JP4241744B2 - パンツ - Google Patents
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Description
本発明により、見た目も通常のパンツと変わらず、ヒップアップ効果があり、さらに脇腹と腹部もシェイプすることのできる着用快適性に優れたパンツを得ることができる。
かかる伸長率とは、織編地の伸びの程度を表すものであり、この数値が大きい程、パンツを着用した時、体の動きに追従し易く、着脱も容易である。パンツの表地はかかる伸長率が10%未満であると伸びが少ないため着用時に窮屈で動きにくいという問題があり、反対に40%以上あると、身体にフィットするが、身体のシルエットが表面に出やすくなり、美観に劣るという問題があった。
伸長率LA(%)=[(L1−L)/L]×100
L :つかみ間隔(mm)
L1:14.7Nまで伸ばした時のつかみ間隔(mm)。
伸長率LB(%)=[(Lb1−Lb)/Lb]×100
Lb :伸長率LAの80%の伸びに相当するチャート上の長さ(mm)
Lb1:10回繰り返し伸長後の残留伸びに相当するチャートの長さ(mm)。
ヒップアップ別布8に使用する素材は、前述した裏地3と同じ素材群を使用することができる。
破裂強度(kPa)=a−b
a:ゴム膜が試験片を突き破った時の圧力
b:試験片を取り除いた時のゴム膜の圧力。
(1)伸長率
表地及び裏地の伸長率はJIS L 1096「一般織物試験方法」のA法(定速伸長法)のストリップ法に準じて測定した。
伸長率LA(%)=[(L1−L)/L]×100
L :つかみ間隔(mm)
L1:14.7Nまで伸ばした時のつかみ間隔(mm)。
表地及び裏地の伸長回復率はJIS L 1096「一般織物試験方法」のA法(繰り返し定速伸長法)のストリップ法に準じて測定した。
伸長率LB(%)=[(Lb1−Lb)/Lb]×100
Lb :伸長率LAの80%の伸びに相当するチャート上の長さ(mm)
Lb1:10回繰り返し伸長後の残留伸びに相当するチャートの長さ(mm)。
裏地の破裂強力はJIS L 1018「ニット生地試験方法」のA法(ミューレン形法)に準じて測定した。
破裂強度(kPa)=a−b
a:ゴム膜が試験片を突き破った時の圧力
b:試験片を取り除いた時のゴム膜の圧力。
本文中に述べたように、着用中の写真を体側面からカメラで撮影し、パソコン上で床面から臀部頂点までの距離を測定する。3回の着用−撮影−測定の平均値を求めた。パンツのデザインにより変化する値であるので、全く同じサイズ、デザインのパンツで裏地の有無により臀部頂点の位置の違いを差寸で表す。着用者も同一人物で比較する。
なお、臀部頂点については、体側面の画像に頭部から床面に垂直に補助線を入れ、臀部で交わる点を臀部頂点とした。
(株)エイエムアイ製の接触圧測定器のエアパックセンサーを着用者の臀部頂点、臀溝(脚の付け根)、脇の合計3箇所に貼り付ける。その上にパンツを着用して静止状態30秒、前屈運動30秒時の衣服圧の変化を計測し、3回の衣服圧計測結果の平均値を求めた。パンツのデザインにより変化する値であるので、全く同じサイズ、デザインのパンツを同一人物が着用し、裏地の有無による衣服圧(kPa)の差寸を求め、3段階評価した。
出来上がったパンツの審美性および着用感、運動機能性、ヒップアップ効果、締め付け効果について官能評価を実施した。その評価基準を表1に示す。
タテ糸に綿60番手双糸をヨコ糸に165デシテックスのPPTを用い、2/1のツイル(綾織)に製織、染色仕上げした。こうして得られた織物の伸度はタテ8%ヨコ25%、伸長回復率はタテ92%ヨコ85%であった。この表地の裏にポリウレタン繊維にナイロンをカバーリングした糸をラッセル編み機で編成した6コースサテンネットを、次の工程で縫着して婦人用パンツを得た。裏地の伸長率はタテ147%ヨコ41%、伸長回復率はタテ96%ヨコ85%、破裂強力は240kPaで、後身頃から前身頃ウエストラインに向かい斜め上方に傾斜した形状に裁断した。さらに裏地の内側に、後中心線で5cm幅、前身頃のウエストラインで8cm幅となるように漸増させ、ヒップ形状に合わせた曲線帯状のヒップアップ別布を、伸びを止めないように下糸にナイロンウーリー糸を用いて千鳥縫いミシンで縫着した。ヒップアップ別布の伸度はタテ156%ヨコ53%、伸長回復率はタテ96%ヨコ94%、破裂強力は290kPaのパワーネットを用いる。該ヒップアップ別布を縫着した裏地を内股部とウエストラインに縫着した。
タテ糸に綿50番手双糸をヨコ糸に44デシテックスの弾性糸に綿50番手をカバーリングした糸を用い、平織物に製織、染色仕上げした。こうして得られた織物の伸度はタテ12%ヨコ28%、伸長回復率はタテ85%ヨコ65%であった。この表地の裏に実施例1と同様のサテンネットを裏地として用い、次の工程で縫着して紳士用パンツを得た。該パンツのポケット布は、伸長率がタテヨコ3%のスレーキを用い、前立て部分まで延長して縫目に縫着した。次に裏地を後身頃から前身頃ウエストラインに向かい斜め上方に傾斜した形状に裁断し、さらにその内側に実施例1と同様のパワーネットを使いヒップライン下から前身頃に向かい斜め上方に傾斜した形状のヒップアップ別布を縫い付けた。該ヒップアップ別布は後中心線で7cm幅、左右前端で10cm幅となるように漸増させた曲線帯状とし、伸びを止めないように下糸にナイロンウーリー糸を用いて千鳥縫いミシンで裏地に縫い付けた。該ヒップアップ別布を縫着した裏地を、内股部とウエストライン、さらにポケット袋布の上に15cm重ねて縫着した。こうして得られた紳士用パンツの縫製仕様を表2に、縫製品を着用した時の審美性、着用感、運動機能性、ヒップアップ効果、締め付け効果について評価をした結果を表3に示した。
タテ糸、ヨコ糸にポリエステルとレーヨンの混紡糸で3/1のサテン(朱子織)に製織、染色仕上げした織物を表地に使用して婦人用のパンツを縫製した。織物の伸度はタテ21%ヨコ20%、伸長回復率はタテ91%ヨコ89%であった。この表地の裏にポリビニルピロリドンを練り込んだポリアミド繊維とポリウレタン繊維で編成したサテンネットを裏地として、またヒップアップ別布としてパワーネットを用いて婦人用パンツを得た。サテンネットの伸度はタテ180%ヨコ104%、伸長回復率はタテ92%ヨコ94%、破裂強力は226kPaであった。パワーネットの伸長率はタテ109%ヨコ85%、伸長回復率はタテ97%ヨコ89%、破裂強力は280kPaであった。該パンツのポケット袋布は、伸長率がタテヨコ3%のスレーキを用い、前立て部分まで延長して縫目に縫着した。サテンネットを幅方向で表地の93%、股上長さで96%となるように後身頃から前身頃の一部を覆う形状に設計した後、幅方向に4分割、さらに股下部分も長さ方向に2分割して、各縫い合わせ線を曲線にして立体形状となるようにし、各縫い合わせ線を千鳥縫いで縫い合わせて一体化する。この時、着用中の破損を防止するため縫い合わせ線の裏側にヒップアップ別布用のパワーネットを1cm幅に裁断して補強テープとして同時に縫い付けた。さらにヒップライン下から前身頃ウエストラインに向かって帯状のヒップアップ別布を伸びを止めないように下糸にナイロンウーリー糸を用いて千鳥縫いミシンで裏地に縫い付けた。ヒップアップ別布は、後中心線で5cm幅、左右前端で8cm幅となるように漸増させた曲線帯状とする。該ヒップアップ別布を縫着した裏地を、内股部とウエストライン、さらにポケット袋布の上に18cm重ねて縫着した。さらにヒップアップ別布に使用したパワーネットを幅2cm、長さ4cmにカットして係止具とし、表地の脇縫目と対応する箇所の裏地に夫々れ縫着した。
タテ糸に綿50番手双糸をヨコ糸に44デシテックスの弾性糸に綿50番手をカバーリングした糸を1本交互に使用して22Gの両面丸編機にて編成した。この両面丸編地を通常の丸編地の染色方法に準じ、染色仕上げした。こうして得られた編物の伸度はタテ60%ヨコ105%、伸長回復率はタテ65%ヨコ75%であった。この表地の裏に次の工程で縫製した裏地を縫着して婦人用のパンツを縫製した。実施例3で用いたサテンネットを後身頃から前身頃ウエストラインに向かい斜め上方に傾斜した形状に裁断した。さらに裏地の内側に、実施例3で用いたパワーネットを後中心線で7cm幅、前身頃のウエストラインで9cm幅となるように漸増させた曲線帯状のヒップアップ別布として用い、伸びを止めないように偏平2本針ミシンで裏飾り糸にナイロンウーリー糸を用いて裏地に縫着した。該ヒップアップ別布を縫着した裏地を内股部とウエストラインに縫着した。この時、後身頃の中心線から左右7cm間を開口部として縫着しないこととした。こうして得られた婦人用パンツの縫製仕様を表2に、縫製品を着用した時の審美性、着用感、運動機能性、ヒップアップ効果、締め付け効果について評価をした結果を表3に示した。
実施例1で用いた織物を表地に使用して婦人用パンツを縫製した。裏地は付設しなかった。
綿30番手の紡績糸をタテ糸、ヨコ糸に用い、3/1のサテン(朱子織)に製織、染色仕上げした織物を表地に使用して紳士用パンツを縫製した。この織物の伸度はタテ5%ヨコ6%、伸長回復率はタテ98%ヨコ98%であった。該パンツのポケット布には、伸長率がタテヨコ3%のスレーキを用い、ポケット布の前端は縫着しないものとした。パンツの裏地には、伸度タテ99%ヨコ72%、伸長回復率はタテ67%ヨコ73%のトリコット編地を後身頃の臀部のみ覆う形状に裁断し、内股部と脇線で表地と縫着した。さらにヒップラインの下に20cmの帯状のヒップアップ別布を伸びを止めないように下糸にナイロンウーリー糸を用いて千鳥縫いミシンで裏地に縫い付けた。ヒップアップ別布の伸度はタテ156%ヨコ53%、伸長回復率はタテ96%ヨコ94%のパワーネットを用いた
こうして得られた紳士用パンツの縫製仕様を表2に、縫製品を着用した時の審美性、着用感、運動機能性、ヒップアップ効果、締め付け効果について評価をした結果を表3に示した。
56デシテックスのポリエステル糸100%の長繊維糸を使い20G丸編機で編成し、通常の染色加工仕上げをして編地を得た。こうして得られた編物の伸度はタテ40%ヨコ80%、伸長回復率はタテ88%ヨコ55%であった。パンツのウエストはゴムで始末をした開きのないタイプのいわゆるジャージパンツとした。パンツの裏地には伸度タテ109%ヨコ85%、伸長回復率はタテ97%ヨコ87%のパワーネットで、股部から上部を後身頃、前身頃ともに被うように2本の筒状に縫製し、ウエストゴム部で表地と縫着した。
2 :後身頃表地
3 :裏地
4 :脇線
5 :ウエストライン
6 :内股
7 :後中心線
8 :ヒップアップ別布
9 :前中心線(前立て部分)
10 :係止具
11 :ポケット布
12 :裏地の前面の端部
13 :裏地とポケット布の重なり部分
14 :開口部
15 :縫着糸
16 :脇縫代
A :係止具の巾
B :係止具の長さ
C :後中心線と脇線上の表地の巾
D :Cと同位置での裏地の巾
E :ウエストラインから股下までの表地の長さ
F :Eと同位置での裏地の長さ
Claims (10)
- 表地の内側に、後身頃のヒップ部から脇線を通り前身頃の一部を被う裏地を付設したパンツであって、該裏地は後身頃から前身頃にかけて連続した形状で、かつパンツ全周に付設されず、かつ該表地と裏地はウエストラインと内股部で接合され、さらに脇縫代の一部に表地と裏地を縫着または係止する長さが2cm以上6cm未満、かつ表地と裏地とのすきまの幅が1cm以上2cm以下の係止具を介して縫着または係止する、該裏地および係止具の伸長率が30〜200%、伸長回復率が80〜100%の範囲であることを特徴とするパンツ。
- 前身頃の左右のポケット布が脇線から前立て部分まで連続した形で設置されたことを特徴とする請求項1に記載のパンツ。
- 前記左右のポケット布が伸縮性の小さい織編物から構成されていることを特徴とする請求項2に記載のパンツ。
- 該裏地の左右前面を左右のポケット布に10〜20cm重ね、該裏地の左右前面の端部を該左右のポケット布に縫着したことを特徴とする請求項2または3に記載のパンツ。
- 表地または/および前記裏地が、一方がポリトリメチレンテレフタレートを主体としたポリエステルである2種類のポリエステル系重合体を繊維長さに沿ってサイドバイサイド型に貼り合わせた複合繊維のマルチフィラメントを、タテ糸およびヨコ糸の少なくとも一方に用いたポリエステル系ストレッチ織物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のパンツ。
- 裏地に、後身頃のヒップライン下から前身頃に向かい斜め上方に傾斜した帯状のヒップアップ別布を付設したことを特徴とした請求項1〜5のいずれかに記載のパンツ。
- 該係止具の素材が裏地およびヒップアップ別布のいずれか一つと同じ素材であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のパンツ。
- 裏地に破裂強力が200〜260kPaのサテンネット、ヒップアップ別布に破裂強力が261〜320kPaのパワーネットを使用したことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のパンツ。
- ヒップアップ別布の巾が、後中心で4〜7cm、前身頃の端部では5〜10cmとなるよう漸増させた請求項6〜8のいずれかに記載のパンツ。
- 裏地の大きさが表地の99%〜85%に設定されており、裏地をウエストラインの後中心線から左右夫々れに5〜10cm開放して残り部分をウエストラインに表地と縫着したことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のパンツ。
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