JP4242548B2 - 部品実装装置およびその方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板上に電子部品を実装する部品実装装置に係り、とりわけ基板と電子部品との位置合わせを確実に行うことができる部品実装装置およびその方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、液晶パネル等を製造するための部品実装装置として、液晶基板(以下「セル」という)上にTAB−IC(Tape Automated Bonding-Integrated Circuit 、以下「TAB」という)を実装する部品実装装置が知られている。
【0003】
このような部品実装装置の概要について図5(本発明を示す図)により説明する。図5に示すように、部品実装装置は、セル1が載置されたX−Y−θステージ6と、TAB4が載置されたX−Yステージ7とを備え、X−Y−θステージ6によりセル1のX,Y,θ方向の位置決めが行われるとともに、X−Yステージ7によりTAB4のX,Y方向の位置決めが行われるようになっている。なお、セル1の四隅にはセル1の位置決め用マークとして十字状のセルマーク2が設けられ、またセル1の各辺のうちTAB4が実装される位置にはセルリード3が形成されている。一方、TAB4にはセル1のセルリード3に接合されるTABリード5が形成されている。
【0004】
図5において、セル1上にTAB4を実装する場合には、まず、第1撮像装置20によりセル1の一辺にある左右2箇所のセルマーク2を順次撮像し、その撮像結果に基づいて画像処理によりセルマーク2の位置を認識する。そして、このようにして認識されたセルマーク2の位置に基づいてX−Y−θステージ6によりセル1の平行位置出しを行う。
【0005】
次に、このようにして平行位置出しが行われたセル1に対してX−Yステージ7によりTAB4を近づけ、セル1のセルリード3とTAB4のTABリード5とが互いに対向するよう配置する。
【0006】
その後、第2撮像装置21および第3撮像装置22によりセルリード3およびTABリード5の左側および右側のパターン(図6(a)の符号CL,CR,TL,TR参照)を撮像し、その撮像結果に基づいて画像処理によりセル1とTAB4との相対的な位置関係を認識する。そして、このようにして認識されたセル1とTAB4との相対的な位置関係に基づいてX−Y−θステージ6によりセル1のX,Y,θ方向の位置補正を行う。
【0007】
最後に、このようにして位置合わせされたセル1とTAB4とを圧着装置23により異方性導電膜等を介して圧着する。
【0008】
なお、1枚のセル1に対して複数個のTAB4を実装する場合には、各TAB4ごとに、セル1とTAB4との相対的な位置関係の認識、セル1側の位置補正、およびセル1に対するTAB4の圧着等を繰り返し行う。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、従来の部品実装装置においては、セル1とTAB4とを位置合わせする際に、セル1側でX,Y,θの全ての方向の位置補正を行っている。また、1枚のセル1に対して複数個のTAB4を実装する場合には、各TAB4ごとに、セル1とTAB4との相対的な位置関係の認識、セル1側の位置補正、およびセル1に対するTAB4の圧着等を繰り返し行っている。
【0010】
ところで、このようなセル1側の位置補正では、X,Y方向の位置補正の精度に比べてθ方向の位置補正の精度を確保することが難しいことから、通常、X,Y,θの全ての方向の位置補正を同時に行うのではなく、次のような多段階の処理によってX,Y,θ方向の位置補正を行っている。
【0011】
具体的には、まず、平行位置出しが行われたセル1のセルリード3とTAB4のTABリード5の左側および右側のパターン(図6(a)の符号CL,CR,TL,TR参照)を第2撮像装置21および第3撮像装置22により撮像し、その撮像結果に対して画像処理によりセル1とTAB4との相対的な位置関係を認識し、その認識結果に基づいてセル1とTAB4との間の角度ずれ量を算出する。
【0012】
次に、このようにして算出された角度ずれ量と、あらかじめ設定された許容角度とを比較し、角度ずれ量が許容角度以内に収まっている場合には、X−Y−θステージ6によりX,Y方向のずれを補正するようセル1をX,Y方向に移動させ、セル1とTAB4とを位置合わせした後、セル1とTAB4とを異方性導電膜等を介して圧着する。
【0013】
一方、角度ずれ量が許容角度を越えている場合には、X−Y−θステージ6によりθ方向の角度ずれを補正するようセル1を回転移動させ、セル1とTAB4との相対角度を平行に近づけた後、再度、第2撮像装置21および第3撮像装置22による最初の認識処理に戻ってセル1とTAB4との相対的な位置関係を再認識し、上述した処理を繰り返す。
【0014】
しかしながら、上述した処理のうち、セル1とTAB4との相対的な位置関係を認識する処理においては、セル1のセルリード3とTAB4のTABリード5の左側および右側のパターン(図6(a)の符号CL,CR,TL,TR参照)を認識する際に、ごみ等の影響で、本来認識されるべきパターンとは異なるパターン(例えば図6のパターンTLではなくパターンTL′)を認識してしまうことがある。この場合、仮に、上述した処理において、セル1とTAB4との間でθ方向の角度ずれが生じているものと判断してセル1を回転移動させると、TAB4に対してセル1が相対的にずれた状態(図6(b)において、TAB4のTL′−TR直線とセル1のCL−CR直線とが揃った状態)で圧着されるおそれがある。この場合、セル1とTAB4とが大幅にずれた状態で圧着されることとなり、最悪の場合にはセル1が破損してしまうという事態を招くことがある。
【0015】
本発明はこのような点を考慮してなされたものであり、基板と電子部品との位置合わせを確実に行うことができる部品実装装置およびその方法を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明は、その第1の解決手段として、基板上に電子部品を実装する部品実装装置において、基板が載置されるステージと、前記ステージ上に載置された基板と該基板上に実装される電子部品とを撮像する撮像装置と、前記撮像装置による撮像結果に基づいて基板と電子部品との相対的な位置関係を認識するとともに、その認識結果に基づいて基板と電子部品との間の角度ずれ量を算出する相対位置認識部と、前記相対位置認識部により算出された角度ずれ量が、許容角度以内に収まっている場合には基板と電子部品との間のX,Y方向のずれを補正し、該許容角度を超え所定のエラー上限値を越えていないときにのみ、基板と電子部品との間のθ方向のずれを補正するよう前記ステージを駆動制御する駆動制御部とを備えたことを特徴とする部品実装装置を提供する。
【0017】
なお、上述した第1の解決手段においては、前記角度ずれ量がエラー上限値を越えているときにオペレータに対してエラーの発生を通知するエラー発生通知部をさらに備えることが好ましい。
【0018】
本発明は、その第2の解決手段として、基板上に電子部品を実装する部品実装方法において、基板と該基板上に実装される電子部品とを撮像装置により撮像するステップと、この撮像結果に基づいて基板と電子部品との相対的な位置関係を認識するとともに、その認識結果に基づいて基板と電子部品との間の角度ずれ量を算出するステップと、前記角度ずれ量が、許容角度以内に収まっている場合には基板と電子部品との間のX,Y方向のずれを補正し、該許容角度を超え所定のエラー上限値を越えていないときにのみ、基板と電子部品との間のθ方向のずれを補正するよう基板を回転移動させるステップとを含むことを特徴とする部品実装方法を提供する。
【0019】
なお、上述した第2の解決手段においては、前記角度ずれ量がエラー上限値を越えているときにオペレータに対してエラーの発生を通知するステップをさらに含むことが好ましい。
【0020】
本発明の第1および第2の解決手段によれば、基板と電子部品との間の角度ずれ量と所定のエラー上限値とを比較し、角度ずれ量がエラー上限値を越えていないときにのみ、基板と電子部品との間の角度ずれを補正しているので、基板と電子部品との間の角度ずれ以外の要因(リードパターンの誤認識等)により基板が回転移動することを確実に防止することができ、このため、基板と電子部品とが大幅にずれた状態で圧着されたり、基板が破損してしまうという事態が生じることを確実に防止することができる。
【0021】
また、本発明の第1および第2の解決手段によれば、角度ずれ量がエラー上限値を越えているときにオペレータに対して認識エラーの発生を通知することにより、オペレータの介在を適切に促して所望の復旧作業等を迅速に行うことができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1乃至図5は本発明による部品実装装置の一実施の形態を説明するための図である。
【0023】
まず、図5により、部品実装装置の全体構成について説明する。図5に示すように、部品実装装置は、セル(基板)1上にTAB(電子部品)4を実装するためのものであり、セル1が載置されたX−Y−θステージ6と、TAB4が載置されたX−Yステージ7とを備え、X−Y−θステージ6によりセル1のX,Y,θ方向の位置決めが行われるとともに、X−Yステージ7によりTAB4のX,Y方向の位置決めが行われるようになっている。なお、セル1の四隅にはセル1の位置決め用マークとして十字状のセルマーク2が設けられ、またセル1の各辺のうちTAB4が実装される位置にはセルリード3が形成されている。一方、TAB4にはセル1のセルリード3に接合されるTABリード5が形成されている。そして、セル1のセルリード3とTAB4のTABリード5とは圧着装置23により異方性導電膜等を介して圧着されるようになっている。
【0024】
また、部品実装装置は、セル1の一辺にある左右2箇所のセルマーク2を順次撮像する第1撮像装置20と、セルリード3およびTABリード5の左側および右側のパターンを撮像する第2撮像装置21および第3撮像装置22とを備えている。
【0025】
さらに、部品実装装置は、第1撮像装置20による撮像結果と第2撮像装置21および第3撮像装置22による撮像結果とに基づいてX−Y−θステージ6を駆動制御する駆動制御装置10を備えている。
【0026】
図1は図5に示す駆動制御装置10の詳細を示す図である。図1に示すように、駆動制御装置10は、第1撮像装置20による撮像結果に基づいて画像処理によりセル1の位置を認識するセル位置認識部11と、セル位置認識部11による認識結果に基づいてX−Y−θステージ6の初期位置を算出する初期位置算出部12とを有している。
【0027】
また、駆動制御装置10は、第2撮像装置21および第3撮像装置22による撮像結果に基づいて画像処理によりセル1とTAB4との相対的な位置関係を認識するセル・TAB相対位置認識部14と、セル・TAB相対位置認識部14による認識結果に基づいてX−Y−θステージ6の位置補正量を算出する補正演算部15とを有している。なお、セル・TAB相対位置認識部14にはオペレータに対してブザーやランプ等の手段により認識エラーの発生を通知するエラー発生通知部19が接続されている。また、補正演算部15は、θ方向の位置補正量を算出するためのθ方向補正演算部16と、X,Y方向の位置補正量を算出するためのX,Y方向補正演算部17とを有している。
【0028】
さらに、駆動制御装置10は、X−Y−θステージ6を駆動制御する駆動制御部13を有し、初期位置算出部12により算出された初期位置に基づいてX−Y−θステージ6を駆動制御するとともに、補正演算部15により算出された位置補正量に基づいてセル1とTAB4とを位置合わせするようX−Y−θステージ6を駆動制御するようになっている。
【0029】
さらにまた、駆動制御装置10は、セル・TAB相対位置認識部14により認識されたセル1とTAB4との間の角度ずれ量に基づいて、次回以降のセル1の載置時におけるX−Y−θステージ6の初期位置補正量を算出する初期補正演算部18を有している。なお、初期補正演算部18により算出された初期位置補正量は、初期位置算出部12に入力されるようになっている。
【0030】
次に、図1乃至図5により、このような構成からなる本実施の形態の作用について説明する。
【0031】
まず、図1、図2および図5により、図1に示す部品実装装置における電子部品実装工程の概要について説明する。図1、図2および図5に示すように、1枚のセル1に対して複数個のTAB4を実装する場合には、まず、X−Y−θステージ6上にセル1を載置してTAB4の実装位置にセル1を供給する(ステップ101)。
【0032】
次に、第1撮像装置20によりセル1の一辺にある左右2箇所のセルマーク2を順次撮像し、その撮像結果に基づいてセル位置認識部11によりセルマーク2の位置を認識する。そして、このようにして認識されたセルマーク2の位置に基づいて初期位置算出部12によりX−Y−θステージ6の初期位置を算出し、駆動制御部13によりX−Y−θステージ6を駆動制御してセル1の平行位置出しを行う(ステップ102)。
【0033】
次に、このようにして平行位置出しが行われたセル1に対してX−Yステージ7によりTAB4を近づけ、セル1のセルリード3とTAB4のTABリード5とが互いに対向するよう配置する(ステップ103)。
【0034】
その後、第2撮像装置21および第3撮像装置22によりセルリード3およびTABリード5の左側および右側のパターンを撮像し、その撮像結果に基づいてセル・TAB相対位置認識部14によりセル1とTAB4との相対的な位置関係を認識する。そして、このようにして認識されたセル1とTAB4との相対的な位置関係に基づいて補正演算部15によりX−Y−θステージ6の位置補正量を算出し、駆動制御部13によりX−Y−θステージ6を駆動制御してセル1のX,Y,θ方向の位置補正を行う(ステップ104)。
【0035】
ここで、図3および図4により、ステップ104の処理の詳細について説明する。図3および図4に示すように、上述したステップ104においては、まず、セル・TAB相対位置認識部14によりセル1とTAB4との相対的な位置関係を認識し、その認識結果に基づいてセル1とTAB4との間の角度ずれ量を算出する(ステップ201)。なお、このようにしてステップ201で最初に算出された角度ずれ量は、初期補正演算部18において保持される。
【0036】
次に、セル・TAB相対位置認識部14において、このようにして算出された角度ずれ量と、あらかじめ設定された許容角度とを比較し(ステップ202)、角度ずれ量が許容角度以内に収まっている場合には、補正演算部15のX,Y方向補正演算部17により、セル1とTAB4との間のX,Y方向のずれに対応するX−Y−θステージ6のX,Y方向移動用位置補正量を算出する。そして、駆動制御部13によりX−Y−θステージ6を駆動制御し、セル1のX,Y方向のずれを補正するようX−Y−θステージ6によりセル1をX,Y方向に移動させる(ステップ203)。
【0037】
一方、ステップ202において、角度ずれ量が許容角度を越えている場合には、その角度ずれ量と所定のエラー上限値とを比較し、角度ずれ量がエラー上限値を越えているか否かをさらに判断する(ステップ204)。ここで。セル1とTAB4との間に生じる角度ずれは、時計回り方向(正回転方向)と反時計回り方向(負回転方向)のいずれの方向においても生じ得ることから、エラー上限値は、正負いずれの回転方向に対しても同じ値が設定される。
【0038】
このとき、角度ずれ量がエラー上限値を越えているときには、エラー発生通知部19を起動して、オペレータに対してブザーやランプ等の手段により認識エラーの発生を通知し(ステップ207)、全体の処理を終了する。
【0039】
これに対し、角度ずれ量がエラー上限値を越えていないときには、補正演算部15のθ方向補正演算部16により、セル1とTAB4との間のθ方向の角度ずれに対応するX−Y−θステージ6の回転移動用位置補正量を算出する。そして、駆動制御部13によりX−Y−θステージ6を駆動制御し、セル1とTAB4との間のθ方向の角度ずれを補正するようX−Y−θステージ6によりセル1を回転移動させる(ステップ205)。
【0040】
このとき、図4(a)に示すように、X−Y−θステージ6を単純に回転移動用位置補正量であるΔθだけ回転移動させると、セル1とTAB4との相対的な位置関係がずれてしまい、場合によっては、第2撮像装置21および第3撮像装置22の撮像視野25からセル1が外れてしまい、その後の処理が継続できなくなるという事態が生じることがあり得る。
【0041】
そこで、ここでは、補正演算部15のθ方向補正演算部16により、上述した回転移動用位置補正量Δθとともに、この回転移動用位置補正量△θに基づくセル1の回転移動時にセル1が第2撮像装置21および第3撮像装置22の撮像視野25から外れないようX,Y方向に移動させるためのX,Y方向移動用位置補正量(ΔX,ΔY)を算出する。
【0042】
具体的には、図4(a)に示すように、セル1が点Oを中心として反時計回り方向にΔθだけ回転すると、セル1の圧着対象となるセルリードの中心位置(XL,YL)が次式(1)に従って新しい位置(XLCNEW,YLCNEW)に移動する。
【数1】
Figure 0004242548
【0043】
このため、回転移動用位置補正量としてΔθが与えられた場合には、次式(2)に従ってX,Y方向移動用位置補正量(ΔX,ΔY)を算出することができる。
【数2】
Figure 0004242548
【0044】
そして、このようにして算出されたX,Y方向移動用位置補正量(ΔX,ΔY)を駆動制御部13に入力し、駆動制御部13によりX−Y−θステージ6を駆動制御し、図4(b)に示すように、セル1の回転移動に起因してセル1が第2撮像装置21および第3撮像装置22の撮像視野25から外れないようX,Y方向に移動させる(ステップ206)。
【0045】
なお、このようにしてステップ206の処理が終了すると、ステップ201に戻ってセル1とTAB4とを第2撮像装置21および第3撮像装置22により再度撮像してセル1とTAB4との相対的な位置関係を再認識し、その再認識結果に基づいてセル1とTAB4との間の角度ずれ量を算出する。そして、角度ずれ量が許容角度以内に収まるまでステップ204、205、206および201の処理を繰り返した後、角度ずれ量が許容角度以内に収まった場合には、セル1のX,Y方向のずれを補正するようX−Y−θステージ6によりセル1をX,Y方向に移動させ(ステップ203)、ステップ104の処理を終了する。
【0046】
その後、図2に示すように、このようにして位置合わせされたセル1とTAB4とを圧着装置23により異方性導電膜等を介して圧着する(ステップ105)。
【0047】
なお、ステップ105の処理が終了すると、X−Y−θステージ6は初期位置に戻され、次いで、圧着すべきTAB4が残っているか否かが判断される(ステップ106)。このとき、圧着すべきTAB4が残っている場合にはステップ103に戻って上述したステップ103乃至105の処理を繰り返す。
【0048】
一方、圧着すべきTAB4が残っていない場合には、圧着対象となるセル1が残っているか否かが判断される(ステップ107)。このとき、圧着対象となるセル1が残っている場合には、初期補正演算部18で保持されている複数個のTAB4との間の角度ずれ量に基づいて、次回のセル1の載置時におけるX−Y−θステージ6の初期位置補正量を算出した後(ステップ108)、ステップ101に戻って上述したステップ101乃至106の処理を繰り返す。これに対し、圧着対象となるセル1が残っていない場合には、全体の処理を終了する。
【0049】
このように本実施の形態によれば、セル・TAB相対位置認識部14により、セル1とTAB4との間の角度ずれ量と所定のエラー上限値とを比較し、角度ずれ量がエラー上限値を越えていないときにのみ、駆動制御部13により、セル1とTAB4との間の角度ずれを補正するよう、X−Y−θステージ6を駆動制御しているので、セル1とTAB4との間の角度ずれ以外の要因(第2撮像装置21および第3撮像装置22によるリードパターンの誤認識等)によりセル1が回転移動することを確実に防止することができ、このため、セル1とTAB4とが大幅にずれた状態で圧着されたり、セル1が破損してしまうという事態が生じることを確実に防止することができる。
【0050】
また、本実施の形態によれば、角度ずれ量がエラー上限値を越えているときに、エラー発生通知部19により、オペレータに対して認識エラーの発生を通知しているので、オペレータの介在を適切に促して所望の復旧作業等を迅速に行うことができる。
【0051】
なお、上述した実施の形態においては、X−Yステージ7によりTAB4をセル1に対して位置決めするようにしているが、これに限らず、例えば搬送ノズル兼用の圧着ヘッドを用いてTAB4をセル1に対して位置決めするようにしてもよい。
【0052】
また、上述した実施の形態においては、セル1とTAB4との間の角度ずれ量を評価するためのエラー上限値を正回転方向と負回転方向とで同一の値に設定しているが、これに限らず、エラー上限値を正回転方向と負回転方向とで異なる値に設定してもよい。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、基板と電子部品との間の角度ずれ量と所定のエラー上限値とを比較し、角度ずれ量がエラー上限値を越えていないときにのみ、基板と電子部品との間の角度ずれを補正しているので、基板と電子部品との間の角度ずれ以外の要因(リードパターンの誤認識等)により基板が回転移動することを確実に防止することができ、このため、基板と電子部品とが大幅にずれた状態で圧着されたり、基板が破損してしまうという事態が生じることを確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による部品実装装置の一実施の形態の要部を示すブロック図。
【図2】図1に示す部品実装装置における電子部品実装工程の概要を説明するためのフローチャート。
【図3】図2に示す位置補正処理(ステップ104)の詳細を示すフローチャート。
【図4】図3に示す基板のθ方向補正処理(ステップ205および206)を説明するための概念図。
【図5】部品実装装置の全体構成を示す図。
【図6】従来の部品実装装置の問題点を説明するための図。
【符号の説明】
1 セル(基板)
2 セルマーク
3 セルリード
4 TAB(電子部品)
5 TABリード
6 X−Y−θステージ
7 X−Yステージ
10 駆動制御装置
11 セル位置認識部
12 初期位置算出部
13 駆動制御部
14 セル・TAB相対位置認識部
15 補正演算部
16 θ方向補正演算部
17 X,Y方向補正演算部
18 初期補正演算部
19 エラー発生通知部
20,21,22 撮像装置
23 圧着装置

Claims (4)

  1. 基板上に電子部品を実装する部品実装装置において、
    基板が載置されるステージと、
    前記ステージ上に載置された基板と該基板上に実装される電子部品とを撮像する撮像装置と、
    前記撮像装置による撮像結果に基づいて基板と電子部品との相対的な位置関係を認識するとともに、その認識結果に基づいて基板と電子部品との間の角度ずれ量を算出する相対位置認識部と、
    前記相対位置認識部により算出された角度ずれ量が、許容角度以内に収まっている場合には基板と電子部品との間のX,Y方向のずれを補正し、該許容角度を超え所定のエラー上限値を越えていないときにのみ、基板と電子部品との間のθ方向のずれを補正するよう前記ステージを駆動制御する駆動制御部とを備えたことを特徴とする部品実装装置。
  2. 前記角度ずれ量がエラー上限値を越えているときにオペレータに対してエラーの発生を通知するエラー発生通知部をさらに備えたことを特徴とする請求項1記載の部品実装装置。
  3. 基板上に電子部品を実装する部品実装方法において、基板と該基板上に実装される電子部品とを撮像装置により撮像するステップと、
    この撮像結果に基づいて基板と電子部品との相対的な位置関係を認識するとともに、その認識結果に基づいて基板と電子部品との間の角度ずれ量を算出するステップと、
    前記角度ずれ量が、許容角度以内に収まっている場合には基板と電子部品との間のX,Y方向のずれを補正し、該許容角度を超え所定のエラー上限値を越えていないときにのみ、基板と電子部品との間のθ方向のずれを補正するよう基板を回転移動させるステップとを含むことを特徴とする部品実装方法。
  4. 前記角度ずれ量がエラー上限値を越えているときにオペレータに対してエラーの発生を通知するステップをさらに含むことを特徴とする請求項3記載の部品実装方法。
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