JP4244931B2 - スチールハウスの枠組構造及びスチールハウス - Google Patents
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Description
下枠材2から複数のたて枠材3が所定のピッチで垂直に設けられる。各たて枠材3の上端の間は上枠材4により結合される。このようにして、下枠材2、たて枠材3及び上枠材4により壁枠材が構成され、この壁枠材に構造用面材やブレースが装着されることにより耐力壁パネルが構成される。建物の一部には出入り口5a、窓5bなどの開口部5が設けられる。
(圧延H形鋼)
スチールハウス工法では、臥梁以外の他の構成部材同士は一般的にドリルネジによって接合される。図6は、このドリルネジ21の構造を模式的に示す説明図である。
ウェブを鉛直に配置した溝形鋼により臥梁を構成すると、鉛直荷重に対して荷重を伝達すべきウェブの位置が壁厚さの中心に対して偏心しているため、上述したようにH形鋼により臥梁を構成した場合に比較して、溝形鋼の溝部に余分に補強材を配置する必要が生じ、加工コストが嵩む。
スチールハウスは、本来、薄鋼板を折り曲げて形鋼となし、この形鋼を構造材としたものであるから、1つずつの断面性能は小さい。このため、複数の形鋼を組合せる必要がある部位が不可避的に発生する。しかしながら、単に、梁に薄板軽量形鋼を組合せて1つの形鋼を構成するのでは、組立コストが嵩むだけではなく、各部材の取合いが煩雑化する等の課題を生じてしまう。
図1(a)に示すように、スチールハウスの梁に用いられる、上下のフランジ31a、31bとこれら上下のフランジ31a、31bを結合するウェブ32とを有するスチールハウス梁用H形鋼30aであって、上下のフランジ31a、31b及びウェブ32が、いずれも、ドリルネジをねじ込むことによる他の部材との接合が可能な厚さ(例えば、フランジ31a、31bの厚さ:3.2mm以上6mm以下、ウェブ32の厚さ:2.3mm以上4.5mm以下)を有すること、及び、上下のフランジ31a、31bのうちの少なくとも下フランジ31bの幅が、スチールハウスの壁の厚さ(例えば89〜92mm)と略同じ寸法であることを特徴とするスチールハウス梁用H形鋼30aである。
本発明は、枠体により支持されて、スチールハウスの壁をなす耐力壁パネルと、床根太及び床根太の上部に載置される床材からなり、スチールハウスの各階の床をなす床パネルと、耐力壁パネル及び/又は床パネルを接合する臥梁とを備え、臥梁が、上述したスチールハウス梁用H形鋼を有すること、及び、このスチールハウス梁用H形鋼のフランジが、ドリルネジをねじ込まれることにより、耐力壁パネルの下面と接合されるとともに、下フランジの上に床根太を置いて、上フランジが床根太の端面に近接して配置される
ことを特徴とするスチールハウスの枠組構造である。
(a)H形鋼のフランジ及びウェブの板厚を、例えば溶接H形鋼を用いてフランジ及びウェブそれぞれの板厚の設定の自由度を高めることによって、ドリルネジによる接合が可能な厚さに設定するため、ドリルネジによる接合のみで組み立てることができ、現場での作業が煩雑化することを防止できる。
(c)H形鋼のフランジの幅を、例えば溶接H形鋼を用いてフランジ及びウェブそれぞれの板厚の設定の自由度を高めることによって、スチールハウスの壁の一般的な厚さである89〜92mmに設定できる。
(f)例えば溶接H形鋼を用いて各部寸法の設定の自由度を高めることによって、曲げ荷重に対する効率が高い。
このように、本発明は、近年採用されるようになってきたスチールハウス工法により建築された、例えば二階建てや三階建て等のスチールハウスの品質及びコストの面で益するところ、甚大である。
以下、本発明に係るスチールハウスの枠組構造及びスチールハウスを実施するための最良の形態を、添付図面を参照しながら説明する。なお、以降の説明では、このスチールハウス梁用H形鋼が、二枚のフランジ帯材と一枚のウェブ帯材とを所望の横断面形状に組み合わせてから溶接することにより得られるスチールハウス梁用溶接H形鋼である場合を例にとるが、本発明は溶接H形鋼に限定されるものではなく、圧延H形鋼についても同様に適用可能である。
[耐力壁パネル42]
耐力壁パネル42は、柱及び梁(いずれも図示しない)により構成される枠体により支持されて、スチールハウス41の壁をなすものである。
[床パネル43]
床パネル43は、床根太46及び床根太46の上部に載置される床材47からなり、スチールハウス41の各階の床をなすものである。
本実施の形態では、臥梁44−1、44−2として、上述したスチールハウス梁用溶接H形鋼48−1、48−2を用いる。なお、スチールハウス梁用溶接H形鋼48−1はスチールハウス1の端部の臥梁4−1に用いられ、一方、スチールハウス梁用溶接H形鋼48−2はスチールハウス1の内部の臥梁4−2に用いられる。
これにより、スチールハウス41の床パネル43を構成する床根太46を、スチールハウス梁用溶接H形鋼48−1、48−2の下フランジ49b、51bの上面に載置した際に、床根太46の上面と、上フランジ49a、51aの上面とを、同一平面上に位置すること、すなわち面位置とすることができる。このため、床根太46及び上フランジ49a,51aの上面に配置する床材47の全面を支持することができ、部分的に支持部が存在しない、いわゆる不陸部を解消することができる。
本実施の形態では、このような寸法のH形鋼48−1、48−2を得るために、これを溶接H形鋼により構成した。周知のように、溶接H形鋼とは、二枚の帯板であるフランジ母材と、一枚の帯板であるウェブ母材とを、溶接機手前の加圧位置でH形の所望の断面形状となるように送給して組み合わせて溶接することにより製造されるものである。フランジ母材及びウェブ母材それぞれの寸法を変更することによりフランジ及びウェブの寸法を高い自由度で変更することができる。
この本実施の形態におけるスチールハウス梁用溶接H形鋼48−1、48−2、スチールハウスの枠組構造45及びスチールハウス41により、以下に列記する効果が得られる。
(f)溶接H形鋼48−1、48−2を用いるため、曲げ荷重に対する効率が高い。
このように、本実施の形態によるスチールハウス梁用溶接H形鋼48−1、48−2、スチールハウスの枠組構造45及びスチールハウス41により、近年採用されるようになってきたスチールハウス工法により建築された、例えば二階建てや三階建て等の低層のスチールハウスの品質及びコストの面で益するところ、甚大である。
上述した実施の形態の説明では、図1(e)に示すスチールハウス梁用H形鋼30e、30fを用いた場合を例にとった。しかし、本発明はこの形態に限定されるものではなく、図1(d)に示すスチールハウス梁用H形鋼30dについても同様に適用できることはいうまでもない。
42 耐力壁パネル
43 床パネル
44−1、44−2 臥梁
45 枠組構造
46 床根太
47 床材
48−1、48−2 スチールハウス梁用溶接H形鋼
49a,49b、51a、51 上下のフランジ
50、52 ウェブ
53 ドリルねじ
54 L型金物等
Claims (4)
- 枠体により支持されて、スチールハウスの壁をなす耐力壁パネルと、床根太及び該床根太の上部に載置される床材からなり、前記スチールハウスの各階の床をなす床パネルと、前記耐力壁パネル及び/又は前記床パネルを接合する臥梁とを備え、
前記臥梁は、スチールハウスの梁に用いられる、上下のフランジと該上下のフランジを結合するウェブとを有するスチールハウス梁用H形鋼であって、該上下のフランジ及びウェブは、いずれも、ドリルネジをねじ込むことによる他の部材との接合が可能な厚さを有すること、及び、前記上下のフランジのうちの少なくとも下フランジの幅は、前記スチールハウスの壁の厚さと略同じ寸法であり、前記ウェブの高さの外法は、前記スチールハウスの床パネルを構成する床根太のせいと前記下フランジの厚さとの和の値と略同じ値であり、前記下フランジの幅は前記上フランジの幅よりも大きく、かつ、前記ウェブが前記上下のフランジの幅方向の中央で該上下のフランジと接合する対称形状、又は、前記ウェブが前記上下のフランジの少なくとも一方の幅方向の中央を除いた位置で該上下のフランジと接合する非対称形状を有するスチールハウス梁用H形鋼を有すること、及び、該スチールハウス梁用H形鋼のフランジは、ドリルネジをねじ込まれることにより、前記耐力壁パネルの下面と接合されるとともに、前記下フランジの上に前記床根太を置いて、前記上フランジは前記床根太の端面に近接して配置されること
を特徴とするスチールハウスの枠組構造。 - 前記スチールハウス梁用H形鋼は溶接H形鋼である請求項1に記載されたスチールハウスの枠組構造。
- 枠体により支持されて、スチールハウスの壁をなす耐力壁パネルと、床根太及び該床根太の上部に載置される床材からなり、前記スチールハウスの各階の床をなす床パネルと、前記耐力壁パネル及び/又は前記床パネルを接合する臥梁とを備える枠組構造を備え、
前記臥梁は、スチールハウスの梁に用いられる、上下のフランジと該上下のフランジを結合するウェブとを有するスチールハウス梁用H形鋼であって、該上下のフランジ及びウェブは、いずれも、ドリルネジをねじ込むことによる他の部材との接合が可能な厚さを有すること、及び、前記上下のフランジのうちの少なくとも下フランジの幅は、前記スチールハウスの壁の厚さと略同じ寸法であり、前記ウェブの高さの外法は、前記スチールハウスの床パネルを構成する床根太のせいと前記下フランジの厚さとの和の値と略同じ値であり、前記下フランジの幅は前記上フランジの幅よりも大きく、かつ、前記ウェブが前記上下のフランジの幅方向の中央で該上下のフランジと接合する対称形状、又は、前記ウェブが前記上下のフランジの少なくとも一方の幅方向の中央を除いた位置で該上下のフランジと接合する非対称形状を有するスチールハウス梁用H形鋼を有すること、及び、該スチールハウス梁用H形鋼のフランジは、ドリルネジをねじ込まれることにより、前記耐力壁パネルの下面と接合されるとともに、前記下フランジの上に前記床根太を置いて、前記上フランジは前記床根太の端面に近接して配置されること
を特徴とするスチールハウス。 - 前記スチールハウス梁用H形鋼は溶接H形鋼である請求項3に記載されたスチールハウス。
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