内に設けられ、前記モータによって回転され、前記ロール軸を含みその先の軸数以上の円筒部材とを有し、前記ロール軸及びその先の軸が前記円筒部材によって駆動されることを特徴とする。
このように、円筒部材によって先端動作部のロール軸を駆動させると、円筒部材は回転の制限がないことから、ロール軸をエンドレスに回転可能となる。また、ロール軸よりも先の軸についても他の円筒部材によって駆動されることから、動作干渉を無制限に相殺させることができる。
前記円筒部材は同芯状に2つ設けられ、前記円筒部材に対応して2つのギアが設けられ、前記先端動作部は、前記ロール軸よりも先端側に設けられた開閉軸を有し、前記2つの円筒部材及び2つの前記ギアが協働して前記ロール軸及び前記開閉軸を動作させてもよい。
これにより、ロール軸と該ロール軸よりも先端の開閉軸を動作させる機構が実現できる。開閉軸はグリッパやはさみ等の実作業を行う部分であって比較的大きい力が要求される場合があるが、開閉軸は円筒部材を介して駆動されることから高い動力伝達効率によって大きい力を発生させることができる。
前記円筒部材の内腔に設けられ、前記モータによって回転される軸部材を有し、前記先端動作部は、前記ロール軸よりも基端側に設けられたヨー軸を有し、前記軸部材の回転によって前記ヨー軸を駆動してもよい。これによってヨー軸機構を実現できる。ヨー軸を駆動する軸部材はワイヤ等の細い線体と比較して断面積が大きく、高い剛性を有することから、高い動力伝達効率が得られる。
前記円筒部材には、内面側及び外面側にそれぞれシール部材が設けられていてもよい。このようにシール部材を設けることにより、体腔内の血液及び体液等が連結シャフトに進入することを防止できるとともに、気密構造により体腔内の圧力を保持できる。
前記接続部で、前記円筒部材は、前記モータから傘歯車機構を介して駆動されてもよい。このように、傘歯車機構を適用することによりモータの配置の自由度が高まる。
前記接続部で、前記円筒部材は、前記モータによって駆動される駆動傘歯車と、該駆動傘歯車に対向する位置に設けられた従動傘歯車とによって支持されていてもよい。このように、円筒部材は駆動傘歯車と従動傘歯車によって支持されるとバランスがよく、駆動傘歯車と円筒部材との接触部の面圧を適度に高めることができ、動力が確実に伝達される。
前記円筒部材の最も外周側のものは、滑り軸受によって支持されていてもよい。滑り軸受によれば簡便に円筒部材を支持することができる。
また、本発明に係る医療用マニピュレータは、2以上でN個のモータを備えるアクチュエータ部と、該アクチュエータ部に対して接続部により着脱自在な作業部とを有する医療用マニピュレータであって、前記作業部は、前記接続部から延在する中空の連結シャフトと、前記連結シャフト内で同芯状に設けられ、前記モータによって回転されるN本の円筒部材と、前記連結シャフトの先端部で、前記円筒部材の回転によってそれぞれ駆動されるギアと、前記ギアによって動作するN軸構成の先端動作部とを有することを特徴とする。
このように、円筒部材によってギアを介して先端動作部を駆動すると、円筒部材はワイヤ等の細い線体と比較して断面積が大きく、高い剛性を有することから、高い動力伝達効率、高い応答性、及び高寿命を実現できる。
本発明に係る医療用マニピュレータによれば、円筒部材によってギアを介して先端動作部のロール軸を駆動させる。円筒部材は回転の制限がないことから、ロール軸をエンドレスに回転可能となる。
また、本発明では、円筒部材によってギアを介して先端動作部を駆動する。円筒部材はワイヤ等の細い線体と比較して断面積が大きく、高い剛性を有することから、高い動力伝達効率、高い応答性、及び高寿命を実現できる。
以下、本発明に係る医療用マニピュレータについて実施の形態を挙げ、添付の図1〜図13を参照しながら説明する。
図1、図2及び図3に示すように、医療用マニピュレータ10は、先端動作部12に生体の一部又は湾曲針等を把持して所定の処置を行うためのものであり、通常、把持鉗子やニードルドライバ(持針器)等とも呼ばれる。
医療用マニピュレータ10は、人手によって把持及び操作される操作部14と、該操作部14に対して着脱自在な作業部16とを備え、操作部14に対してコネクタ24を介して着脱自在なコントローラ(制御部)27を有するマニピュレータシステムとして構成されている。
医療用マニピュレータ10は、基本構成として操作部14と作業部16とを有しており、コントローラ27は当該医療用マニピュレータ10の電気的な制御をするものであり、グリップハンドル26の下端部から延在するケーブル62に対してコネクタ24を介して接続されている。制御部であるコントローラ27の機能の一部又は全部を、例えば操作部14に一体的に搭載することもできる。
以下の説明では、図1における幅方向をX方向、高さ方向をY方向、及び、連結シャフト48の延在方向をZ方向と規定する。また、右方をX1方向、左方をX2方向、上方向をY1方向、下方向をY2方向、前方をZ1方向、後方をZ2方向と規定する。さらに、特に断りのない限り、これらの方向の記載は医療用マニピュレータ10が基準姿勢(中立姿勢)である場合を基準として表すものとする。これらの方向は説明の便宜上のものであり、医療用マニピュレータ10は任意の向きで(例えば、上下を反転させて)使用可能であることはもちろんである。
作業部16は、作業を行う先端動作部12と、操作部14のアクチュエータブロック(アクチュエータ部)30に対して接続される接続部15と、これらの先端動作部12と接続部15とを連接する長尺で中空の連結シャフト48とを有する。作業部16は、アクチュエータブロック30における所定の操作によって操作部14から離脱可能であって、洗浄、滅菌及びメンテナンス等を行うことができる。
先端動作部12及び連結シャフト48は細径に構成されており、患者の腹部等に設けられた円筒形状のトラカール20から体腔22内に挿入可能であり、操作部14の操作により体腔22内において患部切除、把持、縫合及び結紮等の様々な手技を行うことができる。
次に、操作部14について詳細に説明する。
操作部14は、人手によって把持されるグリップハンドル26と、該グリップハンドル26の上部から延在するブリッジ28と、該ブリッジ28の先端に接続されたアクチュエータブロック30とを有する。
接続部15は、左右側面の係合片200と、上下面に開口する3つの嵌合孔202a、202b及び202cとを有する。3つの嵌合孔202a〜202cは、Z1方向及びZ2方向の端部近傍に設けられており、Y方向に延在する孔である。
アクチュエータブロック30には、先端動作部12が有する3自由度の機構に対応してモータ(DCモータ)40a、40b及び40cがZ方向に沿って並列して設けられている。これらのモータ40a〜40cは、操作部14の操作に基づき、コントローラ27の作用下に回転をする。モータ40a〜40cは小型・細径であって、アクチュエータブロック30はコンパクトな扁平形状に構成されている。モータ40a〜40cには、減速機42a、42b及び42cが内蔵されている。減速機42a〜42cは、例えば遊星式であり、減速比は1:100〜1:300程度である。
アクチュエータブロック30は、操作部14のZ1方向端部の下方に設けられている。ここで、アクチュエータブロック30は作業部16が装着される箇所を意味するものであり、モータ40a〜40cを格納する場所に限定されず、ブリッジ28との接続面30a(図3参照)を含む。
モータ40a〜40cには、回転角度を検出することのできるロータリ式のエンコーダ44a、44b、44cが設けられており、検出した角度信号はコントローラ27に供給される。
図2及び図3に示すように、グリップハンドル26は、ブリッジ28の端部からY2方向に向かって延在しており、人手によって把持されるのに適した長さであり、該グリップハンドル26の近傍には先端動作部12の動作等に供される入力手段が設けられている。すなわち、このような入力手段として、グリップハンドル26に近接したZ1方向にトリガーレバー32及びスイッチ36が設けられ、Y1方向に複合入力部34及び作動スイッチ35が設けられている。
作動スイッチ35のZ1方向でブリッジ28の上面における視認しやすい箇所にはLED29が設けられている。LED29は、医療用マニピュレータ10の制御状態を示すインジケータであり、操作者が容易に認識可能な大きさであり、且つ操作に支障がない程度に十分に小型軽量である。
グリップハンドル26の下端には、コントローラ27に接続されるケーブル62が設けられている。グリップハンドル26とケーブル62とはコネクタにより接続されていてもよい。
作動スイッチ35は、医療用マニピュレータ10の動作状態の有効又は無効を設定するための入力手段である。LED29は、医療用マニピュレータ10の制御状態を示すインジケータであり、操作者が容易に認識可能な大きさであり、且つ操作に支障がない程度に十分に小型軽量である。LED29は、ブリッジ28の上面における略中央部で、視認性のよい位置に設けられており、作動スイッチ35と並んで配置されていることから、例えば、作動スイッチ35によるON操作に同期して点灯等をするため、操作者は作動スイッチ35の操作をしながらその入力状態をLED29により確実に認識することができる。
この場合、コントローラ27は、作動スイッチ35の状態を読み込み、オン状態であるときに動作モードとし、オン状態からオフ状態に切り換わったときに自動原点復帰動作としてモータ40a〜40cを所定の原点に戻し、原点に戻った後に停止モードとする。動作モードは、操作部14の操作指令を有効にしてモータ40a〜40cを駆動するモードである。停止モードは、操作部14の操作指令の有無に関わらずモータ40a〜40cを停止させるモードである。これらのモード及び動作はコントローラ27によって区別されて制御され、LED29の点灯状態が切り換えられる。
すなわち、LED29は、動作モードのときに緑に点灯、停止モードのときに赤に点灯し、動作モードから停止モードに移る自動原点復帰モードのときには赤の点滅をする。
複合入力部34は、先端動作部12に対してロール方向(軸回転方向)及びヨー方向(左右方向)の回転指令を与える複合的な入力手段であり、例えば軸回転に動作する第1入力手段によってロール方向指示を行い、横方向に動作する第2入力手段によってヨー方向指示を行うことができる。トリガーレバー32は、先端動作部12のグリッパ60(図1及び図5参照)に開閉指令を与える入力手段である。
複合入力部34、トリガーレバー32には、それぞれ動作量を検出する入力センサ39a、39b、39cが設けられており、検出した動作信号をコントローラ27に供給する。
トリガーレバー32は、ブリッジ28のやや下方でZ1方向にやや突出したレバーであり、人差し指による操作が容易な位置に設けられている。
トリガーレバー32は、グリップハンドル26に対してアーム98により接続されており、該グリップハンドル26に対して進退するように構成されている。アーム98はグリップハンドル26内で入力センサ39cに接続されており、トリガーレバー32の進退量が該入力センサ39cによって計測されてコントローラ27に供給される。トリガーレバー32は、指を当て、グリップハンドル26の方向(つまり、Z2方向)に向かって引き込む操作と、グリップハンドル26からZ1方向に押し出す操作とが可能に構成され、これにより、グリッパ60へと開閉指令を与えることができる。
なお、トリガーレバー32のY2方向に設けられたスイッチ36は、オルタネート式であって、該スイッチ36を操作することによりトリガーレバー32により所定の開閉状態とされたグリッパ60の状態、例えば、閉じ状態を保持しておくことができる。
接続部15が載置されるアクチュエータブロック30の上面30bにおいて、Z2方向の端部近傍には、接続部15の有無を検出する作業部検出手段107が設けられている。作業部検出手段107は、対向する位置に設けられた投光器であるLED107aと受光器であるフォトダイオード107bとからなるフォトインタラプタの構成とされており、該LED107aと該フォトダイオード107bとの間に接続部15の後端の遮光片109(図2参照)が挿入されて遮光することにより該接続部15が装着されたことを検出できる。LED107aとフォトダイオード107bは、X方向に対向する向きで且つ近接した位置に設けられている。
アクチュエータブロック30には、さらに作業部16の接続部15を保持する2つの独立した係合部210と、該接続部15の位置決め機能及び保持機構を有する3本のアライメントピン212a、212b及び212cとが設けられる。
2つの係合部210は、アクチュエータブロック30の左右側面(X1及びX2側面)で対称位置に設けられており、操作面204と、該操作面204からY1方向に延在するレバー206とを有する。レバー206はアクチュエータブロック30の上面よりもY1方向に向かってやや突出しており、先端内側がテーパ形状になっている。係合部210は、図示しない弾性部材によってレバー206が内側に向かう方向に弾性付勢されている。
アライメントピン212a〜212cは、嵌合孔202a〜202cに対向する位置で、アクチュエータブロック30の上面におけるZ1方向端の近傍に2本、Z2方向端の近傍に1本設けられ、それぞれY1方向に延在している。Z1方向端の近傍に2本のアライメントピン212a、212bがX方向に並んで設けられている。
このように、アライメントピン212a〜212cは3本設けられていることから、接続部15は3点で支持され、簡便且つ確実に位置決めを行うことができる。また、3本のアライメントピン212a〜212cは直線状配列ではないため、いずれの方向のねじれに対しても、接続部15を安定して保持することができる。アライメントピン212a〜212cは、このうち2本以上設けられていれば、接続部15は確実に位置決めがなされて、安定して保持される。この場合、Z方向に離間した2本を選択すると一層安定する。
接続部15を操作部14から取り外す場合には、アクチュエータブロック30の両側面に設けられたレバー206を押してそれぞれ外方に開くように傾動させ、該レバー206の楔部206aを、接続部15の両側面に設けられた係合片200から解放する。これにより接続部15を操作部14から上方(Y1方向)に引き抜き、取り外しが可能となる。アクチュエータブロック30の上面30bの3本のアライメントピン212が、回転部収納体250に設けられた嵌合孔202に嵌合することにより該接続部15を安定して保持可能である。
接続部15を操作部14に取り付ける場合には、3本のアライメントピン212がそれぞれ嵌合孔202に嵌合するように合わせて、接続部15を下方(Y2方向)に押し下げる。これにより、レバー206は一旦外方に拡がり、その後原位置に戻ることにより係合片200に係合して、接続が完了する。
操作部14の接続面30aには、接続された作業部16のID部104(図4参照)のQRコードを読み取ってコントローラ27に供給するカメラ106と、接続された作業部16のID部104を照明するための2つのLED105が設けられている。カメラ106は、作業部16のID部104を臨む位置に取り付けられており、該カメラ106の左右にLED105が設けられている。ここで、ID部104のID(識別符号)の読取器としては、カメラ106に代替してバーコードリーダー、バーコードスキャナを用いることができる。
操作部14は多くの電気部品が設けられていて、作業部16と比較してコスト高であるが長寿命である。
次に、作業部16について詳細に説明する。作業部16は、手技の終了後には操作部14から取り外されて洗浄することができ、さらには、作業部16だけを定期的に新しい物に交換して十分な信頼性を確保することができる。作業部16は弱電部品がなく廉価であり、しかも体腔22内で先端動作部12が動作をして負荷を受けることから機械的寿命や、蒸気及び熱の洗浄によるダメージ等を考慮して適度な時期に新しい物に交換することになっている。総合的な寿命を考慮して、製造者によって作業部16の使用制限回数が設定され、医療従事者は作業部16毎の使用回数のカウント及び管理を行い、基本的には使用制限回数に達したらその作業部16は規定の手順に基づいて処分する。
図1、図2及び図4に示すように、作業部16の接続部15は、樹脂のカバー37に覆われており、モータ40a〜40cに接続されて回転される駆動軸50a、50b、50c及びこれらの駆動軸50a〜50cの同軸上に設けられた従動軸53a、53b、53cをそれぞれ回転自在に保持している。駆動軸50a〜50c及び従動軸53a〜53cは、回転部収納体250に収納されている。
接続部15を構成する駆動軸50a〜50cのY2方向下端にはそれぞれ十字状の結合凸部51a、51b及び51cが設けられ、アクチュエータブロック30を構成するモータ40a〜40cの回転軸には十字状の結合凹部41a、41b及び41cが設けられている。結合凸部51a〜51cと結合凹部41a〜41cとは互いに係合可能であり、すなわち、アクチュエータブロック30に接続部15が装着された状態において、モータ40a〜40cの回転が駆動軸50a〜50cに対して確実に伝達される。これらの係合部は十字形状に限られない。
図4に示すように、接続部15における後端部近傍には、作業部16を個体識別することのできるID(識別符号)が付けられたID部104が設けられている。
ID部104には、作業部16毎に識別が可能なように異なる2次元バーコードであるQRコードが付けられている。ID部104のQRコードには、作業部16のそれぞれに対応した型式、仕様、シリアルナンバーの他、製造所、製造日、商品名等の各種情報が含まれる。
図5に示すように、連結シャフト48の先端部には先端方向に突出している一対の舌片部314が連結シャフト48の中心軸に対面して配設されている。この一対の舌片部314には、対抗する位置に軸孔316、316が設けられている。舌片部314の先端はそれぞれ円弧形状に形成されている。また、一対の舌片部314の対抗する内側面は平行な平面に形成されている。2つの軸孔316、316は中心軸を挟むように設けられている。
先端動作部12はY方向の第1回転軸Oyを中心にして、それよりも先の部分がヨー方向に回動するヨー軸機構に関する第1自由度と、Z方向の第2回転軸Orを中心にしてロール方向に回動するロール軸機構に関する第2自由度と、第3回転軸Ogを中心として先端のグリッパ60を開閉させる開閉軸機構に関する第3自由度とを有する合計3自由度の機構となっている。先端動作部12は、円筒端受動部300と、駆動機構部302と、グリッパ60とを有する。
図5、図6、図7及び図8を参照しながら、円筒端受動部300、駆動機構部302及びグリッパ60について詳細に説明する。
円筒端受動部300は、一対の舌片部314の間に設けられており、後述する動力伝達機構500の回転を駆動機構部302に伝達する部分である。円筒端受動部300は、軸孔316、316に挿入されるシャフト312とを有する。シャフト312は、軸孔316に対して、例えば圧入により固定される。シャフト312は第1回転軸Oyの軸上に配置される。
円筒端受動部300は、Y1方向からY2方向に向かって順に、シャフト312に対して回転自在に軸支される歯車体326と、主軸部材328と、歯車体330とを有する。
歯車体326は、筒体332と、該筒体332の上部に同心状に設けられた第1歯車334とを有する。第1歯車334は適度に薄い。
歯車体330は、歯車体326とほぼ同形状であって、該歯車体326に対して上下反転に配置されている。歯車体330は、筒体336と、該筒体336の下部に同心状に設けられた第2歯車338とを有する。筒体336は筒体332と略同径、同形状である。
主軸部材328は、シャフト312が挿通する筒体340と、Z1方向に設けられた環状座面342と、該環状座面342の中心からZ1方向に延在する支持バー344と、筒体340の側面に設けられた傘歯車345とを有する。傘歯車345は、筒体340におけるZ2方向側において約240°程度の範囲に設けられている。支持バー344は第2回転軸Orの軸上に配置される。支持バー344の先端部には雄ねじが設けられている。
主軸部材328は、後述する軸部材506の動作に伴って第1回転軸Oyを中心としたヨー方向に回転し、支持バー344をXZ平面上で揺動させることができる。
筒体340、歯車体326及び歯車体330は、シャフト312を軸として積層配置されており、一対の舌片部314の間にほぼ隙間なく設けられている。
次に、駆動機構部302は、駆動ベース350と、歯車リング352と、歯車付きピン354と、固定ナット356及び358と、カバー360とを有する。固定ナット356には、細い回転工具を挿入するための径方向の複数の細孔356aが設けられている。細孔356aの少なくとも1つは、径方向に露呈しており(図5参照)、カバー360等を取り外すことなく固定ナット356を回転させることができる。固定ナット358には、スパナ等の回転工具を係合可能な平行面358aが設けられている。
駆動ベース350は、支持バー344の基端部に回動自在に挿入される筒体364と、該筒体364の左右両端からZ1方向に向かって突出している一対の支持アーム366と、筒体364のZ2方向の面に設けられたフェイスギア368とを有する。各支持アーム366はグリッパ60を支持する部分であり、X方向に並んだ孔366aが設けられている。筒体364を支持バー344の基端部に挿入した後に、固定ナット356を支持バー344の先端の雄ねじに螺着させることにより、駆動ベース350は支持バー344を中心とした(つまり、第2回転軸Orを中心とした)ロール方向に、回動自在に軸支される。
フェイスギア368は第2歯車338に噛合し、駆動ベース350は筒体336の回転にともなって、第2回転軸Orを中心として回転可能である。
歯車リング352は薄い筒体であって、Z2方向の面に設けられたフェイスギア370と、Z1方向の面に設けられたフェイスギア372とを有する。歯車リング352は駆動ベース350の筒体364に嵌装され、該筒体364の周面に対して摺動回転自在となる。歯車リング352は、フェイスギア370が駆動ベース350のフェイスギア368よりもややZ1方向側の位置であって、第1歯車334に噛合する位置まで筒体364に嵌装される。フェイスギア370は第1歯車334に噛合し、歯車リング352は歯車体326の回転に伴って第2回転軸Orを中心として回転可能である。
歯車付きピン354は、フェイスギア372に噛合する第3歯車374と、該第3歯車374の中心からX1方向に延在するピン376とを有する。ピン376の先端部には雄ねじが設けられている。ピン376は2つの孔366aを通って雄ねじが反対側の支持アーム366から突出し、固定ナット358が螺着される。これにより、歯車付きピン354は、第3歯車374がフェイスギア372に噛合するとともに、支持アーム366に対して回動自在に軸支される。また、ピン376はグリッパ60の一部に係合するようにDカット形状となっている。
カバー360は、駆動機構部302における上記の各部品を保護するためのものであって、歯車リング352、第3歯車374は径方向に露呈されないように覆われる。カバー360は、Z2方向の短筒380と、該短筒380の左右両端からZ1方向に向かって突出している一対の耳片部382とを有する。耳片部382は、短筒380の周壁の一部が同径のままZ1方向に延在している形状である。カバー360の下部はカバー固定ピン362によってグリッパ60の一部に固定されている。カバー360は正面視で連結シャフト48と同径又は小径に設定されている。
このような駆動機構部302では、歯車体330の回転作用下に、第2歯車338からフェイスギア368に回転が伝達されて駆動ベース350及び該駆動ベース350に接続されるグリッパ60を第2回転軸Orを中心として回転させることができる。また、第1歯車334の回転作用下に、フェイスギア370、フェイスギア372及び第3歯車374を介してピン376に回転が伝達され、歯車付きピン354を回転させることができる。
次に、グリッパ60は、第1エンドエフェクタ部材390と、第2エンドエフェクタ部材392と、リンク394と、ピン396とを有する。ピン396は第3回転軸Ogの軸上に配置される。
第1エンドエフェクタ部材390は、左右に対向して設けられた一対のサイドウォール400と、サイドウォール400の先端部にそれぞれ設けられた孔400aと、サイドウォール400の後端部にそれぞれ設けられた孔400bと、サイドウォール400の先端下部からZ1に突出した第1グリッパ402と、サイドウォール400の後端下部に設けられたカバー固定部404とを有する。孔400aはピン396が、例えば圧入されるのに適した径に設定されている。第1グリッパ402はZ1方向に向かってやや幅狭となって、先端部が円弧状となる形状であり、Y1方向の全面には小さい錐上突起がほぼ隙間なく設けられている。
各サイドウォール400の先端部は円弧状に形成されており、後端部の両外側面には前記の支持アーム366が嵌り込む凹部400cが設けられている。第1グリッパ402とカバー固定部404との間には、第2エンドエフェクタ部材392の後端部に対する干渉を防止する孔390a(図8参照)が設けられている。カバー固定部404には、カバー固定ピン362が、例えば圧入される孔が設けられている。
第2エンドエフェクタ部材392は、ベース部410と、ベース部410の先端からZ1方向に延在する第2グリッパ412と、ベース部410の左右後端からZ2方向に延在する一対の耳片部414と、ベース部410の先端下部に設けられた軸支筒416とを有する。軸支筒416はピン396が挿入可能な程度の内径の孔416aを有している。ピン396が軸支筒416に挿入されて孔400aに対して、例えば圧入されることにより、第2エンドエフェクタ部材392は第3回転軸Ogを中心として揺動自在となる。第2グリッパ412は第1グリッパ402と同形状で上下反転に配置されており、第2エンドエフェクタ部材392が第3回転軸Ogを中心として回動したときに第1グリッパ402に対して当接し、湾曲針等を把持することができる。耳片部414にはそれぞれ長孔414aが設けられている。
リンク394は、一方の端部に設けられた孔420と、他方の端部に設けられて左右に突出する一対の係合部422とを有する。各係合部422は長孔414aに対して摺動可能に係合している。孔420はピン376が係合するに適したDカット形状に形成されており、該ピン376に対する位置決め機能及び回り止め機能を有する。ピン376が孔366a、孔400b及び420に挿入されるとともに、先端部に固定ナット358が螺着されることにより、リンク394はピン376を中心として揺動自在となる。
次に、作業部16において基端側の接続部15から先端動作部12へ動力を伝達する動力伝達機構500について説明する。
図5〜図8に示すように、動力伝達機構500は、連結シャフト48内に同芯状に設けられた第1円筒部材502と、第2円筒部材504と、軸部材506とを有する。軸部材506は、広義には円筒部材に含まれる。
軸部材506は連結シャフト48の軸中心に配置され、第2円筒部材504は軸部材506の周囲に設けられ、第1円筒部材502は、第2円筒部材504と連結シャフト48との間に設けられており、それぞれ軸中心に回転可能である。
これらの第1円筒部材502、第2円筒部材504及び軸部材506は、アルミニウム合金やステンレス鋼等の金属や、炭素繊維樹脂等の高強度の材質で形成され、しかもワイヤ等の細い線体と比較して断面積が大きく、高い剛性を有する。したがって、動力伝達機構500は、高い動力伝達効率、高い応答性、及び高寿命を実現できる。軸部材506は、軽量化のために中空構造にしてもよい。
第1円筒部材502の先端部には、歯車体326の第1歯車334に対してZ2方向側で噛合するフェイスギア508が設けられている。第2円筒部材504の先端部には、歯車体330の第2歯車338に対してZ2方向側で噛合するフェイスギア510が設けられている。軸部材506の先端部には、傘歯車345に対して90°交差する向きで噛合する傘歯車512が設けられている。動力伝達機構500の最も外周側の第1円筒部材502は、連結シャフト48に対して滑り軸受514によって支持されている。
連結シャフト48と第1円筒部材502との間にはOリング(シール部材)516が設けられ、第1円筒部材502と第2円筒部材504との間にはOリング518が設けられ、第2円筒部材504と軸部材506との間にはOリング520が設けられており、体腔22内の血液及び体液等が連結シャフト48に進入することを防止できるとともに、気密構造により体腔22内の圧力を保持できる。Oリング516、518、520は滑り軸受514よりも先端側に設けられており、滑り軸受514の摺動面に異物や固化した体液が噛み込むことがない。
図9及び図10に示すように、接続部15の回転部収納体250内で、第1円筒部材502の基端部には環状の傘歯車522が設けられ、第2円筒部材504の基端部には環状の傘歯車524が設けられ、軸部材506の基端部には傘歯車526が設けられている。
駆動軸50a〜50c及び従動軸53a〜53cは、それぞれ回転部収納体250に対して軸受528で軸支されるとともに、Oリング530によってシールされている。動力伝達機構500の最も外周側の第1円筒部材502は、回転部収納体250に対して滑り軸受532によって支持されるとともに、Oリング534によってシールされている。Oリング534は滑り軸受532よりも先端側に設けられており、モータ40a〜40cによって発生しうる曲げ荷重等がOリング534に加わることがない。
また、第1円筒部材502及び動力伝達機構500は、先端側と基端側で滑り軸受514及び532によって軸支されており、安定した回転が可能である。滑り軸受514及び532によれば簡便且つ廉価に動力伝達機構500を支持することができる。
駆動軸50a、50b及び50cのY1方向端部には、駆動傘歯車536a、536b及び536cが設けられ、従動軸53a、53b及び53cのY2方向端部には、従動傘歯車538a、538b及び538cが設けられている。駆動傘歯車536a〜536cと従動傘歯車538a〜538cは対向する位置に設けられている。
軸部材506、第2円筒部材504及び第1円筒部材502は、Z方向に関して、順に、駆動軸50a、50b及び50cの軸中心よりやや先端よりの位置まで延在している。傘歯車526は、互いに対向する駆動傘歯車536a及び従動傘歯車538aに対して90°交差する向きで噛合して、軸部材506が支持されている。傘歯車524は、互いに対向する駆動傘歯車536b及び従動傘歯車538bに対して90°交差する向きで噛合して、第2円筒部材504が支持されている。傘歯車522は、互いに対向する駆動傘歯車536c及び従動傘歯車538cに対して90°交差する向きで噛合して、第1円筒部材502が支持されている。
このように、第1円筒部材502、第2円筒部材504及び軸部材506は駆動傘歯車536a〜536cと従動傘歯車538a〜538cによってY1方向及びY2方向を支持されていることからバランスがよく、滑り軸受532に偏荷重がかからない。また、駆動傘歯車536a〜536cと傘歯車522、524及び526との接触部の面圧を適度に高めることができ、動力が確実に伝達される。
さらに、動力伝達機構500は、モータ40a〜40cから傘歯車機構(つまり、傘歯車522、524、526、駆動傘歯車536a〜536c及び従動傘歯車538a〜538c)を介して駆動されることから、モータ40a〜40cの配置の自由度が高まる。傘歯車機構は、角度変換が必ずしも90°でなく、設計条件によって任意の角度に設定可能である。角度変換が90°であると、駆動傘歯車536a〜536cと従動傘歯車538a〜538cが対向する向きとなって動力伝達機構500を支持しやすい。
次に、このように構成される医療用マニピュレータ10の動作について説明する。
操作者が、手技に応じて操作部14のトリガーレバー32及び複合入力部34等の操作を行うと、コントローラ27ではこれらの操作信号を読み取り、ヨー軸、ロール軸及びグリッパ軸の目標角度を求め、先端動作部12の各機構がこれに応じた角度となるようにモータ40a〜40cの角度制御を行う。
開閉軸としてのグリッパ60を開閉させる場合には、モータ40cの回転作用下に第1円筒部材502、第1歯車334、歯車リング352を介して第3歯車374を駆動させる。
グリッパ60やはさみ等の開閉機構は、実作業を行う部分であって比較的大きい力が要求される場合があるが、第1円筒部材502を介して駆動されることから高い動力伝達効率によって大きい力を発生させることができる。
ロール軸の回転をさせる場合には、モータ40bの回転作用下に第2円筒部材504、第2歯車338を介して駆動ベース350を駆動させるとともに、グリッパ60の動作干渉を相殺するようにモータ40cを協働させる。
このように、同芯状の第1円筒部材502及び第2円筒部材504と、これらに対応した第1歯車334、第2歯車338が設けられていることから、それぞれが協働してロール軸の動作とその先のグリッパ60の動作をさせることができる。
このとき、第2円筒部材504は回転の制限がないことから、ロール軸をエンドレスに回転させることができるとともに、第1円筒部材502は回転の制限がないことからロール軸動作に合わせてグリッパ60の動作干渉を無制限に相殺させることができる。
ヨー軸を動作させる場合には、モータ40aの回転作用下に軸部材506を介して傘歯車345を駆動して主軸部材328を揺動させるとともに、グリッパ60及びヨー軸の動作干渉を相殺するようにモータ40a及び40cを協働させる。
理解を容易にするために、グリッパ60、ロール軸及びヨー軸の単独動作について説明をしたが、同時複合的な動作が可能であることはもちろんである。
上述したように、本実施の形態に係る医療用マニピュレータ10によれば、動力伝達機構500の同芯状の第1円筒部材502及び第2円筒部材504によって、ロール軸をエンドレスに回転させることができるとともに、その先のグリッパ60の動作干渉を相殺させることができる。
また、動力伝達機構500の第1円筒部材502、第2円筒部材504及び軸部材506は、ワイヤ等の細い線体と比較して断面積が大きく、高い剛性を有することから、伸びや捩れがほとんどなく、高い動力伝達効率、高い応答性、及び高寿命を実現できる。
さらに、第1円筒部材502及び第2円筒部材504の内腔に軸部材506を有することで、ロール軸よりも基端側に設けられたヨー軸を駆動させることができる。
軸部材506からヨー軸の主軸部材328に回転を伝達する機構は傘歯車機構に限らず、例えば図11に示すようにウォーム・ホイール機構540を介してもよい。設計条件によっては、ヨー軸の主軸部材328を駆動するのは前記の特許文献1及び特許文献2記載のようにプーリ・ワイヤ機構を用いてもよい。
モータ40a〜40cの回転を動力伝達機構500の基端側に伝達する機構は傘歯車機構に限らず、例えば図12に示すように、モータ40a〜40cをY方向に向けて配列し、第1円筒部材502、第2円筒部材504及び軸部材506に対して直接的に接続し、又は平歯車等を介して接続してもよい。
図示を省略するが、仮に、先端動作部12がヨー軸とロール軸の2軸構成である場合(例えば、グリッパのない電気メスブレード型の場合)には、モータ40c及びこれに連動する第1円筒部材502、第1歯車334、歯車リング352等を省略してもよい。すなわち、2以上でN軸構成の先端動作部12を有する医療用マニピュレータ10に対して、アクチュエータブロック30にはN個のモータを備えていればよい。この場合、N軸にロール軸を含んでいて、該ロール軸をエンドレスに回転させるためには、ロール軸を含みその先の軸数以上の円筒部材を動力伝達機構500に備えていればよい。
また、ロール軸の有無に関わらず、各軸に高い動力伝達効率を与えるためには、Nと同じ数だけの円筒部材(軸部材を含む。)を動力伝達機構500に備えていればよい。上記の各傘歯車の歯筋は直線状に限らず、例えばはすば状であってもよい。
上記の各実施形態は、例えば図13に示すような医療用ロボットシステム700に適用してもよい。
医療用ロボットシステム700は、多関節型のロボットアーム702と、コンソール704とを有し、作業部706はロボットアーム702の先端に接続されている。ロボットアーム702の先端には前記の医療用マニピュレータ10と同様な機構を有するマニピュレータ708が設けられている。ロボットアーム702は、作業部706を移動させる手段であればよく、据置型に限らず、例えば自律移動型でもよい。コンソール704は、テーブル型、制御盤型等の構成を採りうる。
ロボットアーム702は、独立的な6以上の関節(回転軸やスライド軸等)を有すると、作業部706の位置及び向きを任意に設定できて好適である。先端のマニピュレータ708は、ロボットアーム702の先端部710と一体化している。マニピュレータ708は、前記のアクチュエータブロック30(図1参照)の代わりに、基端側が前記先端部710に連結されると共に、内部にモータ40a、40b及び40cを収納したアクチュエータブロック712を有する。
ロボットアーム702は、コンソール704の作用下に動作し、プログラムによる自動動作や、コンソール704に設けられたジョイスティック714に倣った操作、及びこれらの複合的な動作をする構成にしてもよい。コンソール704は、前記のコントローラ27(図1参照)の機能を含んでいる。作業部706には、前記の先端動作部12が設けられている。
コンソール704には、操作指令部としての2つのジョイスティック714と、モニタ716が設けられている。図示を省略するが、2つのジョイスティック714により、2台のロボットアーム702を個別に操作が可能である。2つのジョイスティック714は、両手で操作しやすい位置に設けられている。モニタ716には、内視鏡による画像等の情報が表示される。
ジョイスティック714は、上下動作、左右動作、捻り動作、及び傾動動作が可能であり、これらの動作に応じてロボットアーム702を動かすことができる。ジョイスティック714はマスターアームであってもよい。ロボットアーム702とコンソール704との間の通信手段は、有線、無線、ネットワーク又はこれらの組合わせでよい。
本発明に係る医療用マニピュレータは、上述の実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
本実施の形態に係る医療用マニピュレータの斜視図である。 作業部と操作部とを分離した医療用マニピュレータの側面図である。 操作部の斜視図である。 接続部の一部断面斜視図である。 先端動作部の斜視図である。 先端動作部の分解斜視図である。 先端動作部の断面側面図である。 先端動作部の断面平面図である。 接続部の断面側面図である。 動力伝達機構の基端側の斜視図である。 ウォーム・ホイール機構を用いた変形例に係る先端動作部の模式断面平面図である。 モータをZ方向に向けて配列した変形例に係るアクチュエータブロック及び接続部の模式断面側面図である。 マニピュレータをロボットアームの先端に接続した医療用ロボットシステムの斜視図である。
符号の説明
10…医療用マニピュレータ 12…先端動作部
14…操作部 15…接続部
16…作業部 30、712…アクチュエータブロック
40a〜40c…モータ 48…連結シャフト
50a〜50c…駆動軸 53a〜53c…従動軸
60…グリッパ 250…回転部収納体
345、512、522、524、526…傘歯車
350…駆動ベース
368、370、372、508、510…フェイスギア
500…動力伝達機構 502…第1円筒部材
504…第2円筒部材 506…軸部材(円筒部材)
514、532…滑り軸受
516、518、520、530、534…Oリング(シール部材)
528…軸受 536a〜536c…駆動傘歯車
538a〜538c…従動傘歯車 540…ウォーム・ホイール機構
700…医療用ロボットシステム

Claims (8)

  1. 2以上でN個のモータを備えるアクチュエータ部と、
    該アクチュエータ部に対して接続部により着脱自在な作業部と、
    を有する医療用マニピュレータであって、
    前記作業部は、前記接続部から延在する中空の連結シャフトと、
    前記連結シャフトの先端部で、前記モータによって駆動され、軸中心に回転するロール軸を含むN軸構成の先端動作部と、
    前記連結シャフト内に設けられ、前記モータによって回転され、前記ロール軸を含みその先の軸数以上の円筒部材と、
    を有し、
    前記ロール軸及びその先の軸が前記円筒部材によって駆動されることを特徴とする医療用マニピュレータ。
  2. 請求項1記載の医療用マニピュレータにおいて、
    前記円筒部材は同芯状に2つ設けられ、
    前記円筒部材に対応して2つのギアが設けられ、
    前記先端動作部は、前記ロール軸よりも先端側に設けられた開閉軸を有し、
    前記2つの円筒部材及び2つの前記ギアが協働して前記ロール軸及び前記開閉軸を動作させることを特徴とする医療用マニピュレータ。
  3. 請求項1記載の医療用マニピュレータにおいて、
    前記円筒部材の内腔に設けられ、前記モータによって回転される軸部材を有し、
    前記先端動作部は、前記ロール軸よりも基端側に設けられたヨー軸を有し、
    前記軸部材の回転によって前記ヨー軸を駆動することを特徴とする医療用マニピュレータ。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の医療用マニピュレータにおいて、
    前記円筒部材には、内面側及び外面側にそれぞれシール部材が設けられていることを特徴とする医療用マニピュレータ。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の医療用マニピュレータにおいて、
    前記接続部で、前記円筒部材は、前記モータから傘歯車機構を介して駆動されることを特徴とする医療用マニピュレータ。
  6. 請求項5記載の医療用マニピュレータにおいて、
    前記接続部で、前記円筒部材は、前記モータによって駆動される駆動傘歯車と、該駆動傘歯車に対向する位置に設けられた従動傘歯車とによって支持されていることを特徴とする医療用マニピュレータ。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の医療用マニピュレータにおいて、
    前記円筒部材の最も外周側のものは、滑り軸受によって支持されていることを特徴とする医療用マニピュレータ。
  8. 2以上でN個のモータを備えるアクチュエータ部と、
    該アクチュエータ部に対して接続部により着脱自在な作業部と、
    を有する医療用マニピュレータであって、
    前記作業部は、前記接続部から延在する中空の連結シャフトと、
    前記連結シャフト内で同芯状に設けられ、前記モータによって回転されるN本の円筒部材と、
    前記連結シャフトの先端部で、前記円筒部材の回転によってそれぞれ駆動されるギアと、
    前記ギアによって動作するN軸構成の先端動作部と、
    を有することを特徴とする医療用マニピュレータ。
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