JP4241609B2 - 上昇垂直降下機構 - Google Patents

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Description

本発明は、人目に付く装飾体等の注意をより多くの者に引き付けるための上昇垂直降下機構に関するものである。本発明の上昇垂直降下機構は、狭い空間で回転と自重による垂直降下を行わせ、かつ、回転上昇垂直降下を行なう装飾体等の動きを面白くするもので、ディスプレイやゲーム機に適用できる。
狭い空間において、物体を螺旋状に循環上昇させた後、自重で垂直降下させた機構はない。しかし、螺旋状の導電体からなるレール上をモータを備えた移動体が移動上昇し、上端で反転して、上昇・降下を自動的に行なう自走式からくり装置は、たとえば、特許第2950401号として公知である。
特許第2950401号公報
前記従来公知の自走式移動体は、レール上を自走でき、遊園地向けのものであるため、レールおよび移動体の大きさが大きくなるだけでなく、前記移動体の制御装置も安全性等を考慮する必要があり、高価なものとなった。狭い空間において、回転上昇・自重降下を行なう物は、たとえば、印刷物を回動・降下させることにより達成することができる。しかし、ディスプレイあるいはゲーム機に組み込むために、立体的な機構として、上昇垂直降下機構は、狭い空間で行なうことができないため、いまだに開発されていない。
本発明は、狭い空間において、人目を引き付けることができ、装飾体を取り付けた上昇垂直降下機構を提供することを目的とする。また、本発明は、小型で安価な装飾体を取り付けた上昇垂直降下機構を提供することを目的とする。さらに、本発明は、前記装飾体の動きをディスプレイやゲーム機に適用することができる上昇垂直降下機構を提供することを目的とする。
以下、本発明について説明する。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
(第1発明)
第1発明の上昇垂直降下機構は、垂直軌道と、前記垂直軌道を上下方向に沿って移動可能な挿通孔、および側部に突起が設けられた可動体と、スパイラル軌道が周囲に設けられ、前記可動体の一端に設けられた凹部が前記スパイラル軌道に接する際に前記可動体を支持する固定支持体と、前記固定支持体とほぼ同心に配置され、前記可動体を上昇および自重降下させる垂直スリットを有するとともに、周囲に配置された前記垂直軌道とともに回転する筒状回転体と、前記筒状回転体の上部において、前記可動体の一端凹部による支持を解除するため、前記垂直スリットから前記突起が通過できる幅広スリットを有する解除機構と、前記筒状回転体の下部において、前記垂直スリットから前記突起が通過できる幅広スリットを設けるとともに、前記スパイラル軌道に前記可動体の一端凹部が接近することにより装着される装着機構と、前記可動体を上昇および自重降下を繰り返させるために前記垂直軌道とともに回転する前記筒状回転体を回転制御する駆動機構とから少なくとも構成されていることを特徴とする。
(第2発明)
第2発明の上昇垂直降下機構において、第1発明における前記装着機構は、前記固定支持体の下部近傍であって、前記スパイラル軌道の間に金属または磁石設けられ、かつ、前記可動体の一方の端部に磁石または金属設けられていることを特徴とする。
(第3発明)
第3発明の上昇垂直降下機構において、第1発明の装着機構は前記筒状回転体は、下部に設けられた前記幅広スリット近傍に、前記可動体を前記装着機構に装着させるナイフ状エッジ部からなるガイドが設けられていることを特徴とする。
(第4発明)
第4発明の上昇垂直降下機構は、垂直軌道と、前記垂直軌道を上下方向に沿って移動可能な挿通孔、および側部に突起が設けられた可動体と、スパイラル軌道が周囲に設けられ、前記可動体の一端に設けられた凹部が前記スパイラル軌道に接する際に前記可動体を支持する回転支持体と、前記回転支持体とほぼ同心に配置され、前記可動体を上昇および自重降下させる垂直スリットを有するとともに、周囲に配置された前記垂直軌道とともに固定されている筒状固定体と、前記筒状固定体の上部において、前記可動体の一端凹部による支持を解除するため、前記垂直スリットから前記突起が通過できる幅広スリットを有する解除機構と、前記筒状固定体の下部において、前記垂直スリットから前記突起が通過できる幅広スリットを設けるとともに、前記スパイラル軌道に前記可動体の一端凹部が接近することにより装着される装着機構と、前記可動体を上昇および自重降下を繰り返させるために前記回転支持体を回転制御する駆動機構とから少なくとも構成されていることを特徴とする。
本発明によれば、可動体をスパイラル軌道上に係合させることにより、回転上昇させ、自重により垂直降下を行なっているため、特別に複雑な機構が不要であり、狭い空間で、簡単な機構により、装飾体が付けられた可動体を上昇垂直降下させることができる。
本発明によれば、狭い空間で、簡単な機構により可動体を上昇垂直降下の態様に変化を与えるように制御することで、装飾体の動きが人目に止まるようにすることができる。
本発明によれば、上昇垂直降下機構の制御態様、あるいは前記装飾体の形状、色、キャラクタ等を工夫することで、人を引き付けるディスプレイ、あるいは、ゲーム機に組み込むことができる。
本発明によれば、上昇垂直降下機構の制御をゲーム機のリズムに合わせることにより、ゲームに対する臨場感やゲーム機の楽しさを倍増させることができる。
(第1発明)
第1発明の上昇垂直降下機構は、可動体(たとえば、図1の符号15)と、固定支持体(たとえば、図1の符号13)と、解除機構(たとえば、図1および図3の符号143)と、装着機構(たとえば、図1の符号144、図2の符号132、142、図3の符号154)と、回転体(たとえば、図1の符号14)と、駆動機構(たとえば、図2の符号17、171、172、173等)とから少なくとも構成されている。前記可動体は、垂直軌道に沿って上下方向に移動可能になっている。ここで、垂直軌道とは、別段、数学的な垂直のみを指すわけではなく、鉛直方向に対してある程度の角度の傾きがあるものを含んでいる。前記固定支持体は、たとえば、支持架台に固定されているとともに、回転軌道が周囲に設けられ、前記回転軌道によって、前記可動体の一端を支持している。前記可動体は、前記回転軌道に一端を、また、側部の突起を回転体の軌道に係合させることにより、回転しながら回転軌道に沿って上昇できる。ここで、回転軌道とは、螺旋状あるいはスパイラル状の軌道を含み、軌道の間隔が等間隔のものも非等間隔のものも含んだものである。前記解除機構は、前記可動体の一端が前記回転軌道に支持されているのを解除する。解除機構は左記の作用をもたらす機構を指すものであって、その機構を構成するものは、単独の部品からなるものであっても、複数の部品からなるものであってもよく、複数の部品からなる場合は、それぞれが固定支持体、回転体および可動体のいずれに設けられても、あるいはどれか一つに設けられてもよい。
前記装着機構は、前記可動体が前記固定支持体の回転軌道から解除されている場合、前記回転軌道に装着させる。装着機構は、左記の作用をもたらす機構を指すものであって、その機構を構成するものは、単独の部品からなるものであっても、複数の部品からなるものであってもよく、複数の部品からなる場合は、それぞれが固定支持体、回転体および可動体のいずれに設けられても、あるいはどれか一つに設けられてもよい。本実施例では、前記固定支持体を囲む回転体は、前記解除機構および装着機構を備え、前記可動体を回転上昇および自重垂直降下を繰り返させる前記垂直軌道とともに回転する。前記可動体は、前記回転体の回転により、前記固定支持体の回転軌道に沿って上昇し、上部に達した際に、固定支持体から解除され、自重により垂直降下する。前記自重により垂直降下した可動体は、前記固定支持体の下部に設けられた装着機構により、前記固定支持体の回転軌道に支持または係合される。前記垂直降下する際の軌道は、垂直以外に、傾斜あるいは蛇行等いろいろな形状にすることができる。
前記駆動機構は、前記回転体を所望の回転速度によって回転制御する。本発明の上昇垂直降下機構は、見る人の目を引きつけるためのディスプレイ、ゲーム機等に組み込みが可能であり、狭い空間で、前記可動体に取り付けられた人の目を引く装飾体が回転上昇、および自重降下を繰り返すだけでなく、その速度や動く態様を前記駆動機構により変えることができ、多くの人の目を引き付けることができる。
発明の上昇垂直降下機構は、固定された固定支持体(たとえば、図1の符号13)と、前記固定支持体を囲む筒状の回転体(たとえば、図1の符号14)と、前記筒状の回転体の垂直面に沿って上下動する可動体(たとえば、図1の符号15)と、前記筒状の回転体を回転制御する駆動機構(たとえば、図2の符号17、171、172、173等)とから少なくとも構成されている。前記固定支持体は、その周囲に突出したスパイラル軌道(たとえば、図5の符号131)が設けられており、前記可動体の凹部(たとえば、図5の符号153)を前記スパイラル軌道に、前記可動体の突起(たとえば、図5の符号155)を筒状の回転体の内部にそれぞれ係合させて、回転させることにより回転上昇させる。前記筒状の回転体は、少なくとも一つの垂直なスリット(たとえば、図3の符号141)が設けられ、前記スリットから突起が通過できる幅広部(たとえば、図3の符号143)が備えられている。また、前記スリットは、たとえば、120度間隔に離れた三つのスリットを設けることもできる。
前記可動体は、前記スパイラル軌道との係合により回転するとともに、前記筒状の回転体に固定された軌道を上昇および自重降下を繰り返す。また、前記可動体は、たとえば、側部に突起を有し、前記筒状の回転体に設けられたスリットの上部および下部における幅広部においてのみ、通過できるようになっている。前記駆動機構は、第1発明と同様に、前記筒状の回転体を回転制御することができ、前記可動体に取り付けられた人目を引く装飾体を取り付けて回転上昇および垂直降下を繰り返す。
(第発明)
発明の上昇垂直降下機構は、第1発明の固定支持体が連続スパイラル軌道(たとえば、図3の符号131)における軌道間で、かつ、下部近傍に金属または磁石(たとえば、図3の符号132)が設けられている。前記金属または磁石は、たとえば、前記軌道間に埋設または接着されている。さらに、前記金属または磁石は、点状または帯び状に設けても良い。また、前記固定支持体および回転支持体は、全体を金属製にすることもできる。さらに、可動体の一方の端部に磁石または金属(たとえば、図3の符号154)が設けられている。スパイラル軌道に金属を付けた場合、可動体には磁石を付け、反対に、前記連続スパイラル軌道に磁石を付けた場合、前記可動体に金属を付ける。また、スパイラル軌道にN
極性が表面に露出するように磁石を設けた場合、可動体にS 極性が表面に露出するように磁石を設けてもよい。
(第発明)
発明の上昇垂直降下機構は、第1発明において、回転体の下部で、スリットの幅広部下部近傍にナイフ状エッジ部(たとえば、図1の符号144)からなるガイドが設けられている。前記ナイフ状エッジ部からなるガイドは、可動体に設けられた傾斜突起(たとえば、図3の符号152)をガイドするもので、一旦、軌道を離れた前記可動体を固定支持体または回転支持体に積極的に接近させることができる。前記ナイフ状エッジ部は、その傾斜および位置が前記第3発明における金属または磁石が取り付けられているスパイラル軌道に装着し易いようになっている。前記ナイフ状エッジ部は、前記傾斜突起をガイドするものであれば、特に形状が限定されない。ナイフのようにエッジが鋭くなっているものに限られるわけではなく、左記作用を満たせば、エッジが丸まっている形状も含まれる。
前記上昇垂直降下機構において、第1発明の解除機構は、前記可動体に設けられた突起と上部に設けられた前記幅広スリットからなる。前記可動体は、上昇して、上部に設けられた前記幅広スリットに達することにより、前記突起部が前記幅広スリットから抜け出すことになり、前記固定支持体の係合が解除される。
(第発明)
発明の上昇垂直降下機構は、スパイラル軌道を備えた回転支持体と、可動体と、解除機構と、装着機構と、前記垂直軌道とともに固定されている筒状固定体と、駆動機構とから少なくとも構成されている。第発明の上昇垂直降下機構は、スパイラル軌道(たとえば、図の131)が周囲に設けられている回転可能な回転支持体(たとえば、図1の符号13)、筒状固定体(たとえば、図1および図3の符号14)を備えている。前記可動体は、垂直軌道に沿って上下方向に移動が可能である。また、前記回転支持体は、周囲に回転軌道が設けられ、前記可動体の一端が支持されている。前記解除機構および装着機構は、回転しない筒状固定体に設けられている点で、第1発明と異なっている。前記筒状固定体は、固定された位置により、前記回転軌道と、前記解除機構および装着機構によって、前記可動体を上昇および自重降下を繰り返させる。前記駆動機構(図示せず)は、前記回転支持体の回転を制御している。
前記可動体の動きは、前記回転軌道の回転により上昇し、所定の高さに達した場合、前記解除機構により、前記回転軌道との係合が解除され、所定の高さまで自重降下した場合、前記装着機構により前記回転軌道に係合され、上方に移動する。すなわち、第2発明の上昇垂直降下機構は、第1発明と異なり、可動体が垂直上昇、自重による垂直降下を繰り返し、見る人の目に刺激を与え、商品やゲーム機に注目させる。第6発明の駆動機構は、図示していないが、公知の手法をつかって、回転支持体を回転駆動させるものである。
以下、本発明の上昇垂直降下機構における他の実施形態を説明する。本発明の上昇垂直降下機構は、固定支持体および回転支持体に設けられた連続スパイラル軌道が非等間隔に設けられている。たとえば、前記連続スパイラル軌道は、ほぼ水平部および急傾斜部を交互に設けることもできる。また、前記連続スパイラル軌道は、前記ほぼ水平部および急傾斜部の角度を任意に変えることができる。
さらに、前記連続スパイラル軌道は、波のように上下動するようにすることもできる。前記連続スパイラル軌道の軌道における角度の変化は、前記可動体に取り付けた人目を引く装飾体の動きに大きな変化があり、多くの者が注目を集めるのに優れている。さらに、前記固定支持体および回転支持体は、丸棒材または角棒材、これらの充実材または中空材から構成することもできる。
本発明の上昇垂直降下機構は、回転体および回転支持体を回転自在に支持架台に取り付けられ、駆動装置の制御の基に回転させている。
本発明の上昇垂直降下機構は、回転体および回転支持体が駆動装置におけるパルスモータにより回転運動と位置制御が行なわれる。前記パルスモータは、最初検出した位置から駆動装置に出力するパルス数を計数し、前記所定のパルス数に達した場合にパルスを停止、すなわち、運動を停止させることにより、位置が制御される。
本発明の上昇垂直降下機構は、回転体および固定支持体が透明部材から構成されている。前記透明部材からなる回転体および固定支持体は、内部にスパイラル軌道が見えたり、あるいは前記スパイラル軌道に描かれた模様等が見えるため透明部材と相まって人の興味を強く引くことができる。また、前記透明部材は、一部に模様を設け、内部の模様と相まってさらに強い印象を見る者に与えることができる。
本発明の上昇垂直降下機構は、可動体が垂直降下に際し、前記ナイフ状エッジ部からなるガイドに当接して固定支持体側および回転支持体側に強制的に接近させられる。前記可動体は、側部に傾斜突起が設けられているため、前記ガイドと前記傾斜突起とにより、固定支持体側および回転支持体側にスムーズに接近することができる。
本発明の上昇垂直降下機構は、可動体の固定支持体側および回転支持体側に連続スパイラル軌道に係合し易い凹部が備えられている。前記凹部は、前記回転体および回転支持体が回転する際に、連続スパイラル軌道から脱落せずに上昇させることが容易にできる。
本発明の上昇垂直降下機構は、可動体が上下動する垂直軌道を糸状部材等の可撓性を有する部材から構成される。前記垂直軌道は、金属体、合成樹脂製、木製のような必ずしも剛体である必要はなく、糸状部材あるいは弾性部材のように多少揺れるようにしても、面白さがでる。
本発明の上昇垂直降下機構は、可動体の前記固定支持体側および回転支持体側と反対側に、目に付き易い装飾体が付けられている。前記装飾体は、ディスプレイとしての目的や、ゲーム機の種類によって、色や形が多様化される。前記装飾体は、キャラクタの人形や写真等であっても良い。前記装飾体は、LEDを使用したり、あるいはLEDと透明の樹脂やガラス等を組み合わせることもできる。また、前記装飾体は、樹脂やガラスのカットをLED等の照明で照射し、反射光に変化を与えることができる。さらに、前記装飾体は、LEDの色を変えたり、形状を任意に変えることができる。
本発明の上昇垂直降下機構において、可動体は、回転体および固定支持体により、上昇時に内側に位置し、自重降下時に外側に位置するようにガイドされる。すなわち、前記可動体は、側部に設けられた突起により、連続スパイラル軌道から離れ、回転体および回転支持体の外側で自重降下し、前述のナイフ状エッジ部と前記突起とがガイドになり、回転体および回転支持体の内部に移動し、前記軌道に係合される。
本発明の上昇垂直降下機構において、可動体は、位置がセンサにより検出され、前記センサから検出された信号によって停止位置が決定される。すなわち、本発明の上昇垂直降下機構は、複数の可動体に対して、上昇位置と降下位置を制御することができる。
本発明の上昇垂直降下機構は、固定支持体、回転体、回転支持体が支持架台により支持され、前記支持架台の少なくとも一方が見れる状態になっている。前記支持架台は、使用目的によって、四方から見えるようにすることもできる。
本発明の上昇垂直降下機構は、固定支持体、回転体、回転支持体が支持架台により支持され、周囲および上下が覆われている五つの面の内の少なくとも一つの面が鏡になっている。前記支持架台の内面は、複数の面に鏡を設けることにより、回転上昇および垂直自重降下の繰り返す運動が前記鏡により相乗効果となって表れる。
本発明の上昇垂直降下機構は、固定支持体または回転支持体と可動体との接離がソレノイドにより行われる。前記固定支持体または回転支持体と可動体との接離は、可動体および垂直軌道を回転軌道の半径方向にソレノイドで駆動することにより行なわれる。前記ソレノイドは、回転体の機構にかかわらず、所望の場所に設けることで、所望の場所で上昇させ、所望の場所で垂直自重降下を行うことができる。また、ソレノイドは、垂直方向に複数設けることにより、自重降下位置を制御装置により選択することができる。
図1は本発明の第1実施例である上昇垂直降下機構を説明するための正面図である。図2は本発明の第1実施例である上昇垂直降下機構を説明するための一部断面を有する側面図である。図3は本発明の第1実施例である上昇垂直降下機構を説明するための分解図である。図4は本発明の第1実施例である上昇垂直降下機構を説明するための上部断面図である。図1から図4において、上昇垂直降下機構11は、支持架台12と、固定支持体13と、透明筒状の回転体14と、可動体15と、垂直軌道16と、駆動機構17と、装飾体18とから構成されている。
前記支持架台12は、下部取付凹部122を備えた下部支持体121と、開口部124を備えた上部支持体123と、前記開口部124から突出する前記透明筒状の回転体14の上部を塞ぐ蓋体125と、前記下部支持体121と上部支持体123を連結する支柱126とから構成されている。前記支持架台12は、必要に応じて、少なくとも一面を開口させ、前記装飾体18およびその動きが見えるようになっている。また、前記支持架台12は、側面および上下面の内の一つまたは複数に鏡を設け、前記装飾体18や内部機構を反射させて面白く見せることができる。
前記固定支持体13は、下部が前記下部取付凹部122に固定されるように取り付けられているとともに、周囲に連続して設けられたスパイラル軌道131と、前記スパイラル軌道131の下部近傍に設けられた磁性体からなる金属体132と、前記蓋体125に設けられた凸部127に嵌合する凹部133とから構成されている。なお、前記金属体132は、点状または帯び状の磁性体からなり、前記スパイラル軌道131の間に埋設あるいは接着等により取り付けられる。また、前記金属体132の代わりに永久磁石とすることもできる。
図3の分解図により判るように、透明筒状の回転体14は、垂直方向に設けられた垂直スリット141と、前記垂直スリット141の下方に設けられた下部幅広スリット142と、上部に設けられた上部幅広スリット143と、前記下部幅広スリット142の下方近傍に設けられたナイフ状エッジ部144とから構成されている。前記垂直スリット141は、図3において、たとえば、120度毎に等間隔を開けて設けられているが、任意の数として設けられる。また、前記垂直スリット141の先端部は、外側に向かって厚さが厚くなるテーパー部1411を備えることもできる。前記テーパー部1411は、後述の可動体15の両側面に設けられた突起155を透明筒状の回転体14の外に出し易い形状になっている。
前記可動体15は、前記同様に図3の分解図により判るように、後述の垂直軌道16が挿通する挿通孔151と、側部に設けられ、傾斜部を有する傾斜突起152と、前端部に前記スパイラル軌道131に載置または係合できる凹部(スパイラル軌道載置部)153と、同じく前端部に前記磁性体からなる金属体132を吸引する永久磁石154と、両側部に前記垂直スリット141に対して障害となり、下部幅広スリット142、143に対して通過可能な突起155と、後端部に前記装飾体18を取り付ける取付孔156とから構成される。
前記傾斜突起152は、前記可動体15が垂直スリット141を自重により垂直に降下した際に、ナイフ状エッジ部144に当接し、前記ナイフ状エッジ部144がガイドになり、前記可動体15をスパイラル軌道131に近づける。その後、前記可動体15の凹部153は、永久磁石154とスパイラル軌道131の間に埋設された点状の金属体132との力で、スパイラル軌道131に係合される。前記可動体15に永久磁石154を取り付けた場合、固定支持体13には、金属体132を取り付け、前記可動体15に金属体を取り付けた場合、前記固定支持体13には、永久磁石154を取り付ける。
前記垂直軌道16は、前記透明筒状の回転体14に固定されているとともに、前記可動体15の挿通孔151に、前記可動体15が移動可能に挿通されている。前記垂直軌道16は、金属、プラスチック、木製等の剛体、または可撓性のある糸部材、弾性部材等のいずれでも良い。
前記駆動機構17は、たとえば、ステップモータ171と、前記ステップモータ171の回転軸に連結された第1ギア172と、前記第1ギア172により回転されるとともに、前記透明筒状の回転体14の周囲に嵌合された第2ギア173とから構成されている。前記駆動機構17は、図示されていない制御装置により制御されることにより、所望の速度、停止位置の制御等を行うことができる。装飾体18は、前記可動体15の後端部に設けられた取付孔156にネジ等を用いて取り付けられる。
図5は本発明の第1実施例の動作説明図であり、装飾体の位置が(イ)から(ニ)により示されている。図6(イ)から(ニ)は本発明の第1実施例の動作を説明する断面図であり、可動体の位置を説明するための図である。図5(イ)および図6(イ)において、可動体15は、凹部153とスパイラル軌道131との係合、および垂直スリット141に移動可能な状態で挟持されることにより、また、透明筒状の回転体14の回転により、固定支持体13の周囲に設けられたスパイラル軌道131に沿って回転しながら上昇する。
前記可動体15は、回転しながら上昇し、図5(ロ)の位置に到達する。図6(ロ)′に示されているように、前記可動体15は、透明筒状の回転体14における上部幅広スリット143と、前記可動体15および/または図示されていない、装飾体18の重さにより、矢印方向の力が働く。前記可動体15は、図5(ハ)および図6(ハ)に示すように、左右に設けられた突起155が前記透明筒状の回転体14に設けられた上部幅広スリット143の外に出ることにより、垂直スリット141の外部および垂直軌道16に沿って自重で垂直降下する。
前記可動体15は、図5(ハ)および図6(ハ)に示す状態において、自重により垂直降下する。図5(ニ)および図6(ニ)に示す状態において、前記可動体15の一側部に設けられている傾斜突起152は、透明筒状の回転体14の下部近傍に取り付けられているナイフ状エッジ部144のエッジに沿って固定支持体13方向に接近する。また、前記可動体15の両側部に設けられている突起155は、下部幅広スリット142を通り、前記固定支持体13の方向に接近する。
前記可動体15は、図5(イ)および図6(イ)に示すように、前記突起155と、ナイフ状エッジ部144および前記傾斜突起152の係合運動、および永久磁石154と金属体132の吸引作用により、前記凹部153がスパイラル軌道131に係合する。前記可動体15は、上記のように、回転上昇、および自重による垂直降下を繰り返す。図5および図6に示された例は、可動体15および装飾体18が一個で説明されているが、図1に示すように、前記可動体15および装飾体18を三個にして、それぞれに回転上昇および自重による垂直降下のタイミングを少しずつずらすのが望ましい。
実施例1は、スパイラル軌道131を備えている固定支持体13が固定で、透明筒状の回転体14が回転する。これに対して、別の例は、スパイラル軌道を有する部分が回転支持体となり、前記透明筒状の回転体を固定し、その他の構成を同じにする。すなわち、前記例は、前記第1実施例の透明筒状の回転体が固定されているため、可動体が回転支持体の回転により垂直に上昇し、所定の位置(上部幅広スリット)に達した後、自重で垂直降下する。
次に、回転体の回転制御について説明する。可動体Pの回転方向の原点を検知する図示されていないセンサAと、前記可動体Pの上下方向の原点を検知するセンサBが設けられる。可動体の数を3個として、それぞれをP1、P2、P3とする。センサAは、可動体P1が正面を向いた時に、ONするように設定される。前記可動体P1、P2、P3は、120度の等間隔で配置される。この場合、P2=P1+120度、P3=P1+240度となり、それぞれの位置を特定することができる。
制御装置は、センサAの検知信号により、各可動体Pの位置をステップモータのパルス数によって管理する。センサBは、前記センサAから180度の位置で、可動体Pが所定位置まで上昇した時に、ONするように設定される。前記センサBのON信号は、センサAで管理している角度を判定することにより、どの可動体P1からP3によるものであるかを把握することができる。前記センサBの検知による可動体Pの位置は、ステップモータのパルス数とスパイラル軌道のピッチによって算出することができる。前記センサは、機械的センサ、光センサ、赤外線センサとし、ディスプレイあるいはゲーム機の目的等により種々変更ができるようにする。
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された事項を逸脱することがなければ、種々の設計変更を行うことが可能である。本実施例に記載されている上昇垂直降下機構を構成する材料は、合成樹脂の他に公知または周知のものを使用できる。装飾体は、本発明の使用目的に応じてどのようなものでも付けることができる。制御装置は、ステップモータを使用することにより、回転および位置制御を任意に行なうことができる。
本発明の上昇垂直降下機構は、たとえば、パチンコ遊技機に適用した場合、大当たりに際し、回転速度を上げ、大当たりの終了と同時に前記回転速度を下げることにより、装飾体の回転が臨場感を出すようになる。本発明の上昇垂直降下機構は、特別遊技が終了する時間が迫るとともに、装飾体の回転速度を上昇させることにより、緊迫感を煽ることができる。また、本発明の上昇垂直降下機構は、実施例のユニットを2台並べて、ベルト等により繋ぎ、前記2台を同時に駆動することで、ディスプレイ面積を大きくしたり、装飾体の動きを連動させるようにすることもできる。さらに、本発明の上昇垂直降下機構は、装飾体と遊技内容を同じものとすることもできる。
本発明の上昇垂直降下機構は、永久磁石をソレノイドに代えたり、あるいは回転駆動をベルトによって行うことも可能である。前記ベルトは、2軸の間を縦または横方向に回転させることにより、ディスプレイの面積を大きくすることができるだけでなく、広がりのある上昇垂直降下機構または、垂直上昇垂直降下を行なわせることができる。
本発明の第1実施例である上昇垂直降下機構を説明するための正面図である。(実施例1) 本発明の第1実施例である上昇垂直降下機構を説明するための一部断面を有する側面図である。 本発明の第1実施例である上昇垂直降下機構を説明するための分解図である。 本発明の第1実施例である上昇垂直降下機構を説明するための上部断面図である。 本発明の第1実施例の動作説明図であり、装飾体の位置が(イ)から(ニ)により示されている。 (イ)から(ニ)は本発明の第1実施例の動作を説明する断面図であり、可動体の位置を説明するための図である。
符号の説明
11・・・上昇垂直降下機構
12・・・支持架台
121・・・下部支持体
122・・・下部取付凹部
123・・・上部支持体
124・・・開口部
125・・・蓋体
126・・・支柱
127・・・凸部
13・・・固定支持体
131・・・スパイラル軌道
132・・・金属体
133・・・凹部
14・・・透明筒状の回転体
141・・・垂直スリット
142・・・下部幅広スリット
143・・・上部幅広スリット
144・・・ナイフ状エッジ部
1441・・・テーパー部
15・・・可動体
151・・・挿通孔
152・・・傾斜突起
153・・・凹部(スパイラル軌道載置部)
154・・・永久磁石
155・・・突起
156・・・取付孔
16・・・垂直軌道
17・・・駆動機構
171・・・ステップモータ
172・・・第1ギア
173・・・第2ギア
18・・・装飾体

Claims (4)

  1. 垂直軌道と、
    前記垂直軌道を上下方向に沿って移動可能な挿通孔、および側部に突起が設けられた可動体と、
    スパイラル軌道が周囲に設けられ、前記可動体の一端に設けられた凹部が前記スパイラル軌道に接する際に前記可動体を支持する固定支持体と、
    前記固定支持体とほぼ同心に配置され、前記可動体を上昇および自重降下させる垂直スリットを有するとともに、周囲に配置された前記垂直軌道とともに回転する筒状回転体と、
    前記筒状回転体の上部において、前記可動体の一端凹部による支持を解除するため、前記垂直スリットから前記突起が通過できる幅広スリットを有する解除機構と、
    前記筒状回転体の下部において、前記垂直スリットから前記突起が通過できる幅広スリットを設けるとともに、前記スパイラル軌道に前記可動体の一端凹部が接近することにより装着される装着機構と、
    前記可動体を上昇および自重降下を繰り返させるために前記垂直軌道とともに回転する前記筒状回転体を回転制御する駆動機構と、
    から少なくとも構成されていることを特徴とする上昇垂直降下機構。
  2. 前記装着機構は、前記固定支持体の下部近傍であって、前記スパイラル軌道の間に金属または磁石設けられ、かつ、前記可動体の一方の端部に磁石または金属設けられていることを特徴とする請求項1に記載された上昇垂直降下機構。
  3. 前記筒状回転体は、下部に設けられた前記幅広スリット近傍に、前記可動体を前記装着機構に装着させるナイフ状エッジ部からなるガイドが設けられていることを特徴とする請求項1に記載された上昇垂直降下機構。
  4. 垂直軌道と、
    前記垂直軌道を上下方向に沿って移動可能な挿通孔、および側部に突起が設けられた可動体と、
    スパイラル軌道が周囲に設けられ、前記可動体の一端に設けられた凹部が前記スパイラル軌道に接する際に前記可動体を支持する回転支持体と、
    前記回転支持体とほぼ同心に配置され、前記可動体を上昇および自重降下させる垂直スリットを有するとともに、周囲に配置された前記垂直軌道とともに固定されている筒状固定体と、
    前記筒状固定体の上部において、前記可動体の一端凹部による支持を解除するため、前記垂直スリットから前記突起が通過できる幅広スリットを有する解除機構と、
    前記筒状固定体の下部において、前記垂直スリットから前記突起が通過できる幅広スリットを設けるとともに、前記スパイラル軌道に前記可動体の一端凹部が接近することにより装着される装着機構と、
    前記可動体を上昇および自重降下を繰り返させるために前記回転支持体を回転制御する駆動機構と、
    から少なくとも構成されていることを特徴とする上昇垂直降下機構。
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