JP4241744B2 - パンツ - Google Patents

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Description

本発明はヒップサポート効果のあるパンツに関する。
従来、伸縮性の高いパンツをはくと履き心地は楽で良いが、シルエットがあまりきれいではなかった。特に腹部や尻部を押さえないため、体型が表に出て美観を損なうことも多かった。また、パンツの下にガードルなどの補正下着を着けることにより、体型を整えることは可能であったが、それらは締め付け感が強く着用快適性に劣るものであった。これらの問題を解決するため、昨今、パンツやスカートの裏に伸縮性裏地を縫い付け、体型補整を狙ったものが多く出てきた。
一方、従来の技術として、後身頃の裏にパワーネット生地を縫い付けたズボン(特許文献1参照)、ガードルを内側に吊り下げたパンツやスカート(特許文献2参照)、パンツの内側に補正機能を持つストレッチニット裏地を後身頃や前身頃に様々な形状で縫い付けたパンツ(特許文献3、4、5)等が提案されている。
実用新案登録第3098702号公報 特許第2670567号公報 実用新案登録第3080399号公報 特開2003−268606号公報 特開2005−15930号公報
しかしながら、特許文献1の後身頃の裏にパワーネット生地を縫い付けたズボンは、裏地と表地とがほぼ同じ寸法であるため、ヒップを持ち上げる効果は小さかった。
一方、特許文献2のガードルを内側に吊り下げたパンツやスカートは、締め付けの強い補正下着をつけているのと同じ効果は得られるものの着用中の快適性や着脱のしやすさなどに劣るものであった。また、特許文献3、4、5はV字形状のパワーの強いパワーネットを重ねて縫着し、ヒップアップ効果を狙うものであったが、接ぎ合わせあるいは縫着するのに手間がかかり、そのわりには効果が小さいものであった。
また、市場で販売されている補整布付きパンツのうち、後身頃のみ、前身頃のみに裏地を脇で縫着しているものを着用したところ、縫着している箇所が引きつれて、美観を損なうという欠点があった。
そこで、本発明の目的はかかる従来技術の欠点を改良し、見た目も通常のパンツと変わらず、ヒップアップ効果があり、さらに脇部から腹部もシェイプすることのできる着用快適性に優れたパンツを提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明のパンツは以下の構成からなる。
(1)表地の内側に、後身頃のヒップ部から脇線を通り前身頃の一部を被う裏地を付設したパンツであって、該裏地は後身頃から前身頃にかけて連続した形状で、かつパンツ全周に付設されず、かつ該表地と裏地はウエストラインと内股部で接合され、さらに脇縫代の一部に表地と裏地を縫着または係止する長さが2cm以上6cm未満、かつ表地と裏地とのすきまの幅が1cm以上2cm以下の係止具を介して縫着または係止する、該裏地および係止具の伸長率が30〜200%、伸長回復率が80〜100%の範囲であるパンツ。
(2)前身頃の左右のポケット布が脇線から前立て部分まで連続した形で設置されたことを特徴とする(1)に記載のパンツ。
(3)前記左右のポケット布が伸縮性のない織編物から構成されていることを特徴とする(2)に記載のパンツ。
(4)該裏地の左右前面を左右のポケット布に10〜20cm重ね、該裏地の左右前面の端部を該左右のポケット布に縫着したことを特徴とする(2)または(3)に記載のパンツ。
)表地または/および前記裏地が、一方がポリトリメチレンテレフタレートを主体としたポリエステルである2種類のポリエステル系重合体を繊維長さに沿ってサイドバイサイド型に貼り合わせた複合繊維のマルチフィラメントを、タテ糸およびヨコ糸の少なくとも一方に用いたポリエステル系ストレッチ織物であることを特徴とする(1)〜()のいずれかに記載のパンツ。
)裏地に、後身頃のヒップライン下から前身頃に向かい斜め上方に傾斜した帯状のヒップアップ別布を付設したことを特徴とした(1)〜()のいずれかに記載のパンツ。
(9)該係止具の素材が裏地およびヒップアップ別布のいずれか一つと同じ素材であることを特徴とする(1)〜(8)のいずれかに記載のパンツ。
)裏地に破裂強力が200〜260kPaのサテンネット、ヒップアップ別布に破裂強力が261〜320kPaのパワーネットを使用したことを特徴とする(1)〜()のいずれかに記載のパンツ。
)ヒップアップ別布の巾が、後中心で4〜7cm、前身頃の端部では5〜10cmとなるよう漸増させた()〜()のいずれかに記載のパンツ。
10)裏地の大きさが表地の99%〜85%に設定されており、裏地をウエストラインの後中心線から左右夫々れに5〜10cm開放して残り部分をウエストラインに表地と縫着したことを特徴とする(1)〜()のいずれかに記載のパンツ。

本発明により、見た目も通常のパンツと変わらず、ヒップアップ効果があり、さらに脇腹と腹部もシェイプすることのできる着用快適性に優れたパンツを得ることができる。
以下、図面に示す第一〜三の態様を参照しつつ、本発明のパンツを詳細に説明する。
図1は、本発明のパンツの一態様を正面表からみた図であり、図2、図3は、本発明のパンツの一態様を裏返して裏面からみた前身頃と後身頃の図である。図4は股下と前中心縫目を解いたパンツの裏面展開図、図5は図4における係止具部分の断面図であり、係止具10は前身頃表地及び後身頃表地2とヒップアップ別布8との間に付設されている。図6は右後身頃の型紙上の幅、長さの計測例を示す。図7は前身頃の第二の態様、図8は後身頃の第二の態様を示した図である。また、図9は第三の態様の股下と前中心縫目を解いたパンツの裏面展開図、図10は第三の態様の後身頃を示した図である。
本発明のパンツは、図2、図3および図4に示すように身頃表地の内側に、後身頃2のヒップ部から脇線4を通り前身頃1の一部を被う裏地3をウエストライン5と内股6で表地と縫着され、なおかつ脇縫代16の一部に係止具10を介して表地と接合することにより、臀部を臀溝から上方およびななめ前方に向かって持ち上げることができる。また、本発明のパンツは裏地を後身頃から前身頃にかけて連続した形状で設置することにより、脇部のごろつきを解消し、脇の贅肉も一部引き上げ、サイドラインの締め付け効果も期待することができる。これに対し、裏地をパンツ全周に付設すると補整下着を着用していると同じように窮屈であり、着脱しにくいパンツとなるので好ましくない。また、裏地を後身頃にのみ付設すると、ヒップアップ効果はあるもののサイドラインの締め付け効果は全くなく全体のシルエットの美しさに劣るものとなる。
さらに図4および図5に示すように、裏地3を脇縫代の一部に係止具10を介して表地に縫着することにより、直接裏地3を表地の脇縫代に縫着する場合に比べて、係止具10の部分が自由に動くことができるため、縫着箇所のひきつれが発生しない。ここで使用する係止具とは、ひも、面ファスナー、織編物、テープ、ゴムなど線状、面状に縫着できるものであれば素材にはこだわらない。ただし、係止具10の厚さが2mm以上になると、着用時に表から係止具10の存在が顕著にわかるし、また係止具10が異物となり着用感を損なうものとなることから、厚さは2mm未満が好ましい。係止具10の大きさは図に示す幅Aを1〜2cm、図に示す長さBを2〜6cm程度とすることが着用感、サポート効果の点で好ましい。係止具10の幅は表地と裏地3とのすきまの幅となるため、1cmり狭いと裏地3の動きが少なくなりすぎてひきつれが発生して表にひびくため1cm以上とするのが好ましい。逆に2cm超えると裏地3が動きすぎて臀部のサポート感が減少するので2cm以下が好ましい。一方、係止具10の長さは表地と裏地3を縫着する長さであり、2cm未満であると、1点でスポット的に固定されるためその部分がひきつれてしまう。逆に6cm以上あると裏地3の動きが固定されてしまい係止具の効果は小さくなり、着用感が低下する。これらを鑑みると、本発明で使用する係止具10は、裏地3と同程度の伸長率、伸長回復率をもった織編物を幅1〜2cm、長さ2〜6cmのテープ状に裁断して裏地3と表地の間に使用することにより、着用感、サポート感、外観に問題のないパンツを得ることができる。
また第二の態様として、図7に示すように前身頃の左右のポケット布11を脇線4から前立て部分9まで連続した形で設置し、その上に前記裏地3の左右前面を脇線4から前中心に向かって10〜20cm重ねて縫着したパンツにすると、後身頃のみならず、脇から前身頃にかけてもサポートすることが可能となる。使用するポケット布11は伸縮性の小さい織編物から構成されていることが好ましい。伸縮性の高い織編物を使用すると、着用した腹部の形状にポケット布11も変化し、伸ばされるため腹部のサポート効果は望めない。ここでいう伸縮性の小さい織編物とは、具体的にはスレーキや織物裏地などをさし、伸長率が10%以下のものが好ましい。ポケット布11は、少なくとも脇線4及び前立て部分9で縫着し、裏地3の左右の前面端部12を該ポケット布11に縫着する。裏地3とポケット布11の重なり部分13を10cmより少なくして縫着する、すなわち、裏地3の前面端部12をポケット口から10cm以下の部分でポケット布11に縫着すると、ポケットに手を入れられなくなる。また20cmより多く重ねると、サイズ、デザインにより多少異なるが、ほとんど前立て付近まで付設することとなり、前身頃が何重にも重なりって蒸れ、ごろつきなどが発生し、着用快適性に劣る。
本発明のパンツにおいては、表地または/および裏地3がタテまたは/およびヨコ方向に伸縮可能な織編物を使用することにより、着用感、運動機能性、美観全てにおいてさらに顕著な効果を確認することができる。
伸縮可能な織編物としては、綿やウールの天然繊維やレーヨンなどの再生繊維、アクリル系繊維やポリエステル系繊維などの合成繊維などにポリウレタン繊維(弾性繊維)を混用したストレッチ織物等を使用することができる。また、弾性繊維を使用しないで、例えば一方がポリトリメチレンテレフタレート(以下、PPTと略する)を主体としたポリエステルである2種類のポリエステル系重合体を繊維長さに沿ってサイドバイサイド型に貼り合わせた複合繊維のマルチフィラメントを、タテ糸およびヨコ糸の少なくとも一方に用いたポリエステル系ストレッチ織物を使用してもよい。サイドバイサイド型の複合繊維は、固有粘度や共重合成分、共重合率等が異なる重合体を貼り合わせ、それらの弾性回復特性や収縮特性の差によって、捲縮を発現するものである。固有粘度差を有するサイドバイサイド型複合の場合、紡糸、延伸時に固有粘度の高い方に応力が集中するため、2成分間で内部歪みが異なる。そのため、延伸後の弾性回復率差および織物の熱処理工程での熱収縮率差により固有粘度高い方が大きく収縮し、単繊維内で歪みが生じて3次元コイル捲縮の形態をとる。この3次元コイルの径および単位繊維長当たりのコイル数は、固有粘度が高い成分(高収縮成分)と固有粘度が低い成分(低収縮成分)との収縮差(弾性回復率差を含む)によって決まると言ってもよく、収縮差が大きいほどコイル径が小さく、単位繊維長当たりのコイル数が多くなる。ストレッチ素材として要求されるコイル捲縮は、コイル径が小さく、単位繊維長当たりのコイル数が多い(伸長特性に優れ、見栄えが良い)、コイルの耐へたり性が良い(伸縮回数の応じたコイルのへたり量が小さく、ストレッチ保持性に優れる)、さらにはコイルの伸長回復時におけるヒステリシスロスが小さい(弾発性に優れ、フィット感が良い)等である。これらの要求を全て満足しつつ、ポリエステルとしての特性、例えば適度な張り腰、ドレープ性、高染色堅牢性を有することで、トータルバランスに優れたストレッチ素材とすることができる。この特性を満足させるためには、高収縮成分にPPTを主体としたポリエステルを用いることが好ましい。PPTとは、テレフタル酸を主たる酸成分とし、1,3−プロパンジオールを主たるグリコール成分として得られるポリエステルである。低収縮成分には、高収縮成分であるPPTとの界面接着性が良好で、製糸性が安定している繊維形成性ポリエステルであれば特に限定されるものではないが、力学的特性、化学的特性および原料価格を考慮すると、繊維形成能のあるポリエチレンテレフタレートが好ましい。
このようにして得られたサイドバイサイド型複合繊維糸条をタテ糸およびヨコ糸の少なくとも一方のストレッチ付与を所望する方向に用いたストレッチ織物を本発明のパンツに使用することにより着用感、運動機能性、美観等に顕著な効果を表す。パンツの表地に使用する場合、タテ方向およびヨコ方向の少なくとも一方の伸長率は、1.5kg荷重下で10%以上40%以下であることが好ましく、伸長回復率は60%以上あることが着用快適性、型くずれ防止の観点からも好ましい。
かかる伸長率とは、織編地の伸びの程度を表すものであり、この数値が大きい程、パンツを着用した時、体の動きに追従し易く、着脱も容易である。パンツの表地はかかる伸長率が10%未満であると伸びが少ないため着用時に窮屈で動きにくいという問題があり、反対に40%以上あると、身体にフィットするが、身体のシルエットが表面に出やすくなり、美観に劣るという問題があった。
かかる伸長回復率とは身体の動きで伸長した生地が、素早く元の状態に戻ろうとする回復程度を表すものであり、この数値が大きい程、パンツを着用した時の型崩れが少なく、着用前後で形態変化を起こしにくい。本発明のパンツにおいて、表地の伸長回復率は60%以上、より好ましくは80%以上あることが好ましい。60%より低いと臀部や膝等の身体の凸部のみ生地が回復しないで表地が伸びた状態になり、美観を損なう。
なお、かかる伸長率はJIS L 1096「一般織物生地試験方法」のA法(定速伸長法)のストリップ法に基づいて測定されたものである。
すなわち、伸長率の測定方法は次の通りである。5cm×30cmの試験片をタテ、ヨコ方向にそれぞれ3枚ずつ採取し、自動記録装置付定速伸長形引張試験機を用い、つかみ間隔を20cmとし、試験片のたるみや張力を除いてつかみに固定する。引張速度20cm/minで14.7N(1.5kg)まで伸ばし、その時のつかみ間隔を測り、次の式により伸長率LA(%)を求め、3枚の平均で表す。
伸長率LA(%)=[(L1−L)/L]×100
L :つかみ間隔(mm)
L1:14.7Nまで伸ばした時のつかみ間隔(mm)。
また、かかる伸長回復率はJIS L 1096「一般織物生地試験方法」のA法(繰り返し定速伸長法)のストリップ法に基づいて測定されたものである。すなわち、伸長回復率の測定方法は次の通りである。5cm×30cmの試験片をタテ、ヨコ方向にそれぞれ3枚ずつ採取し、自動記録装置付定速伸長形引張試験機を用い、つかみ間隔を20cmとし、試験片のたるみや張力を除いてつかみに固定する。引張速度20cm/minで別に求めた伸長率(前項LA)の値の80%まで伸ばして、1分放置した後、同じ速度で元の位置まで戻し、3分間放置する。この操作を10回繰り返した後、再び同じ速度で初荷重以上の荷重まで引き伸ばす。記録した荷重−伸長曲線から残留伸びを測り次式により伸長回復率LB(%)を求め、3枚の平均で表す。
伸長率LB(%)=[(Lb1−Lb)/Lb]×100
Lb :伸長率LAの80%の伸びに相当するチャート上の長さ(mm)
Lb1:10回繰り返し伸長後の残留伸びに相当するチャートの長さ(mm)。
本発明のパンツの表地に使用する素材は紡績糸、フィラメント糸のどちらでも良く、好みにより選択することができる。
本発明のパンツの表地の内側に付設する裏地3の素材は特に限定しないが、寸法安定性や表地とのなじみがよいこと、パンツを着装したときに表から裏地3の存在がわかりにくいこと等を鑑みると、ポリアミド系繊維やポリエステル系繊維などの合成繊維にポリウレタン繊維(弾性繊維)を混用した織編物を使用することが好ましい。また、弾性繊維を使用しないで、PPTを主体としたポリエステル系ストレッチ織物を使用してもよい。織物の組織は限定しない。編物の場合も編み方は特に限定しないが、ヒップ形状の保型の点から天竺やリブ編よりトリコット編の方が適している。
該裏地3は、タテ方向およびヨコ方向の少なくとも一方の伸長率が1.5kg荷重下で30〜200%、繰り返し10回伸長後の伸長回復率が80%〜100%の織編物を用いることが好ましい。裏地3の伸長率が30%未満であると、伸びが少ないためパンツ着用時に裏地だけきつく締め付けられるため、着脱しにくいし、着用快適性が劣る。反対に伸長率が200%を越えると締め付け感およびヒップアップ効果が小さくなる。従って、裏地3のタテ方向およびヨコ方向の少なくとも一方の伸長率は、30%以上あるものが好ましく、より好ましくは50%以上、さらに好ましくは70%以上である。
また、本発明のパンツの裏地3の伸長回復率は80%から100%である素材を選択することが好ましい。80%より低いと着用回数、洗濯回数が増えるにつれて裏地3だけ伸びきって型崩れを起こすとともに締め付け効果は低下していく。
表地の内側に付設した裏地3は、少なくとも1ヶ所以上後身頃で接ぎ合わされ、ヒップの丸みに合わせて立体縫製することが好ましい。立体縫製とはダーツやタックあるいは切り替えなどで平面の生地を身体の線に合わせて立体的に仕上げる方法をいう。ダーツやタックをウエストラインに入れることによりヒップの丸みに合わせた裏地3を付設することはできるが、ダーツやタックは縫代が複数枚重なるため、パンツの表側に段差として現れて美観を損ねるし、着用快適性に劣る。従って本発明においては、ヒップの形状に合うように少なくとも2枚以上に分割した形の裏地3を縫い合わせて立体化した裏地3をパンツに付設することが好ましい。分割した裏地3を縫い合わせる時は伸度の高い縫目とすることが好ましい。例えば千鳥縫いや偏平縫い、オーバーロックや還縫いのように縫目が生地に追随する縫製方法が好ましい。また、縫い合わせに使用する縫糸にポリエステルウーリー糸やナイロンウーリー糸、レジロン糸など伸度の高いミシン糸を使用することも好ましい。伸度の高いミシン糸で伸度の高い縫い目とすることがより好ましい。一方、縫糸を使用しないで、融着する手段を用いて融接合させる手段も伸度を持続させることができる有効な手段でもある。
さらに、表地の内側に付設した裏地3に、後身頃のヒップライン下から前身頃に向かい斜め上方に傾斜した帯状のヒップアップ別布8を付設することにより、ヒップアップおよびサイドの締め付け効果を向上させることができる。なお、付設は縫い付け、接ぎ合わせ、接着、融着など、どのような方法であってもよいが、洗濯耐久性、肌触り、作業性の点から縫い付けが好ましい。なお、ヒップアップ別布8は、図5のように表地と裏地3の間に付設してもよいが、裏地3の内側に付設してもよい。
ヒップアップ別布8に使用する素材は、前述した裏地3と同じ素材群を使用することができる。
裏地3に使用する素材は、破裂強力が200〜260kPaのサテンネット、ヒップアップ別布8には破裂強力が261〜320kPaのパワーネットを使用することが好ましい。使用する裏地とヒップアップ別布8の伸長率、伸長回復率をほぼ同じにすることが、両者の追随性が向上し、着用時の違和感が低減する上、縫目の破損などの問題が発生しにくくなる点で好ましいが、破裂強力については部分的なサポート効果をより向上させるため、裏地3よりヒップアップ別布8の強力を上げることが好ましい。
なお、かかる破裂強力はJIS L 1018「ニット生地試験方法」のA法(ミューレン形法)に基づいて測定されたものである。すなわち、15cm×15cmの試験片を5枚採取し、試験片の表を上にして張力を加えずに普通の状態で、ミューレン形破裂試験機のつかみに取り付ける。加圧用油を98±4cm3/minの速度で増加させ、ゴム膜が突き破った瞬間に加圧を止めて、その時の圧力を読みとる。引き続き、つかみをゆるめて試験片を取り除いた時の指針の示すゴム膜の圧力を読みとる。下式により破裂強度を算出し、5枚の平均値で表す。
破裂強度(kPa)=a−b
a:ゴム膜が試験片を突き破った時の圧力
b:試験片を取り除いた時のゴム膜の圧力。
ここでいうサテンネットとは経編の一種で、ファンデーション一般、特にソフトガードルに使用される素材で、ネットの目が詰まっておりサテン調の滑らかな風合い、表面の光沢感が特徴である。また、パワーネットも経編の一種ではあるが、編み方が異なり見た目はネット状である。サテンネットよりも強力が高いため、主にブラジャーやボディスーツなど補整下着に使用される。従って、ヒップ形状を崩さず、裏地として必要な滑り性と伸長率をもつサテンネットを本発明の裏地に、臀溝から脇、腹部へのサポートを強化するためにヒップアップ別布8にはパワーネットを使用することが最適である。
ヒップアップ別布8の巾は図3に示すように後中心7で4〜7cm、前身頃の前面端部では5〜10cmとなるよう漸増させた形状とすることにより臀溝から脇、腹部にかけての締め付け、持ち上げ効果が向上する。
ヒップアップ別布8の巾はできるだけ広くした方が、サポート効果を高めることにはなるが、例えば10cm以上の一定幅で後から前身頃に縫着した場合、臀部の約1/3をヒップアップ別布により締め付けられることになるので、臀部の丸みが崩れやすくなる。反対に狭くして4cm未満の一定幅で後から前身頃の前面端部に縫着すると臀溝のような細い部分にはフィットするが、脇や腹部といった広い面積をサポートするにはパワー不足である。従って、細い臀溝には4〜7cm、前身頃の前面端部では5〜10cmとなるように幅を漸増させた方が表のシルエットに影響を及ぼすことなく、必要な部分を最低限必要な分量で締め付け、ヒップアップ効果を発揮することができる。
また、帯状のヒップアップ別布8を後身頃のヒップライン下から前身頃に向かい斜め上方に傾斜させるにあたっては、直線状ではなく、図2〜4に示すように曲線状に傾斜させることが好ましい。さらに、後身頃部分はヒップのラインに合わせた曲線、具体的には図3のように後から見たときに丸みのあるW字状とすることが好ましい。このようにすることでヒップの形状をより整えることができる。
また、図9及び10のように帯状のヒップアップ別布8を内股6にまで接するようにして、後ろから見たときに円弧状とすることも好ましい。この場合は、ヒップアップ別布8が内股6に達していることから、ヒップを持ち上げる効果がより向上する。
本発明において裏地3の大きさは、表地の99%〜85%に設定されていることが好ましい。ここで裏地3の大きさとは、裏地3の幅および/または長さをいう。裏地3の大きさが表地の99%〜85%に設定されていることにより、裏地3がややひっぱられた状態で着用することができるため、サポート効果が向上する。また、表地との差寸分を裏地の伸長率でカバーできるため、常に裏地3が表地と人体との間で伸長された状態を保つことができる。ここでいう幅、長さとは、図6に示すように、縫製する前の型紙上で同じ部分を計測した結果を示す。図6は後身頃の部分の例であるが、幅は後中心線7から脇線4まで、長さは後中心線上でウエストラインから股下までである。そして、例えば、幅であれば表地の幅がCcmであるのに対して、裏地3の幅がDcmである、というように同じ位置を計測して割合を算出する。また、長さについては例えば後中心線7のカーブに沿って計測した表地の長さEcmに対して裏地3の長さはFcmである、というように縫い合わせる位置を計測して割合を算出する。ただし、その割合がいずれも表地の85%より小さくなると、表地と裏地を一体化した時に裏地3が引きつれて、後身頃表地2の余り分がシワとなるため、非常に美観を損なう。また、表地と裏地3が同寸あるいは裏地3の方が大きくなる、すなわち表地の100%以上になるとサポート感は全くなく、裏地3の余り分が人体と表地の間でシワとなり、着用快適性が著しく低下するので好ましくない。
さらに、図8に示すように裏地3をウエストラインの後中心線7から左右夫々れに5〜10cm開放して開口部14を設け、残り部分をウエストラインに表地に縫着することもヒップアップの効果を向上させるためには効果的である。
ウエストラインの後中心付近に開口部14を設けることにより、着用した際に縫着箇所と開放箇所の間で左右方向に裏地3を引っ張り合う力が働き、次に裏地3とヒップ部を股下部分から上に引き上げる効果を醸し出す。この時、後中心線7から左右夫々れに10cm以上開放すると、パンツの着脱の際に後身頃表地2と裏地3の間に手が入ったりして、破損の原因となる。また、左右夫々れに5cm以下では引き上げ効果が少ない。
ヒップアップの効果を確認するには、パンツを着用し、床面から腰の位置まで表示したメジャーのヨコに立ち、体側面からカメラ、好ましくはデジタルカメラで写真撮影を行う。その後、パソコン上で床面から臀部頂点の距離を測定する。この位置はパンツのデザインによっても変化する値であるので、全く同じサイズ、デザインのパンツで裏地3の有無により臀部頂点の位置の違いを差寸で表すことができる。もちろん、着用者も同一人物とする。
また、部位別の衣服圧を測定することにより、効果の有無を確認することができる。
以下、本発明を実施例および比較例を挙げてさらに具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、実施例および比較例において用いたパンツ表地および裏地の品質評価は次の方法で実施した。
(測定方法)
(1)伸長率
表地及び裏地の伸長率はJIS L 1096「一般織物試験方法」のA法(定速伸長法)のストリップ法に準じて測定した。
すなわち、5cm×30cmの試験片をタテ、ヨコ方向にそれぞれ3枚ずつ採取した。自動記録装置付定速伸長形引張試験機を用い、つかみ間隔を20cmとし、試験片のたるみや張力を除いてつかみに固定した。引張速度20cm/minで14.7N(1.5kg)まで伸ばし、その時のつかみ間隔を測り、次の式により伸長率LA(%)を求め、3枚の平均で表した。
伸長率LA(%)=[(L1−L)/L]×100
L :つかみ間隔(mm)
L1:14.7Nまで伸ばした時のつかみ間隔(mm)。
(2)伸長回復率
表地及び裏地の伸長回復率はJIS L 1096「一般織物試験方法」のA法(繰り返し定速伸長法)のストリップ法に準じて測定した。
すなわち、5cm×30cmの試験片をタテ、ヨコ方向にそれぞれ3枚ずつ採取した。自動記録装置付定速伸長形引張試験機を用い、つかみ間隔を20cmとし、試験片のたるみや張力を除いてつかみに固定した。引張速度20cm/minで別に求めた伸長率(前項LA)の値の80%まで伸ばして、1分放置した後、同じ速度で元の位置まで戻し、3分間放置する。この操作を10回繰り返した後、再び同じ速度で初荷重以上の荷重まで引き伸ばす。記録した荷重−伸長曲線から残留伸びを測り次式により伸長回復率LB(%)を求め、3枚の平均で表した。
伸長率LB(%)=[(Lb1−Lb)/Lb]×100
Lb :伸長率LAの80%の伸びに相当するチャート上の長さ(mm)
Lb1:10回繰り返し伸長後の残留伸びに相当するチャートの長さ(mm)。
(3)破裂強力
裏地の破裂強力はJIS L 1018「ニット生地試験方法」のA法(ミューレン形法)に準じて測定した。
すなわち、15cm×15cmの試験片を5枚採取し、試験片の表を上にして張力を加えずに普通の状態で、ミューレン形破裂試験機のつかみに取り付けた。加圧用油を98±4cm3/minの速度で増加させ、ゴム膜が突き破った瞬間に加圧を止めて、その時の圧力を読みとった。引き続き、つかみをゆるめて試験片を取り除いた時の指針の示すゴム膜の圧力を読みとった。下式により破裂強度を算出し、5枚の平均値で表した。
破裂強度(kPa)=a−b
a:ゴム膜が試験片を突き破った時の圧力
b:試験片を取り除いた時のゴム膜の圧力。
(4)臀部頂点の位置
本文中に述べたように、着用中の写真を体側面からカメラで撮影し、パソコン上で床面から臀部頂点までの距離を測定する。3回の着用−撮影−測定の平均値を求めた。パンツのデザインにより変化する値であるので、全く同じサイズ、デザインのパンツで裏地の有無により臀部頂点の位置の違いを差寸で表す。着用者も同一人物で比較する。
なお、臀部頂点については、体側面の画像に頭部から床面に垂直に補助線を入れ、臀部で交わる点を臀部頂点とした。
(5)衣服圧の測定
(株)エイエムアイ製の接触圧測定器のエアパックセンサーを着用者の臀部頂点、臀溝(脚の付け根)、脇の合計3箇所に貼り付ける。その上にパンツを着用して静止状態30秒、前屈運動30秒時の衣服圧の変化を計測し、3回の衣服圧計測結果の平均値を求めた。パンツのデザインにより変化する値であるので、全く同じサイズ、デザインのパンツを同一人物が着用し、裏地の有無による衣服圧(kPa)の差寸を求め、3段階評価した。
(6)審美性、着心地、肌触りの状態評価
出来上がったパンツの審美性および着用感、運動機能性、ヒップアップ効果、締め付け効果について官能評価を実施した。その評価基準を表1に示す。
モニターは20代から50代の女性10名で、着用した結果の平均点を各評価点数として示す。各評価点数の合計点数を総合評価とし、総合評価が大きいものほど優れていることを示す。
Figure 0004241744
(実施例1)
タテ糸に綿60番手双糸をヨコ糸に165デシテックスのPPTを用い、2/1のツイル(綾織)に製織、染色仕上げした。こうして得られた織物の伸度はタテ8%ヨコ25%、伸長回復率はタテ92%ヨコ85%であった。この表地の裏にポリウレタン繊維にナイロンをカバーリングした糸をラッセル編み機で編成した6コースサテンネットを、次の工程で縫着して婦人用パンツを得た。裏地の伸長率はタテ147%ヨコ41%、伸長回復率はタテ96%ヨコ85%、破裂強力は240kPaで、後身頃から前身頃ウエストラインに向かい斜め上方に傾斜した形状に裁断した。さらに裏地の内側に、後中心線で5cm幅、前身頃のウエストラインで8cm幅となるように漸増させ、ヒップ形状に合わせた曲線帯状のヒップアップ別布を、伸びを止めないように下糸にナイロンウーリー糸を用いて千鳥縫いミシンで縫着した。ヒップアップ別布の伸度はタテ156%ヨコ53%、伸長回復率はタテ96%ヨコ94%、破裂強力は290kPaのパワーネットを用いる。該ヒップアップ別布を縫着した裏地を内股部とウエストラインに縫着した。
この婦人用パンツの縫製仕様を表2に、縫製品を着用した時の審美性、着用感、運動機能性、ヒップアップ効果、締め付け効果について評価をした結果を表3に示した。
(実施例2)
タテ糸に綿50番手双糸をヨコ糸に44デシテックスの弾性糸に綿50番手をカバーリングした糸を用い、平織物に製織、染色仕上げした。こうして得られた織物の伸度はタテ12%ヨコ28%、伸長回復率はタテ85%ヨコ65%であった。この表地の裏に実施例1と同様のサテンネットを裏地として用い、次の工程で縫着して紳士用パンツを得た。該パンツのポケット布は、伸長率がタテヨコ3%のスレーキを用い、前立て部分まで延長して縫目に縫着した。次に裏地を後身頃から前身頃ウエストラインに向かい斜め上方に傾斜した形状に裁断し、さらにその内側に実施例1と同様のパワーネットを使いヒップライン下から前身頃に向かい斜め上方に傾斜した形状のヒップアップ別布を縫い付けた。該ヒップアップ別布は後中心線で7cm幅、左右前端で10cm幅となるように漸増させた曲線帯状とし、伸びを止めないように下糸にナイロンウーリー糸を用いて千鳥縫いミシンで裏地に縫い付けた。該ヒップアップ別布を縫着した裏地を、内股部とウエストライン、さらにポケット袋布の上に15cm重ねて縫着した。こうして得られた紳士用パンツの縫製仕様を表2に、縫製品を着用した時の審美性、着用感、運動機能性、ヒップアップ効果、締め付け効果について評価をした結果を表3に示した。
(実施例3)
タテ糸、ヨコ糸にポリエステルとレーヨンの混紡糸で3/1のサテン(朱子織)に製織、染色仕上げした織物を表地に使用して婦人用のパンツを縫製した。織物の伸度はタテ21%ヨコ20%、伸長回復率はタテ91%ヨコ89%であった。この表地の裏にポリビニルピロリドンを練り込んだポリアミド繊維とポリウレタン繊維で編成したサテンネットを裏地として、またヒップアップ別布としてパワーネットを用いて婦人用パンツを得た。サテンネットの伸度はタテ180%ヨコ104%、伸長回復率はタテ92%ヨコ94%、破裂強力は226kPaであった。パワーネットの伸長率はタテ109%ヨコ85%、伸長回復率はタテ97%ヨコ89%、破裂強力は280kPaであった。該パンツのポケット袋布は、伸長率がタテヨコ3%のスレーキを用い、前立て部分まで延長して縫目に縫着した。サテンネットを幅方向で表地の93%、股上長さで96%となるように後身頃から前身頃の一部を覆う形状に設計した後、幅方向に4分割、さらに股下部分も長さ方向に2分割して、各縫い合わせ線を曲線にして立体形状となるようにし、各縫い合わせ線を千鳥縫いで縫い合わせて一体化する。この時、着用中の破損を防止するため縫い合わせ線の裏側にヒップアップ別布用のパワーネットを1cm幅に裁断して補強テープとして同時に縫い付けた。さらにヒップライン下から前身頃ウエストラインに向かって帯状のヒップアップ別布を伸びを止めないように下糸にナイロンウーリー糸を用いて千鳥縫いミシンで裏地に縫い付けた。ヒップアップ別布は、後中心線で5cm幅、左右前端で8cm幅となるように漸増させた曲線帯状とする。該ヒップアップ別布を縫着した裏地を、内股部とウエストライン、さらにポケット袋布の上に18cm重ねて縫着した。さらにヒップアップ別布に使用したパワーネットを幅2cm、長さ4cmにカットして係止具とし、表地の脇縫目と対応する箇所の裏地に夫々れ縫着した。
こうして得られた婦人用パンツの縫製仕様を表2に、縫製品を着用した時の審美性、着用感、運動機能性、ヒップアップ効果、締め付け効果について評価をした結果を表3に示した。
(実施例4)
タテ糸に綿50番手双糸をヨコ糸に44デシテックスの弾性糸に綿50番手をカバーリングした糸を1本交互に使用して22Gの両面丸編機にて編成した。この両面丸編地を通常の丸編地の染色方法に準じ、染色仕上げした。こうして得られた編物の伸度はタテ60%ヨコ105%、伸長回復率はタテ65%ヨコ75%であった。この表地の裏に次の工程で縫製した裏地を縫着して婦人用のパンツを縫製した。実施例3で用いたサテンネットを後身頃から前身頃ウエストラインに向かい斜め上方に傾斜した形状に裁断した。さらに裏地の内側に、実施例3で用いたパワーネットを後中心線で7cm幅、前身頃のウエストラインで9cm幅となるように漸増させた曲線帯状のヒップアップ別布として用い、伸びを止めないように偏平2本針ミシンで裏飾り糸ナイロンウーリー糸を用いて裏地に縫着した。該ヒップアップ別布を縫着した裏地を内股部とウエストラインに縫着した。この時、後身頃の中心線から左右7cm間を開口部として縫着しないこととした。こうして得られた婦人用パンツの縫製仕様を表2に、縫製品を着用した時の審美性、着用感、運動機能性、ヒップアップ効果、締め付け効果について評価をした結果を表3に示した。
(比較例1)
実施例1で用いた織物を表地に使用して婦人用パンツを縫製した。裏地は付設しなかった。
こうして得られた婦人用パンツの縫製仕様を表2に、縫製品を着用した時の審美性、着用感、運動機能性、ヒップアップ効果、締め付け効果について評価をした結果を表3に示した。
(比較例2)
綿30番手の紡績糸をタテ糸、ヨコ糸に用い、3/1のサテン(朱子織)に製織、染色仕上げした織物を表地に使用して紳士用パンツを縫製した。この織物の伸度はタテ5%ヨコ6%、伸長回復率はタテ98%ヨコ98%であった。該パンツのポケット布には、伸長率がタテヨコ3%のスレーキを用い、ポケット布の前端は縫着しないものとした。パンツの裏地には、伸度タテ99%ヨコ72%、伸長回復率はタテ67%ヨコ73%のトリコット編地を後身頃の臀部のみ覆う形状に裁断し、内股部と脇線で表地と縫着した。さらにヒップラインの下に20cmの帯状のヒップアップ別布を伸びを止めないように下糸にナイロンウーリー糸を用いて千鳥縫いミシンで裏地に縫い付けた。ヒップアップ別布の伸度はタテ156%ヨコ53%、伸長回復率はタテ96%ヨコ94%のパワーネットを用いた
こうして得られた紳士用パンツの縫製仕様を表2に、縫製品を着用した時の審美性、着用感、運動機能性、ヒップアップ効果、締め付け効果について評価をした結果を表3に示した。
(比較例3)
56デシテックスのポリエステル糸100%の長繊維糸を使い20G丸編機で編成し、通常の染色加工仕上げをして編地を得た。こうして得られた編物の伸度はタテ40%ヨコ80%、伸長回復率はタテ88%ヨコ55%であった。パンツのウエストはゴムで始末をした開きのないタイプのいわゆるジャージパンツとした。パンツの裏地には伸度タテ109%ヨコ85%、伸長回復率はタテ97%ヨコ87%のパワーネットで、股部から上部を後身頃、前身頃ともに被うように2本の筒状に縫製し、ウエストゴム部で表地と縫着した。
こうして得られた婦人用パンツの縫製仕様を表2に、縫製品を着用した時の審美性、着用感、運動機能性、ヒップアップ効果、締め付け効果について評価をした結果を表3に示した。
Figure 0004241744
Figure 0004241744
本発明は、見た目が通常のパンツと変わらず、ヒップアップ効果があり、着用快適性に優れたパンツを提供することができる。
本発明のパンツの第一の態様を表からみた前身頃の図である。 本発明のパンツの第一の態様を裏(内側)からみた前身頃の図である。 本発明のパンツの第一の態様を裏(内側)からみた後身頃の図である。 本発明のパンツの第一の態様を股下と前中心縫目を解いた裏面(内側)展開図である。 本発明のパンツの第一の態様で使用する係止具の配置図である。 本発明のパンツの右後身頃の型紙上の幅、長さの計測例を示した図である。 本発明のパンツの第二の態様を裏(内側)からみた前身頃の図である。 本発明のパンツの第二の態様を裏(内側)からみた後身頃の図である。 本発明のパンツの第三の態様を股下と前中心縫目を解いた裏面(内側)展開図である。 本発明のパンツの第三の態様を裏(内側)からみた後身頃の図である。
符号の説明
1 :前身頃表地
2 :後身頃表地
3 :裏地
4 :脇線
5 :ウエストライン
6 :内股
7 :後中心線
8 :ヒップアップ別布
9 :前中心線(前立て部分)
10 :係止具
11 :ポケット布
12 :裏地の前面の端部
13 :裏地とポケット布の重なり部分
14 :開口部
15 :縫着糸
16 :脇縫代
A :係止具の巾
B :係止具の長さ
C :後中心線と脇線上の表地の巾
D :Cと同位置での裏地の巾
E :ウエストラインから股下までの表地の長さ
F :Eと同位置での裏地の長さ

Claims (10)

  1. 表地の内側に、後身頃のヒップ部から脇線を通り前身頃の一部を被う裏地を付設したパンツであって、該裏地は後身頃から前身頃にかけて連続した形状で、かつパンツ全周に付設されず、かつ該表地と裏地はウエストラインと内股部で接合され、さらに脇縫代の一部に表地と裏地を縫着または係止する長さ2cm以上6cm未満、かつ表地と裏地とのすきまの幅が1cm以上2cm以下の係止具を介して縫着または係止する、該裏地および係止具の伸長率が30〜200%、伸長回復率が80〜100%の範囲であることを特徴とするパンツ。
  2. 前身頃の左右のポケット布が脇線から前立て部分まで連続した形で設置されたことを特徴とする請求項1に記載のパンツ。
  3. 前記左右のポケット布が伸縮性の小さい織編物から構成されていることを特徴とする請求項2に記載のパンツ。
  4. 該裏地の左右前面を左右のポケット布に10〜20cm重ね、該裏地の左右前面の端部を該左右のポケット布に縫着したことを特徴とする請求項2または3に記載のパンツ。
  5. 表地または/および前記裏地が、一方がポリトリメチレンテレフタレートを主体としたポリエステルである2種類のポリエステル系重合体を繊維長さに沿ってサイドバイサイド型に貼り合わせた複合繊維のマルチフィラメントを、タテ糸およびヨコ糸の少なくとも一方に用いたポリエステル系ストレッチ織物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のパンツ。
  6. 裏地に、後身頃のヒップライン下から前身頃に向かい斜め上方に傾斜した帯状のヒップアップ別布を付設したことを特徴とした請求項1〜5のいずれかに記載のパンツ。
  7. 該係止具の素材が裏地およびヒップアップ別布のいずれか一つと同じ素材であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のパンツ。
  8. 裏地に破裂強力が200〜260kPaのサテンネット、ヒップアップ別布に破裂強力が261〜320kPaのパワーネットを使用したことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のパンツ。
  9. ヒップアップ別布の巾が、後中心で4〜7cm、前身頃の端部では5〜10cmとなるよう漸増させた請求項6〜8のいずれかに記載のパンツ。
  10. 裏地の大きさが表地の99%〜85%に設定されており、裏地をウエストラインの後中心線から左右夫々れに5〜10cm開放して残り部分をウエストラインに表地と縫着したことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のパンツ。
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