JP4242982B2 - 空調装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、暖房運転可能な空調装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
室外機に吸収冷凍機を使用し、この室外機で発生させる冷熱を利用して冷却凝縮させた液体の熱操作流体を室内機に循環供給して冷房を行う空調装置がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
室外機を熱容量の大きい吸収冷凍機で構成している上記空調装置においては、起動しても冷熱を短時間で発生することができないため、起動と同時に室外機から室内機に熱操作流体を送ったのでは十分に冷却・凝縮した熱操作流体を室内機に供給することができず、また、実測温度のみの制御では制御性が悪く十分な冷房能力が発揮できるようになるまでの時間が長くなる。また、ポンプがキャビテーションを起こし易いと云った問題点もあった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記従来技術の課題を解決するため、室外機と室内機との間に形成された循環路を介して室外機で放熱凝縮した液体の熱操作流体を室内機に送り、室内機で室内空気と熱交換して室内空気を冷却すると共に、室内機で室内空気と熱交換して吸熱蒸発した気体の熱操作流体を室外機に戻す冷房運転可能な空調装置において、冷房運転時に、室外機で放熱して凝縮した液体の熱操作流体が流入するブースタタンクと、このブースタタンク内の液体の熱操作流体を室内機へ供給するポンプと、室外機で気体の熱操作流体を放熱して凝縮し室外機から流れ出た液体の熱操作流体の温度を検出する温度センサと、室外機に戻して放熱凝縮させるための気体の熱操作流体の圧力を検出する圧力センサと、温度センサ及び圧力センサの検出に基づきポンプの運転を制御する制御器を備え、冷房運転の開始時において、制御器は、温度センサの検出温度並びに圧力センサが検出した圧力から換算した飽和温度によって、室外機が気体の熱操作流体を放熱して凝縮させ得る低温度になったことを確認したときポンプの運転開始を許可し、且つブースタタンクに溜まっている液体の量が液面センサによって検出されたときポンプの運転を開始するようにした第1の構成の空調装置と、
【0005】
前記第1の構成の空調装置において、室外機に吸収冷凍機を使用するようにした第2の構成の空調装置と、を提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図1に基づいて説明する。図1に示した冷暖房可能な空調装置は、例えばビルの屋上などに設置される室外機10と、各階に分散して設置される複数の室内機20と、地下室などの最も低い部分に設置され、暖房時に運転される揚液ポンプユニット30と、これらを接続して循環時に相変化が可能な熱操作流体、例えば冷媒のR−404Aを循環させるための配管群40と、これらの機器を制御する制御器50とから構成されている。
【0007】
図中、実線矢印は暖房運転時における冷媒の流れの方向を示し、破線矢印は冷房運転時における冷媒の流れの方向を示し、それぞれ太線によって冷媒液の流れ方向を示し、細線によって冷媒蒸気の流れ方向を示している。
【0008】
室外機10は、配管群40を通って室内機20から戻ってきた冷媒のR−404Aを加熱して蒸発させたり、冷却して凝縮させたりするための熱操作部11、ブースタタンク12、ポンプ13などを備えて構成されている。
【0009】
そして、熱操作部11は例えば特開平7−318189号公報などに開示された吸収冷凍機の下胴からなるものであり、図示しないガスバーナなどで生成する熱を利用して駆動され、図示しない蒸発器に設けた伝熱管の管壁などを介して冷媒のR−404Aを加熱蒸発させた気体のR−404Aをガス管41に供給したり、放熱凝縮させた液体のR−404Aをブースタタンク12、ポンプ13が介在する液降下管42に供給することが、適宜選択できるようになっている。
【0010】
なお、液降下管42の熱操作部11とブースタタンク12とを連結している部分と、ポンプ13の吐出側には、開閉弁14、15が設けられ、さらにブースタタンク12の上部とガス管41とは、途中に開閉弁16を備えた均圧管17を介して連結されている。
【0011】
また、ブースタタンク12には液面センサ12A、12Bが上下二箇所に設けられ、タンクに溜まっている液体のR−404Aの液面が液面センサ12Aの取り付け位置より低いのか、液面センサ12Bの取り付け位置より高いのか、液面センサ12Aと12Bとの間に位置しているのかが検出できるようになっている。
【0012】
さらに、ガス管41の熱操作部11側には温度センサ18Aと圧力センサ18Bとが設けられて、熱操作部11で吸熱蒸発してガス管41に流れ出た気体のR−404Aの温度と圧力とを検出し、気体のR−404Aの実測温度と、圧力から換算した飽和温度とが得られるようになっている。また、液降下管42の熱操作部11側には温度センサ19が設けられて、熱操作部11で放熱凝縮して液降下管42に流れ出た液体のR−404Aの温度も検出できるようになっている。
【0013】
室内機20は、冷媒のR−404Aが図示しない送風機によって送られる室内空気と熱交換するための熱交換器21と、膨張弁22などを備えて構成され、熱交換器21の膨張弁22が設けられた側が液降下管42に連結されている液水平管43に連結され、その反対側がガス管41に連結されている。
【0014】
また、熱交換器21の出入口に臨んだ部位と、熱交換器21の略中間部には温度センサ23、24、25が設けられて、管内を流れている冷媒のR−404Aの温度が検出できるようになっている。
【0015】
揚液ポンプユニット30は、レシーバタンク31と、その下流側に設けられたポンプ32とから構成され、液降下管42と液上昇管44の下端部に図示したよう接続されている。すなわち、液降下管42の下端部がレシーバタンク31を介してポンプ32の吸込み側に連結され、上端部が熱操作部11に連結されている液上昇管44の下端部がポンプ32の吐出側に連結されている。
【0016】
なお、レシーバタンク31には液面センサ31A、31Bが上下二箇所に設けられ、タンクに溜まっている液体のR−404Aの液面が液面センサ31Aの取り付け位置より低いのか、液面センサ31Bの取り付け位置より高いのか、液面センサ31Aと31Bとの間に位置しているのかが検出できるようになっている。
【0017】
制御器50は、図示しないパネル面に設けたボタンスイッチなどにより冷暖房運転の切換指示などが行えるように構成されている。そして、例えば冷房運転が指示されると、室外機10の熱操作部11で冷却する冷媒のR−404Aが所定の温度の液体となって液下降管42に流れ出るようにするためと、ポンプ13を運転して室内機20にブースタタンク12に溜まった液体のR−404Aを供給するための所要の制御プログラムを備えている。
【0018】
すなわち、冷房運転が指示されたときには開閉弁14、15、16は開弁され、熱操作部11における冷媒のR−404Aに対する冷却は、温度センサ19が検出する冷媒のR−404Aの温度と、圧力センサ18Bが計測した圧力から換算した飽和温度とが所定値になるように制御される。
【0019】
そして、熱操作部11で所定の温度に冷却され、凝縮して液下降管42に流れ出た液体のR−404Aはブースタタンク12に流れ込み、上側に設置された液面センサ12Bが液体のR−404Aを検出するとポンプ13の運転を開始して液体のR−404Aを液下降管42と液水平管43とを介して各階に分散設置された室内機20に供給し、下側に設置された液面センサ12Aが液体のR−404Aを検出しなくなるとポンプ13の運転を停止するように制御される。
【0020】
各室内機20の膨張弁22の開度は、例えば温度センサ25が検出する冷媒のR−404Aの温度が所定の温度、例えば12℃となるように制御器50によって制御されており、このように開度が制御される膨張弁22を通って熱交換器21に流入した液体のR−404Aが図示しない送風機によって供給される温度の高い室内空気から熱を奪って蒸発し冷房作用を行う。
【0021】
そして、この冷房作用によって蒸発した気体のR−404Aは、R−404Aが凝縮して圧力が低くなっている室外機10にガス管41を介して戻される。
【0022】
また、制御器50は、冷房運転の開始時においては室外機10の熱操作部11が冷媒のR−404Aを冷却して凝縮させ得る低温度になったことを、熱操作部11から液降下管42に流れ出た液体のR−404Aの温度、すなわち温度センサ19が検出する温度が所定の温度、並びに室外機10の熱操作部11に戻して放熱凝縮させるための気体のR−404Aの圧力、すなわち圧力センサ18Bが検出した圧力から換算した飽和温度が所定の温度に到達したことで確認し、ポンプ13の運転開始を許可するようにしてある。
【0023】
すなわち、制御器50は室外機10の熱操作部11が気体のR−404Aを冷却して凝縮させる能力を十分に発揮するようになったのを、温度センサ19が検出する冷媒のR−404Aの温度によって確認し、同時に圧力センサ18Bが検出する冷媒のR−404Aの圧力から換算した飽和温度によって確認したのち、ポンプ13の運転開始を許可し、ブースタタンク12に溜まっている液体のR−404Aの量を液面センサ12A、12Bによって検出してポンプ13の運転を開始するので、液降下管42を介して室内機20に供給される液体のR−404Aは全て所定の低温度になっており、したがってポンプ13はキャビテーションを起こすことがないし、液体のR−404Aは図示しない送風機によって供給される室内空気と熱交換器21を介して熱交換する際に所要の冷却能力を発揮する。
【0024】
また、この空調装置の制御器50は、暖房運転が指示されたときには室外機10の熱操作部11で加熱する冷媒のR−404Aが所定の高温度、例えば55℃の気体となってガス管41に流れ出るようにするためと、揚液ポンプユニット30のポンプ32を起動してレシーバタンク31に溜まっている液体のR−404Aを室外機10に戻すための所要の制御プログラムも備えている。
【0025】
すなわち、暖房運転が指示されたときには開閉弁14、15、16は閉弁され、熱操作部11における冷媒のR−404Aに対する加熱は、温度センサ18Aが検出するR−404Aの温度が所定の55℃になるように制御される。
【0026】
そして、室外機10の熱操作部11で加熱され、蒸発してガス管41に流れ出た気体のR−404Aは各室内機20に供給される。
【0027】
各室内機20においては、図示しない送風機によって供給される温度の低い室内空気に気体のR−404Aが熱交換器21の図示しない伝熱管壁を介して放熱凝縮し、主にR−404Aの凝縮熱によって暖房作用を行なう。
【0028】
そして、この暖房作用によって凝縮した液体のR−404Aは、揚液ポンプユニット30のレシーバタンク31に流れ込み、ポンプ32によって室外機10に還流すると云った冷媒のR−404Aの循環が起こって、暖房運転が継続される。
【0029】
なお、制御器50により揚液ポンプユニット30のポンプ32は、上側に設置された液面センサ31Bが液体のR−404Aを検出すると運転を開始し、下側に設置された液面センサ31Aが液体のR−404Aを検出しなくなると運転を停止するように制御される。
【0030】
ところで、本発明は上記実施形態に限定されるものではないので、特許請求の範囲に記載の趣旨から逸脱しない範囲で各種の変形実施が可能である。
【0031】
例えば、制御器50は、室外機10を制御する室外機制御器と、室内機20を制御する室内機制御器と、室外機制御器と室内機制御器と通信して全体を制御するシステム制御器とからなるように構成することもできる。
【0032】
また、室外機10と室内機20との間で循環させる流体としては、R−404Aの他にもR−407c、R−134a、R−410cなどの他の相変化可能なものであっても良い。
【0033】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、室内機に循環供給する熱操作流体の温度を室外機で速やかに確認できるので、冷房運転の立ち上げ時間を短縮させることが可能になった。また、室外機から室内機に熱操作流体を搬送するポンプがキャビテーションを起こすこともない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す説明図である。
【符号の説明】
10 室外機
11 熱操作部
12 ブースタタンク
12A、12B 液面センサ
13 ポンプ
14、15、16 開閉弁
17 均圧管
18A 温度センサ
18B 圧力センサ
19 温度センサ
20 室内機
21 熱交換器
22 膨張弁
22、23、24 温度センサ
30 揚液ポンプユニット
31 レシーバタンク
31A、1B 液面センサ
32 ポンプ
40 配管群
41 ガス管
42 液降下管
43 液水平管
44 液上昇管
50 制御器

Claims (2)

  1. 室外機と室内機との間に形成された循環路を介して室外機で放熱凝縮した液体の熱操作流体を室内機に送り、室内機で室内空気と熱交換して室内空気を冷却すると共に、室内機で室内空気と熱交換して吸熱蒸発した気体の熱操作流体を室外機に戻す冷房運転可能な空調装置において、冷房運転時に、室外機で放熱して凝縮した液体の熱操作流体が流入するブースタタンクと、このブースタタンク内の液体の熱操作流体を室内機へ供給するポンプと、室外機で気体の熱操作流体を放熱して凝縮し室外機から流れ出た液体の熱操作流体の温度を検出する温度センサと、室外機に戻して放熱凝縮させるための気体の熱操作流体の圧力を検出する圧力センサと、温度センサ及び圧力センサの検出に基づきポンプの運転を制御する制御器を備え、冷房運転の開始時において、制御器は、温度センサの検出温度並びに圧力センサが検出した圧力から換算した飽和温度によって、室外機が気体の熱操作流体を放熱して凝縮させ得る低温度になったことを確認したときポンプの運転開始を許可し、且つブースタタンクに溜まっている液体の量が液面センサによって検出されたときポンプの運転を開始することを特徴とする空調装置。
  2. 室外機に吸収冷凍機が使用されたことを特徴とする請求項1記載の空調装置。
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