JP4244160B2 - 眼底カメラ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、眼科分野において被検眼の眼底像を撮影するために使用される眼底カメラに関し、より詳しくは、眼底像を撮影するための各種の設定を連動して行うことによって装置の操作性・使用効率が向上され、撮影の精度も良好に構成された眼底カメラに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
眼科分野では、従来から、患者の眼底の疾患部位を発見しそれを撮影する等の目的のために眼底カメラが広く利用されている。眼底カメラには、通常、被検眼の眼底を照明するための光学系と、この光学系により照明された眼底を観察するための光学系と、眼底像を撮影するための光学系とが備えられている。下記の特許文献1および2には、従来の眼底カメラの構成が開示されている。
【0003】
特許文献1には、固定ステージ上に前後左右に摺動可能な可動ステージが設けられ、この可動ステージに装置本体が上下動可能に搭載され、可動ステージに設けたジョイスティックを用いて可動ステージおよび装置本体の操作を行う眼底カメラにおいて、ジョイスティックには多段スイッチが設けられ、この多段スイッチの任意の段位置で入力のオン・オフを一定期間内に複数回行うことによって、各種の動作を行う手段を有し、様々な動作をこのようなジョイスティックの操作のみで行えるよう構成された眼底カメラが開示されている。
【0004】
また、この多段スイッチを操作することで行われる動作としては、撮影光源の照射および画像記録(撮影)、撮影画角(撮影倍率)の変更、撮影光路の変更、眼底に対しほぼ共役な位置に配置された照明や撮影絞りの径の変更、観察用の照明光量と撮影用の照明光量の変更、撮影モードの切り換え、タイマーのオン・オフ特殊撮影用や減光用のフィルタの光路内への挿脱、固定ステージに対する可動ステージの左右動、可動ステージに対する装置本体の上下動、バンニング・チルティングの各部の制動機構の作動が明示されている。更に、当該文献には、このような各種の動作を任意に設定可能な可変手段が付加された構成の眼底カメラも開示されている。
【0005】
一方、特許文献2には、被検眼の眼底を照明する観察光源と撮影光源とを備えた照明光学系と、この照明光学系によって照明された眼底像を撮影する撮影光学系と、照明光学系の被検眼の前眼部と略共役な位置に設けられたリングスリットと遮光点とを有する眼底カメラにおいて、被検眼の瞳孔径を入力または検出する手段と、被検眼の瞳孔径に応じて上記遮光点の大きさと、前記照明光源の光量または撮影光源の光量を制御する制御手段とを有し、被検眼の瞳孔の大きさに拘わらず、一定の明るさで眼底を照明できるよう構成された眼底カメラが開示されている。また、上記の瞳孔径を入力または検出する手段被検眼の前眼部を観察する前眼部観察手段と、この前眼部観察手段により得られた像を撮像する撮像手段と、この撮像手段からの画像出力に基づいて被検眼の瞳孔径を計測する画像計測手段とを備えている。
【0006】
特許文献3には、観察撮影光学系の合焦レンズおよび結像レンズ以降の光路において分岐された、光電式撮影光学系を含む少なくとも2つの撮影光学系を有し、当該光電式撮影光学系には焦点深度バランスを深めるための絞りが設けられた眼科用撮影装置が開示されている。当該眼科用撮影装置によれば、焦点深度が浅い光電式撮影光学系の合焦を確実に行うことができるので、好適な撮影画像を得ることが可能となる。
【0007】
【特許文献1】
特開平7−67834号公報(請求項)
【特許文献2】
特開平8−10228号公報(請求項)
【特許文献3】
特許第2991298号明細書
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
近年、コンピュータを用いての作業やゲームの普及、更には老齢人口の増加等の理由から、眼科分野における治療や検査に対する需要が大きくなってきている。このような現状を反映して、各種の眼科装置を開発するに当たりその操作性の向上等に基づく治療や検査の効率化が重視されるようになってきた。
【0009】
眼底カメラについてもそのような傾向が進んでおり、コンピュータプログラムの制御に基づく各種動作の連動や各種設定の自動化が図られるなど、ハードウェア的な改良だけでなく、ソフトウェア面における改良もその一翼を担うようになっている(例えば上記特許文献1を参照)。
【0010】
このようなソフト面での改良を進めて眼底カメラの使用効率性を追求する場合や、その機能の拡充を図る場合、そのカウンターバランスとして撮影精度の担保/向上が念頭に置かれるべきことはいうまでもない。
【0011】
例えば、適当な大きさの撮影絞りを選択することは、撮影精度を向上させるための重要なファクターであるが、このような制御を自動的かつ系統的に行うことは従来にはできなかった。特に、上記特許文献1では、ジョイスティックに設けられた多段スイッチを手動操作することによって撮影絞りの径の変更を行えるように構成されているが、どの大きさを選択するかは検者の判断による外に術はない。したがって、使用効率の観点から、そして人為的判断ミスのリスク等に基づく撮影精度の観点からも好適とは言い難いと考えられる。
【0012】
また、選択された撮影絞りに対応した適正な観察用照明や撮影用照明の光量を決定することも撮影精度に大きく影響を与えるが、このような光量制御も行われていなかった。
【0013】
また、現在普及している眼底カメラでは、CCDや35mmカメラフィルム、インスタントフィルム等の各種の撮影媒体によって眼底像を撮影することができるよう構成されたものが多いが、これら撮影媒体の解像度や感度等の違いに応じて制御を好適に行うこと、即ち、使用上の効率性および撮影精度の両者のバランスを考慮しての制御手法について、上記の特許文献1および2に開示された発明やその記載から想到することは困難と思われる。
【0014】
特許文献3に記載の発明は、観察により確認される合焦状態と光電式撮影光学系での合焦状態との差違による撮影画像の精度の劣化を解消するためのもので、選択的に使用される各種の撮影媒体間の解像度や感度の差違に対応するための構成を有するものではない。
【0015】
ところで、実際の使用上、眼底観察時における観察用照明の光量は小さく設定され、一方、眼底像の撮影時における撮影用照明の光量は大きく設定されていることが好ましい。即ち、眼底を観察するためには比較的長時間に亘って被検眼を照明する必要があり、被検眼へのダメージや被検者に与える不快感等を考慮すると、小さめの光量を用いることが好ましい。一方、撮影時においては、詳細な像を撮影するためには眼底を十分に明るく照明しなければならず、また照明時間も短いため、大きめの光量が使用されている。また、眼底観察時には、感度の高い検者の眼によって眼底像を捉えているため、小さめの光量でも眼底を観察することが十分に可能である一方、眼底カメラに使用されるCCDや35mmカメラフィルム、インスタントフィルム等の撮像媒体は感度が比較的低いため、大きめの光量が必要とされる。
【0016】
本発明は、以上のような事情に鑑みてなされたもので、被検眼の眼底像を撮影するための各種の設定を連動的に行うことにより操作性・使用効率の向上が図られているとともに、撮影の精度も良好な眼底カメラを提供することを目的とするものである。また、本発明は、被検眼へのダメージや被検者に与える不快感を軽減することが可能な眼底カメラを提供することを目的とするものでもある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、被検眼の眼底像を観察するための観察用光源と、撮影するための撮影用光源とを有し、これらの光源から発せられた照明光の前記被検眼の眼底による反射光を、絞り値を変更可能に設けられた絞り手段を介して観察及び/又は撮影する眼底カメラにおいて、前記絞り手段の前記絞り値が変更されたことを検知する検知手段と、前記絞り値が変更されたことに連動して前記検知手段によって検知された前記絞り値を基に撮影時の光量を求め、該求めた光量に前記照明光の光量を変更する制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0018】
また、上記目的を達成するために、請求項2に記載の発明は、請求項1記載の眼底カメラであって、前記眼底像の撮影に用いられる撮影媒体の種類を設定するための撮影媒体設定手段を更に有し、前記制御手段は、前記撮影媒体設定手段によって設定された前記撮影媒体の種類に応じて、前記絞り手段の前記絞り値を変更し得る範囲を設定することを特徴とする。
【0019】
また、上記目的を達成するために、請求項3に記載の発明は、請求項1記載の眼底カメラであって、カラー撮影モード、可視蛍光撮影モードまたは赤外蛍光撮影モードのいずれかを含む、前記眼底像を撮影するときの撮影モードを設定するための撮影モード設定手段を更に有し、前記制御手段は、前記撮影モード設定手段によって設定された前記撮影モードに応じて、前記絞り手段の前記絞り値を変更し得る範囲を設定することを特徴とする。
【0020】
また、上記目的を達成するために、請求項4に記載の発明は、請求項1記載の眼底カメラであって、前記眼底像を撮影するときの撮影倍率を設定するための撮影倍率設定手段を更に有し、前記制御手段は、前記撮影倍率設定手段によって設定された前記撮影倍率に応じて、前記絞り手段の前記絞り値を変更し得る範囲を設定することを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る眼底カメラの実施の形態の一例について、図面を参照しながら詳細に説明する。本発明に係る眼底カメラは、撮影絞りに絞り値の調整に関わる各種の連動動作を可能に構成されており、装置の使用効率の向上およびそれに伴う撮影精度の担保/向上を図ることを目的としたものである。
【0022】
[外観構成]
図1は本発明の一実施形態である眼底カメラの外観を表す側面図である。同図に示す眼底カメラ1は、ベース2と、このベース2上に前後左右方向(水平方向)にスライド可能に搭載された架台3とを備えている。架台3には、ジョイスティック4が設置されており、検者はこのジョイスティック4を操作することによって、架台3をベース2上において自由に移動させることができる。また、ジョイスティック4の頭部には、コントロールレバー4aが配置され、各種の操作を行えるようになっている。
【0023】
ベース1上には支柱5が立設され、被検者の顎部を載置させるための顎受け6と、被検眼Eを固視させるための光源である外部固視灯7とが設けられている。
【0024】
架台3には、眼底カメラ1の各種光学系や制御系を格納する本体部8が搭載されている。なお、上記制御系は、ベース2や架台3の内部等に設けられていてもよい。本体部8には、被検眼Eに対向配置される対物レンズ部8aと、検者が被検眼Eの観察等を行うための接眼レンズ部8bとが設けられている。
【0025】
また、本体部8には、被検眼Eの眼底の静止画像を撮影するための第1の撮像装置9と、被検眼Eの眼底像を撮像するためのテレビカメラ等の第2の撮像装置10とが接続されている。第1の撮像装置9および第2の撮像装置10は、本体部8に対して取り外し可能に接続されている。特に、第1の撮像装置9としては、検査の目的等に応じて、CCDカメラ、(例えば35mm)フィルムカメラ、インスタントカメラ等を適宜接続することができる。また、第1の撮像装置9および/または第2の撮像装置10がデジタル撮像方式のものである場合には、眼底カメラの外部に設けられたコンピュータ等からなる画像記録装置(詳細については後述する)にその画像を送信して記録しておくことができるようになっている。
【0026】
更に、本体部8の検者側には、タッチパネルモニタ11が設けられている。このタッチパネルモニタ11は、第2の撮像装置10により取得された映像信号を基に被検眼Eの眼底像を表示するようになっている。また、タッチパネルモニタ11には、その画面中央を原点とするXY座標系が眼底像に重ねて表示されるようになっており、画面に触れると、その触れた位置に対応する座標値が表示されるよう構成されている。
【0027】
また、架台3の上面部3aには、図2に示すようなコントロールパネル30が設けられている。このコントロールパネル30は、各種の設定や撮影状況の確認等を行うためのボタンや表示部を含んで構成されており、特に、詳細は後述するが、撮影モードの設定、撮影倍率(撮影画角)の設定、第1の撮像装置9を構成する撮影媒体の種類の設定、撮影絞りの絞り値の設定、撮影絞りの絞り値の確認、優先モードの設定等を行うことができる。
【0028】
コントロールパネル30には、撮影モードの設定を行うためのボタンとして、通常のカラー撮影モードを選択するためのNORMボタン31aと、可視蛍光撮影モード(FAG撮影モード)を選択するためのFAGボタン31bと、赤外蛍光撮影モード(ICG撮影モード)を選択するためのICGボタン31cとが設けられている(本発明にいう撮影モード設定手段)。また、撮影倍率を上げるためのUPボタン32aと、下げるためのDOWNボタン32bとが設けられている(本発明にいう撮影倍率設定手段)。更に、設定された撮影倍率を表示するための表示部32Aが配置されている。また、上記撮影媒体の種類の設定を行うためのボタンとしては、CCDカメラを接続するときに選択されるCCDボタン33aと、フィルムカメラを接続するときに選択されるFILMボタン33bと、インスタントカメラを接続する場合に選択されるPOLAボタン33cとが設けられている(本発明にいう撮影媒体設定手段)。また、撮影絞りの絞り値を大きくするためのUPボタン34aと、小さくするためのDOWNボタン34bとが設けられている。更には、撮影絞りの絞り値を表す情報を表示するための表示部34Aが配置されている。また、優先モードを設定するためのボタンとしては、画像の解像度を撮影上優先する場合に選択される解像度ボタン35aと、画像の深度を優先する場合に選択される深度ボタン35bとが設けられている。
【0029】
ここで、上記の優先モードについてその詳細を補足しておく。優先モードは、被検眼Eのどのような眼底像を撮影するかに応じて選択される各種のモードからなる。解像度ボタン35aを押下して選択される解像度優先モードは、被検眼Eの眼底の微細な状態を撮影したい場合に用いられるモードで、疾患部位が小さなときなどに使用される。また、深度ボタン35bを押下して選択される深度優先モードは、被検眼Eの眼底全体の状態を撮影したい場合に用いられるモードである。なお、優先モードとして設定可能なモードの種類は、この2つに限定されるものではなく、撮影における各種の条件や撮影の目的などに応じて、適宜設けることが可能である。
【0030】
なお、コントロールパネル30には、これら以外にも各種のボタンやスイッチ、表示部等を設けることができる。例えば、タイマーを設定・操作するためのボタン、タイマーを表示するための表示部、観察光量や撮影光量を手動で調整するためのボタン、各種照明光のオン/オフを切り換えるためのスイッチ、被検眼Eが右眼であるか左眼であるかを表示する表示部等を配置することができる。
【0031】
[光学系の構成]
図3は、本体部8に格納された光学系の構成の一例を示す概略図である。本実施形態に眼底カメラ1には、被検眼Eの眼底Efを照明するための照明光学系100と、照明された眼底Efの観察およびその像の撮影を行うための撮影光学系120とが設けられている。
【0032】
照明光学系100は、ハロゲンランプ101と、コンデンサレンズ102と、キセノンランプ103と、コンデンサレンズ104と、エキサイタフィルタ105および106と、リング開口板107と、ミラー108と、液晶表示器109と、照明絞り110と、リレーレンズ111と、孔開きミラー112と、対物レンズ113とが、この順に配列され構成されている。
【0033】
ハロゲンランプ101は、検者が被検眼Eを観察するときや、眼底のカラー撮影を行うときに点灯される、継続的に発光可能な光源であり、本発明にいう撮影用光源および観察用光源を構成している。コンデンサレンズ102は、ハロゲンランプ101からの観察光を集光し、被検眼E(特にその眼底Ef)を均等に照射するための光学素子である。また、キセノンランプ103は、眼底Efの蛍光撮影時に点灯される光源である。コンデンサレンズ104は、キセノンランプ103からの観察光を集光し、眼底Efを均等に照射するための光学素子である。
【0034】
エキサイタフィルタ105、106は、眼底Efの眼底像の蛍光撮影を行うときに使用されるものである。エキサイタフィルタ105、106は、後述のソレノイドにより光路上に挿脱可能に設けられており、FAG撮影モードのときはエキサイタフィルタ105のみが光路上に挿入され、ICG撮影モードのときはエキサイタフィルタ106のみが光路上に挿入され、カラー撮影モードのときは双方ともに光路上から離脱されるようになっている。
【0035】
リング開口版107は、被検眼Eの瞳孔と共役な位置に配置されており、光軸を中心としたリング開口107aを備えている。また、ミラー108は、ハロゲンランプ101やキセノンランプ103から光を反射し、撮影光学系103の光軸方向に偏向させるための光学素子である。
【0036】
液晶表示器109は、図4に示すようなドットからなる固視標109aを形成して被検眼Eの固視を促すもので、表示するドットの位置を変更して被検眼Eの視線方向を誘導させるためのものである。なお、この液晶表示部109は眼底Efと共役な位置に配置されており、固視標109aが眼底Ef上に結像されるようになっている。
【0037】
照明絞り110は、フレアを解消する等の目的のために照明領域外の光を遮光する絞りで、照明領域を可変とするとともに、後述のソレノイドにより光軸方向に移動可能に構成されている。孔開きミラー112は、照明光学系100の光軸と撮影光学系120の光軸とを合成する合成部材であり、両光軸をほぼ中心として孔部112aが形成されている。また、対物レンズ113は、本体部8の対物レンズ部8a内に配置されている。
【0038】
以上の構成を備えた照明光学系100により、被検眼Eの眼底Efは次のような態様で照明される。まず、眼底Efの観察時やその眼底像のカラー撮影時には、ハロゲンランプ101が点灯される。ハロゲンランプ101からの光は、コンデンサレンズ102、104を介してリング開口板107を照射する。リング開口板107のリング開口107aを通過した光は、ミラー108により偏向され、液晶表示器109、照明絞り110およびリレーレンズ111を経由し、孔開きミラー112によって撮影光学系120の光軸方向に偏向され、対物レンズ113を介して被検眼Eを照明する。ここで、リング開口板107は被検眼Eの瞳孔に共役配置されているので、瞳孔上にリング開口像が形成され、このリング開口像によって眼底Efが照明されることとなる。
【0039】
また、蛍光撮影時には、キセノンランプ103が発光され、上記と同様にして眼底Efが照明される。このとき、可視蛍光撮影か赤外蛍光撮影かに応じて、エキサイタフィルタ105または106が選択的に光路上に挿入される。
【0040】
一方、被検眼Eの眼底Efの観察およびその眼底像の撮影を行うための撮影光学系120は、対物レンズ113と、孔開きミラー112の孔部112aと、撮影絞り121と、バリアフィルタ122および123と、合焦レンズ124と、固定レンズ135と、撮影レンズ126と、クイックリターンミラー127とをこの順で含んで構成されている。また、符号9aは、第1の撮像装置9の撮影媒体であり、CCD、35mmカメラフィルム(以下、単にフィルムと称することがある)、インスタントフィルム等を示している。
【0041】
図5は、本発明にいう絞り手段を構成している撮影絞り121の概略構成の一例を示した図である。撮影絞り121は円盤状に形成されており、その中心には回動軸121Aが接続され、後述のソレノイドによって回動されるよう構成されている。また、撮影絞り121には、複数(例えば6つ)の大きさの絞りが形成されており、透孔部のサイズが大きなものから、絞り121a、121b、121c、121d、121eおよび121fと符号が付されている。なお、透孔部のサイズが大きくなれば絞り値は小さくなり、透孔部のサイズが小さくなれば絞り値は大きくなる。
【0042】
バリアフィルタ122および123は、後述のソレノイドにより光路上から離脱可能に配置されており、FAG撮影モードのときはバリアフィルタ122のみが光路上に挿入され、ICG撮影モードのときにはバリアフィルタ123のみが光路上に挿入され、カラー撮影モードのときには両バリアフィルタ132、133が光路上から離脱されるようになっている。
【0043】
合焦レンズ124は、眼底Efの像のフォーカスを行うために、光軸方向に移動可能に配置されたレンズである。また、撮影レンズ126は、被検眼Eからの光束を撮影媒体9a上に結像させるための光学素子である。
【0044】
クイックリターンミラー127は、回動軸127aを中心として回動可能に設けられており、第1の撮像装置9によって眼底Efの像を撮影するときに跳ね上げられて、被検眼Eからの光束を撮影媒体9aに導くようになっている。被検眼Eを観察する場合や、第2の撮像装置10により撮影を行うときには、光路上に斜設配置とされ、光束を反射し偏向するようになっている。
【0045】
更に、撮影光学系120には、クイックリターンミラー127により偏向された光束が案内される、フィールドレンズ(視野レンズ)128と、切換ミラー129と、接眼レンズ130と、リレーレンズ131と、ミラー132と、リレーレンズ133とが設けられている。
【0046】
切換ミラー129は、回動軸129aを中心に回動可能とされている。検者が被検眼Eを観察するときは、切換ミラー129が光路上に斜設され、光束を偏向して接眼レンズ130に導くようになっている。また、第2の撮像装置10により撮影を行うときには、切換ミラー129は光路上から退避されるようになっている。このとき光束は、リレーレンズ131、ミラー132およびリレーレンズ133を介して撮像素子10aに投影される。第2の撮像装置10により撮影された眼底Efの眼底像Ef’は、タッチパネルモニタ11に表示されるようになっている。
【0047】
[制御系の構成]
続いて、本実施形態の眼底カメラ1の各部を制御するための制御系の構成の一例について、図5に示すブロック図を更に参照しながら説明する。この眼底カメラ1の制御系は、制御手段140と記憶手段150とを中心に構成されている。制御手段140は、各種の演算・制御を行うことが可能なCPU等の演算制御装置と、処理に係るプログラムやデータが展開されるRAM等の記憶装置等とを含んで構成されている。また、記憶手段150は、眼底カメラ1の制御プログラム等のコンピュータプログラムや、各種のデータを記憶している。制御手段140は、記憶装置150に記憶されたプログラムやデータを基に、眼底カメラ1の制御を行うようになっている。
【0048】
また、眼底カメラ1には、撮影された画像を記録するための画像記録装置200が接続されており、制御手段140は、画像記録装置200とのデータ送受のインターフェイスとしてのインターフェイス部(I/F部)160を介して、画像データの送信等を行う。なお、眼底カメラ1の外部に画像記録装置200を設ける代わりに、画像を記録可能なバッファ等の画像記録手段を眼底カメラ1内に設けるよう構成することもできる。また、画像記録装置200としてコンピュータ等の情報処理装置を採用する場合、画像記録装置200のモニタにコントロールパネル30と同様の設定・操作画面を表示可能に構成し、この設定画面を用いて各種の設定や操作を行うようにすることもできる。
【0049】
制御手段140には、ハロゲンランプ101と、キセノンランプ103と、コントロールパネル30と、照明絞り110と、ソレノイド141から147とが接続されている。ソレノイド141は、エキサイタフィルタ105、106を光路に対して挿脱させるための駆動を行う。また、ソレノイド142は、照明絞り110を光軸方向に移動させるための駆動を行う。また、ソレノイド143は、撮影絞り121を回動軸121aを中心に回転させるための駆動を行う。また、ソレノイド144は、バリアフィルタ122、123を光路に対して挿脱させるための駆動を行う。また、ソレノイド145は、合焦レンズ124を光軸方向に移動させてフォーカシングするための駆動を行う。また、ソレノイド146は、クイックリターンミラー127を回動軸127aを中心に回転させるための駆動を行う。また、ソレノイド147は、切換ミラー129を回動軸129Aを中心に回転させるための駆動を行う。
【0050】
制御手段140は、ハロゲンランプ101およびキセノンランプ103の点灯/消灯の切り換えや、光量の調整を行う。また、制御手段140は、照明絞り110の絞りの大きさを変更させるようになっている。
【0051】
更に、制御手段140は、コントロールパネル30からの各種の入力や設定を受けて、対応する各部を動作制御するようになっている。なお、図6では、図が煩雑になるのを回避するために、コントロールパネル30に配置された各ボタンの符号の表記が省略されている。
【0052】
また、制御手段140は、コントロールパネル30の表示部34Aに、撮影絞り121の絞り値を表す情報を表示させるようになっている。ここで、絞り値を表す情報は次のような態様で表示される。図5に示すように、撮影絞り121には、各種の絞り値を実現するための絞り121aから121fが形成されている。撮影光学系120の光軸上に絞り121aが配置されているとき、表示部34Aには「1」と表示される。また、光軸上に絞り121bが配置されているとき、表示部34Aには「2」と表示される。また、光軸上に絞り121cが配置されているとき、表示部34Aには「3」と表示される。また、光軸上に絞り121dが配置されているとき、表示部34Aには「4」と表示される。また、光軸上に絞り121eが配置されているとき、表示部34Aには「5」と表示される。また、光軸上に絞り121fが配置されているとき、表示部34Aには「6」と表示される。即ち、表示部34Aには、撮影絞り121の絞り値が小さな順に「1」〜「6」と表示されるようになっている。
【0053】
なお、このように光軸上に配置される絞り121a〜121fに対応する数字を表示する代わりに、光軸上に配置される絞りの絞り値を表示するよう構成したり、絞りのサイズを表示するよう構成することもできる。即ち、使用に供されている撮影絞り121の絞り値を表す情報であれば、表示部34Aによる表示形態の形態は問わない。
【0054】
[眼底カメラの動作および作用効果]
以下、上記のような構成を備えた本実施形態の眼底カメラ1の動作および作用効果について説明する。
【0055】
図7は、眼底カメラ1の動作の一例を示すフローチャートである。眼底像の撮影を行う際には、被検者を図示しない椅子に座らせ、顎受け6に顎を載置させる。そして、被検眼Eに対する光学系のアライメントを行う。
【0056】
以上の準備が整ったら、まず、コントロールパネル30に配置されたボタン31a、31bまたは31cを選択的に押下して撮影モードの設定を行う(S1)。押下されたボタンは点灯され、どのモードを選択したかを認識できるようになっている。選択された撮影モードは、制御手段140内のRAMまたは記憶手段150に設定条件情報として記憶される。制御手段140は、選択された撮影モードに応じて各部の設定を制御する。例えば、ボタン31aに対応するカラー撮影モードが選択された場合、撮影時にハロゲンランプ101を点灯させるよう制御し、一方、ボタン31bまたは31cに対応するFAGモードまたはICGモードが選択された場合には、キセノンランプ103を点灯させるよう制御する。
【0057】
次に、ボタン33a、33bまたは33cを選択的に押下して第1の撮像装置9に使用される撮影媒体の種類の設定を行う(S2)。押下されたボタンは点灯され、どの撮影媒体を選択したか認識できるようになっている。選択された撮影媒体の種類は、制御手段140内のRAMまたは記憶手段150に設定条件情報として記憶される。
【0058】
続いて、ボタン32aおよび/または32bを押下して、撮影倍率の設定を行う(S3)。このとき、表示部32Aに表示される倍率を確認しながら所望の撮影倍率に合わせる。設定された撮影倍率は、制御手段140内のRAMまたは記憶手段150に設定条件情報として記憶される。なお、以上のS1〜S3の設定動作は、任意の順序で行うことが可能である。
【0059】
以上の設定動作が終了すると、制御手段140は、ソレノイド143を制御して撮影絞り121を回動させ、絞り値を上記の設定条件情報に対応した所定の初期値に設定する(S4)。
【0060】
なお、このステップにおいては、撮影絞り121の上記初期値の決定を行うとともに、撮影絞り121の絞り値を小さな値(例えば最小の絞り値)に設定するようにし、実際に撮影を行うときに制御手段140によってソレノイド143を制御して、撮影絞り121を上記初期値に設定するようにしてもよい。このような構成とすれば、撮影前に眼底Efを観察する場合の撮影絞り121の絞り値を十分小さく保持することができるため、観察用のハロゲンランプ101の光量を低く押さえることができ、また観察像の解像度を向上させることが可能となる。
【0061】
このとき、撮影絞り121の絞り値を更に変更し得る範囲も設定される。逆に言えば、撮影絞り121の絞り値の変更が禁止となる範囲が設定される。例えば、撮影媒体としてCCDが選択された場合、撮影絞り121の絞り121dが光路上に配置され、コントロールパネル30の表示部34Aには「4」が表示されるとともに、絞り121a〜121fの全ての絞りを使用可能とするよう制御される。また、撮影媒体としてフィルムが選択された場合、撮影絞り121の絞り121bが光路上に配置され、コントロールパネル30の表示部34Aには「2」が表示されるとともに、絞り121a、121bおよび121cのみを使用可能とするよう制御される。撮影媒体9aの種類に応じて行われるこのような制御は、CCDの解像度とフィルムの解像度との違いを基とするものである(例えば、ISO100の35mmフィルムは1000万画素のCCDと同程度の解像度を有する)。つまり、CCDは比較的解像度が低いため、撮影絞り121を大きな絞り値に設定しても画像の精度にそれほど影響がないのに対し、解像度の高いフィルムを使用する場合には、絞り値を大きくすると画像の精度が目に見えて劣化してしまうことを反映したものである。なお、撮影絞り121の絞り値の上記初期値および使用可能とされる絞り値の範囲は、上記の値に限定されるものではなく、撮影精度を劣化させない範囲において任意に設定することができる。なお、ここで設定される撮影絞り121の絞り値を更に変更し得る範囲は、上記のように撮影媒体の種類に応じたものに限定されることはなく、撮影モードや撮影倍率の違いに応じて適宜設定されるような構成とすることももちろん可能である。また、これら単独の設定条件に応じて上記変更しうる範囲が設定されるだけではなく、2つないしは3つの設定条件に応じたものであってもよい。更には、上記以外の設定条件を加味してもよい。
【0062】
次に、優先モードを使用するか否か決定する(S5)。優先モードを使用しない場合は(S5;N)、S4で設定された初期値の絞り値で被検眼Eの眼底Efの眼底像Ef’の撮影を行う(S10)。このときに点灯されるハロゲンランプ101またはキセノンランプ103の光量は、制御手段140によって制御される。
【0063】
一方、優先モードを使用する場合(S5;Y)、コントロールパネル30のボタン35aは他は35bを選択的に押下することにより、解像度優先モードか深度優先モードかの選択を行う(S6)。
【0064】
解像度優先モードが選択された場合(S6;Y)、撮影される眼底像の解像度を高めるために、制御手段140は撮影絞り121の絞り値を所定の段階だけ小さく変更させる(S7)。例えば、上述した撮影媒体としてCCDが選択された場合においては、撮影絞り121を回動させて、絞り121dから絞り121bに2段階変更させる。このとき、コントロールパネル30の表示部34Aには「2」が表示される。また、撮影媒体としてフィルムが選択された場合においては、撮影絞り121の絞り121bが絞り121aに変換され、表示部34Aに「1」が表示される。なお、撮影絞り121の絞り値が変更される段階は、その目的に応じて適宜設定することができる。
【0065】
一方、深度優先モードが選択された場合(S6;N)、撮影される眼底像の撮影深度を深くするために、制御手段140は撮影絞り121の絞り値を所定の段階だけ大きく変更させる(S9)。例えば、撮影媒体としてCCDが選択された場合においては、撮影絞り121を回動させて、絞り121dから絞り121fに2段階変更させる。このとき、コントロールパネル30の表示部34Aには「6」が表示される。また、撮影媒体としてフィルムが選択された場合においては、撮影絞り121の絞り121bが絞り121cに変換され、表示部34Aに「3」が表示される。この場合も、撮影絞り121の絞り値が変更される段階は、その目的に応じて適宜設定することができる。
【0066】
なお、このステップにおいて、撮影絞り121の上述の初期値への設定と同様に、撮影絞り121の絞り値を変更する段階の決定を行うとともに、撮影絞り121の絞り値を小さな値(例えば最小の絞り値)に保持するようにし、実際に撮影を行うときに制御手段140によってソレノイド143を制御して、撮影絞り121を上記決定された段階だけ変更するようにしてもよい。
【0067】
優先モードの選択に応じて撮影絞り121の絞り値が変更されると、制御手段140は、絞り値の変更を検知し、検知されたこの絞り値に応じて、撮影用の光源であるハロゲンランプ101またはキセノンランプ103(図中では、まとめて「ランプ」と記載)の撮影時の光量を変更する(S8)。この撮影時の光量は、絞り値や設定条件情報を基に演算して求める構成とすることができ、また、絞り値や設定条件情報と光量とを関連付けたテーブルをあらかじめ記憶手段150等に保存しておき、これを参照して求める構成とすることもできる。なお、このように、制御手段140は本発明に言う検知手段として作用するものでもある。
【0068】
撮影時のランプの光量が変更されたら、当該光量をもって被検眼Eの眼底Efの眼底像Ef’の撮影を行う(S10)。制御手段140は、撮影された眼底像Ef’をI/F部160を介して画像記録装置200に送信し記録させる。
【0069】
以上のような制御を行うことにより、設定条件情報、特に撮影媒体の種類に応じて撮像絞り121の絞り値が連動して調整され、更にこの絞り値に応じて撮影時の照明光量が連動して調整されるので、使用効率の向上が図られるとともに、撮影される画像の精度を向上させることが可能となる。
【0070】
また、撮影された眼底像を画像記録装置200に送信するときに、当該眼底像を撮影したときの撮影絞り121の絞り値(または絞りのサイズや上記した絞り値を表す情報等、撮影時の絞り値を表す情報)も送信して、眼底像とともに、または眼底像と関連付けて保存しておくよう構成することができる。このようにすれば、撮影時における撮影絞り121の絞り値等の条件を必要なときに把握することができるようになるため、撮影の再現性を向上させることが可能となり、ひいては撮影の精度を良好なものとすることができる。
【0071】
また、眼底像の撮影を行ったときの撮影絞り121の絞り値を撮影媒体9a上に記録するよう構成することもできる。
【0072】
なお、検者は、制御手段140によって自動的に変更された撮影絞り121の絞り値を、コントロールパネル30のボタン34a、34bを用いて手動で変更できるようにしてもよい。例えば、より解像度を高くしたいときや、深度を深くしたいときなどにこのような手動の調整を行うことができる。また、検者自身の視力がさほど良くない場合等の検者の視力状態や癖などを補完する必要があるときや、撮影された眼底像をより詳細に視認したい場合等の検者の要望に添ったマニュアルでの設定が必要なときなどに上記の手動での調整を行ってもよい。なお、このような手動での調整が常時必要となる場合には、S7やS9で絞り値を変更する段階におけるその変更の程度を、手動での調整分を含めてあらかじめ設定しておき、自動的に調整を行うようにすることもできる。
【0073】
また、制御手段140により、眼底観察時などにコントロールパネル30が操作されて撮影モードや撮影倍率が変更されたことに対応して、撮影絞り121の絞り値を所定の初期値に復帰させるようソレノイド143を駆動制御するように構成してもよい。
【0074】
次に、図8を参照して、眼底カメラ1の動作の他の一例について説明する。同図に示す眼底カメラ1の動作には、被検眼E(の眼底Ef)を観察するときの照明光の光量制御が含まれている点が特徴となっている。なお、図7に示すプロセスと共通のものについては、その詳細は上記図7の説明に譲ることとする。
【0075】
まず、コントロールパネル30に配置されたボタン31a、31bまたは31cを選択的に押下して撮影モードの設定を行う(S11)。次に、ボタン33a、33bまたは33cを選択的に押下して第1の撮像装置9に使用される撮影媒体の種類の設定を行う(S12)。続いて、ボタン32aおよび/または32bを押下して、撮影倍率の設定を行う(S13)。
【0076】
以上の設定動作が終了すると、制御手段140は、ソレノイド143を制御して撮影絞り121を回動させて、絞り値を設定条件情報に対応する所定の初期値に設定する(S14)。このとき、撮影絞り121の絞り値が取り得る範囲も設定される。
【0077】
次に、優先モードを使用するか否か決定する(S15)。優先モードを使用しない場合は(S15;N)、そのまま被検眼Eの眼底Efの観察およびその眼底像の撮影を行う(S21、22)。このときに点灯されるハロゲンランプ101またはキセノンランプ103の光量は、制御手段140によって制御される。
【0078】
一方、優先モードを使用する場合(S15;Y)、コントロールパネル30のボタン35aまたは35bを選択的に押下することにより、解像度優先モードか深度優先モードかの選択を行う(S16)。
【0079】
解像度優先モードが選択された場合(S16;Y)、撮影される眼底像の解像度を高めるために、制御手段140は撮影絞り121の絞り値を所定の段階だけ小さく変更させる(S17)。一方、深度優先モードが選択された場合(S16;N)、撮影される眼底像の撮影深度を深くするために、制御手段140は撮影絞り121の絞り値を所定の段階だけ大きく変更させる(S19)。
【0080】
優先モードの選択に応じて撮影絞り121の絞り値が変更されると、制御手段140は、絞り値の変更を検知し、検知されたこの絞り値に応じて、観察用の光源であるハロゲンランプ101の照明光量を変更する(S18)。このとき、撮影絞り121の絞り値が大きい値である場合は、検者が視認する眼底像は暗くなるので、ハロゲンランプ101の光量を強くするよう制御する。絞り値が小さな場合は逆に光量を小さくするよう制御する。なお、絞り値とハロゲンランプ101の光量とは、あらかじめ関連付けられて記憶手段150に記憶されており、これを参照することにより光量の調整を行う。もちろん、光量を変更させないよう設定したり、絞り値に閾値を設けて、その閾値を超えた場合に光量を変更させるように設定することも可能である。
【0081】
次に、上記の検知された絞り値に応じて、撮影用の光源であるハロゲンランプ101またはキセノンランプ103(図8中では、まとめて「撮影用のランプ」と記載)の撮影時の光量の設定を変更する(S20)。
【0082】
撮影用のランプの光量が変更されたら、S18で設定されたハロゲンランプ101の光量の下で被検眼Eの眼底Efを観察し(S21)、S20で設定された撮影用のランプの光量をもって眼底Efの眼底像の撮影を行う(S22)。
【0083】
図8に示すような動作を行う眼底カメラ1によれば、撮影絞り121の絞り値に応じて観察用の照明の光量が連動制御されるので、装置の使用効率が向上される。また、観察用の照明光量が適正なものに設定され、眼底観察時における視認性が向上されることから、撮影される眼底像の精度を向上させることが可能となる。更に、検者が観察を行える範囲において照明光量が比較的小さめに設定されるよう制御することにより、被検眼Eへのダメージや被検者に与える不快感(眩しさ)を軽減することが可能となる。
【0084】
以上の各実施形態においては、図5に示すように、その絞り値を段階的に変更できるよう構成された撮影絞り121が設けられているが、絞り値を連続的に変更可能な構成の撮影絞りを適用することももちろん可能である。この場合、観察用の照明光量や撮影用の照明光量は、撮影絞りの絞り値に対して連続的にその値を変更するような構成としてもよく、また、絞り値に一つまたは複数のしきい値を設け、そのしきい値を挟んで光量の設定が変更されるような構成としてもよい。
【0085】
なお、上記の特許文献3に開示された構成では、絞りの変化に伴う照明光量の変化に対応するために、光量調節または波長補正のためのフィルタを配置しているが、本発明では絞り値と光量との関係に基づいて照明光量が制御されるため、そのようなフィルタを設ける必要はない。また、本発明によれば、撮影媒体(撮影モード)や撮影倍率に応じて自動的に決定される絞り値に応じて照明光量が制御されるので、当該文献に記載された構成のように複数の撮影光学系の配置関係を考慮することなく確実に画像精度を向上させることができる。
【0086】
実施の形態として説明した以上の構成は、本発明を具現化した一例に過ぎないものであって、本発明の主旨の範囲内における各種構成の変形や変更、追加を任意に行うことはもちろん可能である。
【0087】
【発明の効果】
請求項1に記載の眼底カメラによれば、被検眼の眼底像を撮影するための照明光の光量や眼底を観察するための照明光の光量を、絞り手段(撮影絞り)の絞り値の変更に連動させて調整することが可能であるので、検者は光量調整を手作業で行う必要がなくなり、装置の使用効率の向上を図ることができる。更に、撮影絞りの絞り値に合わせた適正な光量に調整されるので、撮影精度を十分に担保することも可能である。
【0088】
特に、眼底を観察するときの照明光の光量を、検者が観察を行える範囲において十分小さなものとなるよう制御することにより、比較的長時間かかる観察時における被検眼へのダメージや被検者に与える不快感を軽減させることが可能となる。
【0089】
請求項2、請求項3または請求項4に記載の眼底カメラによれば、設定された撮影媒体の種類、撮影モードまたは撮影倍率に応じて変更される撮影絞りの絞り値を、更に変更するときの変更可能な範囲が設定されるので、このような設定条件に対して不適当な絞り値に変更されてしまう事態を回避することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る眼底カメラの実施の形態の一例の外観構成を示す概略側面図である。
【図2】本発明に係る眼底カメラの実施の形態の一例に設けられたコントロールパネルを示す概略図である。
【図3】本発明に係る眼底カメラの実施の形態の一例に設けられた光学系の構成を示す概略図である。
【図4】本発明に係る眼底カメラの実施の形態の一例の光学系に設けられた液晶表示器の構成を示す概略図である。
【図5】本発明に係る眼底カメラの実施の形態の一例の光学系に設けられた撮影絞りの構成を示す概略図である。
【図6】本発明に係る眼底カメラの実施の形態の一例に設けられた制御系の構成を示す概略図である。
【図7】本発明に係る眼底カメラの実施の形態の一例による動作を示すフローチャートである。
【図8】本発明に係る眼底カメラの実施の形態の一例による動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 眼底カメラ
8 本体部
8a 対物レンズ部
8b 接眼レンズ部
9 第1の撮像装置
9a 撮影媒体
10 第2の撮像装置
30 コントロールパネル
100 照明光学系
101 ハロゲンランプ
103 キセノンランプ
120 撮影光学系
121 撮影絞り
124 合焦レンズ
140 制御手段
141〜147 ソレノイド
200 画像記録装置

Claims (4)

  1. 被検眼の眼底像を観察するための観察用光源と、撮影するための撮影用光源とを有し、
    これらの光源から発せられた照明光の前記被検眼の眼底による反射光を、絞り値を変更可能に設けられた絞り手段を介して観察及び/又は撮影する眼底カメラにおいて、
    前記絞り手段の前記絞り値が変更されたことを検知する検知手段と、
    前記絞り値が変更されたことに連動して前記検知手段によって検知された前記絞り値を基に撮影時の光量を求め、該求めた光量に前記照明光の光量を変更する制御手段と、
    を備えたことを特徴とする眼底カメラ。
  2. 前記眼底像の撮影に用いられる撮影媒体の種類を設定するための撮影媒体設定手段を更に有し、
    前記制御手段は、前記撮影媒体設定手段によって設定された前記撮影媒体の種類に応じて、前記絞り手段の前記絞り値を変更し得る範囲を設定することを特徴とする請求項1記載の眼底カメラ。
  3. カラー撮影モード、可視蛍光撮影モードまたは赤外蛍光撮影モードのいずれかを含む、前記眼底像を撮影するときの撮影モードを設定するための撮影モード設定手段を更に有し、
    前記制御手段は、前記撮影モード設定手段によって設定された前記撮影モードに応じて、前記絞り手段の前記絞り値を変更し得る範囲を設定することを特徴とする請求項1記載の眼底カメラ。
  4. 前記眼底像を撮影するときの撮影倍率を設定するための撮影倍率設定手段を更に有し、
    前記制御手段は、前記撮影倍率設定手段によって設定された前記撮影倍率に応じて、前記絞り手段の前記絞り値を変更し得る範囲を設定することを特徴とする請求項1記載の眼底カメラ。
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