JP4243832B2 - エンジンの吸気構造 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車用エンジンの吸気系構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
近時の自動車においては、エンジン性能を高めるため、より多くの空気をシリンダ内に送って、体積効率を高めるように吸気構造を大形化する傾向がある。しかしながら、近年、車両制御の高度化に伴って、様々な付加的な機器等の搭載により、エンジンルーム内における前後・左右のスペースが狭くなってきており、エンジンルームの狭い車両に吸気構造を配設する際、適切な吸気量を確保することが困難な場合があった。このため、エンジンルーム内に吸気構造を配設する際、所望のエンジン性能を満足するとともに、極力、無駄な構成要素や隙間を削減して、レイアウト性を高めることが求められている。
【0003】
さらに、吸気系のレイアウト性をより高めるため、近年、樹脂技術を利用して複数部品を一体化する技術を用いて、エアクリーナやレゾネータ等の吸気系の周辺部品を一体化して、省スペース化と、部品点数の削減及びエンジン組付け性を向上することが検討されている。ただし、樹脂技術を利用して吸気系の周辺部品を一体化する場合、従来の吸気構造のレイアウトをそのまま適用できない場合がある。
例えば、先行技術において、より多くの空気をシリンダ内に送り、体積効率を高めるため、インテークマニホールドのサージタンクに連通するようにレゾネータ等の容積拡大室を設けることは公知であるが、一般的に、エアクリーナから離してレゾネータを付設している(例えば、特許文献1参照及び特許文献2参照)ため、このレイアウトではレゾネータとエアクリーナを一体化することが困難であった。この場合、レゾネータとエアクリーナを個別に取付けるため、夫々専用のブラケット、取付ボルトや、余分なクリアランス等を取る必要がある。
また、樹脂技術を利用して吸気系の周辺部品を一体化することにより、部品点数やクリアランス等を削減できたとしても、反面、アセンブリの大型化を招き、レイアウトの柔軟性が失われる場合があった。例えば、樹脂成形技術を用いることにより、エアクリーナ容積部、チャンバ部及びサージタンク部の三つを一体に構成する先行技術(例えば、特許文献3参照)や、エアクリーナ、レゾネータ及びエンジンカバーの三つを一体に構成する先行技術(例えば、特許文献4参照)は公知であるが、いずれもアセンブリの大型化が避けられず、取付位置を確保する上で制約が加えられやすいという短所があった。この問題はエンジンルームが狭まるにつれ、一層顕著になる。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−18849号公報
【特許文献2】
特開平11−50924号公報
【特許文献3】
特開平9−137729号公報
【特許文献4】
特開2001−234821号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、従来公知の吸気系のレイアウトに変更を加えて、限られたスペースの中でもコンパクトに取付けられるとともに所望のエンジン特性を満足するエンジンの吸気構造を提供することを目的とするものである。さらに、本発明は、吸気系の周辺部品を一体化して、省スペース化と、部品点数の削減及びエンジン組付け性を向上させるエンジンの吸気構造を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するための手段として、請求項1に記載した発明においては、エアクリーナとサージタンクとをエアクリーナアウトレットホース及びスロットルボディを介して連絡し、前記サージタンクとシリンダヘッドに設けた吸気ポートとをインテークマニホールドを介して連絡したエンジンの吸気構造において、
前記エアクリーナは前記エンジンのヘッドカバー上に配置されるとともにロア部とアッパ部と該アッパ部と開口を介して連通するとともに前記サージタンクと対向する方向へ延びる拡張部とを備え、
前記拡張部と前記サージタンクの互いに対向する側面の間に前記エアクリーナアウトレットホースと前記スロットルボディを直線的に配列し、
前記サージタンクにホースを介して連通するレゾネータを前記エンジンのヘッドカバー上で前記拡張部を挟んで前記アッパ部と対向する位置に配設し、
前記アッパ部と前記拡張部と前記レゾネータを一体的に連結したことを特徴とする。
この構成では、限られた大きさのエンジンルーム内に吸気構造を配設する際、サージタンクを小型化してレイアウト性を高めるとともに、サージタンクの容量を小さくすることで、エンジンの出力特性をチューニングできる。ただし、サージタンクに連通して、サージタンクと同様の機能を有するレゾネータを設けることにより、シリンダ内に送る吸気量を確保する手段を分離して備えて、全体の吸気量を確保する。さらに、サージタンクとレゾネータをパイプで連通することにより、サージタンクの周りにレゾネータを配置するスペースがない場合でもレゾネータをサージタンクから離れたところに配置できるようにレイアウトに柔軟性を与えることができる。
【0007】
次に、請求項2に記載した発明においては、請求項1に記載されたものにおいて、前記レゾネータと前記サージタンクを連通するホースを前記エアクリーナアウトレットホースと略平行に配設したことを特徴とする。
【0012】
本発明に係るエンジンの吸気構造は基本的には以上のように構成されるが、エアクリーナとレゾネータを一体形成する際、形状、大きさ及び組付け方向は限定されず、実施の形態に従って定められる。また、エアクリーナは常に拡張部を設けなくてもよい。また、サージタンクの小型化を行う際、好適にはサージタンクに直結するパイプとホースを介してレゾネータを取付けるが、この3点を最適化することによりエンジンの出力特性を決定する。ただし、エンジン出力特性の向上を図る上で吸気脈動の効果を利用する。また、サージタンクに取付けられるインテークマニホールドのブランチ数は特定の個数に限定されない。ブランチ数が多い場合には、エンジンのシリンダ数に応じて慣性過給効果及び共鳴過給効果を適切に調整できるように、例えば、サージタンク内部の空気室を二つに分けてもよい。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態に係るエンジンの吸気構造を添付した図を用いて説明する。
図1は本発明の実施の形態に係るエンジンの吸気構造を示す斜視図であって、図示するように、エアクリーナ10、スロットルボディ30、サージタンク40及びインテークマニホールド60を連絡して、車両外部から空気をエンジン内部に吸入する吸気系を構成する。この際、当業者には公知なように、エアクリーナ10を用いて、吸入空気中のダストがエンジン内に入り磨耗を促進することを防ぐとともに、吸気騒音の低減を図る。また、スロットルボディ30を用いて、吸入空気量を制御してエンジン出力を制御する。そして、サージタンク40を用いて、スロットルボディ30とインテークマニホールド60を結合する集合部として機能させ、吸気の脈動を防止するとともに、各シリンダの吸気干渉を防止する。さらに、エアクリーナ10の下流側に、サージタンク40と連通してレゾネータ(容積拡大室)50を設置する。
【0014】
ここで、図2と図3を参照して、図1に示した吸気構造の組付状態について説明する。尚、図2と図3は、図1に示した吸気構造をエンジン1のヘッドカバー2上に組付けたときの側面図と、平面図を夫々示している。
図示するように、本発明の実施の形態では、エンジン1のシリンダヘッド3側方にサージタンク40を配置するが、このサージタンクを小さく構成するとともに、ヘッドカバー2上にエアクリーナ10、スロットルボディ30及びレゾネータ50を配置して、エンジンの前後・左右のスペースを取るようにする。そして、インテークマニホールド60を下方に向って、比較的長く延出させ、シリンダヘッド3の上部でエンジン1側に湾曲させて、サージタンク40とシリンダヘッド3に設けた吸気ポート(図示せず)とを連絡する。
従来、所望のエンジン特性(出力、トルク)を得るため、主に、エアクリーナ10の容量、スロットルバルブ30の内径、サージタンク40の容量、そして、インテークマニホールド60の内径とブランチ長を適切に選択している。また、サージタンク40の容量を、内燃機関の出力特性に合わせてチューニングする場合があるが、一般的に、内燃機関の低回転数側の体積効率を向上させる場合にはサージタンク40の容量を小さくし、また、内燃機関の高回転数側の体積効率を向上させる場合にはサージタンク40の容量を大きくしている。
本発明に係る実施の形態では、エンジンルームが狭い車両に対して吸気構造を配設することを目的とし、サージタンク40の容量を小さくすることでこの付近のレイアウト性を高め、かつ、エンジンの出力特性を所望の状態にチューニングする。ただし、サージタンク40と連通するレゾネータ50の容積を用いて、スロットルボディ30下流側の吸気量を確保して、エンジン性能の低下を防ぐ。この際、サージタンク40とレゾネータ50とを可撓性のパイプ45を用いて接続することで、サージタンク40の周囲に十分なスペースがない場合でも、レゾネータ50をエンジン1の上方に配設できるようにして、吸気構造のレイアウトに柔軟性を与える。
以下、本発明の実施の形態に係るエンジンの吸気構造を構成するエアクリーナ10、スロットルボディ30、サージタンク40及びレゾネータ50について、夫々順に説明する。
【0015】
まず、図1及び図4〜図6を参照して、本発明の実施の形態に係るエアクリーナ10について説明する。
図示するように、エアクリーナ10は略箱状のハウジングを有し、複数のハウジング部を互いに組付けて構成される。ただし、ハウジングの形状は図示した形状に限定されず、他、任意の形状に形成できる。好適には、エアクリーナ10は下方ハウジング部(ロア部またはロアケース)11と上方ハウジング部(アッパ部またはアッパーケース)12の二つの部材11、12を上下に重ねて構成され、この内部に中空室を定める。そして、この中空室内にフィルタエレメント13(図6参照)を配設して、図示しない吸気ダクトから吸入される空気を吸入口14からロア部(ダストサイド)11内に流入させ、フィルタエレメント13を通過させてろ過し、そして、浄化した空気をアッパ部(クリーンサイド)12内に流すようにエアクリーナ室を構成する。そして、所望の数と大きさの固定手段(固定用スクリュ等)16a、16b及び16c(図3及び図5参照)を備えて、ハウジングを定位置に固定できるようにする。
尚、通常、フィルタエレメント13はろ紙を種々に折り曲げて形成されて必要な作用領域(ろ過領域)を提供するが、本発明の実施の形態ではフィルタエレメント13の種類と形状について特定しない。また、図6に示した実施の形態では、フィルタエレメント13をロア部11の底面に対してほぼ水平方向に配設するが、フィルタエレメント13をロア部11の底面に対して任意の角度で傾斜させて配設してもよい。さらに、ロア部11とアッパ部12を分離可能に構成することにより、エアクリーナ10の内部に配設するフィルタエレメント13の清掃・交換を容易にする。ただし、ロア部11とアッパ部12の組付は特定の手段に限定されず、任意の手段によって行うことができる。例えば、図示するように、ばねクリップ等のクランプ形状部15a、15bを用いて、ロア部11とアッパ部12を夫々分離可能に組付けてもよい。あるいは、ボルト(図示せず)等を用いて、ロア部11とアッパ部12を夫々分離可能に組付けてもよい。
【0016】
また、本発明に係る実施の形態では、クランクケースベンチレーション(PCV)を備えて、図示しないピストンとシリンダの隙間からクランクケース内に吹き抜ける未燃焼ガス(ブローバイガス)を吸気側に戻して、燃焼室内に還元して再燃焼させる手段を備える。具体的には、図3に示すように、スロットルボディ30とエアクリーナ10のクリーンサイド側との間にシリンダヘッドカバー2とエアクリーナ10の拡張部20とを連絡する側面視略U字型のブリーザホース18を配設し、スロットルボディ30を挟んで反対側に、サージタンク40の拡張部に当たるレゾネータ50とシリンダヘッドカバー2とを連絡する側面視略U字型のPCVホース19を配設する。図3に示すように、このPCVホース19はホース45の上面視で重なるようにホース45の下方に配設され、図2に示すように、PCVバルブ17に対して取付けられて、クローズドタイプのPCVを構成する。尚、図6に、エアクリーナ10のアッパ部12に形成されるブリーザホース18の挿入穴と、PCVホース19の挿入穴を夫々符号18aと19aを用いて示している。ただし、PCVは従来の技術と同様に取付けられて機能し、本発明の請求の範囲を構成する上で何ら限定せず、故に、この詳細な説明は省略する。また、本発明の実施の形態に係る吸気構造に対して、クローズドタイプ以外の種類(例えば、オープンタイプやシールドタイプ)のクランクケースベンチレーションを取付けることは任意である(図示せず)。
【0017】
本発明に係る好適な実施の形態では、ロア部11とアッパ部12との間にエアクリーナ室を定める際、特に図5に示すように、クリーンサイド(符号A1参照)と連通する拡張部(第二クリーンサイド)20を備えて、さらなる容積(符号A2参照)を確保して、エアクリーナ10のクリーンサイド側の容量を増大(A1+A2)させる。尚、図示した実施の形態では、レイアウトをコンパクトにするため、拡張部20のスロットルボディ30側の形状を凹状に構成するが、この拡張部20の形状と大きさは図示した実施の形態に限定されない。また、開口21を介してエアクリーナ10のクリーンサイド側と連通するが、この開口21の形状と大きさは実施の形態に従って任意に定められる。尚、エアクリーナ10及び拡張部20もまた拡張型レゾネータとみなすことができるため、連通口21の大きさとエアクリーナ10及び拡張部20の容積を適切に設定することによって、ヘルムホルツの共鳴理論に基づいて、特定周波数の騒音を低減させてもよい。さらに、本発明に係る好適な実施の形態では、同材質から拡張部20をエアクリーナ10のアッパ部12と一体に形成して、別体に拡張部20を構成する場合に要する固定支持用のブラケットや取付ボルト、またクリアランス等を削減し、エンジン組付け性を向上させる。この際、好適には、耐熱性の樹脂部材から、エアクリーナ10と拡張部20を一体形成する。
【0018】
また、拡張部20はエアクリーナ室の下流側を構成するため、ろ過された空気流をスロットルボディ30側に流出させる手段を備える。具体的には、拡張部20は壁部に接続部(パイプ)22を備えて、図1に示すように、この接続部22に対してホース(エアクリーナアウトレットホース)23の一方の端部23aを取付け、クランプ24aを用いて固定させて、空気流をホース23内に流すようにする。そして、ホース23の反対側の端部23bをスロットルボディ30の接続部(パイプ)34に対して取付けて、クランプ24bを用いて固定する。ただし、ホース23と、拡張部20(エアクリーナ10)及びスロットルボディ30との接続手段は図示した実施の形態に限定されない。また、ホース23は可撓性(弾性)を有し、好適には本体に蛇腹状部を備えて耐振性を高め、接続が容易に外れないようにする。
【0019】
ただし、例えば、添付した図7に示すように、本発明に係る他の実施の形態では、エアクリーナ10の容積を確保する際、上記拡張部20を有しなくてもよい。この場合、エンジンの前後・左右のスペースを一層確保することができる。尚、図7に示した実施の形態は、本発明の実施の形態に係る吸気構造の一例を示したものに過ぎず、特にエアクリーナ10の形状、大きさ及び組付け方向は、適宜、実施の形態に従って定められることを理解されたい。
【0020】
また、図1に示したスロットルボディ30は従来の技術と同様に構成され、通常、アクセルに連動するスロットルバルブ31と、この開度を検出するスロットルポジションセンサ32からなり、適宜、プレッシャセンサ33等を備える。そして、アクセルを踏み込むとスロットルバルブ31が開き、サージタンク40に向けて空気を供給し、エンジン出力が増加されるように構成される。
この際、本発明に係る実施の形態では、スロットルボディ30の下流側の流出口(図示せず)をサージタンク40側面の流入口42に面して位置決めし、拡張部20(エアクリーナ10)、ホース23、スロットルボディ30及びサージタンク40を直線的に配列する。このため、エアクリーナ10の下流からサージタンク40までの吸気通路を短くし、吸気構造をコンパクトにレイアウトできるようにする。
【0021】
次に、図1〜図3を参照して、本発明の実施の形態に係るサージタンク40について説明する。
上述したように、サージタンク40はエンジン1のシリンダヘッド3の側方に近接して配備されて、本体41をシリンダヘッド3の側壁部に沿って延びる筒状体として形成する。ただし、サージタンク40の形状は図示した形状に限定されない。そして、流入口42から内部に空気を流入させる際、吸気の脈動を防止するとともに、各シリンダ(図示せず)の吸気干渉を防止するようにして、本体41下方に設ける連通口(図示せず)からインテークマニホールド60を経て各シリンダ(図示せず)内に空気を分流して送る。尚、図示した実施の形態では、本体41上方に支持部43を延出形成して、エンジンルーム内の所定位置にサージタンク40を位置決めする手段(防振手段)を備える。
【0022】
尚、図1から理解できるように、エンジン1は4気筒であって、サージタンク40にインテークマニホールド60を取付ける際、4つのブランチを介して、取付フランジ61に形成する4つの開口部62から、エンジン1内部の4つのシリンダ(図示せず)内に夫々空気流を送るようにする。しかしながら、本発明の実施の形態を構成する上でシリンダ数は4つに限定されず、他、任意の数のブランチを有するインテークマニホールド60をサージタンク40に対して取付けてもよい。ただし、慣性過給効果及び共鳴過給効果を適切に調整するため、例えばシリンダ数が6つ以上の場合には、サージタンク40の内部を二つに分けるようにサージタンク40を構成してもよい(図示せず)。
【0023】
上述したように、サージタンク40はレゾネータ50と連通する手段を備える。具体的には、サージタンク40は本体41の軸方向端部側に接続部(パイプ)44を設けて別体のレゾネータ50と連通する。この際、好適には、スロットルボディ30の取付部42を設ける側面とは異なる側面にレゾネータ50との接続部44を設けて、サージタンク40の容量をさらに小さくすることができるようにする。具体的には、サージタンク40のエンジン1に対向する側面にスロットルボディ30の取付部42を形成し、この側面に連続して形成され、エンジン本体1のクランク軸方向端部側でチェーン室4側の側面にパイプの接続部44が形成される。
尚、レゾネータ50は拡張型レゾネータとして構成され、レゾネータ50の連通口51の大きさと空気室の容積を適切に設定することによって、ヘルムホルツの共鳴理論に基づいて、特定周波数の騒音を低減させる。さらに、本発明に係る実施の形態では、レゾネータ50はサージタンク40の機能を有するように構成される。即ち、本発明に係る実施の形態ではサージタンク(第一コレクタ部)40とレゾネータ(第二コレクタ部)50の双方の容積を用いて、スロットルボディ30から流入する空気流を集合させる。従って、シリンダ内に送る吸気量を十分に確保して体積効率を損うことなく、サージタンク40の容量を小さくするように本体41を構成できる。このため、エンジン性能を低下させることなく、所望のエンジン出力特性に合わせてサージタンク40の容量をチューニングできる。この際、サージタンク40を小型化にすることによって、エンジンルームのレイアウト上の制約が厳しい場合でも、エンジン1側方にサージタンク40を配置することを可能にし、かつ、可撓性のパイプ45を介してレゾネータ50を連通することによって、サージタンク40の周囲にレゾネータ50を取付けるための十分なスペースがない場合でも、レゾネータ50の取付位置を確保できるようにレイアウト性を高める。
故に、本発明に係る実施の形態では、従来インテークマニホールド60とスロットルボディ30の間にあるサージタンク40をインテークマニホールド60から離れた位置に別体に備えて、サージタンク40に直結するパイプ44及びホース45を介してレゾネータ50を取付け、この3点44、45、50を最適化することによりエンジンの出力特性を決定する。より具体的には、パイプ44径、パイプ44長、ホース45径、ホース45長、そして、レゾネータ50容量を出力特性に合わせて設定することで、エンジンの使用目的に合わせた出力特性を得る。ただし、出力特性、特にトルク性能の向上を図る上で吸気脈動の効果を利用する。
【0024】
さらに、本発明に係る好適な実施の形態では、同材質、より好適には、耐熱性の樹脂部材からレゾネータ50をエアクリーナ10のアッパ部12と一体に形成する。ただし、上述したようにエアクリーナ10に拡張部20を構成する場合には、レゾネータ50を拡張部20に隣接して配置して、エアクリーナ10、拡張部20及びレゾネータ50を一体に形成する。この場合、レゾネータ50を固定支持するための専用のブラケット、取付ボルト等や、余分なクリアランスを削減し、組付け性を向上させる。尚、レゾネータ50は図示した形状に限定されず、他、任意の形状に形成されてもよい。ただし、拡張部20との間を仕切り板(仕切り手段)52によって遮断して、レゾネータ室とエアクリーナ室を完全に仕切り、気密漏れをなくす(図5及び図6参照)。この際、仕切り板52はアッパ部12と一体に形成されてもよく、また、別体に形成されてもよい。尚、エアクリーナ10と一体成形される場合のレゾネータ50の空気室の構成例を、図5の符号Rで示している。
【0025】
図示した実施の形態では、サージタンク40とレゾネータ50を連通する際、サージタンク40の接続部(パイプ)44に対してホース45の一方の端部45aを取付け、クランプ46aを用いて固定させている。また、ホース45は反対側の端部45bをレゾネータ50の接続部(パイプ)51に対して取付けて、クランプ46bを用いて固定している。しかしながら、サージタンク40、ホース45及びレゾネータ50の接続手段は図示した実施の形態に限定されず、他、任意の手段によって接続されてもよい。
また、好適には、上記ホース(エアクリーナアウトレットホース)23と、サージタンク40及びレゾネータ50を連通するホース(レゾネータホース)45を略平行に配設して(図2参照)、ホース45を短く構成し、ホース45を整然とコンパクトにレイアウトする。
【0026】
さらに、本発明に係る好適な実施の形態では、レゾネータ50をサージタンク40と略同じ高さに配設する。このことは、上述したように、拡張部20、スロットルボディ30及びサージタンク40を直線状に配置し、またホース23と45とを略平行に配置することを容易にする。
また、サージタンク40をヘッドカバー2より上方に配置するため、各シリンダと連通するインテークマニホールド60長(吸気路長)を長くすることができ、エンジン性能をより高めることができる。
尚、ホース45は一端側をサージタンク40のクランク軸方向端部側の側面に取付けられてエンジン本体1側に湾曲した後エンジン本体1側に延出され、レゾネータ50のサージタンク40に対向する側面に連結される(図3参照)。このホース45はスロットルボディ30側方に沿って高さの範囲内に納まるようサージタンク40とエアクリーナ10との上下方向の略中間部分を連絡する。
【0027】
以上記載のように、本発明に係る実施の形態では、サージタンク40の容量を小さくして、エンジンルームとの関係上、エンジン側方に十分なスペースがない場合でも、サージタンク40が配設できるようにレイアウト性を向上させる。この際、エアクリーナ10の容量とインテークマニホールド60長を増大させて、吸気量を確保する。尚、本発明の発明者は、エアクリーナ10、サージタンク40及びインテークマニホールド60の容量を上述のように設定することで、エンジンの最高出力を増大させ、最大トルク発生回転数を高回転側に移行できることを確認できた。
また、本発明に係る実施の形態では、レゾネータ(第二コレクタ部)50をサージタンク40から離れたところに配置することにより、サージタンク40とレゾネータ50の容積を利用することで、全体の吸気量を確保し、かつ、エンジンルームとの関係上、エンジン側方に十分なスペースがない場合でもエンジン上方にレゾネータ50を配設できるようにレイアウト性を向上させる。尚、本発明の発明者は、サージタンク40に対してレゾネータ50を付設することで、エンジンの最大トルク値を向上させるとともに、この最大トルク発生回転数を低回転数側に移行できることを確認できた。
さらに、本発明に係る好適な実施の形態では、樹脂成形技術を用いて、エアクリーナ10と、下流側のレゾネータ50を一体成形することにより、省スペース化と、部品点数の削減及びエンジン組付け性を向上させる。この際、成形後のアセンブリが比較的大型化されるが、しかし、形状を工夫することにより(例えば、エアクリーナ10と一体に形成する拡張部20の大きさと形状及び有無を任意に定める)エンジン1のヘッドカバー2上部に配置させて、レイアウト性を損わせないようにする。
従って、本発明に係る実施の形態は、従来公知の吸気系のレイアウトに変更を加えて、限られたスペースの中でもコンパクトに取付けられるとともに所望のエンジン特性を満足し、さらに、吸気系の周辺部品を一体化して、省スペース化と、部品点数の削減及びエンジン組付け性を向上させるエンジンの吸気構造を提供する。
【0028】
【発明の効果】
本発明は以上説明したように構成されたエンジンの吸気構造であるから、請求項1に記載した発明によれば、限られた大きさのエンジンルーム内に吸気構造を配設する際、サージタンクを小型化してレイアウト性を高めるとともに、サージタンクの容量を小さくすることで、エンジンの出力特性をチューニングできる。ただし、サージタンクに連通して、サージタンクと同様の機能を有するレゾネータを設けることにより、シリンダ内に送る吸気量を確保する手段を分離して備えて、全体の吸気量を確保する。さらに、サージタンクとレゾネータをパイプで連通することにより、サージタンクの周りにレゾネータを配置するスペースがない場合でもレゾネータをサージタンクから離れたところに配置できるようにレイアウトに柔軟性を与えることが可能となる。
【0029】
また、エアクリーナとレゾネータを一体成形することにより、省スペース化と、部品点数の削減及びエンジン組付け性を向上することが可能となる。
【0030】
また、拡張部を設けることによりエアクリーナの容量を大きくし、また、エアクリーナ、拡張部及びレゾネータを一体成形することにより、省スペース化と、部品点数の削減及びエンジン組付け性を向上させる。さらに、拡張部、エアクリーナアウトレットホース、スロットルボディ及びサージタンクを直線的に配列して、エアクリーナの下流からサージタンクまでの吸気通路を短くし、吸気構造をコンパクトにレイアウトすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るエンジンの吸気構造を示す斜視図である。
【図2】図1に示した吸気構造をエンジンのシリンダヘッドカバー上に組付けたときの側面図である。
【図3】図2の平面図である。
【図4】図1に示したエアクリーナの正面図である。
【図5】図4の平面図であり、空気室の構成例を示す図である。
【図6】図5のVI−VI線に沿った断面図である。
【図7】本発明の他の実施の形態に係るエンジンの吸気構造を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 エンジン
2 ヘッドカバー
3 シリンダヘッド
10 エアクリーナ
11 下方ハウジング部(ロア部)
12 上方ハウジング部(アッパ部)
20 拡張部(第二クリーンサイド)
23 ホース(エアクリーナアウトレットホース)
30 スロットルボディ
40 サージタンク(第一コレクタ部)
45 ホース(レゾネータホース)
50 レゾネータ(第二コレクタ部)
60 インテークマニホールド

Claims (2)

  1. エアクリーナとサージタンクとをエアクリーナアウトレットホース及びスロットルボディを介して連絡し、前記サージタンクとシリンダヘッドに設けた吸気ポートとをインテークマニホールドを介して連絡したエンジンの吸気構造において、
    前記エアクリーナは前記エンジンのヘッドカバー上に配置されるとともにロア部とアッパ部と該アッパ部と開口を介して連通するとともに前記サージタンクと対向する方向へ延びる拡張部とを備え、
    前記拡張部と前記サージタンクの互いに対向する側面の間に前記エアクリーナアウトレットホースと前記スロットルボディを直線的に配列し、
    前記サージタンクにホースを介して連通するレゾネータを前記エンジンのヘッドカバー上で前記拡張部を挟んで前記アッパ部と対向する位置に配設し、
    前記アッパ部と前記拡張部と前記レゾネータを一体的に連結したことを特徴とするエンジンの吸気構造。
  2. 前記レゾネータと前記サージタンクを連通するホースを前記エアクリーナアウトレットホースと略平行に配設したことを特徴とする請求項1に記載のエンジンの吸気構造。
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