JP4243752B2 - マイクロ波加熱器で加熱調理する食品の包装容器 - Google Patents

マイクロ波加熱器で加熱調理する食品の包装容器 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明はマイクロ波で加熱する食品を充填包装するマイクロ波加熱器用食品の包装容器に関する。さらに詳しくは、マイクロ波加熱器による加熱調理において、内容物を容器に充填したままの状態で加熱する場合に、内容物を均一かつ短時間に加熱することが可能な汎用性を有するマイクロ波加熱器で加熱調理する食品の包装容器である。
【0002】
【従来の技術】
この発明において使用する電子レンジの語は、マイクロ波加熱器を含むものである。電子レンジは、マイクロ波加熱器の一つであり、電波法等の法令による規格、基準により製造された2450MHzのマイクロ波を熱源とした加熱器である。また、900MHz帯などのマイクロ波を熱源とするマイクロ波加熱器等もある。両者の食品の加熱作用は、同一の原理に基づくものであるからである。
【0003】
近年、食の簡便化が進み、調理済みの食品を冷凍保存し、これを電子レンジで加熱調理する食品が多数販売されている。しかしながら、商品に記載された指示書に従い、所定時間の加熱しても、加熱が不十分なケースがしばしば発生する。
【0004】
また、電子レンジで食品を加熱する場合、その形状や大きさにより温度上昇が速い場所と遅い場所とが生じ、いわゆる加熱ムラが発生することもよく知られている。
【0005】
冷凍食品では、水が氷の状態で存在するためマイクロ波の損失係数が小さく、加熱に時間を長く要する。特に冷凍グラタンのように水分を多く含む食品は、氷の部分が多いため、氷が水に変化するための大きなエネルギーを要するので加熱調理時間が長くなっている。
【0006】
さらに、マイクロ波が透過しやすい部分、例えばグラタンの容器周辺部は比較的短時間で融解し、水は誘電率が高いため、マイクロ波が集まり過加熱状態となり、その部分は沸騰するが、その他の中心部の氷は水に浮いた氷塊の如く、温度が上昇しない状態となる。
【0007】
特に流動性の少ない冷凍グラタン等に使われている通常の容器では、中央部のコールドエリアが冷たい加熱ムラの状態のために調理時間が長くなる欠点があった。
【0008】
このことから、冷凍グラタンの加熱ムラをできるだけ起こさないようにした容器が種々提案されている。例えば融解し易い容器の周辺部に、マイクロ波を遮蔽するフィルムを貼り付けることで、容器周辺部の容器の温度上昇を抑制する方法、或いは中央部を上げ底とし絶対表面積を大きくすることでマイクロ波の入射量を多くする方法などが開発されている。
【0009】
しかし、これらの方法によっても中央部の昇温速度は遅くて、均一な加熱という観点からは不十分であるばかりでなく、むしろ調理時間が長くなって仕舞う欠点が克服されていない。
【0010】
また、容器底部の中央付近に中空の突起部(半球状の)を設け、中央付近に加熱点が生じ、この底部中央の加熱点から内容物の対流により熱の移動が活発に行われ、均一に加熱する構造の容器が提案されている(特許文献1参照)。
【0011】
さらに、容器の底板部に下側に突出する凸部を形成した容器が提案されている(特許文献2参照)。
【0012】
しかしながら、前記の何れの提案も、この発明の如く、容器の底部に突条(線状の)を設けた構造のものではなく、また汎用性を有するものでもない。
【0013】
【特許文献1】
特許第2522355号公報(図1、図2)
【特許文献2】
特開平11−332738号公報(図1、図2、図3)
【0014】
【発明により解決しようとする課題】
例えば、グラタン、カレー、シチュー等適度に粘度がある流動物を凍結した冷凍食品は、電子レンジで加熱調理すると、均一に加熱されないで加熱ムラを起こし、調理時間が長くかかるという欠点があり、加熱ムラを起こしにくい形状の容器が求められている。
【0015】
現状の電子レンジ用グラタン容器は、容器の底の中央部分を盛り上げて、上げ底にしてグラタン自体の厚みを減らし加熱調理し易くしたもの、容器の周辺にアルミ製シートを貼り付けて容器周辺のホットスポットの形成を妨げ、内容物の昇温の均一化を図るようにしたものなど様々な工夫が凝らされている。
【0016】
しかし、これらは何れもその容器の形状を、経験に基づき改良したものであって、理論的な裏づけに基づいた根本的な解決策にはなっていない。
【0017】
そこで、この発明は、電子レンジによる加熱調理の特性の理解に基づき、加熱ムラの発生しにくい食品の包装容器を提案するものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
前記の見地から、冷凍グラタンを充填した電子レンジ用食品の包装容器の昇温特性を研究したところ、容器の底板の中央部にマイクロ波が集中しホットスポットが発生していることを見出し、この知見に基づき発明を完成するに至った。
【0019】
この発明は加熱の際、温度上昇が遅くなる部分にマイクロ波が集中するホットスポットを発生させ、包装容器の内容物の均一な加熱を行うことができる電子レンジ用食品の包装容器を提供するものである。
【0020】
さらに詳しくは、充填する内容物に応じて、ホットスポットを形成するアンテナを設けることにより、ホットスポットの発生する位置をコントロールすることができ、従って、内容物のムラのない均一な加熱が可能となり、無駄な加熱を抑制して食品の味、風味を損なうことなく、且つ調理に要する時間の短縮を可能とするものである。
【0021】
前記従来から提案されている容器は、部分的に過加熱を起こす場所(ホットスポット)とその周辺部の部分的に加熱されない場所(コールドエリア)が存在し、ホットスポット部分(中心部や容器周辺部が多い)は沸騰しているにも拘らず、コールドエリア部分は冷たく、調理の終点が不明確であると同時に、ホットスポットでは、無駄な加熱を行うため、食品の味、風味を損ない全体では加熱時間が長くなっているのが現状である。
【0022】
これらの問題を解決するため、容器の形状をホットスポットの発生状態を詳細に研究したところ、適度なアンテナ効果を表す突起を容器に取り付けることで、任意の箇所に任意の個数の、それもマイクロ波が過度に集中しないホットスポットを創出・発生させることができることを見出した。
【0023】
そこで、容器底部に積極的にホットスポットを創出し、その位置と数と強度をコントロールすることにより、内容物全体が均一な加熱が進行し、過加熱を起こすような極度なホットスポットは発生せず、無駄な加熱がないためにトータルとして、調理時間が短縮でき、さらにある箇所は沸騰しているのに、他の箇所は部分的に冷たいといった不均一に加熱される失敗もなく、調理の終点を明確にすることも出来、種々のタイプの電子レンジに対応できる汎用性のある食品の包装容器が得られた。
【0024】
このことは、容器の外形の形状に拘らず、任意の箇所にホットスポットを形成することが出来るものであるから、如何なる形状の容器にも当て嵌まることであり、適切な箇所に適切な大きさの突条を設けることで対応することができる。
【0025】
また、電子レンジはメーカー或いは同一メーカーであっても機種によりマイクロ波が集中する焦点が設けられていて、且つそれが夫々に異なった場所となっている。
【0026】
このことが機種によるホットスポットの形成位置が異なる原因となり、機種により加熱温度の上昇特性が異なり、食品メーカーは、最適調理時間の設定に苦慮し、消費者は商品記載の指示に従って加熱しても、喫食できる状態にまで温まらないなどの不都合が発生する要因をなしている。
【0027】
従って、従来提案されている容器の形状を変えるだけでは電子レンジの機種から生ずる欠点をどうしても埋めることが出来なかった。
【0028】
即ちこの発明は、容器の底板の裏面に突条を底部の中心点付近から外側方向へ放射状に設け、かつ突条の頂部全体が電子レンジ内の包装容器を置く載置台(ターンテーブル又は固定式テーブル等)に当接するように構成したことを特徴とする電子レンジ内加熱調理する食品の包装容器に関する。
【0029】
この発明によれば、電子レンジメーカーや機種や型式に関係なく、マイクロ波が集中するアンテナ効果のある突条を容器の底部に設けたので、ホットスポットを広い範囲に散在させたのと同様な結果となるので、メーカーや機種による加熱ムラの発生する確率は、従来の容器に比較して格段に減少させることができた。
【0030】
即ち、〔1〕マイクロ波加熱器で加熱調理する食品の包装容器において、容器底部裏面に容器の底部から外側に押出したV字型の溝状の突条を、該突条の頂上部の全体がマイクロ波加熱器の載置台に当接するように設けることでマイクロ波を集中する効果を表し、かつ該突条を容器底部の中心点付近から外側方向へ向って複数列設けて任意の箇所に任意の個数の部分的に過加熱を起こす場所を発生させることで内容物全体を均一に加熱することを特徴とするマイクロ波加熱器で加熱調理する食品の包装容器であり、〔2〕マイクロ波加熱器で加熱調理する食品の包装容器において、容器底部裏面に容器の底部から外側に押出したV字型の溝状の突条を、該突条の頂上部の全体がマイクロ波加熱器の載置台に当接するように設けることでマイクロ波を集中する効果を表し、かつ該突条を容器底部の中心点付近から外側方向へ向って複数列を対称的に設けて任意の箇所に任意の個数の部分的に過加熱を起こす場所を発生させることで内容物全体を均一に加熱することを特徴とするマイクロ波加熱器で加熱調理する食品の包装容器である。
また、〔3〕さらに、容器底部裏面であって容器底部の中心部付近にも突条を設けることを特徴とする前記〔1〕〜〔2〕の何れか1つに記載のマイクロ波加熱器で加熱調理する食品の包装容器であり、〔4〕突条の高さが容器底部裏面から1〜20mmであることを特徴とする前記〔1〕〜〔3〕の何れか1つに記載のマイクロ波加熱器で加熱調理する食品の包装容器である。
また、〔5〕容器底部の中心点付近から外側方向に向って複数列設けた突条を少なくとも4列以上16列以内設けたことを特徴とする前記〔1〕〜〔4〕の何れか1つに記載のマイクロ波加熱器で加熱調理する食品の包装容器であり、〔6〕容器底部の中心点付近から外側方向に向って複数列設けた突条を放射状に設けたことを特徴とする前記〔1〕〜〔5〕の何れか1つに記載のマイクロ波加熱器で加熱調理する食品の包装容器である。
また、〔7〕包装容器の素材が、樹脂、紙、陶器、または耐熱ガラスのマイクロ波を透過する素材からなることを特徴とする前記〔1〕〜〔6〕の何れか1つに記載のマイクロ波加熱器で加熱調理する食品の包装容器でもある。
【0031】
【発明の実施の形態】
この発明において使用する、電子レンジの語は、マイクロ波加熱器を含むものである。即ち、電子レンジは、マイクロ波加熱器の一つであり、電波法等の法令による規格、基準により製造された2450MHzのマイクロ波を熱源とした加熱器である。また、900MHz帯などのマイクロ波を熱源とするマイクロ波加熱器等もある。両者の食品の加熱作用は、同一の原理に基づくものであるからである。
【0032】
この発明で使用した容器の素材は、タルク(30%添加)入りポリプロピレンのシートで、厚さ0.65mmのものを使用したが、他の耐熱性を有する合成樹脂、紙、陶器、耐熱ガラスでマイクロ波を透過する素材等を使用することもできる。
【0033】
この発明の実施例では、容器の形状をグラタン皿状の平皿で楕円形としたが、方形及びその他の形状のものであっても、有効であることは言うまでもない。
この発明の容器を使用できる食品は、グラタン、ドリア、ラザニア、カレー、シチュー、スープなど適度に粘度があり、これを冷凍して保存した後、レンジで加熱調理する食品である。
【0034】
この発明により得られる効果を、より高める為に、突条の長さ、高さ、幅、設ける数及びその位置等は、充填する食品の物性により、標準的な家庭で使用される電子レンジを想定して、試行を重ねて最適なものを選定する必要がある。
【0035】
また、この容器底部に設けられた突条は、常法による金型成形により、容易に形成できるのみならず、容器の力骨としての機能を果すので、容器の強度を増し、容器の変形防止及びより薄い素材(シート)を採用できるなどの効果がある。
【0036】
この包装容器は、平皿型にし、容器の開口部上縁を水平の形状にして置けば、内容物を充填した後、マイクロ波を透過するシート状の素材で、トップシールを施すことができる。これを冷凍保存し、加熱調理する場合は、これを冷凍庫から取り出し、そのまま直ちに電子レンジで加熱調理ができる。
【0037】
この発明では、加熱用の電子レンジは、東芝社製のターンテーブル方式、出力500W、商品名ER−K38を使用した。
【0038】
この発明は、前記のアンテナ効果を利用したものであるが、容器の底部裏面に突条を複数列設けることにより、ホットスポットを広く散在させたのと同様な効果を有する構成となっているので、機種又は型式の異なる電子レンジにも対応することができ、多くのタイプの異なる電子レンジに対応可能な汎用性のある容器を得られる効果がある。
【0039】
容器底部の裏面に設けた突条の形成は、常法により金型成形する際に、容器と一体に形成するのが良く、容器底部をV字型の溝として、外側に押出すようにして簡単に形成できる。
【0040】
また、容器に設けた突条が電子レンジの載置台に当接している部位は、マイクロ波が突条に集中していると同時に、当該マイクロ波の大部分が、当接しているターンテーブルの部位から反射して、その結果、当該突条に集中する量が倍増するので、より強いホットスポットが形成されると推論される。
【0041】
容器底部の裏面に設けた突条の列数は、4列未満の場合は、ホットスポットの発生箇所が少なすぎて加熱ムラの解消ができない(実験例2参照)。また、16列を越えると、マイクロ波が分散してしまい、ホットスポットの温度が低く、突条を設ける効果が少ない(実験例6参照)。
【0042】
また、容器底部の裏面に設けた突条の高さが1mm未満である場合、マイクロ波の集中が弱くホットスポットの温度が低いので突条を設ける効果が少ない(実験例4参照)。また、20mmを越えると、突条からグラタン表面までの距離が長すぎて、ホットスポットの熱を伝導できなくなる(実験例3参照)。
【0043】
以下、この発明はアンテナ効果により創出したホットスポットをコントロールしたことを実験例を挙げて説明する。
【0044】
(実験例の基本理論)
以下にこの発明を完成するに至った実験の詳細についても述べる。ホットスポットの発生のメカニズムは次の2つに依ると考えられる。
【0045】
1.光学レンズが光を収束するように、発振源により、多方向から中心に向かって放射されたマイクロ波が、中心で位相が一致したときに電界が強まり、ホットスポットが形成される。
2.雷が避雷針や高い木の上に落ちるように、電磁波や電気は尖ったところに集中しやすいが、マイクロ波もこれと同様に尖った箇所に集中しやすく、マイクロ波が集中したところが強く加熱され、この現象をアンテナ効果という。
【0046】
(グラタンの温度の測定方法及び測定位置)
温度の測定は以下の方法で行った。以下の試験例、実施例及び比較例でも、同様な方法によった。
【0047】
使用した温度計:DIGITAL SURFACE THERMOMETER(HFT−50型、安立計器社製)
【0048】
1.測定方法:
グラタン下層部の測定は、温度センサー部をグラタンの表面より挿入して、容器内底部を測定した。
グラタン中層部の測定は、温度センサー部をグラタンの表面より挿入して容器内グラタンを充填した高さ(容器底板を基準として)の中間点を測定した。
グラタン表面の測定は、温度センサー部をグラタンの表面に接触させて、測定した。
【0049】
以下の実験例、実施例及び比較例の電子レンジによる加熱は、包装容器を電子レンジのターンテーブルの中心位置に載せて行った。
【0050】
2.温度の測定位置は図3に示す箇所11点で測定した。表1〜表6までの測定位置を示す。
【0051】
図4〜図9に基づき、実験例を説明する。
【0052】
(実験例1)
常法により調製したグラタンソース240gを、楕円形平皿型紙製容器(開口部145×110×26mm、底部130×95mm)に充填し、これを−20℃に冷凍した後、電子レンジで加熱して、温度測定し、これを記録した。
【0053】
容器は底板に孔を空け、そこにアクリル製の半球状容器(直径30mm)を貼り付けて密封し、500W電子レンジで加熱実験を行った。温度測定をした結果、15秒加熱で半球状容器の先端部は60℃となり、アンテナ効果によるホットスポットを発生させた。半球の中心部の温度は、−3℃であり、球の中心にホットスポットが発生する現象とは明らかに異なっていた。
【0054】
(実験例2)
常法により調製したグラタンソース240gを、楕円形平皿型紙製容器(開口部145×110×26mm、底部130×95mm)に充填し、−20℃に冷凍した後、これを電子レンジで加熱して、5分後の温度測定を行った。容器は底板に孔を空け、そこにアクリル製の半球状容器(直径30mm)を貼り付けて密封し、突起の数を因子とし、0個、3個、7個の3水準による2回繰り返し、一元配置実験を行った(図4)。
【0055】
測定の結果を表1に示した。解析の結果、突起7個の場合は、温度範囲Rが小さく、加熱5分後、測定した総ての箇所が50℃以上に達していた。一方、突起3個の場合及び突起がないものは加熱ムラが見られ、突起のないものでは喫食に適する状態に達するのに7分間の加熱が必要であった。
【0056】
【表1】
Figure 0004243752
【0057】
(実験例3)
円形平皿型30%タルク入りポリプロピレン製容器(開口部157×157×26mm、底部127×127mm)の底板に孔を空け、そこに高さ15mmとしたものを図5(b)と、25mmとしたもの図5(d)紙製の尖塔状突起を5を4個貼り付けて密封したものに、実験例1と同じグラタンソースを充填し、−20℃に冷凍した。これを電子レンジで2分間加熱した後のグラタンソースの表面から深さ35mmの部位の温度を計測した。
【0058】
測定の結果を表2に示した。突起先端部の温度は、加熱2分後で50〜60℃に達し、強いホットスポットを作っていた(図5)。
【0059】
尖塔状突起が15mmの場合、グラタンソースを加熱ムラがなく加熱することができたが、25mmでは、突起からグラタン表面までの距離が長すぎて、ホットスポットの熱を伝導することが出来なかった。
【0060】
【表2】
Figure 0004243752
【0061】
(実験例4)
楕円形平皿型紙製容器(開口部145×110×26mm、底部130×95mm)の底板に孔を空け、そこに高さ0.5mmに型押しした紙を貼り付け密封したものに、実験例1と同じグラタンソースを充填し、−20℃で冷凍した後、これを電子レンジで加熱後の温度を温度計で測定した。
【0062】
ホットスポットの温度測定は、電子レンジで2分間加熱後のグラタンの下層部の品温を計測した。グラタンの表面の品温は、5分間加熱後の状態を測定した。ホットスポットは容器底部中央部に発生したが、実験例1の突起0個の場合と同様な温度と発生場所であり、アンテナ効果が得られなかった。
【0063】
(実験例5)
楕円形平皿型紙製容器(開口部145×110×26mm、底部130×95mm)の底板に孔を空け、そこに各種形状の紙製の突起各7個を貼り付けて密封したものに、実験例1と同じグラタンソースを充填し、−20℃で冷凍した後、これを電子レンジで加熱後の温度を温度計で測定した。突起は直径10mmの半球形、高さ3mm、長さ25mmの突条3、10mm角の矩形を使用した(図6)。
【0064】
5分間加熱後のグラタンの下層部の品温を測定した結果、昇温は突条のものが最も速かった。測定の結果を表3に示す。
【0065】
【表3】
Figure 0004243752
【0066】
(実験例6)
楕円形平皿型30%タルク入りポリプロピレン製容器(開口部174×125×28mm、底部129×90mm)の底板に孔を空け、そこにポリプロピレン製の半球状容器(直径10mm)を24個貼り付け密封したものに、実験例1と同じグラタンソースを充填し、−20℃で冷凍した後、これを電子レンジで5分間加熱後のグラタンの中層部の品温を測定した(図9)。
【0067】
その結果、突起が多数の場合は、マイクロ波が分散するため各ホットスポットの温度が低く、加熱時間の短縮する結果とはならなかった。測定の結果を表4に示す。
【0068】
【表4】
Figure 0004243752
【0069】
以下にこの発明の実施例を図1〜図3に基づき説明する。
【0070】
【実施例】
厚さ0.65mmのタルクを30%添加した不透明のポリプロピレンシートを、常法により金型成形により、グラタン皿状で全体が楕円形をした平皿の包装容器1を成形する。
【0071】
包装容器1の底面2の裏面に設けた突条3の形成は、常法により金型成形する際に、包装容器1と一体に形成するのが良く、底部2をV字型の溝状にして、外側に押出すようにして突条3が簡単に形成できる。
【0072】
上部の開口部174mm×125mm、深さ28mmである。底部2は129mm×90mmで側部はテーパーがあって、やや上方に向かって拡がった形状である。
上部の開口部の縁部4は水平であり、内容物を充填した後、縁部4に合成樹脂製のシートにより、加熱溶着するトップシールにより密封できる構造である。
【0073】
該包装容器1の底部2の裏面に、底部2の中心点付近から容器の外側方向に向かって、突条3を放射状に、長さ約20mm、深さ3mm、突条3の幅7mmを6本、対称的に設けてある。各突条3の頂上部がターンテーブルに当接するように構成したものである。(図1)
【0074】
この包装容器1を使用して、実験例1と同じグラタンソースを充填し、−20℃で冷凍した後、これを電子レンジで(東芝製・500W・ターンテーブル方式、商品名ER−K38)5分間加熱した後のグラタンの中層部の品温を温度計で測定した。その結果、コールドエリアの品温が上がり、加熱ムラを解消することができ喫食に適した状態に調理できた。温度の測定結果を表5に示す。
【0075】
ちなみに、グラタンの喫食適温は、60℃程度である。実施例では、30℃、40℃の温度は測定されていない。
【0076】
【表5】
Figure 0004243752
【0077】
(比較例1)
常法により調製したグラタンソース240gを、楕円形平皿型紙製容器(開口部145×110×26mm、底部130×95mm)の底板のコールドエリアとなる部位に孔をあけて、直径10mmの紙製の半球状の突起6個を前記の孔に貼り付け密封した容器に充填し、−20℃に冷凍した後、これを5分間電子レンジで加熱し、グラタン中層部の品温の温度測定を行った(図7)。
【0078】
その結果、ホットスポットは半球状容器先端部に発生したが、その温度は実施例1の突条を設けたものに比較して、品温が上昇しないコールドエリアが多数残っていて、加熱ムラの解消は不十分であった。測定の結果を表6に示す。
【0079】
【表6】
Figure 0004243752
【0080】
(比較例2)
常法により調製したグラタンソース240gを、楕円形平皿型紙製容器(開口部145×110×26mm、底部130×95mm)の底板に、底板の中心点の左右対称な位置に2個の孔をあけ、アクリル製半球状容器(直径30mm)を2個貼りつけて密封した容器に充填し、−20℃に冷凍し、電子レンジで加熱した。
【0081】
他方は、前記と同じ容器を、その突起部が電子レンジの載置台(ターンテーブル)に直接当接しないように、補助脚を付けて加熱した。夫々について、加熱2分後グラタンの下層部の品温を測定した。(図8)。図8のA、Bは、グラタンの下層部の品温の測定位置を示している。
【0082】
その結果、ホットスポットが突起先端部に発生したが、その温度は、ターンテーブルに当接させた場合に比較して、突起部をターンテーブルに当接させない場合(比較例2)は明らかに低かった。測定の結果を表7に示す。
【0083】
【表7】
Figure 0004243752
【0084】
【発明の効果】
この発明によれば、電子レンジ調理時に生ずる加熱ムラを抑制し、過加熱による内容物の味、風味を損なうことなく、調理時間を短縮する効果がある。
【0085】
ホットスポットの形成可能な箇所を容器底部に広く散在するように設けてあるので、メーカーの相違及び型式の相違に拘らず、どの機種及び型式にも略対応できる汎用性のある電子レンジで加熱調理する食品の包装容器が得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の、容器の平面図。
【図2】 (a)同じく、容器の正面図。
(b)同じく、容器の側面図。
【図3】 同じく、加熱したグラタンの温度の測定位置を示すモデル図。
【図4】 同じく、容器に突起を設けた位置を示す図。
【図5】 (a)同じく、容器に尖塔状突起を設けた位置を示す図。
(b)同じく、図5(a)中、A−Aの断面図。
(c)同じく、容器に尖塔状突起を設けた位置を示す図。
(d)同じく、図5(c)中、B−Bの断面図。
【図6】 (a)同じく、容器に突起を設けた位置を示す図。
(b)同じく、容器に突条を設けた位置を示す図。
(c)同じく、容器に矩形の突起を設けた位置を示す図。
【図7】 同じく、容器に突起を設けた位置を示す図。
【図8】 同じく、容器に突起を設けた位置を示す図。
【図9】 同じく、容器に突起を設けた位置を示す図。
【符号の説明】
1 包装容器
2 底部
3 突条
4 縁部
5 尖塔状突起

Claims (7)

  1. マイクロ波加熱器で加熱調理する食品の包装容器において、容器底部裏面に容器の底部から外側に押出したV字型の溝状の突条を、突条の頂上部の全体がマイクロ波加熱器の載置台に当接するように設けることでマイクロ波を集中する効果を表し、かつ該突条を容器底部の中心点付近から外側方向へ向って複数列設けて任意の箇所に任意の個数の部分的に過加熱を起こす場所を発生させることで内容物全体を均一に加熱することを特徴とするマイクロ波加熱器で加熱調理する食品の包装容器。
  2. マイクロ波加熱器で加熱調理する食品の包装容器において、容器底部裏面に容器の底部から外側に押出したV字型の溝状の突条を、突条の頂上部の全体がマイクロ波加熱器の載置台に当接するように設けることでマイクロ波を集中する効果を表し、かつ該突条を容器底部の中心点付近から外側方向へ向って複数列を対称的に設けて任意の箇所に任意の個数の部分的に過加熱を起こす場所を発生させることで内容物全体を均一に加熱することを特徴とするマイクロ波加熱器で加熱調理する食品の包装容器。
  3. さらに、容器底部裏面であって容器底部の中心部付近にも突条を設けることを特徴とする請求項1〜2の何れか1項に記載のマイクロ波加熱器で加熱調理する食品の包装容器。
  4. 突条の高さが容器底部裏面から1〜20mmであることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のマイクロ波加熱器で加熱調理する食品の包装容器。
  5. 容器底部の中心点付近から外側方向に向って複数列設けた突条を少なくとも4列以上16列以内設けたことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のマイクロ波加熱器で加熱調理する食品の包装容器。
    食品の包装容器。
  6. 容器底部の中心点付近から外側方向に向って複数列設けた突条を放射状に設けたことを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載のマイクロ波加熱器で加熱調理する食品の包装容器。
  7. 包装容器の素材が、樹脂、紙、陶器、または耐熱ガラスのマイクロ波を透過する素材からなることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載のマイクロ波加熱器で加熱調理する食品の包装容器。
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