JP4245306B2 - 生分解性ポリエステル延伸成形体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、生分解性ポリエステルを主体とする延伸成形体及び、その製造方法に関する。更に詳しくは、生分解性ポリエステルを主体とする、耐熱性、透明性に優れ、包装材用途に好適な延伸成形体及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
食品や医薬品などの包装は、その内容物の輸送や分配の作業を容易にするものであると同時に、品質維持が特に重要な役割である。従って、包装材には、品質維持性能の高さが要求される。具体的には、長期保存時に内容物を保護する性能として、衝撃や突き刺しなどの外力に対する機械的強度や、外気酸素による内容物の酸化劣化や内容物の水分蒸発による劣化に対するガスバリア性、包装材自体が保存時や使用時に変性や変形しない耐油性や耐熱性などの安定性、包装材自体からの有害物質、異味、異臭の移行がない衛生性などが挙げられる。
また、包装材の要求特性としては、内容物の認識し易さや、購入者の購買意欲を促すディスプレイ効果により商品価値を高めるために、透明性も重要な因子である。
【0003】
従来から、これら包装材用途には、加工時や利用時の利便性からプラスチック製品が使用されていた。しかし、現在の消費社会では、その使用量は年々増加の一途をたどっており、同時にプラスチック廃棄物問題は年々深刻化している。プラスチック廃棄物は、多くは焼却や埋め立てにより処分されているが、近年は環境保全の観点から、回収して再びプラスチック製品の原料として用いるマテリアルリサイクルが提唱されている。
【0004】
しかし、上述のとおり、プラスチック製品の包装材としての要求性能は多岐にわたり、単一種類のプラスチックのみではこれら全ての要求を満たすことが出来ず、例えば多層化してガスバリア性フィルムや成形容器にするなど、一般に数種類のプラスチックを組み合わせて用いられている。この様な包装材は、各種樹脂への分別が非常に困難であり、コスト面などを考慮するとマテリアルリサイクルは不可能である。
【0005】
これに対し、例えば、特開平10−60136号公報には、融点が150℃以上、融解熱ΔHmが20J/g以上、無配向結晶化物の密度が1.50g/cm3以上である特定のポリグリコール酸を含有する熱可塑性樹脂材料を、融点〜255℃の温度範囲で溶融成形し、ガラス転移温度〜結晶化温度の温度範囲で少なくとも一軸方向に延伸したポリグリコール酸配向フィルムが開示され、土中崩壊性を示し、且つ強靭性やバリア性に優れる包材として使用することが出来るとの記載もある。
【0006】
しかしながら、上記特開平10−60136号公報に記載のポリグリコール酸配向フィルムは、溶融成形時の加熱温度を255℃までの高い温度範囲に規定しているが、非晶シートを試験片として加熱速度10℃/分で示差走査熱量測定した場合の融解熱ΔHmが20J/g以上、無配向結晶化物の密度が1.50g/cm3以上である非常に結晶性が高いポリグリコール酸を含有する熱可塑性樹脂材料から形成されることから、ポリグリコール酸の高度な結晶を十分融解させる為に融点よりもかなり高い温度に設定しなければならない。ポリグリコール酸は、熱重量分析による重量減少を測定すると240℃から熱分解が始まる(K.Chujo,et al.,Die Makromolekulare Chemie,No.100,P.267(1967))にも係わらず、該公報に規定される255℃までの高い温度範囲の加熱温度で溶融成形する場合には、ポリマーが熱劣化して、溶融粘度が著しく低下し溶融成形が困難になったり、褐色に着色して得られる配向フィルムが不衛生な印象を与えるようになるという問題があった。
【0007】
又、ポリグリコール酸の熱分解に関する上記問題点を避ける為に溶融成形温度を低する場合には、上記特開平10−60136号公報に記載のポリグリコール酸配向フィルムは、非常に結晶性が高いポリグリコール酸を含有する熱可塑性樹脂材料を用いていることから、延伸に供するシート状物もしくはチューブ状物の製造工程においては非常に煩雑な急冷操作が必要になったり、延伸工程においては非常に高度な結晶化が起こって破断し易くなり延伸操作が非常に煩雑になったり、破断しなかったとしても延伸時の加熱操作で白化して本発明の比較例3に記載したように耐熱性は優れるが透明性が極度に劣るものであった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、生分解性を有し、且つ耐熱性、透明性に優れた包装材用途に好適な生分解性ポリエステル延伸成形体、及び該延伸成形体を容易に製造する方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を達成する為に鋭意検討した結果、特定範囲の融点を有する、生分解性ポリエステルを主体とする成形材料を、適度な量の結晶が残存するような特定の温度範囲に加熱しながら溶融成形し、その後延伸することによって、生分解性を有し、耐熱性に優れ、且つヘーズ(JIS K7105準拠)が5%以下の、透明性に優れた包装材用途に好適な生分解性ポリエステル延伸成形体を容易に製造することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
即ち、本発明は、
[1] 生分解性グリコール酸系重合体を主体とし、加熱速度10℃/分で示差走査熱量測定(JIS K7121準拠)した際に求められる融点Tm(℃)が下式(1)の範囲にある成形材料を用いて、溶融成形時の加熱温度Tf(℃)がJIS K7122に記載されている融解ピークでDSC曲線がベースラインに戻る点をTn(℃)として下式(2)の範囲にある温度で溶融成形し、且つ溶融成形物を試験片として加熱速度10℃/分で示差走査熱量測定(JIS K7122準拠)した際に求められる冷結晶化熱ΔHc(J/g)、及び融解熱ΔHm(J/g)が下式(3)〜(4)を満す溶融成形物を加熱しながら、延伸温度は延伸に供する溶融成形物のガラス転移温度〜(冷結晶化温度+30℃)の温度範囲、延伸速度は10〜200000%/分の範囲、延伸倍率は少なくとも一軸方向に面積倍率で2〜50倍の範囲から選ばれる延伸条件で延伸することを特徴とする生分解性ポリエステル延伸成形体の製造方法、
式(1)175≦Tm≦205
式(2)Tm<Tf<Tn
式(3)−50≦ΔHc≦−15
式(4)1≦(ΔHm+ΔHc)≦20
である。
【0011】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の生分解性ポリエステル延伸成形体は、特定範囲の融点を有する生分解性ポリエステルを主体とする成形材料を、特定範囲の加熱温度で溶融成形することで得られた溶融成形物の冷結晶化熱、及びその融解熱と冷結晶化熱との和を、各々得られた溶融成形物の結晶化能力、及びその結晶化度の指標として、特定範囲とすることを特徴とする製造方法によって得られるものである。該製造方法によって得られる溶融成形物は、適度な結晶残存量を有することから、適度な結晶化能力を有しており、延伸中に過度に結晶化することなく、容易に所望の延伸倍率まで破断せずに延伸できる。更に得られる生分解性ポリエステル延伸成形体は、白化せずに透明性が非常に優れ、且つ適度に結晶化していることから耐熱性にも優れるものである。
【0012】
本発明の生分解性ポリエステル延伸成形体は、生分解性ポリエステルを主体とする。
生分解性ポリエステルとしては、一般に、例えばグリコール酸、乳酸、2−ヒドロキシイソ酪酸などを含む2−ヒドロキシ−2,2−ジアルキル酢酸類、3−ヒドロキシ酪酸、3−ヒドロキシ吉草酸、3−ヒドロキシヘキサン酸、4−ヒドロキシブタン酸などを含む脂肪族ヒドロキシカルボン酸類、及びその他公知のヒドロキシカルボン酸類の単量体を用いての直接脱水重縮合、例えばグリコール酸メチルなどを含むこれらヒドロキシカルボン酸類のエステル誘導体を用いての脱アルコール重縮合、これらヒドロキシカルボン酸類の同種、異種の環状二量体である、例えばグリコリド(1,4−ジオキサ−2,5−ジオン)、ラクチド(3,6−ジメチル−1,4−ジオキサ−2,5−ジオン)などを用いての開環重合、若しくはβ−ブチロラクトン、β−プロピオラクトン、ピバロラクトン、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、β−メチル−δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトンなどを含むラクトン類の単量体を用いての開環重合などにより得られる単独重合体、又はこれらより任意に選択した二種以上から得られる共重合体であるポリヒドロキシカルボン酸類、ポリラクトン類、及びこれらヒドロキシカルボン酸類やその環状二量体とラクトン類の共重合体であるポリ(ヒドロキシカルボン酸−コ−ラクトン)類、等モル量の多価アルコール類と多価カルボン酸類の組み合わせであって、多価アルコール類として、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサノール、1,4−シクロヘキサノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどの脂肪族ジオール、若しくはこれら脂肪族ジオールが複数結合した、例えばジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコールなどと、多価カルボン酸として、例えばマロン酸、コハク酸、グルタル酸、2,2−ジメチルグルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、ジグリコール酸などの脂肪族ジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、1,4−ナフタリンジカルボン酸、2,6−ナフタリンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、これら脂肪族ジカルボン酸や芳香族ジカルボン酸のエステル誘導体、これら脂肪族ジカルボン酸の無水物などとから得られる多価アルコール類と多価カルボン酸が各々一種ずつの単独重合体、多価アルコール類と多価カルボン酸のうち何れか一方が一種で他方が任意に選択した二種以上から得られる共重合体、又は多価アルコール類と多価カルボン酸の各々が任意に選択した二種以上から得られる共重合体である脂肪族ポリエステル類が挙げられる。
【0013】
更に上記ヒドロキシカルボン酸類などと多価アルコール類の組合せであって、例えば1,4−ジオキサ−2−オンなどを含むエステルとエーテル単位を有する環状化合物を用いての開環重合により得られるポリ(エステル−エーテル)類、上記ヒドロキシカルボン酸類などと多価アルコール類と多価カルボン酸類の組合せにより得られるポリエステル類、若しくは上記の化学合成ポリエステルの他に、ポリ(3−ヒドロキシブチラート)、ポリ(3−ヒドロキシブチラート−コ−3−ヒドロキシバレレート)、ポリ(3−ヒドロキシブチラート−コ−4−ヒドロキシブチラート)、その他炭素数が12程度より少ないヒドロキシアルカン酸を単量体単位とした単独重合体、又は共重合体などの、微生物により合成される微生物生産ポリエステル類などのうち、生分解性ブラスチックの規格、例えば日本における生分解性プラスチック研究会が定める規格、米国におけるASTM D−6400、ドイツにおけるDIN V−54900などに適合するものが挙げられる。
【0014】
これらの生分解性ポリエステルは、共重合体の場合は、その配列は特に限定されるものではなく、ランダム共重合体、交互共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体などの何れでも良く、その共重合組成割合は特に限定されるものではなく、構成する単量体の二種以上を任意の割合で共重合させた共重合体である。更に、上記の単量体などが光学活性物質である場合には、L−体またはD−体の何れであってもよいし、D,L−体の混合割合が任意の混合組成物、D,L−体の共重合割合が任意の共重合体、或いはメソ体の何れであってもよい。
【0015】
本発明において生分解性ポリエステルを主体とする延伸成形体とは、上記、例示した生分解性ポリエステルを50wt%より多く含有するものである。
該延伸成形体の主体となる生分解性ポリエステルとしては、例えばグリコール酸系重合体、光学純度の高いポリ乳酸、乳酸系重合体のステレオコンプレックスなどを含む脂肪族ヒドロキシカルボン酸系重合体、コモノマーとしてテレフタル酸などを含む芳香族変性脂肪族ポリエステルなどが好まし例として挙げられる。これらのうち、本発明で用いる生分解性ポリエステルとしてより好ましい生分解性ポリエステルは、脂肪族ヒドロキシカルボン酸系重合体であり、なかでも包装材として利用する延伸成形体に耐熱性を付与するために比較的融点が高く、且つガスバリア性に優れるグリコール酸系重合体が最も好ましい生分解性ポリエステルである。
【0016】
上記グリコール酸系重合体とは、主たる単量体単位がグリコール酸である重合体をいい、グリコール酸の環状二量体であるグリコリド(1,4−ジオキサ−2,5−ジオン)を用いての開環重合、又はグリコール酸を用いての直接脱水重縮合、例えばグリコール酸メチルなどのグリコール酸エステル類を用いて脱アルコールしながらの重縮合などにより得られる重合体である。
該グリコール酸系重合体の製造方法は、従来公知の一般的な方法で行われ、例えば主たる単量体にグリコリドを用い開環重合してグリコール酸系重合体を得るには、Gildingらの方法(Polymer,vol.20,December(1979))などが挙げられるが、これに限定されるものではない。該重合体は、結晶化の進行度合いをより制御し易くする為に、単量体単位がグリコール酸とグリコール酸以外、例えば乳酸などよりなる共重合体であることが望ましく、例えば単量体単位としてグリコール酸の成分割合が78〜90mol%と乳酸の成分割合が22〜10mol%、好ましくは、グリコール酸の成分割合が80〜88mol%と乳酸の成分割合が20〜12mol%である開環重合により得られたグリコール酸−乳酸共重合体が挙げられ、これらグリコール酸系重合体を試験片として加熱速度10℃/分で示差走査熱量測定(JIS K7121準拠)した際に求められる融点は175〜205℃、好ましくは180〜200℃である。
【0017】
これら本発明で用いる生分解性ポリエステルは、包装材として利用する延伸成形体に耐熱性を付与する為に、加熱速度10℃/分で示差走査熱量測定(JISK7121準拠)した際に求められる融点が175℃以上であることが望ましいが、結晶構造を制御して溶融成形に供する成形材料としての融点が175℃以上となる場合には該ポリエステルの融点が175℃以下であっても良い。
また、本発明で用いる生分解性ポリエステルは、包装材として利用する延伸成形体に外力などに対する機械的強度を付与し、延伸成形体を厚み精度良く、且つより容易に得る為には、分子量は重量平均分子量で表すと5×104以上であることが望ましく、より望ましくは1×105以上である。分子量の上限は、可塑剤などの添加により溶融流動性を調節すれば良く特に限定されるものではないが、重量平均分子量で表すと8×105以下に留めることが望ましい。
【0018】
本発明の生分解性ポリエステル延伸成形体は、該延伸成形体をサンプルとしてJIS K7105に準拠して測定したヘーズが5%以下、好ましくは2%以下であれば透明性が優れて内容物の視認性に優れるものとなる。該ヘーズが5%を越えると、延伸成形体は白化しており視認性が劣るものとなる。又、該ヘーズ値の下限は、特に限定されるものではないが、延伸成形体を高い生産性でより容易に製造する為には、0.01%以上であることが望ましい。
【0019】
本発明の生分解性ポリエステル延伸成形体は、該延伸成形体をサンプルとして後述する耐熱性の評価方法で測定した耐熱温度が165℃以上である場合、好ましくは180℃以上である場合に、耐熱性が優れるものとなる。該耐熱温度が165℃未満である場合には、延伸成形体は耐熱性が劣り用途が限定されるものとなる。又、該耐熱温度の上限は、特に限定されるものではないが、延伸成形体を高い生産性でより容易に製造する為には、205℃以下であることが望ましい。
本発明でいう延伸成形体とは、主として延伸フィルム及び延伸シートを指す。本発明において、フィルムとシートの区別は、単に厚みの違いによって異なる呼称を用いているものであり、フィルムとシートを総称して成形体と称する。
【0020】
本発明の生分解性ポリエステル延伸成形体は、耐熱性を発現するためには結晶化度が5%以上であることが望ましく、より望ましくは7%以上である。該延伸成形体の結晶化度の上限は、該延伸成形体の透明性が優れ、ヘイズが5%以下、好ましくは2%以下であれば特に限定されるものではないが、より透明性を高めるためには結晶化度は60%以下に留めることが望ましい。尚、結晶化度は、後述する式(5)により求めることができる。
本発明における成形体の厚みは、その包装材としての用途により適宜選ばれ、通常は延伸フィルムでは0.5〜100μm程度、延伸シートでは0.1〜2mm程度であるが特に限定されるものではない。
【0021】
以下、本発明の生分解性ポリエステル延伸成形体の製造方法を説明する。
本発明の生分解性ポリエステル延伸成形体の製造方法は、特定範囲の融点を有する生分解性ポリエステルを主体とする成形材料を、特定範囲の加熱温度で溶融成形し、且つ得られた溶融成形物の冷結晶化熱、及びその融解熱と冷結晶化熱との和を、各々得られた溶融成形物の結晶化能力、及びその結晶化度の指標として、特定範囲とすることを特徴としている。本発明の製造方法によれば、適度な結晶残存量を有する溶融成形物は、適度な結晶化能力を有しており、延伸中に過度に結晶化することなく、容易に所望の延伸倍率まで破断せずに延伸できる。更に得られる生分解性ポリエステル延伸成形体は、白化せずに透明性が非常に優れ、且つ適度に結晶化していることから耐熱性にも優れるものである。尚、本発明でいう加熱温度Tfとは溶融成形時の成形材料の温度を指すが、例えば溶融プレス成形法などの成形材料に掛かるせん断力が比較的小さい溶融成形方法の場合には、成形材料の温度は熱プレス成形装置の設定温度と同等の温度に加熱されるので、該設定温度を加熱温度Tfにすることとする。また、例えば溶融押出法などの成形材料に掛かるせん断力が比較的大きい溶融成形方法の場合には、成形材料は混練による摩擦発熱などの影響により押出成形装置の設定温度より高い温度に加熱されることもあるので、成形材料自体の温度が加熱温度Tfになるようにすることとする。
【0022】
本発明でいう延伸成形体とは、主として延伸フィルム及び延伸シートを指すが、延伸ブロー成形体も、その溶融成形物であるプリフォームを、特定範囲の融点を有する生分解性ポリエステルを主体とする成形材料を用いて、特定範囲の加熱温度で溶融成形し、且つ特定範囲の冷結晶化熱と融解熱とし、その後ブロー成形することにより、本発明の製造方法を適用してもよいものとする。
【0023】
本発明は、プラスチック成形体の成膜加工において、延伸に供する溶融成形物の製造条件とその結晶化特性について鋭意検討した結果、プラスチックの結晶化という自然現象を利用して、下式(1)に特定する範囲の融点を有する、生分解性ポリエステルを主体とする成形材料を、下式(2)に特定する温度範囲で溶融成形し、且つ得られる溶融成形物が下式(3)〜(4)に特定する結晶化特性を有する場合に限って、従来技術とは格別に、延伸成形体の結晶構造を制御できることを見出したことに基づくものである。
式(1)175≦Tm≦205
式(2)Tm<Tf<Tn
式(3)−50≦ΔHc≦−20
式(4)1≦(ΔHm+ΔHc)≦20
【0024】
本発明における結晶化は、熱力学的非平衡状態にある、いわゆるガラス状態を部分的に有する溶融成形物を加熱する際に起こる結晶化現象で、慣用的に冷結晶化と呼ばれている現象である。結晶化能力を把握する数値としては、具体的には冷結晶化熱を求めることで可能である。本発明者は、延伸時に溶融成形物を加熱しながら延伸するという状況において、試料があとどれくらい結晶化できるのかという量的な目安としては、示差走査熱量測定を用いた等速昇温過程での冷結晶化熱を測定することにより把握できることを見出した。一般に、結晶化するときの速度の目安として、示差走査熱量測定を用いた等速冷却および等速昇温過程での結晶化温度の測定は比較的よく行なわれている(日本分析化学会編、新版 高分子分析ハンドブック、p.339、紀伊国屋書店(1995))。
【0025】
一方、結晶化度を把握する数値としては、具体的には融解熱と冷結晶化熱との和を求めることで可能である。一般に、熱分析で結晶化度Xc(%)を求めるには、結晶と非晶のエンタルピーの加成性を仮定した下記式(5)を用いる(日本分析化学会編、新版 高分子分析ハンドブック、p.340、紀伊国屋書店(1995))。
式(5)Xc=ΔHm/ΔHf×100
【0026】
即ち、結晶化度Xc(%)は、理論融解熱ΔHf(J/g)に対する試験片の融解熱ΔHm(J/g)の比から求めることができる。通常、理論融解熱ΔHfは、J.Brandrup,et al.,POLYMER HANDBOOK,3rd ed.,John Wiley & sons(1989)などの文献に記載の値を用いるが、厳密には求まり難くいので、上式(5)は大まかな結晶化度の値を知りたいときに利用されている。また、融解熱ΔHmは、示差走査熱量測定の昇温過程において結晶化が起こり、その増分が加わる場合がある。この場合は、例えば松本らが結晶化に伴う発熱量と結晶融解に伴う吸熱量が等しいので非晶であるとしている(松本ら、材料、Vol.43、No.495、p.1521(1994))様に、融解熱量(吸熱現象なので正の値)から冷結晶化熱量(発熱現象なので負の値)の絶対値を差し引くことにより、試料の本来の融解熱を算出することができる。従って、結晶化度の目安としては、単に試験片の結晶融解熱ΔHmと冷結晶化熱ΔHcとの和を測定することにより把握できる。
【0027】
式(5)の試験片の融解熱は、延伸成形体を試験片として示差走査熱量測定(JIS K7122準拠)して求めることができ、式(5)の理論融解熱は、前述の文献に記載の値などを用いる。ここで、延伸成形体が共重合体や混合物よりなる場合、或いは多層状である場合には、該延伸成形体を製造する際に供した溶融成形物の融解熱の採用基準と同じ基準で融解熱を採用し、理論融解熱は基材となる生分解性ポリエステルのうち構成する単量体単位が最も多いものの単独重合体の値を採用して結晶化度を求めるものとする。
【0028】
図1は、成形材料を溶融成形する時の加熱温度によって、得られた溶融成形物の結晶化度が異なり、それに伴って得られた溶融成形物の結晶化能力が異なることを示す実験図である。該図は、横軸に溶融成形時の加熱温度Tf(℃)、左縦軸に溶融成形物の結晶化度の目安である融解熱と冷結晶化熱との和ΔHm+ΔHc(J/g)、右縦軸に溶融成形物の結晶化能力の目安である冷結晶化熱ΔHc(J/g)各々目盛り、白丸印(○)は融解熱と冷結晶化熱との和ΔHm+ΔHcを、黒丸印(●)は冷結晶化熱ΔHcを各々示している。一方、この実験で用いた成形材料を試験片として加熱速度10℃/分で示差走査熱量測定(JIS K7121準拠)した際に求められる融点Tm(℃)、及び融解ピークでDSC曲線がベースラインに戻る点Tn(℃)は、各々Tmが190℃、Tnが206℃であった。
【0029】
図1によると、溶融成形時の加熱温度Tfが成形材料の融点Tmより高く融解ピークでDSC曲線がベースラインに戻る点Tnより低い場合には、得られた溶融成形物は、結晶化能力の目安である冷結晶化熱ΔHcの絶対値が格別に大きく、結晶化が格別に多く起こることが判る。一方、溶融成形時の加熱温度Tfが成形材料の融点Tmと同じ温度の場合には、得られた溶融成形物は、結晶化度の目安である融解熱と冷結晶化熱との和が十分大きく、結晶化できる量が残り少なくなっていることが判る。又、溶融成形時の加熱温度Tfが、成形材料を試験片として示差走査熱量測定した際の融解ピークでDSC曲線がベースラインに戻る点Tnより高い温度の場合には、得られた溶融成形物は結晶化が起こり難くなっていることが判る。
【0030】
該図が示すとおり、示差走査熱量測定の昇温過程における溶融成形物の結晶化能力は、その結晶化度の目安である融解熱と冷結晶化熱との和が特定の範囲にある場合に限って著しく高くなる。従って、成形材料を溶融成形する時の加熱温度を該成形材料を試験片として示差走査熱量測定した際の融解ピークでDSC曲線がベースラインに戻る点よりも高い温度に設定する従来技術方法においては結晶化が起こり難いような成形材料でも、特定範囲の結晶残存量を有することにより結晶化能力を高めることが可能であることが判る。
【0031】
図2は、成形材料の融点によって、得られた溶融成形物の結晶化能力が異なることを示す実験図である。該図は、横軸に成形材料の融点Tm(℃)、左縦軸に溶融成形物の結晶化度の目安である融解熱と冷結晶化熱との和ΔHm+ΔHc(J/g)、右縦軸に溶融成形物の結晶化能力の目安である冷結晶化熱ΔHc(J/g)各々目盛り、白丸印(○)は融解熱と冷結晶化熱との和ΔHm+ΔHcを、黒丸印(●)は冷結晶化熱ΔHcを各々示している。尚、この実験で用いた成形材料のうち、融点Tmが170〜203℃のものは、シート状溶融成形物の作製の際に、溶融成形ののち25℃に設定した冷却プレスで冷却した。一方、融点Tmが217〜223℃のものは、非常に結晶性が高いことから溶融成形物の結晶化度を低く抑える為に、溶融成形ののち10℃に設定した冷却水に浸して冷却した。
【0032】
図2によると、成形材料の融点Tmが175℃以上205℃以下である場合には、得られた溶融成形物は、結晶化能力の目安である冷結晶化熱ΔHcの値が特定の範囲にあり、適度な結晶化能力を有することが判る。一方、成形材料の融点Tmが175℃より低い場合には、得られた溶融成形物は、結晶化能力の目安である冷結晶化熱ΔHcの値が低く結晶化が起こり難くなっていることが判る。又、成形材料の融点Tmが205℃より高い場合には、得られた溶融成形物は、結晶化度の目安である融解熱と冷結晶化熱との和が低くても結晶化能力の目安である冷結晶化熱ΔHcの値が著しく高く、非常に結晶性が高いことが判る。
【0033】
従って、図1及び2によると、特定範囲の融点を有する成形材料を、適度な量の結晶が残存するように特定範囲の加熱温度で溶融成形し、且つ得られた溶融成形物の冷結晶化熱、及びその融解熱と冷結晶化熱との和を、各々得られた溶融成形物の結晶化能力、及びその結晶化度の指標として特定範囲とすることにより、溶融成形物の結晶化特性を制御することが可能であることが判る。これにより、結晶化特性が制御された溶融成形物を加熱しながら延伸することで、得られる延伸成形体の結晶構造を制御できる。
【0034】
即ち、生分解性ポリエステルを主体とする成形材料は、加熱速度10℃/分で示差走査熱量測定(JIS K7121準拠)した際に求められる融点が175℃以上205℃以下の範囲にある場合、好ましくは180℃以上200℃以下の範囲にある場合に、該成形材料よりなる溶融成形物の結晶化特性を制御することができる。該融点が175℃未満の場合には、成形材料の結晶性が低過ぎて溶融成形物の延伸過程での結晶化が起こり難くなり、得られる延伸成形体は耐熱性が低いものとなる。一方、該融点が205℃を超える場合には、成形材料の結晶性が非常に高過ぎて溶融成形物の延伸過程での結晶化が起こり易くなり、結晶化して所望の延伸倍率まで延伸できず破断したり、破断しなかったとしても延伸成形体は白化し透明性が極度に劣るものとなる。尚、本発明で用いる成形材料に上記示差走査熱量測定において融点が複数存在する場合、例えば前述する原料から少なくとも2種以上を用いて溶融混合した組成物からなる成形材料の場合や、単一の原料からなる成形材料であったとしても溶融成形前に結晶化や乾燥などの加熱処理を行なうことによって疑似結晶の消失に伴う吸熱ピーク等が現れる場合には、該成形材料の融点Tmは、JIS K7121に記載されているピーク高さが最も高い融解ピーク温度を採用する。
【0035】
又、上記特定範囲の融点を有する成形材料の溶融成形時の加熱温度は、該成形材料の融点を超えJIS K7122に記載されている融解ピークでDSC曲線がベースラインに戻る点Tn(℃)未満の範囲にある場合、好ましくは該成形材料の融点を超えJIS K7122に記載されている融解ピークの補外融解終了温度Te(℃)未満の範囲にある場合に、得られる溶融成形物の結晶化特性を制御することができる。該加熱温度が該成形材料の融点以下の場合には、溶融成形物は結晶残存量が多く不均一なものとなったり、結晶化が起こり易くなり所望の延伸倍率まで延伸できず破断したり、破断しなかったとしても延伸成形体は白化し透明性が極度に劣るものとなる。一方、該加熱温度が該成形材料のTn以上の場合には、溶融成形物は結晶残存量が少なく結晶化が起こり難くなり、得られる延伸成形体は耐熱性が低いものとなる。尚、本発明で用いる成形材料に上記示差走査熱量測定において融点が複数存在する場合、例えば融解ピークが重なって2個以上存在する場合には、該成形材料の上記Tnは単一のTnが求められ、該値を採用する。又、例えば融解ピークが独立して2個以上存在する場合には、該成形材料の上記Tnは、上述した融点が複数存在する場合の採用基準で採用した融点を有する融解ピークのTnを採用する。
【0036】
この様にして得られた溶融成形物は、該溶融成形物を試験片として加熱速度10℃/分で示差走査熱量測定(JIS K7122準拠)した際に求められる冷結晶化熱(発熱現象なので負の値)の絶対値が15J/g以上50J/g以下、且つ融解熱と冷結晶化熱との和が1J/g以上20J/g以下の範囲にある場合、好ましくは冷結晶化熱(発熱現象なので負の値)の絶対値が30J/g以上45J/g以下、且つ融解熱と冷結晶化熱との和が3J/g以上18J/g以下の範囲にある場合に、該溶融成形物の結晶化特性を制御することができる。該冷結晶化熱(発熱現象なので負の値)の絶対値が15J/gより少ない場合、及び融解熱と冷結晶化熱との和が1J/gより少ない場合には、溶融成形物は結晶残存量が少なく結晶化が起こり難くなり、得られる延伸成形体は耐熱性が低いものとなる。一方、該冷結晶化熱(発熱現象なので負の値)の絶対値が50J/gより多い場合、及び融解熱と冷結晶化熱との和が20J/gより多い場合には、溶融成形物は結晶残存量が多く不均一なものとなったり、結晶化が起こり易くなり所望の延伸倍率まで延伸できず破断したり、破断しなかったとしても延伸成形体は白化し透明性が極度に劣るものとなる。尚、本発明で用いる溶融成形物に、上記示差走査熱量測定において冷結晶化ピークが複数存在する場合、或いは融解ピークが複数存在する場合、例えば冷結晶化ピークが重なって2個以上存在する場合、或いは融解ピークが重なって2個以上存在する場合には、該成形材料の冷結晶化熱、或いは融解熱は各々単一の冷結晶化熱、或いは融解熱が求められ、該値を採用する。又、例えば冷結晶化ピークが独立して2個以上存在する場合、或いは融解ピークが独立して2個以上存在する場合には、該成形材料の冷結晶化熱、或いは融解熱は、上述した融点が複数存在する場合の採用基準で採用した融点を有する成分の冷結晶化熱、或いは上述した融点が複数存在する場合の採用基準で採用した融点を有する融解ピークの融解熱を採用する。
【0037】
尚、本発明の延伸成形体の製造方法で用いる溶融成形物を多層状溶融成形物とする場合、例えば該多層状溶融成形物の各層のうち何れか一層のみが後述する本発明の成形材料から選ばれたものである場合には、本発明で規定する成形材料の融点Tm及び上記Tnは該層を構成する成形材料を試験片として示差走査熱量測定した際に求められる値を採用し、溶融成形時の加熱温度は該層を構成する成形材料の加熱温度を指し、得られた溶融成形物の冷結晶化熱及び融解熱は該層を構成する成分の値を採用する。又、例えば該多層状溶融成形物の各層のうち何れか二層以上、或いは全層が後述する本発明の成形材料から選ばれたものである場合には、本発明で規定する成形材料の融点Tm及び上記Tnは該当各層を構成する成形材料を試験片として示差走査熱量測定した際に求められる値を各々採用し、溶融成形時の加熱温度は該当各層を構成する成形材料の加熱温度を各々指し、得られた溶融成形物の冷結晶化熱及び融解熱は該当各層について各々示差走査熱量測定した際に求められる値を採用する。
【0038】
本発明の延伸成形体の製造方法で用いる成形材料は、成形材料が上述した特定範囲の融点を有する様に、前記した生分解性ポリエステルから選ばれる生分解性ポリエステルを主体としてなるものである。即ち、該成形材料は、上記、例示した生分解性ポリエステルから、成形材料の融点が、加熱速度10℃/分で示差走査熱量測定(JIS K7121準拠)した際に求められる融点が175以上、205以下の範囲、好ましくは180℃以上200℃以下にある様に選ばれた生分解性ポリエステルを主体とするもの、即ち50wt%より多く含有するものである。
本発明で用いる成形材料は、その原料としては前記の生分解性ポリエステルが50重量%より多く主体とするものであり、該ポリエステルを単独で用いても良いし、該ポリエステルから二種以上を選び任意の混合割合で溶融混合した混合組成物で用いても良い。又、得られる延伸成形体の生分解性を阻害しない範囲で他の重合体との混合組成物で用いても良い。
【0039】
原料の一部として使用し得る他の重合体とは、上記生分解性ポリエステル以外の公知の生分解性プラスチックである、例えばデンプン系やセルロース系などの天然高分子類、ポリアスパラギン酸などのポリアミノ酸類、酢酸セルロースなどのセルロースエステル類、脂肪族ポリエステルカーボネート類、ポリビニルアルコール類、ポリエチレンオキサイドなどのポリエーテル類、低分子量のポリエチレン、ポリリンゴ酸等が挙げられる。又、得られる延伸成形体の生分解性を阻害しない範囲であれば、例えば、ポリオレフィン類、芳香族ポリエステル類、ポリアミド類、エチレン−ビニルアルコール系共重合体類、石油樹脂類やテルペン系樹脂類、その水素添加物、その他公知の熱可塑性樹脂などを混合しても良い。
尚、ここでいう延伸成形体の生分解性とは、延伸成形体が生分解性ブラスチックの規格、例えば日本における生分解性プラスチック研究会が定める規格、米国におけるASTM D−6400、ドイツにおけるDIN V−54900などに適合することをさす。
【0040】
本発明で用いる成形材料は、必要に応じて、その原料の一部として無機および/または有機化合物よりなる添加剤、例えば、可塑剤、滑剤、帯電防止剤、防曇剤、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、着色剤、難燃剤、結晶核剤等が適宜混合されていてもよい。使用される可塑剤の具体例としては、例えばジオクチルフタレートやジエチルフタレートなどのフタル酸エステル類、ラウリン酸エチルやオレイン酸ブチル、リノール酸オクチルなどの脂肪酸エステル類、ジオクチルアジペートやジブチルセバケートなどの脂肪族二塩基酸エステル類、アセチルくえん酸トリブチルやアセチルくえん酸トリエチルなどの脂肪族三塩基酸エステル類、グリセリンジアセテートラウレートやグリセリントリアセテートなどのグリセリン脂肪酸エステル類、ジグリセリンテトラアセテートやテトラグリセリンヘキサアセテートなどのポリグリセリン脂肪酸エステル類、リン酸ジオクチルなどのリン酸エステル類、エポキシ化大豆油やエポキシ化アマニ油などの変性植物油類、ポリブチレンセバケートなどのポリエステル系可塑剤などが挙げられ、安全衛生性の観点からグリセリン脂肪酸エステル類や脂肪族三塩基酸エステル類が特に望ましい。該成形材料が可塑剤を含有する場合には、これらから一種、または二種以上を選び、添加量が成形材料中に40重量%未満含有する組成物からなるものを用いる。又、使用される酸化防止剤としては、例えばフェノール系、フェニルアクリレート系、リン系、イオウ系などが挙げられる。該成形材料が酸化防止剤を含有する場合には、これらから一種、又は二種以上を選び、添加量が成形材料中に10重量%未満含有する組成物からなるものを用いる。
【0041】
本発明で用いる成形材料が、上記生分解性ポリエステルと、上記他の重合体や上記添加剤などとの混合組成物を用いる場合には、全部、或いは一部を単軸、又は二軸押出機、バンバリーミキサー、ミキシングロール、ニーダー等を使用して溶融混合させ用いるのが望ましい。
【0042】
次に、本発明の延伸成形体の製造方法で用いる溶融成形物について、詳細に説明する。該溶融成形物は、主として生分解性ポリエステルよりなる上記成形材料を溶融成形する際に、加熱温度を前述した特定範囲に設定して溶融成形し得られるシート状物やチューブ状物などである。該溶融成形物の製造方法としては、例えば溶融押出法、カレンダー法、溶融プレス成形法などの、特に限定されるものではなく従来公知の一般的な方法で行なわれる。具体的には、例えば溶融押出法では、前述した成形材料を、事前に水分率が200wtppm以下になるまで乾燥させてから押出機に供給して、加熱溶融しながら押出機の先端に接続したダイスから押出し、その後冷却固化させることにより、シート状、若しくはチューブ状の溶融成形物として製造することができる。また、溶融プレス成形法では、前述した成形材料を、事前に水分率が200wtppm以下になるまで乾燥させてから金型に供給して、常圧或いは減圧雰囲気下で加熱溶融させプレスし、その後冷却固化させることにより、シート状の溶融成形物として製造することができる。
【0043】
これらの方法において、成形材料の加熱融解は、前述した特定範囲から適宜選ばれる温度で行なわれる。又、冷却固化は、通常は結晶化温度以下まで3分以内で冷却して固化させる条件、望ましくはガラス転移温度以下まで2秒以内で急冷して非晶状態に固化させる条件にて行なわれる。尚、溶融押出法などで溶融成形時の加熱温度を多段的に設定する場合には、混練による摩擦発熱の影響も考慮して、溶融時の成形材料自体の温度プロファイルのうち最高到達温度を本発明における加熱温度Tfとし、式(2)で特定した温度範囲に留まるように設定することとする。又、該溶融押出法などにおいて、溶融時の成形材料自体の最高到達温度を測定するには、例えば溶融した成形材料の温度を測定する装置を押出機のバレルに適宜設けて直接測定する、若しくは得られた溶融成形物の結晶残存量を別途求めておいた成形材料の加熱温度と結晶残存量の関係と比較して間接的に測定することで可能である。
【0044】
次に、本発明により得られる延伸成形体について説明する。該延伸成形体は、上記溶融成形物を加熱しながら少なくとも一軸方向に延伸して得られる成形体である。上記溶融成形物の延伸方法は、特に限定されるものではなく従来公知の一般的な方法で行われ、具体的には、例えば一軸延伸の場合は、溶融押出法でTダイより溶融押出し、キャストロールで冷却したシート状溶融成形物を、ロール延伸機でシートの流れ方向に縦一軸延伸したり、該縦延伸倍率を極力抑えてテンターで横一軸延伸して製造する方法、或いは二軸延伸の場合は、溶融押出法でTダイより溶融押出し、キャストロールで冷却したシート状溶融成形物を、先ずロール延伸機で縦延伸してからテンターで横延伸する逐次二軸延伸や、テンターで縦横両方向に延伸する同時二軸延伸で製造する方法、溶融押出法でサーキュラーダイより溶融押出し、水冷リング等で冷却したチューブ状溶融成形物を、チューブラー延伸して製造する方法などがある。又、溶融プレス法で得られたシート状の溶融成形物を、バッチ式延伸装置で一軸或いは二軸延伸する方法などがある。
【0045】
これらの方法において延伸の操作は、延伸温度は延伸に供する溶融成形物のガラス転移温度〜(冷結晶化温度+30℃)の温度範囲、延伸速度は10〜200000%/分の範囲、延伸倍率は少なくとも一軸方向に面積倍率で2〜50倍の範囲から適宜選ばれる延伸条件で行なわれることが望ましく、延伸温度は延伸に供する溶融成形物の(ガラス転移温度+2℃)〜冷結晶化温度の温度範囲、延伸速度は10〜100000%/分の範囲、延伸倍率は少なくとも一軸方向に面積倍率で2〜50倍の範囲から適宜選ばれる延伸条件で行なわれることがより望ましい。
【0046】
尚、溶融成形して得られた本発明の溶融成形物は、その結晶状態が延伸に供するまで変化しないように、溶融成形後に直ちに延伸することが望ましい。この様な延伸成形体の製造方法としては、例えば、溶融押出機やカレンダー圧延機などで得られた溶融成形物を、ロール延伸機、テンター延伸機、チューブラー延伸機などの延伸装置に連続的に供給して延伸成形体を製造する場合が挙げられる。又、溶融成形物を溶融プレス成形法で製造するなどの、溶融成形工程と延伸工程が連続的ではない延伸成形体の製造方法の場合には、得られた溶融成形物の結晶状態が延伸に供するまでに出来るだけ変化しない様な温度で保存しておかなければならない。この様な保存温度としては、該溶融成形物のガラス転移温度よりも低い温度であることが望ましく、より望ましくは該溶融成形物のガラス転移温度よりも30℃以上低い温度、最も望ましくは該溶融成形物のガラス転移温度よりも50℃以上低い温度、例えばガラス転移温度が38℃である場合には−20℃以下の温度である。保存温度の下限は、特に限定されるものではないが、冷却保存の簡便さを考慮すると−40℃程度である。
【0047】
この様にして得られた延伸成形体は、特に可塑剤を比較的多量添加し引張弾性率が4.0GPa未満である軟質から中質の延伸成形体は、ピロー包装、シュリンク包装、ストレッチ包装、ケーシング、家庭用ラップ等の包装材用途に好適である。熱収縮させながら包装するなどのシュリンク包装用途に利用する場合には、そのまま使用しても良いし、或いは熱収縮具合を調整する目的で熱処理やエージング処理を施しても良い。又、電子レンジなどで加熱され耐熱性が要求される包装材に利用する場合には、発熱した内容物からの熱による変形や溶融穿孔を防ぐ目的で熱処理を施すことが望ましい。更に、経時寸法安定性や物性安定性を向上させる目的で、エージング処理などを施すことが望ましい。熱処理は、通常は60〜160℃の温度範囲から適宜選ばれる温度で1秒〜3時間行われることが望ましく、エージング処理は、通常は25〜60℃の温度範囲から適宜選ばれる温度で3時間〜10日間程度行われることが望ましい。
【0048】
本発明の生分解性ポリエステル延伸成形体は、上記の熱処理やエージング処理などを施して有るかいなかに関わらず、耐熱性を発現するためには結晶化度が5%以上であることが望ましく、より望ましくは7%以上である。
本発明の生分解性ポリエステル延伸成形体は、上記の熱処理やエージング処理などを施して有るかいなかに関わらず、包装材として使用する該延伸成形体をサンプルとしてJIS K7105に準拠して測定したヘーズが0%以上5%未満の範囲にある場合、好ましくは0%以上2%未満の範囲にある場合に、透明性が優れて内容物の視認性に優れるものとなる。
【0049】
得られた本発明の延伸成形体は、そのまま家庭用ラップ等の包装材などとして使用しても良いが、必要に応じて帯電防止剤や防曇性を向上させる目的でコーティングやコロナ処理等の各種表面処理を施しても良いし、シール適性、防湿性、ガスバリア性、印刷適性などを向上させる目的でラミネート加工やコーティング加工、或いはアルミニウムなどの真空蒸着を施しても良い。更に、二次加工により、用途に応じた形状に成形して使用しても良い。二次加工品としては、例えば延伸フィルムの場合はピロー包装用途やウェルドタイプのケーシング包装用途などの包装材とするシール加工品があり、延伸シートの場合はプラグアシスト成形法やエアークッション成形法などの真空成形加工、圧空成形加工、雄雌型成形加工などを施してトレイやカップなどの容器、又はブリスターパッケージングシートなどがある。又、本発明の延伸成形体は、成形材料に着色剤を適宜混合したり、延伸成形体自体に印刷を施したりして、他シートや発泡体などにラミネートする用途に使用しても良い。この様な用途では、ラミネートした他シートや発泡体を成形して得られるトレイやカップなどの容器のデザイン性を高め、ディスプレイ効果により商品価値を高めることが狙いであるが、ラミネートする延伸成形体の透明性が優れることにより、容器表面のツヤ出しやデザイン印刷が鮮明になるという利点がある。
【0050】
本発明における成形体の厚みは、その包装材としての用途により適宜選ばれ、通常は延伸フィルムでは0.5〜100μm程度、延伸シートでは0.1〜2mm程度であるが特に限定されるものではない。これら延伸フィルム、及び延伸シートは、その厚みにおける製造し易さを勘案すると、延伸フィルムはチューブラー延伸法で、延伸シートはテンター延伸法で製造することが望ましい。但し、フィルムとシートの区別は、単に厚みの違いによって異なる呼称を用いているものであって、本発明の課題であるところの耐熱性、透明性に優れた生分解性ポリエステル延伸成形体を容易に製造することができることに何ら差は無い。従って、後述する実施例では、厚み約30μmの延伸フィルムをもって物性測定や評価を行なって本発明を詳細に説明した。
【0051】
【発明の実施の形態】
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。但し、これらの具体例は本発明の範囲を限定するものではない。また、物性測定方法、評価方法と尺度を下記に示すが、サンプルは特に断りのない限り測定サンプル作製後に温度(23±2)℃、相対湿度(50±5)%の雰囲気下に1〜2日間保管したものを物性測定や評価に供した。
【0052】
[物性測定方法]
(1)成形材料の示差走査熱量測定
溶融成形に用いる成形材料の融点Tm(℃)、融解ピークの補外融解終了温度Te(℃)、ピーク高さ、及び融解ピークでDSC曲線がベースラインに戻る点Tn(℃)は、測定装置にセイコー電子工業(株)製DSC6200を使用し、JIS K7121、及びK7122に準拠して測定した。サンプルは、溶融成形に供する際の成形材料と同等の状態にあるものを物性測定に供した。該成形材料を試験片として、試験片重量7.5mgを量り採り、先ず−30℃で3分間保持した後、加熱速度10℃/分で270℃まで加熱した。この1回目の昇温過程での示差走査熱量曲線における融点Tm(℃)、融解ピークの補外融解終了温度Te(℃)、ピーク高さ、及び融解ピークでDSC曲線がベースラインに戻る点Tn(℃)を求めた。尚、温度と熱量の校正は、標準物質としてインジウムを用いて行った。
【0053】
(2)溶融成形物の示差走査熱量測定
延伸に用いる溶融成形物の冷結晶化熱ΔHc(J/g)、融解熱ΔHm(J/g)は、測定装置にセイコー電子工業(株)製DSC6200を使用し、JIS K7122に準拠して測定した。サンプルは、延伸に供する際の溶融成形物と同等の状態にあるものを物性測定に供した。該溶融成形物を試験片として、試験片重量7.5mgを量り採り、先ず−30℃で3分間保持した後、加熱速度10℃/分で270℃まで加熱した。この1回目の昇温過程での示差走査熱量曲線における冷結晶化熱ΔHc(J/g)、融解熱ΔHm(J/g)を求めた。尚、温度と熱量の校正は、標準物質としてインジウムを用いて行った。又、冷結晶化熱は、結晶化が発熱現象であるので、負の値で表す。一方、融解熱は、結晶融解が吸熱現象であるので、正の値で表す。
【0054】
[評価方法と尺度]
(1)透明性
透明性は、延伸成形体をサンプルとして、ヘーズを測定し評価した。ヘーズの測定は、測定装置に村上色彩技術研究所社製ヘーズ計HR−100を使用し、JIS K7105に準拠して測定した。延伸成形体サンプルを、一辺50mmの正方形に切り出し、これをホルダーにセットしサンプルのヘーズを測定した。ヘーズの測定結果は、サンプル数5個ずつ測定し、その平均値で示した。このヘーズを透明性の指標とした。透明性は、判定◎と○を合格とする。
<評価尺度>
ヘーズ 判 定 備 考
2%以下 ◎ 透明で視認性は非常に優れる
2%より高く5%以下 ○ 若干白化する程度で視認性は優れる
5%より高く10%以下 △ 白化し視認性が劣る
10%より高い × 著しく白化し視認性が非常に劣る
【0055】
(2)耐熱性
耐熱温度は、延伸成形体をサンプルとして、耐荷重切断試験を行い評価した。耐荷重切断試験は、短冊状試験片に荷重30gをかけた状態で、一定温度に設定したヤマト科学社製送風低温恒温器DN400中で1時間加熱し試験片の切断の有無を調べ、試験片が切断しない最高温度として測定した。延伸成形体を、縦140mm、横30mmの短冊状に切り出した。短冊状試験片の上下端25mmずつの部分に固定治具と荷重治具を各々取り付け、一定温度に設定した熱風循環恒温槽中で1時間加熱し試験片の切断の有無を調べた。短冊状試験片が切断しない場合は、新しい試験片で設定温度を5℃上げて前記手順を繰返し試験した。短冊状試験片が切断しない最高温度の測定結果は、この試験を各延伸成形体につき5回ずつ行い最頻値で示した。この切断しない最高温度を耐熱温度として、耐熱性の指標とした。耐熱性は、判定◎と○を合格とする。
<評価尺度>
耐熱温度 判 定 備 考
180℃以上 ◎ 耐熱性が非常に高く実用上問題はない
165℃以上180℃未満 ○ 耐熱性が高くほとんどの用途で使用できる150℃以上165℃未満 △ 耐熱性が若干劣り一部用途が制限される
150℃未満 × 耐熱性が劣り用途が制限される
【0056】
【実施例1】
[単量体の精製]
グリコリド1kgを、酢酸エチル3kgに75℃で溶解させた後、室温にて48時間放置し析出させた。濾取した析出物を、室温で約3kgの酢酸エチルを用いて洗浄を行った。再度この洗浄操作を繰返した後、洗浄物を真空乾燥機内に入れ、60℃で24時間真空乾燥を行った。この乾燥物を、窒素雰囲気下で800〜930Paに減圧し単蒸留にて133〜134℃の留出物として蒸留精製グリコリド480gを得た。
L−ラクチド1kgを、トルエン3kgに80℃で溶解させた後、室温にて48時間放置して析出させた。濾取した析出物を、室温で約3kgのトルエンを用いて洗浄を行った。再度この洗浄操作を繰返した後、洗浄物を真空乾燥機内に入れ60℃で24時間真空乾燥を行い、精製L−ラクチド560gを得た。
【0057】
[重合体の調製]
上記単量体の精製で得られたグリコリド430gとラクチド270g、及び触媒として2−エチルヘキサン酸すず0.2gとラウリルアルコール0.05gを、内面をガラスライニングしたジャケット付反応機に仕込み、窒素を吹き込みながら約1時間室温で乾燥した。次いで、窒素を吹き込みながら130℃に昇温し、40時間撹拌して重合を行った。重合操作の終了後、ジャケットに冷却水を通水して冷却し、反応機から取り出した塊状ポリマーを、粉砕機にて約3mm以下の細粒に粉砕した。この粉砕物を、テトラヒドロフランを用いて60時間ソックスレー抽出した後、ヘキサフルオロイソプロパノール3kgに50℃で溶解し、次いで7kgのメタノールで再沈殿させた。この再沈殿物を、130℃に設定した真空乾燥機内で60時間真空乾燥を行い、グリコール酸−乳酸共重合体550gを得た。
【0058】
得られた共重合体は、該共重合体70mgをトリフルオロ酢酸−D1mlに溶解して1H−NMRにより共重合成分割合を解析したところ、グリコール酸の成分割合が80mol%と乳酸の成分割合が20mol%であった。該共重合体を試験片として7.5mg量り採り、加熱速度10℃/分で示差走査熱量測定(JIS K7121準拠)したところ、融点Tmは190℃、融解ピークの補外融解終了温度Teは202℃、融解ピークでDSC曲線がベースラインに戻る点Tnは206℃であった。該共重合体のヘキサフルオロイソプロパノール0.5重量%溶液としてガスクロマトグラフィーにより残存する単量体を定量したところ、単量体であるグリコリドとラクチドの残量は両者の合計で180wtppmであった。該共重合体20mgを80mmol%のトリフルオロ酢酸ナトリウムを含むヘキサフルオロイソプロパノール3gに溶解してGPCにより分子量を測定したところ、ポリメチルメタクリレート換算で重量平均分子量は2.2×105であった。
【0059】
[シート状溶融成形物の作製]
上記重合体の調製で得られた重合体を、そのまま成形材料として用い、成形材料P1とする。P1を、130℃に設定した熱風循環恒温槽中で約2時間放置して乾燥操作を行ったところ、水分気化装置付きカールフィッシャー水分計により240℃で測定した水分量は122wtppmであった。この乾燥させたP1を、200℃に設定した加熱プレス機で5分間加熱加圧し、その後25℃に設定した冷却プレスで冷却し厚み350μmのシート状溶融成形物を得た。得られたシート状溶融成形物をM1とする。
M1をサンプルとして、前述の溶融成形物の示差走査熱量測定方法に従って示差走査熱量測定を行なったところ、冷結晶化熱ΔHcは−33J/g、融解熱ΔHmは39J/gであった。
【0060】
[延伸成形体の作製、及び評価]
上記シート状溶融成形物の作製で得られた溶融成形物M1の延伸は、東洋精機社製二軸延伸試験装置を使用して行った。M1を、溶融成形後直ちに、一辺90mmの正方形に切り出して、延伸時の加熱温度を60℃に設定したチャンバー内にクランプ間80mmのクランプに装着し、延伸速度50%/分で縦3.5倍、横3.5倍まで同時二軸延伸を行った。延伸操作の終了後、直ちに冷風を吹き付けて冷却し延伸成形体を得た。得られた延伸成形体を、金枠に固定して、90℃に設定した熱風循環恒温槽中で30秒間熱処理を行い、厚み30μmの延伸成形体を得た。得られた延伸成形体をF1とする。
F1をサンプルとして、前述の透明性と耐熱性の評価を行ったところ、ヘーズは1.4%、耐熱温度は185℃であり、判定は透明性が◎、耐熱性が◎、総合判定が◎であった。以上の評価結果から、得られた成形体F1は、耐熱性と透明性に優れ、包装材用途に好適であることが判る。
【0061】
【実施例2〜4及び比較例1〜3】
次いで、重合体の調製においてグリコリドを470g、ラクチドを230g、シート状溶融成形物の作製において加熱プレス機の設定温度を205℃、延伸成形体の作製において二軸延伸試験装置のチャンバー設定温度を55℃とすることの他は上記実施例1と同じ実験を繰返し、得られた成形材料をP2、溶融成形物をM2、延伸成形体をF2とする。これらをサンプルとして、前述の物性測定を行なったところ、成形材料P2をなす生分解性ポリエステルの共重合成分割合はグリコール酸成分が85mol%と乳酸成分が15mol%、成形材料P2の融点Tmは196℃、融解ピークの補外融解終了温度Teは207℃、融解ピークでDSC曲線がベースラインに戻る点Tnは210℃、溶融成形物M2の冷結晶化熱ΔHcは−40J/g、融解熱ΔHmは49J/gであった。延伸成形体F2をサンプルとして、前術の透明性と耐熱性の評価を行ったところ、ヘーズは1.6%、耐熱温度は190℃であった(実施例2)。
【0062】
重合体の調製においてグリコリドを400g、ラクチドを310g、重合時間を60時間、シート状溶融成形物の作製において加熱プレス機の設定温度を185℃、延伸成形体の作製において二軸延伸試験装置のチャンバー設定温度を65℃とすることの他は上記実施例1と同じ実験を繰返し、得られた成形材料をP3、溶融成形物をM3、延伸成形体をF3とする。これらをサンプルとして、前述の物性測定を行なったところ、成形材料P3をなす生分解性ポリエステルの共重合成分割合はグリコール酸成分が78mol%と乳酸成分が22mol%、成形材料P3の融点Tmは175℃、融解ピークの補外融解終了温度Teは188℃、融解ピークでDSC曲線がベースラインに戻る点Tnは192℃、溶融成形物M3の冷結晶化熱ΔHcは−17J/g、融解熱ΔHmは18J/gであった。延伸成形体F3をサンプルとして、前術の透明性と耐熱性の評価を行ったところ、ヘーズは1.2%、耐熱温度は160℃であった(実施例3)。
【0063】
重合体の調製においてグリコリドを520g、ラクチドを180g、重合時間を30時間、シート状溶融成形物の作製において加熱プレス機の設定温度を210℃、延伸成形体の作製において二軸延伸試験装置のチャンバー設定温度を50℃とすることの他は上記実施例1と同じ実験を繰返し、得られた成形材料をP4、溶融成形物をM4、延伸成形体をF4とする。これらをサンプルとして、前述の物性測定を行なったところ、成形材料P4をなす生分解性ポリエステルの共重合成分割合はグリコール酸成分が90mol%と乳酸成分が10mol%、成形材料P4の融点Tmは203℃、融解ピークの補外融解終了温度Teは211℃、融解ピークでDSC曲線がベースラインに戻る点Tnは213℃、溶融成形物M4の冷結晶化熱ΔHcは−47J/g、融解熱ΔHmは59J/gであった。延伸成形体F4をサンプルとして、前術の透明性と耐熱性の評価を行ったところ、ヘーズは3.5%、耐熱温度は195℃であった(実施例4)。
【0064】
重合体の調製においてグリコリドを380g、ラクチドを320g、重合時間を60時間、シート状溶融成形物の作製において加熱プレス機の設定温度を180℃、延伸成形体の作製において二軸延伸試験装置のチャンバー設定温度を65℃とすることの他は上記実施例1と同じ実験を繰返し、得られた成形材料をP5、溶融成形物をM5、延伸成形体をF5とする。これらをサンプルとして、前述の物性測定を行なったところ、成形材料P5をなす生分解性ポリエステルの共重合成分割合はグリコール酸成分が75mol%と乳酸成分が25mol%、成形材料P5の融点Tmは170℃、融解ピークの補外融解終了温度Teは182℃、融解ピークでDSC曲線がベースラインに戻る点Tnは188℃、溶融成形物M5の冷結晶化熱ΔHcは−1.9J/g、融解熱ΔHmは2.3J/gであった。延伸成形体F5をサンプルとして、前術の透明性と耐熱性の評価を行ったところ、ヘーズは1.0%、耐熱温度は135℃であった(比較例1)。
【0065】
重合体の調製においてグリコリドを600g、ラクチドを110g、重合時間を30時間、シート状溶融成形物の作製において加熱プレス機の設定温度を225℃、溶融成形後の冷却方法を10℃に設定した冷却水に浸して冷却し、延伸成形体の作製において二軸延伸試験装置のチャンバー設定温度を45℃とすることの他は上記実施例1と同じ実験を繰返し、得られた成形材料をP6、溶融成形物をM6、延伸成形体をF6とする。これらをサンプルとして、前述の物性測定を行なったところ、成形材料P6をなす生分解性ポリエステルの共重合成分割合はグリコール酸成分が95mol%と乳酸成分が5mol%、成形材料P6の融点Tmは217℃、融解ピークの補外融解終了温度Teは224℃、融解ピークでDSC曲線がベースラインに戻る点Tnは226℃、溶融成形物M6の冷結晶化熱ΔHcは−63J/g、融解熱ΔHmは65J/gであった。延伸成形体F6をサンプルとして、前術の透明性と耐熱性の評価を行ったところ、ヘーズは11%、耐熱温度は210℃であった(比較例2)。
【0066】
重合体の調製においてグリコリド700gのみを用い、重合時間を30時間、シート状溶融成形物の作製において加熱プレス機の設定温度を230℃、溶融成形後の冷却方法を10℃に設定した冷却水に浸して冷却し、延伸成形体の作製において二軸延伸試験装置のチャンバー設定温度を45℃とすることの他は上記実施例1と同じ実験を繰返し、得られた成形材料をP7、溶融成形物をM7、延伸成形体をF7とする。これらをサンプルとして、前述の物性測定を行なったところ、成形材料P7をなす生分解性ポリエステルの共重合成分割合はグリコール酸成分が100mol%、成形材料P7の融点Tmは223℃、融解ピークの補外融解終了温度Teは229℃、融解ピークでDSC曲線がベースラインに戻る点Tnは231℃、溶融成形物M7の冷結晶化熱ΔHcは−75J/g、融解熱ΔHmは77J/gであった。延伸成形体F7をサンプルとして、前術の透明性と耐熱性の評価を行ったところ、ヘーズは18%、耐熱温度は215℃であった(比較例3)。
【0067】
これら成形材料P1〜7、及び溶融成形物M1〜7の示差走査熱量測定の測定結果を表1に、延伸成形体F1〜7の透明性と耐熱性の評価結果を表2にまとめる。
【0068】
【表1】
【0069】
【表2】
【0070】
表1及び表2によると、融点Tmが前述式(1)に特定する温度範囲にある成形材料P1〜4を、前述式(2)に特定する温度範囲にある溶融成形時の加熱温度Tfで溶融成形して得られた溶融成形物M1〜4は、前述式(3)〜(4)を満たす結晶化特性を有しており、これらM1〜4を用いて延伸したところ、白化することなく所望の延伸倍率まで破断せずに容易に延伸でき、且つ延伸後に施す熱処理を比較的緩い条件に設定したが耐熱性の優れた延伸成形体F1〜4が得られ、延伸成形体を容易に製造することが可能であることが判る。又、延伸成形体F1〜4は、耐熱性と透明性が優れ、包装材用途に好適であることが判る(実施例1〜4)。なかでも、融点Tmが180℃以上200℃以下の温度範囲にある成形材料P1〜2の場合には、得られた延伸成形体F1〜2は耐熱性と透明性の両特性とも同時に著しく優れ、包装材用途に特に好適であることが判る(実施例1〜2)。
【0071】
これらに対し、融点Tmが175℃より低い成形材料P5を用いた場合には、前述式(2)に特定する温度範囲にある溶融成形時の加熱温度Tfで溶融成形したが、得られた溶融成形物M5は前述式(3)〜(4)を満たす結晶化特性にはならなかった。このM5を用いて延伸したところ、延伸は容易に行なえ、得られた延伸成形体F5は透明性が優れたものであったが、耐熱性は劣るものであった(比較例1)。又、融点Tmが205℃を超える成形材料P6〜7を用い、前述式(2)に特定する温度範囲にある溶融成形時の加熱温度Tfで溶融成形した場合には、得られる溶融成形物の結晶化特性を前述式(3)〜(4)で特定した範囲に留めようと煩雑な急冷操作を試みたが、得られた溶融成形物M6〜7の冷結晶化熱ΔHcを特定範囲に留めることができなかった。これらM6〜7を用いて延伸したところ、数回に1回の割合で所望の延伸倍率まで達せず破断することがあったり、所望の延伸倍率まで破断せずに延伸できても得られた延伸成形体F6〜7は透明性が著しく劣るものであった(比較例2〜3)。
【0072】
【実施例5〜6、及び比較例4〜6】
次いで、シート状溶融成形物の作製において加熱プレス機の設定温度を195℃とすることの他は上記実施例1と同じ実験を繰返し、得られた溶融成形物をM8、延伸成形体をF8とする。これらをサンプルとして、前述の物性測定を行なったところ、溶融成形物M8の冷結晶化熱ΔHcは−36J/g、融解熱ΔHmは45J/gであった。延伸成形体F8をサンプルとして、前術の透明性と耐熱性の評価を行ったところ、ヘーズは1.8%、耐熱温度は185℃であった(実施例5)。
【0073】
シート状溶融成形物の作製において加熱プレス機の設定温度を205℃とすることの他は上記実施例1と同じ実験を繰返し、得られた溶融成形物をM9、延伸成形体をF9とする。これらをサンプルとして、前述の物性測定を行なったところ、溶融成形物M9の冷結晶化熱ΔHcは−26J/g、融解熱ΔHmは28J/gであった。延伸成形体F9をサンプルとして、前術の透明性と耐熱性の評価を行ったところ、ヘーズは1.2%、耐熱温度は175℃であった(実施例6)。
【0074】
シート状溶融成形物の作製において加熱プレス機の設定温度を190℃とすることの他は上記実施例1と同じ実験を繰返し、得られた溶融成形物をM10、延伸成形体をF10とする。これらをサンプルとして、前述の物性測定を行なったところ、溶融成形物M10の冷結晶化熱ΔHcは−25J/g、融解熱ΔHmは48J/gであった。延伸成形体F10をサンプルとして、前術の透明性と耐熱性の評価を行ったところ、ヘーズは8.7%、耐熱温度は185℃であった(比較例4)。
【0075】
シート状溶融成形物の作製において加熱プレス機の設定温度を210℃とすることの他は上記実施例1と同じ実験を繰返し、得られた溶融成形物をM11、延伸成形体をF11とする。これらをサンプルとして、前述の物性測定を行なったところ、溶融成形物M11の冷結晶化熱ΔHcは−18J/g、融解熱ΔHmは18J/gであった。延伸成形体F11をサンプルとして、前術の透明性と耐熱性の評価を行ったところ、ヘーズは1.1%、耐熱温度は150℃であった(比較例5)。
【0076】
シート状溶融成形物の作製において加熱プレス機の設定温度を230℃とすることの他は上記実施例1と同じ実験を繰返し、得られた溶融成形物をM12、延伸成形体をF12とする。これらをサンプルとして、前述の物性測定を行なったところ、溶融成形物M12の冷結晶化熱ΔHcは−8J/g、融解熱ΔHmは8J/gであった。延伸成形体F12をサンプルとして、前術の透明性と耐熱性の評価を行ったところ、ヘーズは1.0%、耐熱温度は145℃であった(比較例6)。
【0077】
成形材料P1と、溶融成形物M1及びM8〜12の示差走査熱量測定の測定結果を表3に、延伸成形体F1及びF8〜12の透明性と耐熱性の評価結果を表4にまとめる。
【0078】
【表3】
【0079】
【表4】
【0080】
表3及び表4によると、融点Tmが前述式(1)に特定する温度範囲にある成形材料P1を用いて、溶融成形時の加熱温度Tfが前述式(2)に特定する範囲にある温度で溶融成形して得られた溶融成形物M1及びM8〜9は、前述式(3)〜(4)を満たす結晶化特性を有しており、これらM1及びM8〜9を用いて延伸したところ、白化することなく所望の延伸倍率まで破断せずに容易に延伸でき、且つ延伸後に施す熱処理を比較的緩い条件に設定したが耐熱性の優れた延伸成形体F1及びF8〜9が得られ、延伸成形体を容易に製造することが可能であることが判る。又、延伸成形体F1及びF8〜9は、耐熱性と透明性が優れ、包装材用途に好適であることが判る(実施例1及び実施例5〜6)。なかでも、溶融成形時の加熱温度Tfが成形材料の融点を超え融解ピークの補外融解終了温度Te未満の範囲にある温度で溶融成形した場合には、得られた延伸成形体F1及びF8は耐熱性と透明性の両特性とも同時に著しく優れ、包装材用途に特に好適であることが判る(実施例1及び実施例5)。
【0081】
これらに対し、溶融成形時の加熱温度Tfが成形材料P1の融点以下の温度で溶融成形した場合には、得られた溶融成形物M10は、結晶残存量の目安である融解熱と冷結晶化熱との和の値が前述式(4)で特定する範囲より大きかった。このM10を用いて延伸したところ、数回に1回の割合で所望の延伸倍率まで達せず破断することがあったり、所望の延伸倍率まで破断せずに延伸できても、得られた延伸成形体F10は厚み斑がある視認性不均一の透明性が劣るものであった(比較例4)。又、溶融成形時の加熱温度Tfが成形材料P1の融解ピークでDSC曲線がベースラインに戻る点Tn以上の温度で溶融成形した場合には、得られた溶融成形物M11〜12は、前述式(3)〜(4)を満たす結晶化特性にはならなかった。これらM11〜12を用いて延伸したところ、延伸は容易に行なえ、得られた延伸成形体F11〜12は透明性が優れたものであったが、耐熱性は劣るものであった(比較例5〜6)。
【0082】
【発明の効果】
本発明により、生分解性を有し、且つ耐熱性、透明性に優れた包装材用途に好適な生分解性ポリエステル延伸成形体を提供することが可能となった。更に、本発明により、該生分解性ポリエステル延伸成形体を容易に製造することも可能となることから、産業上、大いに有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】成形材料を溶融成形する時の加熱温度によって、得られた溶融成形物の結晶化度が異なり、それに伴って得られた溶融成形物の結晶化能力が異なることを示す実験によって求めたグラフ図。
【図2】成形材料の融点によって、得られた溶融成形物の結晶化能力が異なることを示す実験によって求めたグラフ図。
【図3】成形材料P1を試験片として、加熱速度10℃/分で示差走査熱量測定したDSC曲線。
【図4】実施例1の溶融成形物M1を試験片として、加熱速度10℃/分で示差走査熱量測定したDSC曲線。
【図5】比較例6の溶融成形物M12を試験片として、加熱速度10℃/分で示差走査熱量測定したDSC曲線。
Claims (1)
- 生分解性グリコール酸系重合体を主体とし、加熱速度10℃/分で示差走査熱量測定(JIS K7121準拠)した際に求められる融点Tm(℃)が下式(1)の範囲にある成形材料を用いて、溶融成形時の加熱温度Tf(℃)がJIS K7122に記載されている融解ピークでDSC曲線がベースラインに戻る点をTn(℃)として下式(2)の範囲にある温度で溶融成形し、且つ溶融成形物を試験片として加熱速度10℃/分で示差走査熱量測定(JIS K7122準拠)した際に求められる冷結晶化熱ΔHc(J/g)、及び融解熱ΔHm(J/g)が下式(3)〜(4)を満す溶融成形物を加熱しながら、延伸温度は延伸に供する溶融成形物のガラス転移温度〜(冷結晶化温度+30℃)の温度範囲、延伸速度は10〜200000%/分の範囲、延伸倍率は少なくとも一軸方向に面積倍率で2〜50倍の範囲から選ばれる延伸条件で延伸することを特徴とする生分解性ポリエステル延伸成形体の製造方法。
式(1)175≦Tm≦205
式(2)Tm<Tf<Tn
式(3)−50≦ΔHc≦−15
式(4)1≦(ΔHm+ΔHc)≦20
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